中目黒・楽屋で、1981年生まれのフィンランド人ドラマーのマチネー公演を見る。Teemu Korpipääという電気音をPCや装置で出す人物を従えてのものだ。アタマから彼は低音のシークエンス音を流す(それ、最初とても北欧的な佇まいを持つナと、ぼくは感じた。https://teemukorpipaa.bandcamp.comで聞ける彼の音はエスニックであったりもし、いろいろ引き出しを持つ)など対等な位置で音出しをし、それに合わせて叩いて行くロウヒヴォオリは強弱のヴァリエーションが豊富とすぐに思わせる。かなり人の良さをにじませるロウヒヴォオリはPCやパッドも横に起き、少し用いた。

 音楽エリート一家の出であるロウヒヴィオリはトーマス・スタンコ(2005年10月26日)のブループでも叩いているそうだが、マッチド・グリップで叩いていたものの、やはりいろんな(ときに高尚な)音楽経験を奥に見透かさせるところはあるか。そして、そんな彼にとって、これは一番はっちゃけた(?)方にあるプロジェクトなのだと思う。

▶過去の、トーマス・スタンコ
http://43142.diarynote.jp/200511130011570000/

<今日の、風かおらず。気持ち的にも>
 わー、7月かあ。もう1年の半分が終わってしまったーっ。梅雨の辛さについては、今年はあまり感じなかったと思うが、さすがほどほどに蒸し暑さを感じるようになっている。さあ、今年の夏は……。

 まず、りんかい線の十条駅側にあるシネカフェ・ソトに行く。ちゃんと映写機が設置されていて、映画上映ができることを売りにしている会場だが、中に入ってありゃ。映写機が置かれていた側にステージが作られていた前回来たときと異なり、逆側がステージになっていたもので。だが、後でそれには納得。LONESOME STRINGS(2007年6月29日、2012年6月14日)のこの晩のライヴは昨年秋に出された新作『ロンサムストリングスの映画音楽』(ミディ)負うものだが、なんと流す映画に合わせて彼らが演奏するという体裁を持つ実演であったのだ。

 ただし、4人が取り上げた映画音楽とは全然関係のない映画を上映するというのが、いい加減というか、今回のライヴの興味深いところ。『ロンサムストリングスの映画音楽』では、ボブ・ディランが一部出演し音楽を担当した1973年映画「ビリー・ザ・キッド 21歳の生涯」やマイルス・デイヴィスが音楽を担当した1971年ドキュメンタリー映画「ジャック・ジョンソン」やマイク・ブルームフィールド/エレクトリック・フラッグが音楽を担当した1967年サイケデリック映画「白昼の幻想」やロック勢の楽曲を用いた1970年のカウンター・カルチャー映画「砂丘」(そこに使われていたピンク・フロイド、ジェリー・カガルシア、ロスコー・ホルコム、ジョン・フェイヒーの曲を、LONESOME STRINGSはアルバムで取り上げた)などの曲を素材にしていたが、ここで上映した映画はマレーネ・デートリッヒ主演の1931年モノクロ映画「間謀×27」。(関係のない映画と音楽が)ときにシンクロするところもあってのおもしろい、みたいなMC発言もあったか。そんなライヴは、昨日と今日の二日間持たれた。今日の方が手慣れていたのかな?

 映画を流すので、場内自体は暗い。最初はライトが照らされるなかで面々が演奏する様を見たいと思った。だが、徐々に映像と音楽は新たな関係を作っていく感覚も得られていき……。最後のシーンとなる囚われたスパイのデートリッヒが処刑の場に向かい銃殺される箇所で演奏されたのは、ディランの「ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア」だった。

 ギターの桜井芳樹(2001年3月24日、2005年2月19日。2007年6月29日、2012年6月14日、2014年8月16日)、スティール・ギターの田村玄一(1999年9月19日、2000年6月12日、2007年5月26日、2007年6月29日、2011年9月16日、2012年6月14日)、5弦バンジョーの原さとし(2007年6月29日、2012年6月14日、2014年8月16日)、ダブル・ベースの千ヶ崎学(2013年3月23、2016年12月29日)。千ヶ崎は松永孝義(2005年2月19日、2007年6月29日)亡き後ここで弾くようになって、3年経つという。ところで、田村や原はそれなりにエフェクターのボードを組んでいたが、桜井は一つ(ヴォリューム・ペダル?)しかギターとアンプの間につないていなくて、ほう。

▶︎過去の、ロンサム・ストリングス
http://43142.diarynote.jp/200707041025510000/
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
▶︎過去の、桜井
http://43142.diarynote.jp/200502232040290000/
http://43142.diarynote.jp/200707041025510000/
▶過去の、桜井
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm シカラムータ
http://43142.diarynote.jp/200502232040290000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20070629
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
http://43142.diarynote.jp/201408180925374091/
▶︎過去の、田村
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/september1999live.htm リトルテンポ(LKJ)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-6.htm リトル・テンポ
http://43142.diarynote.jp/?day=20070526 リトル・テンポ
http://43142.diarynote.jp/200707041025510000/
http://43142.diarynote.jp/201109171049342536/ リトル・テンポ
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
▶過去の、原さとし
http://43142.diarynote.jp/?day=20070629
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
http://43142.diarynote.jp/201408180925374091/
▶︎過去の、松永孝義
http://43142.diarynote.jp/200502232040290000/
http://43142.diarynote.jp/200707041025510000/
▶︎過去の、千ヶ崎学
http://43142.diarynote.jp/?day=20130323
http://43142.diarynote.jp/201612310826453297/

 その後は、代官山・晴れたら空に豆まいて に行き、アート・リンゼイ(1999年12月18日、2002年9月9日、2004年11月21日、2011年6月8日、2014年10月26日、2015年6月9日、2016年9月1日、2017年6月23日)とジム・オルーク(2000年3月25日、2001年2月20日、2006年4月18日、2006年10月22日、2007年4月20日、2008年8月24日、2010年4月15日、2010年11月17日、2011年1月8日、2013年4月21日、2013年5月24日、2014年10月11日、2015年4月9日、2017年2月5日)のデュオ公演を見る。リンゼイは立ち、オルークは座ってパフォーマンス。この二人は、昨年もここでさしの公演を持っている。

 ギグによってはヴィンテージ・シンセサイザーだけを操ることもあるオルークだが、この晩の彼のギター演奏に専念する様に触れて、やっぱりうまい。味もエッジもあると、大きく頷く。彼は十全に音楽的な音を繰り出し、リンゼイの無勝手流の演奏を支える。リンゼイはある意味、マイ・ペースだが、普段とはまた別の“触媒”を得たことによるうれしさは出ていたのではないか。アリ曲を提示してそこに茶々を差し込み合い発展していくものを中心に、最初からインプロしていくものもあったか。

▶過去の、アート・リンゼイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
http://43142.diarynote.jp/201506111719463390/
http://43142.diarynote.jp/201609200958472477/
http://43142.diarynote.jp/201706240934237865/
▶過去の、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm ソニック・ユース
http://43142.diarynote.jp/200604210538510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061022
http://43142.diarynote.jp/?day=20070420
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824
http://43142.diarynote.jp/?day=20090531
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201011181757468769/
http://43142.diarynote.jp/201101111201402329/
http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201504131107563912/
http://43142.diarynote.jp/201702081154435197/

<今日の、会場>
 最初の会場のカフェシネでは、それなりに由緒ありそげな日本酒を何本か、一合500円で販売したいた。常温になっちゃっていたのが痛し痒しだが、これは安い。そのLONESOME STRINGSのショウは2部制で持たれ、映画は途中で切られ、2部はその続きから上映された。一番外側の席に座っていたのを幸いに、意を決して2部の途中でお代わりを買いにでる。そのあと、本当にココロ安らぎ、実演に接することができました。このライヴの模様はミュージック・マガジン誌で書きます。
 ベルギー人のドミニク・アベルと豪州生まれのカナダ人であるフィオナ・ゴードン、パリのジャック・ルコック国際演劇学校で出会った道化師夫婦による4本目の長編映画(2016年、フランス/ベルギー映画)を渋谷・映画美学校試写室で見る。なるほど、映画一筋ではない、しなやかさと粋がよく現れた作品だな。とともに、パリという街ありきの笑いとペーソスを持つ映画でもあると言えるか。83分という長くはない尺だが、きっちりストーリーを描いている。力量、あるナ。8月よりロードショー公開されるが、これはやんわり勧めるに足る。映画でも主役となる監督の二人はともに1957年生まれのようで、外見はけっこうくたびれている。だが、疲弊している様はなくフレッシュに映画作りしていて、それには大きく頷きました。

<今日の、再認識>
 ほんと渋谷は外国人(観光客)が多いなと思いました。

 西海岸生まれ、現在はハワイに住んでいるはずの海が大好きなシンガー・ソングライター(2003年9月30日、2009年1月15日、2011年1月6日)の3日間持たれたなかの、最終のショウ。見事に、フル・ハウス。(現代の)サーフ・ロックという言い方でジャック・ジョンソン(2003年9月30日、2005年5月25日、2005年6月2日、2007年4月6〜8日)をはじめとするサーフィンも大得意なシンガー・ソングライター群が脚光を浴びたのは10年強も前のことだが、今もちゃんと人気を保っているんだなー。声援もたくさん、飛んでおりました。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。

 ヴォーカルとギター(アコースティックとセミ・アコースティック型のエレクトリックの両方を手にする)のフランケンレイターに加え、ギターやベースやハーモニカのマット・グランディ(2009年1月14日)とドラムのジェロルド・ハリスの3人でショウは持たれた。グランディがベースを弾いてないときも、単音のベース音は出る。まあ、それでも問題はないのだが、生理的なオーガニック性がスポイルされる感じは覚えてしまい、少し居心地が悪いナ。とってもニコニコしながらレギュラー・グリップで叩いていたアフリカ系のドラマーはとっても良い奏者。ブラシも多用するそれは、凝ったことはしないものの的確に弾みと間を作り出していて、頷いちゃう。

 ゆったり、いい心持ちを与える、温もりのあるシンガー・ソングライター系表現。やっぱりこの曲いいナというのがいろいろあって、気持ちよく接していくことができちゃう。とともに、少し鼻にかかったフランケンレイターの歌声もいい感じで、味わいあり。イーグルス(2011年3月5日)で歌ってもハマるじゃんと思えたもの。ただし、フランケンレイターにせよグランディにせよ、ギター・ソロは少し冗長。そのためもあり、90分を超える演奏時間だった。

 終盤、場内は総立ち。こんなにゆったりした音楽をやっているにもかかわらず&出演者が立つことを一切促さなかったのに。磁場、と言いたくなるものが出来上がっていた。ひょえ〜。

▶︎過去の、ドノヴァン・フランケンレイター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm ジャック・ジョンソン公演の前座
http://43142.diarynote.jp/200901161818098587/
http://43142.diarynote.jp/201101070941288068/
▶︎過去の、ジャック・ジョンソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200506021847130000/
http://43142.diarynote.jp/200506021851060000/
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
http://43142.diarynote.jp/200806121400260000/
▶︎過去の、マット・グランディ
http://43142.diarynote.jp/200901151153549297/
▶︎過去の、イーグルス
http://43142.diarynote.jp/201103091707591166/

<今日の、電車>
 メトロ銀座線の、昔の車両の復古ヴァージョン車に出くわす。今年早々に導入されてときに走っているようだが、車内木目調で真鍮を模したパイプを採用している。いくら、コストは上乗せになるのか? そうしたセコいことを考えないなら、乗っては気分新たで、楽しい(すぐに、飽きるだろうけど)。ところで、大昔の銀座線というと、駅到着前に室内の照明が一瞬消えて、ドアの横にある燈が短時間ついたのだが、ドア横には点灯はしないもののそのライトもつけられていた。どれほどの人が覚えているかは分からないが、これで駅につくときに一瞬車内が暗くなりその予備灯がついたなら、ぼくはとても感慨をえるんじゃないか。

 なるほど、うまいなと思わされる、ジム・ジャームッシュの2016年アメリカ映画であった。京橋・テアトル試写室で見た。

 有名詩人であるウィリアム・カーロス・ウィリアムズ(これまで、日本ではカルロスではなくカーロスと表記されているよう。当然、詩集や自伝の翻訳本も出ている)が医者をやりながら暮らしたニュージャージー州のパターソン市を舞台とする。同地に生まれ育ち、今は市内を回る公共バスの運転手をしているパターソンという名の30代男性(呑気でハイパー気味の、とてもいい関係を保つ専業主婦のアラブ系妻あり。子供はなし)が主人公。朝6時過ぎに起きて、一人でシリアルを食べ、徒歩でバス倉庫に通い、バスを運転し、夕方自宅に帰り、夕食後は犬の散歩のかたわら行きつけのバーでビールを飲む。そんな判で押したような生活を送る地味目の主人公の月曜から日曜にかけての生活を淡々と描くという内容。ジャームッシュは大学時代に詩にハマった青年でもあったらしいが、ここで重要となるのは、主人公は詩が好きで言葉を追い、ノートにメモすることをしていること。その設定が、映画に深みや展開を与える。ちゃんとした市街地と自然をともに持つパターソンは、アレン・ギンズバーグの生誕地でもある。

 実は、身の丈にあった平穏人生って捨てたもんじゃないうことを示す、ほのぼの映画であるのかと、事前には思っていた。いや、大雑把にくくればそうなるのかもしれないが、使われる音楽のためもあってか、どこか暗いトーン、別な質感がほのかにが流れていると、ぼくは感じてしまった。そして、それを導くインストの劇中音楽を作っているのはジャームッシュ自身。正確にはこの映画のプロデューサーを務めるカーター・ローガンとのユニットである、スクアルが担っている。彼らは以前のジャームッシュ映画ではギターやドラムも使った情景音楽を提出してもいたが、ここではシンセサイザーで作ったアンビエント調の音楽を提供。不穏さを孕むと言えるそれがあると、たとえばバスが街中を走っているシーンで、急に道を渡る母子をバスが轢いちゃうんじゃないかという思いもぼくはえてしまう……。そんなの、ぼくだけか?

<今日の、追記>
 主人公役のアダム・ドライヴァーは純粋なアングロサクソン系の顔立ちではないが、登場する人々にあまり白人がいないのは意識的か。と、思って見ていたが、そのうち意図的なものではないだろうなとも思う。移民国家だよな、アメリカは。アダム・ドライヴァーはコーエン兄弟の2013年映画「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(2014年3月27日)にも出ているようだが、どんな役柄だったかぼくは覚えていない。
 映画中、重要な場所となるバーの中(そのシーンでは日替わりで、オルガン・ジャズやテディ・ペンダーグラスぽいメロウ・ソウルとかがかかっている)、店主と主人公の会話の中に、ザ・ストゥージズの話もちょい出てくる。おおっ。ジャームッシュは2016年に2本映画を公開していて、もう1本は、ジャームッシュ映画に俳優として出てもいる真性ロッカーのイギー・ポップが1960年代に組んでいたザ・ストゥージズのドキュメンタリー映画となる「ギミー・デンジャー」。本作は8月後半からロードショー公開されるが、「ギミー・デンジャー」も9月初旬から公開となる。
▶︎過去の、映画「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」
http://43142.diarynote.jp/201403271200427855/

 都立大・めぐろパーシモンホールで昨年から持たれているイヴェント、小ホールで持たれた昼の部と、大ホールの夜の部を続けて見る。

 昼の部は、完全アコースティックによる設定で持たれる。そのため、いろいろ出演者が組まれていた(皆30分ほどの持ち時間)にもかかわらず、サクサクと進んでいた。いやあ、ノーPAって、生理的に楽。いいなあ。演奏者は素っぴんでやるようなもので大変かもしれないが、こういう場でもできなきゃイカンとも思った。

◇︎ショーロクラブ
 すべてオリジナルでまとめた8年ぶりの新作『música bonita』を出したショーロクラブ(2002年3月24日、2014年8月27日)が、先発。ギターの笹子重治(2002年3月24日、2007年11月2日、2007年11月27日、2011年3月25日、2011年12月21日、2012年4月25日、2013年12月26日、2014年8月27日)、バンドリンの秋岡欧(2002年3月24日、2014年8月27日、2015年11月11日)、コントラバスの沢田穣治(2002年3月24日、2010年4月19日、2011年7月24日、2012年5月15日、2012年5月16日、2013年9月6日、2014年8月27日、2017年4月29日)による熟達者3人によるたゆたふ演奏はまろやか。少しセクシャルにも思えたか。
▶過去の、ショーロクラブ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20140827
▶過去の、笹子重治
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200711101231280000/
http://43142.diarynote.jp/200711290932200000/
http://43142.diarynote.jp/201103271554196130/
http://43142.diarynote.jp/201112261518003058/
http://43142.diarynote.jp/201205080617258733/
http://43142.diarynote.jp/201312271037411817/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140827
▶過去の、秋岡欧
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20140827
http://43142.diarynote.jp/?day=20151111
▶過去の、沢田穣治
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/201004211621084144/
http://43142.diarynote.jp/201107310726159855/
http://43142.diarynote.jp/201205301229093694/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120516
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140827
http://43142.diarynote.jp/201704300807298823/

◇田中邦和+佐藤芳明
 テナー・サックス奏者の田中邦和(2010年7月1日、2010年12月16日、2012年10月16日、2012年12月11日、2015年12月17日、2016年7月16日)と即興に強いという印象をぼくは持つアコーディオン奏者の佐藤芳明(2009年10月8日、2010年9月11日、2012年2月10日、2013年8月29日、2014年2月9日)が一緒に演奏する。4曲とか、それぞれが簡単にモチーフを出し、音を重ねあった。
▶過去の、田中邦和
http://43142.diarynote.jp/201007081547031840/
http://43142.diarynote.jp/201012171104366095/
http://43142.diarynote.jp/?day=20121211
http://43142.diarynote.jp/201512271306411506
http://43142.diarynote.jp/?day=20160716
▶過去の、佐藤芳明
http://43142.diarynote.jp/200910140952248669/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100911
http://43142.diarynote.jp/?day=20120210
http://43142.diarynote.jp/?day=20130829
http://43142.diarynote.jp/?day=20100911

◇ミニ・ペンギン・カフェ
 アーサー・ジェフス(ピアノが中心)とダレン・ベリー(打楽器、鳴り物、ヴァイオリンが中心)、今のペンギン・カフェ(2014年9月27日)の二人が和気藹々と音を重ね合う。ミニマル・ミュージックに微笑みとメロディ性とペーソスを持たせたようなサバけたことを見せたが、それに接すると多くの人は10月に持たれる本公演を見たいと思ったのではないか。
◇過去の。ペンギン・カフェ
http://43142.diarynote.jp/201409291720019557/

◇︎桑原あい
 彼女は(2013年9月8日、2016年12月7日)はソロにて。即興から、エグベルト・ヂスモンチ(2008年7月3日、2013年3月27日 )やミシェル・ペトルチアーニ曲、さらに「キャラヴァン」他スタンダード群をマッシュ・アップし崩したものと、4曲披露したか。成長している、しかとそう思わせられました。
▶︎過去の、桑原あい
http://43142.diarynote.jp/?day=20130908
http://43142.diarynote.jp/201612100926461885/
▶過去の、エグベルト・ジスモンチ
http://43142.diarynote.jp/200807041128510000/
http://43142.diarynote.jp/201303290753133066/
▶︎過去の、ミシェル・ペトルチアーニの映画
http://43142.diarynote.jp/201208091509447159/
▶︎過去の、ペトルーチ兄らの公演
http://43142.diarynote.jp/201604190912403018/

◇川嶋哲郎(サックス)
 50歳代のテナー・サックス奏者だが、そのソロ・パフォーマンスを見て(1曲はフルートでやった)、その腕のたち具合に驚く。鳴りもいいし、自由自在。すげえ。一部肉声を用いる場合はオヤジくせえと感じもするが、それも親しみやすさを持たせるための方策であるのがわかるし、文句をつけるものではない。いやはや、その道でしっかりと生きてきた人は半端ないと首を垂れました。大学で教えてもいるようだが、こんなの目の前で吹かれたら生徒たちは目が点になるとともに、モチヴェイション倍増だろう。

◇セッション
 川島、田中、佐藤、桑原の4人よる即興的合奏も、最後にあった。

 デカいホール公演の方には、3組が出演した。

◇二階堂和美 with Gentle Forest Jazz Band
 普段は広島県の実家で僧侶をしてもいるというシンガーとそのフル編成のビッグ・バンドによるパフォーマンス。一度トロンボーンのソロもとった指揮者と3人の女性コーラス付き、往年のスウィンギンなジャズとある種歌謡曲的なきらびやかさをミックスしたような実演を聞かせた。ドラマーの松下マサナオ(2013年8月22日、2017年6月21日 )は全部レギュラー・グリップで叩いていた。
▶︎過去の、松下マサナオ/Yasei Collective
http://43142.diarynote.jp/201308251333326263/
http://43142.diarynote.jp/201706220952582448/

◇アントニオ・ザンブージョ
 生ギターをつまびきながら歌う40ちょいのポルトガル人をサポートしていたのは、ポルトガル・ギター(12弦。調弦はギターと異なるよう。ロビーに置かれていたが、糸巻きとか造形や処理が綺麗で欲しくなった)、コントラバス、バス・クラリネット(一部クラリネット)、トランペット。まず、そういう楽器構成にまず驚く。おお、どいういう発想でこういう編成に落ち着くのか。と、思ったら、普段はもっと大きなバンドを率いているようで、今回は選抜員たちによるものであったのだそう。腹7分目の感じで歌われ、演奏される、美味しい含みや濃淡を持つ手作り表現。いろいろな、誘いあり。ぼくもそうだが、ファドという表現のイロハをわかっていなくても、異なる地域にはイカした大人の表現がちゃんとあるということは感じずにはいられなかったのではないか。

◇山下洋輔×スガダイロー
 大学でジャズを教え始めた山下洋輔(1999年11月10日、2004年7月27日、2006年3月27日、2013年7月10日2009年7月19日、2013年7月27日、2015年7月21日)と、その初年度の教え子であったスガダイロー(2009年1月8日、2009年7月3日、2013年2月19日、2016年2月28日、2016年7月16日、2017年4月11日)のデュオ。わりと壊れず、対話をする方向で、二人は向き合いながら音を重ねていた。

▶過去の、山下洋輔
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040727
http://43142.diarynote.jp/200907221011377741/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
http://43142.diarynote.jp/201507221814047783/
▶過去の、スガダイロー
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/200907131158382767/
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20160716
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<今日の、彷徨?>
 公演終了後も、また長かった。都立大学で一軒。それで、友達んちに行くことになっていたのだが、知人の求めに従い……渋谷に場所を移す。もう一軒、もう一軒となり。さらに3軒回ったあとは、明るい。赤ワイン、何本開けたろう? 最後はジャックのロックになったが。かつてはこんなこと日常茶飯事で書き留めることもあまりなかったが、じじいになるにつれてやはり頻度は減る。このころは、まだ元気だったと思い出せるように、書いておこう。うわー、じじくせ。

 まず、東銀座・松竹試写室で、2016年アメリカ映画の「スイス・アーミー・マン」を見たのだが、驚くとともに、大きく頷いた。というのも、無人島に一人たどり着いたヘタレ青年の話なのだが、絶望の淵にあった彼のもとに水死体が流れ着くことで、ストーリーは始まる。。。。。その死体はオナラをし(その力でジェット・スキーのように海を移動でき)、口からは真水を噴出し(青年の口を潤し)、火も作り、ぼっ起もし(それは、進む方角を示す)、しゃべりもする。おお、すげえ目茶苦茶、荒唐無稽。しかし、そのぐらいの飛躍や自由な発想を持つ映画があってもいいではないか。もう、その大枠でだけで、とても応援しつつ、見ちゃったな。

 青年と死体のサイヴァイヴァルの旅を真面目に描く監督(脚本も)はダニエル・クワンとダニエル・シャイナートの二人からなる、ダニエルズ。彼らはミュージック・ヴィデオの分野で力を発揮してきたチームというが、ところどころのテンポや映像流儀にその流れは見出せるか。だが、そんなことよりも、その突飛な着想を普遍的な、どこか考えさせたり感じ入らせたりする映画に昇華させんとする心意気とスキルに首を垂れたいな。ま、ああいうストーリー展開で良かったのかとは、ぼくは思うけど。

 ミュージック・ヴィデオを撮ってきたということで、音楽の扱いも一筋縄では行かない。ここで音楽を担当しているのは、アトランタを拠点とする技ありギター・ロック・バンドのマンチェスター・オーケストラ(デニエルズは彼らのクリップも作っている)のアンディ・ハルとロバート・マクダウェル。で、二人は基本ヴォイスだけでこの映画の音楽を作っている。肉声にエフェクトがかけられたりもするが、その音楽はもう一つの人間的な何かを加味する。なお、死体役を演じるのは映画「ハリー・ポッター」の主役をしていたダニエル・ラドクリフ。よくぞの、怪演だな。

 なお、「スイス・アーミー・マン」という邦題は、原題をそのままカタカナにしたもの。いろんな機能を持つスイス・アーミー・ナイフに、本映画での死体がいろいろなことをできることをかけて、そういうタイトルにしたようだ。

 その後は、千駄木・Bar Issheeに行き、スイス人その他の即興パフォーマンスに触れる。

 ドラマーのニコラス・フィールドといろんな音でテナー・サックスを鳴らすグレゴール・ヴィディのデュオは、即興系ジャズ・ミュージシャンの気概と腕の立ち具合が良く現れる。タイミング、メロディ、音質、情緒、その他の様々な要素が絡んだり、ほつれたり。フィールドはスネアとシンバル一本以外は中華鍋の寸胴とか、プリミティヴなものを並べ創意工夫溢れさせて叩く。実はお店側とのやり取りの行き違いで、ドラムを持ってこなかったために急遽そうした寄せ集めのキットを叩いたようだが、これは面白い。もう技と創造性がバッチリ出ちゃうわけで、興味深くてしょうがなかったな。

 起伏に富んだ1発モノの後、”スイス・アーミー・メン”にヴォイスの蜂谷真紀(2008年8月24日、2009年1月8日、2010年9月11日、2014年7月22日、2014年9月25日、2015年5月20日、2015年6月15日、2016年11月2日)とターンテーブルの村田直哉(2016年11月2日)が加わり、4人でひらめきを出し合う。日本人勢の方が、少し前に出る感じはあったか。で、なんか思いつき、いい加減気味にレコードの音を飄々とカットインさせる村田だが、それがとっても効いていたいた。しかし、ヘッドフォンもせず無造作に入れる音がバッチリ決まる彼、すごいな。

 フィールドとヴィディ君、けっこう若く見えたが、フィールドは40代だそうで(もう一人は32歳と言っていたっけ)、びっくり。だって、外国人っておっさんぽく見えるもの。でも、フィールドもなんか年々若くなってきていると言っていたな。

▶過去の、蜂谷真紀
http://43142.diarynote.jp/200808260821260000/
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http://43142.diarynote.jp/201505211022511238/
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▶︎過去の、村田直哉
http://43142.diarynote.jp/?day=20161102
 
<今日の、アナログ>
 スイスから来た二人は、『DO YOU HAVE A ROOM』という自主制作の二人名義のアナログ・レコードを持ち込んでいる。イケてるジャケット・カヴァーを持つそれを早速聞いたら、笑っちゃうぐらいに本格的な、テナー・サックスとドラムの即興演奏のアルバムだった。そして、そのストロングな行き方は色あせるものではなく、何らかの覇気に満ちた知性と“今”があるとも思わせられる。その二人、この後は山陰を含む西日本でギグをもち、戻って来て7月20日は六本木・スーパー・デラッックス、21日には稲毛のキャンディに出演する。
 まず、丸の内・コットンクラブで、コーリー・キング(2013年2月15日、2013年6月4日、2014年5月25日、2014年8月7日、2016年5月31日、2016年12月16日)のリーダー・ライヴを見る。彼の昨年出された初リーダー作『LASHES』はロキシー・ミュージック(2010年7月31日)の『アヴァロン』をなんとなく想起させるようなポップ・アルバムだったが、これはそれをフォロウするものであると言えるのか。同作では一切トロンボーンを吹いていなかったが、ここでは少しではあるが吹いた。

 朋友の黒田卓也(2012年2月18日、2012年9月13日、2013年2月15日、2014年5月25日、2015年1月30日、2015年2月15日、2016年9月17日、2016年12月16日)、10代のときからのダチでヘンリーや黒田とはニュー・スクール大学の同窓でもある電気ベースのラシャーン・カーター(2014年5月25日、2015年6月16日、2016年9月17日、2016年12月16日、2017年6月29日)、そして日本調達のエレクトリック・ギターの吉田サトシ(2010年5月9日) とドラムの石若駿(2014年9月26日、2016年6月27日、2016年7月21日、2016年9月4日、2017年6月21日)がパフォーマンス。

 ときにプリセット音も敷いた、流動性と含みに満ちたアーバン・ポップを淡々と披露。本人の歌はファルセット、キーボードを弾く場合があるが、マイクを持って歌うときも多い。黒田はソロ・パートを与えられ、曲調に合わせてフリューゲル・ホーンを吹く場合が多かった。

 実は伴奏が、ギター、ベース、ドラムだけの曲も少なくなかった。で、それに触れ、ギタリストの吉田サトシの技量に感心。一切ヴォーカルを邪魔せず、かといってその総体に現代的なエッジ感を与えていたそれは見事だった。それから、黒田とヘンリーが一緒にアンサンブルを取る場面に触れ、二人で懐かしめジャズをシャレでやる機会を設けないかとふと思った。いろんな趣味を持つ両者だが、管楽器奏者の趣味は昔気質。ヘンリーはJ.J.ジョンソン、黒田はクリフォード・ブラウンというジャズ・ジャイアンツを思慕している。

▶過去の、コーリー・キング
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224
http://43142.diarynote.jp/201405271755563079/
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201606101027587993/
▶過去の、ロキシー・ミュージック
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▶︎過去の、フィル・マンザネラ
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▶過去の、黒田卓也
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
http://43142.diarynote.jp/201405271755563079/
http://43142.diarynote.jp/201501310942048841/
http://43142.diarynote.jp/201502170939564537/
http://43142.diarynote.jp/201609201835285184/
http://43142.diarynote.jp/201612181010384754/
▶︎過去の、ラシャーン・カーター
http://43142.diarynote.jp/201405271755563079
http://43142.diarynote.jp/201506180954176007/
http://43142.diarynote.jp/201609201835285184/
http://43142.diarynote.jp/?day=20161216
http://43142.diarynote.jp/?day=20170629
▶︎過去の、吉田サトシ
http://43142.diarynote.jp/201005101856373393/
▶︎過去の、石若駿
http://43142.diarynote.jp/201409291402101328/
http://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170621

 その後は、南青山・ブルーノート東京で、エディ・パルミエリ(2002年11月18日、2009年9月24日、2012年9月10日)のショウを見る。まず、おっと思ったのは、電気キーボードではなく、ヤマハのアップライト型(と、言っていいのかな)ピアノが置いてあったこと。前回に彼を見たときに、パルミエりはなぜちゃんとしたピアノを弾かないのかということをつらつら書いているが、これは少しの変化ありだ。その実際の音は自然とは言い難いものだったが、まだ簡素な電気キーボードを弾かれるよりはなんか有り難みを感じる。カラフルなタクシーよりも、黒塗りのタクシーの方が少し気分がいいというのと、それは同じ感覚? ピアノに音を拾うマイクは設置されておらず、おそらくラインで音は拾われていたと思う。→じゃあ、エレクトリック・ピアノじゃん?

 ヴォーカル2、トレス、電気アップライト・ベース、コンガ、ティンバレス、ボンゴ、トロンボーン2、トランペット2という布陣。身長が高めのシンガーのエルマン・オリベーラやトロンボーンのジミー・ボッシュ、トレスのネルソン・ゴンザレスは昔の来日公演から同行しているような。ボンゴは偉人ニッキー・マレーロ(2014年1月25日、2014年1月28日)が叩く。ラリー・ハーロウ(1999年8月28日、2014年1月25日、2014年1月28日、2015年1月15日、2016年3月30日)の2014年公演で来た際はメロメロだったが、ぼくが見ていたところからは一番逆サイドにいた彼、今回はどうだったんだろ? あまり音は聞こえなかった。ベースのルケス・カーティスはビル・オコンネル(2017年6月19日)やブライアン・リンチ(2011年3月26日)作品の常連だが、オーケストラ音をよく弾ませていた。クリスチャン・スコット(2008年7月23日、2008年9月10日、2009年1月31日、2009年9月15日、2010年9月3日、2011年12月17日、2015年10月8日、2016年11月1日)も一時彼のことを起用していたっけ?

 最新作は何とローパドープからのリリースとなる、昨年暮れで80歳になったパルミエリ翁は階段歩行は少し辛そうだが、元気。今までで一番、目立つ指さばきをしていたのではないか。とともに、オーケストラ総体もぼくが過去見た中では一番カタマリ感のあることをやっていたんじゃないか。演奏時間は100分近く、特に後半はグイグイ引き付けたし、場内は熱烈ダンス・フロア化していた。出演者も観客も皆んな、もううれしそうだった。

▶︎過去の、エディ・パルミエリ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200909291502561232/
http://43142.diarynote.jp/201209191231217924/
▶過去の、ニッキー・マレーロ
http://43142.diarynote.jp/201401271737069409/
http://43142.diarynote.jp/201401291105093975/
▶過去の、ラリー・ハーロウ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm オーシャン・ブルー・ジャズ・フェスティヴァル
http://43142.diarynote.jp/201401271737069409/
http://43142.diarynote.jp/201401291105093975/
http://43142.diarynote.jp/201501161004061742/
http://43142.diarynote.jp/201603310813244084/
▶︎︎過去の、ビル・オコンネル
http://43142.diarynote.jp/201706190940184750/
▶︎過去の、ブライアン・リンチ
http://43142.diarynote.jp/?day=20110326 フィル・ウッズ
▶過去の、クリスチャン・スコット
http://43142.diarynote.jp/200807241546500000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20080910
http://43142.diarynote.jp/200902030206339619/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100903
http://43142.diarynote.jp/?day=20100903
http://43142.diarynote.jp/201112201159168538/
http://43142.diarynote.jp/201510091112494150/
http://43142.diarynote.jp/201611030803017474/

<今日は、弦楽器の日?>
 先に見たショウではギタリストの吉田サトシの技量に大きく頷いたが、次に見たショウではトレス奏者のネルソン・ゴンザレスに唸る。過去のパルミエリ公演でも彼については触れているので感心していたのは間違いないが、コーラスもイケる彼の演奏はすごいなあ。ある曲では2つのコードを行き来するサイド・ギター的なバッキングを見せたのだが、タイム感や音色が絶妙で身がとろける。また、時折フィーチャーされるソロもあっち側に飛んでいくようなスピードと力溢れるものでこれは持って行かれちゃう。そんな彼の演奏に触れて思わずにはいられなかったのは、スナーキー・パピー(2016年6月16日、2016年6月17日、2017年4月18日)のマイケル・リーグにゴンザレスを聞かせたいナということ。リーグは自分のレーベルから、彼がリーダーとなるワールドっぽい方向性を持つボカンテというバンド作『ストレンジ・サークルズ』(グラウンド・アップ)を出して間もないのだが、それはグアドループ出身の女性シンガー+4人のギター奏者(うち一人はセイクリッド・スティール系の黒人スティール・ギター奏者)+3人の打楽器奏者(うち一人はヴェーセン〜2014年11月20日、2016年11月6日〜のツアーに出ないメンバーであるアンドレー・フェラーリ。また、小川慶太〜2014年8月3日、2016年1月19日〜も構成員だ)という編成を持つものであるのだが、そこにネルソン・ゴンザレスが入っても生えるのではないか。いやマジ、面白がり精神横溢のマイケル・リーグが彼のことを見たら声をかけるはず。『ストレンジ・サークルズ』はライナーノーツ担当盤なのでよく聞いたが、そんなぼくはそう確信する。なお、スナーキー・パピーがビッグになるのを助けたレーベルが、パルミエリの最新作を出しているローパドープですね。
▶︎過去の、ネルソン・ゴンザレス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm ??
http://43142.diarynote.jp/200909291502561232/
http://43142.diarynote.jp/201209191231217924/
▶︎過去の、スナーキー・パピー/マイケル・リーグ
http://43142.diarynote.jp/201606171730294884/
http://43142.diarynote.jp/201606201007017702/
http://43142.diarynote.jp/201704200801169451/
▶︎過去の、ヴェーセン
http://43142.diarynote.jp/201411211148399707/
http://43142.diarynote.jp/201611101508243962/
▶過去の、小川慶太
http://43142.diarynote.jp/201408061110256933/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160119

 新宿・K’s cinemaで、2014年米国映画「約束の地、メンフィス〜テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー」を見る。サザン・ソウルの場を扱うドキュメンタリー映画というと2013年米国映画「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」(2014年6月26日)を思い出すが、双方の表題が示すように、今回見た映画はスタックスやハイ・サウンドが本拠に置いたテネシー州メンフィスを扱い、前見たものはアラバマ州のフローレンスやシェフィールドにスタジオを構えたフェイムやマッスル・ショールズをネタに置く。まあ、どちらも米国20世紀の代えのない音楽財産を伝えてくれるのは間違いない。

 監督をしているマーティン・ショアーはブルース系が強いミュージシャン上がりの人物で、不動産業及びソーシャル・キャピトルという総合エンターテインメントを扱う会社で成功を収めた実業家だ。サンタモニカにオフィスを置くキャピタル・ソーシャル社は映画や音楽やニュー・メディア関連で急成長した会社として知られるそうな。

 プロデューサーはそのショアーに加えて、ノース・ミシシッピー・オールスターズ(2004年9月19日)のコーディ・ディッキンソンとハイ〜ザ・ロイヤル・スタジオ所有者/プロデューサーのウィリー・ミッチェルの息子のローレンス・ブー・ミッチェルが務める。業界のやり手とメンフィスの音楽シーンの現場をよく知る者がタッグすることで、このメンフィス音楽讃歌映画は完成を見たとしていいだろう。ディッキンソン兄弟とミッチェルはレコーディングのシーンにも出てくるが、ディッキンソンの親のジム(2008年、メンフィス没)はよく知られるようにボブ・ディランやライ・クーダー他のレコーディングに関わるとともに、グリーン・オン・レッドやアレックス・チルトンやG・ラヴ(2000年1月25日、2004年11月17日、2005年5月25日、2005年6月2日、2006年10月23日、2008年10月9日、2011年11月4日、2014年10月13日)らのプロデューサーを務め、自己名義の好ルーツ・ロック作を何枚もリリースしている偉人だ。
 
 また、終盤のスタジオの場面にはトーキング・ヘッズのジェリー・ハリソンもチラリと登場。エンド・ロールにも音楽作りに関する項目に彼の名前が出てきたはず。彼、近年ブルース・ロック畑のケニー・ウェイン・シェパードやジャム・バンドのザ・ストリング・チーズ・インシデント(2003年4月12日、2004年4月22日、2005年9月28日)の新作を手がていていたりもし、けっこう土臭い音楽に関わっている。

 音楽制作現場にいる人間が舵取りをしたブツらしく、映画はメンフィスゆかりのビッグ・ネームや実力者やその他が絡む9つのスタジオ・セッションの模様が柱となる。古い人とスヌープ・ドッグ(格好いいな)らラッパーを組み合わせたりもし、またボビー・ラッシュ(1999年12月10日、2012年4月19日)やシカゴ・ブルースを支えたギタリストのヒューバード・サムリンなどブルース側にいる人物もフィーチャーされるのは制作者の趣味か。ぼくはブルース好きでもあるので、何ら問題はない。その演奏場面の多くはせえので撮られていて、それは往年のメンフィス録音流儀を思い出させて胸アツにさせるだろう。その出演者たちのやりとりや会話も随時流され、アーティストや楽曲やレーベルの歴史についての能書きはそれほど多くない。ま、ぼくはそれでなんら構いませんが。
 
 そうしたなか、1968年4月にメンフィスで起きたキング牧師暗殺の影は小さくなく扱われる。あの事件後に白人と黒人が共存していたスタックスのリベラルな運営/制作に変化が出たのはこれまで指摘されてきた(アトランティックに捨てられた後、アル・ベルによる黒人主導のイケイケ体制がしかれ、白人がメンバーにいたザ・MGズの面々は徐々にスタックスから離れた)が、映画では才能ある黒人音楽家を増やしたくなかったからスタックスはつぶされた云々や、キング牧師が殺されなかったらスタックスは続いたというような言葉も、映画には出てくる。

  ヒューバート・サムリン、ボビー・ブルー・ブランド、オフの場面でもいい味出していたギタリストのチャールズ・ピッツらは、撮影後に鬼籍入り。スタジオ場面には絶対的な味や技があるし、こういう映画(でなくてもいいのだが)はもっともっと作られるべきだろう。これを見て、過剰にメンフィスに行って見たいとは思わなかったが。かけがえのないソウルやブルースのかたちについてはいろいろ再認識せざるをえない。
 
 メイヴィス・ステイプルズ、ブッカー・T・ジョーンズ(2008年11月24日、2009年7月25日、2010年2月8日 、2011年9月12日、2012年5月11日、2013年10月29日、2017年4月13日)、デイヴィッド・ポーター(!)、ウィリアム・ベル(2007年7月18日、2015年3月28日)、アル・ベルら、往年の人たちはみんないい感じ。好きな音楽をやっていると幸せな老後が待っている…。この映画を見ると、そう断じたくなる人がいるかもしれない。それから、ちょい進行役みたいな形で、俳優のテレンス・ハワード(TVドラマ「エンパイア」の主役のおっさん)も登場。とってもカッコをつけた彼は、1曲でギターを弾きながら歌う。

▶︎過去の、映画「黄金のメロディ マッスル・ショールズ」
http://43142.diarynote.jp/201406270933515875/
▶︎過去の、ノース・ミシシッピー・オールスターズ
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
▶過去の、G・ラヴ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm
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http://43142.diarynote.jp/?day=20050525
http://43142.diarynote.jp/200506021851060000/
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http://43142.diarynote.jp/200810111558573845/
http://43142.diarynote.jp/?day=20111104
http://43142.diarynote.jp/201410210816075554/
▶︎過去の、ザ・ストリング・チーズ・インシデント
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-4.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040422
http://43142.diarynote.jp/200510030022330000/
▶︎過去の、ボビー・ラッシュ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm パーク・タワー・ブルース・フェス
http://43142.diarynote.jp/201204200904022166/
▶過去の、ブッカー・T・ジョーンズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/200812110456078867/
http://43142.diarynote.jp/201002090914248826/
http://43142.diarynote.jp/201109151819433479/
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▶過去の、ウィリアム・ベル
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http://43142.diarynote.jp/201503301741586544/

<今日の、もう一本>
 映画館のお客は、見事に中年以上が多し。もう少し、若者がいてもいいがなあ。そして、そのあとは内幸町の試写室に回り、海外でも知名度の高い日本人監督の新作を見る。15日まではSMSなどに出すのはご遠慮くださいと言っていたので、詳しくは書かない。音楽を担当していたのは、鈴木慶一(2004年12月12日、2011年8月7日、2013年8月11日)。先に見たのが映画音楽だったからか、あまり音楽が目立たない映画、いや音楽効果をあまり用いない作品であると思った。
▶︎過去の、鈴木慶一
http://43142.diarynote.jp/200412212058580000/
http://43142.diarynote.jp/201108101635051749/
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
 まず、知る人ぞ知る個性派才人であるアレハンドロ・ホドロフスキーの2016年フランス/チリ/日本映画である「エンドレス・ポエトリー」を、京橋・テアトル試写室で見る。

 23年ぶりに撮った自伝的側面を持つ「リアリティのダンス」(ぼくは、未見)の続編的な映画で、主要な役者は共通もするよう。彼が暮らした1950年代前半のチリのサンチアゴを舞台に、詩人を目指す二十歳前後のホドロフスキ青年の葛藤おおき青春模様が描かれているが。そのホドルフスキ役を演じるのは末息子のアラン・ホドルフスキで、その父親を演じするのはやはりアレハンドロの長男のブロンティス・ホドロフスキー。また、アレハンドロ自身も若き自分に話しかける老いた当人として、ときに画面に出てくる。

 その作風や効用をして、“マジック・リアリズム”という言葉があるようだが、確固とした映像哲学や美学から沸き立つ発想や飛躍にわあとなる。冒頭の場面からしてそうで、平面の人々の写真看板を効果的に用いたり、匿名性を出すために街行く人たちにのっぺらとした仮面をかぶせたり。彼の母親にはオペラ歌手をキャスティングしそのセリフだけオペラ歌唱させ(その際は、オーケストラ音も入る)たり、ときどき黒子が出てきて役者たちに小物を渡したり、受け取ったりもする。一方で、映画的な深みも持っているわけで、いろんな部分でため息をつきたくなる。1929年生まれというからアレハンドロ・ホドロフスキーは90歳近いわけだが(絵を見ると、元気そう)、根気も(ときに変テコな)創意も衰えていないようで何より。日本にも鈴木清順のような鬼才がいたが、いやはや、だな。しかし、彼の作った音楽ヴィデオ・クリップってないのだろうか? 見てみたい。目茶向いてそうと、ぼくは思った。

 その後は南青山・ブルーノート東京に移動、林立夫(2009年1月16日、2015年10月25日、2016年9月27日)と沼澤尚(1999年8月11日、2000年2月14日、2000年7月29日、2001年2月18日、2001年6月29日、2001年12月9日、2001年12月22日、2002年7月21日、2002年11月15日、2003年2月11日、2003年3月13日、2003年6月22日、2004年1月16日、2004年1月30日、2004年2月21日、2005年2月15日、2005年4月11日、2005年7月30日、2005年9月14日、2005年10月30日、2006年4月17日、2006年5月30日、2006年8月11日、2006年8月24日、2006年12月28日、2007年1月26日,2007年6月3日、2008年1月30日、2008年1月31日、2010年1月12日、2011年10月8日、2012年10月10日、2013年1月6、2013年1月7日、2014年9月2日、2015年10月3日、2016年9月27日、2016年11月18日)という、二人のドラマーが仕切るライヴ・プロジェクトを見る。

 演奏陣は他に、ギターの鈴木茂(2013年8月11日、2010年11月21日、2015年10月25日、2015年11月19日、2017年6月19日)、キーボードの森俊之(2001年2月18日、2001年6月29日、2002年11月15日、2003年2月11日、2004年2月21日、2005年9月14日、2006年4月17日、2008年1月31日、2011年10月8日、2012年10月10日、2013年1月6日、2016年9月27日)、ベースの沖山優司(2004年2月21日、2005年9月14日)。そして、ギターと歌の高橋幸宏(2009年10月31日、2011年8月7日、2012年8月12日、2013年8月11日)と歌とときに生ギターも持つLeyona(2000年1月25日、2003年8月7日、2011年5月18日)も頭から登場。また、GRAPEVINEの田中和将(2013年4月13日)も全体の3分の1ぐらいから出てきて、歌ったりギターを弾いた。

 懐かしのロック曲やソウル曲を和気藹々と、背伸びせずに披露する。途中で、Leyonaはエタ・ジェイムズ他で知られる「アット・ラスト」を歌ったが、それはドナルド・フェイゲン(2000年5月15日)が中心になったザ・ニューヨーク・ロック・アンド・ソウル・レヴュー名義の『ライヴ・アット・ザ・ビーコン』(ジャイアント、1991年)に入っていたテイク(同盤ではフィービ・スノウが歌った)に似ているかと思った。あ、このAFTER SCHOOL HANGOUTプロジェクトは、他にマイケル・マクドナルドやボズ・スキャッグスなども関与しているそのザ・ニューヨーク・ロック・アンド・ソウル・レヴューのあり方にも似ているかもしれない。

 モータウン・ナンバーの「マイ・ガール」ので出だしはリッキー・リー・ジョーンズ(2004年3月26日、2005年12月31日、2010年5月23日、2012年9月27日、2013年8月7日、2016年10月4日)の「恋するチャック」、もしくはリトル・フィート(2000年12月8日、2012年5月22日)の「ディキシー・チキン」みたい(森がビル・ペインみたいな電気ピアノを入れた)と思わすもの。また、終盤にやったザ・ビートルズの「レヴォールーション」もツイン・ドラムであることを生かし、少しリトル・フィートみたいな弾みを持つビートで披露した。そういえば、中盤で高橋は1曲ドラムも(林とのツイン・ドラムにて)叩いた。

▶過去の、林立夫
http://43142.diarynote.jp/200901171017206901/
http://43142.diarynote.jp/201510290731105395/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160927
▶︎過去の、沼澤尚
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm wマルコス・スザーノ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm ナッシン・バット・ザ・ファンク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm シアターブルック 7.29フジ・ロック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm スガシカオ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm ナッシン・バット・ザ・ファンク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm wマルコス・スザーノ 12/9
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm シアターブルック+マルコス・スザーノ12/22
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm W.パウリーニョ・モスカ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm サンパウロ
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http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm  バーナード・ファウラー、ブロンディ・チャップリン、リサ・フィッシャー、ダリル・ジョーンズ、奥田民生、小原礼
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http://43142.diarynote.jp/200401160000000000/ w.勝井、怒怒、佐藤
http://43142.diarynote.jp/200402051858240000/ サンパウロ
http://43142.diarynote.jp/200402211239510000/ アズ・ウィー・スピーク
http://43142.diarynote.jp/?day=20050215 wマルコス・スザーノ
http://43142.diarynote.jp/200504151004040000/ w勝井
http://43142.diarynote.jp/?day=20050730 ザ・ブルース・パワー
http://43142.diarynote.jp/200509161722260000/ 大貫妙子
http://43142.diarynote.jp/200511130013450000/ wマルコス・スザーノ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060417 ビッグ・ホーンズ・ビー
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http://43142.diarynote.jp/?day=20060811 wマルコス・スザーノ
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http://43142.diarynote.jp/200612291257400000/ wマルコス・スザーノ
http://43142.diarynote.jp/?day=20070126 OKI DUB AINU BAND
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http://43142.diarynote.jp/200802051634040000/ w.勝井
http://43142.diarynote.jp/200802051630130000/ TOYONO
http://43142.diarynote.jp/201001131101085950/ blues.the-butcher-590213
http://43142.diarynote.jp/201110091300039780/ ナッシン・バット・ザ・ファンク
http://43142.diarynote.jp/201210111837516874/ OKI DUB AINU BAND
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/ ナッシン・バット・ザ・ファンク
http://43142.diarynote.jp/201301151819527787/ w.マルコス・スザーノ
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http://43142.diarynote.jp/?day=20160927 大貫妙子
http://43142.diarynote.jp/?day=20161118 OKI AINU DUB BAND
▶︎過去の、森俊之
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm スガシカオ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm ナッシン・バット・ザ・ファンク
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▶︎過去の、沖山優司
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▶︎過去の、高橋幸宏
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http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
▶︎過去の、Leyona
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm G・ラヴ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/201105191057129864/
▶︎過去の、田中和将
http://43142.diarynote.jp/201304150854159566/
▶過去の、リッキー・リー・ジョーンズ
http://43142.diarynote.jp/200403261054430000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20051231
http://43142.diarynote.jp/201006031536173725/
http://43142.diarynote.jp/201210021332368431/
http://43142.diarynote.jp/201308110827534904/
http://43142.diarynote.jp/201610110957506440/
▶過去の、リトル・フィート
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
▶︎過去の、スティーリー・ダン/ドナルド・フェイゲン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm


<今日の、追記>
 ぼくはチリという南米の細長い国についてあまり大きな情報を持っていない〜同国の音楽家の実演も見たことがないか。在仏トーゴ人のピーター・ソロ率いるヴォードゥー・ゲームのキーボード奏者はチリ人ではあったものの〜が、監督のアレハンドロ・ホドロフスキーはパリやメキシコに移り住んだりもしているようだが(現在は、パリ在住のよう)、尖ったところも持つのだろうか。少なくても、この映画を見る限り、首都のサンティアゴはいけている街に思えてしまう。事実、ここに描かれる都市の風景はパリであるとか、今であるとか伝えられたとしても、信じてしまいそうだ。また、スペイン語もラテン音楽で聞くことができるそれとはちょい違う洗練を持つ感じで耳に入ってきたりもする。
 なお、御大の有名作である1970年メキシコ映画「エル・トポ」を認め、配給に尽力したとされるのが、米国人音楽プロデュサーのアラン・ダグラス(1931〜2014年)。ジョン・レノンがホドルフスキーの大ファンであったことは知られるが、それはダグラスを通してであったという話もある。彼は1960年初頭にユナイテッド・アーティスツのジャズ部門のA&Rを勤めており、デューク・エリントンの『マネー・ジャングル』(1962年)やビル・エヴァンスとジム・ホールの『アンダーカレント』(1963年)らは彼がプロデューサーとしてクレジットされている。そんなダグラスは、なぜかジミ・ヘンドリックスの捨てテープをたくさん持っていて、死後いろいろとアルバムを出したことで悪評高い人物でもある。だが、その一方、彼は自らのレーベル“ダグラス”(配給は当時キッスやパーラメントを抱えていたカサブランカがした)からロフト・ジャズの様々なコンピレーションを出したり、ザ・ラスト・ポエッツを親身に応援/プロデュースしたりもした。
▶︎過去の、ヴォードゥー・ゲーム
http://43142.diarynote.jp/201609200937548235/
 代々木公園で毎年持たれているブラジルフェスティヴァルで、エルバ・ハマーリョを見る。北東部の香りをいろいろ抱えたヴェテランのポップ歌手というおぼろげなイメージを彼女に持っていたが、わりとスリムな彼女は遠目にはそんなに年寄りには見えない。日本でライヴができてうれしいという気持ちを全面に出しもする彼女は本当に華があり、見る物に山のように働きかける力があったな。歌自体も存分に力量に溢れる。そして、それはブラジルのポピュラー音楽の底力の開示にもつながる。こりゃ、酔っ払ってもいるけど、存分に浮かれるなあ。

 バンドはギター、ベース、ドラム、パーカッション、そしてキーボード的な使われ方もするアコーディオン。そんなにきっちりサウンド・チェックをやっているとは思えないが、そのしっかりした音になんの不満もない。しかし、今を求めつつもアコーディオン奏者を入れているというのは美味しいポイントで、その奥にバイアォンの偉人であるルイス・ゴンザーガらの存在を透かし見させる。いろんな部分で、ユナイトしているヒューマン・ビート・ミュージックという感じもあり、ほんといい感じだし、フェスの締めくくりの出演者としても最良のものであったろう。途中で、ケペル木村(2016年9月7日、2017年1月8日)や日本人女性がパーカッションで加わったり、日本人集団が出てきた局面もあった。それも、またユナイトですね。

 二日間持たれたフェスの二日目、去年より人出は少なかったが、ブラジル人比率はかなり高いナと思った。きっと各所から、渋谷に繰り出しているのだと思う。ラム/カシャーサの専門バー(わりと家から近いんだけど、渋谷とは反対の外側にあるので、とんと足は向かわない)の出店でカイピリーニャのピッチャーを求め手に持っていると、次から次へとブラジル人が笑顔で乾杯を促してくる。あははは。

▶︎過去の、ルイス・ゴンザーガ関連の映画
http://43142.diarynote.jp/201209181232195036/
http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/
▶︎過去の、ケペル木村
http://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
http://43142.diarynote.jp/201701091249004326/

<昨日の、驚き>
 デイヴィッド・フュージンスキ(2012年2月10日)は1964年生まれ(8歳から19歳まではドイツで暮らす)の米国東海岸在住の変調ギタリストである。スクリーミング・ヘッドレス・トーソズという自己バンドを組んでいた1990年半ばはけっこう日本でも注視を受けていた。ぼくがNYでトーソズのライヴを見たり、来日公演した際にインタヴューしたのはその頃だよな。そんな彼のことを上原ひろみは2007年『タイム・コントロール』で唐突に起用したことがあって、とても驚いたことがあった。彼女にどうしてフューズを起用したのと問うたら、「だって、好きなんだもん。私、ギター・フェチなんですよ」というあっけらかんとした答えが返ってきたことがある。ま、フュージンスキはバークリー音大で教鞭を取っており、その在学中に上原のことを絶賛していたようだが。
 そんな彼はミュージシャン・ミュージシャンズでもあって、ムハル・リチャード・エイブラムズ、ロナルド・シャノン・ジャクソン(その『レイヴン・ロック』はジェフ・リー・ジョンソン〜2004年10月28日、2012年9月9日。その訃報に触れているのは、2013年1月30日〜とのツイン・ギター!)、ビリー・ハート、ジョン・メデスキ(1999年8月5日、2000年8月13日、2001年2月5日、2002年9月7日、2012年3月2日)、ミシェル・ンデゲオチェロ(2002年6月18日、2003年11月18日、2003年11月22日、2008年5月7日、2009年5月15日、2013年11月18日、2014年7月14日、2017年1月18日)といった強者の1990年代のアルバムにいろいろ参加している。また、彼はその頃からクレツマー音楽のフランク・ロンドンととても懇意にしており、彼のアヴァン・クレツマー音楽集団であるハシディック・ニュー・ウェイヴの諸作にも現在までいろいろ参加している。
 さて、そんなフュージンスキ率いるスクリーミング・ヘッドレス・トーソズ(ヴォーカル入り変テコ根暗ファンク・バンドと言っていい?)に上原ひろみ(2004年11月25日、2005年7月31日、2006年9月3日、2009年9月4日、2010年12月3日、2011年9月3日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年7月25日、2012年12月9日、2014年9月6日、2014年9月7日、2016年9月4日、2016年9月15日、2016年11月16日)が加わったスタジオ・ライヴ映像が唐突に公開されている。https://www.youtube.com/channel/UCuN64ZhS-Fs4B3LxFrp1NDg 。なんでも、晩年のバーニー・ウォレル(2007年8月7日、2011年8月12日、2012年7月27日、2013年1月30日、2014年10月28日)やマルーン5(2011年5月16日)のジェイムス・ヴァレンティンやグラスパーズ・エキスペリメントのケイシー・ベンジャミン(2009年12月19日、2010年12月16日、2012年6月12日、2013年1月25日、2014年8月20日、2015年6月4日、2015年6月8日)らがゲスト入りしたトーソズの2014年作自主リリース作『Code Red』(なかなか、いい出来と思う。ただ、やっぱり彼のギターの音色がいまいち好みじゃないな)で上原のことも呼びたかったのが彼女多忙にて実現せず、ここにきてえいやっとやってしまったらしい。
 なお、そんなフューズの最新リーダー盤は『Flam! Blam!』(Rare Noise,2016)で、現代音楽やエレクトロなどの要素も入った内容も持つ。本人、ギターやシンセ、ヴァイオリン、オーボエ、キーボード、電気ベース、ドラムという顔ぶれでことにあたっている。
追記)上の記載に間違いあり。以下は、この8月に上原自身に顛末を聞いたものだ。
——突然、デイヴィッド・フュージンスキ(ギター)のスクリーミング・ヘッドレス・トーソズとやっている映像がネットにアップされていて、驚きました。
「あれ、1曲参加してと言われて、2年前にやったものなんです。それが、やっと出たんです」
——上原さんって、他者作品への客演はそれほど多くないという印象があるんですが、ゲスト出演をやるやらないの判断の基準はどこに置いているんですか。
「いや、トーソズは大ファンなので。(ゲスト参加は)自分がそこで化学反応が生まれそうかどうかということによりますね」
——まあ、フュージンスキは上原さんの『タイム・コントロール』(2007年)で全面的に参加していますしね。彼はバークリー音大の先生もしているのでしょうか?
「はい。今もそうだと思います。私が卒業する頃に、先生で入ったと思います。ちょうど同時期に、ボストンに住んだというのはラッキーだったと思います」

▶︎過去の、デイヴィッド・フュージンスキ
http://43142.diarynote.jp/201202120849174102/
▶過去の、上原ひろみ
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http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/?day=20101203
http://43142.diarynote.jp/201109121452527893/
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http://43142.diarynote.jp/201611171021419374/
▶︎過去の、ジェフ・リー・ジョンソン
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http://43142.diarynote.jp/201209191229057579/ エスペランサ
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▶︎過去の、ジョン・メデスキ
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http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm 8月13日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm 9月7日
http://43142.diarynote.jp/201203062004221304/
▶過去の、ミシェル・ンデゲオチェロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200805090836380000/
http://43142.diarynote.jp/200905161026033788/
http://43142.diarynote.jp/201311191050581790/
http://43142.diarynote.jp/201407151135353688/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170118
▶過去の、バーニー・ウォレル
http://43142.diarynote.jp/200708051740450000/
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
http://43142.diarynote.jp/201208091303253665/
http://43142.diarynote.jp/201301311053069360/
http://43142.diarynote.jp/?day=20141028
▶︎過去の、マルーン5
http://43142.diarynote.jp/201105170923444580/
▶過去の、ケイシー・ベンジャミン
http://43142.diarynote.jp/201001051625155901/
http://43142.diarynote.jp/201012171104366095/
http://43142.diarynote.jp/201206141342549869/
http://43142.diarynote.jp/201301270742196778/
http://43142.diarynote.jp/201408210931581467/
http://43142.diarynote.jp/201506070919133558/
http://43142.diarynote.jp/201506091124003170/
 在ミューヨークのシンガー・ソングライター(2015年1月29日)の新作はなんとマイケル・リーグ(2016年6月16日、2016年6月17日、2017年4月18日)のレーベル“グラウンド・アップ”発で単独名義によるリリースであったが、2度目となる来日公演は過去のアルバム名義と同じベッカ・スティーヴンス・バンドによるもの。ギター、ウクレレ、チャランゴを弾きながら歌う彼女をサポートする男性3人(鍵盤、電気ベース、ドラム)は同じ顔ぶれのようだ。
 
 彼女がエレクトリック・ギターを手にして歌ったせいもあるかもしれないが(ベーシストもダブルベースを持参しておらず)、中盤ぐらいまではかなりロックぽくなったなあと思い、聞いていた。歌い方も、前ほど漂う(ファジーな)感覚を持つ歌い方をしなくなったよな。でも、いろいろな余白はあり。過去作で発表していた、フランク・オーシャンやスティーヴィー・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012年3月5日)のカヴァーも披露。新作収録のデイヴィッド・クロスビー(cf.CSN&Y)との共作曲も披露したが、それはクロスビーをスナーキー・パピーの2016年作に呼び、さらにリーグはクロスビーの2016年新作をプロデュースしていることで実現したんだろう。大昔、クロスビーにインタヴューしたことがあったのを唐突に思い出した。いい人だったな。アンコールでは、ジョニ・ミッチェル曲をお茶目な感じで披露した。来週27日毎日新聞夕刊に、この晩の公演評が出ます。

▶︎過去の、ベッカ・スティーヴンス・バンド
http://43142.diarynote.jp/201501301446383781/
▶︎過去の、スナーキー・パピー/マイケル・リーグ
http://43142.diarynote.jp/201606171730294884/
http://43142.diarynote.jp/201606201007017702/
http://43142.diarynote.jp/201704200801169451/
▶過去の、スティーヴィー・ワンダー
http://43142.diarynote.jp/200511130015240000/
http://43142.diarynote.jp/201008261618276388/
http://43142.diarynote.jp/201203062006429595/

<今日も、サクサク>
 今秋の来日に負うドナルド・フェイゲン(2000年5月15日)のムックや特集号の原稿を複数頼まれていて、ここのところフェイゲンの音が仕事部屋ではなりっぱなし。しかし、フェイゲン関連の音ってやっぱりいろんな情報を持つんだろうな、幸いなことに原稿に煮詰まるということはもともとないのだが、本当にスラスラ筆が進んじゃうのでありがたい。だんだん暑くなってきていて、無理したくないしね。2週間前に知人のうちでエアコンのもとで寝ちゃったら風邪をひいてしまい、今年も基本エアコンなしで生活をしようと思ってもいる、ワタシ、、、、。
▶︎過去の、スティーリー・ダン/ドナルド・フェイゲン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
追記:結局、400字×60枚ほどの原稿をすべて締め切り内に送稿。キブンが良い。でも、勝手に頭の中でフェイゲン曲がなったりし、とうぶん聞きたくないかなー。

 今年でデビュー40周年となるザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンド(2002年7月30日、2004年7月27日、2004年9月17日、2007年5月15日 、2004年9月17日)の今回の最初の曲は1984年デビュー作のオープナーとなったオリジナルの「ブラックバード・スペシャル」であり、アンコールではやはり同作に入っていたトラディッショナルの『リル・リザ・ジェーン』をやった。まあ、基本やり続けてきた曲で意図はないだろうけど、スタート時を思い出そうとているのかとか、ほんの少し思ってしまったな。

 今回の構成員はスーザフォンのカーク・ジョセフ、ヴォーカルや煽り役も担うもトランペッターのグレゴリー・デイヴィス、テナー・サックスのケヴィン・ハリス、バリトン・サックスのロジャー・ルイス、ギターの新村健、ドラムのジュリアン・アディソンという布陣。オリジナル・メンバーは先に名前を出した二人で、前回公演からトランペッターの一人が抜けて新たにロトンボーン奏者が人っていた。新村はニューオーリンズの在住で、タイトなビートを送り出すアディソンはアイオワ州の大学を出ていて、その後に同地にやってきたという。大昔は、デイヴ・ウェックル(2009年6月18日、2010年6月6日、2012年6月13日、2016年3月29日)が大好きだったらしい。あ、それからショウの中盤から日本人トランペッターの高澤綾が無理なく入った。面々、女性が入るとうれしそう。

 ジョセフの演奏が衰えているのは今に始まったことではないし、もう少し重厚に血湧き上がるようなアンサンブルを取って欲しいとか、1980年代中期の勇姿を知る者にとってはいろいろ不備も感じなくはない。だが、随所にあるニューオーリンズの地のものでしかありえないいろんな美点にどんどん発汗してしまったのは、まぎれもない事実。ぼくは金色に輝く楽器奏者たちが立つステージに接しながら、ここには<黄金の夢>があるぞとも思ってしまったんだよなあ。本編の最後、管楽器奏者たちは場内をパレードのごとく練り歩く。トロンボーン奏者は一切ソロを取らなかったが、横を通った際には一応過不足なく吹いているように聞こえた。8月3日の毎日新聞夕刊にライヴ評が出ます。

▶過去の、ザ・ダーティ・ダズン・ブラス・バンド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040727
http://43142.diarynote.jp/200410071540230000/
http://43142.diarynote.jp/200705181811530000/
▶過去の、デイヴ・ウェックル
http://43142.diarynote.jp/?day=20090618
http://43142.diarynote.jp/201006071818281946/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120613
http://43142.diarynote.jp/?day=20160329


<今日の、うれしいCD>
 唐突に、ベルリンから郵便物が届く。同地に居住するマリンバ/ヴァイブラフォン奏者の齊藤易子さんからのもの。彼女がニコ・メインホールド(ピアノ)とトビアス・シルマー(クラリネット、バス・クラリネット)と組んでいるココトブ(Kokotob)のアルバム『Flying Heart』(Clean Feed、2017)を、丁寧な文面ともに送ってくださった。発売元は、ポルトガルのアヴァン系レーベルとか。その真価を読み解くにはしばしの時間を必要とするだろうが、素晴らしく研ぎ澄まれ、えも言われぬ美が降り注いでいるような内容。曲は各人が出し合っていて、この編成でやる必然性もとても出ている。ディスク・ユニオンが扱い、スポティファイでも聞けるよう。そういえば、8月頭には、17歳で米国に渡りバークリー音楽大学などで学び、現在は独ミュンヘンに居住し来年2月にECMからリーダー・アルバムを発表するドラマーの福盛進也に取材することになっている。

 アルト・サックス奏者の本田雅人(2011年3月28日、2015年7月23日、2016年10月9日)が率いるビッグ・バンドの公演。トランペットのエリック・ミヤシロと小澤篤士と金津理仁と小林正弘、トロンボーンの中川英二郎と半田信英と笹栗良太と野々下興一(ベース)、サックスの真野崚磨(アルト)と吉田治(テナー)と鈴木圭(テナー)と鍬田修一(バリトン)と、ピアノの秋田慎治、ギターの梶原順、電気ベースの納浩一、ドラムの則竹裕之という編成による。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。

 本人曰く、この特徴は「フュージョン〜ファンク系のビッグ・バンド」とのことだが、なるほどオリジナルで固めた演目は少し4ビート的な曲もあったが、多くはタイトなビートを下敷きに、そこにホーンのアンサブル音が百花繚乱する。音が明瞭で、質感がとてもパキパキしている。とともに、このビッグ・バンドならではと思わせられたのは、ソロの多くを本田がとっていたこと。他だったら、もっと構成員にソロを振るが、そこをスパッと割り切ったB.B.STATIONは相当に潔い。ある意味、本田としては、ワン・ホーンによるグループ表現の拡大版みたいな考え方が下地にあるのだろう。エンターテインメント性に富むビッグ・バンド表現の一つのカタチがここにありました。

▶過去の、本田雅人
http://43142.diarynote.jp/?day=20110328
http://43142.diarynote.jp/201507251003319800/
http://43142.diarynote.jp/?day=20161009

<今日の、渋谷>
 ライヴを見る前に渋谷下車で用事をこなしたのだが、世(の若者)はすっかり夏休みという感じになっているなあ。お、いわきFCに資本投下で話題のアンダーアーマー、渋谷のショップは109の斜め前にあるのだな。母親も東京住まいだし、今はいわきと直接的な縁がなくなったが、いわきFCについてはとても気になっている。
 西海岸ロック〜シンガー・ソングライター表現に長年にわたり貢献してきた重鎮スタジオ・ミュージシャンのリーダー公演(2006年12月22日)を、六本木・ビルボードライブで見る。ファースト・ショウ。

 同行ミュージシャンは、現在コーチマーが居住するデンヴァーの友達であるギターのスティーヴ・ポステル、セッション・ベーシスト大家のボブ・グラウブ、ジャクソン・ブラウン・バンドで弾くキーボード奏者のジェフ・ヤング、1970年代はポール・マッカートニーやエルトン・ジョンのアルバムで叩いていたスティーヴ・ホリー。余裕たっぷりに大人のミュージシャンが重なる様には、ああオレは今いいアメリカン・ロックに接しているという気持ちになれた。リズム隊の音がよかったし、ネ。

 曲は、ジャクソン・ブラウン、ドン・ヘンリー、ジェイムズ・テイラーなどコーチマーがサポートした人気者達の曲が次々に披露される。コーチマーはかつて2枚のリーダー作を出しているが、そこからの曲はやらなかったはず。リード・ヴォーカルは当人が一番とったが、ポステルとヤングも取った。

▶︎過去の、ダニー・コーチチマー
http://43142.diarynote.jp/200612281419530000/

<今日の、ほのかな幸せと少しの絶望>
 外に出て、すぐに日光に当たりバテ、汗ダクダク。ヘロヘロ。普段は出かけずにすむぼくはなんと幸せなのかと思う。とともに、もうぼくは普通の勤め人はできない人間であるかのとも思う。ま、人間て慣れの部分が相当大きいと思いつつ。。。

 フジ・ロック・フェスティヴァルに出演した二つのバンドの東京公演をはしごする。

 まず、渋谷・クラブクアトロで、フロール&ザ・ヴィンマッシュを見る。その旧グループ名は、フロレンシア・ルイス&ロス・オンゴス・オリエンタレス。ルイス(2008年4月4日、2014年6月16日、2015年8月31日)、ギターの鬼怒無月(2003年3月6日、2003年6月30日、2004年1月16日、2005年4月11日、2006年1月21日、2009年10月8日 、2010年3月20日、2012年2月10日、2012年6月13日、2012年6月28日、2012年11月21日、2013年2月11日、2014年2月9日、2014年2月22日、2014年6月16日、2015年8月31日)、エレクトリック・ベースやヴァイオリンを弾く佐野篤(2006年3月24日、2012年6月13日、2014年2月9日、2014年2月22日、2014年6月16日、2015年8月31日)、パーカッションのヤヒロトモヒロ(2007年11月14日、2009年2月8日、2009年10月12日、2010年7月22日、2011年10月26日、2012年6月13日、2014年2月9日、2014年2月22日、2014年6月16日、2015年8月31日)、という顔ぶれは不動だ。

 ルイスと日本人勢の共作曲なども増え、よりバンドになっているのは明らか。もう随所から湧き上がる両者の信頼の情にちょい胸アツ? とともに、特に前半ロック度を増しているなとも実感。これ、バス・ドラムを置いたヤヒロの演奏に追うところも大きいか。ピアノやキーボードの清水一登(2010年3月20日、2011年7月4日)も2部で何曲か加わった。これ、ラティーナ誌9月号にライヴ評が出ます。

▶過去の、フロレンシア・ルイス
http://43142.diarynote.jp/200804052110160000/
http://43142.diarynote.jp/201406180852131370/
http://43142.diarynote.jp/201509021103292742/
▶過去の、鬼怒無月
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/200401160000000000/
http://43142.diarynote.jp/200504151004040000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060121
http://43142.diarynote.jp/200910140952248669/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100320
http://43142.diarynote.jp/?day=20120210
http://43142.diarynote.jp/?day=20120613
http://43142.diarynote.jp/201207031352302181/
http://43142.diarynote.jp/?day=20121121
http://43142.diarynote.jp/?day=20130211
http://43142.diarynote.jp/201402111029354181/
http://43142.diarynote.jp/201402240940377749/
http://43142.diarynote.jp/201406180852131370/
http://43142.diarynote.jp/201509021103292742/
▶過去の、佐野篤
http://43142.diarynote.jp/200603281333540000/
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402111029354181/
http://43142.diarynote.jp/201402240940377749/
http://43142.diarynote.jp/201406180852131370/
http://43142.diarynote.jp/201509021103292742/
▶過去の、ヤヒロトモヒロ
http://43142.diarynote.jp/?day=20071114
http://43142.diarynote.jp/200902102121513506/
http://43142.diarynote.jp/200910141731349364/
http://43142.diarynote.jp/201007241308021448/
http://43142.diarynote.jp/201111141210356758/
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402111029354181/
http://43142.diarynote.jp/201402240940377749/
http://43142.diarynote.jp/201406180852131370/
http://43142.diarynote.jp/201509021103292742/
▶︎過去の、清水一登
http://43142.diarynote.jp/?day=20100320
http://43142.diarynote.jp/?day=20110704

 その後は、六本木・ビルボードライブで、米国を代表する重鎮ブルース・ロッカーであるエルヴィン・ビショップのショウを見る。実は、前の公演が想像したより長めで、こちらには遅刻。だが、公演が終わったのは、23時13分。それゆえ、不満ない時間を見ることができました。

 わあ、こんなに素晴らしい、ルーツ・ミュージックの担い手だったの? もう見ている端から、そうした感激をえっぱなし。今年のライヴ、ベスト5の一つは決定かななんてことも、ショウを見ながらぼくは思った。感じとして一番近いのは、タージ・マハール(2000年10月12日、2007年4月6日)のショウかもしれないが、もっと線が太くて人間味がある、ともぼくは感じた。

 カホンのウィリー・ジョーダン・ジュニア 、トロンボーンのエド・アーリー(アルバート・コリンズ公演のときに来日しているそう)、アコーディオンとキーボードとハーモニカのスティーブン・ウィリス、ギターのボブ・ウェルシュ、エレクトリック・スタンダップ・ベースのルース・デイヴィス、ドラムのボビー・コクランという面々がサポート。うち、ジョーダン・ジュニアとアーリーとコクランはアフリカ系で、ビショップが歌う曲が多いが、彼らがリード・ヴォーカルを取る曲もある。デイヴィスは女性、いい面々が揃ったバンドであると思わずにはいられず。

 そのスタートはポール・バターフィールド・ブルース・バンドであり、先にブルース・ロッカーという書き方をしたが、もっと総花的な視野を持ち、人間性の豊かさともつながる開かれた手作り表現を悠々とやる人。親日家であるビショップはけっこう日本語の読み書きができるというのはだいぶ昔に山岸潤史(1999年8月5日、2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日、2005年7月30日、2005年7月31日、2007年2月3日、2007年2月4日、2007年2月5日、2008年9月11日、2009年5月19日、2009年7月27日、2010年8月4日、2011年5月17日、2012年9月8日、2013年6月13日、2014年7月29日、2015年1月29日、2016年1月15日)から聞いていたが、MCはかなり日本語でやる。今、74歳のようだが、ときには指にスタイド・バーをはめて演奏したりもした彼は実年齢よりも若く見えた。当然、元気そうだったな。

 けっこうニューオーリンズぽい曲があったり、とっても紳士然としたアコーディオン奏者はもろにザディコぽい弾き方をしたり、カホン奏者はウォッシュボードのような音を出したりと、南部に根ざした様々なアーシー要素が魅惑的に重なったショウ。しっかりした知識と確かな技量と豊かな人間性の三位一体とも、それは書きたくなるもので、素晴らしいっ。老後に、こんなバンドをできたら最高だなとも思った。終盤、2曲にはチャー(2002年3月12日、2008年4月20日、2008年6月12日、2008年10月5日、2009年7月25日)が加わった、

▶︎過去の、タージ・マハール
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200806121400260000/
▶︎過去の、チャー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm マイク・クラーク・バンド
http://43142.diarynote.jp/200804220006510000/
http://43142.diarynote.jp/200806180850060000/
http://43142.diarynote.jp/200810061857413394/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
▶過去の、山岸潤史
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040330
http://43142.diarynote.jp/200508060616450000/
http://43142.diarynote.jp/200508060622480000/
http://43142.diarynote.jp/200702112125550000/
http://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
http://43142.diarynote.jp/200702122331070000/
http://43142.diarynote.jp/200809160030188727/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090519
http://43142.diarynote.jp/?day=20090727
http://43142.diarynote.jp/?day=20100804
http://43142.diarynote.jp/201105181052427410/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120908
http://43142.diarynote.jp/201306171646424744/
http://43142.diarynote.jp/201408051721103640/
http://43142.diarynote.jp/201501301446383781/
http://43142.diarynote.jp/201601190806343491/

<今日の、符号>
 午前中に、エルヴィン・ビショップとはフジ・ロックでお互いのステージに客演しあったアーティストを取材をする。今の広角型サザン・ロックの担い手である、ザ・マーカス・キング・バンド。当初は21歳のリーダー(だけ)に取材することになっていたが、メンバーもずらり並んで全メンバー6人に話を聞く(それ、ミュージック・マガジン誌の9月号に掲載される)。オルガン奏者以外は皆まだ20代。キングだけ少し哲学的(?)な言い回しの答えをしていて、へえ〜。1970年代サザン・ロックの総本山たるキャプリコーン・レーベルの話にもなり、メンバーの持っているものを合わせれば、だいたいカタログは全部あるんじゃないか、なんてメンバーの話もありました。ビショップもソロで一番バリバリやっていた頃は、キャプリコーンと契約していたんだよなあ。今日はキャプリコーンが生んだ最大のスターであるグレッグ・オールマンの遺作『サザン・マン』(ラウンダー)の日本盤用のライナー・ノーツ原稿を出したりもして、なんかキャプリコーンづいた日と言える? ちなみに、ラウンダー/コンコードから出る同作、プロデュースはドン・ワズ(2013年2月15日)がやっている。
▶過去の、ドン・ワズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215