クラブ・ミュージックがある時代のストレート・アヘッド・ジャズを標榜
するスリープ・ウォーカーを見るのは、2002年12月6日いらい。場所は渋
谷・クラブクアトロ。かなり、混んでいる。で、うおっていう歓声や拍手の
熱烈なことにはマジびっくり。アコースティックなジャズの行き方を標榜し
つつも、持って行き方によってはこんなに熱烈な反応(客はクラブに行くよ
うな人たちだろう)が受けられるんだと、かなり感心。セカンド作リリース
をフォローする公演だが、アルバム以上にまっつぐに、局地的にはちょいフ
リー気味に事にあたる。また、本編1曲とアンコールでは、UKからやって
きたベンベ・セグエがヴォーカルで参加。スキャットを多用する彼女は細い
身体に似合わずなかなか鉄砲喉の持ち主、いいんじゃないでしょうか。しか
し、本当に熱い反応が渦巻く会場であったなあ。

 そして、深夜に南青山・マンダラへ。こちらも金曜なのでけっこう混んで
いる。恒例の、<ナッシン・バッド・ザ・ミッドナイト・フラッシュ・グル
ーヴ>(2001年12月19日、2002年7月21日、2005年2月15日、
2005年10月30日、他)と名付けられたマルコス・スザーノと沼澤尚(前
回の一晩、スザーノx沼澤x内田直之の魔法のような演奏の模様は『ネニュ
ーマ・カンサフォン,ソー・ムジカ』IDCF−1003に纏められている)が
主宰する深夜セッション。この晩は二人に加えて、ブラジル人鍵盤奏者のフ
ェルナンド・モウラとトンコリ奏者のOKI(2004年8月27日)、そし
て映像の山田秀人という顔ぶれによるもの。とにもかくにも、スザーノと沼
澤のコンビネーションは鉄壁。美味しく、興味深いったらありゃしない。そ
こに、他者が自在に乗り、その総体は例によって気分でどんどん切れ目なし
に流れていく、という内容を持つ。その奥にあるのは、音楽家としての自由
を求める意思の確認のようなものもあるか。モウラはピアノとともに、キー
ボードやラップトップもいじり、ときに不思議な音を出す。OKIはトンコ
リを4本置いていた。中盤延々と使ったのはベースのような音が出ていたな
。とにかく、こういうのに触れると、ミュージシャンっていいナと思わずに
はいられない。<ナッシン・バッド・ザ・ミッドナイト・フラッシュ・グル
ーヴ>は同所で23日と24日もあります。