リッキー・リー・ジョーンズ(29日)
2005年12月31日 素晴らしい。彼女がサポートのミュージシャンとともにパフォーマンスを
始めたとたん、すぐに思った。前回の来日公演(2004年3月26日)とバ
ッキング陣の編成(もちろん、顔ぶれも)がぜんぜん違うんだもの。前回は
キーボード奏者やサックス奏者がいた。当然のことながら、求める音の感じ
も大きく違う。どういう経緯でそうなったかもちろん知らないが、いろんな
表情を受けられるというのは嬉しいものだ。事実、彼女は出すべき様々な内
実を持っているわけだし。
バックはトニー・シェアー(セックスモブ、ジェシー・ハリスのザ・フェ
ルディナンドス、ノラ・ジョーンズ、ビル・フリゼール)をはじめとする、
弦楽器奏者3人。ジョーンズもギターを手にしたりする(生と電気をそれ
ぞれ。歌だけのときも)ので、多いときには3本のギターと電気ベースとい
う編成でやるのだが、鷹揚ながらちゃんとギター陣の住み分けがなされてい
て、感心。ジョーイ・マランバという若いベース奏者はボウを用いて演奏す
る時もあったしなあ。前回のようにジャズ的広がりを介する部分はなかった
が、くだけた笑顔があるこちら(男性陣はコーラスをしたりも)はこちらで
大いなる味あり。というか、昔からのファンは今回の設定のほうが嬉しく、
親しみやすく感じたのではないか。
途中でリトル・フィートの人気曲「ウィーリン」もやる。フィートは超大
好きなグループではあったが、リズム/グルーヴ志向の強いぼくにとって、
フォークなこの曲は彼らの中ではどーでもいい曲。ではあったけど、彼女た
ちのそれはとってもフフフとなれた。それにしても、こんな曲も聞けるとは
! 作者の故ローエル・ジョージの尽力で彼女はワーナーと契約したんだっ
けか。そのカヴァー、ぜんぜん感傷的なところはあまりせんでした(それも
良かった)。
実は今回のパフォーマンス、上出の弦楽器奏者に加えてドラムのアントン
・フィアー(元ザ・フィーリーズ、マテリアル、ザ・ゴールデン・パロミノス
)が加わるはずだった。実際、日本にはやってきたのだが、東京の前に京都
でやったライヴかなんかでジョーンズと意見が合わず、彼は米国に帰ってし
まったらしい。おお。フィアーが入ったらどんなバンド・サウンドになった
だろうかと夢想しちゃうところはあるが、なあなあで行かずにお互いのミュ
ージシャンシップをぶつけ合った結果なのだろうから十分に納得がいく。フィ
アーはマシュウ・スウィートやロリ・カーソンなど、シンガー・ソングライタ
ー作品のプロデューサーとしてもかなりの腕を奮った人。マケイル・スタイ
プ他いろんなゲスト・シンガーを擁したザ・ゴールデン・パロミノス表現も
当初はパンク・ジャズ・ユニットだったが、イマジネイティヴで歌心あふれ
る大人のアメリカン・ロックを紡ぎだそうとした名バンドであったし。そん
な彼は彼なりに、いろいろ思うところはあったのだろう。
それからもう一つ書き留めておかなければならないのは、ベーシスト(主
にアコースティック)ととして活躍しているシェアーがギタリストとしてここには参加していたという事実。けっこうスライド・バーを多用したりして、リーに
寄り添う。二人だけでパフォーマンスするときもあったし、なかなかジョー
ンズとシェアーの関係はうまくいっているように見えた。ミュージシャンの
ネットワークっておもしろい。ジョーンズはLAなはずだけど、シェアー(
フィアーもだが)はNYだしな。
最後のほう、ジョーンズはピアノを弾き語りする。そのとき、シェアーは
アコースティック・ベースを手にしたりもしたのだが、どうやら知らない曲
だったようで、ほとんど彼女のピアノを弾く指を追いながら、非常におぼつ
かない感じで弾く。そういう面に顕著なように、気儘に曲を選んでいたと
ころもあったのかもしれない。
なんかいろいろあった一年だったけど、いい締めくくりと思えたライヴ。
丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。明後日は彼女、カウントダ
ウンもするのか。関係ないけど、ブルーノートNYのニューイアーズ・イヴ
(と、元旦)はカサンドラ・ウィルソンの出演。バックはブランドン・ロス
とマーヴィン・スーウェルの二大個性派ギタリストの揃い踏みなんだよなあ
。
始めたとたん、すぐに思った。前回の来日公演(2004年3月26日)とバ
ッキング陣の編成(もちろん、顔ぶれも)がぜんぜん違うんだもの。前回は
キーボード奏者やサックス奏者がいた。当然のことながら、求める音の感じ
も大きく違う。どういう経緯でそうなったかもちろん知らないが、いろんな
表情を受けられるというのは嬉しいものだ。事実、彼女は出すべき様々な内
実を持っているわけだし。
バックはトニー・シェアー(セックスモブ、ジェシー・ハリスのザ・フェ
ルディナンドス、ノラ・ジョーンズ、ビル・フリゼール)をはじめとする、
弦楽器奏者3人。ジョーンズもギターを手にしたりする(生と電気をそれ
ぞれ。歌だけのときも)ので、多いときには3本のギターと電気ベースとい
う編成でやるのだが、鷹揚ながらちゃんとギター陣の住み分けがなされてい
て、感心。ジョーイ・マランバという若いベース奏者はボウを用いて演奏す
る時もあったしなあ。前回のようにジャズ的広がりを介する部分はなかった
が、くだけた笑顔があるこちら(男性陣はコーラスをしたりも)はこちらで
大いなる味あり。というか、昔からのファンは今回の設定のほうが嬉しく、
親しみやすく感じたのではないか。
途中でリトル・フィートの人気曲「ウィーリン」もやる。フィートは超大
好きなグループではあったが、リズム/グルーヴ志向の強いぼくにとって、
フォークなこの曲は彼らの中ではどーでもいい曲。ではあったけど、彼女た
ちのそれはとってもフフフとなれた。それにしても、こんな曲も聞けるとは
! 作者の故ローエル・ジョージの尽力で彼女はワーナーと契約したんだっ
けか。そのカヴァー、ぜんぜん感傷的なところはあまりせんでした(それも
良かった)。
実は今回のパフォーマンス、上出の弦楽器奏者に加えてドラムのアントン
・フィアー(元ザ・フィーリーズ、マテリアル、ザ・ゴールデン・パロミノス
)が加わるはずだった。実際、日本にはやってきたのだが、東京の前に京都
でやったライヴかなんかでジョーンズと意見が合わず、彼は米国に帰ってし
まったらしい。おお。フィアーが入ったらどんなバンド・サウンドになった
だろうかと夢想しちゃうところはあるが、なあなあで行かずにお互いのミュ
ージシャンシップをぶつけ合った結果なのだろうから十分に納得がいく。フィ
アーはマシュウ・スウィートやロリ・カーソンなど、シンガー・ソングライタ
ー作品のプロデューサーとしてもかなりの腕を奮った人。マケイル・スタイ
プ他いろんなゲスト・シンガーを擁したザ・ゴールデン・パロミノス表現も
当初はパンク・ジャズ・ユニットだったが、イマジネイティヴで歌心あふれ
る大人のアメリカン・ロックを紡ぎだそうとした名バンドであったし。そん
な彼は彼なりに、いろいろ思うところはあったのだろう。
それからもう一つ書き留めておかなければならないのは、ベーシスト(主
にアコースティック)ととして活躍しているシェアーがギタリストとしてここには参加していたという事実。けっこうスライド・バーを多用したりして、リーに
寄り添う。二人だけでパフォーマンスするときもあったし、なかなかジョー
ンズとシェアーの関係はうまくいっているように見えた。ミュージシャンの
ネットワークっておもしろい。ジョーンズはLAなはずだけど、シェアー(
フィアーもだが)はNYだしな。
最後のほう、ジョーンズはピアノを弾き語りする。そのとき、シェアーは
アコースティック・ベースを手にしたりもしたのだが、どうやら知らない曲
だったようで、ほとんど彼女のピアノを弾く指を追いながら、非常におぼつ
かない感じで弾く。そういう面に顕著なように、気儘に曲を選んでいたと
ころもあったのかもしれない。
なんかいろいろあった一年だったけど、いい締めくくりと思えたライヴ。
丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。明後日は彼女、カウントダ
ウンもするのか。関係ないけど、ブルーノートNYのニューイアーズ・イヴ
(と、元旦)はカサンドラ・ウィルソンの出演。バックはブランドン・ロス
とマーヴィン・スーウェルの二大個性派ギタリストの揃い踏みなんだよなあ
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