闇鍋音楽祭2011。フィル・ウッズ・カルテット。DEN & COKKY
2011年3月26日 音楽 まず、渋谷・O-WESTで、ソウル・フラワー・ユニオン主宰のイヴェントを見る。27日も同所であるが、この日はカーネーション(2009年12月23日、他)が共演者。まず、ソウル・フラワーの中川敬が出てきて一声かまして(ちょっとしたことでも、頼もしさが出る人だな)、そしてカーネーション(2009年8月9日、他)が登場。今回、ドラムは宮田繁男が叩き、含蓄たっぷりの歌心あるシャープなおやじロックを颯爽と披露。前半からソウル・フラワーの奥野真哉が出てきて、キーボードでずっと加わる。聞き手をいろんなところに持って行く力もあって、やはり支持したいバンドですね。
そして、休憩を挟んで、主役のソウル・フラワー・ユニオン(1999年12月16日、2005年7月31日)。ロックからより広い大衆音楽へという気持ちが判る、知が転じた心意気をたっぷり抱えたバンド。こってり。じわじわ。ざっくり。やっぱり、彼らならではの、味/佇まいをしこたま持つなあと実感。が、時間切れで、ライヴ評を頼まれている次の公演に向かう。もうしわけないです、という気持ちがたっぷり。
タクシーに飛び乗ったら、普段は混んでいるはずの道玄坂も青山通りもすいていて、あという間に、会場前に。少し、フクザツ。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。出演者は、フィル・ウッズのグループだ。そのウッズ(1931年生まれ)はいまだアルト・サックスのNo.1インプロヴァイザーとたたえられるチャーリー・パーカー直系の、まさに“吹ける”アルト奏者で、きっちりとジャズ史に名を残す白人大御所ですね。
3.11後、多くの外国人アーティストの公演がキャンセルされているが、そうしたなか日本にやってきて、ちゃんと公演を行おうとする人もいる。すぐに思い浮かぶのはシンディ・ローパー(2011年3月16日)やNE-YO(2006年6月7日、2009年8月9日)だが、ジャズ界にもそういう人はいて、それがフィル・ウッズだ。同行奏者はすでに35年も活動を共にしているリズム隊と、はやり20年近くの付き合いを持つトランぺッターのブライアン・リンチ。56年生まれと一番若い彼はラテン・ジャズの世界でも活躍していますね。そして、さらにコンコード他にたくさんのリーダー作を持つ西海岸派ピアニストのビル・メイズ(44年生まれ)がそこに加わっていて、彼がバンドの流れを取り仕切ってたかな。なんでも、サイドマンの人達が拒否っても来日し、日本人プレイヤーと演奏すればいいと、思っていたそう。
ほぼ満席。前の会場からの流れの所感で、少なくない人がそれぞれに好みの音楽分野における実演享受を求めていると、思わずにはいられない。熱い拍手のなか始ったパフォーマンスは粛々、ウッズはメンバー紹介はするが、震災に関しての話は一切しない。俺たちはバンド・マン、何があろうとブッキングされているギグをまっとうする……そんなプロ意識を見たような。御大は椅子に座って演奏、そんなにぶりぶり吹きまくるわけではなく、やはり老いてきているんだなと実感。でも、今年で80歳だから、それは自然だ。実際、その吹き口はいろんな栄光を下敷きにするという“正なるもの”があったのではないか。ちょっとした音色やフレイズにお茶目さを滲ませるあたりも、好印象。たっぷりソロをフィーチャーするので1曲の長さはかなり長め、アンコールなしで彼らは90分ぐらい演奏した。
そのあとは青山・プラッサ・オンゼに行って、DEN(ヴォーカル、カヴァキーニョ) & COKKY(タンタン;ベース的な太鼓)を見る。3セットのうちの最後のが見れた。ブラジルでも認められている日本人有数のサンバ/パゴージの担い手ということは知っていたが、初めて彼らを見る。そして、うなった。2人にパンデイロなど3人の打楽器奏者が加わってのパフォーマンスだったのだが、DENの歌とカヴァキーニョの達者で、存在感のあること! <下手の横好き>ではなく、<上手の縦好き>って、感じィ? 何だ、その言い方……。日本語歌詞を挟むときもあったが、そういうのももっと聞いてみたいと思った。お客さんも踊っていて、いいヴァイヴがありました。
音楽っていいなあ。……ぼくにとっての音楽にあたるものが、それぞれの人にありますように。そして、享受できますように。
<ここのところの、変化>
3.11以降、携帯電話を普段の10倍は使っている、と思う。また、ここ10年強しなくなっていた家飲みをするようになってしまった。かつては、どんなに深酒して帰ってきてもまた家で飲まないと気がすまなかった。昼間も、筆の滑りが悪いと言って、飲むこともあった。だけど、なんかあっさり、その習慣が消えちゃっていた。資源ゴミを出す日に大量の瓶や缶を出さずにすんで、精神衛生上よいなあと思った事は、家飲みをやめる理由には少しつながっているはずだが。外で飲む機会が減っているということももちろんあるが、やはりストレスがたまっているんだろう。ちょっと、いいワインを買ってきたりして……。また、ワイン熱がぶり返すか。
そして、休憩を挟んで、主役のソウル・フラワー・ユニオン(1999年12月16日、2005年7月31日)。ロックからより広い大衆音楽へという気持ちが判る、知が転じた心意気をたっぷり抱えたバンド。こってり。じわじわ。ざっくり。やっぱり、彼らならではの、味/佇まいをしこたま持つなあと実感。が、時間切れで、ライヴ評を頼まれている次の公演に向かう。もうしわけないです、という気持ちがたっぷり。
タクシーに飛び乗ったら、普段は混んでいるはずの道玄坂も青山通りもすいていて、あという間に、会場前に。少し、フクザツ。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。出演者は、フィル・ウッズのグループだ。そのウッズ(1931年生まれ)はいまだアルト・サックスのNo.1インプロヴァイザーとたたえられるチャーリー・パーカー直系の、まさに“吹ける”アルト奏者で、きっちりとジャズ史に名を残す白人大御所ですね。
3.11後、多くの外国人アーティストの公演がキャンセルされているが、そうしたなか日本にやってきて、ちゃんと公演を行おうとする人もいる。すぐに思い浮かぶのはシンディ・ローパー(2011年3月16日)やNE-YO(2006年6月7日、2009年8月9日)だが、ジャズ界にもそういう人はいて、それがフィル・ウッズだ。同行奏者はすでに35年も活動を共にしているリズム隊と、はやり20年近くの付き合いを持つトランぺッターのブライアン・リンチ。56年生まれと一番若い彼はラテン・ジャズの世界でも活躍していますね。そして、さらにコンコード他にたくさんのリーダー作を持つ西海岸派ピアニストのビル・メイズ(44年生まれ)がそこに加わっていて、彼がバンドの流れを取り仕切ってたかな。なんでも、サイドマンの人達が拒否っても来日し、日本人プレイヤーと演奏すればいいと、思っていたそう。
ほぼ満席。前の会場からの流れの所感で、少なくない人がそれぞれに好みの音楽分野における実演享受を求めていると、思わずにはいられない。熱い拍手のなか始ったパフォーマンスは粛々、ウッズはメンバー紹介はするが、震災に関しての話は一切しない。俺たちはバンド・マン、何があろうとブッキングされているギグをまっとうする……そんなプロ意識を見たような。御大は椅子に座って演奏、そんなにぶりぶり吹きまくるわけではなく、やはり老いてきているんだなと実感。でも、今年で80歳だから、それは自然だ。実際、その吹き口はいろんな栄光を下敷きにするという“正なるもの”があったのではないか。ちょっとした音色やフレイズにお茶目さを滲ませるあたりも、好印象。たっぷりソロをフィーチャーするので1曲の長さはかなり長め、アンコールなしで彼らは90分ぐらい演奏した。
そのあとは青山・プラッサ・オンゼに行って、DEN(ヴォーカル、カヴァキーニョ) & COKKY(タンタン;ベース的な太鼓)を見る。3セットのうちの最後のが見れた。ブラジルでも認められている日本人有数のサンバ/パゴージの担い手ということは知っていたが、初めて彼らを見る。そして、うなった。2人にパンデイロなど3人の打楽器奏者が加わってのパフォーマンスだったのだが、DENの歌とカヴァキーニョの達者で、存在感のあること! <下手の横好き>ではなく、<上手の縦好き>って、感じィ? 何だ、その言い方……。日本語歌詞を挟むときもあったが、そういうのももっと聞いてみたいと思った。お客さんも踊っていて、いいヴァイヴがありました。
音楽っていいなあ。……ぼくにとっての音楽にあたるものが、それぞれの人にありますように。そして、享受できますように。
<ここのところの、変化>
3.11以降、携帯電話を普段の10倍は使っている、と思う。また、ここ10年強しなくなっていた家飲みをするようになってしまった。かつては、どんなに深酒して帰ってきてもまた家で飲まないと気がすまなかった。昼間も、筆の滑りが悪いと言って、飲むこともあった。だけど、なんかあっさり、その習慣が消えちゃっていた。資源ゴミを出す日に大量の瓶や缶を出さずにすんで、精神衛生上よいなあと思った事は、家飲みをやめる理由には少しつながっているはずだが。外で飲む機会が減っているということももちろんあるが、やはりストレスがたまっているんだろう。ちょっと、いいワインを買ってきたりして……。また、ワイン熱がぶり返すか。