カナダのシンガー・ソングライター(2015年11月17日)の公演を渋谷・クラブクアトロで見る。フジ・ロック出演者で、2015年にも彼は来日公演を行なっているようだ。ピアノやギターを弾きながら歌う本人を、ギターリスト、電気ベーシスト、ドラマーがサポートする。

 少し高めの枯れた声の持ち主で、訥々と自らのメロディと言葉を開いていく。そのショウに接していて、なるほどこれは存在感のあるシンガー・ソングライターだとうなずかされるか。とともに、ピアノ系シンガー・ソングライターの先達、ランディ・ニューマンの存在を思い出させるか。ニューマンほど、歌の音程は甘くはないけれど。途中で、彼はピアノ弾き語りを披露したりもしたが、するとニューマンの影響はより出たか。かつて、いろいろと彼の曲を真似たりもしたのではないか。

▶︎過去の、デクラン・オドノヴァン
http://43142.diarynote.jp/201511181203116234/

<今日の、想起>
 彼の「ハンク」という曲の出だしの感じは、ランディ・ニューマンの(曲で、スリー・ドッグ・ナイトのカヴァーでもよく知られる)「ママ・トールド・ミー」を思い出させる。そういえば、ランディ・ニューマンの9年ぶりの新作『Dark Matter』(Nonesuch)がリリースされ、無料配信もされている。変わらぬニューマン節であり、どこかノスタルジックなところもある毎度の編曲仕様。実は、ぼくが一番最初に取材したアーティストはランディ・ニューマン。新卒で出版社に入り配置された雑誌で、初めての編集会議で提案して、やらせてもらった記事が彼のインタヴューだった。<ランディ・ニューマンの、眼鏡の内側>、そのとき付けたタイトルはいまだしっかりと覚えている。