バンダ・マグダ。ジョディ・ワトリー
2016年1月19日 音楽 まず、丸の内・コットンクラブで、NYベースの多国籍グループを見る。ギリシア人シンガー/アコーディオン奏者のマグダ・ヤニクゥが率いる広角型の技あり大人ポップ・ユニットで、ヴァイブラフォンの三村未佳、パーカッションの小川慶太(2014年8月3日)とマルセロ・ウォロスキ、ギターのイオグナシオ・エルナデス、ベースのアンドレス・ロトミストロフスキというアルバム『イェラキナ』に参加している面々が同行。スナーキー・パピーのベーシストであるマイケル・リーグがグループ結成時から親身に関わっていて、その2作目『イェラキナ』もプロデューサー関与している。
その『イェラキナ』はブラジル曲、コロンビア曲、ギリシャのトラッド、米シドニー・ベシエ曲、メキシコ曲(カエターノ・ヴェローゾ〜2005年5月23日〜のカヴァーでも知られる「ククルクク・パロマ」)などの曲を、視点アリでカヴァーしたアルバム(とうぜん、いろんな言語で歌われる)だったが、そのファースト『Amour, T’E La?』は仏語で歌う自作曲で固めたアルバムで、ショウではフランス語で歌われる曲もあった。2作目に入っていたルイス・ゴンザーガ(http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/ を参照のこと)曲のカヴァーは、やはりアコーディオンを手にして歌うだけに妙に合う。また、「おいしい水」の改変ヴァージョンも披露した。すでに録音済みの新作は再びオリジナル曲をやっているよう。
それにしても、マグダ・ヤニクゥの個の立ったアピール力はちょっとしたもの。アコーディオンは成人になってから手にしたようだが、堂にいるし、その弾き語りは目を引く。そんな彼女を持ち上げる演奏陣(ギタリスト以外は、コーラスも付ける)は本当に気の知れた仲間といった感じで、非米国要素もいろいろ入った間と流動性を持つサウンドを送り出す。ゆえにアルバムだと、趣味の良い洒脱さを聞き手に感じさせもするのだが、彼女の持ち味が直截に出る実演だともっと素の力強さや人間性の謳歌のようなものが前に出ていた。
▶過去の、小川慶太
http://43142.diarynote.jp/201408061110256933/
▶過去の、カエターノ・ヴェローゾ
http://43142.diarynote.jp/200506021846130000/
その後は、六本木・ビルボードライブ東京(セカンド・ショウ)で、ジョディ・ワトリー(2011年2月11日)のショウを見る。<シャラマー リローデット>とタイトルされたパフォーマンス(2015年から、そのパッケージでツアーをしているよう)で、ハワード・ヒューエットとジェフリー・ダニエル役ということか、2人の若い男性ダンサー(一人は5分の1ほどで、リード・ヴォーカルも取る)が彼女を挟むように前に立つ。
基本、ワトリーに関しての印象は前回と重なる。ようは接していて、悪い感情は沸かない。髪型と体形と心意気の迸り具合で、今回はチャカ・カーン(2003年10月10日、2008年6月5日、2012年1月10日、2014年9月6日、2014年9月10日)を少し思い出させるところがあった。嘘? 披露したのはとうぜんシャラマー期の曲だったのだろうけど、終盤男性2人が退いたときは、ソロになってからの曲を歌ったのかな。
驚いたのは、ギター、キーボード、ベース、ドラムという編成のバンドの良さ。各奏者間の音バランスも良く、これは出色のバンド音だと、ぼくは頷いた。それから、ショウが終わったのは、23時20分過ぎ。出し惜しみしません、たっぷり楽しませます、という心意気を感じずにはいられなかったなー。
▶過去の、ジョディ・ワトリー
http://43142.diarynote.jp/201102121002078478/
▶過去の、チャカ・カーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200806121525370000/
http://43142.diarynote.jp/201201131546344144/
http://43142.diarynote.jp/201409100929108025/
http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
<今日の、ヤニクゥと『Dreamii』>
昼間晴天、陽が部屋に差し込んで気持ちよい。ああいったい、昨日の東京を混乱に陥れた雪、豪雨はなんだったのか? 雪の日は外に出ずに家でのうのうとできて幸せだな〜といつもは非勤め人の幸福を味わっていたのだが、昨日はよんどころのない、人として絶対はずせない用事があり、朝から武蔵野のほうにでかけ、いろいろと移動もし、何かと大変だった。ふう。
ライヴ前に、ヤニクゥ嬢に楽屋でインタヴューをする。彼女、ショートのゴム長靴を履いていた。昨日の天候を受けて、日本で購入したのかな。そんな彼女は溌剌、元気一杯の、とっても気持ちのある人。ギリシャ人のイメージが変わるかも? って、ギリシャ人とちゃんと向き合ったのは今回が初めてだが。彼女、5カ国語に対応できるそうだ。
その際、同行していた三村未佳さんから、2014年リリースの彼女のリーダー作『Dreamii』(S.M.Music.E. Company) をいただく。趣向とメロディ性を秤にかけた自作曲ですべて固めた、ヴァイブラフォンやマリンバなど鍵盤打楽器の細やかにして闊達な演奏を中央に置く全インスト(もちろん、彼女のソロはいろいろ聞けます)の作品。ジャケット・カヴァーはシロフォンを抱えた彼女の写真が用いられている。同作は、彼女とともにマンダ・ヤニクゥとスナーキー・パピーのマイケル・リーグがプロデューサーを務めている。オーガニックな方向性を持つサウンドが付けられているが、リーグは主アレンジャーとしても名が出ている。また、アルバムにはスナーキー・パピーの他のメンバーや小川慶太(彼もバークリー音大出。スナーキー・パピーにも入ってもいる)らも参加し、ヤニクゥがアコーディオンを弾く曲(「Reverie」という、記憶の底にある何かを拾いあげんとするかのような生理的に甘美なメロディアス曲)もある。彼女とマグダ・ヤニクゥはバークリー音楽大学で出会って以来、ずっと密な関係を続けているんだとか。『Dreamii』にはファミリアなミュージシャン・サークルの綾のようなものも見える。
その『イェラキナ』はブラジル曲、コロンビア曲、ギリシャのトラッド、米シドニー・ベシエ曲、メキシコ曲(カエターノ・ヴェローゾ〜2005年5月23日〜のカヴァーでも知られる「ククルクク・パロマ」)などの曲を、視点アリでカヴァーしたアルバム(とうぜん、いろんな言語で歌われる)だったが、そのファースト『Amour, T’E La?』は仏語で歌う自作曲で固めたアルバムで、ショウではフランス語で歌われる曲もあった。2作目に入っていたルイス・ゴンザーガ(http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/ を参照のこと)曲のカヴァーは、やはりアコーディオンを手にして歌うだけに妙に合う。また、「おいしい水」の改変ヴァージョンも披露した。すでに録音済みの新作は再びオリジナル曲をやっているよう。
それにしても、マグダ・ヤニクゥの個の立ったアピール力はちょっとしたもの。アコーディオンは成人になってから手にしたようだが、堂にいるし、その弾き語りは目を引く。そんな彼女を持ち上げる演奏陣(ギタリスト以外は、コーラスも付ける)は本当に気の知れた仲間といった感じで、非米国要素もいろいろ入った間と流動性を持つサウンドを送り出す。ゆえにアルバムだと、趣味の良い洒脱さを聞き手に感じさせもするのだが、彼女の持ち味が直截に出る実演だともっと素の力強さや人間性の謳歌のようなものが前に出ていた。
▶過去の、小川慶太
http://43142.diarynote.jp/201408061110256933/
▶過去の、カエターノ・ヴェローゾ
http://43142.diarynote.jp/200506021846130000/
その後は、六本木・ビルボードライブ東京(セカンド・ショウ)で、ジョディ・ワトリー(2011年2月11日)のショウを見る。<シャラマー リローデット>とタイトルされたパフォーマンス(2015年から、そのパッケージでツアーをしているよう)で、ハワード・ヒューエットとジェフリー・ダニエル役ということか、2人の若い男性ダンサー(一人は5分の1ほどで、リード・ヴォーカルも取る)が彼女を挟むように前に立つ。
基本、ワトリーに関しての印象は前回と重なる。ようは接していて、悪い感情は沸かない。髪型と体形と心意気の迸り具合で、今回はチャカ・カーン(2003年10月10日、2008年6月5日、2012年1月10日、2014年9月6日、2014年9月10日)を少し思い出させるところがあった。嘘? 披露したのはとうぜんシャラマー期の曲だったのだろうけど、終盤男性2人が退いたときは、ソロになってからの曲を歌ったのかな。
驚いたのは、ギター、キーボード、ベース、ドラムという編成のバンドの良さ。各奏者間の音バランスも良く、これは出色のバンド音だと、ぼくは頷いた。それから、ショウが終わったのは、23時20分過ぎ。出し惜しみしません、たっぷり楽しませます、という心意気を感じずにはいられなかったなー。
▶過去の、ジョディ・ワトリー
http://43142.diarynote.jp/201102121002078478/
▶過去の、チャカ・カーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200806121525370000/
http://43142.diarynote.jp/201201131546344144/
http://43142.diarynote.jp/201409100929108025/
http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
<今日の、ヤニクゥと『Dreamii』>
昼間晴天、陽が部屋に差し込んで気持ちよい。ああいったい、昨日の東京を混乱に陥れた雪、豪雨はなんだったのか? 雪の日は外に出ずに家でのうのうとできて幸せだな〜といつもは非勤め人の幸福を味わっていたのだが、昨日はよんどころのない、人として絶対はずせない用事があり、朝から武蔵野のほうにでかけ、いろいろと移動もし、何かと大変だった。ふう。
ライヴ前に、ヤニクゥ嬢に楽屋でインタヴューをする。彼女、ショートのゴム長靴を履いていた。昨日の天候を受けて、日本で購入したのかな。そんな彼女は溌剌、元気一杯の、とっても気持ちのある人。ギリシャ人のイメージが変わるかも? って、ギリシャ人とちゃんと向き合ったのは今回が初めてだが。彼女、5カ国語に対応できるそうだ。
その際、同行していた三村未佳さんから、2014年リリースの彼女のリーダー作『Dreamii』(S.M.Music.E. Company) をいただく。趣向とメロディ性を秤にかけた自作曲ですべて固めた、ヴァイブラフォンやマリンバなど鍵盤打楽器の細やかにして闊達な演奏を中央に置く全インスト(もちろん、彼女のソロはいろいろ聞けます)の作品。ジャケット・カヴァーはシロフォンを抱えた彼女の写真が用いられている。同作は、彼女とともにマンダ・ヤニクゥとスナーキー・パピーのマイケル・リーグがプロデューサーを務めている。オーガニックな方向性を持つサウンドが付けられているが、リーグは主アレンジャーとしても名が出ている。また、アルバムにはスナーキー・パピーの他のメンバーや小川慶太(彼もバークリー音大出。スナーキー・パピーにも入ってもいる)らも参加し、ヤニクゥがアコーディオンを弾く曲(「Reverie」という、記憶の底にある何かを拾いあげんとするかのような生理的に甘美なメロディアス曲)もある。彼女とマグダ・ヤニクゥはバークリー音楽大学で出会って以来、ずっと密な関係を続けているんだとか。『Dreamii』にはファミリアなミュージシャン・サークルの綾のようなものも見える。