六本木・オリベホールで、まだ19才という米国人女性歌手のショーケース
・ライヴ。渡された資料を見たら、ローティーンのころからけっこうドサ回
りをやったりしてて、その末に現在があるようでびっくり。実演はそんな苦
労は感じさせず、初々しくも、確かな喉を披露する。カラオケで歌ったり、
ピアノの伴奏をバックに歌ったり。デビュー・アルバムはセリーヌ・ディオ
ンのアレンジをやっている人が手掛けているということだが、なるほどその
系統に入ろうとしているんだろうな。バイオ見ておおと思ったのはマサチ
ューセッツ州ケープゴッドの生まれで、父親は同地でジャズ・ピアニストを
やっていたんだとか。避暑地ケープゴッドといえば、ジ・インンクレィブル
・カデュアルズ(2006年4月14日)の本拠地じゃないか。いろいろと妄想
が広がった。

 そして、南青山・月見ル君想フに回る。行くと、ロンサム・ストリングス
(豪華メンバーだなあ。バンジョー奏者の方以外はいろんなとこで見ている
ものなあ)が淡々と演奏中。

 そして、日系アメリカ人で現在は東京に居住する、伴奏音や響きにも自覚
的なシンガー・ソングライターであるYUJI ONIKIのショウになるわけだが、
ライヴが始まる前に本人が一旦でてきて、「新作『トーキョー』と同じ順序
でやります。だから、あんまり今日は喋りません」みたいなことをわざわざ
言う。見た目は普通に日本人だし、日本語もいたって普通。

 つまり、勝井祐二(2006年12月3日、他)らバッキング・メンバーもレコ
ーディングのときと同じなのかな。ギターを弾きながら歌う本人に加え、ヴ
ァイオリン、ギター2、アイリッシュ・ハープ、ベース、ドラムスという布
陣。へえ、キーボードを排し、メロディ楽器はすべて弦楽器でまとめている
んだな。生で聞く彼の歌はそんなに上手くない。でも、しっかりと自分を出
しているし、そういう個体が中央にあっての含みある統合的表現なのだとい
うのが納得できるので疑問は感じない。