見た公演の順番を、前後させて書く。まずは、夢が叶った! 2番目に見たコンサートは、ぼくにとってはそう言ってもいいもの。ちなみに、そのアーティストであるズッケロについて、ぼくはhttp://43142.diarynote.jp/?day=20160604 の欄外で触れていますね。

 渋谷・O-イーストで、イタリアのスター・ロッカーであるズッケロのショウを見る。ブルーノートのファースト・ショウを見た後に、タクシーで駆けつけたときにはとうぜん始まっていた。中央に立つズッケロもエレクトリック・ギターを持ち歌っていて(ギターを持たずに歌う場合の方が多い)、ギタリストが3人もいるなあと思ったら、その左端に立っていたのは、布袋寅泰。聞けば、ズッケロを呼んだのは、昨年からいろいろ絡んでいる彼の事務所であるのだという。おお、布袋めちゃいい人じゃん。これは彼の音楽も聞かなくてはと思った? R&Bやブラジル音楽に詳しい群馬県出身の知人は彼のファンだよなあ。心意気で行動の人であるズッケロはボーノ(2006年12月4日)、エリック・クラプトン(2006年11月20日)、ジミー・スミス(2001年1月31日)、ジェイ・ブラックフット(2001年3月18日)、ル—ファス・トーマス、イギー・ポップ、ブライアン・ウィルソン、ジェフ・ベック(2009年2月6日、2015年9月27日)、クェストラヴ(2002年12月29日、 2003年12月2日、2004年9月19日、2007年1月15日、2013年12月19日)、エルヴィス・コステロ(2002年7月5日、2004年9月19日、2004年12月8日、2006年5月31日、2006年6月1日、2006年6月2日、2011年3月1日)、スティング(2000年10月16日)、ジョン・リー・フッカー、ムッスー・テ(2013年9月28日)、シェリル・クロウ(1999年10月16日、2002年10月21日、2004年9月17日)、ソロモン・バーク(2004年9月19日、2010年5月29日)、シェブ・マミ、ジョヴァノッティ(2002年6月1日)他、そうそうたる実力者たちと過去のアルバムで関わっているわけで布袋としても悪い付き合いでなないと思われる。あ、彼もズッケロの新作『ブラック・キャット』でフィーチャーされていますね。布袋は5分の2ほどの曲に加わったよう。そのギター・ソロは素直に収まっていた。

 アフリカ系の女性ギタリスト、キーボード奏者、ベーシスト、ドラマーというバンドを率いてのパフォーマンス。かつては、エピックやエレクトラ他に10作弱のリーダー作を残し、ピーター・ゲイブリエルやスィングのバンドにも入っていたことがある米国人黒人キーボード奏者/ギタリストのデイヴィッド・サンシャス(2006年7月2日、2009年2月6日 )をメンバーに入れていたことがあった。お、ズッケロが袖に下がった際に、女性ギタリストはもろなブルースを歌い、弾いた。

 米国のルーツ・ミュージック愛をたたえたどすこい系楽曲を、少し濁った手触りを持つ歌声で、熱量溢れて送り出す。ズッケロの表現はオールド・スクールと言えなくもないものだが、何気な音楽的広がりと眩しいメロディ性をなみなみと持つソング・ライティング力はマジ天下一品。次々に届けられる曲群にふれつつ、そうコレコレとぼくの気持ちは高みに登って行った。なんか、ぼくが少年の頃に感じていたまばゆいロックの無限の可能性を彼の音楽は追体験させるところがあるんだよなあ。なんか1990年ごろにローマに行ったときに、彼のアルバムを買い漁ったことも思い出されたりして、甘酸っぱくもなりました。とかなんとか、至福のとき……。なお、ズッケロは、これは僕にとって初めての日本でのライヴという言い方をMCをしていた。歌詞はイタリア語が多いはずだが、MCは英語でしていた。

▶︎過去の、デイヴィッド・サンシャス
http://43142.diarynote.jp/?day=20060702
http://43142.diarynote.jp/?day=20090206
▶︎過去の、U2/ボーノ
http://43142.diarynote.jp/200612070141170000/
▶︎過去の、エリック・クラプトン
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
▶︎過去の、ジミー・スミス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm
▶︎過去の、ジェイ・ブラックフット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
▶︎過去の、ジェフ・ベック
http://43142.diarynote.jp/200902080200527638/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
▶︎過去の、ザ・ルーツ/クェストラヴ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-12.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040919
http://43142.diarynote.jp/200701201415300000/
http://43142.diarynote.jp/201312200917503345/
▶︎過去の、エルヴィス・コステロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
http://43142.diarynote.jp/200412111752390000/
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200606101341360000/
http://43142.diarynote.jp/201103040825532252/
▶︎過去の、スティング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm
▶︎過去の、ムッスー・T
http://43142.diarynote.jp/201310041548056608/
▶︎過去の、シェリル・クロウ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/octber1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200410071540230000/
▶︎過去の、ソロモン・バーク
http://43142.diarynote.jp/200410071540230000/
http://43142.diarynote.jp/201006071813157081/
▶︎過去の、ジョヴァノッティ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm

 その前には、現代ジャズ・ヴォーカルの代表者と言えるだろうダイアン・リーヴス(1999年4月28日、2001年4月24日、2008年9月22日、2010年3月23日、2011年11月15日)のショウを、南青山・ブルーノート東京で見た。お、彼女、少しやせた?
 
 素晴らしいと言うしかない実演の詳細は、http://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2017/05/30/dianne-reeves-2.html を見て欲しい。この晩取り上げたのは何気に非スタンダート系ジャズ曲が多かったのだが、おなじみの名手たちによる演奏は強固なジャズ感覚を元に自在に広がっていくもので、それとスキャット満載の彼女の歌のかみ合いはまさに今様ジャズ・ヴォーカルの確かな雛壇となる。カサンドラ・ウィルソン(1999年8月27日、1999年9月2日、2001年2月12日、2004年9月7日、2008年8月11日、2010年6月13日、2011年5月5日、2013年5月31日、(1999年8月27日、1999年9月2日、2001年2月12日、2004年9月7日、2008年8月11日、2010年6月13日、2011年5月5日、2013年5月31日)も似た位置にいるが、カサンドラの場合はそんな旋律をフェイクせず、歌声の質感や佇まいでリアル極まりないジャズを鮮やかに浮き上がらせている。どちらも、尊い前を見たジャズ・ヴォーカルの道を歩んでいるのは間違いないところであるナ。あと、二人はショウで扇子を出すところは共通している。なお、リーヴスのキャリアや音楽性の美点を知りたい向きは、http://mikiki.tokyo.jp/articles/-/13663 を参照のこと。

▶︎過去の、ダイアン・リーヴス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
http://43142.diarynote.jp/201003261236189984/
http://43142.diarynote.jp/201111210320292366/
▶過去の、カサンドラ・ウィルソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/september1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200409070203440000/
http://43142.diarynote.jp/200808121357410000/
http://43142.diarynote.jp/201006181521416566/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
http://43142.diarynote.jp/201306060609052151/
http://43142.diarynote.jp/201503211741478728/

<今日の、サトウ>
 佐藤琢磨の、インディ500優勝のニュースを得る。すごい。ちょうどズッケロに一番夢中になっていたころ、ぼくはかなりF-1ファンだったことがあり、仕事の土俵を音楽からレース業界に変えてえとマジに考えていたことがあったんだよなあ。と言うのはともかく、ここのところ現首相と取り巻きの出鱈目ド下劣具合に辟易しまくっているおり、その快挙は一服の清涼剤となった? いや、何があろうと、許せないものは許せない。
 一方、グレッグ・オールマンの訃報も届いた。69歳は若いが、それだけ十代のころから、ブイブイ言わしてきたということだ。ところで、ズッケロはイタリア語で砂糖のこと。スッケロ自身も、ズッケロ“シュガー”フォルナチアリと表記していたこともあった。彼の新作はドン・ワズやT・ボーン・バーネットが関与しているが、そのバーネットが渾身プロデュースしたグレッグ・オールマンの最終スタジオ録音作『ロウ・カントリー・ブルース』(ラウンダー、2011年)はぼくが日本盤のライナーノーツを頼まれたので、通常の訃報よりも染み入る部分はあるか。南部ロック・レーベル“キャプリコーン”最大のスターであった彼がいなかったら、もしかしてジミー・カーターは第39代アメリカ合衆国大統領になれなかったかも知れない?(http://43142.diarynote.jp/?day=20130627 を参照のこと)
 そして、これを書いているサトーは先の本欄で触れているように、歩行困難につき、なるべく外出していない。そういうときに限って、天候は良好なんだよなあ。で、家にずっといるのもなんか楽でいいなあと思える自分がいるのにはいささか驚く。オレ、引き篭もり体質を持ってたのか? 外に出る際は、すべてタクシー。外出時に家の前に呼んだタクシーが止まっていること、帰りにもサッとタクシーに乗って家までついてしまうことが、どんなに楽かと思いまくり。ショーファー付き生活、いいワ。ときにこの道は左側の車線走った方が早いでごじゃるとか運転手に言いたくなるのをこらえることにほんの少しのストレスを覚えるものの、これで真冬や真夏だったら健常になってもこの外出パターンを維持しようとしそうな自分がいるのが本当に怖い。ともあれ、今日は久しぶりのライヴ日でした。
 ロス・ロボス(2004年10月7日、2005年7月31日、2011年1月19日)のデイヴィッド・イダルゴと無頼漢的イメージを与えるマーク・リーボウ(2001年1月19日、2008年8月3日、2008年12月14日、2009年12月13日、2010年12月12日、2011年8月4日、2014年7月28日)のデュオ公演を、渋谷・クラブクアトロで見る。盛況、いろんな人に会った。

 チカーノ・バンドの実力者とボーダーレス怪ギタリストの共演はなんだかんだで、2010年からデュオやバンド(その際は、ザ・ラウンジ・リザースやロス・ロボスや偽キューバ人らのメンバーも加わる)で色々パフォーマンスを持ってきている。その様は、リーボウのホームページに映像や音が残されている。この晩はオノセイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日、2014年10月8日、2014年10月11日、2015年4月17日、2015年9月13日、2015年9月24日、2015年10月9日、2016年3月14日、2016年5月22日、2016年7月26日、2017年5月7日)が録音。彼が卓/録音したリーボウの前回のクアトロ公演のライヴ盤はエンヤから出ている。

 ステージ上にはいろんなギターが置いてあったが、それらは全部二人が持ってきたのか。簡素なデュオ・パフォーマンスとはいえ、だとするとそれは大変だな。イダルゴは1曲チェロをコントラバスのようにピチカートで弾き、リーボウはウクレレを弾いた曲もあり。ラテン曲、白人のアメリカン・ソング、ロス・ロボス曲、ブルース・コード曲、R&B曲など、自在の選曲の元、二人は和気藹々に重なる。リード・ヴォーカルは交互にとり、一緒に歌う曲も1、2曲。各種ギター演奏の重なりは、ラフだけど、いろんな部分で惹きつける。そうした総体から浮かび上がるのは、許容や鷹揚な重なりの美学。そして、ひいては様々な文化や要件で米国社会やアメリカン・ミュージックが成り立ってきたという事実を二人は浮かび上がらせる。

 それゆえ、アンコールで披露されたマーヴィン・ゲイの「ワッツ・ゴーイン・オン」の胸にしみること。ここにも、音楽を通しての自由や理想や正義を飄々と伝えようする人たちがいた。じい〜ん。

▶過去の、ロス・ロボス
http://43142.diarynote.jp/200410162216580000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
http://43142.diarynote.jp/201101231220535615/
▶過去の、マーク・リーボウ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200808090220110000/
http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/201001051622194305/
http://43142.diarynote.jp/201012131714372906/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201408051026553769/
▶過去の、オノセイゲン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201206110945571082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
http://43142.diarynote.jp/201404251643448230/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140728
http://43142.diarynote.jp/201409261635077130/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201509250943244179/
http://43142.diarynote.jp/201603151140427186/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160522
http://43142.diarynote.jp/201608020801362894/
http://43142.diarynote.jp/201704280745098662/

<今日の、往復>
 タクシーを使う。迎車を頼むのに、310円(個人は300円)かかるのを、今回初めて知った。どうして、そんなことをしたかというと、16日にちょい着地しどころを誤り、左足首をくじいてしまったから。で、家からは一番近い病院となる大学病院(紹介状なしで行くと、5400円取られるのも初めて知った)に行ってレントゲン撮ってもらったら(結構な枚数を撮られた。これがもっと体の上部だったら、ヒバクという言葉が浮かぶか)、骨折はしていないという。でも、損傷が見える箇所に体重をかけてはいけないとの見立てて簡易ギブスみたいなのをつけられ、松葉杖を与えられる。次の診察は、5月31日となる。
 初、松葉杖。ぼくは慣れればスタスタ歩けるかと思ったら、すぐに肩や怪我をしていない足に負担がかかり(それは、運動不足からくる筋力不足だけではないだろう)、歩行がかなり制限されることを了解。それで、17 日に予定していたライヴのはしご予定はやめた。16日のこの項で、ああいうことを書いたのはそういう顛末があったからだ。いやあ、ライヴにも行かなく飲みもしないと、それはそれで時間があるなー。でも、夜遊びは楽しいし、家にいては不可能な情報/感興享受はいろいろとあるわけで。。。。それに、昼は地味ィに室内で机に向かっていると、日暮れ以降はアクティヴにならないとバランス悪いよなあ。
 当面は外出を自粛せねばと考えてはいるのだが、今日の公演は日経新聞電子版の原稿を書くことになっているゆえに“出勤”。続く19日はマイケル・フランティ(2000年8月12日、同8月16日、2003年8月27日)のインタヴューがあるし(とっても、会いた〜い!)、20日は四谷のいーぐるで高地明さんの<コーネル・デュプリー特集>(http://43142.diarynote.jp/201705111239508469/)の相手役を務めるし、絶対に家を出なければならない。ま、その先々で同情を買いましょうか。
▶︎過去の、マイケル・フランティ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm(12日、16日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm

 1984年、フィンランドのヘルシンキ生まれのギタリストの公演を渋谷・WWWで見る。技巧派アコースティック・ギターの弾き手である彼は過去なんども来日しているはずだが、ぼくは初めて見る。

 彼は故マイケル・ヘッジス(『タップルート』というアルバムのライナーノーツを大昔に書いたことがあるなあ)にヤラれてギター求道者となったようだが、世界中に彼のような存在がいろいろいるんだろうなあと思う。日本に来たときはまだ10代だった豪州人のキム・チャーチル(2010年5月28日)のことをふと思い出した。

 アコースティック・ギターをチューニングを変えながら、いろいろ扱う。足元にはそれなりにエフェクターが置いてあるが、最後の一音にかけたり、一部でサンプリングを介した輪演奏も見せるが、比較的うっすらめ。右手で終始ギターのボディを叩いたり、バーンと弦を叩いたりというパーカッシヴな演奏が好きなよう。それでいながら、すべて1本のギターでまかなっていたのは、ぼくとしては好ましい。彼は数曲では朗々とした歌声を聞かかせもした。

 一方、ブルースを含むアフロ〜アーシィ性を、彼は持ち合わせていない。それは濁りの感覚の欠如やコクの薄さにつながるが、彼はスカンジナビアン。別にそれを介さない行き方をとっても間違いではないだろう。確かに、彼にはある種の透明感も存在するわけだし。そういえば、彼は祖父母に贈った曲もやったが、彼のおじいちゃんはカンテレ奏者であっとそう。いやあ、らしい話だな。それから、彼がけっこうショーマンシップに富んでいることには頷く。1曲目からしゃがんで弾いて見たり、完全生音ギター演奏のもと場内を回ったりもした。そして、様々な所作から多少子供っぽいが、ナイス・ガイであることも表れる。

▶︎過去の、キム・チャーチル
http://43142.diarynote.jp/201006031539099988/
▶︎過去の、カンテレ奏者
http://43142.diarynote.jp/?month=201109 東京ジャズのmシニッカ・ランゲラン
http://43142.diarynote.jp/201511191454294398/ ミミット
 
<今日の、わあ>
 ちょいがちょーんなことあり。そのため、生活のパターンが変わり、それはライヴ三昧にもあらわれるでしょう。

 まず六本木・ビルボードライブで、ずうっと同じ顔ぶれでやっているシカゴの5人組インスト・バンドのトータス(2001年11月7日、2005年1月7日、2011年11月21日、2014年5月7日)を見る。

 ドラム2台。ヴァイブラフォン。パッドの鍵盤打楽器。鍵盤数の少ないシンセサイザー3台。ギター2つ。ベース2つ。そうした楽器群の間をメンバーたちは悠々と行き来する。ダグラス・マッカムはエレクトリック・ベースとギターだけを弾いたが、他の面々は本当にいろいろと演奏楽器を代える。ツイン・ベースになることもあるし、ツイン・ドラムもあるし、キーボード主体の時もあるし、またドラムだって曲によって3人が自在に代わって叩くなど、その取り合わせは相当なヴァリエーション数だったに違いない。今回は、特に持ち替えが多かったのではないか、こりゃ接していて、興味深くてしょうがない。そして、なんかトータス一座の音楽工房に招き入れられている気分にもなる。今回、鍵盤打楽器系楽器が使われる頻度は低くなっていたが、とにかく面白い。メンバーは躊躇することなく、楽器間を移動していたので、演目はきっちり決まっていた(セット・リストの紙片も置かれていなかったような)と推測される。

 今回は7年ぶりに出した『ザ・カタストロフィスト』(スリル・ジョッキー、2016年)を携えてのもの。やはりムードや含みといったある種の得難い回路があり。それをして、世ではポスト・ロックとか音響系とか言うわけだが(そういえば、1曲目だけ、やたらダビィな響きがつけられていた)、なんと呼ばれようが、このシカゴのインスト5人組はいまだ刮目すべき存在価値あると頷いた。

▶過去の、トータス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140507

 その後は、南青山・ブルーノート東京で、大大大好きなLAのラテン要素もありのファンク・バンド(2009年8月9日 )を見る。兎にも角にも、曲にも(わりと呪術的に盛り上げていくナンバーが多く、それゆえ1970年代上半期のライヴでの曲はそれぞれに長尺だった)、演奏にも、歌にも(わりと皆んなで歌っていたという印象を持つ)独自の重さや強さと広がりがあり。彼らは一時はまさしくアメリカを代表するファンク・バンドであったわけだが、本当にそれは当然であったと思う。▶︎「シスコ・キッド」→ロス・ロンリー・ボーイズ(2004年9月17日、2012年2月7日)やルーベン・ウィルソン、▶︎「スリッピン・イントゥ・ダークネス」→マーカス・ミラー(1999年11月12日、2001年6月14日、2003年8月19日、2005年8月21日、2007年12月13日、2009年9月15日、2010年9月3日、2013年9月3日、2015年2月21日、2016年9月17日、2017年1月7日)やトミー・ゲレロ(2005年6月2日)やラムゼイ・ルイス(2008年7月2日、2009年8月29日、2010年9月28日、2011年8月22日、2013年2月21日)やブラック・ウフルー、▶︎「スピル・ザ・ワイン」→ザ・アイズレー・ブラザース(2001月12月6日、2004年3月1日)、▶︎「ワールド・イズ・ア・ゲットー」→ソニー・スティットやウィル・ダウニングやキャンディス・スプリングス(2016年5月25日、2016年9月8日 )、▶︎「ロウ・ライダー」→コーンやグスタボ・サンタオラヤやチーチ&ジョン、▶︎「ギャラクシー」→カール・クレイグのインナーゾーン・オーケストラ、▶︎「ゲット・ダウン」→ジュニア・ウェルズ、▶︎エリック・バードンとやっていた時の「ワンダリング・スター」→クオンティックやポーティスヘッド、▶︎「スマイル・ハッピー」→MFSBといったように、その個性ある楽曲はカヴァーも多数。そこにサンプリング使用の数も加えたら、べらぼうなものになるだろう。

完全にリーダーシップをとるロニー・ジョーダン(2007年11月6日。歌と鍵盤)のみ、オリジナル・メンバー。だが、キーボード、サックス/フルート、ハーモニカ、ギター、ベース、ドラム、パーカッションという編成は昔と同じだ。うち、打楽器とドラムはメキシコ出身と紹介された。

 前回のサマソニの海岸ステージで見たときのような怒感激はなかったが(あれは野外やフェスという感興もプラスしたのか)、もう浮きうき身体を揺らす。口悪く言えば普通のファンク・バンドになってしまっているところもなくはないウォーだが(それぐらい、『ウォー・ライヴ』はすごい)、それでも黄金の回路は残り、存分にぼくのファンク心をくすぐる。それから、うれしかったにのは、客の反応。曲のイントロだけで歓声が湧いたり、「シスコ・キッド」を皆んなで歌ったりという場面もあった。また、呼ばれるといいが。しかし、本当に怪物メンバーが揃っていたウォーであったが、他の人は今何をやっているのか? ウォー曲はメンバーの共作クレジットがなされていたので、それなりに印税入金はあると思われる。

▶︎過去の、ロニー・ジョーダン
http://43142.diarynote.jp/200711101235120000/
▶︎過去の、ウォー
http://43142.diarynote.jp/?day=20090809
▶︎過去の、ロス・ロンリー・ボーイズ
http://43142.diarynote.jp/200410071540230000/
http://43142.diarynote.jp/201202091205415743/
▶︎過去のマーカス・ミラー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm 
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200712161023010000/
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201502231815384234/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
▶︎過去の、トミー・ゲレロ
http://43142.diarynote.jp/200506021851060000/
▶︎過去の、ラムゼイ・ルイス
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http://43142.diarynote.jp/?day=20090829
http://43142.diarynote.jp/201009290720426339/
http://43142.diarynote.jp/201109100857091783/
http://43142.diarynote.jp/201302281043262653/
▶︎過去の、ザ・アイズリー・ブラザース
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200403011119270000/
▶︎過去の、キャンディス・スプリングス
http://43142.diarynote.jp/201605260923093422/
http://43142.diarynote.jp/201609201655127640/

<昨日の、ジェフ・パーカー>
 ドープ(dope)という言葉があるが、生理的にその言葉がもろに当てはまるアルバムがジェフ・パーカー(1999年6月6日、2000年10月15日、2001年11月7日、2004年1月20日、2005年1月7日、2011年11月21日、2014年5月7日、2017年5月13日)の2016年作『ザ・ニュー・ブリード』(International Anthem)である。いやあ、これはすごすぎ。昨年のNo.1ジャズ・アルバムと言うにやぶさかでない。クールな破綻をヒップホップ時代のジャズ感性を介して描いたそれは、何度聞いても気持ち良くてしょうがない。とともに、外見はただのおっさんのパーカーがこんなに素敵にイカれたことをやっている様には、感動の嵐が頭のなかを吹き荒れる。
 とうわけで、スコット・アメンドラ実演客演とメンバーであるトータス公演と日本でのギグが続くパーカーさんに、その空き日にインタヴューする。トータスとしての彼にはだいぶ前に他のメンバーと一緒に取材をしたことがあったが、ヒップホップも好きで10年ほど前から自らのトラック作り込みで、この手の表現を模索していたとは知らなかった。そんな彼は長年住んだシカゴを離れLAに居住しているが、それは映画の先生をしていてLAとシカゴを往復していた妻のため。15歳の娘(『ザ・ニュー・ブリード』に歌で一部参加。オペラを学ぶが、フランク・オーシャン好きだそう)はシカゴにそのまま住み、5歳の息子はLAで学校教育を受けさせるという。アルバムに参加しているミュージシャンは全て在LAの人たち。T・ボーン・バーネットお気に入りドラマーのジェイ・ベルローズ(2009年12月13日、2010年12月12日)らは当然のこと、ジャマイア・ウィリアムズ(2009年5月18日、2012年3月3日、2013年4月1日、2013年6月4日、2014年8月7日、2015年1月22日)も現在はLA在住なのだとか。なるほど、ウィリアムズの最新ソロがカルロス・ニーニョ(2004年11月27日)の制作であったのも、それだと納得だ。パーカーはLA在住のピーター・アースキンの新作『Dr.Um』(ドラムをもじった表記ですね)にも参加している。あのクレジットにあなたの名前を見たときびっくりしましたと伝えると、声がかかったときには僕も驚いた、そう。そして、なんとめでたいことに、『ザ・ニュー・ブリード』をフォロウするパーカーのリーダー公演が決定した。8月のお盆に3日間、丸の内・コットンクラブで公演が持たれる。楽しみでしょうがない。複数回、見たいな。
 ちなみに、そのアルバム名は昨年なくなった彼のお父さんがコネティカット州で開いていた洋服店の屋号。ジャケット写真は、唯一残っているお店の前で取られたお父さんの写真であるという。どうしてあんな飛躍作ができたか、ぼくは不思議でならなかったが、彼と質疑応答の際に彼がマイルス・デイヴスのことに言及したこともあり、『ザ・ニュー・ブリード』は<パーカーにおける、『イン・ア・サイレント・ウェイ』>なのだと、はたと了解。その見解には、パーカーも大満足であった。
▶過去の、ジェフ・パーカー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm シカゴ・アンダーグラウンド・デュオ、サム・プレコップ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド、アイソトープ217
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm トータス
http://43142.diarynote.jp/?day=20040120 ロブ・マズレク、ジェフ・パーカー・トリオ、ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド・カルテット
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/ トータス
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/ トータス
http://43142.diarynote.jp/201405081408031505/ トータス
http://43142.diarynote.jp/201705140938439184/ スコット・アメンデラ
▶︎過去の、ジョイ・ベルローズ
http://43142.diarynote.jp/201001051622194305/
http://43142.diarynote.jp/201012131714372906/
▶過去の、ジャマイア・ウィリアムズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130401
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120303
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201501230914317086/
▶︎過去の、カルロス・ニーニョ/ビルド・アン・アーク
http://43142.diarynote.jp/200411292358490000/
 アメンドラ(2015年2月18日、2015年6月2日)さん、すごいなー。信頼受けているんだなー。この同行者の顔ぶれは、すごい。前回チャーリー・ハンターとのデュオ公演の項で彼はネルス・クライン(2010年1月9日、2010年4月23日、2013年4月13日、2014年8月14日、2015年6月2日)とジェフ・パーカー(1999年6月6日、2000年10月15日、2001年11月7日、2004年1月20日、2005年1月7日、2011年11月21日、2014年5月7日)と親しいと記したら、なんとその二人のギタリストを擁する編成で来日した。イエイッ。ショウはその3人に、NYボーダーレス音楽界のアイドル的(? でも、彼女のリーダー作の参加者はなかなかだ)ヴァイオリン奏者のジェニー・シェイマンとダブル・ベース奏者のクリス・ライトキャップ(2008年7月19日)が入ったクインテットでショウは持たれる。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。

 面々がステージに登場し音が出ると、お。あれれ、こんなふうに来るかという感じ。結構、自由にインプロ追求で行くのかと思ったら(1曲はそういう感じのものもあった)、結構曲をやっていた。それ、アマンドラが書いたものらしいが、みんな譜面を前に置いていた。とくに前半は、アマンドラが繰り出すビートの上で3人のメロディ奏者が規定された旋律を自分なりに重ねていくという感じがあった。その聞き味に米国式わびさびサウンドという感想も、ぼくは持った。

 クラインはときに音色を作る。座って演奏していた、パーカーは彼よりはジャズ寄りの演奏。途中にセロニアス・モンクの「ブルー・モンク」のフレイズみたいなのから始まる曲があり、そのときからで音量がデカくなったような。すると、奏者たちの何気ないメロディを追う行為が多大なニュアンスを帯びたと感じられた。

 曲者から軽い方の録音参加までいろんな仕事をしているジェニー・シェイマンはヴァイオリンというよりは、フィドルと書いた方がまだ合うような、わずかな濁りとあっけらかんさ(それは、あまり凝らないという意味も持つ)を持つ音を出す。あとで彼女のホームページを見たら、ヴァイリンではなくフィドル奏者と自ら記していた。彼女、大学は英文学専攻だったのか。実のところ、おそらく初めて見るだろうシェイマンには期待するところがあったが、少し肩透かし。だって、e-1やソニーなどからの彼女の一連のリーダー作はアメリカーナが入ったシンガー・ソングライター盤であり、どこかでそういう側面を出す(=歌う)場面があるのではないかと期待してしまったから……。

▶︎過去の、スコット・アメンドラ
http://43142.diarynote.jp/201502230940316504/
http://43142.diarynote.jp/201506070750376864/
▶過去の、ネルス・クライン
http://43142.diarynote.jp/?day=20100109 田村/藤井ファースト・ミーティング
http://43142.diarynote.jp/201004250658039897/ ウィルコ
http://43142.diarynote.jp/201304150854159566/ ウィルコ
http://43142.diarynote.jp/201408161131356136/ チボ・マット
http://43142.diarynote.jp/201506070750376864/ ネルス・クライン・シンガーズ
▶過去の、ジェフ・パーカー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm シカゴ・アンダーグラウンド・デュオ、サム・プレコップ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド、アイソトープ217
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm トータス
http://43142.diarynote.jp/?day=20040120 ロブ・マズレク、ジェフ・パーカー・トリオ、ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド・カルテット
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/ トータス
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/ トータス
http://43142.diarynote.jp/201405081408031505/ トータス
▶︎過去の、クリス・ライトキャップ
http://43142.diarynote.jp/?day=20080719

<今日の、ドラム>
 アメンドラは嬉しそうに叩いていた。メンバーを紹介し、これが僕のバンドと、誇らしげ。気持ちは分かる。彼は、米国のクラヴィオットのキットを叩く。結構昔気質な音がし、響きが深い。先月来日していたマーカス・ギルモア(2007年11月21日、2010年7月24日、2010年8月22日、2014年5月15日、2014年6月19日、2014年6月20日、2015年4月7日、2016年9月16日、2017年4月18日)もクラヴィオットを叩いていた。
▶過去の、マーカス・ギルモア
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201007261045442770/
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
http://43142.diarynote.jp/201405171309186867/
http://43142.diarynote.jp/201406201008164250/
http://43142.diarynote.jp/201406210910441716/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
http://43142.diarynote.jp/201609201820427313/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170418

告知です。
5月20日(土)15時半から、
四谷いーぐる (http://www.jazz-eagle.com/information.html)で、
高地明さん(ブルース・インターアクションズ/ P-ヴァイン、コファウンダー。元ブラック・ミュージック・リヴュー編集長)の渾身のコーネル・デュプリー談議の相手役を務めます。こんな曲あったのオというレア曲アナログを良質なオーディオ・セットのもと、かけ倒します。
参加費は1000円で、他に飲食代がかかります。予約の必要はありません。




<特集:コーネル・デュプリー>
 どうだ、愛情たっぷり声援の歌伴、そして一発勝負の果敢にソリッドでガッツあるギターを求めれば、こーなるデュプリー!だ。ヤワな日本御用達フュージョンは全面排除! 


かける曲は以下のとおり。前半はすべてヴォーカル作品です。

□オープニング
●Eddie Cleanhead Vinson : Straight No Chaser 4:25

◇歌伴で味わうメロウ・グルーヴ
●Joe Bataan : Chico And The Man (Main Theme)3:40
●Brook Benton : Rainy Night Georgia 3:29
●Family Circle : I Hope You Really Love Me 2:27
●Margie Joseph : Let’s Stay Together 3:26
●The Reflections : How Could We Let The Love Get Away 4:15
●Aretha Franklin : First Snow In Kokomo 4:04

◇原点はTボーン・ウォーカーのブルース・ギター
●Louis Howard : You’re Too Much (Impact I-4074) 2:45 (1963年テキサス州ダラス録音最初期ブルース・シングル作品)
●Bama : Welfare Slave 5:39
●Esther Phillips : I’m Getting ’Long Alright 5:56

◇アンクル・ファンキーが愛でた女三人
●Ellerine : Human Feeling 3:17 up/funky
●Esther Marrow : Woman In the Window 3:14
●Camille Yarbrough : Take Yo’ Praise 4:11
                                                                                                                     
◇コーネルだけのカッティングの妙技
●J.C. White Singers : Take Chance 4:09
●Leon Thomas : L-O-V-E 2:51
●Dakota Staton : Blues For Tasty 4:08

◇これもコーネルの原点、テナー・サックス六番勝負! 
●Seldon Powell : Afro Jazz 5:30
●Charles Williams : Boogar Bear 4:48
●Hank Crawford : You’re The One 4:20
●Charlie Brown : (Funky) Sunny 5:41
●The Kingpins : In The Pocket 2:32
●Eddie Harris : Why Don’t You Quitシングル2:53(LPでは6:36)

◇ワウワウ・ギター名人でもあったコーネル
●Pucho & The Latin Soul Bros. : Don’t Mind The Tears 3:30
●Johnny Pate : That’s Ain’t Too Cool 3:45
●Gene Harris of The Three Sounds : Listen Here 5:25

◇口直しのメロウ・ジャズ・グルーヴを
●Larry Ridley : Never Can Say Goodbye 7:47

□締め 私が一番好きなコーネルはこれ。
●Donny Hathaway : We’re Still Friends single version4:45


 え〜、この人が来ていたの? そんな声も上がりそうな公演を二つ見る。奇しくも、二人ともブラジルとの関連がある。ともに、今日1日限りの公演だった。

 最初は、六本木・ビルボードライブ東京で、べネズエラ育ちである米国人シンガー・ソングライターのデヴェンドラ・バンハート(2010年2月4日、2011年8月4日)の公演を見る。

 まず、同行バンド・メンバーであるブラジル人シンガー・ソングライター/クリエイターのホドリゴ・アマランチが一人ふらりと出てきて、3曲エレクトリック・ギターを爪弾きながら歌う。元ブラジルの人気バンド、ロス・エルマーノスの一員。マリーザ・モンチ他への楽曲提供/客演で知られる彼はポル語と英語曲の双方を歌う。LAに住むようになって10年ほどたつが、ポル語の場合はボサっぽい寛ぎ感が前に出て、英語の場合はどこかオルタナ・フォーク的な虚無感が出たか。髪と髭には白いものが目立ち知っている写真と比するに結構老けたかなと思わすのだが、それに見合う豊かな人間性がすうっと浮かび上がりもする、退きの美学が横溢するパフォーマンスと言えたはず。彼、うれしそうに日本語によるMCもかます。

 そして、彼の呼び込みで、他のメンバーたちがステージに上がり、バンハート・バンドの実演が始まる。歌/ギターの本人(痩せているなあ)、ギター、ベース、ドラム、そしてキーボードやギターのアマランチという陣容。ギター陣は皆エレクトリック・ギターを手にするが、それでもフォークというしかない質感を持つのは、ポイント。以前より、音楽的な幅は減っていると思えなくもないのだが、そうでありながら美味しい含みや余韻がすうっと広がる手触りはこの人の美点。“負け犬”的脱力感たっぷりのパフォーマンスなんだけど、それでも自分のことは示せるし、人の心も動かせる。なんか、いろんな軋轢がでがちな現況において、一つの好ましいあり方を暖簾に腕押し的な実演を介して彼らは提案していたかもしれぬ。そして、それには、南米経験/属性もまたプラスに働いているというのは、うがった味方だろうか?

 皆んなヘタうま調コーラスをときにとり、それはとても良い。アマランチもまったくのバンドの一員として振る舞うが、結構一緒にツアーしているみたいだし、お互いのアルバムにも客演しあっているし、それも当然か。カンニング・ペーパーを見て日本語MCもしたバンハートは、途中で日本語歌詞を入れる曲も歌った。かつて、発表していたっけ? 実は彼、かなりな日本のロック/ポップ・ファン。金延幸子(1999年5月31日)は彼にとって一番の存在なようだが、彼女はシスコ在住なはずで何か絡めばいいのに。バンハートも単独弾き語りを、2曲披露した。

▶︎過去の、デヴェンドラ・バンハート
http://43142.diarynote.jp/201002072245512219/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
▶︎過去の、金延幸子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live2.htm

 そして、2番目は丸の内・コットンクラブで、大御所ドラマーの︎ピーター・アースキン(2012年6月21日、2013年6月26日、2014年12月14日、2016年3月9日)のリーダー・バンドを見る。こちらの、“え〜、あの人”はアルメニア出身の在LAピアニストのヴァルダン・オブセピアン。2000年代に入る頃からフレッシュ・サウンド他から、自作曲とともにソロからチェンバーぽいのまで、美意識と異彩を放つピアノ表現をじっくりと問い続けてきている、間違いなく個性を持つ人物。どういう経過は知らぬが、彼はブラジルの今様ボーダーレス自在感覚を持つ女性シンガーのタチアナ・バーハと連名になるデュオ作『Lighthouse』も2014年に出していて、ブラジル音楽ファンからも知られますね。

 そのオブセピアンと6弦エレクトリック・ベースを弾くダミアン・アースキン(ピーターの血族?)と一緒にピーター・アースキンはピアノ・トリオを組んでいて2枚のアルバムを2010年代以降にリリース。そして、今回はその単位にアースキンの友達のアーロン・サファティーがパーカッションで加わる。叩かない曲もあるなど、彼がいてもいなくてもどっちでも良かったと思われるが、ドラムや打楽器をやっている人には興味深い設定ではあったか。

 その2016年作『In Praise of Shadows』のオープナーだった「上を向いて歩こう」もやるなど、基本はそのザ・ニュー・トリオの行き方に沿う。オブセピアンはアコースティック・ピアノに専念しブリリアントな音珠を放つかたわら、ベース音はエレクトリックのそれ。その土台にはシャキッとした感覚と質量感を併せ持つアースキンの達者なドラミングがあるわけで、それぞれの傾向が一般的な感覚においては少しづつズレている感じもするのだが、そうしたこと込みでアースキンは手垢にまみれないピアノ・トリオを表現を求めるようとしているのか。

 しかし、ぽっこり体系、白髪でハゲていて、目は疲れたようにとろーんとしていて力がないなど、アースキンの外見は70歳すぎ(実は1954年生まれだから、60代前半だ)に見えるが、すべてレギュラー・グリップによる彼の演奏はさすがに耳を引く。やはり、うまい。音も綺麗だよなあ。一方、横顔はサッカー選手/監督のジダンみたいなオブセピアンはビートのはっきりした曲においてはかなり粒立ちの良いポップネスを放つ指さばきを披露してへええ。そういう演奏もするとは知らなかった。アルバムではモンク流れのようなダークにしていかにもジャズなほつれを出す場合もあったが、この晩は一切その側面は見せず。ただし、かなりクラシック素養を出すところは散見され、そのあっけらかんとした佇まいになぜかぼくはアルゼンチンのアカ・セカ・トリオ(2016年8月31日)のピアニストのことを思い出したりした。とかなんとか、重なる出自を持つティグラン・ハマシアン(2015年10月12日)も彼に一目置くというのは、皮膚感覚で納得した。

▶過去の、ピーター・アースキン
http://43142.diarynote.jp/201207031311348277/
http://43142.diarynote.jp/201306271617516710/
http://43142.diarynote.jp/201412281017371613/
http://43142.diarynote.jp/201603111218495183/
▶︎過去の、アカ・セカ・トリオ
http://43142.diarynote.jp/201609201856257822/
▶過去の、ティグラン・ハマシアン
http://43142.diarynote.jp/201409291402101328/

<今日の、続き情報>
 そんなオブセピアンをミスして残念と思った人も一安心? 5月下旬から、先に触れたタチアナ・バーハとデュオで、二人は4都市を回る日本ツアーをする。http://www.nrt.jp/blog/2017/03/tatiana_parravardan_ovsepian_j_1.html

 昨日見てなるほどと頷くとともに、まだ見せてない部分もありそうとも感じ、予定を変更し、またこのシカゴ・ネイティヴ(2017 年5月7日)の実演を見る。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。そしたら、やっていることはそんなに違わなかった。初々しくはしゃいでいる様も同様。だが、弾き語りはせず、すべてバンドで今日は行った。演奏時間は、昨日より少し長かった。

 昨日は横後方から見ていて、ステージ端に立ちかなり横(中央)を向いて演奏していたライリーの手元は見えなかったのだが、この日はしっかり見る。なるほど、サム・ピックをはめて弾いているのね。そんなにエフェクター使っている感じはないのだが、アコースティック・ギターを使う際も音色もコントロールされていた。しゃがんだときがあったのは、フィードバック音を出していたのか。

 わりと正面で見て、このリズム・セクションはめっぽうすごいと再認識。きっちりジャズの魔法を知りつつ、音楽に乗って個をエモーショナルに解き放っているもの。そしたら、共にその道では有名人。ウッド・ベースをブンブン弾くインゲブリクト・ホーケル・フラーテンはノルウェーの現代ジャズの代表バンドであるアトミック(2005年4月12日、2008年12月7日)やザ・シングの辣腕メンバーだし(ジャガ・ジャジストの構成員としても来たことがあるかも。もちろん、リーダー作もいろいろ出している)、いろんな叩き方を基本レギュラー・グリップで繰り出すドラムのフランク・ロザリーもアリゾナ州生まれながらシガゴをベースに現代ジャズ表現に関わっている御仁で、彼も趣向を凝らしたリーダー作は多数。いやはや、二人の素性を再確認すると、コドモみたいに天真爛漫に振る舞うウォーカーのあまりにうれしい変テコさも認識できる。

 もう一人のギタリストであるブライアン・J・サルピジオはずっとウォーカー作品に参加し、自らもヘルス&ビューティという妙な聞きどころ満載の3人組ロック・バンドをやっていて、フランク・ロザリーはそのメンバーでもある。また、電気ピアノ中心に効果音的シンセサイザー音も出し、ソロは一切取らないクーパー・クレインは、やはりウォーカーの側近奏者でケイヴという音響ポスト・ロック・バンドをやっていた。

 とかなんとか、ロックやジャズが敷居を低く美味しく重なる場合もあるシカゴの妙を直裁に伝える出し物であったのは疑いがない。そういえば、ライリーの新作『Golden Sings That Have Beeen Sung』(Dead Oceans)ではシカゴ最大のロック・バンドであるウィルコ((2003年2月9日、2004年9月19日、2010年4月23日、2013年4月13日)にいたリロイ・バックをプロデューサーに据えていた。ウィルコが今の陣容にネルス・クライン(2010年1月9日、2010年4月23日、2013年4月13日、2014年8月14日、2015年6月2日)とかグレン・コッチェ(2010年4月15日、2010年4月23日2013年4月13日)といった即興畑の奏者を起用している事実も鑑みると、いろいろドキドキできますね。

 思慮深いシンガー・ソングライター表現という感じもあるアルバムと比べると、かなりインスト部重視のライヴ・パフォーマンスはウォーカーなりの”サイケ”の追及でもあるように思えた……。

▶︎過去の、ライリー・ウォーカー
http://43142.diarynote.jp/201705081232023349/
▶過去の、アトミック
http://43142.diarynote.jp/200504151005000000/
http://43142.diarynote.jp/200812150312308154/
▶過去の、ウィルコ
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2003-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
http://43142.diarynote.jp/201004250658039897/
http://43142.diarynote.jp/201304150854159566/
▶過去の、ネルス・クライン
http://43142.diarynote.jp/?day=20100109
http://43142.diarynote.jp/201004250658039897/
http://43142.diarynote.jp/201304150854159566/
http://43142.diarynote.jp/201408161131356136/
http://43142.diarynote.jp/201506070750376864/
▶過去の、グレン・コッチェ
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201004250658039897/
http://43142.diarynote.jp/201304150854159566/

<今日の、想像>
 昨日、めでたい理由で千葉に引っ越した知り合いから、千葉の土産をいただいちゃう。ありがとうございます。落花生型の箱にピーナッツ最中とピーナッツ饅頭というもの(はやり、落花生の形をしている)がいろいろ入っている。へえ。おぼろげに落花生は千葉県の特産品と聞いたことがあるような気もするが、なるほどピーナッツがあんのほうに入っている。南京豆とも日本で言うピーナッツという単語、ぼくはなぜかスイカと同様に、黒人ぽい単語という発想を得るかもしれぬ。それは、故ソニー・シャーロック(1940〜94年)の「ピーナッツ」という曲をすぐに思い出すからか。また、「ソルト・ピーナッツ」というおどけた名曲(ディジー・ガレスピー/ケニー・クラーク作曲。ぼくはザ・ポインター・シスターズのヴァージョンが一番好き)を思い出すからか。シャーロックの代表作の一つである『ブラック・ウーマン』(アトランティック、1969年)に入っていた同曲を聞きながら、彼だったら今日のウォーカーのライヴに無理なく加われ、曲をあっち側に持って行ったろうなと夢想した。

 四谷三丁目・茶会記、マチネー公演。マリンバの山田あずさ(2013年5月19日、2014年6月13日、2014年6月15日、2014年10月19日、2014年11月21日、2015年4月17日、2015年5月2日、2015年5月6日、2015年5月22日、2015年5月28日、2015年6月15日、2015年9月13日、2015年11月11日、2016年5月22日、2016年6月13日、2016年9月7日、2017年1月17日、2017年4月27日)とコントラバスのパール・アレキサンダー(2014年10月11日、2015年5月6日、2016年5月22日、2016年7月26日)のデュオのパフォーマンスを見る

 この組み合わせは、2015年と2016年のやはり5月に同所で持たれていて、今年が3回目となる。その即興演奏の様はオノセイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日、2014年10月8日、2014年10月11日、2015年4月17日、2015年9月13日、2015年9月24日、2015年10月9日、2016年3月14日、2016年5月22日、2016年7月26日)によって録音され、一昨年版(2015年5月6日)と昨年版(2016年5月22日)はすでにハイレゾ配信がされている。そして、この日のパフォーマンスも同様にオノの手により配信されるはずだ。

 ファースト・セットは完全即興にて。とはいえ、過去2回の経験を踏み台にしているのは明らかで、とても有機的に重なり、緩急に富んだストーリーを形作る。基本はアレキサンダーが骨子となるものを出し(やはり、弾き方が痒いところに手が届くように多彩)、それに山田が4本のマレット裁きのもと反応し、さらなる展開を引き出すという基本の道筋を持っていたか。どのくらい事前の意図の確認はあったのかとか、いろいろ興味はひかれる。セカンド・セットはともにロードマップとなる曲を出し合い、2曲演奏する。それについては当日1時間ほどのお手合わせがなされたようだが、瑞々しい変化が横たわっていたのはファースト同様だ。

 そして、それら総体は、二人の邪悪な(?)部分も露にするものになっていて、おおコイツら面白いやんと、改めて思わせる。ウヒヒヒ。これまでで、一番孕む情報量や価値が多い演奏だったと思う。配信が楽しみだが、それを聞くとまた新たな思いを得るだろう。唯一残念だったのは、アレキサンダーが漂うヴォイスを入れなかったこと。喉の調子が悪かったので、自重したらしい。

▶過去の、山田あずさ
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/ 渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/ WUJA BIN BIN
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/ 蝉丸
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/ ダモ鈴木
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/  Down’s Workshop
http://43142.diarynote.jp/201411221353274586/ アトラス
http://43142.diarynote.jp/201504181000432127/ nouon
http://43142.diarynote.jp/201505071132034325/ w.パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/201505240923518276/ MoMo
http://43142.diarynote.jp/201505310957076398/ タクシー・サウダージ
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/ 渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/201509231111454665/ ヒュー・ロイド
http://43142.diarynote.jp/201510141817129055/ nouon
http://43142.diarynote.jp/201511120722274234/ タクシー・サウダージ
http://43142.diarynote.jp/201603151140427186/ nouon
http://43142.diarynote.jp/201605240833401202/ w.パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/?day=20160613 QUOLOFUNE
http://43142.diarynote.jp/201609201648546159/ WUJA BIN BIN
http://43142.diarynote.jp/?day=20170117 TNT
http://43142.diarynote.jp/201704280745098662/ BLOW UP
▶過去の、パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201505071132034325/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160522
http://43142.diarynote.jp/201608020801362894/
▶過去の、オノセイゲン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201206110945571082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
http://43142.diarynote.jp/201404251643448230/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140728
http://43142.diarynote.jp/201409261635077130/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201509250943244179/
http://43142.diarynote.jp/201603151140427186/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160522
http://43142.diarynote.jp/201608020801362894/
▶︎過去の2年分の二人の演奏の配信
http://www.e-onkyo.com/music/album/sdsd1036/
http://www.e-onkyo.com/music/album/sdsd1038/

 その後、丸の内・コットンクラブに向かい、通受け話題の米国人シンガー・ソングライター/ギタリストの初来日公演を見る。ファースト・ショウ。セミアコ型の電気ギターを持つサイド・ギター(あまり、効いていなかったな)、フェンダー・ローズを主に弾くキーボード、ダブル・ベース、ドラムというバンドを伴ってのもの。ウォーカーは1989年生まれだが、他の奏者は少し年長か。そして、リズム・セクションの二人がかなりジャズの素養を持つ演奏をしていて驚く。

 1曲目は風のまとい方がパット・メセニー1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日、2015年9月27日)的というか、ジョニ・ミッチェルの曲を思い出させる。そして、そうかと納得。ミッチェルこそ、ジャズの感性をおおいに通ったシンガー・ソングライター表現を聞かせた第一人者であったから。ミッチェルを想起させる曲はそれだけだったが、ジャズの生理に対する憧れを抱えた瑞々しい手作りポップ側表現として、ライリー・ウォーカーの表現を推すというのはアリかと思う。他の2曲ほど(?)には、ぼくはグレイトフル・デット的な味を感じた。また、アンコールでは弾き語りで、何ら落差を感じさせる事なく、ジャジー・フォークの先達であったティム・ハーディンの曲を披露もした。

 ウォーカーの歌はなかなか太く、潤いにも満ちる。それは、20代の味とは思えないという感想を導くか。だが、一方で、彼はかなり演奏部を披露する方向に出たのだが、それは単純なシークエンスを素材にドローンぽく皆で盛り上げていくという箇所も多かった。ぼくとしてはもう少し歌唱やコード進行に変化を持つ表現を聞きたいという気持ちも持ったが、今日日とっても奇特な行き方を見せては間違いなく、注目をしていきたい。あ、そうしたインスト部分は、ガボール・サボのラーガ・ジャズを思い出させる? また、彼を擁した大昔のチャールズ・ロイド(2005年5月11日、2008年4月6日、2013年1月6日、2017年1月12日、2017年1月13日)みたいと思わせる部分もあったか。また、ライリーはシカゴを拠点に置く人だが、かつてのジム・オルーク(2000年3月25日、2001年2月21日、2006年4月18日、2006年10月22日、2007年4月20日、2008年8月24日、2010年4月15日、2010年11月17日、2011年1月8日、2013年4月21日、2013年5月24日、2014年10月11日、2015年4月9日、2017年2月5日)その他のシカゴ音響派の流れに彼を置きたくなる部分もあるか。

 ウォーカーはエレクトリック・ギターとフォーク・ギターの両方を使用。いろいろ思慮に富む表現を聞かせるわりには、「日本にこれてうれしい〜、最高〜」てな心持ちをストレート極まりなく出していた。だったら、もう少し長めにやってくれたら良かったのだが。ほんと、1時間ちょいだったもの……。

▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
▶︎過去の、チャールス・ロイド
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/200804081928430000/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
http://43142.diarynote.jp/201701131141476377/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170113
▶過去の、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200604210538510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061022
http://43142.diarynote.jp/?day=20070420
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824
http://43142.diarynote.jp/?day=20090531
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201011181757468769/
http://43142.diarynote.jp/201101111201402329/
http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
http://43142.diarynote.jp/201504131107563912/
http://43142.diarynote.jp/201702081154435197/

<今日の、ごめんなさい>
 会社員にとってはかなり並びが恵まれていただろうゴールデン・ウィーク最後の日、今日も天気が日暮れまでは良かった。GW前まで、有難いことなんだろうがずうっと多忙で、受けた原稿を書くことで精一杯。原稿はすべて締め切り内に出している(そんなのプロとして当然じゃ)が、細いメール連絡とかをすっ飛ばしちゃっていることをふと反省。唐突に送っていただいたCDに対するお礼&反応メールとかも不義理している。返信を忘れているメールがないことを祈る。オレ珍しく不義理してるという思いは頭のなかにずっとあって、え〜ん。なんとか、今週いっぱいでそういう部分を立て直ししたい。
 輝きを放ち心意気もたっぷり持つ米国人女性シンガーの公演を、六本木・ビルボードライブ東京→南青山・ブルーノート東京と、二つ続けて見る。この並び、なかなか。東京のライヴ音楽興行は充実していると思わざるをえない。とともに、音楽享受欲があるうちは、まだまだぼくは首都に住むしかないのだと、再確認。昨日まで娯楽でちょい別の都市の良さを味わったりもしたのだが、ぼくには東京の環境が必要だ。

 通常、ブルーノート/コットンクラブやビルボードライブのショウはアンコールを含めて75分ほどがデフォとなっているように思えるが、両者とも100分ほどショウを繰り広げた。いや、ヒルは110分ぐらいやった。インストものの公演だと90分を超えることもあるが、歌もの公演でこの尺をやるのは珍しい。ま、モーゼスの母のディー・ディー・ブリッジウォーターはいっつも平然とやっちゃうけどね。

 最初は、マイケル・ジャクソンとプリンス(2002年11月19日)という1958年生まれの故人たちと関係を持ったことで知られる女性シンガーを見る。映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」でMJとデュエットするシーンがあったように、彼女はあの幻のロンドン帯公演に起用されていた。また、その後はプリンスに気に入られ、彼のレーベルNPGから全てオリジナルで固めたリーダー作『Back in Time』(2015年)を発表。それ、御大渾身のプロデュース盤だった。ま、そうした偉人たちとの絡み以前にも、彼女はロッド・スチュアート(2009年3月11日)、グレッグ・オールマン、インキュバス(2004年3月3日)、元ユーリズミックスのデイヴ・スチュアート、スティーヴ・タイレル(2008年6月1日)、ジョージ・ベンソン(2016年9月17日)ら、様々な人たちのレコーディングに参加している業界で認知を受けていたセッション・シンガーであったわけだが。

 父親であるベーシストのロバート・"ピーウィー"・ヒルと母親である東京生まれのキーボード奏者のミチコ・ヒル(2008年11月10日)を擁するバンドでのパフォーマンス。さすが、両親がミュージシャンだと横のつながりで、他のメンバーも充実。ドラムのマイケル・ホワイトはリーダー作も持つ著名セッション・マンだし(彼のみ、譜面を前に演奏)、ギターは当初ルーファスのトニー・メイデン(2008年6月5日、2008年11月10日、2010年1月20日、2011年6月22日)がリストに入っていた。ちなみに、その代役はデトロイト・ネイティヴなはずのランディ・ジェイコブズで、現在のスタジオ界の序列は彼のほうが上だろう。そのジェイコブズはメイデンと同じくピックを用いずにギターを弾いていてほほう。最後の方に持たれたソロではフラッシィなブルース調ソロも披露した。それから、マイラ・ワシントンとジェリミ・リー・ヘンリーという女性バック・グラウンド・ヴォーカリストも二人参加。また、さらに日本で雇ったろうダンサーを二人、忍者のような格好をさせてステージ左右に一人づつ立たせる(ときに踊る時もあったが、基本は動かない)という設定でショウは持たれた。

 曲間にはプリセットのインタルードを流したりと、ある種コンセプトを持ったライヴ・パフォーマンスであるのはすぐに了解。だが、それが分かりにくく、普通のショウのように素直に曲をやってくれたら、もっと場は盛り上がったかもしれない。だが、立って歌うだけでなく、曲によってはグランド・ピアノやギターを弾きながら歌う彼女にとっては、それも独自性発露のために必要とされる手段であるのは想像に難くない。特にピアノはちゃんとしていて(ストライド調で弾く場合もあり)、弾き語りを披露するには十分すぎる力量であるのをすぐに了解。お母さんの横で小さい頃から弾いたのかな。ちなみに、ミチコ・ヒルのオルガンもいい感じで、耳を引くものだった。

 ヒルが歌えるのは当然なのだが、生に接すると思った以上にゴスペル・ベースであると感じる場合もあり。でもって、本当に気持ちを込めて音楽をやっていることが端々から伝わる。そして、バッキングのバンド・サウンドもファンクネスと骨の太さを持つもので、そんな彼女をちゃんと持ち上げた。

▶︎過去の、映画「マイケル・ジャクソン THIS IS IT」
http://43142.diarynote.jp/200911010930562162/
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
▶︎過去の、ロッド・スチュアート
http://43142.diarynote.jp/200903130124118315/
▶︎過去の、インキュバス
http://43142.diarynote.jp/200403031556520000/
▶︎過去の、スティーヴ・タイレル
http://43142.diarynote.jp/200806030205120000/
▶︎過去の、ジョージ・ベンソン
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
▶︎過去の、ミチコ・ヒル
http://43142.diarynote.jp/?day=20081110
▶︎過去の、トニー・メイデン
http://43142.diarynote.jp/?day=20080605
http://43142.diarynote.jp/?day=20081110
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110622


 その後は、ディー・ディー・ブリッジウォーター(2003年8月1~2日、2007年8月24日、2008年12月4日、2009年11月27日、2014年5月3日)の娘である、チャイナ・モーゼス(2009年6月16日、2009年7月5日)の久しぶりの来日公演を見た。彼女は久しぶりの新作『夜物語(Nightintales)』(MPS)を英国ダンス畑のアンソニー・マーシャル(彼女の2004年作『Good Lovin’』に関与していたとか)のプロデュースのもと出したが、これが<ジャズ←→クラブ・ミュージック>文脈においてびっくりするぐらいの好プロダクションがなされた仕上がりで、傾聴に値する。解説担当盤なんだけど、それはよくできていると思わずにはいられない。

 実演の同行者は、ロンドン在住のミュージシャンたちか。音楽監督は『夜物語』で弦アレンジも担当していたルイージ・グラッソ(バリトン/アルト・サックス。シンセサイザー)が勤め、さらにジョー・アーモン・ジョーンズ(ピアノ)、ニール・チャールズ(ベース。電気と縦)、マリウス・アレクサ(ドラムス)という面々。アルバムにおける現代性をちゃんと出せていたわけだはないが、モーゼズのはち切れんばかりの音楽をすることの歓びやスケールの大きな人間性を出すためには十分なものあったか。接する端から、つくづく音楽って人間力〜キャラがモノをいうのだよなあと思いまくりでした。

▶︎過去の、チャイナ・モーゼス
http://43142.diarynote.jp/200906181210154217/
http://43142.diarynote.jp/200907131159274322/
▶過去の、ディー・ディーブリッジウォーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200708270316020000/
http://43142.diarynote.jp/200812150311286788/
http://43142.diarynote.jp/?day=20091127
http://43142.diarynote.jp/?month=201405

<翌日の、モーゼズ>
 チャイナ・モーゼスに取材。やっぱ、天真爛漫にして、マインドのある人で嬉しくなる。昨日の実演時は眠くてしょうがなかったそうだが、それでいながらあれだけ気の入った、攻めのショウを繰り広げるのだから、素晴らしいな。8年前に取材していたことを覚えていてくれたのは、うれしい。そんな彼女、現在は6割がパリ、4割はNYに住んでいるという。なんと、母親ディー・ディーは現在、ニューオーリンズ在住だそう。引っ越しの際、車を運転してあげたと言っていた。新作には「ニコチン」という曲もあるが、「今までダメ男といろいろ付き合ってきたけど、私の人生で一番愚かな行為はタバコを吸っていたこと」とのこと。そういう言い回しも、素敵です。
 ピーター・バラカンズ・マジックに出演して以来の、来日。その項(2015年10月25日)ではフェスの概要をまとめることを主眼としていて、彼女のパフォーマンス詳細にはあまり触れていないが、2015年に見た女性シンガーの実演のなかで、トップ級の手応えを得たという印象がぼくのなかにはしっかり残っている。そこにキューバの積み上げられてきた滋養があり、一方で今の風をしっかりと持ち、そして凛とした強さや活力があって、ぼくは浮かれた。

 そんな人だから、1年半ぶりの来日はすごく嬉しい、南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。本人にくわえ。ホルヘ・ルイス・ラガルサ・ペレス(ピアノ、キーボード)、ラファエル・アルダマ(エレクトリック・ベースとアコースティック・ベース)、ラウル・ヘレーラ・マルティネス(ドラムス)、エミール・サンタクルス(テナー・サックス)というキューバ人たちによるサポートのもと、彼女は事に当たった。

 まず、すぐに再確認したのは、かなりジャズっぽいということ。結構、スキャットもかますしなあ。それは、<キューバ←→ジャズ>という項目の好サンプルになり得る。で、他方ではサンテリア流れの色もちゃんと出したりとかキューバ色もしかとあるのだから、これはうれしくなる。そこには確かな個を芯とする、美味しい文化の溶解の様があった。まだ、20代半ばだろうMCは英語でしていた彼女、かなり小柄なんだけど、陽性で、スケールでかいよなあ。カウベル叩きながら野太い声を泳がせるあたりは、本当に惹かれました。

▶︎過去の、ダイメ・アセロナ
http://43142.diarynote.jp/?day=20151025

<今日の、ふむ>
 夕方、ライヴ会場で日頃よく会うTOKU(2000年2月25日、2001年9月6日、2004年3月10日、2006年2月16日、2008年8月19日、2011年3月16日、2012年6月19日、2013年9月22日、2014年2月5日、2015年3月19日、2015年3月28日、2016年3月1日, 2016年12月12日)にインタヴュー。その後、野暮用をこなしつつ、時間調整を兼ねて渋谷パトロール。平日とはいえゴーデン・ウィークのなかではあったが、そんなに華やいている感じを受けなかったのは、ぼくが寝不足であったためか。その一環で渋谷駅直結のブックファーストにも寄ったのだが、6月初旬に閉店という張り紙がしてあり、驚く。渋谷下車した際に、ちらり寄るには便利だったんだけどなあ。まあ、近くの東急本店にはもっとデカい書店がありじっくり本を探すゾというときはいいんだが、上の階までに登るのは面倒だし、ちょい見とかにはそこは適さない。なんと、その後にはヴィレッジヴァンガードが入るそう。あの2フロアをどう使うのか。今まで、ぼくの日常にヴィレッジヴァンガードが入ることはなかったが、今後事情は変わるか。TOKUの新作『SHAKE』(ソニー)は日頃の付き合いを持つ人とのコラボを柱に置くもので、それは彼がロイ・エアーズやカサンドラ・ウィルソンやシンディ・ローパーら様々なアーティストのライヴに呼ばれていることとも底では繋がるか。その質疑応答は、ミュージック・マガジン誌に出ます。
▶過去の、TOKU
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm ロニー・プラキシコ
http://43142.diarynote.jp/200403101442170000/
http://43142.diarynote.jp/200602171950040000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20080819
http://43142.diarynote.jp/201103171354125352/
http://43142.diarynote.jp/201206210944302024/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130922
http://43142.diarynote.jp/201503211741478728/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150328
http://43142.diarynote.jp/?day=20160301
http://43142.diarynote.jp/201612171246253699/

 ピックを使わず、様々な指弾きで演奏するという事実だけで、ぼくの中では一歩上の範疇にいる日本人ギタリスト(2004年11月30日、2010年10月12日、2011年3月28日、2011年3月31日、2011年7月25日、2013年7月1日、2014年2月5日)の、フランス語圏奏者を招いてのライヴ。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。

 現在はベルギーに住む著名アメリカ人ベーシストのレジー・ワシントン(2003年9月21日、2010年10月12日、2016年6月11日)、ピアノと電気ピアノのグレゴリー・プリヴァ(彼のお父さんは、マルチニークを代表するグループのマラヴォアでピアノを弾いたことがあるホセ・プリヴァ)、ドラムとカ(ka)と呼ぶ打楽器を叩くアーノウ・ドルメン(2010年10月12日)、やはりジャンベみたいな音が出るカを担当するオリヴィエ・ジュスト(2010年10月12日)という面々がサポート。打楽器系奏者の二人は、ともに仏カリブ海外県であるグアドゥループ出身であるという。ワシントンは、エレクトリック・ベースに専念。クラシックの素養とフレンチ・カリビアン的哀愁を交錯させるプリヴァは複数枚、日本盤が出ていますね。

 グアドゥループのグォッカというリズムを取り入れた自己表現を5年前から世に問うている小沼だが、もちろん今回のライヴはその行き方を披露するもの。やはり、ぼくの目は二人の打楽器奏者にまず向く。二人の音や叩く作業を見ていて感じるのは、生理的にのんびり演奏しているなあということ。それ、独自の風情あり。そして、ドラムとカのコンビよりも、2人ともカを叩いたときの方が誘われる。あ、これはまた別の環境にあるアクセント、音楽的所作であるとしかと思わされちゃう。一部、ビートが強めになるときは、マルチニークでフィールドワークしたものをソースにアルバムを作ったシャソル(2015年5月30日、2016年8月29日)のそれを想起させる場合もあった。

▶過去の、小沼ようすけ
http://43142.diarynote.jp/200412111738540000/
http://43142.diarynote.jp/201010191156412288/
http://43142.diarynote.jp/201104041100266528/
http://43142.diarynote.jp/201104041101072561/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110725
http://43142.diarynote.jp/?day=20130701
http://43142.diarynote.jp/201402071150071550/
▶︎過去の、レジー・ワシントン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm R.H.ファクター
http://43142.diarynote.jp/201010191156412288/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160611
▶︎過去の、アーノウ・ドルメン
http://43142.diarynote.jp/201010191156412288/
▶過去の、︎オリヴィエ・ジュスト(カ)
http://43142.diarynote.jp/201010191156412288/
▶︎過去の、シャソル
http://43142.diarynote.jp/201505310957591440/
http://43142.diarynote.jp/201609200921301045/

<今日の、その後>
 徒歩圏内のプラッサオンゼに立ち寄る。オーナーのクラウジアさんの誕生日を祝う会があって、沢田譲治(2002年3月24日、2010年4月19日、2011年7月24日、2012 年5月15日、2012年5月16日他)が仕切るライヴが持たれる。日本におけるブラジル音楽やブラジル料理普及を先導した老舗ライヴ・クラブの功績はデカい。

 高校在学中に兄のロナルド・ブルーナーJr. (2009年9月15日、2014年9月10日、2015年9月30日、2016年5月20日、2016年12月6日)を介しスーサイダル・テンデンシーでキャリアをスタートさせ、今はブレインフィーダー・レーベル所属。結構な期間、エリカ・バドウ(2000年11月19日、2006年4月2日。2012年3月2日)のワーキング・バンドにも在籍した今旬のベーシスト&シンガーの公演を、恵比寿・リキッドルームで見る。開演時間の少し前に会場に着いたら、開場はしているものの、上階まで入場待ちの人ですごい列になっている。リハが押して、入場開始が遅れたのかな? ソールド・アウトが伝えられていたが、やってきた人たちのドキドキ感はそれで増幅しちゃったか? ライヴの最中、すごい歓声でした。

 当人、彼の新作『Drunk』にも録音参加している白人キーボードのデニス・ハム、そしてジャズ・ドラマーのジャスティン・ブラウン(2012年2月22日、2013年3月19日)のトリオで突っ走る。あれれ、ブラウンってNY在住じゃなかったか。ドラムの出音はよくなかったが、リズムの軸の上に過剰さを盛っていく様は耳をひくし、やはりとても今がある。しかも、曲によってはブラジリアン・ビート的揺れも盛ったりするのだから、ブラウンは優秀だな。

  ステージに出てきたサンダーキャット(ピカチュウのことなんだってね)を見てすぐに感じたのは、キャラ立ってるなー。で、見た目はフル・アコースティック型のエレクトリック・ギターみたいなのを手弾きにてぶいぶい弾き倒していく。するとエフェクターを介して、ベース音とギター音の両方が洪水のように出てくる。まず、それが過剰。なんか、竜巻みたいだなとも、ぼくは思った。サンダーキャットがファルセットで歌うメロディのモチーフはわりとメロウ目であり、丁々発止するバンド音はかなり壮絶な(ジャズというよりはかなりな)フュージョン回路を通る。そのためか、ビッグ・Q(2013年8月1日)が1970年代半ばに送り出したザ・ブラザース・ジョンソンのことを一瞬思い出した。ザ・ブラザース・ブルーナー。とか、やんないかな? で、すごいナンパなことやるの。でもあいつらだと、大人になれない過剰さがこれでもかと出てきて、現代の造形物として意味を持つ味となる。どうだろう?

 5月25日毎日新聞夕刊に評を書くので、このショウが抱えていた核心には触れるのは避けるが、楽しかった。新作は歌もので、オレのベース回路を通した哲学はポップ・ワールドを凌駕するてな無意識のテーゼを抱えていたが、ここでもそれをいびつにぐいぐいと突起させる。ファニーな人間力、オレ様の力をかなり感じたな。

▶過去の、ロナルド・ブルーナーJr.
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
http://43142.diarynote.jp/201510021221454336/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160520
http://43142.diarynote.jp/201612091513593556/
▶過去の、エリカ・バドゥ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200604050124430000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120302
▶︎過去の、ジャスティン・ブラウン
http://43142.diarynote.jp/?day=20120222
http://43142.diarynote.jp/?day=20130319
▶︎過去の、クインシー・ジョーンズ
http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/
 
<今日の、とっても早朝?>
 昨日の夜、ライヴに行かなくても飲み屋をはしごしていて、あけて2時半、飲んでいる場所のかなり近くで知り合いがギグをやるので覗きに行った。渋谷・LOUNGE NEOでの、BLOW UPと名付けられた一発セッション。WRENCH のドラマーのMUROCHIN、ラップのBABA、ヴァイブラフォンの山田あずさ(2013年5月19日、2014年6月13日、2014年6月15日、2014年10月19日、2014年11月21日、2015年4月17日、2015年5月2日、2015年5月6日、2015年5月22日、2015年5月28日、2015年6月15日、2015年9月13日、2015年11月11日、2016年5月22日、2016年6月13日、2016年9月7日、2017年1月17日)、エレクトロニクスのDJ LIBERATEという組み合わせ。目鼻立ちのくっきりとしたビートをMUROCHINが繰り出し(いい感じと思え、身体が揺れた)、そこに山田がマレット左右2本持ちで光と陰や奥行きを加えていく。またそこに、DJ LIBERATEがいい感じで棘や濁りの感覚を差し込む。出音総体はデカいが、ヴァイブの音はよく聞こえた。山田は一部小さなシンセサイザーをごにょごにょ弾いたが、左手で鍵盤を押さえ、右手で鉄琴を叩いたらいい感じであったんではないだろうか。そして、途中から、ラッパーのBABAが肉声をぐいぐいと加えて、表現総体はより膨らみの感覚を増した。そんな、30分ノンストップのパフォーマンスなり。
 その後、閉じていた店に戻り飲み直していると、そこに軽いノリの青年が入ってくる。ラップをしているそうで、チャンス・ザ・ラッパーが大好きであるそう。ヴィデオ・クリップを介して、彼の表現を聞かせてくれるが、これが親しみやすくもこなれていて驚く。メジャーから出ていますよと言われれば、信じるな。彼の先輩とかの神戸のラッパーのクリップも見せてもらったが、それも映像ともども質が高くて頷く。いやあ、皆んな頑張っているな。確か、TATSUというアーティスト・ネームであったと記憶するが(出来上がっていたので、不確か〜)、純真とともに燃えている感じにも好印象を持つ。今日も有意義な夜遊びでありました。で、ちゃんと原稿仕事をこなすために、9時前には目覚ましとかはセットせずに起きるわけだが(いつもよりは、少し遅め)、さすが昼寝しちゃったYOH。でも、そういう”エラー”も一応織り込んでいるので、仕事のはかどり具合は順風満帆。さあ、昼間は働け働け働け! そして、来週は昼も夜も遊ぶぞお。でも、2日のダイメ・アセロナ(2015年10月25日)の取材オファーを東京にいないため断らなければならなかったのは、とても残念。ま、ギリでライヴは観れるからいっか。
▶過去の、山田あずさ
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/ 渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/ WUJA BIN BIN
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/ 蝉丸
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/ ダモ鈴木
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/  Down’s Workshop
http://43142.diarynote.jp/201411221353274586/ アトラス
http://43142.diarynote.jp/201504181000432127/ nouon
http://43142.diarynote.jp/201505071132034325/ w.パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/201505240923518276/ MoMo
http://43142.diarynote.jp/201505310957076398/ タクシー・サウダージ
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/ 渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/201509231111454665/ ヒュー・ロイド
http://43142.diarynote.jp/201510141817129055/ nouon
http://43142.diarynote.jp/201511120722274234/ タクシー・サウダージ
http://43142.diarynote.jp/201603151140427186/ nouon
http://43142.diarynote.jp/201605240833401202/ w.パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/?day=20160613 QUOLOFUNE
http://43142.diarynote.jp/201609201648546159/ WUJA BIN BIN
http://43142.diarynote.jp/?day=20170117 TNT
▶︎過去の、ダイメ・アセロナ
http://43142.diarynote.jp/?day=20151025
 リオデジャネイロのサンバ・グループを南青山・ブルーノート東京(セカンド・ショウ)で見る。台湾ツアーを経てのものだそう。

 ステージ前列に、ヴォーカルを取る3人が立つ。カヴァキーニョを達者に弾きなら歌う紅一点のニルゼ・カルヴァーリョ(声がけっこう低目)、歌とパーカッションのファビアーノ・サレックとシルヴィオ・カルヴァーリョ。そして、後ろにはアコースティック・ギター、パーカッション/フルート、ドラム(左利き)の演奏陣が位置する。おお、パフォーマーの6人中4人がリズム楽器担当か。

 くつろいだ感じをたっぷりと放ちつつ、喜びと色彩感に溢れる。そして、そんなショウに触れていて、とても見せ方がこなれているとも感じる。すでに複数回来日しているためか(2014年来日ツアーのおり、横浜のホールで収録されたDCとDVDを本国でリリースしてもいる)、東洋の異国での客扱いも余裕にみちる。「イパネマの娘」、「ビリンバウ」、「マシュケナダ」といった門外漢でもよく知る曲も取り上げつつ、ブラジルで培われてきた財産を笑顔とともに送り出した。いいなー。なんか、リオの裏町で闊達なライヴを楽しんでいるような心持ちにもなった。彼女たちは荒井由実の「あの日にかえりたい」も日本語歌詞のもと、ボッサ味で披露。いやあ、サウダーヂが広がりました。

<今日の、珍しい行為>
 二日前から風邪をひいている。ひいた理由は、知っている(;_;)。ダルく、やる気が持続せず、仕事部屋とベッドルームを行ったり来たり。熱っぽく、喘息かと思うほどときに咳も出る。月曜までに出さなきゃ行けない原稿は、マジ山ほど。こりゃいかんとライヴの出がけに、薬局で風邪薬を珍しく購入した。そして、ブルーノートでお酒とともに飲む。明日、天気になあれ。

L.A.サラーミ

2017年4月19日 音楽
 昨年アルバム・デビューのUKフォーキー・ブラックの公演を、六本木・ブルボードライブ東京で見る。セカンド・ショウ。妙な髪型の彼の外見はぼくの好み、アルバムは見えにくい部分もあったが、本物じゃん。セミ・アコースティック型のエレクトリック・ギターを弾きながら(エフェクターはあまり繋いでいなかったのではないか)歌う本人に、ギター、ベース、ドラムがつく。彼らは皆、白人だった。

 L.A.サラーミのことを語るのに送り手側はブルースという言葉を用いており、それについてはとても違和感を持っていたが、1曲目の導入部はブルース・ハープ(ハーモニカ)やギュインという質感のブルージーなギターがなったりして、おおおお。でも、それはオープナーだけで、他はブルースぽいところはない。だが、そういう論調が出てきたのもなるほどと思うところもあり。彼、かなりボブ・ディラン好きと思うしかないんだもの。それとは異なる広がる曲調の曲も持ち、歌唱も空を見上げるようなところもあるのだが、それでもその底にあるのはディランだと、ぼくは感じた。ディランはかなりブルースを自己都合的に解釈〜パフォーマンスしているところがあるのは言うまでもない。彼は喋るように歌うなときもあったが、それもヒップホップ流れというよりは、ディランありきと指摘したくなるものだった。ハーモニカの存在もまた同様、2曲披露したアコースティック・ギター弾き語りももうそう。今の彼の実演は、生ギター弾き語りの“ブラック・ディラン”表現にシンプルなバンド演奏を添わせたという感じ。ドラマーは力ずくで叩くものの、ちゃんとスペースを作り出す人で好み。昔の英国ロック界にいそうなタイプだが、誰に近いか?

<今日の、せせらぎ>
 家の前には川に蓋をしてその上に作られた大掛かりな人口のせせらぎがあるのだが、日によってはそこにカモやシロサギ(それらは、あくまで推定)が1匹や2匹いる。最近、その頻度が高くなっているか。ぼくも人の子、その様に触れると、なんかココロが和む。春になって、川の両側の花や草木もカラフルになってきていて、気持ちが弾む。ほんの少し上流には、でかい鯉がうようよいる。何を食べているのかなあ。そういえば、去年パリに行った際はいろいろと運河や人口の川を散歩したっけ。あ、ぼくは水辺好きなんだったな。今日の夜はけっこう寒かった。

 スナーキー・パピー(2016年6月16日)を南青山・ブルーノート東京で見る。ファースト・ショウ。

 現在、リーダーのマイケル・リーグは純粋な音楽愛とともにそのファミリーをより大きなものにし、自らのレーベル”グラインド・アップ”の活動も充実させる(周りのミュージシャンのソロ作をリリースしてきたが、なんとベッカ・スティーヴンス〜2015年1月29日、2016年3月27日〜がグラウンド・アップ入りしちゃったのには驚いた。その2017年新作『レニーナ』はそう)など、より活動を充実させ、幅広いものにしている。彼らの『ファミリー・ディナー2』(グラウンド・アップ)にも参加していたロック界重鎮のデイヴィッド・クロスビーの新作『Lighthouse』(Decca,2016年)にもリーグは関わっている。

 エレクトリック・ベースと鍵盤ベースのリーグに加えて、今回の来日メンバーは7人。キーボード(ローズとデジタル・シンセ)とトランペットのジャスティン・スタントン、トランペットとフリューゲル・ホーンのマイク“Maz”マーハー、テナー・サックスのクリス・ブロック、キーボード(オルガン、クラヴィネット、アナログ・シンセ)のボビー・スパークス(2007年12月13日、2012年12月5日、2016年1月25日、2016年10月11日)、ギターのクリス・マックイーン、ドラムのジェイソン“JT”トーマス、パーカッションの小川慶太(2014年8月3日、2016年1月19日)という面々。

 各曲でそれぞれのソロをじっくりフィーチャーさせる(1曲につき1、2人)指針。それに接しながら、ショウを通してのメンバー選びから(今、ファミリーは30人ぐらいいるのではないか)、各曲におけるソリスト指定まで、リーグはいろいろと楽しみつつ、考えてやっているんだろうなと、思うことしきり。リーグはなるほどプロデューサーにして、オーガナイザー。なんか、スティーリー・ダン(2000年5月15日)のレコーディング後のまくるめく編集作業をライヴの場でやっている(←かなり誇張あり)とも思えたか。

▶過去の、ベッカ・スティーヴンス
http://43142.diarynote.jp/201501301446383781/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160327
▶︎過去の、スナーキー・パピー
http://43142.diarynote.jp/201606171730294884/
▶過去の、ボビー・スパークス
http://43142.diarynote.jp/?day=20071213
http://43142.diarynote.jp/?day=20121205
http://43142.diarynote.jp/201601260728484520/
http://43142.diarynote.jp/?day=20161011
▶過去の、小川慶太
http://43142.diarynote.jp/201408061110256933/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160119

 その後は、有楽町・コットンクラブで、ECMレコーディング・アーティストであるテナー・サックス奏者のマーク・ターナー(2015年6月23日)のカルテットを見る。一番新しい『Lathe ob Heaven』もカルテット録音作であったが、ドラマーのマーカス・ギルモア(2007年11月21日、2010年7月24日、2010年8月22日、2014年5月15日、2014年6月19日、2014年6月20日、2015年4月7日、2016年9月16日)だけが、今回のライヴには参加。アルバムではトランペッターのアヴィシャイ・コーエン(2010年8月22日、2015年9月6日)が吹いていたが、今回はカルテットの一角にノルウェー出身在NYギタリストのラーゲ・ルンドが入っている。そして、ベーシストは今年2度目の来日となるパリ在住のジョー・サンダース(2013年9月11日、2017年1月23日)だ。ピアノレスの、ギター奏者入りカルテットという編成は、それだけで主張する部分を持つ。←いま、それに関する長文を準備ちう。なお、ルンド以外は皆アフリカ系なり。

 なるほど、ECMのアーティストという感じの、くぐもった、生理的にはっきりしない曲が続く。当然、彼のブロウはそれに順ずる燃えない吹き口。やはりマーカス・ギルモアを従えたジョシュア・レッドマン(2003年1月16日、2009年4月21日、2010年9月5日、2012年5月31日、2014年5月15日)の際の彼の演奏を思い出したが、ぼくはターナーの方が意味ある襞が見えるところがあって好き。とはいえ、コドモなところがあるぼくの耳には哲学すぎて、ストライクな好みにある人とは言えないが。

 ルンゲの演奏はなるほど、今を生きる純ジャズ・ギタリストといった感じなり。真面目すぎる部分もあるかもしれないが、頼もしい。それから、今回ギルモアの演奏を聞いて、なんかアクセントの付け方のタイミングとかトニー・ウィリアムズを想起しちゃう部分があった。

▶︎過去の、マーク・ターナー
http://43142.diarynote.jp/201506251047401015/
▶︎過去の、ジョー・サンダース
http://43142.diarynote.jp/?day=20130911
http://43142.diarynote.jp/?day=20170123
▶過去の、マーカス・ギルモア
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201007261045442770/
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
http://43142.diarynote.jp/201405171309186867/
http://43142.diarynote.jp/201406201008164250/
http://43142.diarynote.jp/201406210910441716/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
http://43142.diarynote.jp/201609201820427313/
▶過去の、アヴィシャイ・コーエン(tp)
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150906
▶過去の、ジョシュア・レッドマン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200904221307055009/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100905
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
http://43142.diarynote.jp/201405171309186867/

<今日の、邂逅>
 前回のスナーキー・パピーの公演はホール公演であったので、当然会場は混み混み。終演後のリーグとぼくのやりとりに、彼ってなんて気さくで両手を広がたナイス・ガイであるのかと同行者が驚く。だって、去年の取材した際にマジ意気投合したんだもん。
 コットンクラブでは、ドラマーの沼澤尚(1999年8月11日、2000年2月14日、2000年7月29日、2001年2月18日、2001年6月29日、2001年12月9日、2001年12月22日、2002年7月21日、2002年11月15日、2003年2月11日、2003年3月13日、2003年6月22日、 2004年1月16日、2004年1月30日、2004年2月21日、2005年2月15日、2005年4月11日、2005年7月30日、2005年9月14日、2005年10月30日、2006年4月17日、2006年5月30日、2006年8月11日、2006年8月24日、2006年12月28日、2007年1月26日,2007年6月3日、2008年1月30日、2008年1月31日、2010年1月12日、2011年10月8日、2012年10月10日、2013年1月6、2013年1月7日、2014年9月2日、2015年10月3日、2016年9月27日、2016年11月18日)と内田直之(2005年10月30日、2006年8月11日、2007年1月26日、2011年12月9日、2013年1月7日、2016年11月18日)と会う。ギルモアのファンらしく、沼澤は誕生日である明日もここに見にくると言っていた。
▶︎過去の、沼澤尚
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm wマルコス・スザーノ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm ナッシン・バット・ザ・ファンク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm シアターブルック 7.29フジ・ロック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm スガシカオ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm ナッシン・バット・ザ・ファンク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm wマルコス・スザーノ 12/9
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm シアターブルック+マルコス・スザーノ12/22
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm W.パウリーニョ・モスカ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm サンパウロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-2.htm ナッシン・バット・ザ・ファンク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm  バーナード・ファウラー、ブロンディ・チャップリン、リサ・フィッシャー、ダリル・ジョーンズ、奥田民生、小原礼
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm シアターブルック
http://43142.diarynote.jp/200401160000000000/ w.勝井、怒怒、佐藤
http://43142.diarynote.jp/200402051858240000/ サンパウロ
http://43142.diarynote.jp/200402211239510000/ アズ・ウィー・スピーク
http://43142.diarynote.jp/?day=20050215 wマルコス・スザーノ
http://43142.diarynote.jp/200504151004040000/ w勝井
http://43142.diarynote.jp/?day=20050730 ザ・ブルース・パワー
http://43142.diarynote.jp/200509161722260000/ 大貫妙子
http://43142.diarynote.jp/200511130013450000/ wマルコス・スザーノ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060417 ビッグ・ホーンズ・ビー
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▶︎過去の、内田直之
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 まず、新宿ピットインで、ヘルゲ・リエン(2013年9月8日)のソロ・パフォーマンス公演と、トリオ公演を続け様に見る。

 前に見た来日公演の項で、ぼくはかなり感激した記述をしているが、やっぱり彼は今ノルウェー〜欧州を代表するジャズ・ピアニストではないか。ましてや、今年出した『Guzuguzu』(Ozella)はその表題にあるように、曲目はすべて日本語の同じ言葉が重なった擬音が採用されたアルバム。これは応援するしかないではないか。まあ、彼らの2011年作も『Natsukashii(懐かしい)』というタイトルがつけられていたわけだけど。

 まず、13時半からのソロ。1曲目と2曲目はフリーフォームで流れるものであったはずだが、もう1曲目からワクワク。とともに、すぐに耳に入るピアノの残響音の大きさに驚く。最初は名手だと弾き方やペダル使いでこんなふうにもなるのかと思っていたが、これは明らかに音を拾い増幅させていたはず。ちゃんと専属のエンジニアを連れて来ていて、紹介していたしね。大げさに言ってしまえば、ブライアン・イーノの『ミュージック・フォー・エアポート』のような響き音の上でピアノが鳴る、という感じ。わあ。そんな局面の後はボディの中に手を入れていろんな音を出したりもするわけだが、そのコントロールのし具合にも舌をまく。あれっと思ったのは、2曲目の終盤にデューク・エリントンのベタ曲「キャラヴァン」をしっとりと弾いたこと。そーゆうのも好きなんですか? 3曲目は小品で、トリオで発表していた「ハミングバーズ」と紹介していたっけ? アンコールでもう1曲、短い曲をやった。

 トリオの方も最初からうっとりしつつ、示唆をいろいろと受ける。ベーシストの演奏は音程が端整な上に広がりやタイミングの良さを存分に持つし、ドラマーの演奏も基本を抑えつつオイラの叩き方するもんね的なクリエイティヴィティがあって感心するしかない。そして、そんな3人が視点ある楽曲のもと有機的に重なるわけだから、これは誘われるではないか。1時間強、そのパフォーマンスに接して、移動……。

▶︎過去の、ヘルゲ・リエン
http://43142.diarynote.jp/201309161508193262/

 17時からは、錦糸町・すみだトリフォニーホールで、映画音楽の分野でも知られるイタリア人作曲家のルドヴィコ・エイナウディの公演を見る。ソールド・アウトが報じられていたが、満場。少しの人は、クラシックのコンサートのように着飾りぎみ。本国の人気を伝えるかのように、イタリア人客も少なくなかった。

 グランド・ピアノを弾く本人(前面中央に置かれたピアノはステージ奥に向き、指揮者のように観客に背を向けて弾いた)にくわえ、いろいろ楽器を持ち帰る奏者たち5人で、ショウは持たれる。その楽器持ち替えは、<ヴァイオリンや鍵盤や電気ギター>、<チェロ(曲によってはエレクトリック・チェロも)>、<エレクトリック・ギターやグロッケンシュピールや打楽器>、<ヴァイブラフォンや打楽器>、<電気ベースや電気エフェクト>という具合。その楽器構成だけ見ると、どういう音楽をやるのか想像できる人はいないだろうな。エイナウディは譜面を広げていたが、他の奏者は置いていなかったのではないか。サポート奏者の楽器のチェンジも滞りなく、きっちり整備されたバンドだった。

 基本的音楽性は、ポップ・ミニマルと書いてしまっていいのか? わりとミニマル傾向の曲が多いが、用いられる旋律、浮き上がるモチーフが何気にメロディアス。少女趣味臭ありすぎで下世話じゃのうと思ってしまう場合もあるが、これは大きな個性だし、多くの人にアピールするのもよく分かる。じわじわと盛り上げる、悠々と流れるアレンジも技アリ。ライヴ・サウンドを聞くと、クラシックであるとぼくはまったく思わないが、ハイセンスで、働きかけを持つイージー・リスニング音楽であると感心する。

 御大は途中でピアノ・ソロも10分ぐらい聞かせたが、これもジャズの手法とは一線を画すニュー・エイジ・ミュージック・ビヨンド調。心に浮かんだメロディ〜パターンを訥々と続ける様は、彼の壮大なアンサンブル表現の核にあるものを見透かさせる。

 ところで、クラシック畑出身でありながらザ・ビートルズ好きという事実も彼のことを語る場合に言及されるようだが、なるほどその片鱗はよく見えた。ショウのオープナーは「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」の頭の方の旋律をループしたような曲だし、後半にやった曲は「ディア・プルーデンス」と同様のコード進行を持つ。それから、彼がイタリア人だなと思えたのは、サラ・オレインが3曲でヴァイオリン参加した際。彼女を初めて見たが、これが非常に見栄えのする人で、このときばかりはエイナウディはイタリアのすけべじじい臭をそこはかとなく出した。

 響きにも留意する表現のサウンド音響は良好。総演奏時間は2時間ごえ、たっぷりやってくれた。

<今日の、景品?>
 この土日は、本当に気持ちの良い気候。昼間はT-シャツの人も散見された。こんな状況で、花見もできたら最高? うちの近所は少しまだ残っているな。ルドヴィコ・エイナウディ公演が終わった後、袋を手渡される。日清食品の宣材で、そこにはパスタの一人分ソースと手提げ袋が入れられている。パスタ・ソース(タイ製との表記)→イタリア→エイナウディという図式なのか。<青い洞窟>と商標名が堂々両面に印刷されているビニール製の手提げは、旅行に出たさい、分別袋用としてバッグの中に入れておくと使えるか。
 現代ジャズ界のフロントに位置するギタリストであるカート・ローゼンウィンケル(2009年3月1日、2010年3月12日、2013年11月20日、2014年3月4日、2016年6月27日)のブラジル音楽の滋養を借りたプロジェクト“カイピ”を披露するライヴ。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。

 同行者は、ペドロ・マルティンズ(ヴォーカル、ギター、キーボード)、オリヴィア・トルンマー(ピアノ、キーボード、ヴォーカル)、レデリコ・エリオドロ(ベース)、アントニオ・ロウレイロ(パーカッション)、ビル・キャンベル(ドラム)。ペドロ・マルティンズの歌世界とマルチ・インストゥメンタリストとしてのカート・ローゼンウィンケルの融合を求めたアルバム『カイピ』(Razdaz、2017年)の内容と少し異なり、ちゃんとブラジル系の敏腕奏者を同行させて、生のサウンドで広げているのがうれしい。ローゼンウィンケル、気張ったね。全員、リードにせよコーラスにせよ、ヴォーカルを取る。

 まだコドモ風情を残す20代前半のペドロ・マルティンズは、ミナス系透明感としなやかジャズを自在に行き来するブラジル人精鋭であり、ベースのレデリコ・エリオドロはミナスの前線ジャジー・ポップ表現を作る逸材だし、アントニオ・ロウレイロ(2013年8月29日、2013年9月6日)はかなり日本で注視されるマルチな才を誇る現代ブラジリアン・ミュージックのキー・マンと言える。そして、ドイツ人女性であるオリヴィア・トルンマーはビアンカ・ヂスモンチ(2014年6月29日、2016年10月12日)がもっと能力に富んでいたらこういう内容のものを作るんではないかというリーダー・アルバムも出しているピアニスト/シンガー。彼女を見ることができたのもうれしかったな。それから、米国人ドラマーであるビル・キャンベルは自ら歌うビート・ポップの作り手でもあり、アラン・ハンプトン(2014年8月7日、2016年7月6日)とはそれぞれのプロジェクトに参加しあったこともある。

 面々は”そういうテイスト”を持つサウンドを紡ぎ、そこにローゼンウィンケルは流麗な、一部パット・メセニー(1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日、2015年9月27日)度が高まったかもとも思わせるギター・ソロを載せる。ショウの頭の方は、実はほのかな違和感を持った。ローゼンウィンケルは気鋭のサポート陣が作る母屋に間借りしているみたいではないか。だが、ローゼンウィンケルもコーラスを入れたり、堂々リード・ヴォーカルを取ったりし出して、なんだかなあは霧散。彼、ブラジリアン・バンドの一員になれていることがしれそう? 音楽の純真も、そこにはあったかな? 米国人やドイツ人はブラジル音楽への憧憬を隠さず、逆にブラジル勢はジャズという様式への尊敬を露わにし………。聞き味は透明感がありとてもメロウでもあったが、ブラジル音楽の機微と一筋縄ではいかないジャズ様式の美味しい交差点 へと、このショウはなっていたのではないか。

▶過去の、カート・ローゼンウィンケル
http://43142.diarynote.jp/200903031751323247/
http://43142.diarynote.jp/201003131221091991/
http://43142.diarynote.jp/201311230757159421/
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
▶過去の、アントニオ・ロウレイロ
http://43142.diarynote.jp/201309021134211584/
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
▶︎過去の、ビアンカ・ヂスモンチ
http://43142.diarynote.jp/201407030943343160/
http://43142.diarynote.jp/201610141748382349/
▶︎過去の、アラン・ハンプトン
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201607100828438607/
▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335

<今日の、希望>
 カートローゼンウィケルには申し訳ないが、やはり彼抜きのバンドの公演を主催者側は立てるべきではなかったかと思う。 ペドロ・マルティンズはギターもうまいし、ロウレイロの楽器の範囲も広げる形で……。キャンベルのハッチャけた部分ももっと見たかった。丸の内・コットンクラブであったら、ブラジル周辺音楽愛好者たちで埋まったのではないか。とにかく、非常に惜しまれる。こんな顔ぶれのバンドはもう見ることができないかもしれない。今回の興行をもとにする形で、新公演が企画されないかな。
 ルクセンブルグのポスト・ロック・バンドの初来日公演を、下北沢・Club251で見る。その変てこなバンド名は、ルクセンブルグにはメタル・バンドが多いことに対する反発からきている。

 ギターとキーボード、ギター、ベース(ちょいギターを手にするときも)、ドラムという4人組。彼らはとってもハマった視野の広いロック・インストを繰り出す。面々はフェラ・クティのアフロ・ビート表現にもインスパイアされた楽曲も披露するが、ライヴだとその咀嚼比率は少し上がるか。なんにせよ、ちゃんと“目”のある楽曲を、確かな力量とバンド内相互関係のもと開く。立ち位置を変えて、皆んなで打楽器を叩くなど、ショウの見せ方もこなれていた。

<今日の、すまんのお>
 ちょうど1年前に首都のルクセンブルグでインタヴューしたこともあり、ドラマーのジョヴァンニとは連絡を取り合っていたのだが、なんかツアーの一環で行った岐阜には心引かれたよう。オレ、行ったことないよー。ともあれ、日本を楽しんでいるようでなにより。酒とか抹茶とかいう単語もMCでは言っていたが、実演を触れつつ、ああ彼らに差し入れのお酒を買ってくるんだったナと反省。もし、逆の立場だったら、超うれしい。オレ、本当に気がきかないなー。それにしても、面識のあるミュージシャンがイケてるライヴをやっていると、誇らしげな気持ちになるなあ。

 南部ソウルのスタックスを支えたブッカー・T &ザ・MGズのオルガン奏者のブッカーT・ジョーンズ(2008年11月24日、2009年7月25日、2010年2月8日 、2011年9月12日、2012年5月11日、2013年10月29日)のショウを南青山・ブルーノート東京で見る。ファースト・ショウ。

サポートは皆アフリカ系で、うちソロを取るときはシングル・トーンでブルージーなフレイズを出すギタリストは息子さん。彼、30代か。ギターとベースはカリフォルニアの出。ドラムはメンフォス出身で、一部ラップもドラムを叩きながらする。スーツに帽子のジョーンズさんは老けておらずなかなか格好いい。70年ごろにメンフィスを離れてから、一時は食べるためにベイエリアの不動産屋で働いたこともあった彼だが(インタヴューした時、そう言っていた。LAを経て、現在はレイク・タホ在住)、今はいい音楽人生を享受していると思わずにはいられないな。

 マイペースでハモンドを弾くとともに、中盤ではステージ中央に出て、ギターを手にする。その際は、ヴォーカルを取る度数が高くなるというのは、これまでと同じ。「ヒップ・ハグ・ハー」(「グリーン・オニオンズ」より、いい曲だな)や「ソウル・リンボー」らザ・MGズの代表曲だけでなく、マディ・ウォーターズの「マニッシュ・ボーイ」やボブ・ディランの「ノッキング・オン・ヘヴンズ・ドア」なども取り上げる。人気のくつろぎ曲「ジャマイカ・ソング」は今回は、やらず。終盤のいかにもスタックス・ソウル調インスト「タイム・イズ・タイド」を聞きながら、6月にはこの曲をショウの導入に用いていた、ザ・MGズの同僚のスティーヴ・クロッパー(2008年11月24日、2009年7月14日、2009年7月25日、2012年5月11日)率いるザ・ブルース・ブラザース(2009年7月14日)がやってくるなあなどとも思った。

 何かをステージ上のジョーンズに告げに来た際に、ちらり紹介された彼の奥さんは白人。ジョーンズの最初の奥さんはリタ・クーリッジの姉で、やはりシンガーをしていたネイティヴ・アメリカンの血を引くプリシラ・ジョーンズだった。夫婦共演作も複数出していましたね。

▶過去の、ブッカー・T・ジョーンズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/200812110456078867/
http://43142.diarynote.jp/201002090914248826/
http://43142.diarynote.jp/201109151819433479/
http://43142.diarynote.jp/201310301217408539/
▶過去の、スティーヴ・クロッパー
http://43142.diarynote.jp/200812110456078867/
http://43142.diarynote.jp/200907161729269209/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201205131715485366/
▶過去の、ザ・ブルース・ブラザース・バンド
http://43142.diarynote.jp/200907161729269209/


<今日の、心の雲>
 来週末まで、そうとうに仕事が立て込んでいる。そのなかで一番比重をしめるのが、スタックスのけっこうな数の再発ライナー・ノーツ群。陽が暮れたら机に向かわない、というぼくの掟を破らなければならないようになるか否か。まあ、基本今年は本当に切れ目なしに忙しいんだよなあ。ゴールデン・ウィークの予定を埋めつつ、平常心で頑張ろう。ライヴのあとに2軒まわり、夜半にご機嫌で帰宅するさい、そう思った。

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