電気ベースの人気者(2006年9月3日、他)、六本木・ビルボードライブ
東京のファースト・ショウ。毎度の面子(そっか、前回もギターレスの編成
だったんだ)による、マーカス・ミラー流儀横溢のショウ。キーボードのボ
ビー・スパークスはホーナーのクラヴィネット他ヴィンテージのキーボード
をずらりと並べる。ハーモニカのクレゴア・マレ(2004年9月7日、他)は
普通のホーン・セクションのように使われたりするが、それだと音が埋もれ
ちゃっていた。ぼくの今回のミラー実演の最大の興味はジャネイ(ノーティ
・バイ・ネイチャー人脈でデビューした女性二人組。「ヘイ・ミスター・D
J」という94年大ヒット曲あり)にいたジーン・ベイラー(昔は、ジーン・
ノリスと名乗る)がゲスト・シンガーとして同行していたこと。彼女は2曲
しか歌わなかったけど、柳腰的な滑らかさのなかに少しキリっとした質感を
感じさせる歌声は健在。かなり、崩した歌い方も見せていて、その手法も問
題ない。
 
 このハコはステージ裏がガラス張りになっていて、それを通して東京メト
ロポリス夜景が鮮やかに見えるようになっている。演奏中はデカいカーテン
がしかれ夜景は隠れるが、ライヴが終わりるとカーテンが開いて再び夜景が
さーと広がる。ぼくが見た回は本編が終わるとすぐに客電がつけられてしま
ったのだが、ミラーたちは再び出てきてアンコールを演奏(タワー・オブ・
パワーの「ホワット・イズ・ヒップ」)。そのとき、後ろのカーテンは開け
られたままだったのだが、注意が削がれる感じもなかったし、音もそれほど
変わる感じもしなかったし、ここのライヴはそれで行ったほうがいいんじゃ
ないか。その方がキブンです。

 終了後、誘われたので、楽屋に行く。プージーやマレは、それぞれにリ
ーダー・アルバムを練っている。ベイラーさん(たぶん、イエロージャケッ
ツのドラマーのマーカス・ベイラーと結婚して、苗字が変わったんだと思う
)に「ルックス変わらないね」(けっこう、そうなの)と言うと、喜ぶ。で
、自己プロデュース中心の5曲入りのCDをもらったが相当いい。大人のし
なやかR&B、うちアンソニー・ベル(ジル・スコット、ラヒーム・デヴォ
ーン他)が制作した曲は8分半のピアノだけをバックにするもの。どこか、
曲増やして出さないかな。
                 
 深夜、そんなに苦労せずにタクシー(そいうやあ飲むと、いつタクシー代
があがったんだという話になるな)を拾う。ホっ。ところで、アイク・ター
ナーが死んだ。2003年に入国できなかった(2003年5月25日の項、参照
のこと)のはかえすがえす残念……。