イベイー。カート・エリング
2016年3月1日 音楽 最初に、昨年デビューした有望株の一組といえるだろう、キューバン・フレンチの双子ユニットを見る。六本木・ビルボードライブ東京。
キーボードを弾きながら歌うリサ・カインデ・ディアスとカホーンやバタ・ドラムやパッドでビートを創出しながら歌うナオミ・ディアス。その2人だけによるパフォーマンスであるのが、まずよろしい。2人は多くの英語と、ヨルバ語で歌う。英国XLレコーディング発のデビュー作は<キューバン・ビート、およびそのルーツにある西アフリカのヨルバ族の伝統音楽的歌唱>と<今様情緒/音像>が結びついたものだった。だが、曲によってはサンプラーを用い厚みをもたせるが、実演だと音作りはシンプルになり、”XLレコーディング要素“は後退する。しかしながら、他方では2人の肉体性やルーツの持ち具合が明晰に浮かび上がるわけで、おおっと引き込まれてしまう。まだ20歳という2人(二卵性なのかな?)にはうれしい生の強さ、ルーツが導く輝きがあった。
インターナショナルな名パーカッショニストとして知られる故ミゲル・アンガ・ディアスとペルー系フランス人歌手をしていたというお母さん(そのは今マネージャーを務めるという。卓の横で踊っていた女性がそうなのかな)の、おそるべき子供たち……。
その後は南青山・ブルーノート東京で、1967年生まれ(意外に、若いんだなー)の米国人ジャズ・シンガーのカート・エリング(2012年6月21日)を見る。
サポートはピアノとキーボードのゲイリー・ヴァーセイス(2012年12月17日、2013年12月17日)、少し今っぽい響きも用いるギタリストのジョン・マクリーン、アコースティック・ベースのクラーク・ソマーズ、ドラムのケンドリック・スコット(2009年3月26日、2013年2月2日、2013年8月18日、2013年9月11日、2015年2月4日、2015年11月10日)という面々。昨年秋にここでリーダー公演をやっているスコットが同行するとはびっくり。友達なんだそうだが、さすが持っているモノがちょい違うゾというしなやかさと広がりを持つドラミング(ほぼ、レギュラー・グルップで叩く)を彼は見せた。彼の歌モノでの演奏に触れたいと思ったことも、エリング公演を見に来た理由ナリ。サイド・マンでは唯一のアフリカ系であるスコットだけが、ちゃんとスーツを着用していた。
声質的にはジャズ歌手としての天分に恵まれているとは思わないが、綺麗にチーフをポケットに入れたスーツ(ノー・ネクタイ)を着こなすエリングはジャズ・シンガーとしての強い矜持を感じさせるパフォーマンスを披露する。スタンダードを歌ってもちゃんとひねりというか自分のスタイルというか、ようは難しいラインを歌っていて、なるほどこれはまっとうなジャズ歌手の行き方を取っていると思わせるのだ。的確なスキャットも随所でかます。それは、“エッジに立つ”ことをしているぢゃんとも思わせ、ジャズ歌手として戦う(これは、少し大げさデス)こともしているという感想もひきだす。小粋な優男系ジャズ・シンガーで行ったほうが〜商業ジャズ歌手であるためには、そこから逃れられるはずもないが〜日々の仕事は安定するはずだとも思うが、あえてそうしていないのは素晴らしい。1996年のブルーノート(・レコード)・デビュー以降、ずっと安定したレコード・ディール(近年はコンコードに所属)を持っているのもむべなるかなとも思う。
終盤、TOKU(2000年2月25日、2001年9月6日、2004年3月10日、2006年2月16日、2008年8月19日、2011年3月16日、2012年6月19日、2013年9月22日、 2014年2月5日、2015年3月19日、2015年3月28日)がフリューゲル・ホーンで加わった。
▶過去の、カート・エリング
http://43142.diarynote.jp/201207031311348277/
▶過去の、ケンドリック・スコット
http://43142.diarynote.jp/?day=20090326
http://43142.diarynote.jp/201302041827243806/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
http://43142.diarynote.jp/201309161510164697/
http://43142.diarynote.jp/201502051100298160/
http://43142.diarynote.jp/201511120022503788/
▶過去の、ゲイリー・ヴァーセイス
http://43142.diarynote.jp/201212190844487864/
http://43142.diarynote.jp/201312181034409673/
▶過去の、TOKU
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm ロニー・プラキシコ
http://43142.diarynote.jp/200403101442170000/
http://43142.diarynote.jp/200602171950040000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20080819
http://43142.diarynote.jp/201103171354125352/
http://43142.diarynote.jp/201206210944302024/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130922
http://43142.diarynote.jp/201503211741478728/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150328
<今日の、原稿>
昨日のボン・イヴェールは毎日新聞夕刊、今日のイベイーは日経新聞電子版で書きます。言いたいことは重なっていても、こことの記載とはどう違った書き方をするか。それは、ちょい物書きゴコロがくすぐられる作業なり。やっぱ、新聞原稿はより一般的な、多少かしこまった原稿を書くようにはなるが。ともあれ、両方を比較されることを意識して書くのは間違いない。
キーボードを弾きながら歌うリサ・カインデ・ディアスとカホーンやバタ・ドラムやパッドでビートを創出しながら歌うナオミ・ディアス。その2人だけによるパフォーマンスであるのが、まずよろしい。2人は多くの英語と、ヨルバ語で歌う。英国XLレコーディング発のデビュー作は<キューバン・ビート、およびそのルーツにある西アフリカのヨルバ族の伝統音楽的歌唱>と<今様情緒/音像>が結びついたものだった。だが、曲によってはサンプラーを用い厚みをもたせるが、実演だと音作りはシンプルになり、”XLレコーディング要素“は後退する。しかしながら、他方では2人の肉体性やルーツの持ち具合が明晰に浮かび上がるわけで、おおっと引き込まれてしまう。まだ20歳という2人(二卵性なのかな?)にはうれしい生の強さ、ルーツが導く輝きがあった。
インターナショナルな名パーカッショニストとして知られる故ミゲル・アンガ・ディアスとペルー系フランス人歌手をしていたというお母さん(そのは今マネージャーを務めるという。卓の横で踊っていた女性がそうなのかな)の、おそるべき子供たち……。
その後は南青山・ブルーノート東京で、1967年生まれ(意外に、若いんだなー)の米国人ジャズ・シンガーのカート・エリング(2012年6月21日)を見る。
サポートはピアノとキーボードのゲイリー・ヴァーセイス(2012年12月17日、2013年12月17日)、少し今っぽい響きも用いるギタリストのジョン・マクリーン、アコースティック・ベースのクラーク・ソマーズ、ドラムのケンドリック・スコット(2009年3月26日、2013年2月2日、2013年8月18日、2013年9月11日、2015年2月4日、2015年11月10日)という面々。昨年秋にここでリーダー公演をやっているスコットが同行するとはびっくり。友達なんだそうだが、さすが持っているモノがちょい違うゾというしなやかさと広がりを持つドラミング(ほぼ、レギュラー・グルップで叩く)を彼は見せた。彼の歌モノでの演奏に触れたいと思ったことも、エリング公演を見に来た理由ナリ。サイド・マンでは唯一のアフリカ系であるスコットだけが、ちゃんとスーツを着用していた。
声質的にはジャズ歌手としての天分に恵まれているとは思わないが、綺麗にチーフをポケットに入れたスーツ(ノー・ネクタイ)を着こなすエリングはジャズ・シンガーとしての強い矜持を感じさせるパフォーマンスを披露する。スタンダードを歌ってもちゃんとひねりというか自分のスタイルというか、ようは難しいラインを歌っていて、なるほどこれはまっとうなジャズ歌手の行き方を取っていると思わせるのだ。的確なスキャットも随所でかます。それは、“エッジに立つ”ことをしているぢゃんとも思わせ、ジャズ歌手として戦う(これは、少し大げさデス)こともしているという感想もひきだす。小粋な優男系ジャズ・シンガーで行ったほうが〜商業ジャズ歌手であるためには、そこから逃れられるはずもないが〜日々の仕事は安定するはずだとも思うが、あえてそうしていないのは素晴らしい。1996年のブルーノート(・レコード)・デビュー以降、ずっと安定したレコード・ディール(近年はコンコードに所属)を持っているのもむべなるかなとも思う。
終盤、TOKU(2000年2月25日、2001年9月6日、2004年3月10日、2006年2月16日、2008年8月19日、2011年3月16日、2012年6月19日、2013年9月22日、 2014年2月5日、2015年3月19日、2015年3月28日)がフリューゲル・ホーンで加わった。
▶過去の、カート・エリング
http://43142.diarynote.jp/201207031311348277/
▶過去の、ケンドリック・スコット
http://43142.diarynote.jp/?day=20090326
http://43142.diarynote.jp/201302041827243806/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
http://43142.diarynote.jp/201309161510164697/
http://43142.diarynote.jp/201502051100298160/
http://43142.diarynote.jp/201511120022503788/
▶過去の、ゲイリー・ヴァーセイス
http://43142.diarynote.jp/201212190844487864/
http://43142.diarynote.jp/201312181034409673/
▶過去の、TOKU
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm ロニー・プラキシコ
http://43142.diarynote.jp/200403101442170000/
http://43142.diarynote.jp/200602171950040000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20080819
http://43142.diarynote.jp/201103171354125352/
http://43142.diarynote.jp/201206210944302024/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130922
http://43142.diarynote.jp/201503211741478728/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150328
<今日の、原稿>
昨日のボン・イヴェールは毎日新聞夕刊、今日のイベイーは日経新聞電子版で書きます。言いたいことは重なっていても、こことの記載とはどう違った書き方をするか。それは、ちょい物書きゴコロがくすぐられる作業なり。やっぱ、新聞原稿はより一般的な、多少かしこまった原稿を書くようにはなるが。ともあれ、両方を比較されることを意識して書くのは間違いない。