カンタス村田+宮沢ましゅー。ディー・ディー・ブリッジウォーター
2014年5月3日 音楽 ゴールデン・ウィーク後半から、ライヴの日々に戻る。
夕方に西武百貨店渋谷店A館の特別催事場で、この21日にセカンド作『オパ!』(ハピネス)を出すカンタス村田とサンバマシーンズ(2010年12月27日、2011年2月11日、2011年5月8日、2012年6月8日、2012年10月27日、2013年2月11日、2013年8月24日)のお二人のライヴを、会場で販売していたカイピリーニャをちびちび飲みながら見る。同所は4月下旬からこの12日にかけて<ブラジルフェアー>という目出たい帯企画を催していて、休日/祭日には無料ライヴが企画され、この出演者実演もその一環なり。
村田のサンバマシーンズ曲のギター弾き語りに宮沢がパンデイロ音をつけ、いい感じの立ちや揺れや陰影をつける。アコースティックかつ直裁さをまとった、いくつものサンバマシーンズ曲。やっぱ、メロディアスというか、ブラジル音楽愛好を超えた間口の広さやキャッチーさを持つな。今度出る新作曲のリード・トラックらしい「浪漫プレイ」はよく出来たアーバン・ポップ曲じゃ。新作曲のなかでは一番ぼくは好きな(ライヴではずっと前からやっている)「憧れのブラジル航路」では客にリフレイン歌唱を求めるたりもするが、けっこうカタチになっていて、固定ファンも見に来ていたのだと思う。催事企画や場にあわせて、サンバマシーンズの曲だけでなく、「イパネマの娘」と「トリステーザ」というボサノヴァ有名曲も披露。後者のほう、なんかいい雰囲気を感じました。
▶過去の、サンバマシーンズ
http://43142.diarynote.jp/201101061047294455/
http://43142.diarynote.jp/201102121002078478/
http://43142.diarynote.jp/201105140858559432/
http://43142.diarynote.jp/201206120854205300/
http://43142.diarynote.jp/201211151028209850/
http://43142.diarynote.jp/201302181123344904/
http://43142.diarynote.jp/201308281519499994/
その後、いまトップ級にお金を取れるパフォーマンスを見せるという所感をぼくは持っている、ディー・ディー・ブリッジウォーター(2003年8月1~2日、2007年8月24日、2008年12月4日、2009年11月27日)のショウを見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
結構、来日の間があいたが、その間に、彼女のアルバムにも複数参加しているピアニストのエドセル・ゴメス以外のバンド員たちが一新された。シオ・クローカー(トランペット)、アーウィン・ホール(アルト・サックス)、エリック・ウィラー(ベース)、カッサ・オーヴァーオール(ドラム)ら新しい奏者たちはまだ20代だろう。ウッドとエレクトリックを弾き分けるウィラーは目立たない普通の風体の持ち主だが、管奏者の二人の髪はドレッド・ロックスで、ドラマーは形容不能の変な格好をしている。あんたたち、ミュージシャンなんて目立ってナンボなのよと、ディー・ディーはハッパをかけていたりして。いや、あの人ならやりかねん(笑い)。トランペッターは特に目をかけているようだが、皆さんしっかりした力量や感性の持ち主たちで、そこからディー・ディーの才/人材掌握のまっとうさを思い知ってしまうか。そういえば、前回もそうだったと記憶するが、彼女は1曲目を歌い始める前に、受け手に確認を促すように、バンド員紹介をする。
日本に来ていない間、彼女はビリー・ホリデイをテーマに置くNY でのミュージカルにホリデイ役で出ていたりもしたようだが、ホリデイが書いたブルース有名曲「ファイン・アンド・メロウ」における、今のディー・ディーを浮き上がらせる解釈には少し震え、山ほどの悦楽を感じる。ショウの頭のほうは、アルトとトランペットにもちゃんとソロを取らせたりと、意外と今回はまっとうなジャズ・フォーマットに則った行き方を取るじゃないかと思っていたら、徐々に誰でもないディー・ディー節とディー・ディーな態度を全開にしていき、バンドはより純ジャズからは離れる噛み合いを見せ、彼女を持ち上げ……。結果、途中から、うわあ、の連続。
たとえば、中盤に入ってやったスタンダード「ラヴ・フォー・セール」のアレンジにはびっくり。ベースはハービー・ハンコックの「カメレオン」の印象的なラインを引用しつづけ、それを通して“もう一つ”の「ラヴ・フォー・セール」を彼女と演奏陣がシェアしあい、一体化してもう一つの大地にワープしていく様は凄っ。このエンディングには、やはり「カメレオン」が収録されていた『ヘッドハンターズ』ヴァージョンのハンコック曲「ウォーターメロン・マン」のパーツ応用でしめる。わ、クール。それ、やはり同時期のエレクトリック・ハンコック表現の再演をライヴ・パフォーマンスで必ず見せているロバート・グラスパー(2007年10月3日、2009年4月13日、2009年12月19日2010年12月16日、2012年6月12日、2013年1月25日)の作法より数段冴えていると言える。この曲に顕われているように、実は伴奏音はかなり練られたもので、それはディー・ディーの音楽性の高さ、音楽観の深さを間違いなく語る。それにしても、一連のイケまくっているアレンジは誰がやっているのだろう?
弾けたキャラ全開のもと、本編は90分。出演者たちがステージを降りるとすぐに場内が明るくなり、音楽も流される。だが、拍手はやまず、少したってから、面々が再登場。本編ではピンホールのハイヒールを履いていたディー・ディーは裸足。そして、より“私サマ”全開で、客の声援に応え、逆におおいにあおる。そして、始まったのはソウル・ジャズ名曲「コンペアード・トゥ・ホワット」。そのグルーヴィーなイントロ部から彼女はJBの化身といった感じで客を鼓舞する。そして、力づくで観客を立たせる。さあ、土曜の夜なのよ! そこのカップル、ちゃんと立って! 指差し、(座っているの)見えてるわよ。その繰り返し。もー、大笑い。アンコールの2曲目に入る前には、彼女は後で見ていたTOKU(2000年2月25日、2001年9月6日、2004年3月10日、2006年2月16日、2008年8月19日、2011年3月16日、2012年6月19日、2013年9月22日、2014年2月5日)を呼び出す。彼がステージに上がってくるのを待つとき、ディー・ディーはニューオーリンズの人気男女デュオであるシャーリー&リーの自作1956年R&Bチャート1位曲「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」をアカペラで口ずさむ。うーん、そんなところにも、ぼくは米国黒人音楽表現の理屈を超えた流れ/積み重ねの彩を感じて悶絶してしまうのだな。そして、スティーヴィー・ワンダーの「リヴィング・フォー・ザ・シティ」を披露。とかなんとか、ちょうど2時間ぐらいの尺でショウは終わった。
ジャズでもR&Bでもヒップホップでもいい、今もっとも米国黒人音楽たる醍醐味、決定的魅力を出せる最たる人がディー・ディーであると、断言せざるを得ない。彼女が来た際はぜったいにミスしちゃいけない。その真理を、ぼくは心に再度刻み込んだ。彼女、来年来ちゃると、MCで言っておりました。なにとぞ、実現しますように。
▶過去の、ブリッジウォーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200708270316020000/
http://43142.diarynote.jp/200812150311286788/
http://43142.diarynote.jp/?day=20091127
▶過去の、グラスパー
http://43142.diarynote.jp/200710121727100000/
http://43142.diarynote.jp/200904150840164356/
http://43142.diarynote.jp/201001051625155901/
http://43142.diarynote.jp/201012171104366095/
http://43142.diarynote.jp/201206141342549869/
http://43142.diarynote.jp/201301270742196778/
▶過去の、TOKU
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm 9/6
http://43142.diarynote.jp/200403101442170000/
http://43142.diarynote.jp/200602171950040000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20080819
http://43142.diarynote.jp/201103171354125352/
http://43142.diarynote.jp/201206210944302024/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130922
http://43142.diarynote.jp/?day=20140205
<今日の、困惑>
ものすごく、健やかな日中模様だったゴールデン・ウィーク中の一日。であり、ブリッジウォーターさんがMCで強調していたように、土曜日。ほんと、シカゴの「サタデイ・イン・ザ・パーク」を思わず口ずさんでしまうというものだ。←あの歌って、米国独立記念日を祝う歌でもあるのね。……では、あったのだが、夕方に一週間強ぶりに渋谷を歩いたら(普段はほぼ毎日歩いたり通ったりしているか?)、あまりの人の多さでとっても気後れしちゃう。いや、少しイヤな気持ちを得た。それは、激混みのアップル・ストアに修理をお願いするPCを持ち込み、ぞんざいに待たされて、心が乱れたこととも関係があるが。しかし、あの効率の悪そう&外面だけしか整える気がありませんという客対応オペレーション、米国で定められたものをそのまま持って来ているのだろうが、少なくても日本でアレはないだろう。ほんとアップルって、顧客軽視の独りよがり馬鹿企業だと思わずにはいられず。もし混雑で客を待たせざるをえないなら(でも、待つためのスペースなぞは取っておらず、平気で予約客をそこらへんに立たせる)、予約をとらなきゃ、いいだけの話。ぼくの場合、すぐに新しいマックを買ってしまったので、急ぎの修理ではなかったしい。しかも、こんなこと書きたくないが、勤労者が薄汚い若目の人たちだらけで、その様にも気持ちがなえた。オレ、歳とってしまった?
夕方に西武百貨店渋谷店A館の特別催事場で、この21日にセカンド作『オパ!』(ハピネス)を出すカンタス村田とサンバマシーンズ(2010年12月27日、2011年2月11日、2011年5月8日、2012年6月8日、2012年10月27日、2013年2月11日、2013年8月24日)のお二人のライヴを、会場で販売していたカイピリーニャをちびちび飲みながら見る。同所は4月下旬からこの12日にかけて<ブラジルフェアー>という目出たい帯企画を催していて、休日/祭日には無料ライヴが企画され、この出演者実演もその一環なり。
村田のサンバマシーンズ曲のギター弾き語りに宮沢がパンデイロ音をつけ、いい感じの立ちや揺れや陰影をつける。アコースティックかつ直裁さをまとった、いくつものサンバマシーンズ曲。やっぱ、メロディアスというか、ブラジル音楽愛好を超えた間口の広さやキャッチーさを持つな。今度出る新作曲のリード・トラックらしい「浪漫プレイ」はよく出来たアーバン・ポップ曲じゃ。新作曲のなかでは一番ぼくは好きな(ライヴではずっと前からやっている)「憧れのブラジル航路」では客にリフレイン歌唱を求めるたりもするが、けっこうカタチになっていて、固定ファンも見に来ていたのだと思う。催事企画や場にあわせて、サンバマシーンズの曲だけでなく、「イパネマの娘」と「トリステーザ」というボサノヴァ有名曲も披露。後者のほう、なんかいい雰囲気を感じました。
▶過去の、サンバマシーンズ
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その後、いまトップ級にお金を取れるパフォーマンスを見せるという所感をぼくは持っている、ディー・ディー・ブリッジウォーター(2003年8月1~2日、2007年8月24日、2008年12月4日、2009年11月27日)のショウを見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
結構、来日の間があいたが、その間に、彼女のアルバムにも複数参加しているピアニストのエドセル・ゴメス以外のバンド員たちが一新された。シオ・クローカー(トランペット)、アーウィン・ホール(アルト・サックス)、エリック・ウィラー(ベース)、カッサ・オーヴァーオール(ドラム)ら新しい奏者たちはまだ20代だろう。ウッドとエレクトリックを弾き分けるウィラーは目立たない普通の風体の持ち主だが、管奏者の二人の髪はドレッド・ロックスで、ドラマーは形容不能の変な格好をしている。あんたたち、ミュージシャンなんて目立ってナンボなのよと、ディー・ディーはハッパをかけていたりして。いや、あの人ならやりかねん(笑い)。トランペッターは特に目をかけているようだが、皆さんしっかりした力量や感性の持ち主たちで、そこからディー・ディーの才/人材掌握のまっとうさを思い知ってしまうか。そういえば、前回もそうだったと記憶するが、彼女は1曲目を歌い始める前に、受け手に確認を促すように、バンド員紹介をする。
日本に来ていない間、彼女はビリー・ホリデイをテーマに置くNY でのミュージカルにホリデイ役で出ていたりもしたようだが、ホリデイが書いたブルース有名曲「ファイン・アンド・メロウ」における、今のディー・ディーを浮き上がらせる解釈には少し震え、山ほどの悦楽を感じる。ショウの頭のほうは、アルトとトランペットにもちゃんとソロを取らせたりと、意外と今回はまっとうなジャズ・フォーマットに則った行き方を取るじゃないかと思っていたら、徐々に誰でもないディー・ディー節とディー・ディーな態度を全開にしていき、バンドはより純ジャズからは離れる噛み合いを見せ、彼女を持ち上げ……。結果、途中から、うわあ、の連続。
たとえば、中盤に入ってやったスタンダード「ラヴ・フォー・セール」のアレンジにはびっくり。ベースはハービー・ハンコックの「カメレオン」の印象的なラインを引用しつづけ、それを通して“もう一つ”の「ラヴ・フォー・セール」を彼女と演奏陣がシェアしあい、一体化してもう一つの大地にワープしていく様は凄っ。このエンディングには、やはり「カメレオン」が収録されていた『ヘッドハンターズ』ヴァージョンのハンコック曲「ウォーターメロン・マン」のパーツ応用でしめる。わ、クール。それ、やはり同時期のエレクトリック・ハンコック表現の再演をライヴ・パフォーマンスで必ず見せているロバート・グラスパー(2007年10月3日、2009年4月13日、2009年12月19日2010年12月16日、2012年6月12日、2013年1月25日)の作法より数段冴えていると言える。この曲に顕われているように、実は伴奏音はかなり練られたもので、それはディー・ディーの音楽性の高さ、音楽観の深さを間違いなく語る。それにしても、一連のイケまくっているアレンジは誰がやっているのだろう?
弾けたキャラ全開のもと、本編は90分。出演者たちがステージを降りるとすぐに場内が明るくなり、音楽も流される。だが、拍手はやまず、少したってから、面々が再登場。本編ではピンホールのハイヒールを履いていたディー・ディーは裸足。そして、より“私サマ”全開で、客の声援に応え、逆におおいにあおる。そして、始まったのはソウル・ジャズ名曲「コンペアード・トゥ・ホワット」。そのグルーヴィーなイントロ部から彼女はJBの化身といった感じで客を鼓舞する。そして、力づくで観客を立たせる。さあ、土曜の夜なのよ! そこのカップル、ちゃんと立って! 指差し、(座っているの)見えてるわよ。その繰り返し。もー、大笑い。アンコールの2曲目に入る前には、彼女は後で見ていたTOKU(2000年2月25日、2001年9月6日、2004年3月10日、2006年2月16日、2008年8月19日、2011年3月16日、2012年6月19日、2013年9月22日、2014年2月5日)を呼び出す。彼がステージに上がってくるのを待つとき、ディー・ディーはニューオーリンズの人気男女デュオであるシャーリー&リーの自作1956年R&Bチャート1位曲「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」をアカペラで口ずさむ。うーん、そんなところにも、ぼくは米国黒人音楽表現の理屈を超えた流れ/積み重ねの彩を感じて悶絶してしまうのだな。そして、スティーヴィー・ワンダーの「リヴィング・フォー・ザ・シティ」を披露。とかなんとか、ちょうど2時間ぐらいの尺でショウは終わった。
ジャズでもR&Bでもヒップホップでもいい、今もっとも米国黒人音楽たる醍醐味、決定的魅力を出せる最たる人がディー・ディーであると、断言せざるを得ない。彼女が来た際はぜったいにミスしちゃいけない。その真理を、ぼくは心に再度刻み込んだ。彼女、来年来ちゃると、MCで言っておりました。なにとぞ、実現しますように。
▶過去の、ブリッジウォーター
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<今日の、困惑>
ものすごく、健やかな日中模様だったゴールデン・ウィーク中の一日。であり、ブリッジウォーターさんがMCで強調していたように、土曜日。ほんと、シカゴの「サタデイ・イン・ザ・パーク」を思わず口ずさんでしまうというものだ。←あの歌って、米国独立記念日を祝う歌でもあるのね。……では、あったのだが、夕方に一週間強ぶりに渋谷を歩いたら(普段はほぼ毎日歩いたり通ったりしているか?)、あまりの人の多さでとっても気後れしちゃう。いや、少しイヤな気持ちを得た。それは、激混みのアップル・ストアに修理をお願いするPCを持ち込み、ぞんざいに待たされて、心が乱れたこととも関係があるが。しかし、あの効率の悪そう&外面だけしか整える気がありませんという客対応オペレーション、米国で定められたものをそのまま持って来ているのだろうが、少なくても日本でアレはないだろう。ほんとアップルって、顧客軽視の独りよがり馬鹿企業だと思わずにはいられず。もし混雑で客を待たせざるをえないなら(でも、待つためのスペースなぞは取っておらず、平気で予約客をそこらへんに立たせる)、予約をとらなきゃ、いいだけの話。ぼくの場合、すぐに新しいマックを買ってしまったので、急ぎの修理ではなかったしい。しかも、こんなこと書きたくないが、勤労者が薄汚い若目の人たちだらけで、その様にも気持ちがなえた。オレ、歳とってしまった?
グラハム・セントラル・ステーション
2014年5月4日 音楽 もー千両役者。ラリー・グラハム(2009年9月29日、2010年9月9日、2012年11月24日)は今回もほれぼれするようなファンクなパフォーマンスをこれでもかと見せてくれた。堪能しました。昇天しました。同行メンバーはグラハムとは30年強もの付き合いを持つギタリストのウィルトン・ラブ(随所でイケてるカッティングを披露してたナ)がオークランド周辺の腕の立つ人たちを選んでいて、彼らとミネアポリス在住(プリンスんちの隣)のグラハムが合体してライヴやレコーディングをしているわけだが、その顔ぶれはずっと固定している。もう、まとまり、いかおうにも臨機応変に、という感じか。豪州や中国をまわってきた今回の公演について、ぼくは前回よりも35 %増しの好印象を持った。それから、白基調でバシっと固める面々の格好もうれしい。とくに、グラハムのそれはまさに“キング”と称したくなる。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。
その醍醐味については、過去来日公演の記述を参照してもらうとして、大まかな流れは変わらないものの、今回のショウで目新しいと思えたのは、次のもの。▶子供のころタップ・ダンスをやっていたこともあるグラハムさん、前よりも派手なステップ/ダンスをステージ上でしていたのではないか。▶チョコレート(グラハム・セントラル・ステーションの初代女性歌手)役を担う白人女性のアシュリング・コールが歌う箇所が前よりも増え、1曲全面的にフィーチャーされる。その際歌ったのはチャカ・カーン曲。その1曲だけ、ベースはキーボード奏者の1/2が弾き、グラハムはステージを離れる。▶ドラムとのデュオで、グラハムはベース・ソロをいろいろ聞かせた。ジミ・ヘンドリックス調演奏もたっぷり聞かせる。▶過去、ファンク曲ばかりやっていたが、今回は彼のソロ名義で発表したグラハム最大のヒット曲となるバラード「ワン・イン・ア・ミリオン・ユー」(1980年、総合チャート9位、R&Bチャート1位)をしっかり披露。実は海外ではやっていたらしいが、ここでの1時間強のショウだとはしょってしまうようになる、と、彼は2010年にインタヴューしたときに言っていた。▶なんと、プリンス(2002年11月19日)の「1999」も披露。しかし、この曲においてバンド・メンバーが1フレーズづつ歌い繋いでいく様はまったくもってスライ&ザ・ファミリー・ストーン「ハイヤー」他の方策を継いでいることを再認識。しかし、プリンスの曲って、ほんとユニティ感覚にあふれているとも再確認。▶この晩は、ベースを置き「人生は奇異なもの。何故にギターやオルガンを弾いていた私がベースを手にしたか」という内容の話を延々とノー・マイクでしたりもした。彼にターニング・ポイントはと問うと、同じことを言います。▶大傑作2012年新作『レイズ・アップ』(ムーシカス)にも入れられていたが、ステイーヴィ・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012 年3月5日)の「ハイヤー・グラウンド」も披露。これ、過去もやっていたっけ? ともあれ、昨日のディー・ディー・ブリッジウォーター公演の「リヴィング・フォー・ザ・シティ」のカヴァーとともに、ワンダー御大の凄さも実感しちゃった次第……。
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632/
<今日の、無頓着>
早朝にデカ目の地震があったらしい。と、起きてから、ネットのニュースを見て知る。そう言われれば、確かに大きな揺れを感じ、一瞬おきたことをおぼろげに思い出したが、眠いなマいっかとなって、すぐにまた寝ちゃったナ。はい、それだけです。なんの落ちもありません。
その醍醐味については、過去来日公演の記述を参照してもらうとして、大まかな流れは変わらないものの、今回のショウで目新しいと思えたのは、次のもの。▶子供のころタップ・ダンスをやっていたこともあるグラハムさん、前よりも派手なステップ/ダンスをステージ上でしていたのではないか。▶チョコレート(グラハム・セントラル・ステーションの初代女性歌手)役を担う白人女性のアシュリング・コールが歌う箇所が前よりも増え、1曲全面的にフィーチャーされる。その際歌ったのはチャカ・カーン曲。その1曲だけ、ベースはキーボード奏者の1/2が弾き、グラハムはステージを離れる。▶ドラムとのデュオで、グラハムはベース・ソロをいろいろ聞かせた。ジミ・ヘンドリックス調演奏もたっぷり聞かせる。▶過去、ファンク曲ばかりやっていたが、今回は彼のソロ名義で発表したグラハム最大のヒット曲となるバラード「ワン・イン・ア・ミリオン・ユー」(1980年、総合チャート9位、R&Bチャート1位)をしっかり披露。実は海外ではやっていたらしいが、ここでの1時間強のショウだとはしょってしまうようになる、と、彼は2010年にインタヴューしたときに言っていた。▶なんと、プリンス(2002年11月19日)の「1999」も披露。しかし、この曲においてバンド・メンバーが1フレーズづつ歌い繋いでいく様はまったくもってスライ&ザ・ファミリー・ストーン「ハイヤー」他の方策を継いでいることを再認識。しかし、プリンスの曲って、ほんとユニティ感覚にあふれているとも再確認。▶この晩は、ベースを置き「人生は奇異なもの。何故にギターやオルガンを弾いていた私がベースを手にしたか」という内容の話を延々とノー・マイクでしたりもした。彼にターニング・ポイントはと問うと、同じことを言います。▶大傑作2012年新作『レイズ・アップ』(ムーシカス)にも入れられていたが、ステイーヴィ・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012 年3月5日)の「ハイヤー・グラウンド」も披露。これ、過去もやっていたっけ? ともあれ、昨日のディー・ディー・ブリッジウォーター公演の「リヴィング・フォー・ザ・シティ」のカヴァーとともに、ワンダー御大の凄さも実感しちゃった次第……。
▶過去の、ラリー・グラハム
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<今日の、無頓着>
早朝にデカ目の地震があったらしい。と、起きてから、ネットのニュースを見て知る。そう言われれば、確かに大きな揺れを感じ、一瞬おきたことをおぼろげに思い出したが、眠いなマいっかとなって、すぐにまた寝ちゃったナ。はい、それだけです。なんの落ちもありません。
グラハム・セントラル・ステーション。田島貴男
2014年5月5日 音楽 六本木・ビルボードライブ東京。ファースト・ショウが始まる前に、楽屋でラリーさん(2009年9月29日、2010年9月9日、2012年11月24日、2014年5月4日)にインタヴュー。本当に慈愛に満ち、ステージの様が嘘のように落ち着いていて、気配りもできる人。でもって、取材中は相変わらず、奥さんのティナが横にちょこんと座って、うれしそうに(でも、出しゃばる感じはなく)、ウチのラリーって最高でしょといった感じで見守る。なんか、その様は夫婦の鏡、とも言いたくなる? 私生活が何かと壊れているミュージシャンが散見されるなか、その様はなんか常規を逸して素晴らしいものに見える。39年ものあいだ仲良く連れ添っている彼女はツアーにも必ず一緒についており、げんざいショウの終盤にステージに上がって盛り上げ役をする女性はティナ奥様だ。そういえば、彼につく女性マネージャー(30代白人。彼女が働く会社は、アル・マッケイ、シーラ・E、シック、ジル・スコット他を扱う)とも挨拶するが、ちょっと接した範囲だとこれまたとてもいい人。やはり、類は類を呼ぶのか。
リハーサルが長引いたため(少し機材変更があったようで、初日だけでなく、2日目となるこの日もリハをやったそう)取材が始まる時間がおし、話を聞いた後、写真撮影が終わったのは、ショウ開始の直前。でも、終始笑顔で余裕のラリーさん。そして、実演はやはり濃く、白熱。“ノー・ファンク、ノー・ライフ”を地で指し示すような感じ。と、書いても、語弊はないだろう。曲順は少し変わるが、大きな流れ、味わいは同じ。MCは異なる部分もあり、昨日より短かったが、演奏時間は少し長かったか。何度ふれても、浮かれ、踊り、ガナっちゃう。ああ、幸せ。と、実感……。
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632/
http://43142.diarynote.jp/201405071010101908/
そして、一呼吸おいて、六本木ヒルズアリーナで、満場の客を前にする田島貴男(2002年7月7日、2010年5月23日)のギター弾き語りを見る。たまたまこの後にご飯を食べることになっていた知人から教えてもらったのだが、今日と明日、この野外広場で小林武史をホスト役に無料公演が開かれていて、この日最後の出演者となる田島の前には、青葉市子(2013年8月7日、2014年1月8日)やsalyu(2011年8月7日、2013年8月11日)やスガシカオ(2001年2月18日、2012年9月9日)らが出たらしい。明日は曽我部恵一(2009年4月4日)や細野晴臣(2009年10月12日、2010年4月15日、2010年11月21日、2011年8月7日ち2012年8月12日、2012年9月5日、2013年1月29日、2013年8月7日、2013年8月11日)などが出るというし、六本木ヒルズ、太っ腹だな。2日前に触れた西武百貨店渋谷店の出し物もそうだし、このゴールデン・ウィーク期間中はあちこちで、お休みを取っている人に向けてのイヴェントが開かれているんだろうなー。
彼はギター弾き語りのツアーを今年に入って持ってもいるようだが、今回久しぶりに接し、ギターの抑え方がとってもジャジーになっていてびっくり。まだ借り物っぽいところもあるが、彼が新しい興味〜発展の種と出会い、それと自分のなかにあるものをフレッシュに反応させようとしているのはとてもよく分る。彼の有名曲「接吻」は小林が鍵盤で加わる。朗々としたたっぷり感&伸びる感に満ちる田島の歌はソロだと、バンドで歌うよりも透明感を増すところがあるか。
途中から、ドブロを手にして(だと、思う。首から下はあまり見えなかった)、よりアーシー&ルーツィ路線にある表現を見せる。そしてボードヴィル調というか、ロバート・ジョンソンの「ゼイ・アー・レッド・ホット」(レッド・ホット・チリ・パッパーズも1991年作『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』でカヴァーしていますね)みたいな曲をいい感じで披露したりも。田島貴男は旅を続けている……、そんな聴後感がのこった。
▶過去の、田島
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 7日
http://43142.diarynote.jp/?day=20100523
<今日の、連想>
昼と夜の寒暖差が大きい。ラリーさんを見た後、ブルブルっと来て、思わずストゥールを買ってしまう。1日ずっと同じ気候よりは、変化があったほうがおもしろいと、思うことにしよう。 コール・ポーターの「ナイト・アンド・デイ」は文字通りのオールタイムな愛を詩的に綴ったスタンダードだが、なんか田島のパフォーマンスに接して、この人は夜も昼も音楽を求めているんだろうなとちょびっと感じる。そのライヴ後、なんかジョー・ジャクソンの傑作『ナイト・アンド・デイ』(A&M、1982年)を猛烈に聞きたくなっちゃう。
リハーサルが長引いたため(少し機材変更があったようで、初日だけでなく、2日目となるこの日もリハをやったそう)取材が始まる時間がおし、話を聞いた後、写真撮影が終わったのは、ショウ開始の直前。でも、終始笑顔で余裕のラリーさん。そして、実演はやはり濃く、白熱。“ノー・ファンク、ノー・ライフ”を地で指し示すような感じ。と、書いても、語弊はないだろう。曲順は少し変わるが、大きな流れ、味わいは同じ。MCは異なる部分もあり、昨日より短かったが、演奏時間は少し長かったか。何度ふれても、浮かれ、踊り、ガナっちゃう。ああ、幸せ。と、実感……。
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632/
http://43142.diarynote.jp/201405071010101908/
そして、一呼吸おいて、六本木ヒルズアリーナで、満場の客を前にする田島貴男(2002年7月7日、2010年5月23日)のギター弾き語りを見る。たまたまこの後にご飯を食べることになっていた知人から教えてもらったのだが、今日と明日、この野外広場で小林武史をホスト役に無料公演が開かれていて、この日最後の出演者となる田島の前には、青葉市子(2013年8月7日、2014年1月8日)やsalyu(2011年8月7日、2013年8月11日)やスガシカオ(2001年2月18日、2012年9月9日)らが出たらしい。明日は曽我部恵一(2009年4月4日)や細野晴臣(2009年10月12日、2010年4月15日、2010年11月21日、2011年8月7日ち2012年8月12日、2012年9月5日、2013年1月29日、2013年8月7日、2013年8月11日)などが出るというし、六本木ヒルズ、太っ腹だな。2日前に触れた西武百貨店渋谷店の出し物もそうだし、このゴールデン・ウィーク期間中はあちこちで、お休みを取っている人に向けてのイヴェントが開かれているんだろうなー。
彼はギター弾き語りのツアーを今年に入って持ってもいるようだが、今回久しぶりに接し、ギターの抑え方がとってもジャジーになっていてびっくり。まだ借り物っぽいところもあるが、彼が新しい興味〜発展の種と出会い、それと自分のなかにあるものをフレッシュに反応させようとしているのはとてもよく分る。彼の有名曲「接吻」は小林が鍵盤で加わる。朗々としたたっぷり感&伸びる感に満ちる田島の歌はソロだと、バンドで歌うよりも透明感を増すところがあるか。
途中から、ドブロを手にして(だと、思う。首から下はあまり見えなかった)、よりアーシー&ルーツィ路線にある表現を見せる。そしてボードヴィル調というか、ロバート・ジョンソンの「ゼイ・アー・レッド・ホット」(レッド・ホット・チリ・パッパーズも1991年作『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』でカヴァーしていますね)みたいな曲をいい感じで披露したりも。田島貴男は旅を続けている……、そんな聴後感がのこった。
▶過去の、田島
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 7日
http://43142.diarynote.jp/?day=20100523
<今日の、連想>
昼と夜の寒暖差が大きい。ラリーさんを見た後、ブルブルっと来て、思わずストゥールを買ってしまう。1日ずっと同じ気候よりは、変化があったほうがおもしろいと、思うことにしよう。 コール・ポーターの「ナイト・アンド・デイ」は文字通りのオールタイムな愛を詩的に綴ったスタンダードだが、なんか田島のパフォーマンスに接して、この人は夜も昼も音楽を求めているんだろうなとちょびっと感じる。そのライヴ後、なんかジョー・ジャクソンの傑作『ナイト・アンド・デイ』(A&M、1982年)を猛烈に聞きたくなっちゃう。
タワー・オブ・パワー
2014年5月6日 音楽 オークランド・ファンクなどとも言われる1970年前半に隆盛したサンフランシスコ圏ファンク表現の代表ヴェテラン・バンド(1999年11月4日、2002年8月11日、2004年1月19日、2008年5月18日、2008年5月19日、2010年5月11日、2011年3月10日、2012年9月9日)の公演を見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。MCでもう46年とか言っていたが、いったい何度目の来日となるのだろう? 彼ら、2011年来日の際はあの地震を東京で体験している。
それにしても、見事に活性化、溌剌としたノリで、ショウはすすめられて、少し驚いた。それを導いたのは、新シンガーのレイ・グリーン。歴代シンガーと同様に甲高い歌声を持つアフリカ系歌手である彼は、なかなかの喉の持ち主。甲高いだけでなく、ちゃんと奥行きも抱え、これは存在感と味を聞く者に与える。いっていても30代半ばだろうスキンヘッドの彼はジョージア州出身で現在はボストンで活動しているが、なかなか秀でたステージ運びの手腕を見せ、それがバンドの熱量や溌剌さを導いてもいて、これはいい人材を入れたと心から思える。R&Bだけでなくジャズからワールド・ミュージック調表現までいろんなことをやってきている彼はバークリー音楽大学でトロンボーンを学んでおり、一部の曲ではトロトンボーンを手にして、ホーン・セクションの一員を担う場面もあった。そういえば、タワー・オブ・パワーのホーン隊ってサックス類とトランペットでまかなわれていて、トロンボーン奏者は確か入ったことがなかったのではないか? とかなんとか、いろいろと新局面を引き出しているグリーンさん、まだタワー・オブ・パワーに入って浅いようだが、きっちりバンドに溶け込んでいる。この4月にLA郊外でグリーン入りのもと、新作レコーディングも行っているそうだ。
披露する曲はセットによってかなり違うらしいが、グリーンのおかげで何をやろうと、とても新鮮。イエ〜イ。彼らは新たな期間に入った、とも指摘したくなるか。ただ、JB讃歌メドレーみたいのは、やらなくてもいいのではないかな。だったら、(このセットではやっていない)「ダウン・トゥ・ザ・ナイトクラブ」とか、黄金期タワー・オブ・パワーのコンビネーション/醍醐味をテンコ盛りにした、自らの財産を誇るメドレーをやってくれたほうがぼくはしっくり来るし、うれしい。それと、ロジャー・スミスがフィーチャーされた(あまりグルーヴィじゃない)理屈っぽいオルガン・ソロ(そのときは、ベース音もスミスが担当)も余計だと、ぼくは思う。
ぼくの記憶がわりと確かに残っているタワー・オブ・パワー公演のなかでは、一番いいと思えた。初期メンバーはリーダーのエミリオ・カスティロ(テナー・サックス)とドク・クプカ(バリトン・サックス)とデイヴィッド・ガリバルディ(ドラム。あまり老けていないように見えた)の3人。ロッコ・プレステア(ベース)の代わりに、シーラ・Eや沼澤尚公演でお馴染みのオークランド・ネイティヴ(実は、今のタワー・オブ・パワーでオークランド在住者は彼だけかもしれない?)のレイモンド・マッキンリー(2001年6月29日、2002年8月12日、2003年2月11日、2004年4月15日)が昨年公演からベースを弾いている。
▶過去の、タワー・オブ・パワー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200401190000000000/
http://43142.diarynote.jp/200805201629180000/
http://43142.diarynote.jp/200805201631280000/
http://43142.diarynote.jp/201005121331016518/
http://43142.diarynote.jp/201103171348262145/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120909
▶過去の、マッキンリー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm 29日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 12日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-2.htm 11日
http://43142.diarynote.jp/200404150934460000/
<今日の、ムっ>
最寄り駅に降りると、<東急線ご利用の90%の方が、すでにPASMOを利用。さあ、あなたも使いましょう>みたいな、PASMO促進コピーが大書きされているポスターみたいなのが構内に張られていて、軽く怒りを覚える。PASMOやSUICAは確かに便利だが、“みんな同じになりましょう”、“皆で大多数になりましょう”、という没個性を促すコピーを今日日どうどう垂れ流しするなんて、まっとうな企業としての見識を疑う。気候も良くなったし、電車を使わずに歩きなさいという、遠回しな提案と取るのが、オトナなのだろう。そしたら、ライヴ終了後に流れた後、ぼくより先に住む三軒茶屋居住者が歩くのが好きでこの晩も歩いて帰ると偶然いうので、ぼくも便乗して歩いて帰宅した。
それにしても、見事に活性化、溌剌としたノリで、ショウはすすめられて、少し驚いた。それを導いたのは、新シンガーのレイ・グリーン。歴代シンガーと同様に甲高い歌声を持つアフリカ系歌手である彼は、なかなかの喉の持ち主。甲高いだけでなく、ちゃんと奥行きも抱え、これは存在感と味を聞く者に与える。いっていても30代半ばだろうスキンヘッドの彼はジョージア州出身で現在はボストンで活動しているが、なかなか秀でたステージ運びの手腕を見せ、それがバンドの熱量や溌剌さを導いてもいて、これはいい人材を入れたと心から思える。R&Bだけでなくジャズからワールド・ミュージック調表現までいろんなことをやってきている彼はバークリー音楽大学でトロンボーンを学んでおり、一部の曲ではトロトンボーンを手にして、ホーン・セクションの一員を担う場面もあった。そういえば、タワー・オブ・パワーのホーン隊ってサックス類とトランペットでまかなわれていて、トロンボーン奏者は確か入ったことがなかったのではないか? とかなんとか、いろいろと新局面を引き出しているグリーンさん、まだタワー・オブ・パワーに入って浅いようだが、きっちりバンドに溶け込んでいる。この4月にLA郊外でグリーン入りのもと、新作レコーディングも行っているそうだ。
披露する曲はセットによってかなり違うらしいが、グリーンのおかげで何をやろうと、とても新鮮。イエ〜イ。彼らは新たな期間に入った、とも指摘したくなるか。ただ、JB讃歌メドレーみたいのは、やらなくてもいいのではないかな。だったら、(このセットではやっていない)「ダウン・トゥ・ザ・ナイトクラブ」とか、黄金期タワー・オブ・パワーのコンビネーション/醍醐味をテンコ盛りにした、自らの財産を誇るメドレーをやってくれたほうがぼくはしっくり来るし、うれしい。それと、ロジャー・スミスがフィーチャーされた(あまりグルーヴィじゃない)理屈っぽいオルガン・ソロ(そのときは、ベース音もスミスが担当)も余計だと、ぼくは思う。
ぼくの記憶がわりと確かに残っているタワー・オブ・パワー公演のなかでは、一番いいと思えた。初期メンバーはリーダーのエミリオ・カスティロ(テナー・サックス)とドク・クプカ(バリトン・サックス)とデイヴィッド・ガリバルディ(ドラム。あまり老けていないように見えた)の3人。ロッコ・プレステア(ベース)の代わりに、シーラ・Eや沼澤尚公演でお馴染みのオークランド・ネイティヴ(実は、今のタワー・オブ・パワーでオークランド在住者は彼だけかもしれない?)のレイモンド・マッキンリー(2001年6月29日、2002年8月12日、2003年2月11日、2004年4月15日)が昨年公演からベースを弾いている。
▶過去の、タワー・オブ・パワー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200401190000000000/
http://43142.diarynote.jp/200805201629180000/
http://43142.diarynote.jp/200805201631280000/
http://43142.diarynote.jp/201005121331016518/
http://43142.diarynote.jp/201103171348262145/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120909
▶過去の、マッキンリー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm 29日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 12日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-2.htm 11日
http://43142.diarynote.jp/200404150934460000/
<今日の、ムっ>
最寄り駅に降りると、<東急線ご利用の90%の方が、すでにPASMOを利用。さあ、あなたも使いましょう>みたいな、PASMO促進コピーが大書きされているポスターみたいなのが構内に張られていて、軽く怒りを覚える。PASMOやSUICAは確かに便利だが、“みんな同じになりましょう”、“皆で大多数になりましょう”、という没個性を促すコピーを今日日どうどう垂れ流しするなんて、まっとうな企業としての見識を疑う。気候も良くなったし、電車を使わずに歩きなさいという、遠回しな提案と取るのが、オトナなのだろう。そしたら、ライヴ終了後に流れた後、ぼくより先に住む三軒茶屋居住者が歩くのが好きでこの晩も歩いて帰ると偶然いうので、ぼくも便乗して歩いて帰宅した。
米国シカゴを拠点に置くインストゥメンタル・ロック・バンド(2001年11月7日、2005年1月7日、2011年11月21日)の3年弱ぶりの来日公演、ビルボードライブ東京(ファースト・ショウ)。まず、感じたのは、淡々気まま。そんな面々、アルバムは2009年以降出していなし、そんなにライヴも頻繁にやっている感じもない。試しに、彼らのHPをひいてツアー日程をチェックしたら、“今入れられたショウはありません”と出やがった(笑い)。でも、顔ぶれは悠々(?)、ずっと同じ。そりゃ、なんのしがらみもなく、自分たちのことを理解してくれている聞き手の前で、気負わずに自らのやりたいことを出来る、というものではないか。
アイソトープ217他もやっていたダン・ビットニー (キーボード、ドラム、ベース、マリンバ)、静かな生活という文字のバック・プリントのTシャツを着つつ一番騒がしいドラムを叩いていたジョン・ヘーンドン (ドラム、キーボード、マリンバ)、ブロークバック他のダグラス・マッカム(ベース、ギター) 、同所のシー・アンド・ケイク(2012年4月7日)公演いらいの来日となりエンジニア業もいまだ盛んなジョン・マッケンタイア(ドラム、キーボード)、2012年デルマーク発の自己トリオの『Bright Light in Winter』は諦観ジャジー好盤なジェフ・パーカー (ギター、キーボード、ベース、マリンバ)という5人による実演。で、とにもかくにも、各奏者の楽器チェンジが頻繁。なだけでなく、1曲の中でも持ち楽器を変えたりもし、その生理的に多彩な持ち場交換の様も含めて我々のギグは完結する、という、彼らの意志を感じたか。
ステージの楽器設定や曲目や流れは、過去の公演のノリを引き継ぐもの。うわあって驚きはないが、“ポスト・ロック”とか“シカゴ音響派”なんて呼称も与えられた独自のモダニズム/視点を持つ演奏は確かなひっかかりとスタイリッシュさを持つ。あと、このシーンの重要人物であるマッケンタイアって、変人ぽいなと、今回のショウを見て感じた。
1曲の尺は短めで、インプロヴィゼーションを披露するというよりはアンサンブルを確認し合って行くようなパフォーマンスと言える。譜面を誰も前にしていないのは驚かないが、セット・リストの紙片も前においていなかったのではないか。だが、ショウの流れの筋道はきっかり見えているといった感じ(アンコールのときは、曲目を相談/確認していたかもしれない)で次々に曲を繰り広げて行くのを見て、きっちりリハーサルをやって、ショウにのぞんでいるのはよく分った。その時点で、誰がどう持ち楽器を変えて行くかというフォーメイションもきっちり決めていったのではないか。
▶過去の、トータス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/
▶過去の、シカゴのあの周辺の人たち(1999年6月6日、2000年3月25日、2000年10月15日、2001年11月7日、2003年1月30日、2004年1月20日、2012年4月7日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm シカゴ・アンダーグラウンド・デュオ、サム・プレコップ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm パパM、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド、アイソトープ217
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm シー・アンド・ケイク
http://43142.diarynote.jp/?day=20040120 ロブ・マズレク、ジェフ・パーカー・トリオ、ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド・カルテット
http://43142.diarynote.jp/201204091014019131/ シー・アンド・ケイク
<この日のことの、追記>
上にも書いたように、それもまたトータス公演の妙味の一つと言うかのように、過去公演と同じく、面々は楽器の持ち替えをしていた。ところで、楽器の持ち替えが自在になされる音楽って、その根のほうを辿ると民俗音楽になるのかしらん。また、それがなされるには、強固なコミュニティであることも基盤となるだろう。……なんて、つらつら考えていたら、トータスの表現って、現シカゴという北西部都市のトライバル・ミュージックであり、ある種の特殊事項親和性を持つ都会人のコミュニティ・ミュージックであるのではないか。なんて、思いが生まれて来たりもしました。
アイソトープ217他もやっていたダン・ビットニー (キーボード、ドラム、ベース、マリンバ)、静かな生活という文字のバック・プリントのTシャツを着つつ一番騒がしいドラムを叩いていたジョン・ヘーンドン (ドラム、キーボード、マリンバ)、ブロークバック他のダグラス・マッカム(ベース、ギター) 、同所のシー・アンド・ケイク(2012年4月7日)公演いらいの来日となりエンジニア業もいまだ盛んなジョン・マッケンタイア(ドラム、キーボード)、2012年デルマーク発の自己トリオの『Bright Light in Winter』は諦観ジャジー好盤なジェフ・パーカー (ギター、キーボード、ベース、マリンバ)という5人による実演。で、とにもかくにも、各奏者の楽器チェンジが頻繁。なだけでなく、1曲の中でも持ち楽器を変えたりもし、その生理的に多彩な持ち場交換の様も含めて我々のギグは完結する、という、彼らの意志を感じたか。
ステージの楽器設定や曲目や流れは、過去の公演のノリを引き継ぐもの。うわあって驚きはないが、“ポスト・ロック”とか“シカゴ音響派”なんて呼称も与えられた独自のモダニズム/視点を持つ演奏は確かなひっかかりとスタイリッシュさを持つ。あと、このシーンの重要人物であるマッケンタイアって、変人ぽいなと、今回のショウを見て感じた。
1曲の尺は短めで、インプロヴィゼーションを披露するというよりはアンサンブルを確認し合って行くようなパフォーマンスと言える。譜面を誰も前にしていないのは驚かないが、セット・リストの紙片も前においていなかったのではないか。だが、ショウの流れの筋道はきっかり見えているといった感じ(アンコールのときは、曲目を相談/確認していたかもしれない)で次々に曲を繰り広げて行くのを見て、きっちりリハーサルをやって、ショウにのぞんでいるのはよく分った。その時点で、誰がどう持ち楽器を変えて行くかというフォーメイションもきっちり決めていったのではないか。
▶過去の、トータス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/
▶過去の、シカゴのあの周辺の人たち(1999年6月6日、2000年3月25日、2000年10月15日、2001年11月7日、2003年1月30日、2004年1月20日、2012年4月7日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm シカゴ・アンダーグラウンド・デュオ、サム・プレコップ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm パパM、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド、アイソトープ217
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm シー・アンド・ケイク
http://43142.diarynote.jp/?day=20040120 ロブ・マズレク、ジェフ・パーカー・トリオ、ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド・カルテット
http://43142.diarynote.jp/201204091014019131/ シー・アンド・ケイク
<この日のことの、追記>
上にも書いたように、それもまたトータス公演の妙味の一つと言うかのように、過去公演と同じく、面々は楽器の持ち替えをしていた。ところで、楽器の持ち替えが自在になされる音楽って、その根のほうを辿ると民俗音楽になるのかしらん。また、それがなされるには、強固なコミュニティであることも基盤となるだろう。……なんて、つらつら考えていたら、トータスの表現って、現シカゴという北西部都市のトライバル・ミュージックであり、ある種の特殊事項親和性を持つ都会人のコミュニティ・ミュージックであるのではないか。なんて、思いが生まれて来たりもしました。
渋谷・アップリンクファクトリーで、ショーン・オ・クーローン監督による、2012年アイルランド映画「空中ランチ」を見る。
ところで、ドクター・ジョン(2000年5月24日、2002年3月23日、2005年9月20日、2012年2月15日、2013年10月1日)の名曲「ライト・プレイス、ロング・タイム」の歌詞の内容ってどんなものだったっけ? と、映画を見ながら思ってしまった。場所はあっているのに、タイミングはあっていない、あ〜人生ままならぬ、という感じの曲だったかな。
それは、ともあれ。映画「空中ランチ(原題、Men at Lunch)」は、絵はがきになったり、パロディの広告が作られたりするなど、1930年代のNYの状況を象徴するものとして米国では良く知られる、1932年9月に撮影された一葉の写真を題材にする。そのやはり「メン・アット・ランチ」と名付けられているようなモノクロ写真は、高層ビル建設ラッシュにわくマンハッタンの30ロックフェラー・プラザ(当時はRCAにより立てられ、今はゼネラル・エレクトリックが所有。三大ネットワークのNBC本社もそこに入る。75階、336メートル)の、建設現場天辺にいる作業員たちを撮ったもの。
建設途中にある250メートルの高さに渡された1本の梁の上で昼食をとる11人の作業員……。その労働者たちの昼食休憩時の様を抑えた写真が見る者の目を引くのは、超危険なビル工事現場の一番上の骨組に座る彼らが、普通に地べたに座っているかように振る舞っているところ。その足元どころか、360度すべてが宙に浮いているような状況に彼らはいて、背景にはセントラル・パークやハドソン川が写っている。映画は、撮影者も労働者たちの素性も不明なままであった、そんな写真のディテールを追っていく。
映画中で、あるカメラマンが、この写真はまさにこの場所(right place)でこの時(right time)であるからこその写真、ということをコメントする。その言い回しを借りるなら、本来いるべきでない所にいることを強いられているのに、ライト・タイムにいるかのように淡々と振る舞う11人の様が、言葉を超えた何かを見る者に与えるところが、この写真の肝。その労働者たちは、危険な仕事しか得ることができなかった、アメリカ人になるために新天地に渡って来たアイルランド人ら移民たち。不思議な諧謔も与えるこのモノクロ写真は、NYの歴史や移民たちの歴史も見る者に喚起させつつ、諦観とも重なる切なさにあふれている。なるほど、映画が生まれるのも宜なるかな。
<そして、翌日>
映画「空中ランチ」とも背景は繋がる、モンタナ州ビュートの銅炭鉱で働いたアイリッシュ米国人の祖先をテーマ据えたCD/映画「シャムロック・シティ」を作り(映画のほうはまだ未完成)、今月末に来日もするソーラス(2012年6月14日)について語る、四谷いーぐるでのイヴェントに出る。
▶過去の、ソーラス
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
ところで、ドクター・ジョン(2000年5月24日、2002年3月23日、2005年9月20日、2012年2月15日、2013年10月1日)の名曲「ライト・プレイス、ロング・タイム」の歌詞の内容ってどんなものだったっけ? と、映画を見ながら思ってしまった。場所はあっているのに、タイミングはあっていない、あ〜人生ままならぬ、という感じの曲だったかな。
それは、ともあれ。映画「空中ランチ(原題、Men at Lunch)」は、絵はがきになったり、パロディの広告が作られたりするなど、1930年代のNYの状況を象徴するものとして米国では良く知られる、1932年9月に撮影された一葉の写真を題材にする。そのやはり「メン・アット・ランチ」と名付けられているようなモノクロ写真は、高層ビル建設ラッシュにわくマンハッタンの30ロックフェラー・プラザ(当時はRCAにより立てられ、今はゼネラル・エレクトリックが所有。三大ネットワークのNBC本社もそこに入る。75階、336メートル)の、建設現場天辺にいる作業員たちを撮ったもの。
建設途中にある250メートルの高さに渡された1本の梁の上で昼食をとる11人の作業員……。その労働者たちの昼食休憩時の様を抑えた写真が見る者の目を引くのは、超危険なビル工事現場の一番上の骨組に座る彼らが、普通に地べたに座っているかように振る舞っているところ。その足元どころか、360度すべてが宙に浮いているような状況に彼らはいて、背景にはセントラル・パークやハドソン川が写っている。映画は、撮影者も労働者たちの素性も不明なままであった、そんな写真のディテールを追っていく。
映画中で、あるカメラマンが、この写真はまさにこの場所(right place)でこの時(right time)であるからこその写真、ということをコメントする。その言い回しを借りるなら、本来いるべきでない所にいることを強いられているのに、ライト・タイムにいるかのように淡々と振る舞う11人の様が、言葉を超えた何かを見る者に与えるところが、この写真の肝。その労働者たちは、危険な仕事しか得ることができなかった、アメリカ人になるために新天地に渡って来たアイルランド人ら移民たち。不思議な諧謔も与えるこのモノクロ写真は、NYの歴史や移民たちの歴史も見る者に喚起させつつ、諦観とも重なる切なさにあふれている。なるほど、映画が生まれるのも宜なるかな。
<そして、翌日>
映画「空中ランチ」とも背景は繋がる、モンタナ州ビュートの銅炭鉱で働いたアイリッシュ米国人の祖先をテーマ据えたCD/映画「シャムロック・シティ」を作り(映画のほうはまだ未完成)、今月末に来日もするソーラス(2012年6月14日)について語る、四谷いーぐるでのイヴェントに出る。
▶過去の、ソーラス
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
ジャッキー・テラソン・カルテット
2014年5月11日 音楽 丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。在米フランス人ピアニスト(2009年5月18日、2010年5月6日、2013年2月8日)の今回の公演は、パーカッション奏者を伴うカルテットによるもの。前回も同行していたバーニス・トラヴィス(縦ベース)に加え、ルクミル・ペレス(ドラム)、ミニノ・ギャレイ(打楽器)という面々といい感じで噛み合い、本編は1時間ほど切れ目なしにパフォーマンス。1曲目は大胆に崩した「ベサメ・ムーチョ」。ジョン・レノンの「オー・マイ・ラヴ」(前回公演時もやった)やマイケル・ジャクソンの「ビート・イット」も一筋縄ではいかぬ構成のもと、魅惑的に披露。後者カヴァーでは、ウォー(2009年8月9日)の「ギャラクシー」のリフをテーマ展開部で用いた。
テラソンは電気ピアノを弾くさいは、エフェクターも用いて、“マイルス・バンドに入った自分”を演じているかのよう? そういえば、そのパンチ・パーマ的ちりちり頭や時に挙げる困ったチャン的嬌声はキース・ジャレット(2001年4月30日、2007年5月8日)に近づいてきている? ともあれ、詩情と今っぽい立ち、純なジャズ流儀と非ジャズ流儀を巧みに綱引きさせる、ヴィヴィッドなパフォーマンスはかなり上々。
▶過去の、テラソン
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
http://43142.diarynote.jp/201005071023536171/
http://43142.diarynote.jp/201302091341485664/
▶過去の、ウォー/ロニー・ジョーダン
http://43142.diarynote.jp/200908181436378859/
http://43142.diarynote.jp/200711101235120000/
▶過去の、ジャレット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
<今日の、推測>
昼間はこういう気候ができるだけ続きますようにと思いたくなる、呑気な晴天。わーい。でも、日本の南の島ではすでに梅雨入りしているようだし、本土は1997年以来の雨夏/冷夏が予想される、という記事も出ていたか。さぁどーなる、今年の日本の夏……。ブラジルW杯の結果にてんやわんやして、そのままなし崩し的に気候の心地良くなさを憂う、という事態になると予想する。
テラソンは電気ピアノを弾くさいは、エフェクターも用いて、“マイルス・バンドに入った自分”を演じているかのよう? そういえば、そのパンチ・パーマ的ちりちり頭や時に挙げる困ったチャン的嬌声はキース・ジャレット(2001年4月30日、2007年5月8日)に近づいてきている? ともあれ、詩情と今っぽい立ち、純なジャズ流儀と非ジャズ流儀を巧みに綱引きさせる、ヴィヴィッドなパフォーマンスはかなり上々。
▶過去の、テラソン
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
http://43142.diarynote.jp/201005071023536171/
http://43142.diarynote.jp/201302091341485664/
▶過去の、ウォー/ロニー・ジョーダン
http://43142.diarynote.jp/200908181436378859/
http://43142.diarynote.jp/200711101235120000/
▶過去の、ジャレット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
<今日の、推測>
昼間はこういう気候ができるだけ続きますようにと思いたくなる、呑気な晴天。わーい。でも、日本の南の島ではすでに梅雨入りしているようだし、本土は1997年以来の雨夏/冷夏が予想される、という記事も出ていたか。さぁどーなる、今年の日本の夏……。ブラジルW杯の結果にてんやわんやして、そのままなし崩し的に気候の心地良くなさを憂う、という事態になると予想する。
わー。すげえ。激混み。会場は、渋谷・クラブクアトロ。きっと、もっとキャパの大きいリキッドルームで持てる公演であったろう。こんなに人が入った渋谷のクアトロって、いつ以来だろうか。
出したアルバムは1枚の、英国の新進ロック・バンド。で、上に書いたような塩梅なので、ステージ上の本人たちはあまり見えない。中心人物はけっこう美青年ふう?だけど、音だけ聞いてもちゃんと実演能力があると思わせ、趣味の良いしっかりしたバンドだと思わせられる。きとんとしたバンド・サウンドに乗るリード・ヴォーカルも良く聞こえ(コーラスも良質)、ちゃんと曲が分る。けっこう、感心。混むのも、よく分る。
サイケデリックとも彼らのロック表現は形容されるが、確かにある種のクセを持つというか、ポイントのある曲をやっている。なかには、ディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)のハード・ロック期以前の『ハッシュ』に入っていそうな曲や、日本のGSがやってそうと思わせる曲調もあった。いい意味で、臭みを持つ楽曲を作っている、と言えるか。それらはレトロと言うこともできそうだが、サウンドのちょっとした処理には今の担い手らしい広がりや工夫が見受けられて、今存在する意義を感じることもできる。全体として、生理的に濡れた情緒を抱えているのが魅力的であると思った。
▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
<今日の、ヨタ話……>
その後に寄ったバーで、昨日が命日だったボブ・マーリーの話題に続いて、鼻血の描写で話題となっているマンガ「美味しんぼ」の話になる。大昔はスピリッツを毎号買っていたので見ていた(でも、「美味しんぼ」はそれほど贔屓にはしていなかったかな。ここからの受け売りで食通ぶる、トホホな知り合いがいたよなー……)が、もう15年は一瞥もしていない。30年を超える長期連載なんだあという話になり、“島耕作”のようにはたして主人公はマンガ中でどんどん歳をとっているのかという話にもなった。だとしたら、編集委員ぐらいにはなっているか、左遷されて新聞社をやめているはず、とか、無責任なネタで盛り上がる。だいいち美食家の主人公のオヤジは年齢的にはもう死んでいてもおかしくないゾ、とか。バー店主が、そういえば、主人公は部下の女性と結婚したんじゃなかったんですかねー、と発言。ふむ、そういう記憶がおぼろげにあるような。ともあれ、フクシマという画一的括りを用いられるのには抵抗を感じてしまう。福島県の会津地方よりは、北〜中関東のほうが影響を受け、関連数値も高いだろうから。
出したアルバムは1枚の、英国の新進ロック・バンド。で、上に書いたような塩梅なので、ステージ上の本人たちはあまり見えない。中心人物はけっこう美青年ふう?だけど、音だけ聞いてもちゃんと実演能力があると思わせ、趣味の良いしっかりしたバンドだと思わせられる。きとんとしたバンド・サウンドに乗るリード・ヴォーカルも良く聞こえ(コーラスも良質)、ちゃんと曲が分る。けっこう、感心。混むのも、よく分る。
サイケデリックとも彼らのロック表現は形容されるが、確かにある種のクセを持つというか、ポイントのある曲をやっている。なかには、ディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)のハード・ロック期以前の『ハッシュ』に入っていそうな曲や、日本のGSがやってそうと思わせる曲調もあった。いい意味で、臭みを持つ楽曲を作っている、と言えるか。それらはレトロと言うこともできそうだが、サウンドのちょっとした処理には今の担い手らしい広がりや工夫が見受けられて、今存在する意義を感じることもできる。全体として、生理的に濡れた情緒を抱えているのが魅力的であると思った。
▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
<今日の、ヨタ話……>
その後に寄ったバーで、昨日が命日だったボブ・マーリーの話題に続いて、鼻血の描写で話題となっているマンガ「美味しんぼ」の話になる。大昔はスピリッツを毎号買っていたので見ていた(でも、「美味しんぼ」はそれほど贔屓にはしていなかったかな。ここからの受け売りで食通ぶる、トホホな知り合いがいたよなー……)が、もう15年は一瞥もしていない。30年を超える長期連載なんだあという話になり、“島耕作”のようにはたして主人公はマンガ中でどんどん歳をとっているのかという話にもなった。だとしたら、編集委員ぐらいにはなっているか、左遷されて新聞社をやめているはず、とか、無責任なネタで盛り上がる。だいいち美食家の主人公のオヤジは年齢的にはもう死んでいてもおかしくないゾ、とか。バー店主が、そういえば、主人公は部下の女性と結婚したんじゃなかったんですかねー、と発言。ふむ、そういう記憶がおぼろげにあるような。ともあれ、フクシマという画一的括りを用いられるのには抵抗を感じてしまう。福島県の会津地方よりは、北〜中関東のほうが影響を受け、関連数値も高いだろうから。
1990年代下半期、ディアンジェロやマックスウェルとともにネオ・ソウルと呼称された動向の中心的な男性シンガーとして脚光を浴びた1966年中西部生まれのイケ面くん(1999年7月11 日、2005年9月29日、2009年12月21日、2011年9月21日)の、見れば間違いなく米国ソウルの良さやベネイの資質の高さを実感させるパフォーマンスを堪能する。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。
そんな実演に触れながら、他の二人は日本に来ないよなあ〜東京ジャズあたりで呼ばないかなあ、なぞとも思ったり。2012 年に変わらず帝王であることを印象づけた復活ライヴを本国でやったディアンジェロの着手済み新作はいつリリースされるのか。一方、やはりずっと新作を出していないマックスウエルは、まだソニーと切れていないようだし、ライヴはちゃんとやっているようだ。
メンフィス音楽界出身らしい鍵盤奏者のジョン・リッチモンドを音楽監督に置く4人のバンドは問題なし。バックグラウンド歌手のキャンディス・ボイドは2曲ほどフィーチャーされ、ベネイとデュエットを聞かせる。例によって客扱いもうまいベネイは今回ファルセット比率が少し下がったような気がしたのは気のせいか。楽曲は新旧を見渡し、広がりを求めるのも好きな彼はラテン調も2曲ここぞというときに披露する。時間がもう少し長いとよりいいが、シンガーの場合は喉の耐性の個人的差異があるので、強いことは言えないかな。と、書きつつ、ギネスのパイントを2杯ぐいぐい飲んじゃっているわけで、やはり高い訴求力を持っていたのは間違いない。
▶過去の、ベネイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/julylive.htm
http://43142.diarynote.jp/200510030023510000/
http://43142.diarynote.jp/201001051626133581/
http://43142.diarynote.jp/201109220748325210/
<今日の、朝刊>
起床し新聞を見て、びっくり。1面にでかでか(2/3にわたる)と、サッカーW杯日本代表メンバー発表の記事を掲載している。そしてスポーツ面だけでなく、3面、さらには社会面見開きでも関連記事を大々的に展開。大きなニュースがなかったからでもあるだろうが、一般紙なのにこんなにスペースを割いてもいいのとサッカー好きのぼくが困惑してしまうほどの記事スペース大盤振る舞い。サッカーに興味がない人はともかく、サッカーを良く思わない人の心中いかばかりなものか。な〜んて。今後こうしたメディアの露出は増え、今年のワールド・カップもかなり世間の注目を集めるのか。日本代表、グループ・リーグは突破してほしいが。
そんな実演に触れながら、他の二人は日本に来ないよなあ〜東京ジャズあたりで呼ばないかなあ、なぞとも思ったり。2012 年に変わらず帝王であることを印象づけた復活ライヴを本国でやったディアンジェロの着手済み新作はいつリリースされるのか。一方、やはりずっと新作を出していないマックスウエルは、まだソニーと切れていないようだし、ライヴはちゃんとやっているようだ。
メンフィス音楽界出身らしい鍵盤奏者のジョン・リッチモンドを音楽監督に置く4人のバンドは問題なし。バックグラウンド歌手のキャンディス・ボイドは2曲ほどフィーチャーされ、ベネイとデュエットを聞かせる。例によって客扱いもうまいベネイは今回ファルセット比率が少し下がったような気がしたのは気のせいか。楽曲は新旧を見渡し、広がりを求めるのも好きな彼はラテン調も2曲ここぞというときに披露する。時間がもう少し長いとよりいいが、シンガーの場合は喉の耐性の個人的差異があるので、強いことは言えないかな。と、書きつつ、ギネスのパイントを2杯ぐいぐい飲んじゃっているわけで、やはり高い訴求力を持っていたのは間違いない。
▶過去の、ベネイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/julylive.htm
http://43142.diarynote.jp/200510030023510000/
http://43142.diarynote.jp/201001051626133581/
http://43142.diarynote.jp/201109220748325210/
<今日の、朝刊>
起床し新聞を見て、びっくり。1面にでかでか(2/3にわたる)と、サッカーW杯日本代表メンバー発表の記事を掲載している。そしてスポーツ面だけでなく、3面、さらには社会面見開きでも関連記事を大々的に展開。大きなニュースがなかったからでもあるだろうが、一般紙なのにこんなにスペースを割いてもいいのとサッカー好きのぼくが困惑してしまうほどの記事スペース大盤振る舞い。サッカーに興味がない人はともかく、サッカーを良く思わない人の心中いかばかりなものか。な〜んて。今後こうしたメディアの露出は増え、今年のワールド・カップもかなり世間の注目を集めるのか。日本代表、グループ・リーグは突破してほしいが。
ジョシュア・レッドマン
2014年5月15日 音楽 俊英という形容をいまだ持ち続けているようにも思える、アフリカンとジューイッシュの血を引くテナー・サックス奏者(2003年1月16日、2009年4月21日、2010年9月5日、2012年5月31日)のカルテットでのショウ。ところで、ジャズは<アフリカ系とユダヤ系移民による米国発の混血音楽>という側面も濃く持つので、彼は鉄壁の血筋にあるジャズ・マンとも言えるのか。与える醍醐味以上に彼が長年エリート奏者視されてきている(少なくても、ぼくにはそう感じられる)のには、そういう側面があるためか。いや、それはないだろうな。
近く出るノンサッチ発の新作は、前作の周到に練られたストリング付き盤から通常路線にあるシンプルなトリオでの録音盤のようだが、今回のショウはピアニストを入れてのもので、それについては興味がひかれる。で、そのサイドマン内訳は、意気のいいNY若手を起用することにかけて定評のある渡辺貞夫のサポートほかでお馴染みのアーロン・ゴールドバーグ(2011年7月4日、2012年6月8日、2013年4月1日)、チャールズ・ロイドやダイアン・リーヴスなどのサポートで日本に来るとともにレッドマンの信任も厚いルーベン・ロジャース(2005年5月11日、2008年9月22日、2009年4月21日、2013年1月6日)、そしてロイ・ヘインズ(2009年6月1日、2011年11月29日)の孫でもあるというマーカス・ギルモア(2007年11月21日、2010年7月24日、2010年8月22日)。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。
まず、思ったのは、ジョシュアってこんなに、やせていたっけ? ということ。手の指が長く綺麗であるのも認知。で、息遣いがよく分るような距離で見ることができると、彼の技術の高さが良くわかる。それゆえ、知性と言い換えても50%は嘘にならないだろう抑制の取り方も手に取るように理解でき、そうした部分がぼくに、ジョシュア・レッドマンってはみ出さない、熱量が高くないと感じさせることに繋がっているとも思った。
スタンダードもロック曲も自作もクラシック曲(バッハ曲を静謐に披露)も適度に構成に凝った施しを介して、提出する。各奏者の音鳴りのバランスがいいこともあり、均整がとられているとも、それは感じさせるか。なんかなあと思わせるのは、親分以下、ゴールドバーグを除いて(たぶん)は、譜面を置いていたこと。それには、少し興ざめします。
純ジャズ界ではトップ級に話題を集めるドラマーであるマーカス・ギルモアを一番見たくてぼくは足を運んだが、この行き方だとばっちり個性発揮という感じではなかったか。他の奏者から見れば、彼のソロ・パートもほんのオマケみたいな感じだった。マッチド・グリップ中心で叩く彼、ジャズ・マナーに則るのに、あんなにバスドラの足数が多い人は珍しいかも。なんか、彼の演奏に接し、人力ダブ・ドラミングをやらせたら上手そうとも感じた。
▶過去の、レッドマン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200904221307055009/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100905
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
▶過去の、ゴールドバーグ
http://43142.diarynote.jp/?day=20110704
http://43142.diarynote.jp/?day=20120608
http://43142.diarynote.jp/201304031026406106/
▶過去の、ロジャース
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
http://43142.diarynote.jp/200904221307055009/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
▶過去の、ギルモア
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201007261045442770/
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
▶過去の、ヘインズ
http://43142.diarynote.jp/?month=200906
http://43142.diarynote.jp/201112041055284606/
<今日の、アフター>
その後、ライヴを見た人たちと流れるが、お行儀のいいレッドマンが何かと掛け声を出したり、見えを切るようなポーズを今回見せていたことが話題にのぼる。優等生、ちょい無理目に陽性に振る舞う、の図。いい奴、なんだろうな。また、一人はベースとドラムの個性が乖離しすぎ、なぜリーダーはあのドラムを雇っているのかとのたまう。持ち味があっているとは思わなかったが、雑なぼくはそんなに気にはならなかったが。でも、なにかにつけて、このリーダーだからこそ生まれてくる聴後感はあったわけで、そう意味ではジョシュアイズムに満ち満ちていた? で、また”朝まで(飲み)コース”になってしまう……。って、それはレッドマンとはなんら関係がないが。
近く出るノンサッチ発の新作は、前作の周到に練られたストリング付き盤から通常路線にあるシンプルなトリオでの録音盤のようだが、今回のショウはピアニストを入れてのもので、それについては興味がひかれる。で、そのサイドマン内訳は、意気のいいNY若手を起用することにかけて定評のある渡辺貞夫のサポートほかでお馴染みのアーロン・ゴールドバーグ(2011年7月4日、2012年6月8日、2013年4月1日)、チャールズ・ロイドやダイアン・リーヴスなどのサポートで日本に来るとともにレッドマンの信任も厚いルーベン・ロジャース(2005年5月11日、2008年9月22日、2009年4月21日、2013年1月6日)、そしてロイ・ヘインズ(2009年6月1日、2011年11月29日)の孫でもあるというマーカス・ギルモア(2007年11月21日、2010年7月24日、2010年8月22日)。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。
まず、思ったのは、ジョシュアってこんなに、やせていたっけ? ということ。手の指が長く綺麗であるのも認知。で、息遣いがよく分るような距離で見ることができると、彼の技術の高さが良くわかる。それゆえ、知性と言い換えても50%は嘘にならないだろう抑制の取り方も手に取るように理解でき、そうした部分がぼくに、ジョシュア・レッドマンってはみ出さない、熱量が高くないと感じさせることに繋がっているとも思った。
スタンダードもロック曲も自作もクラシック曲(バッハ曲を静謐に披露)も適度に構成に凝った施しを介して、提出する。各奏者の音鳴りのバランスがいいこともあり、均整がとられているとも、それは感じさせるか。なんかなあと思わせるのは、親分以下、ゴールドバーグを除いて(たぶん)は、譜面を置いていたこと。それには、少し興ざめします。
純ジャズ界ではトップ級に話題を集めるドラマーであるマーカス・ギルモアを一番見たくてぼくは足を運んだが、この行き方だとばっちり個性発揮という感じではなかったか。他の奏者から見れば、彼のソロ・パートもほんのオマケみたいな感じだった。マッチド・グリップ中心で叩く彼、ジャズ・マナーに則るのに、あんなにバスドラの足数が多い人は珍しいかも。なんか、彼の演奏に接し、人力ダブ・ドラミングをやらせたら上手そうとも感じた。
▶過去の、レッドマン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200904221307055009/
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▶過去の、ゴールドバーグ
http://43142.diarynote.jp/?day=20110704
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http://43142.diarynote.jp/201304031026406106/
▶過去の、ロジャース
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
http://43142.diarynote.jp/200904221307055009/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
▶過去の、ギルモア
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201007261045442770/
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
▶過去の、ヘインズ
http://43142.diarynote.jp/?month=200906
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<今日の、アフター>
その後、ライヴを見た人たちと流れるが、お行儀のいいレッドマンが何かと掛け声を出したり、見えを切るようなポーズを今回見せていたことが話題にのぼる。優等生、ちょい無理目に陽性に振る舞う、の図。いい奴、なんだろうな。また、一人はベースとドラムの個性が乖離しすぎ、なぜリーダーはあのドラムを雇っているのかとのたまう。持ち味があっているとは思わなかったが、雑なぼくはそんなに気にはならなかったが。でも、なにかにつけて、このリーダーだからこそ生まれてくる聴後感はあったわけで、そう意味ではジョシュアイズムに満ち満ちていた? で、また”朝まで(飲み)コース”になってしまう……。って、それはレッドマンとはなんら関係がないが。
バライ、jew’s-ear
2014年5月17日 音楽 台湾原住民パイワン族の血統にあるシンガー・ソングライターの公演を、青山・月見ル君フで見る。アコースティック・ギターを弾きながら歌う当人をエレクトリック・ギター奏者とベーシストとドラマーがサポート。彼らは現地で活動するガガバンドというサポート用途バンドの選抜員のようで、ドラマーは日本人だったようだ。バライのはいていた赤色基調のパンツはパイワン族に伝わるものだったのだろうか。彼、言葉はパイワン語や北京語で歌っていたようだ。
へ〜え。1曲目はほぼバライ一人の弾き語りの曲だったのだが、個性と訴求力に富む声量の大きな歌声に触れて少々びっくり。見た目は、普通の青年なのだが、声の深さは40過ぎのおっさんもびっくり、という感じ。もう無条件で、ある固有の文化を引き継いでいると、それは感じさせる。また、曲調もまちがいなくパイワン族の何かを受けているナと、感じてしまう。
一部トラッド曲もやったようだが、巧みなコードの置き方をしているからかもしれないが、雄大さや風の感覚を持ちつつ、掛け声や詠唱的な雰囲気までもが無理なく“洋楽耳”になじむ。で、その伝承曲を聞いてぼくが思い出したのは、米国先住民の血を弾くジャズ・サックス奏者であるジム・パッパーの牧歌名曲「Witchi-Tai-To」。いや、なんか固有文化に対するこだわりは不思議な親和性を持つのか。
十分に西欧音楽文脈とは異なる何かを抱えつつ、一方では今様なロック流儀も持つ(電気ギタリストは、今のUKロック型響きのスタイルを示す)。いい聞き味は、いろいろ。かなりうきうきしながら、ぼくは彼に触れる。台湾に対する興味もまたあがった。彼はMCはコタコトの日本語でこなす。けっこう単語を覚えたのだろう、つっかえつつも自分の気持ちを伝えようとしているのが、よく伝わりました。台湾で肌の色が黒い人がいたら声をかけてください、その80%が先住民族ですから、みたいなMCも彼はしたか。
そんな彼がパフォーマンスする前には、大阪のインストゥルメンタル・バンドのjew’s-earが演奏。リード、キーボード/フルート、ギター、ベース、ドラムという編成の5人組。ときにジャム・バンド的なところも感じさせる、間口が広く敷居が柔らかい、しっかりとした演奏を披露。ほんの少し、エチオピア。ジャズぽくなる局面もあったか。ジャズ研流れのコンボなのかなと思ったら、MCで自ら<喫茶プログレ・バンド>と紹介する。プログ・ロック流れのバンドなのかしらん。とすれば、カンカン言っていたスネア音はビル・ブラフォードから来た? なんか、その音に接しながらP-ヴァインからアルバムが出されても驚かないなと思ったら、彼らは何年か前に同社からアルバムを出しているらしい。また、DCPRG(2001年9月22日、2011年7月31日)の解散ツアーにも前座で出た事があるという。そんな彼らはバライの曲をイビツなビート感覚のもとカヴァーしていて、それを披露するときバライは出て来て1曲歌った。バライの実演のとき叩いたのは、ここのドラマー?
そのあと、青山・プラッサ・オンゼに。<ラテン・ジャム、vol.11>という出し物をやっていて、出演者は高井汐人(テナー・サックス)、柴田亮太郎(ギター)、安西創(アコーディオン)、酒井タカフミ(パーカッション)。過去の回はベーシストやドラマーも入っていたようだが、今回は新たな設定で実演に望んでいるとのこと。ラテンと謳っているものの、参照する世界は広く、柴田(2011年6月7日)はフラメンコ・ギターをヘレスに居住して学んでいたこともあり、適切なフラメンコの薫りが入る場合もある。ぼくが見たセットでは、スティーヴィ・ワンダーの「リボン・イン・ザ・スカイ」やスティングの「イングリッシュ・マン・イン・ニューヨーク」といったポップ曲も無理なく取り上げていた。
通常はアルトやソプラノも吹くという高井(2011年7月31日)はテナー・サックスに専念していたが、その安定と豊かさを持つ吹き味には感心。2日前にジョシュア・レッドマンの丁寧なそれを聞いたばかりでもそう感じるので、かなりの実力者と見た。聞けば、普段はラテンものを中心にやっているものの、再結成後のDCRPG(2011年7月31日)に彼は加わっているという。菊地成孔(2001年9月22日、2002年11月30日、2004年7月6日、2004年8月12日、2005年6月9日、2006年1月21日、2007年11月7日、2009年7月19日、2010年3月26日、2011年4月22日、2011年5月5日、2011年7月31日、2013年3月26日、2013年7月27日、2014年2月20日、2014年4月3日)も彼の実力を認めているのね。
▶過去の、DCPRG
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20110731
▶過去の、柴田
http://43142.diarynote.jp/201106202134077974/
▶過去の、菊地
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200407062149440000/
http://43142.diarynote.jp/200408120238330000/
http://43142.diarynote.jp/200506120644360000/
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/200711101236210000/
http://43142.diarynote.jp/200907221011377741/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100326
http://43142.diarynote.jp/?day=20110422
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/?day=20110731
http://43142.diarynote.jp/201303290751204240/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130727
http://43142.diarynote.jp/201402210802184994/
http://43142.diarynote.jp/201404050818444425
<今日の、注釈>
文中に名前を出したジム・ペッパー(1941〜92年)はエンヤやアンティルズ/アイランド他にリーダー作を残すとともに、ポール・モーシャンやチャーリ・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)の表現にも関与してきているテナー主体のサックス奏者で、自らヴォーカルをとってもいる「Witchi-Tai-To」は彼の1971年作や1984年作で聞くことができる。そして、同曲はヒューマンな楽曲として一部のジャズ・マンからも愛されていて、ヤン・ガルバレク(2002年2月13日、2004年2月25日)は1974年ECM発の同名タイトルのアルバムでカヴァー。他にも、オレゴンやジャック・ディジョネット(2001年4月30日、2007年5月8日)などもこの曲を取り上げている。
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200909120650273142/
▶過去の、ガルバレク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200402251031510000/
▶過去の、ディジョネット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
へ〜え。1曲目はほぼバライ一人の弾き語りの曲だったのだが、個性と訴求力に富む声量の大きな歌声に触れて少々びっくり。見た目は、普通の青年なのだが、声の深さは40過ぎのおっさんもびっくり、という感じ。もう無条件で、ある固有の文化を引き継いでいると、それは感じさせる。また、曲調もまちがいなくパイワン族の何かを受けているナと、感じてしまう。
一部トラッド曲もやったようだが、巧みなコードの置き方をしているからかもしれないが、雄大さや風の感覚を持ちつつ、掛け声や詠唱的な雰囲気までもが無理なく“洋楽耳”になじむ。で、その伝承曲を聞いてぼくが思い出したのは、米国先住民の血を弾くジャズ・サックス奏者であるジム・パッパーの牧歌名曲「Witchi-Tai-To」。いや、なんか固有文化に対するこだわりは不思議な親和性を持つのか。
十分に西欧音楽文脈とは異なる何かを抱えつつ、一方では今様なロック流儀も持つ(電気ギタリストは、今のUKロック型響きのスタイルを示す)。いい聞き味は、いろいろ。かなりうきうきしながら、ぼくは彼に触れる。台湾に対する興味もまたあがった。彼はMCはコタコトの日本語でこなす。けっこう単語を覚えたのだろう、つっかえつつも自分の気持ちを伝えようとしているのが、よく伝わりました。台湾で肌の色が黒い人がいたら声をかけてください、その80%が先住民族ですから、みたいなMCも彼はしたか。
そんな彼がパフォーマンスする前には、大阪のインストゥルメンタル・バンドのjew’s-earが演奏。リード、キーボード/フルート、ギター、ベース、ドラムという編成の5人組。ときにジャム・バンド的なところも感じさせる、間口が広く敷居が柔らかい、しっかりとした演奏を披露。ほんの少し、エチオピア。ジャズぽくなる局面もあったか。ジャズ研流れのコンボなのかなと思ったら、MCで自ら<喫茶プログレ・バンド>と紹介する。プログ・ロック流れのバンドなのかしらん。とすれば、カンカン言っていたスネア音はビル・ブラフォードから来た? なんか、その音に接しながらP-ヴァインからアルバムが出されても驚かないなと思ったら、彼らは何年か前に同社からアルバムを出しているらしい。また、DCPRG(2001年9月22日、2011年7月31日)の解散ツアーにも前座で出た事があるという。そんな彼らはバライの曲をイビツなビート感覚のもとカヴァーしていて、それを披露するときバライは出て来て1曲歌った。バライの実演のとき叩いたのは、ここのドラマー?
そのあと、青山・プラッサ・オンゼに。<ラテン・ジャム、vol.11>という出し物をやっていて、出演者は高井汐人(テナー・サックス)、柴田亮太郎(ギター)、安西創(アコーディオン)、酒井タカフミ(パーカッション)。過去の回はベーシストやドラマーも入っていたようだが、今回は新たな設定で実演に望んでいるとのこと。ラテンと謳っているものの、参照する世界は広く、柴田(2011年6月7日)はフラメンコ・ギターをヘレスに居住して学んでいたこともあり、適切なフラメンコの薫りが入る場合もある。ぼくが見たセットでは、スティーヴィ・ワンダーの「リボン・イン・ザ・スカイ」やスティングの「イングリッシュ・マン・イン・ニューヨーク」といったポップ曲も無理なく取り上げていた。
通常はアルトやソプラノも吹くという高井(2011年7月31日)はテナー・サックスに専念していたが、その安定と豊かさを持つ吹き味には感心。2日前にジョシュア・レッドマンの丁寧なそれを聞いたばかりでもそう感じるので、かなりの実力者と見た。聞けば、普段はラテンものを中心にやっているものの、再結成後のDCRPG(2011年7月31日)に彼は加わっているという。菊地成孔(2001年9月22日、2002年11月30日、2004年7月6日、2004年8月12日、2005年6月9日、2006年1月21日、2007年11月7日、2009年7月19日、2010年3月26日、2011年4月22日、2011年5月5日、2011年7月31日、2013年3月26日、2013年7月27日、2014年2月20日、2014年4月3日)も彼の実力を認めているのね。
▶過去の、DCPRG
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20110731
▶過去の、柴田
http://43142.diarynote.jp/201106202134077974/
▶過去の、菊地
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http://43142.diarynote.jp/200407062149440000/
http://43142.diarynote.jp/200408120238330000/
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http://43142.diarynote.jp/200711101236210000/
http://43142.diarynote.jp/200907221011377741/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20110422
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<今日の、注釈>
文中に名前を出したジム・ペッパー(1941〜92年)はエンヤやアンティルズ/アイランド他にリーダー作を残すとともに、ポール・モーシャンやチャーリ・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)の表現にも関与してきているテナー主体のサックス奏者で、自らヴォーカルをとってもいる「Witchi-Tai-To」は彼の1971年作や1984年作で聞くことができる。そして、同曲はヒューマンな楽曲として一部のジャズ・マンからも愛されていて、ヤン・ガルバレク(2002年2月13日、2004年2月25日)は1974年ECM発の同名タイトルのアルバムでカヴァー。他にも、オレゴンやジャック・ディジョネット(2001年4月30日、2007年5月8日)などもこの曲を取り上げている。
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
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▶過去の、ガルバレク
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▶過去の、ディジョネット
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メアリー・ブラックはアイルランドの国民的歌手で、1990年代に6度も来日するなどしていた美声の実力派。彼女がいなかったら、今のような日本におけるアイルランドのトラッド音楽受容状況はここまで裾野が開いた状況にはなっていないのではないか。1955年5月生まれ(もうすぐ、誕生日)で今回は15年ぶりの来日。歳だしいということもあってか、遠征ライヴをやめることを彼女は明言しているようで、今回が最後の来日公演になると公言されている。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。
ギター、アコーディオン/キーボード、ウッド・ベース、アルト/ソプラノ・サックスという面々とともにステージに上がった彼女(ときにタンバリンやバウロンを手にする)はまさに悠々。来日をきに新たに組まれたベスト盤を聞いたときにも感じたが、その味は生理的にニュートラル。無理がなく、殻に閉じている感じがなく、かわりに開かれ、流れていく情緒があり。そして、やはり歌声は適切な質量感とともに、澄んでいて、潤いに満ちる。とともに、なにげにリズム感もちゃんとしてもいるのだな。いろんな点で、広い支持を受けるべき能力を持つ人であるのはすぐに分る。
現在凛としたシンガー・ソングライターとして活動中の娘のロシーン・オー(兄は人気バンド、コロナーズの中心人物)も途中で出てきて、いくつかの曲でコーラスを付けるとともに、自ら生ギターを手にしてジョニ・ミッチェル曲を歌った。その際、もちろん母も一緒に歌う。そういえば、メアリー・ブラックはミッチェルの旦那だったラリー・クラインのプロデュースでアルバムを作ったこともありましたね。
キャリアを俯瞰するようにいろんな曲を披露したが、アコーディオンが入った曲のほうがぼくにはいい感じで、なかにはザ・バンドぽいと感じられる方向性の曲もあり。ザ・バンドもケルティック・トラッド要素を持っていたということなのだろうけど。もうちょっとトラッド色の強い味付けでやってくれたならと感じるところもあったが、それは贅沢な“アイルランド音楽耳”をこちらも持つようになったということか。彼女が日本でまいた種は、いろいろとあるはずだ。
少しは体格が豊かになったかもしれないが、そんなに老けた感じも受けないし、実力が落ちているわけでもない。とても光栄という感じで、彼女はうれしそうにパフォーマンスしていた。でも、もっと悠々自適、晴耕雨読なスタンスで音楽を楽しみたいということなのだろう。
<今日の、最後>
ずっとぼくの髪の毛をカットし、色を染めたりしてきてくれたGくんが表参道のお店を5月で辞すというので、最後にはさみをいれてもらう。腕がたち、波長もなんとなくあった。彼ほど長く担当してもらった人は過去いない。感謝、です。次の人を紹介してくれたけど、彼の勧めならば……。
ギター、アコーディオン/キーボード、ウッド・ベース、アルト/ソプラノ・サックスという面々とともにステージに上がった彼女(ときにタンバリンやバウロンを手にする)はまさに悠々。来日をきに新たに組まれたベスト盤を聞いたときにも感じたが、その味は生理的にニュートラル。無理がなく、殻に閉じている感じがなく、かわりに開かれ、流れていく情緒があり。そして、やはり歌声は適切な質量感とともに、澄んでいて、潤いに満ちる。とともに、なにげにリズム感もちゃんとしてもいるのだな。いろんな点で、広い支持を受けるべき能力を持つ人であるのはすぐに分る。
現在凛としたシンガー・ソングライターとして活動中の娘のロシーン・オー(兄は人気バンド、コロナーズの中心人物)も途中で出てきて、いくつかの曲でコーラスを付けるとともに、自ら生ギターを手にしてジョニ・ミッチェル曲を歌った。その際、もちろん母も一緒に歌う。そういえば、メアリー・ブラックはミッチェルの旦那だったラリー・クラインのプロデュースでアルバムを作ったこともありましたね。
キャリアを俯瞰するようにいろんな曲を披露したが、アコーディオンが入った曲のほうがぼくにはいい感じで、なかにはザ・バンドぽいと感じられる方向性の曲もあり。ザ・バンドもケルティック・トラッド要素を持っていたということなのだろうけど。もうちょっとトラッド色の強い味付けでやってくれたならと感じるところもあったが、それは贅沢な“アイルランド音楽耳”をこちらも持つようになったということか。彼女が日本でまいた種は、いろいろとあるはずだ。
少しは体格が豊かになったかもしれないが、そんなに老けた感じも受けないし、実力が落ちているわけでもない。とても光栄という感じで、彼女はうれしそうにパフォーマンスしていた。でも、もっと悠々自適、晴耕雨読なスタンスで音楽を楽しみたいということなのだろう。
<今日の、最後>
ずっとぼくの髪の毛をカットし、色を染めたりしてきてくれたGくんが表参道のお店を5月で辞すというので、最後にはさみをいれてもらう。腕がたち、波長もなんとなくあった。彼ほど長く担当してもらった人は過去いない。感謝、です。次の人を紹介してくれたけど、彼の勧めならば……。
映画「ハーダー・ゼイ・カム」。ジミー・クリフ
2014年5月21日 音楽 シネマート六本木試写室で、1972年ジャマイカ映画の「ハーダー・ゼイ・カム」を見る。この夏にニュー・マスター版が上映されるのを、受けてのもの。名高い、好音楽映画(ながら、ちゃんとストーりーのある、非ドキュメンタリー映画)の一つ。とともに、そのサントラもレゲエ入門編としてよく知られますね。
ジミー・クリフ(2004年9月5日、2006年8月19日、2013年3月6日)主演、ジャマイカ生まれの白人で最初は英国で映像業界入りしたペリー・ヘンゼル監督/脚本。ジャマイカ初の劇場用映画となるそうだが、ジャマイカ〜レゲエを生んだ過酷な現場を伝える映画として、おやじ&おばはん世代の音楽ファンには必須科目のような映画だったとも言えるだろうか。そんなわけなので、ぼくは大昔米国に行ったさい真っ先に購入したVHS商品でもあったか。そのヴィデオはレコーダー廃棄とともに処分してしまったが、それは今、某ソウル焼き鳥バーにあるか。
そんなわけなんで、久しぶりに見たが、新鮮に見れたし、あれえこんなだったっけという部分もあり。教会のシーンはまんま、米国の黒人教会のようでへ〜え。で、様々な風景とレゲエ曲が合う。トゥーツ&ザ・メイタルズ(2004年9月17日)のスタジオ・シーンもうれし。
その後、六本木・ビルボードライブ東京で、現在のジミー・クリフのライヴを見る。なんというタイミングの合致。こういうとき、オレ様のぼくは日頃の行いがいいからだと、思ってしまう。←目出たい、バカ。
あの精悍でワイルドな若き日の様を見たすぐ後でも、ギャップを感じずに楽しめるのだから、これは素晴らしいな。バンドの格好やノリは前回(2013年3月6日)と同じ(全8人、打楽器奏者がいなくなった)だが、構成は結構変えていて、偉い。前回クロージングで見せたパーカッション&チャントのスピリチュアル調パートが今回のオープナーで、途中にスカ〜ロック・ステディというジャマイカン・ミュージックの流れを伝える小唄パートを置き、また前回はやらなかった「メニー・リヴァー・トゥ・クロス」を滅茶感動的に披露! 映画を見た後だと、いっそう感慨深し。また、映画「ハーダー・セイ・カム」出演を依頼された際の話を、「ハーダー・ゼイ・カム」を歌う前に今回彼はMCでした。さらに昨年との比較を記すなら、疾走ポーズは少なくなり、ギターを持って歌う曲が増えた。また、「ワイルド・ワールド」のときだけ、なぜかかなり音程が狂う。それを認知し、本人もびびっていた感じあり。客は満員、去年よりも反応は熱かった。
アイヴァン(クリフの映画中の役名)っと、ぼくは心のなかで呼びました。
▶過去の、クリフ
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/200608201821080000/
http://43142.diarynote.jp/201303070815313472/
▶過去の、トゥーツ
http://43142.diarynote.jp/200410071540230000/
<今日の、資料>
映画「ハーダー・ゼイ・カム」にお金を出したのは、クリス・ブラックウェル率いるアイランド・レコード。同映画はアイランド・レコードがレゲエを世界に向かって売り出すプロパガンダ用として作ったはず。そして、80年代中期にアイランド・レコードがワシントンD.C.のローカル・ファンクであるワシントン・ゴー・ゴーを広く売り出す際にも同じ手法を用い、D.C.が舞台の映画「グッド・トゥ・ゴー」を同社は制作したわけだ。と、ずっと、ぼくはそう認知していた。ところが、試写場でもらった資料には一切そういうことが書かれていない。あれれ、 記憶違いじゃないよな?
ジミー・クリフ(2004年9月5日、2006年8月19日、2013年3月6日)主演、ジャマイカ生まれの白人で最初は英国で映像業界入りしたペリー・ヘンゼル監督/脚本。ジャマイカ初の劇場用映画となるそうだが、ジャマイカ〜レゲエを生んだ過酷な現場を伝える映画として、おやじ&おばはん世代の音楽ファンには必須科目のような映画だったとも言えるだろうか。そんなわけなので、ぼくは大昔米国に行ったさい真っ先に購入したVHS商品でもあったか。そのヴィデオはレコーダー廃棄とともに処分してしまったが、それは今、某ソウル焼き鳥バーにあるか。
そんなわけなんで、久しぶりに見たが、新鮮に見れたし、あれえこんなだったっけという部分もあり。教会のシーンはまんま、米国の黒人教会のようでへ〜え。で、様々な風景とレゲエ曲が合う。トゥーツ&ザ・メイタルズ(2004年9月17日)のスタジオ・シーンもうれし。
その後、六本木・ビルボードライブ東京で、現在のジミー・クリフのライヴを見る。なんというタイミングの合致。こういうとき、オレ様のぼくは日頃の行いがいいからだと、思ってしまう。←目出たい、バカ。
あの精悍でワイルドな若き日の様を見たすぐ後でも、ギャップを感じずに楽しめるのだから、これは素晴らしいな。バンドの格好やノリは前回(2013年3月6日)と同じ(全8人、打楽器奏者がいなくなった)だが、構成は結構変えていて、偉い。前回クロージングで見せたパーカッション&チャントのスピリチュアル調パートが今回のオープナーで、途中にスカ〜ロック・ステディというジャマイカン・ミュージックの流れを伝える小唄パートを置き、また前回はやらなかった「メニー・リヴァー・トゥ・クロス」を滅茶感動的に披露! 映画を見た後だと、いっそう感慨深し。また、映画「ハーダー・セイ・カム」出演を依頼された際の話を、「ハーダー・ゼイ・カム」を歌う前に今回彼はMCでした。さらに昨年との比較を記すなら、疾走ポーズは少なくなり、ギターを持って歌う曲が増えた。また、「ワイルド・ワールド」のときだけ、なぜかかなり音程が狂う。それを認知し、本人もびびっていた感じあり。客は満員、去年よりも反応は熱かった。
アイヴァン(クリフの映画中の役名)っと、ぼくは心のなかで呼びました。
▶過去の、クリフ
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
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▶過去の、トゥーツ
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<今日の、資料>
映画「ハーダー・ゼイ・カム」にお金を出したのは、クリス・ブラックウェル率いるアイランド・レコード。同映画はアイランド・レコードがレゲエを世界に向かって売り出すプロパガンダ用として作ったはず。そして、80年代中期にアイランド・レコードがワシントンD.C.のローカル・ファンクであるワシントン・ゴー・ゴーを広く売り出す際にも同じ手法を用い、D.C.が舞台の映画「グッド・トゥ・ゴー」を同社は制作したわけだ。と、ずっと、ぼくはそう認知していた。ところが、試写場でもらった資料には一切そういうことが書かれていない。あれれ、 記憶違いじゃないよな?
ジャック・ディジョネット・トリオ
2014年5月22日 音楽 ジャズ界の“特別銘柄”と言っても語弊はないだろう、視点もワザも大いに持つ大御所ドラマー(2001年4月30日、2003年8月23日、2007年5月8日)の、トリオ編成による公演。南青山・ブルーノート、ファースト・ショウ。
サイド・マンはジョン・コルトレーンの息子(2013年8月18日)と、そのコルトレーンの黄金期を支えたベーシストのジミー・ギャリソンの息子(1999年5月11日、2001年12月27日、2009年11月12日)、ようはコルトレーン流れの奏者を擁する二人を起用してのもの。しかし、そのラヴィとマシューのお二人、名をなした父親たちと同じ持ち楽器……わあ。まあマシュー・ギャリソンはウッドとエレクトリックという事以上に持ち味は異なるが、ラヴィのほうはここのところ外見も父親と似て来ているか。彼の一番新しい2012年発表作はブルーノート発で、ドン・ウォズ(2013年2月15日)物件だ。
かつて丸顔が印象的だったディジョネットだが、痩せた。でも、演奏(マッチド・グリップで叩いていたような。かなり横からみていたので、よく分らなかったが)は闊達なり。で、なるほど、この変則(?)トリオであることを謳歌せん、フツーのジャズをやってもしょうがないぢゃん的な意志も滲ませるような演奏を鋭意披露。かなり長めの尺を持った1曲目はフレイズや局面を気ままに繋ぎつつ、アブストラクトな世界に遊ぶといった感じのもので、1部ギャリソンはPCで遊び音を入れたりもした。5弦フレットレスをペラペラ弾く彼の演奏をぼくは好きではないが、今回は複音弾き多用していて、それは良かった。コルトレーン曲をやったさいは、客席がわく。
ピアノ・アルバムも出している彼、1曲はドラム・セットから離れて、ピアノを弾く。そのヴォイシングが(40年来の付き合いの)キース・ジャレット(2001年4月30日、2007年5月8日)と同じと後の飲み会で指摘する人がいたが、それはぼくにはよく分らない。ともあれ、なんだかんだやはり面白い人であり、まだまだ刮目すべきものを出す御仁。ディジョネットの演奏やリーダーシップの取り方の随所から、ジャズの何かを照らし出す得体のしれない何かが露になっていたのは間違いのない事実であったから。
▶過去の、ディジョネット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
▶過去の、コルトレーン
http://43142.diarynote.jp/?day=20130818
▶過去の、ギャリソン
http://43142.diarynote.jp/200911141111322146/
▶過去の、ウォズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215
<今日の、いいかげん>
長年アップル社PCを使っているのに、ワン・クリックでいいものとダブル・クリックを必要とするものの区別を、ぜんぜん認知していない。ぜっかちなためもあるけど、ぼくはなんとなく多くをダブル・クリックで処理しちゃっているが、ワン・クリックでOKなのもありそう……。そんなヤツに、更に左右の区別があるウィンドウズ機種を扱えというのは無理か。20年前はオアシス流れで富士通機種を使っていたこともあるのだが、あー遥か遠い昔。あのころ、オレどーしてたんだろ?
サイド・マンはジョン・コルトレーンの息子(2013年8月18日)と、そのコルトレーンの黄金期を支えたベーシストのジミー・ギャリソンの息子(1999年5月11日、2001年12月27日、2009年11月12日)、ようはコルトレーン流れの奏者を擁する二人を起用してのもの。しかし、そのラヴィとマシューのお二人、名をなした父親たちと同じ持ち楽器……わあ。まあマシュー・ギャリソンはウッドとエレクトリックという事以上に持ち味は異なるが、ラヴィのほうはここのところ外見も父親と似て来ているか。彼の一番新しい2012年発表作はブルーノート発で、ドン・ウォズ(2013年2月15日)物件だ。
かつて丸顔が印象的だったディジョネットだが、痩せた。でも、演奏(マッチド・グリップで叩いていたような。かなり横からみていたので、よく分らなかったが)は闊達なり。で、なるほど、この変則(?)トリオであることを謳歌せん、フツーのジャズをやってもしょうがないぢゃん的な意志も滲ませるような演奏を鋭意披露。かなり長めの尺を持った1曲目はフレイズや局面を気ままに繋ぎつつ、アブストラクトな世界に遊ぶといった感じのもので、1部ギャリソンはPCで遊び音を入れたりもした。5弦フレットレスをペラペラ弾く彼の演奏をぼくは好きではないが、今回は複音弾き多用していて、それは良かった。コルトレーン曲をやったさいは、客席がわく。
ピアノ・アルバムも出している彼、1曲はドラム・セットから離れて、ピアノを弾く。そのヴォイシングが(40年来の付き合いの)キース・ジャレット(2001年4月30日、2007年5月8日)と同じと後の飲み会で指摘する人がいたが、それはぼくにはよく分らない。ともあれ、なんだかんだやはり面白い人であり、まだまだ刮目すべきものを出す御仁。ディジョネットの演奏やリーダーシップの取り方の随所から、ジャズの何かを照らし出す得体のしれない何かが露になっていたのは間違いのない事実であったから。
▶過去の、ディジョネット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
▶過去の、コルトレーン
http://43142.diarynote.jp/?day=20130818
▶過去の、ギャリソン
http://43142.diarynote.jp/200911141111322146/
▶過去の、ウォズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215
<今日の、いいかげん>
長年アップル社PCを使っているのに、ワン・クリックでいいものとダブル・クリックを必要とするものの区別を、ぜんぜん認知していない。ぜっかちなためもあるけど、ぼくはなんとなく多くをダブル・クリックで処理しちゃっているが、ワン・クリックでOKなのもありそう……。そんなヤツに、更に左右の区別があるウィンドウズ機種を扱えというのは無理か。20年前はオアシス流れで富士通機種を使っていたこともあるのだが、あー遥か遠い昔。あのころ、オレどーしてたんだろ?
ウーター・ヘメル。フローラ
2014年5月23日 音楽 六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。うひょう、女性客多し。そういえば、彼のようなルックスは、アジアの女性にとってもっとも魅力的に見える白人男性の系統という話を聞いたことがある。でも、ステージ上でのポーズの取り方は同性にとっては一部照れを覚えさせるか。そんなヘメル(2009年9月4日)はユニヴァーサル/デッカから離れ、自主盤『ポンパドール』を出したばかりだが、才人ベニー・シングス(2011年8月9日)との二人三脚体制を復活させた同作は、かなりなポップ・ミュージック好盤。これポール・マッカートニーの新作だよと言われて聞いたら、いまだ、こんなに和めるメロディアス曲が書け、懐かしさと現代性をはかりにかけたラヴリーなサウンド作りが出来るんだと、ぼくは大感激してしまうかもしれない。
キーボード、ギター(ときにジャジーな弾き方を見せる)、電気ベース、ドラム、パーカッションの面々は皆『ポンパドール』に参加していた面々。横の関係も抜群といった感じの彼らはアルバムで示したやんわり電気的サウンドをもっと生っぽく開く、という感じ。そして、そこにヘメルは嬉々として歌をのせていく。音楽院ではジャズを学び、世に出たきっかけはジャズ歌手競争会優勝ということもありジャジー・ポップ歌手ともされるヘメルだが、全体的にジャズ要素はあまりない(でも、珠玉の広がるポップ要素は山ほどある)ものの、ちょっとした歌のラインの取り方にはジャズ素養をうかがわせるところがあり。そこらあたりは、渋いナと思えた。
▶過去の、ヘメル
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771
▶過去の、ベニー・シングス
http://43142.diarynote.jp/201108101640579465/
ほんわかした気分で、青山・月見ル君想フに回る。ぼくが見に行ったのは、フローラというイスラエル人シンガー・ソングライター。すらりとした人で、見た目は20代後半といった感じか。英米のポップ・ミュージックのエッセンスをたっぷりと受けたタレントという認識を持っていたが、これが想定外の良さ。驚いた。機材をうまく用いる彼女一人によるパフォーマンスはまさに<イスラエル音響派>と言うべき輝きや醍醐味を抱えているのではないか。
プリセット音や自分の演奏音をリアルタイムに重ねたサウンドを介して自分の歌世界を開く様は、ここのところ見た人だと、ファナ・モリーナ(2002年9月7日、9月15日。2003年7月29日、2011年8月1日、2013年12月3日)やマイア・ヴィダル(2012年2月23日、2014年3月29日)を思い出させる。キーボード版ファナ・モリーナ、もしくはもう少し大人で静謐なマイア・ヴィダル……。お金と人材をちゃんと使えたなら、ビューク(2001年12月5日、2008 年2月22日)ぽいものを作れたりもするのではないかとも、彼女の実のあるパフォーマンスは思わせる。
そうしたサウンド作法のため、反復的なリフを多用しがちにはなるのだが、そうであっても的確な長さでまとめられた各曲はフックや歌心アリ。そして、英語で歌っているものの、どこかにイスラエルの欠片を感じさせる何かも少しはあるかも。2曲はアコースティック・ギターを持って歌い、その場合の電化処理はなし。うち、1曲はヘブライ語で歌った。
▶過去の、モリーナ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20110801
▶過去の、ヴィダル
http://43142.diarynote.jp/201203061821277995/
http://43142.diarynote.jp/201404031659169928/
http://43142.diarynote.jp/201312171240301597/
▶過去の、ビューク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200802230934310000/
2001年12月5日、2008 年2月22日
<今日の、情報>
な〜んとヘメル君、アジアに住みたいのだとか。マネージメントが許せば来年にはぜひに、とか、のたまう。へ〜え。アジアではモテまくるよと言うと、(うれしそうに笑いながら)でも、ぼくには決まった人がいるからと返す。ヘメルの新作には、彼の大好きな楽器的な歌唱方が得意な冒険心と洒脱心を無理なく持つジャズ・シンガーのマーク・マーフィー(1932年生まれ。2006年1月18日、2008年4月28日)の語りが入る曲があるが、過去ヘメルはマーフィーに個人レッスンを受けたこともあったそう。聞けば、なんとマーフィは現在ニュージャージーの老人ホームに入っているそうだ。見た目はサバけた若作りな人であったのだが……。今、親が東京に引っ越しかけていて、対老人問題は本当に身近であります。
▶過去の、マーフィー
http://43142.diarynote.jp/200601191505200000/
http://43142.diarynote.jp/200805031401060000/
キーボード、ギター(ときにジャジーな弾き方を見せる)、電気ベース、ドラム、パーカッションの面々は皆『ポンパドール』に参加していた面々。横の関係も抜群といった感じの彼らはアルバムで示したやんわり電気的サウンドをもっと生っぽく開く、という感じ。そして、そこにヘメルは嬉々として歌をのせていく。音楽院ではジャズを学び、世に出たきっかけはジャズ歌手競争会優勝ということもありジャジー・ポップ歌手ともされるヘメルだが、全体的にジャズ要素はあまりない(でも、珠玉の広がるポップ要素は山ほどある)ものの、ちょっとした歌のラインの取り方にはジャズ素養をうかがわせるところがあり。そこらあたりは、渋いナと思えた。
▶過去の、ヘメル
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771
▶過去の、ベニー・シングス
http://43142.diarynote.jp/201108101640579465/
ほんわかした気分で、青山・月見ル君想フに回る。ぼくが見に行ったのは、フローラというイスラエル人シンガー・ソングライター。すらりとした人で、見た目は20代後半といった感じか。英米のポップ・ミュージックのエッセンスをたっぷりと受けたタレントという認識を持っていたが、これが想定外の良さ。驚いた。機材をうまく用いる彼女一人によるパフォーマンスはまさに<イスラエル音響派>と言うべき輝きや醍醐味を抱えているのではないか。
プリセット音や自分の演奏音をリアルタイムに重ねたサウンドを介して自分の歌世界を開く様は、ここのところ見た人だと、ファナ・モリーナ(2002年9月7日、9月15日。2003年7月29日、2011年8月1日、2013年12月3日)やマイア・ヴィダル(2012年2月23日、2014年3月29日)を思い出させる。キーボード版ファナ・モリーナ、もしくはもう少し大人で静謐なマイア・ヴィダル……。お金と人材をちゃんと使えたなら、ビューク(2001年12月5日、2008 年2月22日)ぽいものを作れたりもするのではないかとも、彼女の実のあるパフォーマンスは思わせる。
そうしたサウンド作法のため、反復的なリフを多用しがちにはなるのだが、そうであっても的確な長さでまとめられた各曲はフックや歌心アリ。そして、英語で歌っているものの、どこかにイスラエルの欠片を感じさせる何かも少しはあるかも。2曲はアコースティック・ギターを持って歌い、その場合の電化処理はなし。うち、1曲はヘブライ語で歌った。
▶過去の、モリーナ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20110801
▶過去の、ヴィダル
http://43142.diarynote.jp/201203061821277995/
http://43142.diarynote.jp/201404031659169928/
http://43142.diarynote.jp/201312171240301597/
▶過去の、ビューク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200802230934310000/
2001年12月5日、2008 年2月22日
<今日の、情報>
な〜んとヘメル君、アジアに住みたいのだとか。マネージメントが許せば来年にはぜひに、とか、のたまう。へ〜え。アジアではモテまくるよと言うと、(うれしそうに笑いながら)でも、ぼくには決まった人がいるからと返す。ヘメルの新作には、彼の大好きな楽器的な歌唱方が得意な冒険心と洒脱心を無理なく持つジャズ・シンガーのマーク・マーフィー(1932年生まれ。2006年1月18日、2008年4月28日)の語りが入る曲があるが、過去ヘメルはマーフィーに個人レッスンを受けたこともあったそう。聞けば、なんとマーフィは現在ニュージャージーの老人ホームに入っているそうだ。見た目はサバけた若作りな人であったのだが……。今、親が東京に引っ越しかけていて、対老人問題は本当に身近であります。
▶過去の、マーフィー
http://43142.diarynote.jp/200601191505200000/
http://43142.diarynote.jp/200805031401060000/
笹久保伸&イルマ・オスノ
2014年5月24日 音楽 『アヤクーチョの雨』(2013年、チチブ/ビーンズ)は、昨年ぼくがトップ級に衝撃を受けたアルバムと躊躇なく言える。ペルー南部山岳地帯の女性歌手であるイルマ・オスノと、ペルーでの刮目すべき活動歴も持つ現代フォークロア・ギターの名手である笹久保伸の双頭名義作なのだが、現地伝統文化をたっぷり受け継いだオスノの喉力〜声質/抑揚〜メロディ感覚が無条件に凄すぎるっ! とともに、ペルーに育まれるギター流儀を抑えつつも、笹久保があっと驚くコンテンポラリーなサウンド・クリエイターであることをそこで示していることも、ぼくにはうれしい驚きだった。ああ、ここには全く異なる文化や環境があり、一方では今の風を受けてもいる……。そう、実感できるのって、なんと素敵なことなんだろう! ぼくは、パット・メセニーに取材したとき、今の彼なら絶対に刺激を受けるハズと、『アヤクーチョの雨』を渡した。
下北沢・Com. Cafe音倉、2部制にて。ともに、1曲目は笹久保のソロ演奏。ストロークするほうの右手は優美な動きをしているのに、左手も介して出てくる音はとっても複雑でひっかかりもあり、うわあ。その魔法のような様に、彼の実力者ぶりを再認識。そして以下は、バンド(?)にてパフォーマンス。オスノ(ヴォーカル)、笹久保(ギター。けっこう、曲ごとにチューニングを変えていた)、木村美保(ヴォーカル)、高木大輔(ギター)、横澤龍太郎(パーカッション)という面々。
けっこう、アルバムで提示されていた世界をなぞる形で、実演はすすめられる。スタジオ技術も駆使しただろうあの世界を実際に浮かび上がらせるのは、容易なことではないだろう。とくにコーラスをつけていた木村美保の存在にはびっくり。譜面を見っぱなしではあったが、彼女はあの独特なメロディ流れや発声の感じ〜アルバムにおけるオスノの歌のダブル・トラックの片方のほう〜を見事に担当する。木村さん、あなたすごいっ。ギターの高橋と一緒にユニットを組んだり、在日ファンク(2010年9月25日)他の人たちが集ったビッグ・バンドに入ったりしているようだが、名前を頭に刻んでおこう。イルマと彼女は、無伴奏でも1曲やったか。日本に7年間住んでいるというオスノは日本語でMCをしていた。
▶過去の、在日ファンク
http://43142.diarynote.jp/201009261258386231/
<今日の、あいーん>
笹久保伸&イルマ・オスノの公演の終わりのほう、後ろ髪を引かれる思いで会場を出る。そして、渋谷に。次のライヴの出演者とある人の間をつなぐため……。次のショウは10時半までやっていると思っていたら、9時半に会場についたら、ちょうど終わってしまった。ええっ。某氏があげた同公演のフェイスブック記事にはぼくの名前ものせられていますが、ほぼ見てませんからっ。かなしいなあ。
下北沢・Com. Cafe音倉、2部制にて。ともに、1曲目は笹久保のソロ演奏。ストロークするほうの右手は優美な動きをしているのに、左手も介して出てくる音はとっても複雑でひっかかりもあり、うわあ。その魔法のような様に、彼の実力者ぶりを再認識。そして以下は、バンド(?)にてパフォーマンス。オスノ(ヴォーカル)、笹久保(ギター。けっこう、曲ごとにチューニングを変えていた)、木村美保(ヴォーカル)、高木大輔(ギター)、横澤龍太郎(パーカッション)という面々。
けっこう、アルバムで提示されていた世界をなぞる形で、実演はすすめられる。スタジオ技術も駆使しただろうあの世界を実際に浮かび上がらせるのは、容易なことではないだろう。とくにコーラスをつけていた木村美保の存在にはびっくり。譜面を見っぱなしではあったが、彼女はあの独特なメロディ流れや発声の感じ〜アルバムにおけるオスノの歌のダブル・トラックの片方のほう〜を見事に担当する。木村さん、あなたすごいっ。ギターの高橋と一緒にユニットを組んだり、在日ファンク(2010年9月25日)他の人たちが集ったビッグ・バンドに入ったりしているようだが、名前を頭に刻んでおこう。イルマと彼女は、無伴奏でも1曲やったか。日本に7年間住んでいるというオスノは日本語でMCをしていた。
▶過去の、在日ファンク
http://43142.diarynote.jp/201009261258386231/
<今日の、あいーん>
笹久保伸&イルマ・オスノの公演の終わりのほう、後ろ髪を引かれる思いで会場を出る。そして、渋谷に。次のライヴの出演者とある人の間をつなぐため……。次のショウは10時半までやっていると思っていたら、9時半に会場についたら、ちょうど終わってしまった。ええっ。某氏があげた同公演のフェイスブック記事にはぼくの名前ものせられていますが、ほぼ見てませんからっ。かなしいなあ。
ホセ・ジェイムス(2008年9月18日、2010年11月11日、2011年1月12日、2012年2月18日、2012年9月13日、2013年2月15日)の現行バンドのトランペッターで、そのジェイムスのプロデュースでブルーノートから新作『ライジング・サン』をだした黒田卓也(2012年2月18日、2012年9月13日、2013年2月15日)のショウは、六本木・ビルボードライブ東京で。ファースト・ショウ。同行奏者は黒田と同じくNYに住む人たちで、大林武司(キーボード、ピアノ)、コーリー・キング(トロンボーン、少し歌。2013年2月15日、2013年6月4日)、ラシャーン・カーター(4弦のエレクトリック・ベース)、アダム・ジャクソン(ドラム)という面々で、実は彼らはみんな黒田の2012年作に入っていた人たち。彼らこそが黒田のワーキング・バンドの面々で、新作はジェイムス人脈の人も録音に駆り出されたと考えていいだろう。
ショウが始まって、まず思ったのはリズム・セクションがいける、ということ。きっちり立ったアクセントを付けることができるドラマーとペラペラではなくぐつぐつと低音部を埋めて行くベーシスト(しいて言うなら、ミシェル・ンデゲオチェロ〜2002年6月18日、2003年11月18日、2003年11月22日、2008年5月7日、2009年5月15日、2013年11月18日〜のタイプ。ソロは凡庸でやらなくていいと思ったが)の噛み合いが抜群。これは、今のビートだと思わせられる。商社マンのような風情の大林はそういう設定もあり、ピアノより電気ピアノを弾いたときのほうが映える。ただ、基本はピアニストのようで、近くスパイス・オブ・ライフから純ジャズのリーダー作を出すようだ。→追記。大林のアルバムではなく、彼が参画する二管の米日クインテットであるニュー・センチュリー・ジャズ・クインテットの『タイム・イズ・ナウ』。もろジャズ作品です。
そして、そんな土台のもと、黒田とコーリーの二管がのせられるわけだが、リード系楽器を入れずに、マウスピース系の金管をならべる方策は、並を排したいというキブンもなんとなく感じさせ、意志を持つと感じさせられもするか。その2人によるテーマ部の曲調や重なり、またちゃんと尺を取るソロは、きっちり伝統とつながったもの。伝統と今が無理なく出会う、実のあるジャズ・カルテット演奏はアンコールを含め1時間45分なされた。
▶過去の、黒田
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
▶過去の、キング
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224/
▶過去の、ジェイムズ
http://43142.diarynote.jp/200809191051472579/
http://43142.diarynote.jp/201011140051119042/
http://43142.diarynote.jp/201101131336421886/
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
▶過去の、ンデゲオチェロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200805090836380000/
http://43142.diarynote.jp/200905161026033788/
http://43142.diarynote.jp/201311191050581790/
<今日の、宣伝>
四谷の いーぐる(新宿区四谷1-8。03-3357-9857)で、いいオーディオ装置のもとレコードをかけて、おしゃべりをします。6月7日(土)午後3時半から、たっぷりと。料金は600円と飲み物代。予約はいりません。どうぞ、お気軽においでくさい。http://www.jazz-eagle.com/information.html
<4月にもった、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーを筆頭とする壊れたブラック・ミュージックの担い手たちを追う特集の第二弾です。場が“いーぐる”ということでジャズの動向に気を配る流れで前回は話を進めましたが、異端ジャズ側出身者のポップ側に位置せんとする音群が何気に好評でしたので、今回は1980年代後期に盛り上がったブラック・ロック・ムーヴメントの動きにも目を向けつつ、今にいたるウルマー流れのぶっこわれ黒人ギタリストたちのプロダクツを俯瞰します。ヴァーノン・リード、ジャン・ポール・ブレリー、ブランドン・ロス、ジェフ・リー・ジョンソン、などなど。美は乱調にあり……ギターという楽器をとっかかりとする、アフリカン・アメリカン音楽に流れ続ける素敵の意味を問い直します>
ショウが始まって、まず思ったのはリズム・セクションがいける、ということ。きっちり立ったアクセントを付けることができるドラマーとペラペラではなくぐつぐつと低音部を埋めて行くベーシスト(しいて言うなら、ミシェル・ンデゲオチェロ〜2002年6月18日、2003年11月18日、2003年11月22日、2008年5月7日、2009年5月15日、2013年11月18日〜のタイプ。ソロは凡庸でやらなくていいと思ったが)の噛み合いが抜群。これは、今のビートだと思わせられる。商社マンのような風情の大林はそういう設定もあり、ピアノより電気ピアノを弾いたときのほうが映える。ただ、基本はピアニストのようで、近くスパイス・オブ・ライフから純ジャズのリーダー作を出すようだ。→追記。大林のアルバムではなく、彼が参画する二管の米日クインテットであるニュー・センチュリー・ジャズ・クインテットの『タイム・イズ・ナウ』。もろジャズ作品です。
そして、そんな土台のもと、黒田とコーリーの二管がのせられるわけだが、リード系楽器を入れずに、マウスピース系の金管をならべる方策は、並を排したいというキブンもなんとなく感じさせ、意志を持つと感じさせられもするか。その2人によるテーマ部の曲調や重なり、またちゃんと尺を取るソロは、きっちり伝統とつながったもの。伝統と今が無理なく出会う、実のあるジャズ・カルテット演奏はアンコールを含め1時間45分なされた。
▶過去の、黒田
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
▶過去の、キング
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224/
▶過去の、ジェイムズ
http://43142.diarynote.jp/200809191051472579/
http://43142.diarynote.jp/201011140051119042/
http://43142.diarynote.jp/201101131336421886/
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
▶過去の、ンデゲオチェロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200805090836380000/
http://43142.diarynote.jp/200905161026033788/
http://43142.diarynote.jp/201311191050581790/
<今日の、宣伝>
四谷の いーぐる(新宿区四谷1-8。03-3357-9857)で、いいオーディオ装置のもとレコードをかけて、おしゃべりをします。6月7日(土)午後3時半から、たっぷりと。料金は600円と飲み物代。予約はいりません。どうぞ、お気軽においでくさい。http://www.jazz-eagle.com/information.html
<4月にもった、ジェイムズ・ブラッド・ウルマーを筆頭とする壊れたブラック・ミュージックの担い手たちを追う特集の第二弾です。場が“いーぐる”ということでジャズの動向に気を配る流れで前回は話を進めましたが、異端ジャズ側出身者のポップ側に位置せんとする音群が何気に好評でしたので、今回は1980年代後期に盛り上がったブラック・ロック・ムーヴメントの動きにも目を向けつつ、今にいたるウルマー流れのぶっこわれ黒人ギタリストたちのプロダクツを俯瞰します。ヴァーノン・リード、ジャン・ポール・ブレリー、ブランドン・ロス、ジェフ・リー・ジョンソン、などなど。美は乱調にあり……ギターという楽器をとっかかりとする、アフリカン・アメリカン音楽に流れ続ける素敵の意味を問い直します>
映画「ア・ドラマーズ・ドリーム」。ハーヴィ・メイソン“カメレオン”
2014年5月28日 音楽 今日は、ドラマーの日?
まず、赤坂・カナダ大使館のオスカー・ピータソン・シアターで、ドラム奏者を扱った2010年映画を見る。カナダ人ドキュメンタリー映画監督のジョン・ウォーカーの作品、なんでも現在カナダの映画の作り手は世界的に脚光を浴びているらしい。
映画の素材/成り立ちは、わりとシンプル。かつてディジー・ガレスピーのバンドに入っていたことがあり、今はドラム講師を生業にしているカナダ人ドラマーであるナシル・アブダル・アルカビールが主宰する、カナダの自然豊かな田舎で1週間持たれたドラマーを志す青少年対象のサマー・キャンプの様を追っている。出てくるドラマー(講師)は、要塞のようなセットを採用するドリーム・シアターのマイク・マンジーニ、キューバン・ニューヨーカーのオラシオ”エル・ネグロ”エルナンデス(2000年1月12日、2001年5月15日、2002年10月3日、2003年8月9日、2004年4月5日、2009年11月12日、2011年12月8日、2014年1月10日)、今年エルナンデスと一緒に来日もしているラテン・パーカッションの匠であるプエルトリコ出身のジョヴァンニ・イダルゴ(2012年5月11日、2014年1月10日)、現在サンタナ・バンドでの同僚でもあるドラマーのデニス・チェンバース(2013年3月12日。元は、P-ファンク出身)と打楽器奏者のラウル・リコウ(2013年3月12日。見た目は“ぽい”が、フィリピンとアメリカ南部の両親を持ち、ラテンの血は入っていないと発言)、NYジャズ・フュージョン界で活動するケンウッド・デナードという面々。
基本、彼らの生徒を前にするソロ演奏が映され、インタヴュー発言が並んでいる。また、同業奏者間のやりとりや、少し生徒の様や発言も入れられる。みんな純度の高いソロを披露するが、ケンウッド・デナードは片手でキーボードも扱い、またラップをしながら叩く。へえ、そんなことする人なのか。自然のもとでのゆったりした環境も手伝って、皆伸び伸び、発言は何気に金言もあり。最後は講師陣全員による合同演奏だが、その際はキーボード奏者やベース奏者やサックス奏者が入るのは残念。最後まで、ドラマーとパーカッション奏者だけの演奏で通してほしかった。
見た後のキブンは、すこぶる良し。というのも、そこには、いい意味で“きれいごと”しか、ないから。ショーバイや打算抜きのドラム愛やパーカッション愛、またその楽器の素敵が、ここには明解に切り取られている。本作は2011年の東京映画祭での<エコ部門>で上映されたというが、ふむ、人間力は何にも負けぬエコでもあるか。監督のジョン・ウォーカーは青年期にカメラマン修行をするとともに、バンドでドラムを叩いたことがあったのだとか。この映画、海外ではDVD化もされているようだ。
▶過去の、エル・ネグロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm キップ・ハンラハン
http://43142.diarynote.jp/200404050925340000/
http://43142.diarynote.jp/200911141111322146/
http://43142.diarynote.jp/201112171635194708/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140110
▶過去の、イダルゴ
http://43142.diarynote.jp/201205131715485366/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140110
▶過去の、チェンバースとリコウ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130312
そして、南青山・ブルーノート東京に向かい、敏腕ドラマーであるハーヴィ・メイソンのリーダー・バンドの実演(セカンド・ショウ)を見る。
多くの人の記憶に焼き付けられた印象深い曲「カメレオン」が入っていたハービ−・ハンコックの『ヘッドハンターズ』(コロムビア、1973年)に新進ドラマーとして加わり、同作の大ヒットもあり、その後スター・ドラマーの道を歩んだメイソンの“カメレオン”を名乗る公演(2010年7月9日)はこれで2度目のもの。この間に彼は「カメレオン」をタイトルに据えたリーダー・アルバムを作り、前回とは電気ベースのジミー・ハスリップ(2004年3月24日、2004年12月17日、2010年7月9日、2010年10月1日)以外はすべて異なる顔ぶれのもと、今回のショウを持った。
とはいえ、レコーディング参加し得難い今っぽい浮遊感/情緒を与えていたクリス・バワーズやマーク・ド・クライヴ-ロウ(2006年3月9日)ら鍵盤奏者が未同行なのは少し残念。ながら、アルバムにも参加していた新進メロウR&B歌手のクリス・ターナーは一緒にやってきた。クリス・バワーズやエリマージ(2013年6月4日)のアルバムなどでもフィーチャーされている、このしなやか歌手にまず触れるのが今公演のぼくの目的なり。クインシー・ジョーンズ/リオン・ウェアの「イフ・アイ・エヴァー・ルーズ・ディス・ヘヴン」、ドナルド・バード/ザ・マイゼル・ブラザースの「プレイセズ・アンド・スペイセズ」、チャーリー・チャップリンの「スマイル」の3曲で彼は美声を聞かせる。
他に奏者は、ピアノ/キーボードのジョン・ビーズリー(2011年12月8日)、キーボードのフィリップ・ウー(2007年6月6日、2009年5月26日、2012年9月9日)、リード奏者のカマシ・ワシントン。アルバム『カメレオン』にも参加していた、なかなか迫力のある外見を持つワシントン(1981年、LA生まれ)は青筋たてた真面ジャズからヒップホップ系レコーディングまでいろいろと臨機応変に吹いている人物だが、そのブロウはヘヴィにして、滅茶本格派。彼の威風堂々なソロは今回の設定の場合、浮き気味とも感じる。
90分ぐらいはやったろう公演、なんとアンコールはメイソン一人が出て来て、ドラム・ソロを披露する。一瞬ロバート・グラスパーもライヴでよく披露しているハンコック曲「アクチャル・プルーフ」の印象的なリズム・パターンを叩いたりもしたが、基本的に哲学的すぎて、その面白さがぼくにはいまいち分らなかった。
▶過去の、メイソン
http://43142.diarynote.jp/201007110625087085/
▶過去の、ハスリップ
http://43142.diarynote.jp/?day=20040324
http://43142.diarynote.jp/?day=20041217
http://43142.diarynote.jp/?day=20100709
http://43142.diarynote.jp/201010030954188035/
▶過去の、ビースリー
http://43142.diarynote.jp/201112171635194708/
▶過去の、ウー
http://43142.diarynote.jp/200706131357530000/
http://43142.diarynote.jp/200905271738046764/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120909
▶過去の、クライヴ・ロウ
http://43142.diarynote.jp/200603100922500000/
▶過去の、エリマージ
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224/
<今日の、新聞>
夕刊一面に、キューバが自国野球選手の米国球団以外のプロ選手化容認する由の記事がのせられていた。すでに、東京ジャイアンツにはセペダという打者が加入しているのか。へえ。記事では、彼らがキューバの新たな外貨獲得手段になっているとも指摘されている。野球選手と比較にならないぐらい、キューバ在住でも国外に出ている音楽家は多いが、彼らの場合も同様なのだろうか。
まず、赤坂・カナダ大使館のオスカー・ピータソン・シアターで、ドラム奏者を扱った2010年映画を見る。カナダ人ドキュメンタリー映画監督のジョン・ウォーカーの作品、なんでも現在カナダの映画の作り手は世界的に脚光を浴びているらしい。
映画の素材/成り立ちは、わりとシンプル。かつてディジー・ガレスピーのバンドに入っていたことがあり、今はドラム講師を生業にしているカナダ人ドラマーであるナシル・アブダル・アルカビールが主宰する、カナダの自然豊かな田舎で1週間持たれたドラマーを志す青少年対象のサマー・キャンプの様を追っている。出てくるドラマー(講師)は、要塞のようなセットを採用するドリーム・シアターのマイク・マンジーニ、キューバン・ニューヨーカーのオラシオ”エル・ネグロ”エルナンデス(2000年1月12日、2001年5月15日、2002年10月3日、2003年8月9日、2004年4月5日、2009年11月12日、2011年12月8日、2014年1月10日)、今年エルナンデスと一緒に来日もしているラテン・パーカッションの匠であるプエルトリコ出身のジョヴァンニ・イダルゴ(2012年5月11日、2014年1月10日)、現在サンタナ・バンドでの同僚でもあるドラマーのデニス・チェンバース(2013年3月12日。元は、P-ファンク出身)と打楽器奏者のラウル・リコウ(2013年3月12日。見た目は“ぽい”が、フィリピンとアメリカ南部の両親を持ち、ラテンの血は入っていないと発言)、NYジャズ・フュージョン界で活動するケンウッド・デナードという面々。
基本、彼らの生徒を前にするソロ演奏が映され、インタヴュー発言が並んでいる。また、同業奏者間のやりとりや、少し生徒の様や発言も入れられる。みんな純度の高いソロを披露するが、ケンウッド・デナードは片手でキーボードも扱い、またラップをしながら叩く。へえ、そんなことする人なのか。自然のもとでのゆったりした環境も手伝って、皆伸び伸び、発言は何気に金言もあり。最後は講師陣全員による合同演奏だが、その際はキーボード奏者やベース奏者やサックス奏者が入るのは残念。最後まで、ドラマーとパーカッション奏者だけの演奏で通してほしかった。
見た後のキブンは、すこぶる良し。というのも、そこには、いい意味で“きれいごと”しか、ないから。ショーバイや打算抜きのドラム愛やパーカッション愛、またその楽器の素敵が、ここには明解に切り取られている。本作は2011年の東京映画祭での<エコ部門>で上映されたというが、ふむ、人間力は何にも負けぬエコでもあるか。監督のジョン・ウォーカーは青年期にカメラマン修行をするとともに、バンドでドラムを叩いたことがあったのだとか。この映画、海外ではDVD化もされているようだ。
▶過去の、エル・ネグロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm キップ・ハンラハン
http://43142.diarynote.jp/200404050925340000/
http://43142.diarynote.jp/200911141111322146/
http://43142.diarynote.jp/201112171635194708/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140110
▶過去の、イダルゴ
http://43142.diarynote.jp/201205131715485366/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140110
▶過去の、チェンバースとリコウ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130312
そして、南青山・ブルーノート東京に向かい、敏腕ドラマーであるハーヴィ・メイソンのリーダー・バンドの実演(セカンド・ショウ)を見る。
多くの人の記憶に焼き付けられた印象深い曲「カメレオン」が入っていたハービ−・ハンコックの『ヘッドハンターズ』(コロムビア、1973年)に新進ドラマーとして加わり、同作の大ヒットもあり、その後スター・ドラマーの道を歩んだメイソンの“カメレオン”を名乗る公演(2010年7月9日)はこれで2度目のもの。この間に彼は「カメレオン」をタイトルに据えたリーダー・アルバムを作り、前回とは電気ベースのジミー・ハスリップ(2004年3月24日、2004年12月17日、2010年7月9日、2010年10月1日)以外はすべて異なる顔ぶれのもと、今回のショウを持った。
とはいえ、レコーディング参加し得難い今っぽい浮遊感/情緒を与えていたクリス・バワーズやマーク・ド・クライヴ-ロウ(2006年3月9日)ら鍵盤奏者が未同行なのは少し残念。ながら、アルバムにも参加していた新進メロウR&B歌手のクリス・ターナーは一緒にやってきた。クリス・バワーズやエリマージ(2013年6月4日)のアルバムなどでもフィーチャーされている、このしなやか歌手にまず触れるのが今公演のぼくの目的なり。クインシー・ジョーンズ/リオン・ウェアの「イフ・アイ・エヴァー・ルーズ・ディス・ヘヴン」、ドナルド・バード/ザ・マイゼル・ブラザースの「プレイセズ・アンド・スペイセズ」、チャーリー・チャップリンの「スマイル」の3曲で彼は美声を聞かせる。
他に奏者は、ピアノ/キーボードのジョン・ビーズリー(2011年12月8日)、キーボードのフィリップ・ウー(2007年6月6日、2009年5月26日、2012年9月9日)、リード奏者のカマシ・ワシントン。アルバム『カメレオン』にも参加していた、なかなか迫力のある外見を持つワシントン(1981年、LA生まれ)は青筋たてた真面ジャズからヒップホップ系レコーディングまでいろいろと臨機応変に吹いている人物だが、そのブロウはヘヴィにして、滅茶本格派。彼の威風堂々なソロは今回の設定の場合、浮き気味とも感じる。
90分ぐらいはやったろう公演、なんとアンコールはメイソン一人が出て来て、ドラム・ソロを披露する。一瞬ロバート・グラスパーもライヴでよく披露しているハンコック曲「アクチャル・プルーフ」の印象的なリズム・パターンを叩いたりもしたが、基本的に哲学的すぎて、その面白さがぼくにはいまいち分らなかった。
▶過去の、メイソン
http://43142.diarynote.jp/201007110625087085/
▶過去の、ハスリップ
http://43142.diarynote.jp/?day=20040324
http://43142.diarynote.jp/?day=20041217
http://43142.diarynote.jp/?day=20100709
http://43142.diarynote.jp/201010030954188035/
▶過去の、ビースリー
http://43142.diarynote.jp/201112171635194708/
▶過去の、ウー
http://43142.diarynote.jp/200706131357530000/
http://43142.diarynote.jp/200905271738046764/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120909
▶過去の、クライヴ・ロウ
http://43142.diarynote.jp/200603100922500000/
▶過去の、エリマージ
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224/
<今日の、新聞>
夕刊一面に、キューバが自国野球選手の米国球団以外のプロ選手化容認する由の記事がのせられていた。すでに、東京ジャイアンツにはセペダという打者が加入しているのか。へえ。記事では、彼らがキューバの新たな外貨獲得手段になっているとも指摘されている。野球選手と比較にならないぐらい、キューバ在住でも国外に出ている音楽家は多いが、彼らの場合も同様なのだろうか。
オーストラリア音楽ショーケース
2014年5月31日 音楽 豪州の担い手を紹介しましょう、という催し。恵比寿・リキッドルーム。ソウルやグルーヴと繋がった担い手を集めた、という指摘も可能なのかな。
ショーケースと名乗るイヴェントだが、45分から1時間半まで出演者たちの演奏時間はたっぷりと取る。で、ぼくは2番目の出演者であるジョーンズJnrから拝見。ちなみに、1番目の出演者であるオスカー・キー・サングの鍵盤を弾きながらのソロ・パフォーマンスはジェイムズ・ブレイク(2011年10月12日、2013年6月4日)的なものだったと言う人がおりました。
ジョーンズJNRはソウルフルに歌う白人シンガーとパッドなども用いるDJの組み合わせのユニットで、無理のない現代ブルー・アイド・ソウルを送り出す。ゴスペル的な語彙も上手く用いる曲もあったりし、そんなに年はいっていないと思うが手練と思わせるところもアリ。なのに、一方では初々しいと感じさられたりもしたのは、彼らが持つ真心ゆえか。
次に出たのは、ザ・シャオリン・アフロノーツという三管(バリトン、トランペット、トロンボーン)を擁する8人組。皆変テコな民族調(?)衣装を身にまとい、アフロビート流れのインストをぐいぐいっと披露していく。そして、最後の出演者は今回モーションブルー・ヨコハマの単独公演も組まれているザ・バンブーズ。彼らも三管を擁するバンドだが、最初に出て来て歌ったおばさんのときはR&B流儀で突き進み、シンガーが金髪の若目のおねーちゃんに代わるともっとキャッチーなビート・ポップ調の曲をやる。けっこう、感じが違う。最後まで見ることができなかったのだが、その二人のシンガーが一緒に歌うこともあったのだろうか。
▶過去の、ブレイク
http://43142.diarynote.jp/201110161924242614/
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224/
<今日の、飛行機雲>
昼間はこれいじょう望むべくもないという、晴天。ライヴに向かう前に、知人による野外飲み会に参加し、とっても気分が良い。で、ほろ酔いキブンでライヴ会場に向かうとき、ちょうど渋谷で1964年の東京オリンピック開会式のアトラクションを再現するという、航空自衛隊の曲乗り飛行隊5機の飛行を見る。なんか、得したキブン。お、飛行機雲って、すぐに消えるんだな。
ショーケースと名乗るイヴェントだが、45分から1時間半まで出演者たちの演奏時間はたっぷりと取る。で、ぼくは2番目の出演者であるジョーンズJnrから拝見。ちなみに、1番目の出演者であるオスカー・キー・サングの鍵盤を弾きながらのソロ・パフォーマンスはジェイムズ・ブレイク(2011年10月12日、2013年6月4日)的なものだったと言う人がおりました。
ジョーンズJNRはソウルフルに歌う白人シンガーとパッドなども用いるDJの組み合わせのユニットで、無理のない現代ブルー・アイド・ソウルを送り出す。ゴスペル的な語彙も上手く用いる曲もあったりし、そんなに年はいっていないと思うが手練と思わせるところもアリ。なのに、一方では初々しいと感じさられたりもしたのは、彼らが持つ真心ゆえか。
次に出たのは、ザ・シャオリン・アフロノーツという三管(バリトン、トランペット、トロンボーン)を擁する8人組。皆変テコな民族調(?)衣装を身にまとい、アフロビート流れのインストをぐいぐいっと披露していく。そして、最後の出演者は今回モーションブルー・ヨコハマの単独公演も組まれているザ・バンブーズ。彼らも三管を擁するバンドだが、最初に出て来て歌ったおばさんのときはR&B流儀で突き進み、シンガーが金髪の若目のおねーちゃんに代わるともっとキャッチーなビート・ポップ調の曲をやる。けっこう、感じが違う。最後まで見ることができなかったのだが、その二人のシンガーが一緒に歌うこともあったのだろうか。
▶過去の、ブレイク
http://43142.diarynote.jp/201110161924242614/
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224/
<今日の、飛行機雲>
昼間はこれいじょう望むべくもないという、晴天。ライヴに向かう前に、知人による野外飲み会に参加し、とっても気分が良い。で、ほろ酔いキブンでライヴ会場に向かうとき、ちょうど渋谷で1964年の東京オリンピック開会式のアトラクションを再現するという、航空自衛隊の曲乗り飛行隊5機の飛行を見る。なんか、得したキブン。お、飛行機雲って、すぐに消えるんだな。