外苑前・GAGA本社試写室で、2018年アルゼンチン/スペイン映画「永遠に僕のもの」(原題:「El Angel」)を見る。監督は1980年ブエノスアイレス生まれの、ルイス・オルテガ。同国では知らない人はいないという1971年に実際に起こった美青年凶悪犯罪(その犯人は今も収監中という)にインスパイアされた映画で、アルゼンチンでは昨年のNo. 1ヒット作となったという。今月中旬から、ロードショー公開される。
 
 主役は有名俳優の子息でラッパーもやっているというロレンソ・フェロ。ぼくはもっと美少年を使った方がアトラクティヴになるかと思ったが、まあ女性には受けそうで、思春期の説明のつかないモヤモヤは出していよう。意気がりや甘え、同性愛も示唆するようなうつろう思慕とかがいろいろ絡まり、普通の家庭に育った青年がなぜかばんばん人を殺す盗人になっちゃい、常軌を逸した行動に出たか〜というストーリーを、それなりに風情のある映像とともに描いている。

 時は1971年で場所はブエノスアイレス(そんなに同地の形而上は描かれない)、言葉はもちろんスペイン語だ。劇伴はあまり流れず、おそらく当時のアルゼンチンのポップスが場に合わせて次々に使われる。大詰めの場面で用いられるのは、1930年代の米国トラッドでボブ・ディランやザ・アニマルズのヴァージョンでも知られる「朝日のあたる家」のスペイン語カヴァー曲だった。

 その後移動し、丸の内・コットンクラブ。アート・ブレイキー、レイ・ブラウン、ジム・ホール(2005年1月18日、2012年6月4日)などの巨匠からの需要もあり(ブレイキーに最初に声をかけられたのは、17才だったと言われる)、90年代はサニーサイド、ブルーノート、コロムビアなどからリーダー作を出しかなり秀英であることを強く印象付け、一方では妙な捌け具合(?)も持ち、石垣出身のシンガー/三線奏者の大島保克(2015年2月26日)との双頭アルバムも2007年に日本のビクターから出していたりもするジェフリー・キーザー(2005年1月18日、2006年9月17日、2015年7月9日、2018年11月26日)のリーダー公演を見る。ファースト・ショウ。当初はジェフ・キーザーとリーダー・アルバムで表記していたものの、彼はいつのまにか素直にジェフリー・キーザーと名乗るようになっている。

 トリオによる公演で、ベースのリッチー・グッズ(2018年7月26日)とドラマーのジョン・ウィカンを従える。グッズのことを「アメイジング!」と紹介していたが、バランスを崩すその音のデカさには驚く。なんで? ハービー・ハンコック抜きのヘッドハンターズの2011年作に入るなど普段はエレクトリック・ベースを弾く仕事も彼は少なくないようだが、この日も2曲でエレクトリック・ベースを手にする。その際もキーザーは素直にピアノを弾き、わざわざエレクトリック・ベースを弾かせた意図が分らなかったな。ドラマーはレギュラー/マッチド・グリップ併用のもと、そつなく曲趣に合わせたビートを供給。彼、カナダ出身の女性トランペッターのイングリッド・ジャンセン(2010年9月4日、2012年12月17日)の作品によく参加していたりする。昨年出たキーザーの新作はキックスターターで資金調達して作ったトリオ作『On My Way to You』(5曲はギラン・ゴーゴットという歌える女性歌手をフィーチャー)だが、そのアルバムと今回のリズム隊は異なる。

 過去のアルバムもそうだが、キーザーはオリジナルにあまり固執せず鷹揚にスタンダード/他人曲をとりあげて、個をださんとする御仁。一部右手だけエレクトリック・キーボードでソロを取る時もあったが、基本はアコースティック・ピアノを十全に鳴らす。そして、そうしたパフォーマンスから浮かび上がるのは、彼は本当に清新なピアノ音(色)を出すことができるということ。フレーズや曲処理がどうこうと言うより〜それは期待していたより、わりとフツーな感じ〜も、そのピアノ総体のぽっかり浮かび上がる音場のようなものにぼくは頷いた。

 ところで、キーザーはかなりまっとうなイントネーションで「ありがとうございます」と言い、一部に日本語の言葉もメモなどを見ずにした。かなり前に彼の奥さんは日本人という話をきいたこともあったような気もするのだが、そこらへんどうなのだろう。

▶︎過去の、ジム・ホール
http://43142.diarynote.jp/200501222324430000/
http://43142.diarynote.jp/201206110916017268/
▶︎過去の、ジェフリー・キーザー
http://43142.diarynote.jp/200501222324430000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060917
http://43142.diarynote.jp/201507110856518338/
https://43142.diarynote.jp/201811271055049781/
▶︎過去の、リッチー・グッズ
https://43142.diarynote.jp/201807271129401694/
▶︎過去の、イングリッド・ジェンセン
https://43142.diarynote.jp/201009151537076176/
https://43142.diarynote.jp/?day=20121217
▶︎過去の、大島保克
https://43142.diarynote.jp/201502271422421282/

<今夏の、諦め>
 今年は例年の夏場と違いあまり暑くなくていいなあなぞと思っていたら、ここ1週間は外に出る時以外は、室温設定は<自動+2℃>ではあるものの(でないと、体が冷えてダメ)、寝るときもエアコンはつけっぱなし。←昨年から、ノーエアコンなエコ男標榜は完全にやめました。新しい、立派なエアコンに買い替えちゃったし。んなわけもあり、家から外に出た際に感じる高湿高温さにはかなり絶望的なキブンを得ておる。で、あぁ今年もやはり秋までキホン死んだふりかなあと思っていたら、試写会を見てライヴ会場に向かう際に、なんか体調が芳しくないなあという思いにとらわれる。とともに、6時起床で14時ちょいまで根を詰めて原稿書きをやったというものの最低限の睡眠時間は取っているはずなのに、かなりな眠気も感じてしまう。そういえば、ここんとこ普段、昼寝もしているか。え〜ん、もう夏バテ? 猛暑ダレ? とほほ。
 南青山・ブルーノート東京、在LAのブルー・アイド・ソウルのシンガー/ソングライターを見る。ファースト・ショウ。彼、ビルト・アン・アーク(2004年11月27日)、ジャック・ギャレット、ヴルフペック、モッキーなどいろんな技ありアーティスト表現に助力してきている人で、メロディと満たされた情緒に溢れたリーダー作を2枚(かな?)リリースしている。それらは時代が時代なら、ポスト“ダリル・ホール(2005年3月21日、2011年2月28日)”みたいな売り方をしたがるメジャーもあった?

 マルチ・プレイヤーぽい彼であるが、ここでは電気ピアノ(フェンダーで、同じ音色ですべてをこなす)を弾きながら歌い、1曲はギタリストのギターを借りてギターを弾きながら歌う。サポートは、ギターのジェイムス・コーネリソン、ベースのジョー・ダート、そしてドラマーのジュリアン・アレン。ギターとドラムはドーシック表現以外では名前を見ないが、ベーシストはなんと極上のR&B/ファンク憧憬ユニットであるヴルフペックの構成員。おおっ。メンバー紹介の際の拍手も彼が一番大きかったので、その事実を承知のお客さんが少なくなかったと思われる。ヴルフペックもここでやんないかな?

 バンドの音はもう少し伸縮性豊かかつ繊細にドーシーのことを包むような演奏をしてほしかったという感想がなくはない。そのR&Bに影響を受けた上質な歌と楽曲を核に置く表現はも少しうまくやればダニー・ハサウェイ的な味も出るのにと、少し思った。驚かされたのはかなり聞き手に対して開かれた、フランクな態度を取る人物で、その事実は印象に残る。普通は場が温まってからやる傾向にあると言える、曲をブレイクさせてのメンバーとのやりとりを1曲目から彼は見せもするが、曲総体の剛性感を崩す方向にあるそれを受け手を置き去りにすることなくちゃんとまっとうしたことは、彼のかような美点ゆえだろう。

 クローザーは、一番好きな人と紹介したマーヴィン・ゲイ曲をメドレーで披露した。

▶︎過去の、ビルト・アン・アーク
http://43142.diarynote.jp/200411292358490000/
▶過去の、ホール&オーツ
http://43142.diarynote.jp/200503240456350000/
http://43142.diarynote.jp/201103031015296753/

 その後は、渋谷・クラブクアトロで<bsrブルース&ソウル・レコーズ創刊25周年記念>と謳われた出し物を見る。さすが、場内入りしたときは始まっていたが、きっちり見れた。乗りに乗る日本のジャンプ・ブルース・バンドであるブラッデスト・サキソフォン(2014年6月28日、2015年7月28日2015年11月16日、2018年12月22日)とテキサス在住シンガーのクリスタル・トーマス(2018年12月22日)はフジ・ロックにも出演している。両者はもうすぐ新作を出すよう。

 まず、くっきりとライトを浴びてステージに綺麗に位置する正装のブラッデスト・サキソフォンとクリスタル・トーマスの両名を見て、華やかだなーと思ってしまう。そして、彼らと彼女の振る舞い、重なりはばっちり。体格の良さを利して豪快に歌うトーマス嬢は凛々だし、ブラッデスト・サキソフォンの演奏もぼくにとってはこれまでで一番光り輝いて見えた。とくに、甲田“ヤングコーン”伸太郎のホンク・テナーはほんといい味出しているなあと頷く。

 ときに、トーマスはトロンボーンを手にして、それでインスト曲に加わったりする。おお、一時タワー・オブ・パワー(1999年11月4日、2002年8月11日、2004年1月19日、2008年5月18日、2008年5月19日、2010年5月11日、2011年3月10日、2012年9月9日、2014年5月6日、2016年7月10日、2018年9月4日)で歌っていたレイ・グリーン(2014年5月6日)みたいじゃないか。トロンボーンから音楽に入ったそうなトーマスは決まったフレーズだけを吹くが、それでも聞き手に与える嬉しさはたっぷり。また、途中では日本のジャンプ・ブルースの怪傑ギタリスト/シンガーの吾妻光良(2007年7月22日、2010年5月29日、2010年11月20日、2016年10月22日)も加わる。定番にして、鉄板のおもしろさや訴求力あり。自分で歌うとともに、レイ・チャールズの「レッツ・ゴー・ゲット・ストーンド」をトーマスと一緒に歌ったりもした。

▶過去の、ブラッデスト・サキソフォン
http://43142.diarynote.jp/201406291238493838/
http://43142.diarynote.jp/201508050949338272/
https://43142.diarynote.jp/201511181202076051/
https://43142.diarynote.jp/201812230818504435/
▶︎過去の、クリスタル・トーマス
https://43142.diarynote.jp/201812230818504435/
▶過去の、タワー・オブ・パワー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200401190000000000/
http://43142.diarynote.jp/200805201629180000/
http://43142.diarynote.jp/200805201631280000/
http://43142.diarynote.jp/201005121331016518/
http://43142.diarynote.jp/201103171348262145/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120909
http://43142.diarynote.jp/201405071616599721/
http://43142.diarynote.jp/201607111518214717/
https://43142.diarynote.jp/201809071706397376/
▶︎過去の、レイ・グリーン
http://43142.diarynote.jp/201405071616599721/
▶︎過去の、吾妻光良
http://43142.diarynote.jp/200707232253550000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100529
http://43142.diarynote.jp/201011250546335197/
https://43142.diarynote.jp/201610241405267224/

<今日の、懺悔>
 クアトロでのショウに接し、光り輝く管楽器の誉れをなんか望外に覚えてしまったワタシ。ああ、20年近く前には、一時トロンボーンをマスターしようとしていたのに。。。。完全に諦めた。ヘタレ、悲しい。
https://43142.diarynote.jp/201305131335092387/

 2年連続でフジ・ロックに出演しているのがほんの一部で話題の(彼らの新作『インタラクティーヴォ・エン・ヴィーヴォ・エン・フジロック』は表題にあるように、昨年出演時の模様を伝えるライヴ盤だ)、キューバの才人ロバート・カルカセス(2005年11月4日)率いる、キューバ音楽語彙とインターナショナル音楽感性が綱引きする集団であるインタラクティーボ(2006年4月20日)を、南青山・ブルーノート東京で見る。1日1ショウの公演、ゆえにもう会場はパンパンでした。

 ずっと立ってキーボードを弾くロベルト・カルカセス(ときに、歌も少し歌う)の演奏で始まるショウはリズム陣、ブラス陣と加わっていき、百花繚乱に至る。ベースのタイリン・マレロ(外見がシーラ・E〜2002年8月12日、2006年8月10日、2009年5月11日、2009年9月20日、2011年1月19日、2014年6月29日〜を思い出させる?)、コンガのマリア・デ・ラ・パス・フェルナンデス・ガルシア、ギターのナン・サム・フォン・アルセ、ギロと歌のリセット・オチョア・クルス、ドラムのオリバー・バルデス、トランペットのフリオ・パドロンとアレハンドロ・デルガド、トロンボーンのフアン・カルロス・マリン、ラップと歌のテルマリー・ディアス(2007年10月25日)、ヴァイオリンとパーカッションとヴォーカルのタンミー・ロペス、ヴォーカルのフランシスコ・デル・リオとブレンダ・ナバレテが最終的にステージに上がる。大所帯のなか、女性が一人多い。イエイっ。

 今の感性でキューバ音楽を見渡し、いろんなヴァリエイションを闊達に出していると言えるか。バタ・ドラムを叩きながら女性が歌ったのは、フジ・ロックでは披露していないそうなキューバン仕様のジャズ・スタンダード「キャラヴァン」。それ、リズムの各パート音が有機的に集合離散する感覚を介し現代性たっぷりのエキゾ表現となっていて、うわあ。その後、テルマリーが出てくると、より今っぽさをまといつつ、キューバ音楽の滋養とヴァイタリティを溢れさせる。本編最後だかアンコールだかには、なんとボブ・マーリーの「ワン・ワールド」と「ゲット・アップ、スタンド・アップ」のシンプルなマッシュ・アップを披露した。

▶過去の、インタラクティーボも関係するヴェンダース流れの︎映画
https://43142.diarynote.jp/?day=20060420
▶過去の、︎ロベルト・カルカセス
https://43142.diarynote.jp/200511130412510000/
▶過去の、シーラ・E
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200608111021270000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090511
http://43142.diarynote.jp/?day=20090920
http://43142.diarynote.jp/201101231220535615/
https://43142.diarynote.jp/201407030943343160/
▶︎過去の、テルマリー・ディアス
https://43142.diarynote.jp/200711121022550000/

<今日の、備忘録>
 あと1ヶ月弱以内に、普通自動車免許の更新に行かなきゃ。“罠”にかかっていない今回は、久しぶりに地元の警察署で手続きができる。うれしい。

 大阪のあふりらんぼ(2005年8月17日、2009年6月29日)とフロム・テルアヴィヴのオウゾ・バズーカのダブルビルの公演を見る。代官山・晴れたら空に豆まいて。

 会場入りしたとき、すでにあの特殊女性デュオがぶちかまし中。ギターのONI とドラマーのPIKA、お揃いのカラフルにしてゆるい格好のもと、顔にはペインティング。それって、ザ・スリッツから間接的な影響があるのかなとふと思う。解散後一度復活したもの、またドラマー嬢の懐妊でお休みし、出産を経ての初めてのライヴであったようで、彼女たち目当てで来場した人もいたような。

 ギザギザイブツ感たっぷりのマス・ロック的掛け合い表現は堂々。あれ、こんなにギターってキレキレだったっけか? ちょっとした歌や奇声も無理なくつく。最後は音楽を流して、二人はパフォーマンス的に踊り、もう一人女性も加わった。1から10まであふりらんぽ、母は強し。後から出るウーゾ・バズーカの面々も日本、面白すぎると感じたのではないか。

▶︎過去の、あふりらんぽ
https://43142.diarynote.jp/200508230542360000/
https://43142.diarynote.jp/200907131156385788/

 フジ・ロック参加組のウーゾ・バズーカはイスラエルの雑食バンドであるブーム・パム(2015年9月2日)のギタリストのウリ・ブラウネル・キンロトが率いる集団で、ユリカ・ハナシマ(ダンス、コーラス)、ダニ・エヴァー・ハダニ(キーボード、コーラス)、ユリ・クトナー(ベース)、エトマー・レヴィ(ドラム)というライン・アップ。

 そんな男女混合の面々はレトロなギター・ロック表現を核に、メロディは中近東ふうがあり。それらが一体となり、エキゾだったりサイケだったりする情緒を纏うのがポイント。リーダーのギターとドラムは、最初から上半身裸で張り切っていた。

▶︎過去の、ブーム・パム
https://43142.diarynote.jp/201509041022354131/

<今日の、あらあ>
 きっちり机に向かい、日暮れ後に遊びに外に出たら、蒸し暑さに降参。いよいよ、か。気分転換もあり、普段とは異なる駅への向かい方をしたら、昔からあったホテルの隣に、も一つ新しいホテルができていてびっくり。フロントの作りはけっこうおしゃれっぽい。まあ、その隣にマクドナルド、ATM、成城石井と並ぶので、便利ではあるよな。そして、もう少し駅寄りにもホテルが一つ。そちらは、知人が使ったことがある。今、とてもホテル需要があるのを肌で感じました。

 プリンス・バンド出身のべーシスト/シンガー(2014年2月12日、2016年6月28日)の3年ぶりの公演、ブルーノート東京(ファースト・ショウ)。今回はヒュービー・ワン(ギター)、デヴィッド・コラム II(ドラムス)、マイラ・ワシントンとアンバー・ザウアー(バックグラウンド・ヴォーカル)という陣容による。

 おお、女性陣の格好が1970年代前半のラベル(パティ・ラベル、ノーナ・ヘンドリックス〜2010年9月4日〜、サラ・ダッシュ)を彷彿とさせる。つーか、すこしオマージュもあった? で、以下ガチンコなファンク〜ファンク・ロックをごんごんと、美味しいエンターテイメント性を抱えて送り出す。途中、P-ファンク(2002年7月28日、2009年9月5日、2011年1月22日、2013年4月12日、2015年4月12日、2016年11月29日、2019年4月30日)・メドレーとスライ・ストーン(2008年8月31日、2008年9月2日、2010年1月20日)のメドレーもあり。アンコールは、プリンス(2002年11月19日)の「キッス」。また、前回のウェスト公演同行来日時に脳腫瘍が発覚し、2017年7月に亡くなってしまった元プリンス・バンド出身ドラマーのジョン・ブラックウェル(2008年7月29日、2016年6月28日)の追悼パートもあり。ウェスト嬢、いままでになくベースをブチブチやっていたような。見せ方や客あしらいもますます上達。いいショウでした。

▶過去の、ニック・ウェスト
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
https://43142.diarynote.jp/201607061146148303/
▶︎過去の、ノーナ・ヘンドリックス
https://43142.diarynote.jp/201009151537076176/
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
▶過去の、P-ファンク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 触れていないが、フジ・ロック
http://43142.diarynote.jp/?day=20090905
http://43142.diarynote.jp/201102081256005311/
http://43142.diarynote.jp/201304150853287353/
http://43142.diarynote.jp/201504131109395934/
https://43142.diarynote.jp/201612011925201175/
https://43142.diarynote.jp/201905010724461038/
▶過去の、スライ・ストーン
http://43142.diarynote.jp/200809011923060000/
http://43142.diarynote.jp/200809071428140000/
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
http://43142.diarynote.jp/201505201630381899/ 映画「SLY STONE スライ・ストーン」
▶︎過去の、ジョン・ブラックウェル
https://43142.diarynote.jp/200807311115150000/
https://43142.diarynote.jp/201607061146148303/

 その後、近くの青山・オラッサオンゼに寄り、ドラマーの藤井摂(2012年4月10日)と打楽器奏者の都筑章浩(2012年10月25日)が主宰する、ラテン・ジャズ・セッションの後半を見る。今回で5回目となるようで、二人にプラスしてキーボード(電気ピアノ音色一本)の 羽仁知治(2016年11月14日)、ダブル・ベースの吉野弘志、テナー・サックスの小池修(2010年5月11日、2011年2月10日、2011年3月10日、2011年3月28日、2013年2月22日、2015年9月27日、2016年1月7日、2017年7月28日、2017年11月8日、2017年11月17日、2017年12月5日、2018年6月8日、2018年9月2日、2019年1月7日)。実力者たち、余裕とともに笑顔で重なる。なんか、パーカッション奏者のキャンディドが入ったブルーノート・セッションみたいと思えたところもあり。11月にもここで、やるという。

▶︎過去の、藤井摂
https://43142.diarynote.jp/201204150902353350/
▶︎過去の、都筑章浩
https://43142.diarynote.jp/?day=20121025
▶︎過去の、羽仁知治
https://43142.diarynote.jp/201611151250035493/
▶︎過去の、小池修
http://43142.diarynote.jp/?day=20100511
https://43142.diarynote.jp/201102121001091213/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110310
http://43142.diarynote.jp/201104041100266528/
https://43142.diarynote.jp/201302281046506238/
http://43142.diarynote.jp/201501131019359012/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
http://43142.diarynote.jp/201601090750252990/
http://43142.diarynote.jp/201711091333526195/ 
https://43142.diarynote.jp/201711181233058487/
https://43142.diarynote.jp/201712061006171627/
https://43142.diarynote.jp/201806130948515941/
https://43142.diarynote.jp/201809071509481583/
https://43142.diarynote.jp/201901090933013218/

<今日の、取材>
 ジャズ・シンガーのakiko(2005年12月18日、2007年5月21日、2010年1月24日、2012年4月29日)にインタヴューする。いつぞや、なんかのコンサートであったことがあったけど、すんごい久しぶりだな。彼女の来月リリースされる新作『spectrum』はピアニストの林正樹(2013年9月6日、2015年9月27日、2015年12月17日、2016年7月16日、2018年5月13日 、2019年1月7日)との連名作なんだが、これがめちゃ聞き味が良い。基本はデュオ(英語詞akiko、作曲林のものが多い)なのだが、その余白の美を介する現代的な佇まいは特筆するに値し、よくぞ作ったナと感嘆しちゃう。推奨! 来月早々に、CDジャーナルのウェブに出ます。明日は、フジ・ロックに出演するためにやってきたUK電化わちゃくちゃジャズの担い手であるザ・コミット・イズ・カミングに取材(そちらは、来月発売のミュージック・マガジンに掲載)。夜はよく飲んだが、なにかとつまりまくっていた今週の仕事がそれで終わる。さあ、週末はすべてをとっぱらって英気をやしなおう。そして、意気軒昂に来週の原稿締め切り山積みウィークに臨まん。。。。
▶︎過去の、akiko
https://43142.diarynote.jp/200512231955480000/
https://43142.diarynote.jp/200706051228440000/
https://43142.diarynote.jp/201001251710004302/
https://43142.diarynote.jp/201205080620235237/
▶過去の、林正樹
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
http://43142.diarynote.jp/201512271306411506
http://43142.diarynote.jp/201607191312426603/
https://43142.diarynote.jp/201805150750157494/
https://43142.diarynote.jp/201901090933013218/

 ドラマーのマーク・ジュリアナ(2006年5月17日、2015年3月13日、2016年1月4日、2017年2月2日、2017年9月20日、2018年5月16日)の、アルバムも出した新ユニットであるビート・ミュージックの公演。ファースト・ショウ。アルバムでは違う人もすこし絡んでいるが、あちらでもこの陣容でライヴをやっているようだ。内訳は、鍵盤のBIGYUKI(2016年11月20日、2019年1月19日)とニコラス・セムラッド(ヤマハ・エンドーサー。そのシンセで、クール&ザ・ギャングの1974 年名曲「サマーマッドネス」のシンセ音のようなものを出していてへえっ)、ベースのクリス・モリッシー(2017年9月20日、2018年5月16日)。

 ジュリアナのドラム・キットは、皮もの5(スネア2、フロア・タム、胴の深いキック、電気パッド)、金もの3(ハイハット、かなり小さなシンバル、シンバル)。数としては多くない。おもしろいなと思ったのは、ハイハットは足でオープン/クローズすることに終始し、いわゆる手で叩いて出す通常のハイハット音のようなやつは小シンバルを叩くことで出すことも多かったこと。あと、キック・ドラム音はこういう電化傾向表現だとより強いものを出しており、それがジュリアナ演奏の肝だと思うところもあり。

 メリアナなんかもやってきたジュリアナの、次のステージを出さんとする、電気キーボードを2台フィーチャーするバンド。マーク・ジュリアナ・カルテットではダブル・ベースを弾くモリッシーがここで4弦のエレクトリック・ベースをとても堅実に弾いていて何気に効いていた。そんな彼とジュリアナが形作る立ったビートの上を鍵盤音がしなやかに重なりまくるわけだが、その音や奏法の使いわけには大きく関心。BIGYUKIに確認したところ、ジュリアナが出した型のもと、けっこうセムラッドと時間をかけて重なりをつめているとのこと。あと、オープナーを始めレゲエ・ビートを採用したものも3曲。レゲエ好きなんだな。

 ジュリアナは上下とも黄色のジャージ。他のメンバーはジュリアナと同じジャージのパンツと黒のTシャツで統一。学祭のバンドの発想みたいで微笑ましい。

▶過去の、マーク・ジュリアナ
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201503150906115048/
http://43142.diarynote.jp/?month=201601
http://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
http://43142.diarynote.jp/201709240954004876/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
▶︎過去の、BIGYUKI
https://43142.diarynote.jp/201611211717002386/
https://43142.diarynote.jp/201901221615346185/
▶︎過去の、クリス・モリッシー
http://43142.diarynote.jp/201601050914043127/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/

 この後は、丸の内・コットンクラブで、米国重鎮女性ジャズ・シンガー(2008年3月8日)のショウを見る。久しぶりの、来日。デビュー後ずっとコンコード・ジャズ/コンコードに所属し、厚遇されてきた彼女だが、2013年以降は同社を離れて4枚のリーダー作を発表している。

 ピアノと電気ピアノのマイロ・スプレイグ(マサチューセッツ出身、確かな指さばきを示すがまだ若くおぼっちゃま君風情)、ダブル・ベースのジョージ・コラー(カナダのトロント出身)、オハイオ州クリーブランド出身ドラマーのジェローム・ジェニングス(2016年9月7日)という面々がアタマで1曲演奏。ちゃんと精気あり、前回はドラムレスの陣容による実演だったので、うれしいぞと思うところもあり。その後、アリソンが出てきてリチャード・ロジャース曲などのスタンダード主体にて、悠々の白人ジャズ歌手王道のパフォーマンスを繰り広げる。例により、スキャットも自然体でかましますね。

 聞いてしばらくして合点がいったのは、ちゃんとインタープレイしているトリオを彼女はきっちりと掌握している、彼らを束ねて自分の歌唱表現の流れをちゃんと作っているということ。途中にオリジナル曲披露のパートをもうけ、一つは途中から「ジ・イン・クラウド」に移行しても不思議はないぞと思わせるR&B臭も持つ曲であり、ラヴリーなメロディを持つ曲もあった。

 そして、終盤3分の1は、中央に立って歌っていたアリソンがピアノに座り、スプレイグがステージ反対側に置かれていたフェンダー・ローズの前に座りそれらを演奏。彼女がピアノを弾きながら歌う曲は何気にブルージィだったり、オスカー・ブラウンJr.のブルース・コード進行曲だったり。なんか、無理なくいろんな側面を出しているという印象を受ける。まあ、それも確かな歌唱があってこそ成り立つものであるが。

 実は、この晩はライヴをハシゴする予定はなかった。だが、ビルボードライブで会ったジュリアナ新作とアリソン近2作をリリースする(両者はNYのモテマから作品をリリースしている。トップが女性で、女性が多い会社なんだってね)日本発売元A&Rの誘いにのり予定変更、一緒にコットンクラブに回った。でも、そうしてよかった。

 サポート陣は、ドラマーのみアフリカ系。そのなかなか格好いいジェローム・ジェニングスは先にクリスチャン・マクブライド(2000年11月1日、2006年9月17日、2007年12月18日、2009年8月30日、2012年9月8日、2014年9月7日、2016年6月26日、20016年9月3日、2016年9月7日、2018年6月14日)のトリオでここに出演しているが、ジュリアード音楽院を出ている彼のリーダー作『The Beast』(Lola,2016。自作曲が多い。EPKは、https://www.youtube.com/watch?time_continue=152&v=AZP-nWOPsKA)は全曲クリスチャン・サンズ(2016年9月7日、2019年4月21日)とマクブライドが入り、3管もフィーチャーし1曲はシンガー入り。近く出る次作も1曲を除きマクブライドが入っているという。クリーブランド生まれだと思ってフォーリー(マイルス・デイヴィス/P-ファンク)のことを振ったら彼はコロンバスにずっと住んでいるんじゃないかなと言いつつ(後から調べたら、フォーリーはコロンバス生まれだった)、次々作はもっとファンキーになるよとのこと。好漢、ジェニングスはソニー・ロリンズ(2005年11月13日)表現にも絡んでいるが、先に彼のグループで叩いていたスティーヴ・ジョーダン(2005年11月13日、2006年11月20日、2006年12月22日、2010年10月26日)からはシンバルをもらったそう。

▶︎過去の、カーリン・アリソン
https://43142.diarynote.jp/200803111126390000/
▶︎過去の、ジェローム・ジェニングス
https://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
▶過去の、クリスチャン・マクブライド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200609190457510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071218
http://43142.diarynote.jp/200909120642135954/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201606281735457440/
https://43142.diarynote.jp/201806151747389966/
▶︎過去の、クリスチャン・サンズ
https://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
https://43142.diarynote.jp/201904220926288797/
▶過去の、ロニー・ロリンズ
http://43142.diarynote.jp/200511130413390000/
▶過去の、スティーヴ・ジョーダン
http://43142.diarynote.jp/200511130413390000/
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061222
http://43142.diarynote.jp/201010301012548114/

<R.I.P.>
 オルガン奏者のアート・ネヴィル(2004年9月18日、2009年7月25日、2014年1月17日、2015年5月10日)が逝去した。1937年12月17日〜2019年7月22日、NOLAに生まれ、NOLAに死す。ニューオーリンズ・ファンク愛好者にとっては、ボザノヴァにおけるジョアン・ジルベルト(2003年9月12日)のような人? すると、故アラン・トゥーサン(2006年5月31日、2006年6月1日、2007年10月21日、2009年5月29日、2011年1月10日、2012年10月15日、2013年10月22日、2015年1月21日))はトム・ジョビン? ボサよりファンクの方が好きなぼくにとっては、彼らブラジル偉人よりも大きな存在でした。
▶︎過去の、アート・ネヴィル
https://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201401181209502731/
https://43142.diarynote.jp/201505111009314451/
https://43142.diarynote.jp/201812220840383594/ 引退の報
▶︎過去の、アート・ネヴィル
https://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201401181209502731/
https://43142.diarynote.jp/201505111009314451/
▶過去の、ジョアン・ジルベルト
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm
https://43142.diarynote.jp/201906110953249486/ ジルベルトの存在をトリガーに置く映画。日本では、8月下旬から公開。
▶過去の、アラン・トゥーサン
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200710221206190000/
http://43142.diarynote.jp/200906051614524790/
http://43142.diarynote.jp/201101111202336229/
http://43142.diarynote.jp/201210201217291727/
http://43142.diarynote.jp/201310241000242214/
http://43142.diarynote.jp/201501220923108418/
 現在、FCバルセロナ(2007年10月28日)のいかにも古〜いカンプノウ・スタジアムは大掛かりにリノヴェイション中、屋根付きの現代的スタジアムに生まれ変わるとともに、その周りも再開発され、エスパイ・バルサという施設となる。通常運営の合間の大手直しゆえ、完成はまだ先らしい。

 六番町・インスティトゥト・セルバンテス東京で、<FCバルセロナはいかに戦略を持ち、多角的な事業運営のもとブランド力獲得と金儲けを行うか>、というテーマを持つ講演に行く。朝10時半からの催しなのに、けっこう人が来ていたな。外国人比率も低くくはなかった。さすが、世界有数のフットボールのビッグ・クラブですね。

 3つパートに分けられ、FCバルセロナの第3副社長でエスパイ・バルサのコミッショナーを務めるジョルディ・モイクスをはじめ3人の紳士がそれぞれパネラーとなる。二人はスペイン語を用い、一人は流暢な英語でことにあたる。それぞれにけっこうちゃんと作られた資料画像を介してレクチャー。先に、テーマについてちょい意地悪な書き方をしたが、ちゃんと練られ、かつ興味深いことが語られ、悪い印象からは離れる。

 FCバルセロナの歴史も紹介しつつ(ソシオに対する言及もあり)、様々な計画や成果を語る一部に続き、3部はエスパイ・バルサが完全にメインとなる。古臭いカンプノウがいかに変わっていくかというシュミレーション映像はとっても興味深し。その設計施工に日本の大手である日建設計が関わっているそうで、同社を紹介する映像も流された。ユニフォームの胸スポンサーである楽天については一切語られない。なんか、昨年カンプノウでブルース・スプリングスティーンのコンサート行われたみたいね。

▶︎過去の、FCバルセロナ/カンプノウ
https://43142.diarynote.jp/200711080728570000/

 夜は、代官山・晴れたら空に豆まいて で、南ア出身ベルリン在住の女性シンガー・ソングライター(2018年7月9日)のちょうど1年ぶりとなる来日公演を見る。確かに聞きどころのある人、会場混んでいたなー。もっと訴求力を増していた彼女、この土曜日にはフジ・ロックのシプシー・アヴァロンに出演。お勧めできます。
 
 オープナーはピアノ弾き語り、続く2曲はエレクトリック・ギターの弾き語り。そして、その後はキーボードのジヴ・ヤミン、ベースのデケル・リューヴェン・アレン、ドラムのジュリアン・ベーランのサポートのもと、彼女の響きの感覚に満ちた楽曲が広がっていく。1曲、レトロ目な曲想を持つ曲が披露され、彼女の表現が広がっていることや、ある種の好ましい普遍性のありかを指し示すところがあった。性格の良さを出す、ちょっとしたMCも○。

▶︎過去の、アリス・フィービー・ルー
https://43142.diarynote.jp/201807100739515602/

<今日の、あっと驚く情報>
 外苑前では、高中正義(2012年2月3日、2018年4月6日)のインタヴューもした。老けていないし、自然体で格好いいナ。彼はバハマのナッソーに住んでいたこともあったが、今はずっと軽井沢在住。受け答えがくつろぎと飾らない本音に満ちていて、いい人生歩んでいるなと思わせる。毎日新聞記事用取材で、掲載は9月上旬ぐらいかな。で、加藤和彦や(ナッソー在住だった)ロバート・パーマーなど、様々な人の話にも飛ぶわけだが、なんとあのウィリー・ウィークス(2006年11月20日、2019年5月7日)が日本在住とのことでびっくりする。彼の現在の奥様が日本人で普段は軽井沢に住み、ときに一緒に飲むそうな。ツアーとかの海外仕事は日本から出張るらしい。
 その後、ライヴまでじっくり食事をしても時間があるので、ゆっくりと千駄ヶ谷まで歩いて、国立競技場周辺を視察。久しぶりに神宮球場(やはり便利な場所にある施設ですね)とかある通りを歩いたが、だいぶ風景が変わってきてもいる。1970年代後期から1980年代中頃にかけてけっこう外国人アーティストの公演があった日本青年館の新しい建物もそこにあってびっくり。前は、もっとビクター青山スタジオに近いところになかったか? その新ビルにはホテルが併設されていた。国立競技場はまだまだ工事中、周辺も建設中のビルがいろいろ。囲いの先に見える国立競技場にはなるほど、なんか京橋あたりにある木々をデザイン要点として用いたビルの拡大版みたいだった。ぼくは、あの隈研吾のデザインがひらめきがなく駄目と感じており、まだ別案のほうがなんとなく好きだった。で、設計者変更に向けていろいろ揉めていた際、ザハ・ハディットのUFOみたいなスタジアムができたらメチャ浮くだろうなと思っていたが、今となってはあの浮世離れしたブツが出来ていたら面白かったのに思わずにはいられない。故人もコストをもっと下げることができると言っていたようだし。しかし、オリンピック終了後はサッカー用途も考えトラックを外すという話になっていたところ、そのままトラックを残すという案も出てきているようで、サッカー好きのぼくとしてはやだなー。

▶︎過去の、高中正義
http://43142.diarynote.jp/201202091202153702/
https://43142.diarynote.jp/201804071041255956/
▶︎過去の、ウィリー・ウィークス
https://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
https://43142.diarynote.jp/201905080904334080/
 いまだに強い生命線と影響力を持つアフロ・ビートのオリジネイターのフェラ・クティの末息子で、その最たる表現継承者であるシェウン・クティ(2007年10月25日、2009年7月25日、2009年7月26日、2012年7月27日、2018年7月31日)&エジプト’80の公演を見る。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。

 シェウン・クティ(ヴォーカル、アルト・サックス、キーボード)、アディドイン・アディフォラリン(トランペット)、オラディメジ・アキネリ(トランペット)、アデボワレ・オスンニブ(バリトン・サックス)、オジョ・サミュエル・デイヴィッド(テナー・サックス)、デイヴィッド・オバニエド(ギター)、アキン・バミデレ(ギター)、クンレ・ジャスティス(ベース)、シーナ・ニラン・アビオドゥン(ドラムス)、コーラ・オナサンヤ(ジャイアン・トコンガ)、ウェイル・トリオラ(パーカッション)、オーコン・イヤンバ(シェケレ)、ジョイ・オパラ(ヴォーカル、ダンサー)、イヤボ・アデニラン(ヴォーカル、ダンサー)とう陣容。音楽ディレクターと紹介されたのは、ギターのデイヴィッド・オバニエド。一人のギターが新しい奏者に代わった以外は昨年来日と同じ顔ぶれだ。年寄りには見えない人も多く、父親が率いて時代からのエジプト80からはかなり構成員が代わっているのは間違いない。

 昨年よりも、音が太く、疾走感を増していると感じたのには驚いた。昨年の毎日新聞の公演評で、「すべてのヴェクトルが正」と褒めているが、それをはるかに上回る花丸の所感を得てしまったじゃないか! ライヴ・リポートの体を取る、シェウン・クティ表現と米国黒人音楽に見る目に水面下にある太い線に言及する原稿が来月発売のbmrに出る予定。これ、インタヴューを受けないということでそういう記事に急遽変更することになったのだが、とにもかくにもあんな素敵な実演に触れた文章を書くことができるのは僥倖というしかない。

▶過去の、シェウン・クティ
http://43142.diarynote.jp/200711121022550000/
https://43142.diarynote.jp/200908180045212538/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090726
http://43142.diarynote.jp/?day=20120727
https://43142.diarynote.jp/201808012004309687/

 その後は、ダブル・ベース奏者4人(だけ)が出演者となる出し物を新宿ピットインで見る。こちら、その楽器の様もあり<Le Dîner des scarabées カブトムシたちの晩餐会>という表題がつけられている。水谷浩章(2002年3月17日、2004年1月21日、2004年2月6日、2004年10月10日、2005年2月19日、2006年1月21日、2006年10月25日、2016年10月27日)、秋田ゴールドマン (2005年7月29日、2007年5月6日、2009年6月12日、2011年1月30日、2011年6月23日、2012年3月3日。2012年9月9日、2015年9月27日、2018年6月2日)、岩見継吾、千葉広樹(2014年10月22日、2016年7月11日、2019年3月16日、2019年7月8日)。

 会場に入り、こんな場内設定なのかあと頷く。フロア中央に4人が向き合うように立ち、それを四方から客席が囲む。先日のスガダイローとドラマー4人のギグ(2019年7月16日。https://43142.diarynote.jp/201907180809371988/)のセッティングの逆ですね。ステージ上にも客席が置かれ、その後方には4人の楽器のソフト・ケースが無造作に置かれている。それ脱いだ着ぐるみみたいだった?

 で、内容は……。なんと出来合いの有名曲をモチーフに置くことはせず、すべての演目は4人が持ち寄り、それぞれの前には譜面が置かれる。ミニマル・ミュージック調と言えるものが多く、呼応しながらアッチ側に流れていくようなところもあり。3人で1度、4人で1度のリハを経てのものだそうだが、普段あり得ない同じ楽器(4者のそれは微妙に色とか佇まいとかが異なるが、それぞれにどこ製の何年ぐらいに作られたものなのか?)との心置きない重なりを演奏者当人が楽しんでいるところはあり。とともに、やはり同業者同士ゆえに触発されている部分も感じられた。やはり、体験でした。

▶︎過去の、水谷浩章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040121
http://43142.diarynote.jp/200402061359140000/
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/200502232040290000/
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/200611020833520000/
https://43142.diarynote.jp/201610310943306583/
▶過去の、秋田ゴールドマン/SOIL & “PIMP” SESSIONS
http://43142.diarynote.jp/200508042335560000/
http://43142.diarynote.jp/200705181805330000/
http://43142.diarynote.jp/200906160733018341/
http://43142.diarynote.jp/201102091715522875/
http://43142.diarynote.jp/201107020946473690/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201209191229057579/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
https://43142.diarynote.jp/201806051311346158/
▶︎千葉広樹
http://43142.diarynote.jp/201410251055118180/
https://43142.diarynote.jp/201607121045394372/
https://43142.diarynote.jp/?day=20190316
https://43142.diarynote.jp/201907091307078386/

<今日の、南青山>
 ブルーノート東京に向かう際、骨董通りでピザハットの自転車に乗った配達員を見る。へえ、確かに最都心ではその方が楽であったりもするのかな? それとも、免許を持たないバイトへの対処? クティの実演が終わった後、トイレに行くとナイジェリア大使館関係者の子供かどうかは知らないが、ライトな民族衣装を着た小さな兄弟が先にいて、二人は流暢な日本語で会話している。なんか、ほっこりした。
 新橋・スペースFS汐留で、キアヌ・リーヴス主演の人気映画シリーズの第3弾を見る。今年の5月に本国アメリカで公開され、かなりな好成績を収めたという。日本は10月初旬からの公開となる。

 ひたすら扇情的、見る者を煽ろうとする作品。もう、壮絶なアクション・シーン(かなり残酷なそれもあり)だらけ。手をかえ品をかえ、それを見せるために、荒唐無稽なストーリーはあるという感じ。監督(チャド・スタエルスキ)がスタント・アクション出身の人というのはとても納得。50歳過ぎのリーヴスもよくやるなあと思わずにはいられない。なんにせよ、お金はたっぷりかけていますというアピールもムンムン。それゆえ、エンドロールのクレジットの長いこと。スタントからCGまでものすごい数の人がこの映画関与しているのは疑いがない。準主役の一人が日本人じゃないのに日本語を使う場合があり、日本語コーチみたいな肩書きで日本人名もそこに出てきたが、あの日本語は半端すぎやしないか。

 映画を見ながら感じずにはいられなかったのは、これはTV/PCゲームのノリをスケール感を持つ実写映画にしたような作品なのだ、ということ。昔からその手のゲームにはまったことのないぼくが指摘するのもナンだが、そうなんじゃないのかなあ。ほとんどPCで作りましたみたいな安めな音楽もまさしくその流れにあると、ぼくには思わせる。

 その後、丸の内・コットンクラブで、米国人スティール・パン奏者のアンディ・ナレルのショウを見る。セカンド・ショウ。サポートはキューバ人ピアニストのファニセット・マクファーソン、4弦フレットレスの電気ベースを弾くティエリー・ファンファン、ドラムのジャン・フィリペ・ファンファン。リズム隊はフランス海外県のグアドループの出身。マクファーソンも現在フランス在住のようで、ナレルは今パリを拠点としているのだろうか。ともあれ、カリブ因子を持っている奏者が脇をかためるだけでお得な気分を得るし、その事実はサウンドにも投影されていたのは間違いない。

 素っ気なく書けば、トロピカルなフュージョン調サウンドにナレルの達者なスティール・パン演奏がフィーチャーされる。ナレルが並べていた二つのパンは新品目でピカピカ。しかし、あの金属製のブツからどうしたあんな音が出るのかと毎度不思議な気分になりますね。青色基調のドレスを着ていたマクファーソン嬢は右足を常にペダルに起き、細かくコントロール。彼女は2曲でコーラスを入れるのに加え、2曲ではしっかりとリード・ヴィーカルを取り、1曲ではたくみに客にも歌わせる。

 あと、何気に印象深かったのが、曲順の確かさ。いろんな表情を見せ、各人の味を出し、最後はアッパーな感じの曲を披露し、しっかり最後の曲となることをお客さんにも肌で感じさせる。そして、アンコールの曲はしっとり、最終部はスティール・パンの響きの余韻を伝えて締めた。

<今日の、人々>
 映画を見る前に、新橋のSL広場で行われたれいわ新選組の街頭演説会を興味深くのぞく。駅に近い方からだと、高いところに候補者たちが位置しないので、しゃべっている姿はほとんど見えない。ボランティアの人がたくさんいて、面々の象徴カラーは紅色なのか。集まっている人は、けっこうリタイア世代の人が目についた。知り合いと会うかなあと思ったが、広い場だし、それはなし。不破大輔(2004年7月29日、2004年9月1日、2005年12月22日、2006年1月14日、2006年1月21日、2006年8月27日、2006年11月15日、2006年12月1日、2007年1月13日、2007年6月3日、2007年6月13日、2008年7月6日、2009年7月26日、2009年9月27日、2010年4月22日、2010年9月19日、2013年5月19日、2015年6月15日、2015年11月23日、2017年11月23日、2018年4月28日、2019年4月28日)らが演奏したようだが、その前に近くの試写会場に移った。

▶過去の、渋さ知らズ
http://43142.diarynote.jp/200407290730290000/
http://43142.diarynote.jp/200409010713470000/
http://43142.diarynote.jp/200601161256540000/
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/200609031311580000/
http://43142.diarynote.jp/200611190320370000/
http://43142.diarynote.jp/200612060135390000/
http://43142.diarynote.jp/200701141431470000/
http://43142.diarynote.jp/200706162321180000/
http://43142.diarynote.jp/200807081247190000/
http://43142.diarynote.jp/200908180046187200/
http://43142.diarynote.jp/200910071809361076/
http://43142.diarynote.jp/201004231559516550/
http://43142.diarynote.jp/201009231554333481/
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
▶過去の、渋さ以外の不破大輔
http://43142.diarynote.jp/200512231958440000/
http://43142.diarynote.jp/200706061351450000/
http://43142.diarynote.jp/201511250531202253/
http://43142.diarynote.jp/201605170939589783/
http://43142.diarynote.jp/201711241828493970/
https://43142.diarynote.jp/201804290935481570/
https://43142.diarynote.jp/201904291825347224/

 お笑いは苦手である。地上波TV放送を家で見ることができた時分も、一切興味が持てず、お笑い番組にチャンネルを合わせたことはなかった。当然、日本エレキテル連合という存在も、ぼくは知らない。だが、知人からお誘いを受け、一昨日の新鮮な経験の記憶も新しく、機会があるならなんでも体験しておくべきと考え、会場に向かった。渋谷・ユーロライブ。この2人組女性ユニットの単独公演で、『君莫笑(きみわらうことなかれ)』という表題がつけられている。日曜まで、この会場で5回の公演がもたれる。

 客は普段、ぼくが行く音楽公演よりも若い人が多いと感じた。当人たちが舞台に現れただけで軽く歓声が上がり、固定のファンがいるというのはすぐに了解。とともに、送り手と受け手の間に出来上がっている共通認識/事項のようなものを感じ、ぼくはけっこうなアウェイ感を覚えもしてしまう。そんなわけなんで、最初はどこが面白いのかと腰がひけながら接していた。だが、3分の1を過ぎるころから、アリアリと思え、違和感なく接し、控えめになにげに笑いもした。

 実演と映像放映(その間に、着替えや舞台設定が改められる)が交互になされ、それが100分。実演部はけっこう、ぼくには演劇っぽいゾと思えるところもある。ちゃんと質感、あり。また、音楽クリップやユーチューブ映像なども模したりもする映像部は映像編集を利した自由さを持つ。ほぼどれも新作らしく、よくもまあいろんな方面を見渡したネタをたっぷりこさえていると頷く。お笑いライヴ初体験なので比較するものはなし、今回ぼくが抱いたまっさらな感想がそれでした。ネタは、部分的連鎖をさせられもする。

 で、途中から、ぼくが痛感せずにいられなかったのが、2人のぶっといプロフェッショナルさであり、確かなパフォーマンス能力。初日だが、まったく危なげなく芸/会話のやりとりがなされ、ここに到るまでの時間の積み重ねも感じずにはいられず、ぼくは頭を垂れました。

<今日の、夕方>
 不在者投票をした。投票所のあのかしこまった雰囲気はなんとかならないかと、毎度思う。なんでそんな所感を過剰に持つのかといぶかしがっていたが、その痒さが為政者側に添っているような薄気味悪さと繋がるからではないか。ときにぼくんちの、郵便番号の下四桁は0001。つまり区の一番端に位置し(100歩も歩かないうちに、別の区になってしまうのかな)、投票所は隣の区のそれのほうが3分の1の徒歩時間ですむ。図書館は隣の区の立派な施設を使うことができるが、選挙もそちらでできないものかと願う。そして、そんなこともあり、もっと区の内側に住んでいる人たちより、区民として薄いサーヴィスしか受け取れていないのではないのかともふと思ってしまう? ……正義と道理が通りますようにとの願とともに、投票用紙を箱に入れた。実は投票率が上がると、今の若者は変化を嫌い保守的なので現政権の支持率があがると言うインテリ知人がいるが、マジ? 事後作業の軽減を考え、いつもぼくは投票用紙を折らずに投函しているが(別に見られても知ったこっちゃないしぃ)、実は投票用紙って特殊な紙でできていて、投票箱のなかで折が解けるようになっていると、先日の新聞に出ていたな。

 六番町・インスティトゥト・セルバンテス東京で、ルーマニアのチームを最後に今春に引退した、元ブラジル代表の攻撃的ミッドフィールダーのジュリオ・バティスタのトーク・イヴェントに接する。1981年サンパウロ生まれで、ものすごーく健やかそうな人。バイシクル・キックが得意で身体能力にとっても長けていそうな彼、筋肉質ではあったが意外にそんなにデカくはない。

 2000年代前半にサンパウロFCからスペインのセビーリャに移り活躍、それが認められレアル・マドリードに移籍し3年間在籍(うち、1年は英国のアーセナルにレンタルされた)、その後もイタリアのローマ、スペインのマラガ、ブラジルのクルゼイロ、米国のオーランドと渡り歩いたが、やはりリーガ・エスパニョーラの選手という印象が強いだろう。実際、スペインの公的施設での催しということもあり、スペインでの選手活動を中心に話は進められる。彼はスペイン語で受け答えした。最後にお客からの質問も受けたが、皆さんスペイン語で質問していたのには少し驚く。

 ユーモアもありおしゃべり上手な人で、それが度量が広いという所感にもつながる。セヴューリャ対ベティス(2008年11月2日)のダービー、マドリード対バルセロナ(2007年10月28日)のクラシコは最高に燃えるという話に心踊る。久保建英(2016年11月7日)が加入するマドリードのBチームの監督を今年から務めるチーム・メイトだったあのラウール・ゴンザレスと一緒に彼は指導者ライセンスを取ったそうで、バティスタも指導者になりたそうでもあった。そして、カナリア色のユニフォームを着ることがいかに誇らしいことかも彼は語った。

 繰り返すが、会話の内容が豊富で、うまい。やっぱ、てっぺんに近いものを得た人はすごいと皮膚感覚で思わせられる。いやあ、感心しっぱなし。そして、最終的にフットボールの素晴らしさ、フットボール選手の誉れをくっきりと出すのだから、舌を巻く。また、何気にスペインの良さも織り込んだりして(話を聞きながら、また行きたくなりました)、彼は今ラ・リーガ(スペインのプロ・リーグの総称)のアンバサダーを勤めているそうだが、そういう観点からも100点満点のスピーカーではないか。次の用事があったので、話が終わるとすぐに会場を退出したが、彼は気さくに来場者との写真撮影にも応じたようだ。

▶︎過去の、レアル・ベティスの試合
https://43142.diarynote.jp/200811090012264277/
▶︎過去の、バルセロナの試合 
https://43142.diarynote.jp/200711080728570000/
▶︎過去の、久保建英のJ3の試合
https://43142.diarynote.jp/201611101703321633/ 欄外 

 その後は新宿ピットインで、ピアニストのスガダイロー(2009年1月8日、2009年7月3日、2013年2月19日、2016年2月28日、2016年7月16日、2017年4月11日、2017年7月8日、2019年5月30日、2019年6月14日、2019年7月8日)7デイズ企画の、3日目を見る。この晩は彼と4人のドラマー、本田珠也(2000年5月9日、2002年9月22日、2003年6月10日、2004年10月13日、2007年12月4日、2011年5月5日、2012年7月16日、2013年7月27日、2015年5月20日、2018年1月19日、2018年4月7日)、吉田達也(2006年1月21日、2013年2月11日)、今泉総之輔(2009年6月16日、2011年4月22日、2019年7月8日、2019年3月29日)、そして石若 駿( 2014年9月26日、2016年6月27日、2016年7月21日、2016年9月4日、2017年6月21日、2017年7月12日、2019年1月21日、2019年3月16日)という酔狂な組み合わせだ。

 そんな陣容でどんなことやるんじゃいと思っていたら、会場に入ってびっくり。ピアノはステージ中央にあり、ドラムのキットはそれぞれ客席の四隅に置かれている。客はドラマーたちに囲まれるように内側に座り、ステージ上にも椅子は置かれていた。盛況で、立ち見も多数。そして、その後はうひょう、そっかーの繰り返しとあいなった。

 まず本田が叩きスガとのデュオを繰り広げ、本田のソロの終盤から今泉が重なり、しばらくすると今泉が一人で叩き、そこにスガが入り……、以下同様のフォーメイションのもと、石若、吉田と叩き手が移っていく。皆んな、うれしそう。そして、最後はドラマー4人は一緒に叩き大団円、その際は花火大会の最後の大きな花火の連発タイムの如し。と、それが1部。まあ、文字にするとなんか味気ないが、面白すぎる。

 2部は本田と石若、吉田と今泉という基本ツイン・ドラムの流れのもと、スガが指を踊らせる。うひゃひゃひゃひゃ。終盤は4人が短いヴァースを次々につないでいったりもした。そして、アンコールは、クイーンの「ウィ・ウィル・ロック・ユー」だったか。もう楽しくも、爽快きわまりなし。こういうバカ行為、わちゃくちゃがちゃんと成り立つのはジャズゆえ。この山あり谷ありの狼藉パフォーマンス群は、ジャズの支持層の広がりにもつながるはずとも思えた。

▶過去の、スガダイロー
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/200907131158382767/
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
http://43142.diarynote.jp/201603011023174338/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160716
http://43142.diarynote.jp/201704131639031673/
https://43142.diarynote.jp/201707101243147840/
https://43142.diarynote.jp/201905310800294940/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/ 取材
https://43142.diarynote.jp/201907091307078386/
▶過去の、本田珠也
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm 菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm 菊地雅章
http://43142.diarynote.jp/200410162306570000/
http://43142.diarynote.jp/200712151621260000/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
http://43142.diarynote.jp/201207180824136323/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
http://43142.diarynote.jp/201505211022511238/
http://43142.diarynote.jp/201801200930278094/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
▶︎過去の、吉田達也
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/201302181123344904/
▶︎過去の、今泉総之輔/quasimode
https://43142.diarynote.jp/201104270527324850/
https://43142.diarynote.jp/200906181210154217/
https://43142.diarynote.jp/201907091307078386/
▶︎過去の、石若駿
http://43142.diarynote.jp/201409291402101328/
http://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170621
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
https://43142.diarynote.jp/?day=20180404
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/
https://43142.diarynote.jp/201903171331065828/

<今日は、体験の日>
 いやあ、いいもん聞かさせてもらいました、いいもん見せてもらいましたという日。山ほどの美味しい感興を受けて、そのアフター飲みを含めて、これだから夜遊びはやめられない。

 テナー・サックスのマーカス・ストリックランド(2007年12月18日、2012年1月13日、2013年9月28日、2018年6月14日)のリーダー公演は、オルガンとキーボードのミッチ・ヘンリー、エレクトリック・ベース(5弦のフレットレスを使っていたのかな?)のカイル・マイルズ、ドラムのチャールズ・ハインズを擁してのもの。ストリックランドの近2作はブルーノート発(プロデュースは1枚目がミシェル・ンデゲオチェロ〜2002年6月18日、2003年11月18日、2003年11月22日、2008年5月7日、2009年5月15日、2013年11月18日、2014年7月14日、2017年1月18日、2019年4月17日〜で、2作目は自身)でトゥワイ-ライフというグループ名が付けられているが、同行メンバーはその基本単位をなしていた人たち。鍵盤奏者とドラマーは、マーカス・ミラー(1999年11月12日、2001年 6月14日、2003年8月19日、2005年8月21日、2007年12月13日、2009年9月15日、2010年9月3日、2013年9月3日、2015年2月21日、2016年9月17日、2017年1月7日、2018年5月16日、2018年5月24日、2019年1月3日)の2018年作『レイド・ブラック』(ブルーノート)にも入っていた。

 やはり、ストリックランドは秀でたサックス奏者であることがすぐに分かる。1曲の尺はそれなりに長く、ソロの時間はたっぷり。だが、鍵盤と電気ベースというサポート陣の楽器構成に表れているように、純ジャズではいかないぞという意思は横溢。サポート陣は腕がたち、一筋縄ではいかないという感じは大アリで、やはりNYのジャズ界周辺は層が厚いと思わせられることしきり。とくに、チャールズ・ハインズの叩き味はパワフルさと切れと現代的ズレを併せ持つものでいいな。フロア・タムの音などに部分的にエフェクトをかけたりもしていた。皆んな譜面はおかず、ときにかなり凝った絡みを見せる。さすが、ワーキング・バンドですね。

 ストリックランドがベース・クラリネットを吹いた曲には、プリセットされた歌とラップも入れられる。といったところに表れているように、ヒッポホップもR&Bも同じ地平に置いたうえで、ジャズ/インプロヴァイズ表現を送り出さんという意図は端々から浮き上がる。アルバムではオリジナル曲採用主義者だが、J・ディラの曲もやった?

 今のジャズ・マンは優れたソロを披露するだけでは駄目。それを乗せる視野の広い“器”も用意できなければ、退場……。ストリックランドのショウは、そんなことも語っていたか。

▶︎過去の、マーカス・ストリックランド
http://43142.diarynote.jp/200712190953140000/
http://43142.diarynote.jp/201201141645353138/
http://43142.diarynote.jp/201310041548056608/
https://43142.diarynote.jp/201806151747389966/
▶過去の、ミシェル・ンデゲオチェロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200805090836380000/
http://43142.diarynote.jp/200905161026033788/
http://43142.diarynote.jp/201311191050581790/
http://43142.diarynote.jp/201407151135353688/
http://43142.diarynote.jp/201701191854055570/
https://43142.diarynote.jp/201904180943312064/
▶︎過去のマーカス・ミラー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm 
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200712161023010000/
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201502231815384234/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
https://43142.diarynote.jp/201805250930363191/
https://43142.diarynote.jp/201901041047462042/

<今日の、お土産>
 群馬県のお土産で“水芭蕉”という日本酒をいただく。風雅な名前ですね。祭日で空いているせいもあり帰りの電車で思わず試飲したくなるが、そこは我慢。日本酒と佐藤家は浅からぬ縁があるのだが、まあそれはまた別の機会に。実は水芭蕉ってちゃんと見たことないかも、もうシーズンは終わったのかな?

 東銀座・松竹試写室で、2018年フランス映画を見る。漫画が原作で、その作者のジャン・ジャック・サンペ(1932年生まれ)も脚本に加わっている。舞台はプロヴァンス地方の田舎(ほんわか描いてあって、一瞬住んでもいいかなと思わせる。が、飽きるだろうなー)が舞台で、自転車が半分主役となるような映画。ほんと、フランス人って自転車が好きなんだなあ。そういえば、自動車はぜんぜん出てこなく、ゆえに時代設定がわかりづらいのだが(車を見ると大体、それを推測できますね)、カメラマンがかなり古いカメラをもちいているので、年代設定は新しくても1960年代中期ぐらいかなー? それとも、タイムレス設定?

 監督は1987年生まれの、ピエール・ゴドー。そんな若いわけでもないけど、そんな年齢でよくこんな含みと落ち着きとクスっとなれるユーモアを抱えた、大人の寓話と言いたくなるような映画を撮ったナと思わずにはいられず。音楽もよくできている。9月から、公開される。

 夜は、元住吉のPowers2で、ギターの鬼怒無月(2003年3月6日、2003年6月30日、2004年1月16日、2005年4月11日、2006年1月21日、2009年10月8日 、2010年3月20日、2012年2月10日、2012年6月13日、2012年6月28日、2012年11月21日、2013年2月11日、2014年2月9日、2014年2月22日、2014年6月16日、2015年8月31日、2017年7月31日)とギターと歌のSaigenji (2006年6月27日、2007年11月27日、2009年3月14日, 2009年8月9日、2012年6月13日、2013年1月7日、2013年2月11日 、2013年4月12日、2014年2月9日、2016年2月11日、2016年11月30日、2017年2月11日、2018年5月8日)、二人による実演を見る。デュオでやるのは、3度目とか。鬼怒の55歳セレブレイションで複数持たれた中の一つであるよう。

 ぼくはSaigenjiのなかにあるスポンテニアス要素〜ジャジーさにも着目する人間で、それがより拡大したものを見ることができるのではと期待して行ったら、それを上回るものに接することができて、多大な満足感を得た。

 演目は二人のオリジナル。少し、Saigenji曲のほうが多かったかな。20曲ぐらい一緒にできる曲があるようで、けっこうその場でやるものを決めていた。Saigenji曲の場合、彼の弾き語りに鬼怒がいろんな奏法による合いの手演奏(曲によってはエレクトリック・ギターも用いる)を入れていくと説明できるのだが、パーカッシヴなそれから縦横にかっ飛ぶ方向まで実に多彩で広がりを与える。さすが、プログ・ロックからタンゴ他のフォークロアまで、様々なものにあたってきている実力者だな。そして、ここからが肝心なのだが、その鬼怒の演奏に触発され、Saigenjiの歌やギターがどんどん弾んだり、動的な力を持ち、放たれる。歌声もどんどんデカくなる。それ、鮮やか。そういう相乗はもちろんバンド力学にもあるが、デュオであり、同じ持ち楽器が相手だと、そのケミストリーがまた直接的な感じがしてしまう。

 一方、鬼怒曲はインストだったりするが、そうするとSaigenjiのピックを使わないギター奏法の面白さや個性が浮き彫りになり、一粒でいくつもおいしい。本編最後は、Saigenjiの「ミュージック・ジャンキー」。彼のショウの締めに毎度演奏されるあまりにおなじみの曲だが、冒頭のところから鬼怒はNYアンダーグラウンド系のノイズを出し、どんどん厚みを加えていく。結果、こんなにごりごりとした質感を持つ「ミュージック・ジャンキー」は初めて聞いた。お互いの出す音を心から楽しみあっているこの単位、今後も持たれていくようだ。

▶過去の、鬼怒無月
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/200401160000000000/
http://43142.diarynote.jp/200504151004040000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060121
http://43142.diarynote.jp/200910140952248669/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100320
http://43142.diarynote.jp/?day=20120210
http://43142.diarynote.jp/?day=20120613
http://43142.diarynote.jp/201207031352302181/
http://43142.diarynote.jp/?day=20121121
http://43142.diarynote.jp/?day=20130211
http://43142.diarynote.jp/201402111029354181/
http://43142.diarynote.jp/201402240940377749/
http://43142.diarynote.jp/201406180852131370/
http://43142.diarynote.jp/201509021103292742/
https://43142.diarynote.jp/201708081443281390/
▶過去の、Saigenji
http://43142.diarynote.jp/?day=20060627
http://43142.diarynote.jp/200711290932200000/
http://43142.diarynote.jp/200903161734533723/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090809
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201301151819527787/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130211
http://43142.diarynote.jp/?day=20130412
http://43142.diarynote.jp/?day=20140209
http://43142.diarynote.jp/201502140823232703/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160211
http://43142.diarynote.jp/201612030915436915/
http://43142.diarynote.jp/201702120725278375/
https://43142.diarynote.jp/201805091613022617/

<今日の、偶然>
 ライヴ後、渋谷で寄った店で、フィリピン人とメキシコ人のミックスの米国人と会ったが、やたら日本♡になっている。2ヶ月滞在して来週アタマに帰国、秋に再来日すると言っていた。というのはともかく、そのロサンジェルス在住のエヴァン君の父親はサックス奏者であのブラジル出身の名サウンド・クリエイターであるモアシール・サントスに教えをこうていたという話を聞き、わあ。今日、某誌企画の1969年以降のジャズ・アルバム30枚という選を出し、ぼくはサントスの『 Ouro Negro 』(Universal, 2001)を入れた。

 プリンス・ファミリー出で、ピンとなり一番成功を一時期おさめたのは彼? いや、違うのかな? でも、80年代中期のA&Mのプライオリティ・アーティストとして前に立っていたときはなかなかに華々しかったよなー。そして年月がたち、唐突にあのディアンジェロ(2015年8月18日)のバンドの一員として同行したのには驚いた。逸材は逸材を知る、という感じで、あのサプライズはおおいにうなずかされもしたな。あんときはかなりおっさんになったなあという感じにも見えたのだが、中央に立つ今回、帽子を深く被りご尊顔をストレートに見ることはできなかったが、年齢よりは若めに見えたかな。一階の後ろ中央目で見ていたのだが、足元も見えないので、どのぐらいエフェクターを置いているかもわからなかあった。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。

 ギターを弾き歌う御大に加え、女性キーボード奏者のバニー・ハーツ(ローランド2台重ねで、効果音的な音出し役を担う。コーラスもつけた)、エレクトリック・ベースのデル・アトキンズ(5弦をいろんな弾き方で着実に弾く)、ドラムのブライアン・エドワーズ(下敷きビート音併用の場合もあり、ヘッドフォンをする)という3人がサポート。皆、アフリカ系の奏者だ。

 演奏が始まった途端、そうコレコレ、これこそはミニアポリス・ファンクと言いたくなるアクセントを持つファンク・ロック曲を彼は送り出し、アガる。もうリリースされて10年もたつが、『Verbal Penetration』(Bellavenix 、2009年)という傑作2枚組(けっこう、P-ファンク的な味も持っていた)をモノにしているので、A&M時代の曲を含め、自作で通すのかなと思えば、プリンス(2002年11月19日)の「コントラヴァシー」や「フィール・フォー・ユー」やザ・タイム(2019年6月23日)の「ジャングル・ラヴ」などもやる。

 まずギター小僧というイメージがあるが、ヴォーカルは音程は確かで、声量もあり。そして、陰影にはかけるが欠けるがけっこうプリンスと重なる感じを持つと再確認。一方、ギターは右利きながらわざわざリバース・ヘッドのストラトキャスター型のギターを使っていることに如実に表れているようにジミ・ヘンドリックス(左利きの彼は、右利き用のギターを逆さに構え〜リバースヘッドとなる〜ていた)耽溺を全面的に出し、ソロもたっぷりとる。アームはほとんど使わなかった。

 驚いたのは、曲間にちょっとウォーミング・アップ的にギターをつま弾いたりするのだが、1曲は指弾きで古いブルース調のそれを繰り出したこと。おお、彼はちゃんとブルースも通っていると思わせた。と、思ったら、中盤少し後で、もろにジ・ヘンドリックスのスロー・ブルース「レッド・ハウス」調のブルース曲をやる。歌詞までちゃんと認知していないので、それが「レッド・ハウス」かどうかは知らないけど。思っていた以上に、いろんな蓄積を持つ人物と感じさせたのはうれしい収穫でした。

▶︎過去の、ジェシー・ジョンソン/ディアンジェロ
https://43142.diarynote.jp/201508200741137207/
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
▶︎過去の、ザ・タイム
https://43142.diarynote.jp/201906240933026811/

<今日の、悲しみとその他>
 ジョンソンに取材を申し込んでいたのだが、取材受ける気なしということで、とぶ。至極、ざんねん。気難しいところがある人なのかなと思って見ていたが、そんなことはなさそうだよな。ところで、彼やブラックバード・マックナイト (2002年7月28日、2009年9月5日、2011年1月22日、2013年4月12日、2015年4月12日、2016年11月29日、2017年4月8日、2019年4月30日)やジューン・ヤマギシ(1999年8月5日、2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日、2005年7月30日、2005年7月31日、2007年2月3日、2007年2月4日、2007年2月5日、2008年9月11日、2009年5月19日、2009年7月27日、2010年8月4日、2011年5月17日、2012年9月8日、2013年6月13日、2014年7月29日、2015年1月29日、2016年1月15日、2018年2月13日、2019年2月7日)らを並べたアルバム作りてえと、思った。あ、近く出る(15日発売かな)ギター・マガジンには、ブラックバード・マックナイトの長〜いインタヴューやコラムが掲載されています。
▶過去の、ブラックバード・マックナイト
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 触れていないが、フジ・ロック
http://43142.diarynote.jp/?day=20090905
http://43142.diarynote.jp/201102081256005311/
http://43142.diarynote.jp/201304150853287353/
http://43142.diarynote.jp/201504131109395934/
http://43142.diarynote.jp/201612011925201175/
https://43142.diarynote.jp/201704130838405526/
▶過去の、山岸潤史
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040330
http://43142.diarynote.jp/200508060616450000/
http://43142.diarynote.jp/200508060622480000/
http://43142.diarynote.jp/200702112125550000/
http://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
http://43142.diarynote.jp/200702122331070000/
http://43142.diarynote.jp/200809160030188727/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090519
http://43142.diarynote.jp/?day=20090727
http://43142.diarynote.jp/?day=20100804
http://43142.diarynote.jp/201105181052427410/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120908
http://43142.diarynote.jp/201306171646424744/
http://43142.diarynote.jp/201408051721103640/
http://43142.diarynote.jp/201501301446383781/
http://43142.diarynote.jp/201601190806343491/
https://43142.diarynote.jp/201802141255168037/
https://43142.diarynote.jp/201902081714487228/

 うわあ、ビックリ。前回よりももっと、あっち側にカッ飛んでいた。そして、アートでもあり、人間臭くもあった。一部は最良の現代チェンバー・ポップみたいな感じもあったし、良質の即興性ももちろん持つ。もうその一挙一動に注視し、息をのみっぱなし。南青山・ブルーノート東京(ファースト・ショウ)、3年ぶりの出演。この会場のノリや観客の歓待の様を既知なためもあるだろう、面々はやりやすそうであり、実演することに喜びを覚えていることが分かるのもとってもよかった。

 それにしても、このパンチ・ブラザース(2016年8月4日)の面々に関して安易にブルーグラスという言葉を出さなくてもいいのではないか。マンドリンとリード・ヴォーカルのクリス・シーリー(ブラッド・メルドー〜2002年3月19日、2003年2月15日、2005年2月20日、2015年3月13日、2019年5月31日、2019年6月3日〜との双頭作でも知られますね)、フィドルのゲイブ・ウィッチャー(フィドル)、バンジョーのノーム・ピクルニー、アコースティック・ギターのクリス・エルドリッジ(2017年11月13日)、ウッド・ベースのポール・ コートという面々が手にする楽器は、確かにブルーグラスと繋がった弦楽器。だが、今や多くの場合、それらの奏法や重なりは枠を大胆に超え、平たく言えば、ブルーグラス楽器構成によるニュー・ミュージックというものになっている。最終的にはアメリカの重要な何かを通った娯楽表現というものに帰結はするものの、そこにある緊張感や研ぎ澄まされた佇まいには本当に降参しちゃうな。

 しかも、開かれた場ではそうした表現をPAなしで勝負し、5人は自らの経験則でそれを十全に成し遂げる。各人の楽器の音も綺麗だよなあ。(例によって)一つのマイクを囲んで歌い合う際の味も良質にして歌心に富む。といったわけで、向かう音楽のタイプは違ったとしても、ミュージシャン/ミュージシャン予備軍は本当に見る価値がある実演ではないかとも痛感。また、ぼくは“グルーヴ人間”なのでドラムが入らない表現は苦手気味なところもあるのだが、この良質な切れと揺れを持つ表現はドラムレスの編成としては、ぼくに最大級の快感を与えるとも思った。

▶︎過去の、パンチ・ブラザース
http://43142.diarynote.jp/201608100931466329/
▶︎過去の、クリス・エルドリッジ
https://43142.diarynote.jp/201711141337544172/
▶過去の、ブラッド・メルドー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2003-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200502232041270000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150313 メリアナ
https://43142.diarynote.jp/201906050929394234/
https://43142.diarynote.jp/201906050931369228/

<今日の、ショウ>
 今まで見た中では、今年一番の公演と思えました。
 新作『2019:a Flying Duke』をフォロウする10箇所にわたる東日本ツアーを経ての、最終日。渋谷・WWW、フル・ハウス。実はそのアルバムは5年ぶりのトリオ編成によるもので、ピアノのスガダイロー(2009年1月8日、2009年7月3日、2013年2月19日、2016年2月28日、2016年7月16日、2017年4月11日、2017年7月8日、2019年5月30日、2019年6月14日)、ダブル・ベースの千葉広樹 (2014年10月22日、2016年7月11日、2019年3月16日)、ドラムの今泉総之輔(2009年6月16日、2011年4月22日)。この顔ぶれによるアルバムは、初めてとなる。

 もう出だしのソロ演奏の和音使いから、クール。オープナーは(アルバムと同様に)デューク・エリンントンの「ソリチュード」。頭のほうに「A列車」をひしゃげたかたちでクォーテイション。アルバムよりも全然長尺で、まさに月の向こう側に飛んでいかんという感じ? いやあ、無頼漢的姿勢とアーティスト性の釣り合いが面白くしょうがない。後の曲における、雄大な波を作る左手の反復音に乗り右手が泳ぐ様に触れ、ダラー・ブランドの『アフリカン・ピアノ』を思い浮かべる。あまり黒っぽい経路を通らずに自己表現を成就させているスガだけに、かような所感を受けることは新鮮。そのことをスガ・エンスーの人に言ったら、前からブランド『アフリカン・ピアノ』は好きで、口に出していたとのこと。そうかー。

 嬌声があがりまくる、アコースティック・ジャズのコンサート。素敵だ。

▶過去の、スガダイロー
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/200907131158382767/
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
http://43142.diarynote.jp/201603011023174338/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160716
http://43142.diarynote.jp/201704131639031673/
https://43142.diarynote.jp/201707101243147840/
https://43142.diarynote.jp/201905310800294940/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/ 取材
▶︎千葉広樹
http://43142.diarynote.jp/201410251055118180/
https://43142.diarynote.jp/201607121045394372/
https://43142.diarynote.jp/?day=20190316
▶︎過去の、今泉総之輔/quasimode
https://43142.diarynote.jp/201104270527324850/
https://43142.diarynote.jp/200906181210154217/

<今日の、気候>
 ここんとこ、また涼しい。つーか、今年はまだ暑さを感じた日はあまりない。今年は去年とえらい違いだね、という会話が飲みの席で出たりもしている。今日あった人は、来週から早めの夏休みを取るのにいまいち盛り上がらねーとボヤく。そろそろ夏物商戦に影響が出てきたりする? さてさて、この後どーなる?

 ロサンジェルス出身、バークリー音大在籍中に録ったデビュー作はグレッチェン・パーラト(2009年2月3日、2012年2月22日、2013年3月19日、2016年9月4日,2017年9月20日)がプロデュースしていた現代女性ジャズ歌手の公演を、南青山・ブルーノートで見る。セカンド・ショウ。

 赤系のカジュアルなワン・ピースを着た(←それは、気安い感じを受け手に与えるか)デスバーグを、テナー・サックスのルーカス・ピノ、ピアノとキーボードのマティス・ピカード、エレクトリック・ベースのアーロン・リャオ、ドラムのジョナサン・バーバーという面々がバックアップ。まだそんなに年が行っていないだろう彼らは、主役を親身に盛り立てるといった感じで、それはまさしくバンドの風情ありか。ピアニストがちょっとアートな弾き方をしていたと思ったら、一転してラテン調のビートになったとたん笑顔で手拍子を促すハンド・クラッピングをするあたり、フフフとなれました。

 初々しさを持ちつつ余裕ありとも思わせるテスバーグは、キャット・エドモンソン(2015年5月10日、2018年5月29日)ほどではないが、なかなか可憐系のクセ声の持つ主。であるとともに、実演に触れると彼女はスタンダードを歌わない場合でもオーソドックスなジャズ・ヴォーカル表現をしっかり愛好する人物であることもくっきり浮き上がる。その際たるものは、歌い方。歌詞に沿って、手振りや動きを入れながら歌う様は若手のジャズ歌手にはないと言っていいはず(彼女も30歳ぐらいかと思うが)。また、彼女はピアニストとデュオでしっとり歌う局面もあった。だが、一方ではパーラト流れの今様の音楽性も併せ持つわけで、そのデュアルな感覚は面白いし、彼女の個性につながっている。ちなみに、新作『アウト・フォー・デリバリー』の鍵盤はクリス・バワーズ(2014年7月27日)が弾いている。

 5弦のフレットレスを弾いていたべーシストはけっこうサム・ピック奏法をぐつぐつと多用。この手のタイプとしては、それは珍しい。最初はダブル・ベース奏者を雇ったほうがいいんじゃねとも思っていたが、そういう様に触れるうちに彼でいいっかという気持ちになった。彼女の新作レコーディングにも参加しているドラマーのバーバーは鬼のように簡潔なキット(カノウプス)を用いていたが、スネアは二つ置き。タムの位置にあった一つの方の音はかなりパシャパシャした音質を持ち、それはプログラム音的な手触りをどこか醸し出す。今、スネアを二つ置くドラマーは少なくないが(それを曲により叩き分ける場合が多い)、彼ほど1曲の中で二つのスネアを両方叩く人には初めて触れた。

▶過去の、グレッチェン・パーラト
http://43142.diarynote.jp/200902040424558168/
http://43142.diarynote.jp/201202251301444372/
http://43142.diarynote.jp/201303221327416224/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
https://43142.diarynote.jp/201709240954004876/
▶︎過去の、キャット・エドモンソン
http://43142.diarynote.jp/201505111009314451/
https://43142.diarynote.jp/201805300825448262/
▶︎過去の、クリス・バワーズ
https://43142.diarynote.jp/201408051020111821/
https://43142.diarynote.jp/201901301508232449/ (インタヴュー)

<今日の、R.I.P.>
 ジョアン・ジルベルト(2003年9月12日)が、6日におなくなりになった。
▶過去の、ジョアン・ジルベルト
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm
https://43142.diarynote.jp/201906110953249486/ ジルベルトの存在をトリガーに置く映画。日本では、8月下旬から公開。

 目黒区施設の、毎年恒例の出し物。<アフタヌーン・サロン・ジャズ>と名付けられた昼の部は、めぐろパーシモンホールの小ホールにて。

+nouon Unplugged
 オルタナティヴ・ジャズ・ビヨンドのカルテット(2015年4月17日、2015年9月13日、2015年10月9日、2016年3月14日、2017年2月17日、2017年8月23日、2018年6月7日、2018年11月17日)のこの日のライヴは、メンバーのドラマーとギタリストはお休みにし、ヴァイブラフォンとピアノの基本単位に新たにリード奏者(バス・クラリネット、ソプラノ・サックス)というトリオにてのパフォーマンスを見せる。すでにこの編成でもライヴをしているようだが、電気効果を排する室内楽的サウンドはなかなかに新鮮にして高尚。多くは新曲であったようだが、それも興味深かった。

▶過去の、nouon
http://43142.diarynote.jp/201504181000432127/
http://43142.diarynote.jp/201509231111454665/
http://43142.diarynote.jp/201510141817129055/
http://43142.diarynote.jp/201603151140427186/
http://43142.diarynote.jp/201702211431013289/
http://43142.diarynote.jp/201708240028435013/
https://43142.diarynote.jp/201806081020157759/
https://43142.diarynote.jp/201811191728519787/

+ Tokyo Romany
 女性のヴァイオリン奏者/シンガー、ダブル・ベース、パーカッションにベリー・ダンサーが加わったユニット。広義のジプシー調サウンドを、日本人的な個や娯楽性も無理なく立てつつ横切っている感じを受けた。

+藤本一馬+伊藤志宏Duo
 ギターの藤本一馬(2011年8月22日、2012年6月17日 、2013年4月19日)とピアノの伊藤志宏(2013年4月19日、2013年11月1日、2015年4月24日)のデュオは軽やかに悠々と流れる。だいぶ前から重なることがあった二人ならではの理解項目あり。あとで、ものすごーく久しぶりに会うのに藤本が僕を見て名前とともに握手を求めてきてびっくり。インタヴューをしているとはいえ、その間彼はNYに住んだりもしているわけだし。聡明だなーと人の顔も名前もなかなか覚えられないぼくは思わずにはいられず。

▶︎過去の、藤本一馬
https://43142.diarynote.jp/201109100857091783/
https://43142.diarynote.jp/201206210942136482/
https://43142.diarynote.jp/201304211111189539/
▶︎過去の、伊藤志宏
http://43142.diarynote.jp/201304211111189539/
http://43142.diarynote.jp/201311021703148497/
https://43142.diarynote.jp/201504271015006453/

+白崎映美with伏見蛍
 和や東北色を効果的に介する、色のこってり濃い女性シンガーと彼女の普段のプロジェクトでも一緒にやっているというギタリストとのデュオ。海外曲も日本語歌詞にて、自分の色に染め上げていた。芸風、きっちりありますね。

 夕方の部は、同大ホールにて。大除隊のブラス・セクションを抱え流3組が出演する。そして、最後には、その3組が一緒に演奏した。 

+たをやめオルケスタ
 女性だけのビッグ・バンド(2011年4月8日)。シンガーがいなくなったようだが、パーカッショ二ストが目立つ感じで入り、歌謡曲濃度は低くなったが、ラテン濃度は上がり、剛性感やプロフェッショナル度はあがっていた。リーダーのステージ運びも凛として玄人。彼女たちにしろ、この後のGFJBにせよ、晴れの場を彩った往年のビッグ・バンドのひな壇ディスプレイがなされていてうれしい。

▶過去の、たをやめオルケスタ
http://43142.diarynote.jp/201104101221012622/

+ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンド
 レトロなジャズのビッグ・バンドの風情を、どこか今っぽいエンターテインメント感を介して押し出す男性ビッグ・バンド(2017年7月8日)。肉感的に、鮮やかに。3人の女性コーラスが加わる場合もあり。

▶︎過去の、ジェントル・フォレスト・バンド
https://43142.diarynote.jp/201707101243147840/

+ファンファーレ・チョカリアーア
 ルーマニアの著名ジプシー・ブラス・バンド(2004年8月28日、2005年10月15日、2008年10月13日)がトリを飾ったが、ぼくが面々を見るのは10年以上ぶりになるのか。メンバーは結構代わっているのかもしれないが、もう迫力満点で、うまくもなっていた? もう“鉄板”の音楽様式とライヴ運びのもと、人間力もりもりの圧倒的に魅力的なパフォーマンスをくり広げる。トランペット4、アルト・サックス2、チューバ系低音バルブ楽器4、打楽器2という編成だったか。トランペットとアルトの一人は時に歌も歌い、それもすこぶる魅力的だった。

▶︎過去の、ファンファーレ・チョカリアーア
https://43142.diarynote.jp/200408281712140000/
https://43142.diarynote.jp/200510172138380000/
https://43142.diarynote.jp/200810151708588667/

<今日の、知り合い>
 夜の部のステージには、いったい何人がステージにあがったのだろう? すると、さすが知り合いがいたりしますね。たをやめの、テナーのゆうかちゃん(普段はアルト・サックスを吹いているが、ここではテナーを持つ。2010年12月27日、2011年2月11日、2011年5月8日、2012年6月8日、2012年10月27日、2013年2月11日、2013年8月24日、2014年6月15日、2015年7月12日、2017年9月24日)とパーカッションのちいちゃん(2010年12月27日、2011年2月11日、2011年5月8日、2012年6月8日、2012年10月27日、2013年2月11日、2013年8月24日、2014年6月15日、2015年7月12日、2016年2月11日、2016年5月22日、2018年6月17日)は旧知の方々。ちいちゃんはかなり目立つ所に独立して位置し、大人数のなか一番目立つ。また、開演前にホワイエで踊り、またチョカリーアの実演の際にもステージにあがっていたルハニ・ベリー・ダンス・アーツの一人は先日会ったばかりの某大使館勤務の日本人女性でした。

▶過去の、沼尾木綿香
http://43142.diarynote.jp/201101061047294455/
http://43142.diarynote.jp/201102121002078478/
http://43142.diarynote.jp/201105140858559432/
http://43142.diarynote.jp/201206120854205300/
http://43142.diarynote.jp/201211151028209850/
http://43142.diarynote.jp/201302181123344904/
http://43142.diarynote.jp/201308281519499994/
http://43142.diarynote.jp/201405051105329639/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/201507190815468497/
https://43142.diarynote.jp/?day=20170924
▶過去の、青栁智里
http://43142.diarynote.jp/201101061047294455/
http://43142.diarynote.jp/201102121002078478/
http://43142.diarynote.jp/201105140858559432/
http://43142.diarynote.jp/201206120854205300/
http://43142.diarynote.jp/201211151028209850/
http://43142.diarynote.jp/201302181123344904/
http://43142.diarynote.jp/201308281519499994/
http://43142.diarynote.jp/201405051105329639/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160211
http://43142.diarynote.jp/201605240833401202/
https://43142.diarynote.jp/201806181751451387/

ザ・ディップ

2019年7月5日 音楽
 初来日となるワシントン州シアトル拠点の白人7人組を見る。ヴィンテージ・ソウル・バンドと言っていいか。テナー、バリ、トランペットの3菅を擁する編成で南部味を所々持つ60年代調のホワイト・ソウル曲をずんずん聞かせていく。キーボードレスの編成でそれは無骨さをもたらし、面々はインストゥメンタルも数曲披露。リード・ヴォーカルはギタリストの1/2が取り、バンド員はコーラスも取り、ときに共通するフリを見せたりもする。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。

<今日の、懐古>
 ツール・ド・フランスが始まるらしい。毎年見ているような知人がいて、ウキウキしている。なんとなく中継を見たこともなくはないが、自転車レースには基本興味はわかないなー。子供のころ、自転車は人間以外では一番の友であったはずなのに。幼稚園のとき最初に買ってもらい、以後ぼくは学校が終わると有頂天になって(?)自転車に乗って遊びに出ていたんじゃないのか。乗れない雨の日は、だから嫌いだったはずだ。とにかく、飛躍的に活動範囲が広がるのがうれしくてうれしくてしょうがなかった。その奥には動くものが好きで、車にも多大な興味を持っていたし、バスに乗るのも、運転手を見るのも好きだった。結構、自転車の曲乗りも器用にやっていたよなあ。そして、小学校高学年になると、かなり遠くまで遠征したりもした(親には内緒だったナ)し、脚力が強かったのでそうとう早く漕げた。あのまま、自転車小僧が続いていたら、ぼくは競輪選手になれたのではないか。な〜んて、甘い、都合の良い考え方ができるのは、今となってはぼくの美点と言えるのかもしれない。

 南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。ヒップホップやクラブ・ミュージックと繋がったUKジャジー表現を作り出す黒人キーボーディストの公演で、参加ミュージシャンはジョン・ウッドハム(トランペット、一部フリューゲル・ホーンも)、ジェイミー・リーミング(ギター)、小柄な女性のカヤ・トーマス・ダイク(電気ベース)、ピーター・アダム・ヒル(ドラム)。皆20代か、ウッドハムとチーミングとヒルは白人だ。

 在英豪州人ジョーダン・ラカイ(2017年3月14日)とはお互いのアルバムに入り合う仲にあり、響きや情緒の在りように自覚的な担い手。以下は、箇条書きにて記す。▶︎揺れるエレクトリック・ピアノ音が基調となるが、フェンダーやノードではなく、ヤマハのモンタージュ88鍵モデルでことをこなす。▶︎2曲ではアコースティック・ピアノも弾いた。▶︎1曲(新曲の「グラッド・アイ・リヴド」かな)では語り調のラップも鍵盤を抑えながらする。▶︎また、ベーシストも1曲で歌う。華のない人(ベースのフレイジングはまっとうなのに、いかにもアタック感に欠ける地味な弾き方をしていたなあ)なのに、1曲ベースを弾きながら歌ったときには、彼女を照らす高度が2倍になったような感覚を受けた。▶︎トランペット奏者とギター奏者には長いソロ・パートを各曲あたえるのに、本人は2曲でしかソロをとらなかったか。当人はリーダー/サウンド・クリエイター/トラック・メイカー的な意識が高いのだろうか。▶︎トランペッターは2本のマイクを立て、一つのほうはエフェクトがかかる。律儀に、普通のマイクを使ってのソロ→エフェクターを介してのソロという順序で彼はソロを取る。▶︎そのトランペッターのソロのあとに、どの曲もギタリストのソロというオーダーを取られ、それはワン・パターンな印象を引き出す。▶︎アルバムでは弦音も効果的に使っていたがそれがないと、チルっぽい(今のビートを持つ)フュージョンという感想も引き出す。▶︎実は、一番感心した(?)のは、アルファ・ミストのMC。それ堂々としていて、人懐こくもあって、良い声だし、なんかぼくはとってもいい印象を覚えた。

▶︎過去の、ジョーダン・ラカイ
https://43142.diarynote.jp/201703161148366918/

<今日の、ふとした思い>
 TVでグルメ番組、食中心の旅番組は絶対見ないという知人がいる。美味しそうなのを見ると食べたくなるものの、それは不可能でめっちゃ腹が立つからだそう。おお、食いしん坊さん……。ぼくもたまにそういう気持ちになる場合もあるかも。その点、音楽の文章はそんなにストレスを与えないかな? 気になった時点で、すぐにネットを介して音をチェックできる場合が多いから。コンサートはそれが多くの場合不可能だろうが(まあ、類似するライヴ映像をYouTubeで探すのは不可能ではないかも)、すると公演を見たくなる原稿よりも、見た気になれる文章のほうがいいのかな。こんな内容のコンサートでした、ぼくはこういう見方を持つことができましたと言うことは、書こうとしてるはずだが。

< 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 >