チャカ・カーン(2003年10月10日、2008年6月5日、2012年1月10日、2014年9月6日、2014年9月10日、2016年5月20日)、ブーツィ・コリンズ(2011年8月12日、2012年5月31日)、ミシェル・ンデゲオチェロ(2002年6月18日、2003年11月18日、2003年11月22日、2008年5月7日、2009年5月15日、2013年11月18日、2014年7月14日、2017年1月18日)らの島。また、シェリル・クロウ(1999年10月16日、2002年10月21日、2004年9月17日)、フィオナ・アップル(2000年5月8 日)、ポーラ・コール(2000年4月9日)らのグループ。前者はファンク・ブラザーズ(2006年4月11日)の光と影を扱った映画「永遠のモータウン」(2003年12月2日)に出ていた人たちであり、後者はサラ・マクラクランが中心となる女性音楽家フェスティヴァル“リリス・フェア”の出演者たち。その両方に関与していたのが、ジョーン・オズボーンなわけで、それだけを取るととってもすごい人のように思えますね。

 な〜んて、他人ごとのように書いているのは、ぼくがオズボーン(1962年、ケンタッキー州生まれ)のことをそんなに聞いてきていないからだ。なんか、大陸的(それは大味とかガサツという印象につながる)な白人ロック・ヴォーカルという印象を最初にもってしまい。。。

 そんな彼女の新作はディラン曲を取り上げた『Songs of Bob Dylan』(Womanly Hips Music)で、丸の内・コットンクラブのファースト・ショウはその新作の内容に基づくもの(セカンド・ショウはオリジナル曲を歌う内容のよう)。曲によっては生ギターやタンバリンを手にしながら歌う当人に、ピアノやキーボードやコーラスを担当するキース・コットンがつく。そのキース・コットンは近年のオズボーンのアルバムに演奏だけでなく、制作やエンジニアリングでも関わっている人物だ。

 まず驚いたのは、彼女が、ぼくが思っていたよりも綺麗で、性格良さそうと思えたこと。彼女とつながるきつい顔つき(?)を持つダイアナ・クラール(1999年5月21日)もイリアーヌ・イリアス(2006年6月28日、2015年2月8日、2016年1月7日、2017年6月20日)も実際はいい人たちだし、ぼくは白人系女性の顔の性格読み取り能力がずれているのかもしれない。

 ともあれ、そんな二人によるパフォーマンスに接し、味よく、少なくても今の彼女は地に足をつけた滋味も持つシンガーであると知る。ちょいハスキー目の歌声は実直でもあり、癖のあるディラン曲(初期から21世紀に入ってからの曲まで、いろいろ取り上げる)を生理的に澄んだ歌い方ともにニュートラルな大地へと彼女はちゃんと解き放っていた。コットンの指さばきは少しワン・パターンにも思え(でも、ちゃんとロック感覚を持つ演奏だったと思う)、それは少し曲解釈の幅を狭めていたか。だが、満足感は大。レコードよりも、ライヴの方がいいと思う。

 ショウが終わり、彼女のサイン会にCD購入者がずらりと並んでいた。それから面白かったのは、ライヴのボーナス・トラックと言って、確か3曲もアルバム未収録ディラン・カヴァーも披露したこと。そんなオズボーンさん、一番好きなディランのアルバムは1989年作『オー・マーシィ』であると言っていた。

▶過去の、チャカ・カーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200806121525370000/
http://43142.diarynote.jp/201201131546344144/
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http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
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▶過去の、ブーツィ・コリンズ
http://43142.diarynote.jp/201108131129381378/
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▶過去の、ミシェル・ンデゲオチェロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200805090836380000/
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http://43142.diarynote.jp/201407151135353688/
http://43142.diarynote.jp/201701191854055570/
▶︎過去の、シェリル・クロウ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/octber1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200410071540230000/
▶︎過去のフィオナ・アップル
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
▶︎過去の、ポーラ・コール
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm
▶︎過去の、ファンク・ブラザーズ
http://43142.diarynote.jp/200604141318090000/
▶︎過去の、映画「永遠のモータウン」
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-12.htm
▶︎過去の、ダイアナ・クラール
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live2.htm 5月21日
▶過去の、イリアーヌ・イリアス
http://43142.diarynote.jp/200607041956350000/
http://43142.diarynote.jp/201502090956393081/
http://43142.diarynote.jp/201601090750252990/
http://43142.diarynote.jp/201706211900006500/ 

 南青山・ブルーノート東京に移動。アフリカ系女性歌手のリサ・フィッシャー(2016年3月21日)を見る。その実演は、ギターのJ.C.メイヨールと縦/電気ベース両刀のエイダン・キャロルとドラムのティエリー・アルピノからなるグラン・バトンと名付けられたバンドを伴ってのもの。それは、前回の来日公演とまったく同じ顔ぶれだ。で、ぼくは前回公演を見てカサンドラ・ウィルソン(1999年8月27日、1999年9月2日、2001年2月12日、2004年9月7日、2008年8月11日、2010年6月13日、2011年5月5日、2013年5月31日、2015年3月19日)を比較に出したりもしたわけだが、その技ありの“俯瞰”技量は変わらぬものの、より多彩な表情を出すようになり、またフィッシャー本人の歌がさらに多弁になっていた。いやー、前回来日公演の項で持ち上げまくっていますが、彼女とその仲間たちは凄いことになっている。メイヨールのエフェクト使いは前回より控えめになりいい感じの隙間は増大、それもまた表現総体の深みを生んでいたと思う。

 ストーンズ(2003年3月15日)の「ワイルド・ホーシズ」やザ・ポリスの「メッセージ・イン・ア・ボトル」らロック曲からスタンダードの「フィーヴァー」まで、曲本来の立ち位置を別の位相にワープさせんとするサウンドのもと、自在に肉声が載せられる。実は今回、フラメンコ調(フランス人のメイヨールもそれ風でヴォーカルをとった)や中近東(メイヨールはブズーキを手にした)の方まで行く曲をやったのにはびっくり。でも、唐突な感じはなく、いろんな音楽様式がジャズを含む米国黒人音楽という輪のなかに吸い込まれて行くような感覚を得た。それ、ロックが一番伸び盛りの時代、民族音楽要素やニューオーリンズ・セカンド・ラインをハード・ロックという目のなかに消化したレッド・ツッペリンのありようみたいと、ぼくは酔った頭でふと思ったりもした。

 リヴァーブのかかり方の異なるマイク2本使いのフィッシャーの多大な技があるからこその野心と豊かな人間性発露(それはキュートさにつながる)を併せ持つ歌唱の様に触れながら、こと歌の技量だけに限っても、フィッシャーはダイアン・リーヴス(1999年4月28日、2001年4月24日、2008年9月22日、2010年3月23日、2011年11月15日、2017年5月29日)よりも上なんじゃないか、ぼくはそんなことも思った。アワワワ。かような彼女たちがアルバムを作っていないというのは、あまりに謎すぎる。

▶︎過去の、リサ・フィッシャー/グラン・バトン
http://43142.diarynote.jp/201603230835051084/
▶過去の、カサンドラ・ウィルソン
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http://www.myagent.ne.jp/~newswave/september1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200409070203440000/
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▶過去の、ザ・ローリング・ストーンズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
▶過去の、スティング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm
▶︎過去の、ダイアン・リーヴス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
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http://43142.diarynote.jp/201111210320292366/
http://43142.diarynote.jp/201705301638029304/

 その後は、ジャパン・タクシーに乗って(やはり、その車種にあたるとうれしい。http://43142.diarynote.jp/201803301412566401/ の最後のほう、参照。運転手さんが、オリンピックまでに東京のタクシーの3分の1はジャパン・タクシーになる計画だと教えてくれた)渋谷・UNDER DEER LOUNGEに回る。トランペッターの黒田 卓也(2012年2月18日、2012年9月13日、2013年2月15日、2014年5月25日、2015年1月30日、2015年2月15日、2016年9月17日、2016年12月16日、2017年7月12日、2018年2月21日)が仕切るゆる〜りセッションで、なんと入場無料!

 近くはじまるミーシャ(2016年9月17日)のツアーに加わる黒田ら在NYの奏者たちと東京のに担い手たちが、いろいろと重なる。進行役は黒田が務め、わきあいあいと入れ替わり。そして、ソウルやジャズのスタンダードを演奏して行く。客は若い人が多かったが、こういう担い手の交流の様に触れられることはとても有意義だし、その人なりのジャズとつながる音楽の魅力を発見できるんじゃないだろうか。また、大学1年生と紹介されたセッション参加者もいて、これは前途ある演奏者にとっても刺激的な場であるに違いない。

 会場にいたのは、キーボードの大林 武司(2014年5月25日、2015年9月5日、2016年2月16日、2016年9月4日、2016年12月16日)、パーカッションの小川慶太(2014年8月3日、2016年1月19日、2017年4月18日、2017年12月11日)、パンデイロの南条レオ(2016年10月22日、2016年11月30日)、ドラムの石若駿(2014年9月26日、2016年6月27日、2016年7月21日、2016年9月4日、2017年6月21日、2017年7月12日)、ヴォーカルのHanah Spring(2011年4月22日、2017年3月29)、他。ミーシャの楽旅参加組かアフリカ系のエレクトリック・ベーシストやテナー・サックス奏者が入った場合もあり。

▶過去の、黒田卓也
http://43142.diarynote.jp/201202200901013744/
http://43142.diarynote.jp/201209191239346073/
http://43142.diarynote.jp/201302181044151204/
http://43142.diarynote.jp/201405271755563079/
http://43142.diarynote.jp/201501310942048841/
http://43142.diarynote.jp/201502170939564537/
http://43142.diarynote.jp/201609201835285184/
http://43142.diarynote.jp/201612181010384754/
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
http://43142.diarynote.jp/201802221538438234/
▶過去の大林武司
http://43142.diarynote.jp/?day=20140525
http://43142.diarynote.jp/201509211331298145/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160216
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/201612181010384754/
http://43142.diarynote.jp/201802221538438234/
▶︎過去の、ミーシャ
http://43142.diarynote.jp/201609201835285184/
▶過去の、小川慶太
http://43142.diarynote.jp/201408061110256933/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160119
http://43142.diarynote.jp/201704200801169451/
http://43142.diarynote.jp/201712121324481276/
▶︎過去の、南条レオ
http://43142.diarynote.jp/?day=20161022 ジョー・バターン
http://43142.diarynote.jp/201612030915436915/
▶︎過去の、石若駿
http://43142.diarynote.jp/201409291402101328/
http://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170621
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
▶︎過去の、Hanah Spring
http://43142.diarynote.jp/201104270527324850/
http://43142.diarynote.jp/201704031056083140/


<今日の、笑顔>
 実は、2017年1月10日 http://43142.diarynote.jp/201701121236499333/ の欄外に書いてあるパーティとは、上のものと同様の黒田卓也が中心となってのものだった。なんか、かなりクローズドな催しのような気がして、アーティスト名を出すのをさけたのだが、今回は黒田自身がツィッターで広く伝えたよう。しかし、黒田の豪放磊落なフランクさあってこそのお楽しみセッション会とも言えようか。彼が演奏に加わった場合は少し音がピリっとするような気もし、セッションゆえにそのソロからは彼のクリフォード・ブラウン好きも自然にこぼれ出る。夜の現場、もっと盛り上がれ〜! 夜遊び、ばんざ〜い。

追記;ヴェテランR&B歌手のヴェティ・ラヴェット(2007年10月9日)の2018年新作『Things Have Changed』(Verve )も堂々のボブ・ディラン曲集だ。プロデューサーは、なんとスティーヴ・ジョーダン(2005年11月13日、2006年11月20日)2006年12月22日、2010年10月26日)。その流れで、キース・リチャーズ(2003年3月15日)も2曲にギター参加している。
▶︎過去のヴェティ・ラヴェット
http://43142.diarynote.jp/200710131957390000/
▶スティーヴ・ジョーダン
http://43142.diarynote.jp/200511130413390000/
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061222
http://43142.diarynote.jp/201010301012548114/
▶過去の、ザ・ローリング・ストーンズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm