イエス!は1974年ボストン生まれのピアニストのアーロン・ゴールドバーグ(2011年7月4日)を中心とする、NYベースのピアノ・トリオ。彼はかなり前にジョシュア・レッドマン(2012年5月31日、他)のコンボ入りしたこともあったが、それは両者ともハーヴァード大学卒という項目つながり、なんても言われる。かつてそのゴールドバーグとともにOAMトリオというコンボを組んでいたりもしたイスラエル出身ベーシストのオマー・アヴィタルはゴールドバーグ以上に自己リーダー作の多い人物。そして、もう一人ドラマーのアリ・ジャクソン・Jr.はアフリカ系だ。そのジャクソンJr.の2008年リーダー作を聞くとルジアナ州ニューオーリンズ(NOLA)出身なのかと思わせられたりする曲もあり←たぶん、そうなんじゃないか。だから、NOLA出身のマルサリスは自分のリンカーン・センター・オーケストラに、ジャクソンJr.を雇ったりもしたのだと思う。同作では一部で注目のNOLA出身のジョナサン・パティステ(2010年6月13日)がピアノを弾き、ベースもマルサリス系列にいるカルロス・エンリケス、さらにはレジナルド・ヴィール(2010年9月30日、他)が起用されている。
 
 と、それなりのキャリアを持つ奏者たちのトリオだが、最初のほうは、そりゃ質は持つが、オリジナルをやりつつも基本オーソドックスなことをやるなあ、オレにはあまり関係ないピアノ・トリオかなあと少し醒めて接していた。が、途中、すんごい詩的で間を持つしっとり美曲をやったあたりから、どんどんワーキング・トリオとしての輝き、この3人ならではのコンビネーションが導く色合いを増していったような。それに続くは、セロニアス・モンクの「エピストロフィー」。これ、基本メンバーが出し合うオリジナル主体のイエス!の2012年新作にも収められていた曲だが、それとも少し違う感じのひねりを介していてもいて、いいじゃんと高揚した。本編最後の曲は諧謔も感じさせるヒネたアクセントを持つ曲。そして、アンコールはジョン・コルトレーンの「ジャイアント・ステップ」を揚々とかます。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。なお、お客さんがかなり温かい反応を見せ、当人たちもやりやすかったんじゃないだろうか。

 そして、青山・プラッサオンゼに移動して、カンタス村田とサンバマシーンズ(2011年5月8日、他)の選抜簡素版編成たるミニサンバマをセカンド・セットの途中から見る。ギター、複数の打楽器奏者やサックス奏者やダンサーを抜いてのもの、なり。この縮小版で関西ツアーもやったりもしているよう。このユニットだけでやる曲もあるなど、少人数(とはいえ、6人いるが)たる小回りの効き具合を前に出し、構成員の素顔を明快に出そうとしているところもあるのかな。

<今日の、プリウス>
 家の近くのけっこう大きめの時間貸し駐車場は、いつ見てもプリウスが多い。←それ、どうやら営業車も少なくないよう。この日は全体の3割ほど。いくら燃費がいいとはいえ、そんなに高比率で同一車種が並ぶというのは異常ではないか。いや、気持ち悪い。ましてや、空力はいいのかもしれないが、まるっきりワクワクするデザインを与えられていないわけだし。で、あのデザインだとメタリック系のくすんだ色しか似合わないのかもしれないが、色が大層しょぼい。これだけ世に氾濫している今、もっと車体色を増やすのはトヨタの義務だと思う。地球にはほんの少し優しいのかもしれないが、プリウスは今、道路や駐車場の風景を滅法つまらないものにしている。まあ、げんざい年間2000キロ強しか走らないぼくには、ハイブリッド車なんて無縁きわまりないものだから、余計にチっと感じるのかもしれないが。おれ、いま月一ぐらいでしか、給油しないもん。そんな大ベストセラー車のプリウスは現在タクシー車両にも採用されているが、この晩はじめて、プリウス・タクシーに乗った。通常のタクシーより上部スペースが狭く、少し窮屈に感じる。シートは固め、それは長い時間乗るにはいいかもしれない。運転手さんが言うには、これまでの3倍燃費がいい。ホントか。