ガヴァメント・ミュール
2014年4月1日 音楽 まさか、この米国ジャム・バンド/がちんこサザン・ロック・バンドを日本で見れようとは……。と、思ったら、フジ・ロックに出たことあるんだってね。六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。
ザ・オールマン・ブラザース・バンドにも関与しているウォーレン・ヘインズ(ヴォーカル、ギター)に加え、キーボード、ベース(ピック弾き)、ドラムの4人組。だが、さすがあちらの人気バンド、ローディの数が多そう。
1曲目のブルース曲は20分を超えていて、一体何曲披露するのかと思ったら、後は少し短めで、90分で8曲はやったか。あ、でもやっぱり1曲10分を超えるのか。アルバムではいろんなゲストが入っているブツもあったりし、もしかすると、臨機応変に異質な音楽要素を取り入れようとしているところもあるのかもと思ったら、まったくもってオールド・ウェイヴなアーシー・ロック路線で突っ走る。歌はひたすら朗々とデカく、まあ艶やかとも形容できなくもないギター・ソロを本当にこれ見よがしに延々と披露。なんの工夫もなく、本能と言うか、過去示された“どすこい”な語彙をこれでもかと、彼らは並べる。でも、だからこそ、米国のライヴのマーケットで確固とした位置も築いているというのも、なんとなく分る。余計なモノに色目を使うことのない、強さあり。アメリカは広いな、大雑把だな、保守的だな、大きいな。感想は、それにつきました。
<今日の、納税>
帰りに、たまに寄るバーに行ったら、飲み物価格が100円上がっていて、おお。消費税値上げを率直に感じた。
ザ・オールマン・ブラザース・バンドにも関与しているウォーレン・ヘインズ(ヴォーカル、ギター)に加え、キーボード、ベース(ピック弾き)、ドラムの4人組。だが、さすがあちらの人気バンド、ローディの数が多そう。
1曲目のブルース曲は20分を超えていて、一体何曲披露するのかと思ったら、後は少し短めで、90分で8曲はやったか。あ、でもやっぱり1曲10分を超えるのか。アルバムではいろんなゲストが入っているブツもあったりし、もしかすると、臨機応変に異質な音楽要素を取り入れようとしているところもあるのかもと思ったら、まったくもってオールド・ウェイヴなアーシー・ロック路線で突っ走る。歌はひたすら朗々とデカく、まあ艶やかとも形容できなくもないギター・ソロを本当にこれ見よがしに延々と披露。なんの工夫もなく、本能と言うか、過去示された“どすこい”な語彙をこれでもかと、彼らは並べる。でも、だからこそ、米国のライヴのマーケットで確固とした位置も築いているというのも、なんとなく分る。余計なモノに色目を使うことのない、強さあり。アメリカは広いな、大雑把だな、保守的だな、大きいな。感想は、それにつきました。
<今日の、納税>
帰りに、たまに寄るバーに行ったら、飲み物価格が100円上がっていて、おお。消費税値上げを率直に感じた。
cure jazz reunion UA×菊地成孔
2014年4月3日 音楽 昨年から始まった帯イヴェント“JAZZ WEEK TOKYO”の中の一つの出し物で、UA(2004年7月6日、2004年8月12日、2007年1月27日、2009年5月30日)と菊地成孔(2001年9月22日、2002年11月30日、2004年7月6日、2004年8月12日、2005年6月9日、2006年1月21日、2007年11月7日、2009年7月19日、2010年3月26日、2011年4月22日、2011年5月5日、2011年7月31日、2013年3月26日、2013年7月27日、2014年2月20日)の2006年連名作『cure jazz』の改新版を披露しようとする公演。渋谷・オーチャードホール。
近年、肉声遣いをより楽しむ菊地は2、3曲で歌も歌い、ソプラノ・サックスやテナー・サックス(主に、ソプラノ)を吹く。彼に加えて、演奏陣は、ピアノに専念の坪内昌恭(2004年8月12日、2006年10月19日、2011年5月5日、2014年2月20日)、ウッド・ベースの鈴木正人(2003年12月4日、2004年7月6日、2004年11月30日、2005年6月9日、2005年10月30日、2005年11月15日、2007年1月27日、2007年10月17日、2008年1月31日、2009年1月16日、2009年10月31日、2011年3月2日、2011年5月22日、2013年1月29日、2013年2月19日、2013年8月29日、2014年2月20日)、ドラムの藤井信雄(2001年9月21日、2004年8月12日、2011年7月31日他)、ときに出音に効果を加える卓扱いのパードン木村(2004年8月12日、2011年5月5日、他)。彼らは『cure jazz』まんまの顔ぶれで、この公演の前に現在UAが住む沖縄に出向き、ルハーサルを兼ねライヴもしてきているという。彼女は3年ぶりの東京とか。
スタンダードや菊地のジャジー曲がもう一つの佇まいとともに演奏され、UAが彼女でしかない個ありまくりの歌唱を全面的にのせる。いや、その我が道を行く様、それが実があり、見事に聞く者の何かをノックする様にゃ脱帽。その歌唱はジャズの正道のそれではないが、凡百のジャズ・ヴォーカルと比較にならないほど輝き、情緒を持ち、聞き手に働きかけ、即興性にも富む。すごい。そして、彼女は譜面台を置かずに、きっちり自分のなかで響き呼応する歌詞やメロディを表出していたことも付記しておく。ちょっとした発言やダンスも含め、UA無敵……それを痛感しました。
▶過去の、UA
http://43142.diarynote.jp/200407062149440000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20040812
http://43142.diarynote.jp/200702010112550000/
http://43142.diarynote.jp/200906061045286071/
▶過去の、菊地
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200407062149440000/
http://43142.diarynote.jp/200408120238330000/
http://43142.diarynote.jp/200506120644360000/
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20100326
http://43142.diarynote.jp/?day=20110422
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/?day=20110731
http://43142.diarynote.jp/201303290751204240/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130727
http://43142.diarynote.jp/201402210802184994/
▶過去の、坪内
http://43142.diarynote.jp/200408120238330000/
http://43142.diarynote.jp/200610211633130000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/201402210802184994/
▶過去の、鈴木
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-12.htm コンボ・ピアノ
http://43142.diarynote.jp/200407062149440000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20041130
http://43142.diarynote.jp/?day=20050609
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http://43142.diarynote.jp/?day=20090116
http://43142.diarynote.jp/?day=20091031
http://43142.diarynote.jp/?day=20110302
http://43142.diarynote.jp/201105230926029205/
http://43142.diarynote.jp/201301311032072367/
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
http://43142.diarynote.jp/201309021134211584/
http://43142.diarynote.jp/201402210802184994/
▶過去の、藤井
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200408120238330000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
▶過去の、木村
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/?day=20040812
<今日の、実感>
今日は朝からテンテコ舞い。昨日夕方、パソコンがヘソを曲げて、再起動しなくなっちゃう。で、起きてサポート・センターとやりとりしたら、預からないと直せないと言う。今、毎日締め切りがある時期で、1日でもPCがなかったら話にならないので、けっこうな雨のなか外出し、新たに買い求める。設定し直すのが一苦労と思ったら、“タイム・マシーン”のハード・ディスクを繋いだら一発でそれまでのPCと同じ状態で使えて(少し、溜めていた原稿もまま出て来て)しまい、うひゃー。素晴らしいぞ、この機能。余計な事をしいられたことに対するココロの乱れが、それで吹っ飛んでしまいましたといサ。とともに、ここのところ、3台連続で同じマック・ブック・プロを購入しているが、前々のものから前のものに変えたときは違和感/改悪を感じたのに、今回は使いやすくなっていると実感。なんかストレスなく原稿仕事が進み、スピード4割アップ? やはり、新しいものはいいと実感しつつ、なぜか予期せず、新学期が始まったアなどと思ったりもした、ワタクシであります。……最初、ポイントのつく量販店で買い求めようとしたら、3つの店とも在庫無しで、それなりに時間がかかることをつげられる。しょうがねえから、アップル・ストアで購入。消費税上がる前に、買う人相次いだのかな?
近年、肉声遣いをより楽しむ菊地は2、3曲で歌も歌い、ソプラノ・サックスやテナー・サックス(主に、ソプラノ)を吹く。彼に加えて、演奏陣は、ピアノに専念の坪内昌恭(2004年8月12日、2006年10月19日、2011年5月5日、2014年2月20日)、ウッド・ベースの鈴木正人(2003年12月4日、2004年7月6日、2004年11月30日、2005年6月9日、2005年10月30日、2005年11月15日、2007年1月27日、2007年10月17日、2008年1月31日、2009年1月16日、2009年10月31日、2011年3月2日、2011年5月22日、2013年1月29日、2013年2月19日、2013年8月29日、2014年2月20日)、ドラムの藤井信雄(2001年9月21日、2004年8月12日、2011年7月31日他)、ときに出音に効果を加える卓扱いのパードン木村(2004年8月12日、2011年5月5日、他)。彼らは『cure jazz』まんまの顔ぶれで、この公演の前に現在UAが住む沖縄に出向き、ルハーサルを兼ねライヴもしてきているという。彼女は3年ぶりの東京とか。
スタンダードや菊地のジャジー曲がもう一つの佇まいとともに演奏され、UAが彼女でしかない個ありまくりの歌唱を全面的にのせる。いや、その我が道を行く様、それが実があり、見事に聞く者の何かをノックする様にゃ脱帽。その歌唱はジャズの正道のそれではないが、凡百のジャズ・ヴォーカルと比較にならないほど輝き、情緒を持ち、聞き手に働きかけ、即興性にも富む。すごい。そして、彼女は譜面台を置かずに、きっちり自分のなかで響き呼応する歌詞やメロディを表出していたことも付記しておく。ちょっとした発言やダンスも含め、UA無敵……それを痛感しました。
▶過去の、UA
http://43142.diarynote.jp/200407062149440000/
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▶過去の、菊地
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▶過去の、坪内
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▶過去の、鈴木
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▶過去の、藤井
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▶過去の、木村
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/?day=20040812
<今日の、実感>
今日は朝からテンテコ舞い。昨日夕方、パソコンがヘソを曲げて、再起動しなくなっちゃう。で、起きてサポート・センターとやりとりしたら、預からないと直せないと言う。今、毎日締め切りがある時期で、1日でもPCがなかったら話にならないので、けっこうな雨のなか外出し、新たに買い求める。設定し直すのが一苦労と思ったら、“タイム・マシーン”のハード・ディスクを繋いだら一発でそれまでのPCと同じ状態で使えて(少し、溜めていた原稿もまま出て来て)しまい、うひゃー。素晴らしいぞ、この機能。余計な事をしいられたことに対するココロの乱れが、それで吹っ飛んでしまいましたといサ。とともに、ここのところ、3台連続で同じマック・ブック・プロを購入しているが、前々のものから前のものに変えたときは違和感/改悪を感じたのに、今回は使いやすくなっていると実感。なんかストレスなく原稿仕事が進み、スピード4割アップ? やはり、新しいものはいいと実感しつつ、なぜか予期せず、新学期が始まったアなどと思ったりもした、ワタクシであります。……最初、ポイントのつく量販店で買い求めようとしたら、3つの店とも在庫無しで、それなりに時間がかかることをつげられる。しょうがねえから、アップル・ストアで購入。消費税上がる前に、買う人相次いだのかな?
見た目よりも年長に見え、弾き口も趣味良く老成していると言えなくもない、1959年生まれ米国人ピアニストと1951年生まれスウェーデン人ピアニストの、ともにトリオの公演をはしご。両者ともリーダーとしての来日回数はそれなりに持つはずで、今回はそれぞれ、管奏者を一人ゲストに加えた設定でライヴをする。
まず、南青山・ブルーノート東京で、ローゼンタール(2005年7月10日、2009年6月7日)のショウ。縦ベースはNYで10年は活動している日本人の植田典子、ドラムは同じくNYに住む(のかな?)カナダ人のテリー・クラーク。で、少し驚いたのは、リズム隊が持つごっつさのようなもの。これが骨太で、勢いや立ちの感覚を持つ。これじゃ、ローゼンタールの演奏だってただ瀟洒に流れるはずもなく、けっこうパッションを抱えた、引っかかりのあるピアノ・トリオ演奏を聞き手にブツけてくる。イエイ。そして、それは途中から日野皓正(2005年6月5日、2006年11月3日、2011年3月28日、2011年7月25日、2011年9月2日 、2013年9月22日)が加わるとより顕著に。演目は、「ウィスパー・ノット」、「ラウンド・ミッドナイト」、「ストレート・ノー・チェイサー」などスタンダードをやるが、もう演奏者の創意と矜持が絡み合うそれらにはふふふ。日野はピックアップで拾った吹き音を無線で卓に流す(それ、毎度のことだろうが)が、もう少し自然な音にはできないか。少し、コントロールが弱くなっている部分もあるのかな? とはいえ、狂おしい情感を随所にまぜるエモーショナルにして、ぼくには閃きにも満ちる吹き口はやはり彼らならではのものであり、格調高い4ビートで吹きまくる日野を聞きたくてこの日の実演を見に来たぼくは、やはり満足。彼の演奏には、ジャズとしてあまりに重要なものが口惜しいほどある。
その後は、六本木・STB139で、ラーシュ・ヤンソンのショウ。とても整備されたトリオに、そのままメンバーのようにテナーのイングマールソンは加わっていた。スウェーデン人たちによるこちらは、先のローゼンタールたちと比較するには、やはり物腰が柔らかい。しっとり、すうっと流れる、その質感にはやはりスカンジナヴィア的と思わされたか。ときに曲はメロディアス、また噛み合いに繊細に留意している部分も散見されるが、一方でブルース曲もいくつか凝らずにやったりするのは面白い。ジャズの原点確認をしている、な〜んてね。初めて見るヤンソンは紳士然としつつかなりお茶目なところもあり、それが音楽をする歓びに結びついたりもしていて、その様が良いとも思わされた。
▶過去の、ローゼンタール
http://43142.diarynote.jp/?day=20050710
http://43142.diarynote.jp/200906091637138003/
▶過去の、日野
http://43142.diarynote.jp/200506120639310000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061103
http://43142.diarynote.jp/?day=20110328
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110902
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
<今日の、もろもろ>
ローゼンタール・トリオのギグは、本来は大御所ジャズ・シンガーのヘレン・メリル(1930年、NY生まれ。2005年7月10日、2013年4月9日)名義の公演だったものの、彼女が肺炎で入院し来日が不可能になってしまい、そのままサポートの面々でのリーダー公演になったもの。そりゃ、吹っ切れて、元気なことをしたくなるか? 日野皓正はメリル公演にもゲストとして名が入れられていたが、そうなったことで彼がフィーチャーされる時間はより長くなったというわけですね。一方、STB139は5月下旬で閉店する(最終日公演は、日野皓正が中心となる出し物のよう)ようで、ぼくは今日がこのハコに来るのは最後となるのかも。15年の歴史を持つということだが、もう少し長く営業していたような気もぼくはしてしまう。ぼくがここで見た最初のアーティストはヴァニラ・ファッジ(1999年2月のことだから、“ライヴ三昧”を始める少し前。これは1999年4月から書いている)。当初、このハコには米国レトロ・ロック勢がいろいろブッキングされたという記憶がある。
▶過去の、メリル
http://43142.diarynote.jp/200507161353300000/
http://43142.diarynote.jp/201304101851422199/
まず、南青山・ブルーノート東京で、ローゼンタール(2005年7月10日、2009年6月7日)のショウ。縦ベースはNYで10年は活動している日本人の植田典子、ドラムは同じくNYに住む(のかな?)カナダ人のテリー・クラーク。で、少し驚いたのは、リズム隊が持つごっつさのようなもの。これが骨太で、勢いや立ちの感覚を持つ。これじゃ、ローゼンタールの演奏だってただ瀟洒に流れるはずもなく、けっこうパッションを抱えた、引っかかりのあるピアノ・トリオ演奏を聞き手にブツけてくる。イエイ。そして、それは途中から日野皓正(2005年6月5日、2006年11月3日、2011年3月28日、2011年7月25日、2011年9月2日 、2013年9月22日)が加わるとより顕著に。演目は、「ウィスパー・ノット」、「ラウンド・ミッドナイト」、「ストレート・ノー・チェイサー」などスタンダードをやるが、もう演奏者の創意と矜持が絡み合うそれらにはふふふ。日野はピックアップで拾った吹き音を無線で卓に流す(それ、毎度のことだろうが)が、もう少し自然な音にはできないか。少し、コントロールが弱くなっている部分もあるのかな? とはいえ、狂おしい情感を随所にまぜるエモーショナルにして、ぼくには閃きにも満ちる吹き口はやはり彼らならではのものであり、格調高い4ビートで吹きまくる日野を聞きたくてこの日の実演を見に来たぼくは、やはり満足。彼の演奏には、ジャズとしてあまりに重要なものが口惜しいほどある。
その後は、六本木・STB139で、ラーシュ・ヤンソンのショウ。とても整備されたトリオに、そのままメンバーのようにテナーのイングマールソンは加わっていた。スウェーデン人たちによるこちらは、先のローゼンタールたちと比較するには、やはり物腰が柔らかい。しっとり、すうっと流れる、その質感にはやはりスカンジナヴィア的と思わされたか。ときに曲はメロディアス、また噛み合いに繊細に留意している部分も散見されるが、一方でブルース曲もいくつか凝らずにやったりするのは面白い。ジャズの原点確認をしている、な〜んてね。初めて見るヤンソンは紳士然としつつかなりお茶目なところもあり、それが音楽をする歓びに結びついたりもしていて、その様が良いとも思わされた。
▶過去の、ローゼンタール
http://43142.diarynote.jp/?day=20050710
http://43142.diarynote.jp/200906091637138003/
▶過去の、日野
http://43142.diarynote.jp/200506120639310000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061103
http://43142.diarynote.jp/?day=20110328
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110902
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
<今日の、もろもろ>
ローゼンタール・トリオのギグは、本来は大御所ジャズ・シンガーのヘレン・メリル(1930年、NY生まれ。2005年7月10日、2013年4月9日)名義の公演だったものの、彼女が肺炎で入院し来日が不可能になってしまい、そのままサポートの面々でのリーダー公演になったもの。そりゃ、吹っ切れて、元気なことをしたくなるか? 日野皓正はメリル公演にもゲストとして名が入れられていたが、そうなったことで彼がフィーチャーされる時間はより長くなったというわけですね。一方、STB139は5月下旬で閉店する(最終日公演は、日野皓正が中心となる出し物のよう)ようで、ぼくは今日がこのハコに来るのは最後となるのかも。15年の歴史を持つということだが、もう少し長く営業していたような気もぼくはしてしまう。ぼくがここで見た最初のアーティストはヴァニラ・ファッジ(1999年2月のことだから、“ライヴ三昧”を始める少し前。これは1999年4月から書いている)。当初、このハコには米国レトロ・ロック勢がいろいろブッキングされたという記憶がある。
▶過去の、メリル
http://43142.diarynote.jp/200507161353300000/
http://43142.diarynote.jp/201304101851422199/
昨年フジ・ロック・フェスティヴァルに出演した縁もあり、今回のヴェガ(2008年1月24日、2012年1月23日)の来日公演はスマッシュ扱いで、六本木・EXシアターでの公演(全椅子席仕様)となった。大きなホールでのライヴであることに加え、アーカイヴ的アコースティック傾向作は何作もだしていたものの、オリジナル作としては7年ぶりとなる新作を出したばかりゆえ、それをフォロウするためちゃんとバンドでやってくるのかと思ったら、前回と同様にジェリー・レナード(ギター)とのデュオで、彼女はパフォーマンスを行った。ただし、興味深い人も入っている同作のプロデュースは、そのレナードがやっている。彼の演奏一部で格好よくはみ出し、ヴェガから確か(確か)”ノイズ・マン”と紹介される。
良質な新作からの曲はもちろんやるが、古い曲もいい塩梅で交える。なんにせよ、おおまかな感想は同様の設定による前回のクラブ公演と重なるものだが、会場の大きさの違いなんてどってことないワ、てな、ヴェガの悠々のショウの進め方には年輪を感じたかな。そして、通しては、相変わらずチャーミングな歌声を持ち、機微を抱えると書きたくなる楽曲もほんとうにいろいろと持っていると思わされる。デビュー時から気に入って、すぐにNYで対面取材も出来た人……というわけで、どこか気持ちとして、彼女は親しいキブンを持たせる人ではあるよなあ。その後、ずっと関わる機会はなかったが、ブルーノートからアルバムを出した2007年とその2年後には、電話インタヴューをする機会に恵まれたりもした。ほんの少し天然ぽいのが透けて見える、ちゃんとした受け答えをする人物……。深夜帰宅後、デビュー作を引っ張り出して回してみたら、けっこう語りっぽく歌っている曲も散見され、それには驚く。かつ、聞き味がすげえ、瑞々しいのにも驚く。でも、29年後の彼女だって、まだまだお金の取れる存在であるとも、ため息をつかせる1985年A&Mデビュー作をすんごく久しぶりに聞いて思った。
▶過去の、ヴェガ
http://43142.diarynote.jp/200801280000120000/
http://43142.diarynote.jp/201201271243541443/
<今日の、サーヴィス>
終演後のサイン会、頑張ったみたい。それ、ヴェガが自ら申し出たようで、CD買う買わないに関わらず、対応したよう。もうすぐ、55歳。なんか、いい感じでこなれてきているんだろうな。ところで、夕方の首都高、気持ち悪いほどほどすいていた。後で流れたお店はなんか混んでいたが、オーダーがすいすい出て来て、へええ。
良質な新作からの曲はもちろんやるが、古い曲もいい塩梅で交える。なんにせよ、おおまかな感想は同様の設定による前回のクラブ公演と重なるものだが、会場の大きさの違いなんてどってことないワ、てな、ヴェガの悠々のショウの進め方には年輪を感じたかな。そして、通しては、相変わらずチャーミングな歌声を持ち、機微を抱えると書きたくなる楽曲もほんとうにいろいろと持っていると思わされる。デビュー時から気に入って、すぐにNYで対面取材も出来た人……というわけで、どこか気持ちとして、彼女は親しいキブンを持たせる人ではあるよなあ。その後、ずっと関わる機会はなかったが、ブルーノートからアルバムを出した2007年とその2年後には、電話インタヴューをする機会に恵まれたりもした。ほんの少し天然ぽいのが透けて見える、ちゃんとした受け答えをする人物……。深夜帰宅後、デビュー作を引っ張り出して回してみたら、けっこう語りっぽく歌っている曲も散見され、それには驚く。かつ、聞き味がすげえ、瑞々しいのにも驚く。でも、29年後の彼女だって、まだまだお金の取れる存在であるとも、ため息をつかせる1985年A&Mデビュー作をすんごく久しぶりに聞いて思った。
▶過去の、ヴェガ
http://43142.diarynote.jp/200801280000120000/
http://43142.diarynote.jp/201201271243541443/
<今日の、サーヴィス>
終演後のサイン会、頑張ったみたい。それ、ヴェガが自ら申し出たようで、CD買う買わないに関わらず、対応したよう。もうすぐ、55歳。なんか、いい感じでこなれてきているんだろうな。ところで、夕方の首都高、気持ち悪いほどほどすいていた。後で流れたお店はなんか混んでいたが、オーダーがすいすい出て来て、へええ。
ティン・メンは在ニューオーリンズの、変テコながらフフフとなれる編成を持つ、トリオ。そんな2点にひかれ、横浜まで行ったが、これは良かったなあ。帰りの東横線、満たされていました。横浜・サムズアップ。
ルーツ・ロック・バンドのロイヤル・フィンガー・ボウルにもかつていて、リーダー作も複数持つギターと歌のアレックス・マクマレー(東京ディズニー・シーに帯で演奏する滞在仕事を得たこともあったよう)。米国の一部の南部土着表現に欠かせないプリミティヴなリズム楽器であるウォッシュボードと歌のウォッシュボード・チャズ(彼は、アフリカ系)。そして、ニューオーリンズのブラス・バンド表現に欠かせないスーザフォンと歌を担当するマット・ペリーン。彼はニューオーリンズ・ナイトクロウラーズやボノラマ(2007年2月2日)といった同地のブラス系グループに関与していたことがあるらしい。一応、マクマレーがMCを担当していたが、仲良く力関係は三者対等という感じ。リード・ヴォーカルはマクマレーとチャズが半々ぐらいづつ取る。過去、リーダー作は3枚あるようで、2013年作はジョージ・ポーターJr.(2007年2月2日。2007年2月4日、2008年8月12日、2009年7月25日、2014年1月17日)がやっている。
南部の土臭かったり、のほほんとしていたり、じんわりしたり、高揚を導くような曲/曲趣をあっさりと、だが、得難い混合性妙味とともに、次々に繰り出していく様にはウヒヒヒ。ゴスペルっぽいのからジャグ・バンド的なものまで……。南部の様々な財産が息づき、それをいい塩梅で紐解き直せる勘所を抑えたミュージシャンがいて……。こりゃ、趣味性の強い米国人好き者ならではの蓄積たっぷりの妙味や創意がありまくりと感じる。この場で得た感興を的確に書き留めるは難しいが、ちゃんと地に足がついた語彙を生っぽく、フレキシブルに使いこなす、音楽的にも人間的にもチャーミングな人たちがいた、というのは間違いない。
ギターは何気にファジーな質感を持つ演奏がうまいと思わせ、スーザフォンはときに高い音も出すなど多彩。そしてウォッシュボードはハンド・メイドでベルや空き缶なども一緒に取り付け、それらを駆使したリズムを出す。近くで見れると、手のひらの上下だけでなく、各指の動きも巧みに用いるその演奏はなかなかに興味ひかれ、ああオレもウォッシュボードを作って、やってみたいと思わす。そうなるのは、おっちょこちょいのぼくだけではないだろう。アナログ、ばんざい!
ウィットに富む3人は、有名ポップ曲カヴァーも、彼ら流儀で披露。スティーヴィー・ワンダーの「涙を届けて」は少しはずしたが、ザ・フーの「マイ・ジェネレーション」とレッド・ツェッペリンの「移民の歌」はイエイ以外の何ものでもなかった。とかなんとか、2部構成のショウだったが、各セットともに60分はやったはず。満足度、山ほど。とともに、接すると音楽ゴコロの洗濯ができたアと感じさせるグループでもあるはずで、定期的に来てほしいなとも、ぼくは思った。
▶過去の、ボノラマ
http://43142.diarynote.jp/200702090041480000/
▶過去の、ポーターJr.
http://43142.diarynote.jp/200702090041480000/
http://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
http://43142.diarynote.jp/200808140129280000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/?day=20140117
<今後の、3人>
憧れの地(?)たる渋谷を連発していた彼ら(ヨコハマでは、それは受けにくい?)だが、昔ギャラクティックも「シブヤ」という曲を発表していたことがあったな。この後、名古屋、京都、横浜、鎌倉、東京と、彼らは回る。どんどん口コミが広がり、会場がぎゅうぎゅうになりますように。
http://buffalo-records.com/newstopics/info/TinMenTour.html
ルーツ・ロック・バンドのロイヤル・フィンガー・ボウルにもかつていて、リーダー作も複数持つギターと歌のアレックス・マクマレー(東京ディズニー・シーに帯で演奏する滞在仕事を得たこともあったよう)。米国の一部の南部土着表現に欠かせないプリミティヴなリズム楽器であるウォッシュボードと歌のウォッシュボード・チャズ(彼は、アフリカ系)。そして、ニューオーリンズのブラス・バンド表現に欠かせないスーザフォンと歌を担当するマット・ペリーン。彼はニューオーリンズ・ナイトクロウラーズやボノラマ(2007年2月2日)といった同地のブラス系グループに関与していたことがあるらしい。一応、マクマレーがMCを担当していたが、仲良く力関係は三者対等という感じ。リード・ヴォーカルはマクマレーとチャズが半々ぐらいづつ取る。過去、リーダー作は3枚あるようで、2013年作はジョージ・ポーターJr.(2007年2月2日。2007年2月4日、2008年8月12日、2009年7月25日、2014年1月17日)がやっている。
南部の土臭かったり、のほほんとしていたり、じんわりしたり、高揚を導くような曲/曲趣をあっさりと、だが、得難い混合性妙味とともに、次々に繰り出していく様にはウヒヒヒ。ゴスペルっぽいのからジャグ・バンド的なものまで……。南部の様々な財産が息づき、それをいい塩梅で紐解き直せる勘所を抑えたミュージシャンがいて……。こりゃ、趣味性の強い米国人好き者ならではの蓄積たっぷりの妙味や創意がありまくりと感じる。この場で得た感興を的確に書き留めるは難しいが、ちゃんと地に足がついた語彙を生っぽく、フレキシブルに使いこなす、音楽的にも人間的にもチャーミングな人たちがいた、というのは間違いない。
ギターは何気にファジーな質感を持つ演奏がうまいと思わせ、スーザフォンはときに高い音も出すなど多彩。そしてウォッシュボードはハンド・メイドでベルや空き缶なども一緒に取り付け、それらを駆使したリズムを出す。近くで見れると、手のひらの上下だけでなく、各指の動きも巧みに用いるその演奏はなかなかに興味ひかれ、ああオレもウォッシュボードを作って、やってみたいと思わす。そうなるのは、おっちょこちょいのぼくだけではないだろう。アナログ、ばんざい!
ウィットに富む3人は、有名ポップ曲カヴァーも、彼ら流儀で披露。スティーヴィー・ワンダーの「涙を届けて」は少しはずしたが、ザ・フーの「マイ・ジェネレーション」とレッド・ツェッペリンの「移民の歌」はイエイ以外の何ものでもなかった。とかなんとか、2部構成のショウだったが、各セットともに60分はやったはず。満足度、山ほど。とともに、接すると音楽ゴコロの洗濯ができたアと感じさせるグループでもあるはずで、定期的に来てほしいなとも、ぼくは思った。
▶過去の、ボノラマ
http://43142.diarynote.jp/200702090041480000/
▶過去の、ポーターJr.
http://43142.diarynote.jp/200702090041480000/
http://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
http://43142.diarynote.jp/200808140129280000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
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<今後の、3人>
憧れの地(?)たる渋谷を連発していた彼ら(ヨコハマでは、それは受けにくい?)だが、昔ギャラクティックも「シブヤ」という曲を発表していたことがあったな。この後、名古屋、京都、横浜、鎌倉、東京と、彼らは回る。どんどん口コミが広がり、会場がぎゅうぎゅうになりますように。
http://buffalo-records.com/newstopics/info/TinMenTour.html
リサ・マリー・プレスリー
2014年4月9日 音楽 プレスリーとディランだけは分ってはいけない。それを楽しめちゃうことは、旧世代の流儀に与すること。それは、ロックを聞き始めたころ、本能(?)で、ぼくが自分のなかに作ったいいかげんな掟だ。ちらっと耳にして、あんましいいと思わなかったりしたこともあったのだろうが、やはりガキのぼくに当時の二人の大御所はなんとも古くさく、格好悪く感じた。前者の場合はラスヴェガス時代の風体のあまりの気色悪さが、そう思わせたのは間違いない。ザ・バンドはわりとすぐに大好きになったが、その親分たるボブ・ディランの項目についてはきれいに抜いて、ぼくは聞いていた。あ、ザ・バンド作で一番聞いていないのが、一番ディランとつながりの強い1作目『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』となるな。ま、そういう理に合わないツっぱりって、思春期にあるガキが持ってもしかたがないとは思うが。
40歳過ぎになると、ディランに関しては悪くないと思えてもきて(そんな物言いも、熱心なディランのファンにはムカつくことだろう。ともあれ、今でも基本ディランの原稿依頼は断っています)が、いまだプレスリーについてはその真価が分からない。いや、聞く機会を持とうともせず、分ろうとしていない。いまだに、なんか生理的に駄目。ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ以前のポップ・ミュージックは基本アフリカ系アメリカ人だけ聞けばいいと思っているところがある(1日24時間。音楽を聞く時間は限られるので、しょうがねえ)のは、その偏向の理由になっているか? 蛇足だが、そんなぼくであるから、ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ以前のロックを分っちゃいけない、ヒップホップ以前のブラック・ミュージックなんて……と、思う若い聞き手がいたとしても不思議はないと思っている。
という感じなので、天下のプレスリー様に娘がいて、一時マイケル・ジャクソンと結婚したりしたのは情報としてはなんとなくおぼろげに頭のなかにあるが、現在40代半ば(ロウティーンのときに父をうしなったらしい)であり、シンガー活動をし、2000年代に入って以降3作品もリーダー作を出していることはちゃんとは認知していなかった。そんなぼくが彼女のショウを見に行こうかと思ったのは、今のところ一番新しいユニヴァーサル系列から出ている2012作『Storm & Grace』が米国No.1渋味ロック・プロデューサーのT・ボーン・バーネットの制作による、もろそれ流儀にある内容であったからだ(そこに収められている曲はすべて共作ながら、彼女のオリジナル曲だ)。てなわけで、“あの人の娘”という感じで彼女を見ることはあり得なかったはずなのだが……。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。
そしたら、会場入りしてびっくり。昔エルヴィス・プレスリーに胸をこがしましたという年配の方がいっぱいいるんだもの。出演者によって客層がおおいに散るのはいろいろとここに来て知っているつもりだが、それにしても普段とお客さんの感じが違う。そりゃ、あの人の娘であるという事実を遠回しに感じざるをえませんね。リサ・マリー・プレスリーを見て、あらやっぱりお父さんと目元が似ているわね的な会話が会場のあちこちでなされたのではないかと思った。
閑話休題。ステージに出て来たロック姉ちゃんぽい彼女を見て、少し驚く。小柄で、スリム。ありゃ、アブリル・ラヴィーン(2002年8月8日)のお姉さんが出て来たあ、みたいにぼくは思ってしまった。昔ジャンキーだったというのも納得できる感じも持つが、けっこう遠目には綺麗で、年齢よりも若いと、ぼくは感じた。そんな彼女を支えるバンドは旦那であるギタリスト(永遠のギター小僧であらんとする様が少しイタいかも)、キーボード、電気アップライトを主に弾くベース、バンジョーやスティール・ギターやフィドルや生ギター、レギュラー・グリップで叩くドラマーという5人。そんな編成のもと、なるほどの渋味アメリカン・ロック路線を披露する。ちょっと喉に力をかけ濁りを作るようなプレスリー嬢の歌唱(産業ロックが似合いそうな歌い方とも、ぼくは言いたくなる)は一級品とは言えないかもしれないが、別に接してイヤじゃないし、なんか歌う事に対してきっちり気持ちが入っているとも感じる。
どこか、今を抱えた、渋い、落ち着いてもいるロックンロール土壌のなかで、思うまま振る舞う彼女……。最後の方はもう少しストレートにロックっぽくなり(プレスリーはフロア・タムを二つ並べてどんどこ叩いたりも)、そちらのほうが声がより出ているような気もしたが、なんにせよ、悠々自適のロック行為という像は崩れない。ほとんど聞いていないぼくが指摘するのもナンだが、お父さんぽいところはあまりなし。いや、南部の語彙をうまく勢いたっぷりに自分化して当たりを取った父親が今も現役だったら、こいういう方面に走ったと彼女は示唆していた?……ということは、ないと思います。ともあれ、生活の心配もないだろうし、ロック馬鹿の伴侶も横にいて、ココロおきなく自分のロック道を歩んでいると思わせるのが、印象に残った。
▶過去の、ラヴィーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
<今日の、駅前>
ライヴに向かう前に渋谷にいて、東急プラザ側から駅に向かう横断歩道の信号が青になるのを待っていると、女の子を連れたお母さんに、声をかけられる。え、誰だっけ? 実家のほうの関係の人? あ、どうもと言いつつ、思い当たるフシに考えをめぐらした。結局、同じマンションの住人。さすが階が違うと知らない人も多いが、同じフロアの方でした。普段は閉じている社会性という扉を、このときばかりはあけました。
40歳過ぎになると、ディランに関しては悪くないと思えてもきて(そんな物言いも、熱心なディランのファンにはムカつくことだろう。ともあれ、今でも基本ディランの原稿依頼は断っています)が、いまだプレスリーについてはその真価が分からない。いや、聞く機会を持とうともせず、分ろうとしていない。いまだに、なんか生理的に駄目。ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ以前のポップ・ミュージックは基本アフリカ系アメリカ人だけ聞けばいいと思っているところがある(1日24時間。音楽を聞く時間は限られるので、しょうがねえ)のは、その偏向の理由になっているか? 蛇足だが、そんなぼくであるから、ザ・ビートルズやザ・ローリング・ストーンズ以前のロックを分っちゃいけない、ヒップホップ以前のブラック・ミュージックなんて……と、思う若い聞き手がいたとしても不思議はないと思っている。
という感じなので、天下のプレスリー様に娘がいて、一時マイケル・ジャクソンと結婚したりしたのは情報としてはなんとなくおぼろげに頭のなかにあるが、現在40代半ば(ロウティーンのときに父をうしなったらしい)であり、シンガー活動をし、2000年代に入って以降3作品もリーダー作を出していることはちゃんとは認知していなかった。そんなぼくが彼女のショウを見に行こうかと思ったのは、今のところ一番新しいユニヴァーサル系列から出ている2012作『Storm & Grace』が米国No.1渋味ロック・プロデューサーのT・ボーン・バーネットの制作による、もろそれ流儀にある内容であったからだ(そこに収められている曲はすべて共作ながら、彼女のオリジナル曲だ)。てなわけで、“あの人の娘”という感じで彼女を見ることはあり得なかったはずなのだが……。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。
そしたら、会場入りしてびっくり。昔エルヴィス・プレスリーに胸をこがしましたという年配の方がいっぱいいるんだもの。出演者によって客層がおおいに散るのはいろいろとここに来て知っているつもりだが、それにしても普段とお客さんの感じが違う。そりゃ、あの人の娘であるという事実を遠回しに感じざるをえませんね。リサ・マリー・プレスリーを見て、あらやっぱりお父さんと目元が似ているわね的な会話が会場のあちこちでなされたのではないかと思った。
閑話休題。ステージに出て来たロック姉ちゃんぽい彼女を見て、少し驚く。小柄で、スリム。ありゃ、アブリル・ラヴィーン(2002年8月8日)のお姉さんが出て来たあ、みたいにぼくは思ってしまった。昔ジャンキーだったというのも納得できる感じも持つが、けっこう遠目には綺麗で、年齢よりも若いと、ぼくは感じた。そんな彼女を支えるバンドは旦那であるギタリスト(永遠のギター小僧であらんとする様が少しイタいかも)、キーボード、電気アップライトを主に弾くベース、バンジョーやスティール・ギターやフィドルや生ギター、レギュラー・グリップで叩くドラマーという5人。そんな編成のもと、なるほどの渋味アメリカン・ロック路線を披露する。ちょっと喉に力をかけ濁りを作るようなプレスリー嬢の歌唱(産業ロックが似合いそうな歌い方とも、ぼくは言いたくなる)は一級品とは言えないかもしれないが、別に接してイヤじゃないし、なんか歌う事に対してきっちり気持ちが入っているとも感じる。
どこか、今を抱えた、渋い、落ち着いてもいるロックンロール土壌のなかで、思うまま振る舞う彼女……。最後の方はもう少しストレートにロックっぽくなり(プレスリーはフロア・タムを二つ並べてどんどこ叩いたりも)、そちらのほうが声がより出ているような気もしたが、なんにせよ、悠々自適のロック行為という像は崩れない。ほとんど聞いていないぼくが指摘するのもナンだが、お父さんぽいところはあまりなし。いや、南部の語彙をうまく勢いたっぷりに自分化して当たりを取った父親が今も現役だったら、こいういう方面に走ったと彼女は示唆していた?……ということは、ないと思います。ともあれ、生活の心配もないだろうし、ロック馬鹿の伴侶も横にいて、ココロおきなく自分のロック道を歩んでいると思わせるのが、印象に残った。
▶過去の、ラヴィーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
<今日の、駅前>
ライヴに向かう前に渋谷にいて、東急プラザ側から駅に向かう横断歩道の信号が青になるのを待っていると、女の子を連れたお母さんに、声をかけられる。え、誰だっけ? 実家のほうの関係の人? あ、どうもと言いつつ、思い当たるフシに考えをめぐらした。結局、同じマンションの住人。さすが階が違うと知らない人も多いが、同じフロアの方でした。普段は閉じている社会性という扉を、このときばかりはあけました。
和歌山県那智勝浦町をベースに我が道を行く活動をしている、ギタリストの濱口祐自のソロ・パフォーマンスを、代官山・晴れたら空に豆まいて で見る。昔(大学には体育科に入学した、運動会系だそう)はライ・クーダーが好きで、その流れの先に現在の形があるうようだが、ブルースをはじめとする米国ルーツ・ミュージック語彙を自然児的スタンスのもと悠々とギター1本で束ねる様はお見事。堂にいっていて、渋味ギター・マンとしては王道、という感想を導きもする。
その技アリのソロ・ギターの演奏(けっこう、チューニングを変えていた)はちょっとした1ストークや1フレーズにあるものが生理的に太く、濃く、雄弁。そして、そこには、オイラの工夫や温かさや人間くささといったものが付帯する。技量と情が見事にバランスのとれたパフォーマー、そんな言い方もぼくはしたくなるか。用いたギターは3本、うち1本はドブロで当然スライド・バーをはめて演奏。草の薫りがするものやブルース曲から、スタンダードの「ムーン・リヴァー」、ルイス・ボンファやエリック・サティ曲まで。みんなインストだが、自ら訥々と歌うフォークぽい曲も一つやった。
<今日の、名言>
俺サマと謙虚さがいりまじった、率直にして面白いMCを熊野弁(?)ばりばりでする人。ライヴ・ショウでのMC嫌いを公言するぼくも、これには笑えて、つきあえちゃった。お客さんの反応も、温かかったなあ。内容は他愛なくもあるんだけど、そのなかにキラリと光る発言もまじる。酔っぱらって聞いていたぼくが記憶に残っているのは、以下の二つ。
「糸巻きのついた楽器は、無限」(チューニングをしながら)
「都会の自然は、“人間”」(代官山でワイン片手にくつろいでいて街角を見ていて、というような話の後に)
そして、こじつけぽくなっちゃうが、彼の演奏にも、先人ギター弾きから引き継いだ金言が散りばめられている。
その技アリのソロ・ギターの演奏(けっこう、チューニングを変えていた)はちょっとした1ストークや1フレーズにあるものが生理的に太く、濃く、雄弁。そして、そこには、オイラの工夫や温かさや人間くささといったものが付帯する。技量と情が見事にバランスのとれたパフォーマー、そんな言い方もぼくはしたくなるか。用いたギターは3本、うち1本はドブロで当然スライド・バーをはめて演奏。草の薫りがするものやブルース曲から、スタンダードの「ムーン・リヴァー」、ルイス・ボンファやエリック・サティ曲まで。みんなインストだが、自ら訥々と歌うフォークぽい曲も一つやった。
<今日の、名言>
俺サマと謙虚さがいりまじった、率直にして面白いMCを熊野弁(?)ばりばりでする人。ライヴ・ショウでのMC嫌いを公言するぼくも、これには笑えて、つきあえちゃった。お客さんの反応も、温かかったなあ。内容は他愛なくもあるんだけど、そのなかにキラリと光る発言もまじる。酔っぱらって聞いていたぼくが記憶に残っているのは、以下の二つ。
「糸巻きのついた楽器は、無限」(チューニングをしながら)
「都会の自然は、“人間”」(代官山でワイン片手にくつろいでいて街角を見ていて、というような話の後に)
そして、こじつけぽくなっちゃうが、彼の演奏にも、先人ギター弾きから引き継いだ金言が散りばめられている。
ウェイン・ショーター
2014年4月14日 音楽 昨年出た久しぶりのウェイン・ショーター(2001年8月3~5日、2002年8月25日、2004年2月9日)の新作『ウィズアウト・ア・ネット』(ブルーノート)はやはり屈指の現代ジャズ作品であり、ショーター半端ねえと痛感させるもの。くわえて、ええええと思わせるのは、そのカルテットの顔ぶれはずっと10年強同じであること。“変化”を求めずに、成熟その他をつうじて鮮やかな“変化”を引き出す、そのメンバー選びの審音楽家眼は度を超してすごいとしか言えません。
というわけで、不動のメンバー(ぼくは、見ていないが、昨年の来日公演はドラマーは代役だった)は、ピアニストのダニーロ・ペレス(2001年8月3〜5日、2002年8月25日、2004年2月9日)、ベーシストのジョン・パティトゥッチ(2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2006年9月3日、2012年6月13日、2014年2月12日)、ドラマーのブライアン・ブレイド(2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2008年9月4日、2009年7月20日、2011年5月12日、2012年1月16日、2012年3月15日 、2012年5月22日、2014年2月12日)という面々。ショーター御大はソプラノ主体に、時にテナー・サックス。30分ぐらいやった1曲目はテナーを手にした。
他は長くても10分ほどの曲だったはずだが、構成と即興が一緒になるような感じで悠然と流れて行く演奏は、どこを取っても秀でたジャズであり、“電波”の人=ショーター以外の何ものでもなく、大きくため息しつつ、おおいに堪能。80歳を超えた彼、さすが吹きまくるという感じではないが、要所で繰り出す箍が外れたようなソロにはとても夢心地になれる。やっぱり、ジャズってすごい表現だという、漠然とした感想がもくもくと湧いてもくる。サポート陣もクリシェに陥ることなく妙味を繰り出したが、この2月に一緒に来ているリズム・セクションの輝きや渋さや強さがその際とは段違いなのにも驚き、ショーターの神通力を思い知らされた。
▶過去の、ショーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
▶過去の、ペレス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
▶過去の、ブレイド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm 2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200605160543260000/
http://43142.diarynote.jp/200809071429250000/
http://43142.diarynote.jp/200908061810483865/
http://43142.diarynote.jp/201105140859559227/
http://43142.diarynote.jp/201201171011033219/
http://43142.diarynote.jp/201203161146266803/
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
▶過去の、パティトゥッチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm 2001年8月3日、2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
<今日の、予期せぬ問いかけ>
冷蔵庫を買い直した。入れ替え作業は、粛々と終了。帰り際に業者のおにいちゃんが、居間を見渡し「レコード、売ってるんですか?」。「いや、趣味で……」、と消え入るような声で答えるぼく。彼が仕事部屋を見たら、なんと言ってくるだろう? 寝室だけは音楽アイテムを置くのを避けているが、それだけは徹底しようと決意を新たにした。
というわけで、不動のメンバー(ぼくは、見ていないが、昨年の来日公演はドラマーは代役だった)は、ピアニストのダニーロ・ペレス(2001年8月3〜5日、2002年8月25日、2004年2月9日)、ベーシストのジョン・パティトゥッチ(2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2006年9月3日、2012年6月13日、2014年2月12日)、ドラマーのブライアン・ブレイド(2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2008年9月4日、2009年7月20日、2011年5月12日、2012年1月16日、2012年3月15日 、2012年5月22日、2014年2月12日)という面々。ショーター御大はソプラノ主体に、時にテナー・サックス。30分ぐらいやった1曲目はテナーを手にした。
他は長くても10分ほどの曲だったはずだが、構成と即興が一緒になるような感じで悠然と流れて行く演奏は、どこを取っても秀でたジャズであり、“電波”の人=ショーター以外の何ものでもなく、大きくため息しつつ、おおいに堪能。80歳を超えた彼、さすが吹きまくるという感じではないが、要所で繰り出す箍が外れたようなソロにはとても夢心地になれる。やっぱり、ジャズってすごい表現だという、漠然とした感想がもくもくと湧いてもくる。サポート陣もクリシェに陥ることなく妙味を繰り出したが、この2月に一緒に来ているリズム・セクションの輝きや渋さや強さがその際とは段違いなのにも驚き、ショーターの神通力を思い知らされた。
▶過去の、ショーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
▶過去の、ペレス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
▶過去の、ブレイド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm 2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200605160543260000/
http://43142.diarynote.jp/200809071429250000/
http://43142.diarynote.jp/200908061810483865/
http://43142.diarynote.jp/201105140859559227/
http://43142.diarynote.jp/201201171011033219/
http://43142.diarynote.jp/201203161146266803/
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
▶過去の、パティトゥッチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm 2001年8月3日、2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
<今日の、予期せぬ問いかけ>
冷蔵庫を買い直した。入れ替え作業は、粛々と終了。帰り際に業者のおにいちゃんが、居間を見渡し「レコード、売ってるんですか?」。「いや、趣味で……」、と消え入るような声で答えるぼく。彼が仕事部屋を見たら、なんと言ってくるだろう? 寝室だけは音楽アイテムを置くのを避けているが、それだけは徹底しようと決意を新たにした。
アルフレッド・ロドリゲス&ザ・インヴェジョン・パレード
2014年4月16日 音楽 クインシー・ジョーンズ(2013年8月1日)の覚えもめでたい、1985年キューバ人在米ピアニスト(2011年11月25日、2013年8月1日)の、あっと驚く変化〜進化を見せたセカンド作『インヴェジョン・パレード』(マック・アヴェニュー)をフォロウする公演。クインテット編成、リズム・セクションに加え、トランペッターとリード奏者がつく。彼らはキューバやプエルトリコ出身のプレイヤーであるようだ。
で、長尺曲4曲(オープナーは30分ぐらいの長さだったか)からなるショウはとっても面白かった。新作を聞いたとき、キューバ有名曲なども素材とする才気走った清新にして尖ったラテン・ジャズ作品になっていてびっくりさせられたが、そのうれしい驚きはその実演に触れても同様。人間、化ける、いや変わるものなんだなあ。ロドリゲスの過去のトリオ表現はキューバ出身者である何かをときに出しつつも真摯にジャズ道をつきすすまんという志向をもっていたが、今回はもっと出自を冴えた回路で強調することで、得難い現代的な立ちや輝きを抱えるようになっているのだから、それにはうなる。とともに、オイラの考えるジャズ〜インタープレイ観も露にもなる。それ、厳しいジャズ愛好家だと、従来のジャズ流儀からは微妙に離れていると思ってまうかもしれないが。
リズム・セクションはトリオ公演時の同行者と同じようだが、今回はもっと活躍領域が増える。ドラムのヘンリー・コールは口径違いでマイクの置き方も変えたキック・ドラムを二つ置くが(スネアも二つ使っていた)、音程や響きの違いを見事に使い分けたその演奏には目が点。ここらあたりは、ラテン・パーカッション文化圏で育たないと出てこない発想だろう。アンコール曲でのメンバーたちの散った手拍子も素敵だし、リズムとメロディと即興の興味深い饗宴となっていたのは間違いなく。そういえば、1曲目でロドリゲスはシンセサイザーも用い“電波”効果音をそえた。おお、なんかオマール・ソーサ(2001年8月24日、2002年7月22日2004年8月2日、2005年9月24日、2006年10月28日、2008年3月16日、2009年5月12日2010年8月3日、2013年9月17日、2014年3月10日)も入って来ているじゃん、とも思わせられたか。
▶過去の、アルフレッド・ロドリゲス
http://43142.diarynote.jp/201111281001329390/
http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/
▶過去の、ソーサ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200408021925240000/
http://43142.diarynote.jp/200510030021170000/
http://43142.diarynote.jp/200611020835550000/
http://43142.diarynote.jp/200803201207150000/
http://43142.diarynote.jp/200905131200576485/
http://43142.diarynote.jp/201008251432447574/
http://43142.diarynote.jp/201309201840164499/
http://43142.diarynote.jp/201403131302032810/
<今日の、6秒>
外出するさい、けっこうな確率で新聞を手にする。家できっちり読む時間が作れないし、電車のなかでの手持ちぶさた解消になるしね。でも普段、4コマ漫画と小説はぜんぜん見ないという、ぼくの性癖を本日じっくり認知。たまたま、ふと4コマ漫画を見たら、これでいいのかというつまらなさ。新聞に漫画は必要なのかと、マジに6秒考えた。まあ、毎日、風刺や時事的ひねりや諧謔を持つものをきっちり作るのは難しいよな。絶対に、文章以上に。
で、長尺曲4曲(オープナーは30分ぐらいの長さだったか)からなるショウはとっても面白かった。新作を聞いたとき、キューバ有名曲なども素材とする才気走った清新にして尖ったラテン・ジャズ作品になっていてびっくりさせられたが、そのうれしい驚きはその実演に触れても同様。人間、化ける、いや変わるものなんだなあ。ロドリゲスの過去のトリオ表現はキューバ出身者である何かをときに出しつつも真摯にジャズ道をつきすすまんという志向をもっていたが、今回はもっと出自を冴えた回路で強調することで、得難い現代的な立ちや輝きを抱えるようになっているのだから、それにはうなる。とともに、オイラの考えるジャズ〜インタープレイ観も露にもなる。それ、厳しいジャズ愛好家だと、従来のジャズ流儀からは微妙に離れていると思ってまうかもしれないが。
リズム・セクションはトリオ公演時の同行者と同じようだが、今回はもっと活躍領域が増える。ドラムのヘンリー・コールは口径違いでマイクの置き方も変えたキック・ドラムを二つ置くが(スネアも二つ使っていた)、音程や響きの違いを見事に使い分けたその演奏には目が点。ここらあたりは、ラテン・パーカッション文化圏で育たないと出てこない発想だろう。アンコール曲でのメンバーたちの散った手拍子も素敵だし、リズムとメロディと即興の興味深い饗宴となっていたのは間違いなく。そういえば、1曲目でロドリゲスはシンセサイザーも用い“電波”効果音をそえた。おお、なんかオマール・ソーサ(2001年8月24日、2002年7月22日2004年8月2日、2005年9月24日、2006年10月28日、2008年3月16日、2009年5月12日2010年8月3日、2013年9月17日、2014年3月10日)も入って来ているじゃん、とも思わせられたか。
▶過去の、アルフレッド・ロドリゲス
http://43142.diarynote.jp/201111281001329390/
http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/
▶過去の、ソーサ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200408021925240000/
http://43142.diarynote.jp/200510030021170000/
http://43142.diarynote.jp/200611020835550000/
http://43142.diarynote.jp/200803201207150000/
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http://43142.diarynote.jp/201008251432447574/
http://43142.diarynote.jp/201309201840164499/
http://43142.diarynote.jp/201403131302032810/
<今日の、6秒>
外出するさい、けっこうな確率で新聞を手にする。家できっちり読む時間が作れないし、電車のなかでの手持ちぶさた解消になるしね。でも普段、4コマ漫画と小説はぜんぜん見ないという、ぼくの性癖を本日じっくり認知。たまたま、ふと4コマ漫画を見たら、これでいいのかというつまらなさ。新聞に漫画は必要なのかと、マジに6秒考えた。まあ、毎日、風刺や時事的ひねりや諧謔を持つものをきっちり作るのは難しいよな。絶対に、文章以上に。
ジョニー・ウィンター。スクリーミング・マルディニ
2014年4月18日 音楽 1944年生まれ白人ブルース・マン(2011年4月13日、2012年5月27日)の東京公演は、初来日だった3.11震災1ヶ月後のそれいらい3度目。で、今回は六本木・EXシアターで3日間。ぼくは初日を見た。
セカンド・ギター(ソロとか取ると、それほど趣味ではないが上手い)、ベース、ドラム(パキパキの産業ロック型の音質設定)を従えたブルース・ロックというか、ロッキッシュなブルース表現をえいやっと開く。内容もセット・リストも大きく変わっていないが、なんかより音がでっかくなって、剛毅にがちゃがちゃやっている度数は増したか。MC(そんなに長いわけではないが)もこんなにしていたっけ? なんで、こんなにガチンコな設定を取るのかという一抹の疑問も浮かばなくもないが、よちよち歩きでステージに出て来て、そして椅子に座って歌いギターを弾く御大は元気一杯いがいの何ものでもなし。それ、なんか無条件でうれしさを与えるな。とともに、日本のこと好きなんだろうなというのも伝わる。そういやあ、完成したらしい彼のドキュメンタリー映画には日本の来日時の模様も出てくるらしい。
▶過去の、ウィンター
http://43142.diarynote.jp/201104142210374126/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120527
その後、渋谷・オネストで、英国シェフィールドの新進6人組、スクリーミング・マルディニのライヴを見る。前座のバンドが二つあったようで、始まった時間はけっっこう遅かった。その将来性を買って、P-ヴァインが自ら打つ公演だが、それをしたくなるのは良くわかった。だって、すべての面で正の要点を見いだたせるバンドなんだもの。男女混合の和気あいあいとした佇まいがまずうれしいと思わせるし、メロディもコーラスも演奏も非の打ち所なく、後にスタジオコーストでやるクラスになったとしても、ぼくはぜんぜん驚かない。そんな彼ら、海外でもそれほど話題にはなっていないようで、それもぼくには謎に思える。
とにもかくにも、陽性でしなやかさを振りまく、生理的にカラフルでもあるポップ・ロック・バンドで、全面的に共感。バカラック曲の現代的展開と思わせるような曲もあったりして、眩く感と洒脱感、ハンパない。今後の、彼らの伸び具合、おおいに期待したし。
<今日は、内なる……>
昼間から寒さを感じる気温。二つ目のライヴのあと、少し震えつつ近くのなじみの飲み屋に流れたら、にぎやかパーティの体。ブラジルのモノブロコのメンバーもいたよう。なんで? でも、早い時間から翌日いろいろ予定が入っているので、大人になって日付が変わる前に店を出る。頭の片隅で、やれば出来る子と、内なる“リトル・サトー”が言っていていた。わ、ネタが古い? でも、“リトル・ホンダ”ねたは本田圭佑がACミランに入ったときの会見で出したわけで、2014年になってからのものだよな。
セカンド・ギター(ソロとか取ると、それほど趣味ではないが上手い)、ベース、ドラム(パキパキの産業ロック型の音質設定)を従えたブルース・ロックというか、ロッキッシュなブルース表現をえいやっと開く。内容もセット・リストも大きく変わっていないが、なんかより音がでっかくなって、剛毅にがちゃがちゃやっている度数は増したか。MC(そんなに長いわけではないが)もこんなにしていたっけ? なんで、こんなにガチンコな設定を取るのかという一抹の疑問も浮かばなくもないが、よちよち歩きでステージに出て来て、そして椅子に座って歌いギターを弾く御大は元気一杯いがいの何ものでもなし。それ、なんか無条件でうれしさを与えるな。とともに、日本のこと好きなんだろうなというのも伝わる。そういやあ、完成したらしい彼のドキュメンタリー映画には日本の来日時の模様も出てくるらしい。
▶過去の、ウィンター
http://43142.diarynote.jp/201104142210374126/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120527
その後、渋谷・オネストで、英国シェフィールドの新進6人組、スクリーミング・マルディニのライヴを見る。前座のバンドが二つあったようで、始まった時間はけっっこう遅かった。その将来性を買って、P-ヴァインが自ら打つ公演だが、それをしたくなるのは良くわかった。だって、すべての面で正の要点を見いだたせるバンドなんだもの。男女混合の和気あいあいとした佇まいがまずうれしいと思わせるし、メロディもコーラスも演奏も非の打ち所なく、後にスタジオコーストでやるクラスになったとしても、ぼくはぜんぜん驚かない。そんな彼ら、海外でもそれほど話題にはなっていないようで、それもぼくには謎に思える。
とにもかくにも、陽性でしなやかさを振りまく、生理的にカラフルでもあるポップ・ロック・バンドで、全面的に共感。バカラック曲の現代的展開と思わせるような曲もあったりして、眩く感と洒脱感、ハンパない。今後の、彼らの伸び具合、おおいに期待したし。
<今日は、内なる……>
昼間から寒さを感じる気温。二つ目のライヴのあと、少し震えつつ近くのなじみの飲み屋に流れたら、にぎやかパーティの体。ブラジルのモノブロコのメンバーもいたよう。なんで? でも、早い時間から翌日いろいろ予定が入っているので、大人になって日付が変わる前に店を出る。頭の片隅で、やれば出来る子と、内なる“リトル・サトー”が言っていていた。わ、ネタが古い? でも、“リトル・ホンダ”ねたは本田圭佑がACミランに入ったときの会見で出したわけで、2014年になってからのものだよな。
リチャード・シンクレア
2014年4月19日 音楽 キャラヴァン、ハット・フィールド&ザ・ノーツ、キャメルといったバンドの活動で知られる、カンタベリー派なんても言われる、歌心と奥行きにとんだUKプログ・ロック界から出た名ベーシスト/シンガーのソロ・パフォーマンスのショウを昼下がりに見る。代官山・晴れたら空に豆まいて。駅周辺は、人がいっぱい。このへん、ウィーク・デイとウィーク・エンドじゃ、ぜんぜん風景が違うんだろうな。
へえ、こんなにマイペースな人なのか。神経質さ、ゼロ。始まる前から、鼻歌全開という感じで歌声を出し、呑気で、天然度高し。客電が落ちた後、なんか忘れ物したのか一度楽屋に戻りかけたり、熱心なファンがじっと見守るなか、改めてスタッフに始めていいのと聞いたり。その、自己完結している”よいよい”ぶりに接すると、65歳という年齢よりも上に感じるか。現在、彼はイタリアに住んでいるらしい。
前半は、アコースティック・ギターの弾き語り。始まって、これがポルトガル語で歌っていたら、ボサ系ブラジル人のショウに来ているんだっけと錯覚したかもしれないと、一瞬思う。そんなにボサっぽい弾き方はしないが、脱力したなあなあ感がそっちのほうと繋がる味を持っているんだろうな。けっこう気ままに、自分の手癖や鼻歌(スキャット、多し)を気持ち良さそうに綴っていくと説明できるだろうパフォーマンス。ギター演奏自体はけっこうジャジーな抑え方もするし、淡い木漏れ日のような感覚を携え透明感ある歌心がすうっと場内に散っていく。
そして、途中からは4弦フレットレス・ベースと6弦エレクトリック・ギターのダブルネック仕様ギターを弾きながら歌う。エレクトリック・ギターを弾きながら歌う方が多いが、ベース演奏のさいは少しジャコ・パストリアス的と思わせる場合もある。楽器音をループして重ねていくとかいう局面はじいさんらしく一切なく、ギターにしろベースにしろ、シンプルな歌と楽器の相乗表現をふんふんと開く。ちょい出来損ないのホーミーみたいな歌い方をするときもあり、その際はほんの少しエスノ濃度が上がりもしたか。
<今日の、4万人>
ライヴ後、なんとチケットが売り切れになったという、味の素スタジアムでのFC東京とセレッソ大阪の試合に行く。この日曜の国立競技場(あそこに、ホントにあんな珍妙な建造ブツが五輪用に出来ちゃうの? 少し、周辺風景を脳裏に刻んだ)のJ2試合に続く、今年3度目のサッカー生観戦。いいタイミングで会場に着いたが、うわー観客4万人はやはりすげえ。がらがらのスタンドでダラダラ見るのは楽で好きだが、これはイヴェントに来ているという気持ちになれる。アがる。人気者がいろいろいるセレッソ効果による動員だろうが、一昨年&昨年のFC東京監督のセルビア出身でオーストリア人ランコ・ポポヴィッチと今年からFC東京の監督となったイタリア人マッシモ・フィッカデンティの能力の差があっさり出た試合と思えた。けっこう“地蔵”かと思っていたフォルラン(髭のばしはじめたのね。やはり、一度は生で見てみたかった)、いちおう走るじゃん。FC東京の2点目は、おしゃれ。とかなんとか、今日は“レコード・ストア・デイ”だったようだが、レコード屋には足を運ばず、終わってしまった。
へえ、こんなにマイペースな人なのか。神経質さ、ゼロ。始まる前から、鼻歌全開という感じで歌声を出し、呑気で、天然度高し。客電が落ちた後、なんか忘れ物したのか一度楽屋に戻りかけたり、熱心なファンがじっと見守るなか、改めてスタッフに始めていいのと聞いたり。その、自己完結している”よいよい”ぶりに接すると、65歳という年齢よりも上に感じるか。現在、彼はイタリアに住んでいるらしい。
前半は、アコースティック・ギターの弾き語り。始まって、これがポルトガル語で歌っていたら、ボサ系ブラジル人のショウに来ているんだっけと錯覚したかもしれないと、一瞬思う。そんなにボサっぽい弾き方はしないが、脱力したなあなあ感がそっちのほうと繋がる味を持っているんだろうな。けっこう気ままに、自分の手癖や鼻歌(スキャット、多し)を気持ち良さそうに綴っていくと説明できるだろうパフォーマンス。ギター演奏自体はけっこうジャジーな抑え方もするし、淡い木漏れ日のような感覚を携え透明感ある歌心がすうっと場内に散っていく。
そして、途中からは4弦フレットレス・ベースと6弦エレクトリック・ギターのダブルネック仕様ギターを弾きながら歌う。エレクトリック・ギターを弾きながら歌う方が多いが、ベース演奏のさいは少しジャコ・パストリアス的と思わせる場合もある。楽器音をループして重ねていくとかいう局面はじいさんらしく一切なく、ギターにしろベースにしろ、シンプルな歌と楽器の相乗表現をふんふんと開く。ちょい出来損ないのホーミーみたいな歌い方をするときもあり、その際はほんの少しエスノ濃度が上がりもしたか。
<今日の、4万人>
ライヴ後、なんとチケットが売り切れになったという、味の素スタジアムでのFC東京とセレッソ大阪の試合に行く。この日曜の国立競技場(あそこに、ホントにあんな珍妙な建造ブツが五輪用に出来ちゃうの? 少し、周辺風景を脳裏に刻んだ)のJ2試合に続く、今年3度目のサッカー生観戦。いいタイミングで会場に着いたが、うわー観客4万人はやはりすげえ。がらがらのスタンドでダラダラ見るのは楽で好きだが、これはイヴェントに来ているという気持ちになれる。アがる。人気者がいろいろいるセレッソ効果による動員だろうが、一昨年&昨年のFC東京監督のセルビア出身でオーストリア人ランコ・ポポヴィッチと今年からFC東京の監督となったイタリア人マッシモ・フィッカデンティの能力の差があっさり出た試合と思えた。けっこう“地蔵”かと思っていたフォルラン(髭のばしはじめたのね。やはり、一度は生で見てみたかった)、いちおう走るじゃん。FC東京の2点目は、おしゃれ。とかなんとか、今日は“レコード・ストア・デイ”だったようだが、レコード屋には足を運ばず、終わってしまった。
カエターノ・ヴェローゾ(2005年5月23日)ほか、いろんな名ブラジル人音楽家のサポートをし、坂本龍一(2011年8月7日、2012年3月21日、2012年8月12日、2013年8月11日)ともかつてお互いのリーダー作にも参加し合う関係にあったギタリストであるルイス・ブラジルの一夜限りの公演が、青山・プラッサオンゼであった。サポートは、ベース(ここではエレクトリックに専念)のジョージ・エルデル、ドラマーのヘナート・マッサ・カウモン、サックスのマルセロ・マルチンス、トランペットのジェセー・サドッキという、やはりヴェローゾやマリア・ベターニア、モアシル・サントスやレニーニまで、いろんな逸材をサポートしてきているブラジル人たち。
実は、彼らは先週金曜からブルーノート東京ではじまっているマルコス・ヴァーリとステイシー・ケントのサポート・メンバーたちで、ショウのオフ日であるこの日に、ルイス・ブラジルを前面に立てたショウを行うことになったらしい。と書くと、息抜きのセッションというパフォーマンス内容を想像してしまうが、これが違った。作曲家としての才も持つ、そんな彼の真価を無駄なく伝えるために、きっちり本国でリハをしてきたのが分る(セット・リストも固めてきたようだ)内容には口あんぐり。笑顔で悠々とやっているのに、<これがオイラだ>という、矜持と説得力、ハンパありませんでした。
やることは乱暴に言えば、ブラジリアン・フュージョン。ではあるのだが、テーマ部/合奏部は奏者たちがとても効果的に絡み(二管のセクション音の重なりのまろやかさは、魔法のよう。それに触れただけでも、来たかいがあったと思わせた)、そこから浮き上がる各人のソロも創意工夫に富み、質が高い。ほんと、ブラジル人演奏家って腕が立つな。でもって、ブラジルで積み重ねられて来た様々な種は演奏のなか随所に埋め込まれているわけで、それにもおおいにため息。ドラミング一つとっても、本当に飽きないし、高揚させられた。
ルイス・ブラジルは2本のエレクトリッック・ギターを弾き、1曲はカヴァコも手にする。また、ピックをもちいるときもあるが、基本はアルペジオの変形のような弾き方で彼はギターを弾いて行く。複音演奏にせよ単音演奏にせよ、いろんな発見/ヴァリエーションがあり。また、2曲だったかテーマ部でスキャットもかましたりしたが、それもいい感じでした。
3曲で、草間信一がキーボードで参加。よりよい自己名義ライヴにしたいルイス・ブラジルが日本人知己から推奨されチェックしたなか、彼に参加を頼んだという。この晩の音を調整していたのはオノセイゲン、商品化されないか。とともに、楽器奏者でも歌手でもいいが、この単位のサポートを借りたら、すぐに良質盤が生まれるのではないかとも思った。
▶過去の、カエターノ
http://43142.diarynote.jp/200506021846130000/
2011年8月7日、2012年3月21日、2012年8月12日、2013年8月11日他)
▶過去の、坂本
http://43142.diarynote.jp/?day=20110807
http://43142.diarynote.jp/?day=20120321
http://43142.diarynote.jp/?day=20120812
http://43142.diarynote.jp/?day=20130811
<今日の、ギター>
一部の演奏では、ロックも彼はちゃんと通ってきているんだろうなあと、思わせる。そして、この晩は、ルイス・ブラジルの60歳となる誕生日の前夜。ケーキを出された彼はとてもうれしそう。頭髪がフサフサしているせいもあって、彼は年齢よりも若く見えます。
実は、彼らは先週金曜からブルーノート東京ではじまっているマルコス・ヴァーリとステイシー・ケントのサポート・メンバーたちで、ショウのオフ日であるこの日に、ルイス・ブラジルを前面に立てたショウを行うことになったらしい。と書くと、息抜きのセッションというパフォーマンス内容を想像してしまうが、これが違った。作曲家としての才も持つ、そんな彼の真価を無駄なく伝えるために、きっちり本国でリハをしてきたのが分る(セット・リストも固めてきたようだ)内容には口あんぐり。笑顔で悠々とやっているのに、<これがオイラだ>という、矜持と説得力、ハンパありませんでした。
やることは乱暴に言えば、ブラジリアン・フュージョン。ではあるのだが、テーマ部/合奏部は奏者たちがとても効果的に絡み(二管のセクション音の重なりのまろやかさは、魔法のよう。それに触れただけでも、来たかいがあったと思わせた)、そこから浮き上がる各人のソロも創意工夫に富み、質が高い。ほんと、ブラジル人演奏家って腕が立つな。でもって、ブラジルで積み重ねられて来た様々な種は演奏のなか随所に埋め込まれているわけで、それにもおおいにため息。ドラミング一つとっても、本当に飽きないし、高揚させられた。
ルイス・ブラジルは2本のエレクトリッック・ギターを弾き、1曲はカヴァコも手にする。また、ピックをもちいるときもあるが、基本はアルペジオの変形のような弾き方で彼はギターを弾いて行く。複音演奏にせよ単音演奏にせよ、いろんな発見/ヴァリエーションがあり。また、2曲だったかテーマ部でスキャットもかましたりしたが、それもいい感じでした。
3曲で、草間信一がキーボードで参加。よりよい自己名義ライヴにしたいルイス・ブラジルが日本人知己から推奨されチェックしたなか、彼に参加を頼んだという。この晩の音を調整していたのはオノセイゲン、商品化されないか。とともに、楽器奏者でも歌手でもいいが、この単位のサポートを借りたら、すぐに良質盤が生まれるのではないかとも思った。
▶過去の、カエターノ
http://43142.diarynote.jp/200506021846130000/
2011年8月7日、2012年3月21日、2012年8月12日、2013年8月11日他)
▶過去の、坂本
http://43142.diarynote.jp/?day=20110807
http://43142.diarynote.jp/?day=20120321
http://43142.diarynote.jp/?day=20120812
http://43142.diarynote.jp/?day=20130811
<今日の、ギター>
一部の演奏では、ロックも彼はちゃんと通ってきているんだろうなあと、思わせる。そして、この晩は、ルイス・ブラジルの60歳となる誕生日の前夜。ケーキを出された彼はとてもうれしそう。頭髪がフサフサしているせいもあって、彼は年齢よりも若く見えます。
ネイザン・イースト。マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント
2014年4月22日 音楽 ロック、R&B、フュージョンとあらゆる米国メインストリーム音楽分野で、山ほどのアルバム録音/ツアーに参加している売れっ子セッション・ベーシストのネイザン・イースト(2011年9月27日)が、この3月にキャリア初となるリーダー作をリリース。そこにはこれまでの経験の豊富さを示唆するようにスティーヴィー・ワンダーからエリック・クラプトンまで本当に様々な人たちが関与し、オリジナルをはじめ、ロック(ヴァン・モリソンやスティーヴ・ウィンウッド曲も)やソウル、フュージョン(なんと、パット・メセニー曲。実は彼のグループに入りたいのだとか。あと、スティーリー・ダンとかU2なんかに入るのも、同様に夢だそう)などの有名曲を思慮深く取り上げて、高い技術とともに音楽愛のようなものが充満した好盤なのだが、それをフォロウするショーケース・ライヴが持たれた。青山・CAY。ちなみに、彼はすでに今年2度目の来日で今回はトト(2011年9月27日)のツアー、その前は2月のエリック・クラプトンだった。
ちょうど1時間のライヴを、日本在住の奏者たちと見せたのだが、このままブルーノート東京で公演を打っても大丈夫じゃないかと、思わせる。ケイリブ・ジェイムス率いるバンドに、ベースは日野賢二(2006年1月9日、2011年7月25日、2012年3月24日)が入り、ツイン・ベースにて。ギターはハンク西山で、ドラムはジェイ・スティックス。また、日本人3人のホーン・セクションも加わる。リハは1度しかやっていないそうだが、参加者たちがしっかり事前予習してくれていたのだそう。喋る声はなかなかに深い声の持ち主であるイーストはリード・ベースぽい音を繰り出すとともに、数曲でファルセット・ヴォーカルを披露。また、終盤はAI(2011年12月13日)、福原美穂、ジェイドらシンガー、さらにはトトの鍵盤奏者のデイヴィッド・ペイチや同行歌手のエイミー・キーズも加わる。また、そのリーダー作には小田和正から送られた曲もボーナス曲として収められていて、小田当人も会場にずっといた。おお、セレブというか、信頼されているのね。
▶過去の、トト
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
▶過去の、日野
http://43142.diarynote.jp/?day=20060109
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120324
▶過去の、AI
http://43142.diarynote.jp/201112201157058751/
その後は、近くのブルーノート東京へ。出し物はブラジル人洒脱(いい意味で、スーダラでもありますね)シンガー・ソングライターのマルコス・ヴァーリ(2002年11月7日、2003年10月24日、2008年4月28日、2010年5月25日)と、英国経由で人気を得た米国人ジャズ・シンガーであるステイシー・ケント(2012年3月12日)の双頭リーダーとなるショウ。実は両者はすでに連名のアルバムを出していて、それもまたライヴ盤。ながら、その滑らかで瀟洒さを持つ仕上がりは風雅と言いたくなるもので、これは行く前からかなり期待大の公演だった。
?な組み合わせと思う方もいるかもしれないが、前にケントのショウを見たとき、ぼくは以下のように記している。
<へえと思ったのは、「3月の雨」とか「イパネマの娘」とか、ブラジル曲をけっこう取り上げ、またボサノヴァ系リズムを採用する比率が高いこと。ガル・コスタ(2006年9月22日)で知られるカエターノ・ヴェローゾ曲「コラソン・ヴァガボンド」もボサノヴァ調で披露。ケントは、カエターノ・ヴェローゾ(2005年5月23日)は一番尊敬できる人みたいな発言もしていた。そういえば、ボサ調の曲をやる際、ケント(2曲)と旦那(1曲)はガット・ギターを弾いたりした。>
→→→そりゃ、一緒にやっても不思議はありませんね。そういえば、ケントはけっこうポル語もしゃべれるらしい。この晩は英語で歌う曲が多かったが。
ケントと鍵盤&歌(控え目)のヴァーリに加え、ケントのバンドのサックス奏者で彼女の旦那でもあるジム・トムリンソン、そしてルイス・ブラジル(2014年4月20日)ら5人の腕利きのブラジル人がサポート。ただし、管奏者は昨日までしか日本にいられなかったようで、この晩だけは日本在住のブラジル人奏者など別の管奏者が入ったようだ。
まずは、ヴァーリ・バンドで1曲演奏。かなりジャズっぽくも進められる今回のショウにおいて、ヴァーリはすべてグラウンド・ピアノを弾いた。ふふ。2曲目からケントと旦那も出て来て、優美に共演。ほう、こういう仕立てだとケントの歌声の綺麗さがよく出て、映える。ヴァーリは時にデュエット役をするがそのヘタウマ的ヴォーカルも不思議とあい、ペーソスをかもしだす。ゆったり、香り高く。ジャズとブラジル音楽要素の無理のない出会いを広げた、いい出し物だったんじゃないだろうか。
▶過去の、ヴァーリ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm 11月7日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm 10 月24日
http://43142.diarynote.jp/200805031401060000/
http://43142.diarynote.jp/201006031537221581/
▶過去の、ケント
http://43142.diarynote.jp/201203131840477844/
<今日の、血液型>
たまに、いまだ血液型の話で盛り上がることがある。潤滑油となりえる、不思議な話題ではありますね。新聞夕刊の記事によれば、B型が多いのはアジアで、欧米は多くの人がAかOなのだという。また、Oは一番病気に強い血液型で、それゆえ環境がハードなアフリカはO型が多いそう。そして、ブラジルもほとんどO型なのだとか。今日の出演者もO型揃いだったのかなー。
ちょうど1時間のライヴを、日本在住の奏者たちと見せたのだが、このままブルーノート東京で公演を打っても大丈夫じゃないかと、思わせる。ケイリブ・ジェイムス率いるバンドに、ベースは日野賢二(2006年1月9日、2011年7月25日、2012年3月24日)が入り、ツイン・ベースにて。ギターはハンク西山で、ドラムはジェイ・スティックス。また、日本人3人のホーン・セクションも加わる。リハは1度しかやっていないそうだが、参加者たちがしっかり事前予習してくれていたのだそう。喋る声はなかなかに深い声の持ち主であるイーストはリード・ベースぽい音を繰り出すとともに、数曲でファルセット・ヴォーカルを披露。また、終盤はAI(2011年12月13日)、福原美穂、ジェイドらシンガー、さらにはトトの鍵盤奏者のデイヴィッド・ペイチや同行歌手のエイミー・キーズも加わる。また、そのリーダー作には小田和正から送られた曲もボーナス曲として収められていて、小田当人も会場にずっといた。おお、セレブというか、信頼されているのね。
▶過去の、トト
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
▶過去の、日野
http://43142.diarynote.jp/?day=20060109
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120324
▶過去の、AI
http://43142.diarynote.jp/201112201157058751/
その後は、近くのブルーノート東京へ。出し物はブラジル人洒脱(いい意味で、スーダラでもありますね)シンガー・ソングライターのマルコス・ヴァーリ(2002年11月7日、2003年10月24日、2008年4月28日、2010年5月25日)と、英国経由で人気を得た米国人ジャズ・シンガーであるステイシー・ケント(2012年3月12日)の双頭リーダーとなるショウ。実は両者はすでに連名のアルバムを出していて、それもまたライヴ盤。ながら、その滑らかで瀟洒さを持つ仕上がりは風雅と言いたくなるもので、これは行く前からかなり期待大の公演だった。
?な組み合わせと思う方もいるかもしれないが、前にケントのショウを見たとき、ぼくは以下のように記している。
<へえと思ったのは、「3月の雨」とか「イパネマの娘」とか、ブラジル曲をけっこう取り上げ、またボサノヴァ系リズムを採用する比率が高いこと。ガル・コスタ(2006年9月22日)で知られるカエターノ・ヴェローゾ曲「コラソン・ヴァガボンド」もボサノヴァ調で披露。ケントは、カエターノ・ヴェローゾ(2005年5月23日)は一番尊敬できる人みたいな発言もしていた。そういえば、ボサ調の曲をやる際、ケント(2曲)と旦那(1曲)はガット・ギターを弾いたりした。>
→→→そりゃ、一緒にやっても不思議はありませんね。そういえば、ケントはけっこうポル語もしゃべれるらしい。この晩は英語で歌う曲が多かったが。
ケントと鍵盤&歌(控え目)のヴァーリに加え、ケントのバンドのサックス奏者で彼女の旦那でもあるジム・トムリンソン、そしてルイス・ブラジル(2014年4月20日)ら5人の腕利きのブラジル人がサポート。ただし、管奏者は昨日までしか日本にいられなかったようで、この晩だけは日本在住のブラジル人奏者など別の管奏者が入ったようだ。
まずは、ヴァーリ・バンドで1曲演奏。かなりジャズっぽくも進められる今回のショウにおいて、ヴァーリはすべてグラウンド・ピアノを弾いた。ふふ。2曲目からケントと旦那も出て来て、優美に共演。ほう、こういう仕立てだとケントの歌声の綺麗さがよく出て、映える。ヴァーリは時にデュエット役をするがそのヘタウマ的ヴォーカルも不思議とあい、ペーソスをかもしだす。ゆったり、香り高く。ジャズとブラジル音楽要素の無理のない出会いを広げた、いい出し物だったんじゃないだろうか。
▶過去の、ヴァーリ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm 11月7日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm 10 月24日
http://43142.diarynote.jp/200805031401060000/
http://43142.diarynote.jp/201006031537221581/
▶過去の、ケント
http://43142.diarynote.jp/201203131840477844/
<今日の、血液型>
たまに、いまだ血液型の話で盛り上がることがある。潤滑油となりえる、不思議な話題ではありますね。新聞夕刊の記事によれば、B型が多いのはアジアで、欧米は多くの人がAかOなのだという。また、Oは一番病気に強い血液型で、それゆえ環境がハードなアフリカはO型が多いそう。そして、ブラジルもほとんどO型なのだとか。今日の出演者もO型揃いだったのかなー。
いやあ、びっくりした。力があり、澄んだ情緒にも満ち、グルーヴィでもあり。また、閃きにも満ち。ぼくよりもちゃんと彼に接している知人も、今回はどうしてこんなにいいのと感嘆していたので、あながちぼくだけの感想ではないと思う。1日でガツっと録った新作『ア・デイ・イン・ナッシュヴィル』(プロヴォウグ)をフォロウするショウで、歌とギターの本人(1999年8月28日、2004年4月21日、2004年10月22日、2004年12月17日、2008年8月31日、2013年5月10日)に加え、オルガンのリッキー・ピーターソン(2000年3月21日、2003年7月18日、2012年3月3日、2013年5月10日)、ウッド・ベースと電気ベースのブライアン・アレン(2013年5月10日)、そしてドラマーのウェス・リトルがつく。ドラマー以外は昨年来日時と同じメンバーでもあり、非の打ち所のない噛み合いのもと、ロベン・フォードの考える、<ブルージーでジャズ的な広がりも持つ、手作りアダルト・ミュージック>が送り出された。
今回思ったのは、フォードはいい歌い手でもあるな、ということ。でも、それ以上に、ギター・ソロにも驚く。スリリングで飛躍や切れや艶やかさを持ち、かつ歌心にも富む。あらゆるブルース・ロックの弾き手を並べても、彼は間違いなく現在No.1の存在ではないか。まあ、ビル・フリゼール他、ジャズ側のギター奏者も絶賛する人は後がたたないわけだが。この晩のショウのライヴ評は毎日新聞で書く(5月8日夕刊掲載かな?)が、大絶賛すると思う。いやはや、音楽は、ライヴは、生き物。予想不可能な場合も多々ある。。。。再認識させていただきました。
▶過去の、フォード
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://43142.diarynote.jp/200404212355490000/
http://43142.diarynote.jp/200410240630040000/
http://43142.diarynote.jp/200412212105020000/
http://43142.diarynote.jp/200809011923060000/
http://43142.diarynote.jp/201305131335092387/
▶過去の、ピーターソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20120303
http://43142.diarynote.jp/201305131335092387/
<翌日の、フォード>
実は彼のライナーノーツは複数書いたことがあるけど、ロベン・フォードには、今回初めてインタヴューした。一部ニュースで、ここの出演者の常宿のホテルにオバマも泊まるという話が出ていたが、フォードに聞いたら、それは違うじゃないかな、とのこと。別に、警備とか規制とかないらしい。取材媒体はbsrで、たまたま最新号の表紙がマイク・ブルームフィールド。フォードのブルースの原点は、ブルームフィールドであるのだとか。
ところで。ACL、Jリーグのチームが決勝トーナメントに3つも残るとはこれまた驚いた。録画とはいえ、今年は日本のチームが関わるACL予選リーグの試合をすべて見ているので、感慨深いな。これで、マリノスにマルキーニョスが留まっていたら、4チームすべて残ったかもしれない。新加入の伊藤翔も嫌いではないんだが、残念っ。ともあれ、この楽しみが、日本チームが勝ち残ることで、ずっと続きますように。とともに、1試合ぐらい(というと、地理的に川崎フロンターレの試合しかないわけだが)は生観戦したい。。。。
今回思ったのは、フォードはいい歌い手でもあるな、ということ。でも、それ以上に、ギター・ソロにも驚く。スリリングで飛躍や切れや艶やかさを持ち、かつ歌心にも富む。あらゆるブルース・ロックの弾き手を並べても、彼は間違いなく現在No.1の存在ではないか。まあ、ビル・フリゼール他、ジャズ側のギター奏者も絶賛する人は後がたたないわけだが。この晩のショウのライヴ評は毎日新聞で書く(5月8日夕刊掲載かな?)が、大絶賛すると思う。いやはや、音楽は、ライヴは、生き物。予想不可能な場合も多々ある。。。。再認識させていただきました。
▶過去の、フォード
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://43142.diarynote.jp/200404212355490000/
http://43142.diarynote.jp/200410240630040000/
http://43142.diarynote.jp/200412212105020000/
http://43142.diarynote.jp/200809011923060000/
http://43142.diarynote.jp/201305131335092387/
▶過去の、ピーターソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20120303
http://43142.diarynote.jp/201305131335092387/
<翌日の、フォード>
実は彼のライナーノーツは複数書いたことがあるけど、ロベン・フォードには、今回初めてインタヴューした。一部ニュースで、ここの出演者の常宿のホテルにオバマも泊まるという話が出ていたが、フォードに聞いたら、それは違うじゃないかな、とのこと。別に、警備とか規制とかないらしい。取材媒体はbsrで、たまたま最新号の表紙がマイク・ブルームフィールド。フォードのブルースの原点は、ブルームフィールドであるのだとか。
ところで。ACL、Jリーグのチームが決勝トーナメントに3つも残るとはこれまた驚いた。録画とはいえ、今年は日本のチームが関わるACL予選リーグの試合をすべて見ているので、感慨深いな。これで、マリノスにマルキーニョスが留まっていたら、4チームすべて残ったかもしれない。新加入の伊藤翔も嫌いではないんだが、残念っ。ともあれ、この楽しみが、日本チームが勝ち残ることで、ずっと続きますように。とともに、1試合ぐらい(というと、地理的に川崎フロンターレの試合しかないわけだが)は生観戦したい。。。。
アリ・ジャクソン・カルテット。ホット・ツナ
2014年4月24日 音楽 まず、丸の内・コットンクラブで、新世紀以降なにげにパンク(!)になっているところも見受けられる、米国ジャズ界きってのセレブ君たるウィントン・マルサリス(2000年3月9日。しかし、ずっと来日していないな。多分。日本嫌いなのか。はたまた、ギャラが高くて、日本における集客では赤字になるので、誰も手を出さないのか。それとも、ジャズ・リンカーン・センターの指揮運営とか多忙で、あまり外に出ないだけなのか)流れの位置にいる奏者が集ったコンボのライヴを見る。
リーダーでドラマーのアリ・ジャクソン(2012年6月8日)、ピアノのダン・ニマー(スマートになったMr.ビーン、という外見の持ち主。関係ないけど、Mr.ビーンのカンヌ映画祭に向かう珍道中の映画は超好きだな)、ベースのカルロス・エンリケス、トランペットのマイケル・ロドリゲスという顔ぶれでの実演。チャーリー・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)/リベレイション・ジャズ・オーケストラの2005年作に入っていたトランペッター以外は、マルサリスとエリック・クラプトン(2006年11月20日)の2011年リプリーズ発の双頭リーダーのライヴ盤で演奏している人たちですね。
そんな彼らは、べらぼうに真面目な、破綻のない、メインストリームな4ビート・ジャズを聞かせる。もう、まったくもって、明晰に、迷いなく。ぼくには丹精すぎるものではあるが、はみ出していたり、前進していたりするものだけが正義ではないよなあ。と、書いて、ロックやR&B以上に、ぼくはジャズにはコワレていたりダーティだったりする感覚を求めているのではないか、と思えたりもした。それは、この後に見た出し物の聴後感との比較もあり……。
▶過去の、ジャクソン
http://43142.diarynote.jp/?day=20120608
▶過去の、マルサリス(2000年3月9日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200909120650273142/
▶過去の、クラプトン
http://43142.diarynote.jp/?day=20061120
アリ・ジャクソン公演のアンコールに入るときに失礼し、東京駅から東海道本線に乗って横浜へ。止まる駅4つでついてしまうのか。そして、サムズアップで、サンフランシスコ・ロック、ブルース・ロックのビッグ・ネームのお二人のアコースティックなライヴを、ファースト・セットの中ほどから見る。セカンド・セットは1時間をはるかに超える長さだったし、おじいちゃんたち元気だにゃ。
アコースティック・ギターを爪弾きながら歌うヨーマ・カウコネンと、黙々と優しいベースを弾くジャック・キャサディが、やんわり、無理なく重なるパフォーマンス。彼らはジェファーソン・エアプレインのオリジナル・メンバーで、1970年に一緒にブルース・ロック・バンドのホット・ツナを結成した。一緒に見ていた知人が、二人は幼なじみであることを教えてくれる。へえ。それにしても、二人が並ぶと、カウコネンの頭のデカさは際立つ。
思ったほどブルージーな曲は多くなく、訥々とアーシー気味フォーク調曲を開いて行くと、説明したくなるか。イントロ部で拍手が起きたりもするので、彼ら縁のよく知られる曲をやっているのかもしれない。なんにせよ、お互いの技やクセを知り合った二人のやりとり/意思疎通はさりげなくも気持ちよく、カウコネンの歌はどってことないのだが、耳障りが良い。月並みだが、“年輪”あるな。カウコネンは全てアルペジオにて弾き、ブルース・コード曲になると上手いなともより思わされる。米国ポピュラー音楽の裏面史と言うと大げさだが、なんかアメリカのロック史に残された何かをあっさり受け止めることができたような気にもなった。
<今日の、因縁>
ホット・ツナという名義では17年ぶりとなる来日とか。実は前回来日の際(1997年2月)、彼らは『LIVE IN JAPAN』(Relix/Eagl)というライヴ・アルバムを残していて、それはサムズアップの近くにある同じ系列店のStove’sというバーでの録音。狭い会場の都合で、それはアコースティック設定でなされたのだが、その出来を良く思うキャサディが推してライヴ・アルバム化されたそう。なんでも、彼らは昼間に思い出のStove’s詣でをしたらしい。というわけで、彼らにとってはホームグラウンドのような場所での実演と言えるのか。そうじゃなくても、この手の音楽には熱い反応を返すハコ(もちろん、フル・ハウス!)だけに、アーティストの意気と観客の熱意が綱引きし合う、得難い場がぽっかり出来ていたのは間違いない。それを認知して、横浜まで来て良かったと思えました。二人はいろいろ回って、また最後(4日)はサムズアップで公演をやって、帰米するようだ。
リーダーでドラマーのアリ・ジャクソン(2012年6月8日)、ピアノのダン・ニマー(スマートになったMr.ビーン、という外見の持ち主。関係ないけど、Mr.ビーンのカンヌ映画祭に向かう珍道中の映画は超好きだな)、ベースのカルロス・エンリケス、トランペットのマイケル・ロドリゲスという顔ぶれでの実演。チャーリー・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)/リベレイション・ジャズ・オーケストラの2005年作に入っていたトランペッター以外は、マルサリスとエリック・クラプトン(2006年11月20日)の2011年リプリーズ発の双頭リーダーのライヴ盤で演奏している人たちですね。
そんな彼らは、べらぼうに真面目な、破綻のない、メインストリームな4ビート・ジャズを聞かせる。もう、まったくもって、明晰に、迷いなく。ぼくには丹精すぎるものではあるが、はみ出していたり、前進していたりするものだけが正義ではないよなあ。と、書いて、ロックやR&B以上に、ぼくはジャズにはコワレていたりダーティだったりする感覚を求めているのではないか、と思えたりもした。それは、この後に見た出し物の聴後感との比較もあり……。
▶過去の、ジャクソン
http://43142.diarynote.jp/?day=20120608
▶過去の、マルサリス(2000年3月9日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200909120650273142/
▶過去の、クラプトン
http://43142.diarynote.jp/?day=20061120
アリ・ジャクソン公演のアンコールに入るときに失礼し、東京駅から東海道本線に乗って横浜へ。止まる駅4つでついてしまうのか。そして、サムズアップで、サンフランシスコ・ロック、ブルース・ロックのビッグ・ネームのお二人のアコースティックなライヴを、ファースト・セットの中ほどから見る。セカンド・セットは1時間をはるかに超える長さだったし、おじいちゃんたち元気だにゃ。
アコースティック・ギターを爪弾きながら歌うヨーマ・カウコネンと、黙々と優しいベースを弾くジャック・キャサディが、やんわり、無理なく重なるパフォーマンス。彼らはジェファーソン・エアプレインのオリジナル・メンバーで、1970年に一緒にブルース・ロック・バンドのホット・ツナを結成した。一緒に見ていた知人が、二人は幼なじみであることを教えてくれる。へえ。それにしても、二人が並ぶと、カウコネンの頭のデカさは際立つ。
思ったほどブルージーな曲は多くなく、訥々とアーシー気味フォーク調曲を開いて行くと、説明したくなるか。イントロ部で拍手が起きたりもするので、彼ら縁のよく知られる曲をやっているのかもしれない。なんにせよ、お互いの技やクセを知り合った二人のやりとり/意思疎通はさりげなくも気持ちよく、カウコネンの歌はどってことないのだが、耳障りが良い。月並みだが、“年輪”あるな。カウコネンは全てアルペジオにて弾き、ブルース・コード曲になると上手いなともより思わされる。米国ポピュラー音楽の裏面史と言うと大げさだが、なんかアメリカのロック史に残された何かをあっさり受け止めることができたような気にもなった。
<今日の、因縁>
ホット・ツナという名義では17年ぶりとなる来日とか。実は前回来日の際(1997年2月)、彼らは『LIVE IN JAPAN』(Relix/Eagl)というライヴ・アルバムを残していて、それはサムズアップの近くにある同じ系列店のStove’sというバーでの録音。狭い会場の都合で、それはアコースティック設定でなされたのだが、その出来を良く思うキャサディが推してライヴ・アルバム化されたそう。なんでも、彼らは昼間に思い出のStove’s詣でをしたらしい。というわけで、彼らにとってはホームグラウンドのような場所での実演と言えるのか。そうじゃなくても、この手の音楽には熱い反応を返すハコ(もちろん、フル・ハウス!)だけに、アーティストの意気と観客の熱意が綱引きし合う、得難い場がぽっかり出来ていたのは間違いない。それを認知して、横浜まで来て良かったと思えました。二人はいろいろ回って、また最後(4日)はサムズアップで公演をやって、帰米するようだ。