ジャズ界の“特別銘柄”と言っても語弊はないだろう、視点もワザも大いに持つ大御所ドラマー(2001年4月30日、2003年8月23日、2007年5月8日)の、トリオ編成による公演。南青山・ブルーノート、ファースト・ショウ。

 サイド・マンはジョン・コルトレーンの息子(2013年8月18日)と、そのコルトレーンの黄金期を支えたベーシストのジミー・ギャリソンの息子(1999年5月11日、2001年12月27日、2009年11月12日)、ようはコルトレーン流れの奏者を擁する二人を起用してのもの。しかし、そのラヴィとマシューのお二人、名をなした父親たちと同じ持ち楽器……わあ。まあマシュー・ギャリソンはウッドとエレクトリックという事以上に持ち味は異なるが、ラヴィのほうはここのところ外見も父親と似て来ているか。彼の一番新しい2012年発表作はブルーノート発で、ドン・ウォズ(2013年2月15日)物件だ。

 かつて丸顔が印象的だったディジョネットだが、痩せた。でも、演奏(マッチド・グリップで叩いていたような。かなり横からみていたので、よく分らなかったが)は闊達なり。で、なるほど、この変則(?)トリオであることを謳歌せん、フツーのジャズをやってもしょうがないぢゃん的な意志も滲ませるような演奏を鋭意披露。かなり長めの尺を持った1曲目はフレイズや局面を気ままに繋ぎつつ、アブストラクトな世界に遊ぶといった感じのもので、1部ギャリソンはPCで遊び音を入れたりもした。5弦フレットレスをペラペラ弾く彼の演奏をぼくは好きではないが、今回は複音弾き多用していて、それは良かった。コルトレーン曲をやったさいは、客席がわく。

 ピアノ・アルバムも出している彼、1曲はドラム・セットから離れて、ピアノを弾く。そのヴォイシングが(40年来の付き合いの)キース・ジャレット(2001年4月30日、2007年5月8日)と同じと後の飲み会で指摘する人がいたが、それはぼくにはよく分らない。ともあれ、なんだかんだやはり面白い人であり、まだまだ刮目すべきものを出す御仁。ディジョネットの演奏やリーダーシップの取り方の随所から、ジャズの何かを照らし出す得体のしれない何かが露になっていたのは間違いのない事実であったから。

▶過去の、ディジョネット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
▶過去の、コルトレーン
http://43142.diarynote.jp/?day=20130818
▶過去の、ギャリソン
http://43142.diarynote.jp/200911141111322146/
▶過去の、ウォズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215

<今日の、いいかげん>
 長年アップル社PCを使っているのに、ワン・クリックでいいものとダブル・クリックを必要とするものの区別を、ぜんぜん認知していない。ぜっかちなためもあるけど、ぼくはなんとなく多くをダブル・クリックで処理しちゃっているが、ワン・クリックでOKなのもありそう……。そんなヤツに、更に左右の区別があるウィンドウズ機種を扱えというのは無理か。20年前はオアシス流れで富士通機種を使っていたこともあるのだが、あー遥か遠い昔。あのころ、オレどーしてたんだろ?