なんてこったい。

 あ〜、雨天。それにより、この港ヨコハマ5月下旬恒例のフェスの魅力は10分の1ぐらいになっちゃったんじゃないか。過去2回の原稿(2007年5月26日、2009年5月30日)で、会場となっていた大桟橋ホールは床の尋常ならぬ揺れ方のため音楽公演には用いてはいけない場所じゃねーのと指摘していたが、今回は同じ横浜の海沿いながら、より地下鉄駅にも近い赤レンガ倉庫周辺に場所を移しての開催となった。今年はテレビ朝日が主催についてより規模は大きくなった、とも書けるのかな。

 土日2日間開催の、2日目。晴天だった前日と異なり、この日は結構な降雨とともに風もそこそこあり、相当に寒い。それゆえ、昼下がりからやっているはずだが、夕方に着くように東横線に乗る。赤レンガ倉庫の敷地+αを全面的に使用。こんなに余白スペースがあったんだという海に面した広場に二つの野外ステージや物販場や寛ぎ場など。ただし、雨ふっていちゃあ、な。少し離れたほうにも野外ステージと船を用いたDJステージがあったよう。そっちのほうには雨と寒さのために気持ちが萎えて行く気がおきませんでした。その船ステージはときどき出航して完全に海の上でどんちゃかやる設定になっていたようで、一度だけ赤レンガ倉庫沖を進んで行くその船(屋形船感覚とも言える?)を確認。うーん、それはとっても楽しそうに見えました。

 また、赤レンガ倉庫2練のうちの1練も展示場や室内ステージとして用いられており、そのステージはぼくが行ったときには内外ミュージシャンがいろいろ上がってのセッション大会。ちらしによれば、F.I.Bジャーナル(2009年10月19日)、ソイル(2009年6月12日、他)、ダブル・フェイマス(2004年2月15日、他)、マウンテン・モカ・キリマンジャロ(2008年10月15日)、クール・ワイズ・メン(2009年5月30日)らの人たちが出たみたい。セッションという企画、アリであり、意義も感じさせるもので、いいんでない。実際、誰が仕切っていたかは知らないが、程よくまとめられていたのも事実。

 海に面したスペースも広いし、さぞや晴天であったらくつろげて気分良く、楽すィとなったはず。晴天なら、また行きたいぞお(この日は入りが悪かったが、今後も続いてほしい)。あ、それから、いろんな飲食店やショップが入っている赤レンガの別練ももちろん一般の人がそうであるように出入りできて(モーション・ブルー・ヨコハマはこちらに入っているが、お休みをとっていた)、雨をさけるため、ぼくはそちらで茶をしっぱなし。そういう意味では、雨天だからといって、行き場に困るわけではないイヴェントであることも付記しておきたい。

 最後になったが、見た出演者(避難ばかりしていて、ちょい見ばかりだけど)にも簡単に触れておく。サンパウロ(2004年1月30日、他)→沼澤尚(2010年1月12日、他)が抜けてしまった彼らだが、久しぶりに見る。会場入りしたらやっていて、おーやってるやってると思いつつ、少し触れた。オリジナル・ラヴ→数年前にトーキング・ヘッズの影響大なことをやったときには少しがっかりしたが、おお今はこんなことになっているのか。最小限のバンド編成でワイルド&ソウルフル、勃起したチンチン丸だしという感じの田島貴男(2002年7月7日)のパフォーマンスにはびっくり。時に透けて見える、モボな襞も魅力的。支持する。今はグレアム・グールドマンだけが残っている10cc→74年作収録の「ザ・ウォール・ストリート・シャッフル」で幕を開け、73年デビュー作収録の「ラバー・バレッツ」で終わったステージ。荒くおやじ臭かったが、聞かせどころはいろいろ。ふふ。リッキー・リー・ジョーンズ(2005年12月31日、他))→リズム隊を率いての生一本、精気と意思あふれる質の高すぎるパフォーマンス(を、展開したハズ)。

 ザ・ビートルズやトッド・ラングレン(2008年4月7日、他)が大好きだったぼくは10ccも本当に大好きでした(そこからの2分の1のゴドリー&クリームは余計に)。だから、今でも70年代のものだったら曲名もすぐに言えちゃう。でもって、ぼくは再結成10ccというと、ウェッジウッドの少し古めの皿を思い出す。ポリドールと切れたグレアム・グールドマンとエリック・スチュアートによる10ccは90年代中期にエイベックスと関係を深め(インタヴュー時にスチュアートだったと記憶するが、エイベックスの出資でスタジオを持ったなんて言っていたはず)、同社から新作(『ミラー・ミラー』だったか)をリリースし、ロンドンのザ・シティ地区の変な造形を持つ有名ビルであるロイズ・ビル内で新作発表パーティをやったことがあった。バブルなころなんで行かせてもらったんだが、そのときの会場のテーブルには件のいい柄のお皿が一杯置かれていて……。そのころ、けっこうその手のものに興味を持っていたぼくは……。ハイ、国際窃盗犯です。