気持ちよ〜い。さわやか晴天、野外公演には最良の1日。日比谷野外音楽堂。もう、公園内に入ったとたん、のんびりした雰囲気と緑が身体をなで、ニコっとなる。毎年のことだが、会場外の近辺にはこぼれてくるパフォーマンス音に耳をかたむける人たちの姿が。それ、本当にいい光景なり〜。場内は立ち見がかなり出てもいた。

 冒頭の2組は日本人アクト。毎年楽器セッティング変換の間を漫談歌唱演奏でつなぐゴトウゆうぞう(歌、ハープ、カリンバ、三線)とカメリア・マキ(ギター)たちがまずバンド編成で前説的なよびこみパフォーマンス。沖縄出身アーシーなジャズ歌手の安富祖貴子も3曲ぐらい豪快な喉を披露したか。そして、近藤房之助(2011年6月16日、他)バンドの演奏。御大、遠目に格好いいなあ。ハープはKOTEZ(2010年1月12日、他)。

 その後の、サニー・ランドレス(2003年5月25日)は自己バンド(トリオ)でのパフォーマンス。なるほど、ギターはうまい。驚いたのは、スライド・バーを小指にはめ、単音系の音はすべてスライド奏法で出していたこと。アルバム聞いて普通の指弾きで弾く場合もあるのかと思っていたのだが、それは過剰に秀でた技巧ゆえ。例えるなら、フランク・ザッパが絶妙な運指で表出するよがりまくる単音弾きソロ音と同じようなものを彼はさらりとスライドで出してしまう。だったら、別にスライド使う必要ないじゃんとも一瞬思わなくもないが、その正確な小指さばきが導くテクニシャンぶりはすごい。とても高い位置にギター構える彼は、けっこう曲ごとにギターをかえていた。ときに味のない軽量級の歌も披露するが、基本はどこかにブルース愛好を根に置く流動性の高いインスト表現者。その音楽は、米国プログ・ロックとも言いたくなるか。そういえば、来日記念盤となった彼の『エレメンタル・ジャーニー』(ソニー)はストリングスも用いて描くスケールの大きな絵巻的表現作だ。

 最後は、2年連続で来日する、ホワイト・ブルースの巨匠である、ジョニー・ウィンター。ギター、ベース、ドラムからなるワーキング・バンドを伴ってのもの。その時点で、6時半すぎ。まだ、空は明るい。陽の長さを実感する。よちよち出て来た御大は1曲目を演奏を立ったままする。それ以降は座ってやったが、まだ矍鑠なよう。元気といえば、採用するテンポがそう思わせる。本当にBPMの高いがちんこなサウンドをバンドに出させ、そこに力任せのギター演奏と歌をのせていく。総じては、昨年のパフォーマンス(2011年4月13日)と同じような感じ。

 ランドレスの演奏時もそうだが、満場のお客さん(例によって、男性比率が高い)の反応が暖かくも熱烈。もうやっている側は光栄至極だったのではないだろうか。お客さんにも拍手を。ウィンターの「モージョー・ワーキング」や「ジョニー・B・グッド」とかでは、リフレイン時にかなりコール&レスポンス状態となった。


<今日の中吊り>
 会場に向かうため電車に乗ると、車両まるごとドイツ観光局のPRがなされている。ドイツ流れで、メルセデスやワーゲンの広告もあり。そういえば、六本木のミッドタウン前のメルセデスのショールームは贅沢。作りもそうだが、周囲のビルに囲まれて、その建物だけ二階建てなのだ。それを見ると、車両価格に過剰に利益が上乗せされているのをほのかに感じることができる。輸入車は車両価格もそうだが、車検/修理代をもう少し下げないか。今年秋の車検はいくらかかるかなー。
 追記;昨年できたこのショールームは今年暮れまでの期間限定の施設であるという。情報、いただきました。