小沼ようすけ

2004年11月30日
 中村とうようさん制作の『海上の道/ウィリー・ナガサキ』にも参加してい
た若手ギタリストの公演、渋谷・デュオ。夏にNY録音のトリオ作品を出して
、これがかなり清新なジャズ・アルバムになっていて驚かされたが、日本人ト
リオ編成でのこの実演はそのアルバムのノリを引き継ぐものとなるのかな。い
っさいピックを使用せず、いろいろに指を使いながらセミアコを弾く。ピック
を使わなくなったのはここのところなのだそうだが、こだわりですね。昔のブ
ルーズ・マンやジャズ・マンを彷彿とさせるそれはアトラクティヴ。かといっ
て、やはり古臭いジャズ・ギターにならないわけで(なれない部門もあるだろ
うけど。あと実演だとよりロックっぽくなると感じた)、それは<いい伝統は
できるだけ知りたい、それを消化したうえで自分を出したい>という、正しい
気持ちの表出として受け取れる。この日のバックはリトル・クリーチャーズの
鈴木正人(名前は出していないが、2003年12月4日のコンボ・ピアノと、2004
年7月6日のUAも彼が弾いていたはず)と大槻英宣(ドラム)。これ、彼も
参加していたジャズ・オルガン奏者の金子雄太のグループ、旧アクアピットの
流れを組むものなんだとか。