Hanali、ベン・フロスト
2014年10月2日 音楽 渋谷・www。会場に入ると、Hanaliがやっている。ゴルジェと呼ばれるクラブ系ミュージックがあって、タム音連打使いが決め手とも言われ、また電気音楽と一般的には相反する自然邂逅や肉体駆使といったファクターも入り込むとかなんとか……。Hanaliはゴルジェの日本の代表選手と言われる人だが、なるほど、生身の人間がオペレイトしているとがっつり分るのがいい。そんな風情のもと、彼(ときに、額にライトをつけたりも)はがちんこ感覚に満ちた音をごんごん送り出す。グルーヴィとはあまり思わないが、肉体性たっぷり。ハードで、生理的に野卑。ゴルジェの担い手の実演には今回初め触れたが、ぼくはゴルジェをそう理解した。
休憩を挟んで、メイン・アクトのベン・フロストが登場し、新作『オーロラ』の名を冠したライヴを行う。場内が、急に混む。2005年以降アイスランドのレイキャビクを拠点に置いている、何かと同業者からも評判が高いオーストラリア人。悪意や刺のあるアンビエントと書きたくなるような、ノイズ・エレクトロニカ表現を送り出す。ちょいギターを持ったときもあったが、あんまし関係ないか。背後からストロボが派手にたかれるなか、基本切れ目なしに、思うままの起承転結が送り出された。
<今日の、淡い欲求>
フロストは写真家リチャード・モズ他とコラボったりもしているが、映像使いはなし。彼はエイブルトン・ライヴを用いているようだが、なんかその実演に接していて試してみたくなったりして……。ハードとソフトあわせて、10万ぐらいだっけ?
休憩を挟んで、メイン・アクトのベン・フロストが登場し、新作『オーロラ』の名を冠したライヴを行う。場内が、急に混む。2005年以降アイスランドのレイキャビクを拠点に置いている、何かと同業者からも評判が高いオーストラリア人。悪意や刺のあるアンビエントと書きたくなるような、ノイズ・エレクトロニカ表現を送り出す。ちょいギターを持ったときもあったが、あんまし関係ないか。背後からストロボが派手にたかれるなか、基本切れ目なしに、思うままの起承転結が送り出された。
<今日の、淡い欲求>
フロストは写真家リチャード・モズ他とコラボったりもしているが、映像使いはなし。彼はエイブルトン・ライヴを用いているようだが、なんかその実演に接していて試してみたくなったりして……。ハードとソフトあわせて、10万ぐらいだっけ?
レフティーズ・ソウル・コネクション
2014年10月3日 音楽 渋谷・duo MUSIC EXCHANGEで、オランダをベースとする、インスト主体(ヴォーカル曲は3割ぐらい?)の5人組ファンク・バンドの公演を見る。
まず特記しておきたいのは、ドラマーが良い腕をしていたこと。セカンド・ラインをこんなにいい感じに叩ける(スネア扱い、そしてバスドラとの噛み合わせが抜群)在欧州ドラマーもそうはいないのではないか。オランダNo.1ファンク・ドラマーであると勝手に認定する。
彼に比べると、二人のギター奏者(うち、一人は左利き)、オルガン奏者、ベーシストの技量は突出していないものの、チームワークはいい。面白いというか、とても???なのは、ギタリストが二人一緒に弾いたのは確か1曲だけで、あとはどちらか一方しか、ギターを弾かなかった。ギターを持たない場合の片方のギター奏者はリード・ヴォーカルやダンバリンを担当。ファンク表現において2本のギターの刻みの得難い重なりもまた美味しいポイントとなりえるはずだが、それをしないのは何ゆえか。まったくの謎。米国産黄金表現のように二人一緒にうまく重なることはできないので、潔く一人はギターを弾かないようにした? それはそれで、安楽死や売春が合法化されているオランダ人らしい割り切り方であると思える? なんて、ね。
彼らがインスピレーションを受けた三傑はジェイムズ・ブラウン(2000年8月5日)、ザ・ミーターズ(2009年7月25日、2013年1月30日、2014年1月17日、他)、ブッカー・T &ザ・MGズ(2008年11月24日、2009年7月25日、2010年2月8日 、2011年9月12日、2012年5月11日、2013年10月29日)か? オリジナル中心だろうが、どこかメロディ作りは苦手っぽいのかと感じさせる部分もあり、曲によってはぼくにとってはいまいちしっくりとこない仕掛けを施したりもする。でも、だからこそ、ザ・アイズレー・ブラザース(2001月12月6日、2004年3月1日)のスロウ化した「イッツ・ユア・シング」とザ・ミーターズの「ヘイ・ポッキー・ウェイ」のメドレーなんかは訴求力が倍加するわけで。。。。彼らはニュー・オーリンズ・ブラス・バンドのスタンダード「リトル・リザ・ジェーン」も取り上げ、それは全員で声を重ねていた。
そういうところとか、なんか聞き手に引っかかりを覚えさせるところがあり、なんだかんだ接していてニッコリ。終盤は日本人ダンス・チーム(仕込み、だろう)にフロアの真ん中で次々に踊らせたり。そのさい、フロア中央がぽっかり空き、回りのオーディエンスがやんやの喝采を送る。おお、なんか、“ソウル・トレイン”みたい? 一般客も踊ったりしたようだし、DJしていた外国人も踊ったし、途中でドラムのソロになったときはフロアのダンサーとステージ上のドラマーとのセッションみたいだった。こんなふうになるライヴには初めて接したが、それはなんかファンクとダンスの正しい相互関係を見る思いも、ぼくは得た。また、最後にギタリストとシンガーがフロアに降りてパフォーマンスし、その回りで観客が見守る。場内が混んでいなかったからこそ、そうした方策はうまくはまったかもしれないが、それらはレフティーズ・ソウル・コネクションの価値をいやがおうでも伝える。そう、そこにはしっかりと、“ファンク帝国”ができていたのだ。
▶過去の、JB(2000年8月5日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm サマーソニック
▶過去の、ザ・ミーターズ関連者
http://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/200702090041480000/
http://43142.diarynote.jp/200702112125550000/
http://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
http://43142.diarynote.jp/200808140129280000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201301311053069360/
http://43142.diarynote.jp/201401181209502731/
▶過去の、ザ・MGズ関連
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/200812110456078867/
http://43142.diarynote.jp/201002090914248826/
http://43142.diarynote.jp/201109151819433479/
http://43142.diarynote.jp/201205131715485366/
http://43142.diarynote.jp/201310301217408539/
▶過去の、アイズリーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200403011119270000/
<今日の、女優>
朝起きて、ぼおっとテレビっ子しちゃう。昨日、望外に筆が進み、想定外に原稿仕事をこなしてしまった余裕はありか、なしか。仕事からの逃避でも、二日酔いだったからでもありません。二つ米国TVドラマを見たが、うち一つは「クローザー(シーズン3)」。その主演女優は、キーラ・セドウィック。実は彼女は、ギタリストのマイク・スターン(2009年3月23日、2009年6月18日、2010年6月6日、2012年6月13日)の妹。腹違いだそうで、ずっと疎遠だったそうだが、今は付き合いがあると、うれしそうにスターンは言っていた。彼の最初の名前は、マイク・セドウィック。それが両親が離婚した事で彼は養子に出され、姓がスターンとなった。なお、キーラさんは日本においては一般的にセジウィックと表記されるようだが、スターンは自分の旧姓をセドウィックに近い発音をしていたので、そう表記します。キーラの旦那は俳優のケヴィン・ベーコンだが、スターン曰く彼はギタリストでもあるそう。
▶過去の、スターン
http://43142.diarynote.jp/200903260425159549/
http://43142.diarynote.jp/200906190812191379/
http://43142.diarynote.jp/201006071818281946/
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196
まず特記しておきたいのは、ドラマーが良い腕をしていたこと。セカンド・ラインをこんなにいい感じに叩ける(スネア扱い、そしてバスドラとの噛み合わせが抜群)在欧州ドラマーもそうはいないのではないか。オランダNo.1ファンク・ドラマーであると勝手に認定する。
彼に比べると、二人のギター奏者(うち、一人は左利き)、オルガン奏者、ベーシストの技量は突出していないものの、チームワークはいい。面白いというか、とても???なのは、ギタリストが二人一緒に弾いたのは確か1曲だけで、あとはどちらか一方しか、ギターを弾かなかった。ギターを持たない場合の片方のギター奏者はリード・ヴォーカルやダンバリンを担当。ファンク表現において2本のギターの刻みの得難い重なりもまた美味しいポイントとなりえるはずだが、それをしないのは何ゆえか。まったくの謎。米国産黄金表現のように二人一緒にうまく重なることはできないので、潔く一人はギターを弾かないようにした? それはそれで、安楽死や売春が合法化されているオランダ人らしい割り切り方であると思える? なんて、ね。
彼らがインスピレーションを受けた三傑はジェイムズ・ブラウン(2000年8月5日)、ザ・ミーターズ(2009年7月25日、2013年1月30日、2014年1月17日、他)、ブッカー・T &ザ・MGズ(2008年11月24日、2009年7月25日、2010年2月8日 、2011年9月12日、2012年5月11日、2013年10月29日)か? オリジナル中心だろうが、どこかメロディ作りは苦手っぽいのかと感じさせる部分もあり、曲によってはぼくにとってはいまいちしっくりとこない仕掛けを施したりもする。でも、だからこそ、ザ・アイズレー・ブラザース(2001月12月6日、2004年3月1日)のスロウ化した「イッツ・ユア・シング」とザ・ミーターズの「ヘイ・ポッキー・ウェイ」のメドレーなんかは訴求力が倍加するわけで。。。。彼らはニュー・オーリンズ・ブラス・バンドのスタンダード「リトル・リザ・ジェーン」も取り上げ、それは全員で声を重ねていた。
そういうところとか、なんか聞き手に引っかかりを覚えさせるところがあり、なんだかんだ接していてニッコリ。終盤は日本人ダンス・チーム(仕込み、だろう)にフロアの真ん中で次々に踊らせたり。そのさい、フロア中央がぽっかり空き、回りのオーディエンスがやんやの喝采を送る。おお、なんか、“ソウル・トレイン”みたい? 一般客も踊ったりしたようだし、DJしていた外国人も踊ったし、途中でドラムのソロになったときはフロアのダンサーとステージ上のドラマーとのセッションみたいだった。こんなふうになるライヴには初めて接したが、それはなんかファンクとダンスの正しい相互関係を見る思いも、ぼくは得た。また、最後にギタリストとシンガーがフロアに降りてパフォーマンスし、その回りで観客が見守る。場内が混んでいなかったからこそ、そうした方策はうまくはまったかもしれないが、それらはレフティーズ・ソウル・コネクションの価値をいやがおうでも伝える。そう、そこにはしっかりと、“ファンク帝国”ができていたのだ。
▶過去の、JB(2000年8月5日)
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▶過去の、ザ・ミーターズ関連者
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http://43142.diarynote.jp/200808140129280000/
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▶過去の、ザ・MGズ関連
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▶過去の、アイズリーズ
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<今日の、女優>
朝起きて、ぼおっとテレビっ子しちゃう。昨日、望外に筆が進み、想定外に原稿仕事をこなしてしまった余裕はありか、なしか。仕事からの逃避でも、二日酔いだったからでもありません。二つ米国TVドラマを見たが、うち一つは「クローザー(シーズン3)」。その主演女優は、キーラ・セドウィック。実は彼女は、ギタリストのマイク・スターン(2009年3月23日、2009年6月18日、2010年6月6日、2012年6月13日)の妹。腹違いだそうで、ずっと疎遠だったそうだが、今は付き合いがあると、うれしそうにスターンは言っていた。彼の最初の名前は、マイク・セドウィック。それが両親が離婚した事で彼は養子に出され、姓がスターンとなった。なお、キーラさんは日本においては一般的にセジウィックと表記されるようだが、スターンは自分の旧姓をセドウィックに近い発音をしていたので、そう表記します。キーラの旦那は俳優のケヴィン・ベーコンだが、スターン曰く彼はギタリストでもあるそう。
▶過去の、スターン
http://43142.diarynote.jp/200903260425159549/
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キャンディ・ステイトン
2014年10月4日 音楽 アラバマ州生まれの南部の名ソウル歌手(2012年7月1日)の公演、六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。キーボード、ギター、ベース、ドラム、女性二人と男性一人のバックグラウンド・ヴォーカルという布陣。彼らは皆、アフリカ系なり。女性コーラスの一人は娘のよう。メンバー紹介の最後に特別扱いといった感じで紹介されたドラマーもマイ・サンと紹介されていたが、あのそこそこ年齢もいっていそうな力がありそうな彼も本当の息子さん?
今回、まず思ったのは、より若く見え、愛らしいということ。74歳とのことだが、どう見ても60代にしか見えない。とともに、黒のノー・スリーヴのワン・ピースを上品に身につけたステイトンはとても魅力的に見え、かつての彼女はアイドル的人気もあったのかと再認識。それを知人に伝えたら、昔のジャケット・カヴァーを見てもそうでしょ、と返される。そうだよな、日本人にはあまり魅力的に感じられた非日常も現地の人にとってはフツーの日常であったのだよな。
客は南部ソウルの愛好者が集まったと思われるが、選曲に関しても、前より皆ニッコリとなれたのではないか。フェイム(2014年6月26日、参照)時代の幻想をよりつつく方向にあったから。なんか、ネットで日本からリクエストを知って、みたいなことも言っていたっけ? とかなんとか、過去に確立した名人芸を知れせるだけでない、今を生きる彼女の意気をも伝えるショウだったと総括することも出来たろうか。
▶過去の、ステイトン
http://43142.diarynote.jp/201207031354584120/
▶過去の、フェイム・スタジオ関連映画
http://43142.diarynote.jp/201406270933515875/
<今日の、やりい?>
明朝以降に降雨する予報であったが、夕方に家を出るとき、雲が厚めになっていたりもしたので、小さな軽い傘を持つ。なんか、雨に濡れたくないという強固な思いが、頭のなかを支配したもので。そしたら、傘持って歩いているのは、オレだけだ。ライヴ後にビルボードライブ東京の傘立てを見たら、差し込んであるのはぼくの傘だけだった。が、その後に流れて、日付が変わろうという頃、道玄坂上にある店をでたら、ポツリポツリと雨が降ってきた。おお、オレは正しかった! 雨はイヤだが、とてもうれしい心持ちをえる。が、その肯定的な気持ちの流れからだろうか、横に来たタクシーに思わず手をあげてしまう。ええっ、歩いて返ろうと思ったのに。。。。
今回、まず思ったのは、より若く見え、愛らしいということ。74歳とのことだが、どう見ても60代にしか見えない。とともに、黒のノー・スリーヴのワン・ピースを上品に身につけたステイトンはとても魅力的に見え、かつての彼女はアイドル的人気もあったのかと再認識。それを知人に伝えたら、昔のジャケット・カヴァーを見てもそうでしょ、と返される。そうだよな、日本人にはあまり魅力的に感じられた非日常も現地の人にとってはフツーの日常であったのだよな。
客は南部ソウルの愛好者が集まったと思われるが、選曲に関しても、前より皆ニッコリとなれたのではないか。フェイム(2014年6月26日、参照)時代の幻想をよりつつく方向にあったから。なんか、ネットで日本からリクエストを知って、みたいなことも言っていたっけ? とかなんとか、過去に確立した名人芸を知れせるだけでない、今を生きる彼女の意気をも伝えるショウだったと総括することも出来たろうか。
▶過去の、ステイトン
http://43142.diarynote.jp/201207031354584120/
▶過去の、フェイム・スタジオ関連映画
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<今日の、やりい?>
明朝以降に降雨する予報であったが、夕方に家を出るとき、雲が厚めになっていたりもしたので、小さな軽い傘を持つ。なんか、雨に濡れたくないという強固な思いが、頭のなかを支配したもので。そしたら、傘持って歩いているのは、オレだけだ。ライヴ後にビルボードライブ東京の傘立てを見たら、差し込んであるのはぼくの傘だけだった。が、その後に流れて、日付が変わろうという頃、道玄坂上にある店をでたら、ポツリポツリと雨が降ってきた。おお、オレは正しかった! 雨はイヤだが、とてもうれしい心持ちをえる。が、その肯定的な気持ちの流れからだろうか、横に来たタクシーに思わず手をあげてしまう。ええっ、歩いて返ろうと思ったのに。。。。
パキート・デ・リベラ&トリオ・コヘンチ。渡辺貞夫グループ+ファビアーナ・コッツァ
2014年10月5日 音楽 サンパウロからやってきたブラジル人が出演する公演を、はしごする。
まず、南青山・ブルーノート東京(ファースト・ショウ)へ。出演者は在米キューバ人アルト・サックス/クラリネット奏者のパキート・デリベラ(2013年10月26日)とブラジル人ピアノ・トリオのトリオ・コヘンチの双頭名義公演。2013年の双頭作『Song for Maura』(Sunnyside)はライヴ・ギグで両者が何度もお手合わせした先にあるようだが、昨年度のグラミー賞の<ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム>を獲得したそうなので、当人たちは気分が良くて仕方がないだろう。
1曲目は、トリオ・ヘコンチだけの演奏。面々、ちゃんとスーツを来ていて、普段着の写真と異なり、なかなか紳士然としておる。瀟洒、ただのジャズ・ピアノ・トリオ演奏にはならない、癖と妙味あり。意味もなく、ブラジル人の演奏だよなあと感じる。ぼくが予習で聞いた彼らの表現はエレクトリック・ピアノ主体だったが、この晩、鍵盤奏者のファビオ・トヘスはすべて手慣れた感じでグランド・ピアノを演奏。このオープナーでベース奏者は電気ベースを弾いたが、本編の大半はコントラバスを手にした。
基本はそんな瀟洒な伴奏にのって、デリベラがリード楽器を腹八分目でならすというもの。デリベラさん、演奏は丹精優美なんだけど、随所からお茶目さをいろいろと出す人だよなあ。そして、ぼくはアルトより、どこか呑気でノスタルジックさが増すクラリネット演奏のほうが(彼の場合は)好きだな。レパートリーはブラジル曲(トリオ・コヘンチのメンバーらのオリジナルを含む)中心で、トリオ・ヘコンチの流儀にデリバラが無理なくなっかるという言い方もできるか。なんにせよ、“南米の”洗練やくつろぎが山ほどあったのは間違いない。
丸の内・コットンクラブに移動。次は、渡辺貞夫(2002年12月14日、2003年5月6日、2004年12月17日、2005年12月18日、2006年8月8日、2006年9月3日、2006年10月4日、2007年12月16日、2008年12月14日、2009年7月22日、2009年9月3日、2011年7月4日、2012年6月29日、2012年12月15日、2013年4月1日、2013年7月27日、2013年9月29日、2014年7月8日)の日本でのレギュラー・ブループに、2013年サンパウロ録音作でも歌っていたファビアーナ・コッツァがシンガーとして入るという設定を持つものなり。
入れ替え無し二部制で持たれた公演の5分の2ほどで、コッツァは歌ったのではないか。想像していたよりも多くて、うれしい。立派な体躯を利して、雄大さを持つ歌声を悠々と発する様は、ブラジル云々抜きでアピールするものか。なんか、オールマイティという言葉もぼくは少し思い浮かべた。そして、その奥にやんわりアフロ性を感じさせるのもうれしい。また、終始ニコニコしている風情も威風堂々さに結びつく。そんな彼女が歌ったのは、バーデン・パウエル曲(3曲も)やピシンギーニャの曲やジョビン曲や、渡辺貞夫曲にポルトガル語歌詞をコッツアが付けたものなど。あれれ、パウエル曲やピシンギーニャ曲はデリベラ公演のほうも演奏していたか。そういえば、両者とも奥さんに捧げる曲もやっていた?
▶過去の、デリベラ
http://43142.diarynote.jp/201310280755386500/
▶過去の、渡辺
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-12.htm
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http://43142.diarynote.jp/20041221210502000
http://43142.diarynote.jp/200512231955480000/
http://43142.diarynote.jp/200608091255180000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000/
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http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/200907310048137248/
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
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http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
http://43142.diarynote.jp/201310050701201281/
http://43142.diarynote.jp/201407091243129270/
<今日の、昼下がり>
翌朝に台風関東上陸とも伝えられるなかの雨天の一日であったが、両会場とも客は入っており、キャンセルした人はいなかったのかな。ぼくは天候や自然災害の心配をしたことはほぼこれまでないし、フェス以外ひどい目にもあったことはないわけで、このままずっとそうであればともふと思う。昼間、プリンスのワーナー・ブラザース発の新作2枚をちゃんと聞いた。4年ぶりか。うち、一つは女性3人とのサード・アイ・ガールでの録音。ベスト10候補とかは思わないが、うれしいひと時……。
まず、南青山・ブルーノート東京(ファースト・ショウ)へ。出演者は在米キューバ人アルト・サックス/クラリネット奏者のパキート・デリベラ(2013年10月26日)とブラジル人ピアノ・トリオのトリオ・コヘンチの双頭名義公演。2013年の双頭作『Song for Maura』(Sunnyside)はライヴ・ギグで両者が何度もお手合わせした先にあるようだが、昨年度のグラミー賞の<ベスト・ラテン・ジャズ・アルバム>を獲得したそうなので、当人たちは気分が良くて仕方がないだろう。
1曲目は、トリオ・ヘコンチだけの演奏。面々、ちゃんとスーツを来ていて、普段着の写真と異なり、なかなか紳士然としておる。瀟洒、ただのジャズ・ピアノ・トリオ演奏にはならない、癖と妙味あり。意味もなく、ブラジル人の演奏だよなあと感じる。ぼくが予習で聞いた彼らの表現はエレクトリック・ピアノ主体だったが、この晩、鍵盤奏者のファビオ・トヘスはすべて手慣れた感じでグランド・ピアノを演奏。このオープナーでベース奏者は電気ベースを弾いたが、本編の大半はコントラバスを手にした。
基本はそんな瀟洒な伴奏にのって、デリベラがリード楽器を腹八分目でならすというもの。デリベラさん、演奏は丹精優美なんだけど、随所からお茶目さをいろいろと出す人だよなあ。そして、ぼくはアルトより、どこか呑気でノスタルジックさが増すクラリネット演奏のほうが(彼の場合は)好きだな。レパートリーはブラジル曲(トリオ・コヘンチのメンバーらのオリジナルを含む)中心で、トリオ・ヘコンチの流儀にデリバラが無理なくなっかるという言い方もできるか。なんにせよ、“南米の”洗練やくつろぎが山ほどあったのは間違いない。
丸の内・コットンクラブに移動。次は、渡辺貞夫(2002年12月14日、2003年5月6日、2004年12月17日、2005年12月18日、2006年8月8日、2006年9月3日、2006年10月4日、2007年12月16日、2008年12月14日、2009年7月22日、2009年9月3日、2011年7月4日、2012年6月29日、2012年12月15日、2013年4月1日、2013年7月27日、2013年9月29日、2014年7月8日)の日本でのレギュラー・ブループに、2013年サンパウロ録音作でも歌っていたファビアーナ・コッツァがシンガーとして入るという設定を持つものなり。
入れ替え無し二部制で持たれた公演の5分の2ほどで、コッツァは歌ったのではないか。想像していたよりも多くて、うれしい。立派な体躯を利して、雄大さを持つ歌声を悠々と発する様は、ブラジル云々抜きでアピールするものか。なんか、オールマイティという言葉もぼくは少し思い浮かべた。そして、その奥にやんわりアフロ性を感じさせるのもうれしい。また、終始ニコニコしている風情も威風堂々さに結びつく。そんな彼女が歌ったのは、バーデン・パウエル曲(3曲も)やピシンギーニャの曲やジョビン曲や、渡辺貞夫曲にポルトガル語歌詞をコッツアが付けたものなど。あれれ、パウエル曲やピシンギーニャ曲はデリベラ公演のほうも演奏していたか。そういえば、両者とも奥さんに捧げる曲もやっていた?
▶過去の、デリベラ
http://43142.diarynote.jp/201310280755386500/
▶過去の、渡辺
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-5.htm
http://43142.diarynote.jp/20041221210502000
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<今日の、昼下がり>
翌朝に台風関東上陸とも伝えられるなかの雨天の一日であったが、両会場とも客は入っており、キャンセルした人はいなかったのかな。ぼくは天候や自然災害の心配をしたことはほぼこれまでないし、フェス以外ひどい目にもあったことはないわけで、このままずっとそうであればともふと思う。昼間、プリンスのワーナー・ブラザース発の新作2枚をちゃんと聞いた。4年ぶりか。うち、一つは女性3人とのサード・アイ・ガールでの録音。ベスト10候補とかは思わないが、うれしいひと時……。
ザ・イダン・ライヒェル・プロジェクト
2014年10月7日 音楽 作曲家/プロデューサーでありアーティストでもあるイスラエルの人気者の公演は、六本木・ビルボードライブ東京にて。ファースト・ショウ。
グランド・ピアノを弾き歌う当人と、エレクトリック・ベースとドラムの3人で前半はパフォーマンス。ぼくはかつてラティーナ誌のディスク・レビューで、スティング的な持ち味アリ、みたいなことを書いたことがあるが、アコースティック志向の今回の実演は、広がりや静謐さを持ちつつより素朴な手触りを聞き手に差し出したと言える。イスラエルの味なんだろうなと思わせるところは、かなり分りやすく出ているとも思えた。そして、透明感を持つ彼の歌はけっこうな美声だった。インスト部も長めにとり、ジャズ・ピアノっぽくはないものの、なんか彼はジャズも愛好しているのかなという余白を感じさせたりもする。
そして、途中からは伝統的ぽい笛/フルート奏者や、二人の女性歌手なども一人づつ加わり、途中からは6人でパフォーマンスする。英語MCからは、とてもイスラエル愛を持っており、それを自分の今様ポップ感覚をとおして、門外漢の聞き手に明解に知らせたいことが伝わる。ベース奏者はヴィオラをチェロのように縦に抱えて弾いたり、笛奏者も中近東風というしかないスキャットをかましたり。ライヒェルもピアノ弦を押さえて、癖ある濁りを出すという局面も。終盤、フィーチャーされた二人の女性歌手たちは絶妙な掛け合いを見せ、ショウに広がりと華を加えた。
<今日の、会場>
最後にステージ後のカーテンが空き夜景が広がるが、その様をこんなに喜んだ出演者には初めて接するような。なんか、素直〜。そんなライヒェルの日本公演は、この日のみ。台湾や韓国の公演後、10カ所を超える数の北米ツアーに向かう途中に、彼は東京にストップした。イスラエルの石けん+のメイカー、”サボン”が助力したこともあったのか、女性客比率は高かった。とともに、イスラエルのワイン“ヤルデン”を会場でサーヴしていたりもし、ちょっとしたイスラエル・デイ? そういえば、ここでライヴをしていてイスラエルでも公演をしているはずのYさん、ヤルデンのシャルドネをこの夏におくってくださった。外飲みは毎日しても家飲みはまずしないぼくも、さすがそれは一気のみ。爽やかながら、含みのある白(←って、そんなに覚えていない?)、美味しゅうございました。
グランド・ピアノを弾き歌う当人と、エレクトリック・ベースとドラムの3人で前半はパフォーマンス。ぼくはかつてラティーナ誌のディスク・レビューで、スティング的な持ち味アリ、みたいなことを書いたことがあるが、アコースティック志向の今回の実演は、広がりや静謐さを持ちつつより素朴な手触りを聞き手に差し出したと言える。イスラエルの味なんだろうなと思わせるところは、かなり分りやすく出ているとも思えた。そして、透明感を持つ彼の歌はけっこうな美声だった。インスト部も長めにとり、ジャズ・ピアノっぽくはないものの、なんか彼はジャズも愛好しているのかなという余白を感じさせたりもする。
そして、途中からは伝統的ぽい笛/フルート奏者や、二人の女性歌手なども一人づつ加わり、途中からは6人でパフォーマンスする。英語MCからは、とてもイスラエル愛を持っており、それを自分の今様ポップ感覚をとおして、門外漢の聞き手に明解に知らせたいことが伝わる。ベース奏者はヴィオラをチェロのように縦に抱えて弾いたり、笛奏者も中近東風というしかないスキャットをかましたり。ライヒェルもピアノ弦を押さえて、癖ある濁りを出すという局面も。終盤、フィーチャーされた二人の女性歌手たちは絶妙な掛け合いを見せ、ショウに広がりと華を加えた。
<今日の、会場>
最後にステージ後のカーテンが空き夜景が広がるが、その様をこんなに喜んだ出演者には初めて接するような。なんか、素直〜。そんなライヒェルの日本公演は、この日のみ。台湾や韓国の公演後、10カ所を超える数の北米ツアーに向かう途中に、彼は東京にストップした。イスラエルの石けん+のメイカー、”サボン”が助力したこともあったのか、女性客比率は高かった。とともに、イスラエルのワイン“ヤルデン”を会場でサーヴしていたりもし、ちょっとしたイスラエル・デイ? そういえば、ここでライヴをしていてイスラエルでも公演をしているはずのYさん、ヤルデンのシャルドネをこの夏におくってくださった。外飲みは毎日しても家飲みはまずしないぼくも、さすがそれは一気のみ。爽やかながら、含みのある白(←って、そんなに覚えていない?)、美味しゅうございました。
トビアス・プライシク・カルテット。エイヴリー*サンシャイン
2014年10月8日 音楽 広尾のスイス大使館大使公邸で、ヴァイオリン奏者ドビアス・プライシクをリーダーに、ピアノ奏者とリズム・セクションがついたスイス人カルテットの演奏を聞いた。今回で3度目の来日となるそうだが、独特の構成感や詩情を基本アコースティックなジャズ表現に持ち込んでおり、なるほど欧州でやっている美点を抱えた現代ジャズ・コンボと言えるか。
プライシクは1981年生まれで、同国ジャズ教育のエリート街道を進んで来た人物のよう。で、なかなかイケ面。それは、他のメンバーもまあそうか。演目はプライシクのオリジナル曲、とにかくいろんな音楽要素やストーリー性を自らのジャズ表現に持ち込まんという意志は横溢。それは、一部複雑というか分りにくさにもつながるが、やっている方はそれを百も承知で、自分たちならではの何かを求めんとしているはず。とともに、現在ヴァイオリンの有名ジャズ奏者というのは(ぼくが知る限り)ほとんどいなくて(→→やはりヴァイオリンはジャズの楽器としては一般には不向きであることを示すものか)、結果的にそういう状況に風穴をあけんとする方向を持っているのにはマルをあげたい。
その後、南青山・ブルーノート東京に行って、米国人R&B歌手のエイヴリー*サンシャインを見る。わあ、その名前そのものの、向日葵を想起させるような陽性さを振りまく女性なんだな。満面の笑みとともに、達者に鍵盤を弾きながら、弾んだ歌を聞かせる。サポートは、キター、電気ベース、ドラムという3人で、眼鏡をかけた痩身のお兄さんたち。皆白いシャツにネクタイをしていて、なんか昔のジャズ・マンのよう。その風情込みで、いい伴奏陣でした。
電気ピアノを弾く場合、曲により微妙に音色を変えていたが、少し濁った響きを持つ演奏は、ダニー・ハサウェイのそれを思わせて、心踊る。いや、踊りまくる。声質や歌唱感はかなり違うものの女ハサウェイと言いたくなるところもなくはなく、ぼくは彼女の屈託のないパフォーマンスに触れ、ハサウェイのライヴ盤のようにインストもやって欲しいと思ってしまったんだよな。そういえば、彼女はキャロル・キングの「ユーヴ・ガッタ・フレンズ」も披露したが、それはハサウェイのヴァージョンありきのものではなかったのか。とかなんとか、楽しめました。とにかく、見る者に働きかける力の強さは相当なもの。オリジナル曲主体で、もう少しフックがほしいと思えたものもあるが、この人が演奏し歌っているならなんでもOKと思わせるものがありました。
<今日は、盛りだくさん>
ぼくとしては、いろいろ入っていた一日……。かなり久しぶりに目覚まし時計のアラーム音で朝起きて、9時前に家を出発。4本列車を乗り継いで(時間は1時間はかからないんだけど)、神奈川県鶴見にある東洋化成に行く。オノセイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日)が仕切る、畠山美由紀(2007年3月11日、2009年3月31日、2014年8月27 日)の新作『歌で逢いましょう』のアナログ2枚組化に際しての、DSDマスターからのアナログ・カッティング課程の取材。なんでも、CDと今回のアナログ化用の最終音はその特性に従い、微調整がなされているという。実はずうっと音楽関連の仕事をしてきて、レコードのカッティングの現場に接するのは初めての経験。旧い独ノイマンのカッッティング・マシーンが鎮座するコンソール・ルーム仕様の部屋で、へえ〜の連続で過ごす。ラッカー盤を刻んで行く様におこる熱の冷却にはヘリウム・ガスが用いられ、横にはそのでかいボンベも置いてあった。また、マシンには顕微鏡もついていて、刻んだ溝が確認できる。そして、その溝の模様に、大きく感動。わあ、音が見えるという感じで。なんか、大きな宿題を一つこなした気持ちにもなりました。
同所には14時近くまでいて、渋谷に戻り、アヌーナ(2007年12月15日、2009年12月12日、2011年12月7日、2011年12月10日)のリーダーであるマイケル・マクグリンを取材。今回、12月に日本ツアーすることもありプロモーションでやってきた彼は各所でワークショップもやっており、その手伝いとして近年メンバーとなったアメリカ人女性も同行。なんでも、アヌーナはより高い次元を求め、マクグリンはメンバーを総入れ替えしたという! 12月の来日公演はどうなるか? 興味は高まる。
その後、上にあるように、スイス大使館とブルーノート東京と動いた。
▶過去の、オノ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201206110945571082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
http://43142.diarynote.jp/201404251643448230/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140728
http://43142.diarynote.jp/201409261635077130/
▶過去の、畠山
http://43142.diarynote.jp/200703130418360000/
http://43142.diarynote.jp/200904040640421651/
http://43142.diarynote.jp/201408301136411048/
▶過去の、アヌーナ
http://43142.diarynote.jp/200712161423560000/
http://43142.diarynote.jp/201001051620426983/
http://43142.diarynote.jp/201112171633334584/
http://43142.diarynote.jp/?day=20111210
プライシクは1981年生まれで、同国ジャズ教育のエリート街道を進んで来た人物のよう。で、なかなかイケ面。それは、他のメンバーもまあそうか。演目はプライシクのオリジナル曲、とにかくいろんな音楽要素やストーリー性を自らのジャズ表現に持ち込まんという意志は横溢。それは、一部複雑というか分りにくさにもつながるが、やっている方はそれを百も承知で、自分たちならではの何かを求めんとしているはず。とともに、現在ヴァイオリンの有名ジャズ奏者というのは(ぼくが知る限り)ほとんどいなくて(→→やはりヴァイオリンはジャズの楽器としては一般には不向きであることを示すものか)、結果的にそういう状況に風穴をあけんとする方向を持っているのにはマルをあげたい。
その後、南青山・ブルーノート東京に行って、米国人R&B歌手のエイヴリー*サンシャインを見る。わあ、その名前そのものの、向日葵を想起させるような陽性さを振りまく女性なんだな。満面の笑みとともに、達者に鍵盤を弾きながら、弾んだ歌を聞かせる。サポートは、キター、電気ベース、ドラムという3人で、眼鏡をかけた痩身のお兄さんたち。皆白いシャツにネクタイをしていて、なんか昔のジャズ・マンのよう。その風情込みで、いい伴奏陣でした。
電気ピアノを弾く場合、曲により微妙に音色を変えていたが、少し濁った響きを持つ演奏は、ダニー・ハサウェイのそれを思わせて、心踊る。いや、踊りまくる。声質や歌唱感はかなり違うものの女ハサウェイと言いたくなるところもなくはなく、ぼくは彼女の屈託のないパフォーマンスに触れ、ハサウェイのライヴ盤のようにインストもやって欲しいと思ってしまったんだよな。そういえば、彼女はキャロル・キングの「ユーヴ・ガッタ・フレンズ」も披露したが、それはハサウェイのヴァージョンありきのものではなかったのか。とかなんとか、楽しめました。とにかく、見る者に働きかける力の強さは相当なもの。オリジナル曲主体で、もう少しフックがほしいと思えたものもあるが、この人が演奏し歌っているならなんでもOKと思わせるものがありました。
<今日は、盛りだくさん>
ぼくとしては、いろいろ入っていた一日……。かなり久しぶりに目覚まし時計のアラーム音で朝起きて、9時前に家を出発。4本列車を乗り継いで(時間は1時間はかからないんだけど)、神奈川県鶴見にある東洋化成に行く。オノセイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日)が仕切る、畠山美由紀(2007年3月11日、2009年3月31日、2014年8月27 日)の新作『歌で逢いましょう』のアナログ2枚組化に際しての、DSDマスターからのアナログ・カッティング課程の取材。なんでも、CDと今回のアナログ化用の最終音はその特性に従い、微調整がなされているという。実はずうっと音楽関連の仕事をしてきて、レコードのカッティングの現場に接するのは初めての経験。旧い独ノイマンのカッッティング・マシーンが鎮座するコンソール・ルーム仕様の部屋で、へえ〜の連続で過ごす。ラッカー盤を刻んで行く様におこる熱の冷却にはヘリウム・ガスが用いられ、横にはそのでかいボンベも置いてあった。また、マシンには顕微鏡もついていて、刻んだ溝が確認できる。そして、その溝の模様に、大きく感動。わあ、音が見えるという感じで。なんか、大きな宿題を一つこなした気持ちにもなりました。
同所には14時近くまでいて、渋谷に戻り、アヌーナ(2007年12月15日、2009年12月12日、2011年12月7日、2011年12月10日)のリーダーであるマイケル・マクグリンを取材。今回、12月に日本ツアーすることもありプロモーションでやってきた彼は各所でワークショップもやっており、その手伝いとして近年メンバーとなったアメリカ人女性も同行。なんでも、アヌーナはより高い次元を求め、マクグリンはメンバーを総入れ替えしたという! 12月の来日公演はどうなるか? 興味は高まる。
その後、上にあるように、スイス大使館とブルーノート東京と動いた。
▶過去の、オノ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
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▶過去の、畠山
http://43142.diarynote.jp/200703130418360000/
http://43142.diarynote.jp/200904040640421651/
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▶過去の、アヌーナ
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風の又三郎—Odyssey of Wind-
2014年10月9日 音楽 小池博史(2005年12月8日、2006年12月21日)演出/脚本/振り付け/構成のパフォーマンスのマチネー公演を見る。そっち方面に滅法うといぼくが見に行ったのは舎弟の工藤玄実ことBANANA ICEこと下町兄弟が、これにライヴ演奏家としてステージに立ったからだ。演劇表題が示すように宮沢賢治の有名作品を下敷きにするもので、これは小池にとって、宮沢賢治のプロダクツを扱う3作目となるよう。
出演者の中心は5人の男性。そして、ときどき静的な感じでふわりと異化作用を出す感じでステージに表われる女性が一人。彼らは複数の役をこなすが、衣装はそれほど変わらないので、まぬけなぼくは場面設定の流れがよく読めなかったりもした。が、風をモチーフとするゆえ、役者たちの動きはなかなかスペクタクル(役者の方々、たいへんだろうなあ)、シンプルな設定のなかいろいろと変化のある見せ方が取られていて、全90分一気に接しちゃう。
役者たちはそれなりに年配の方から若者までいろいろ。年長の人はハマった能ふうの声もだしたが、実際普段は能をやっているのだそう(そんな彼もよく動いていた)。また、一部ガムランのゴング(?)を役者が奏でる場面もあったが、その方はガムランをやっている人とか。といったように、とてもしなやかに、いろんなところから人材を引っ張って来て、この場この時の演劇/パフォーマンスを作ろうとしているのは明らか。もう、随所から様々な送り手の自負と熱意がさあっと吹き流れていったり、渦をまいていたりしたな。ステージ上の重要モチーフである煙突ふうのオブジェは原発を想起させた。
そして、書き遅れたが、ステージ左右に尺八奏者(中村明一)とパーカッカッション/鳴りもの奏者(下町兄弟。2005年12月8日、2006年12月21日)が位置し、リアル・サウンドをつける。また、一部では別のところでオペレイトしているのだろう、控え目に音効も入る。演劇が始まってすぐに、生の奏者を横に置いている意図を納得。だって、役者たちはパーカッション音で動き出す事が多く、アクションやセリフもとても打楽器音と密に関与し合っている。こりゃ、相当一緒に練習時間を持っていろんな行き方が決まっていったのは疑いがなく、繰り返しの作業が嫌いなぼくは気が少し遠くなった。で、人前でやっている段階においても、スポテニアスな部分があると、思わせるわけであり……。いや、まじ、音楽が占める割合、ええっていうぐらい高いナ。下町兄弟は本業のラップも少し披露するとともに、役者たちのラップふう台詞にも関与したよう。
▶過去の、小池博史
http://43142.diarynote.jp/?day=20051208
http://43142.diarynote.jp/200612270253390000/
▶過去の、下町兄弟
http://43142.diarynote.jp/?day=20051208
http://43142.diarynote.jp/200612270253390000/
<今日の、吉祥寺>
おそらく吉祥寺に来るのは、グレン・ティルブルック公演で来た2011年1月16日いらい。ほう、3年半ぶりかとなるのか。井の頭線吉祥寺駅が綺麗になっていて、へえ〜。周辺、きょろきょろ。そしたら、翌日のカインドネス/アダム・ベインブリッジの取材の際に、綺麗な通訳嬢から昨日吉祥寺にいましたよねと言われる。アホ面して、ぼうっと歩いていたのかな。演劇ファンじゃないので、会場となった吉祥寺シアターには初めて行く。新し目の、なかなか立派なホールじゃないか。天井は高く、ステージも十分にスペースがとってあるが、壇になる客席の数はそれほど多くはないもので、とても贅沢な作りという感想もえた。武蔵野市の外郭団体が持っているようだが、確かに私企業営利目的ではこの施設は運営がなりたたないだろう。平日昼間の公演で、客層は見事に散っていた。演劇やクラシック音楽系会場に行くと、いつもしょぼいビニール袋に入れられた山ほどの公演告知のフライヤーをもらうことになるが、それらちらしを会場で見ちゃうと、元に戻すのが困難になってしまったりする。その点、今日はこの公演特製の布製手提げ袋にチラシがいろいろ入れられていて、持ち帰りにも適。資源の無駄遣いとは思わず、細やかな思慮と、ぼくは感じた。帰りの電車内でも、楽々とフライヤーを見ることができました。
出演者の中心は5人の男性。そして、ときどき静的な感じでふわりと異化作用を出す感じでステージに表われる女性が一人。彼らは複数の役をこなすが、衣装はそれほど変わらないので、まぬけなぼくは場面設定の流れがよく読めなかったりもした。が、風をモチーフとするゆえ、役者たちの動きはなかなかスペクタクル(役者の方々、たいへんだろうなあ)、シンプルな設定のなかいろいろと変化のある見せ方が取られていて、全90分一気に接しちゃう。
役者たちはそれなりに年配の方から若者までいろいろ。年長の人はハマった能ふうの声もだしたが、実際普段は能をやっているのだそう(そんな彼もよく動いていた)。また、一部ガムランのゴング(?)を役者が奏でる場面もあったが、その方はガムランをやっている人とか。といったように、とてもしなやかに、いろんなところから人材を引っ張って来て、この場この時の演劇/パフォーマンスを作ろうとしているのは明らか。もう、随所から様々な送り手の自負と熱意がさあっと吹き流れていったり、渦をまいていたりしたな。ステージ上の重要モチーフである煙突ふうのオブジェは原発を想起させた。
そして、書き遅れたが、ステージ左右に尺八奏者(中村明一)とパーカッカッション/鳴りもの奏者(下町兄弟。2005年12月8日、2006年12月21日)が位置し、リアル・サウンドをつける。また、一部では別のところでオペレイトしているのだろう、控え目に音効も入る。演劇が始まってすぐに、生の奏者を横に置いている意図を納得。だって、役者たちはパーカッション音で動き出す事が多く、アクションやセリフもとても打楽器音と密に関与し合っている。こりゃ、相当一緒に練習時間を持っていろんな行き方が決まっていったのは疑いがなく、繰り返しの作業が嫌いなぼくは気が少し遠くなった。で、人前でやっている段階においても、スポテニアスな部分があると、思わせるわけであり……。いや、まじ、音楽が占める割合、ええっていうぐらい高いナ。下町兄弟は本業のラップも少し披露するとともに、役者たちのラップふう台詞にも関与したよう。
▶過去の、小池博史
http://43142.diarynote.jp/?day=20051208
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▶過去の、下町兄弟
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<今日の、吉祥寺>
おそらく吉祥寺に来るのは、グレン・ティルブルック公演で来た2011年1月16日いらい。ほう、3年半ぶりかとなるのか。井の頭線吉祥寺駅が綺麗になっていて、へえ〜。周辺、きょろきょろ。そしたら、翌日のカインドネス/アダム・ベインブリッジの取材の際に、綺麗な通訳嬢から昨日吉祥寺にいましたよねと言われる。アホ面して、ぼうっと歩いていたのかな。演劇ファンじゃないので、会場となった吉祥寺シアターには初めて行く。新し目の、なかなか立派なホールじゃないか。天井は高く、ステージも十分にスペースがとってあるが、壇になる客席の数はそれほど多くはないもので、とても贅沢な作りという感想もえた。武蔵野市の外郭団体が持っているようだが、確かに私企業営利目的ではこの施設は運営がなりたたないだろう。平日昼間の公演で、客層は見事に散っていた。演劇やクラシック音楽系会場に行くと、いつもしょぼいビニール袋に入れられた山ほどの公演告知のフライヤーをもらうことになるが、それらちらしを会場で見ちゃうと、元に戻すのが困難になってしまったりする。その点、今日はこの公演特製の布製手提げ袋にチラシがいろいろ入れられていて、持ち帰りにも適。資源の無駄遣いとは思わず、細やかな思慮と、ぼくは感じた。帰りの電車内でも、楽々とフライヤーを見ることができました。
スライ&ロビー・アンド・ザ・タクシー・ギャング・フィーチャリング・ジョニー・オズボーン
2014年10月10日 音楽 レゲエというだけでなく、1980年代中期以降はインターナショナルなイケてる今様ビート創出の最たる名リズム・セクションであったスライ&ロビー(1999年12月6日、2003年7月25日、2009年3月7日、2011年11月4日)の公演は全7人という陣容にてなされた。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。
まず、演奏陣が出て来て1曲。スライ&ロビーにくわえ、ギター奏者(控え目だが、オブリガードなど随所で渋い)とキーボード奏者がついたバンド・サウンドのもと、アルト・サックス奏者とトロンボーン奏者がいい感じで重なる。ほう、スカのインストの管音を今に持って来たようなその演奏は何気に誘われる。もう少しそのインスト表現を楽しみたい気持ちにもなったが、2曲目からヴェテラン・シンガーのジョニー・オズボーンが加わる。1960年後期から印象的な歌を聞かせてきている喉自慢さん(カナダに約10年間住むなどもしている、珍しいキャリアも持つ)ですね。かつていかにもラスタ風情のルックスを持っていた彼(1948年生まれ)は外見はおじいさんになったものの、歌声は強く張りがあり、衰え指数はゼロ。
そして、以下は、MCもする彼を中心にショウは進められる。アレレと感じたのは、二人の管楽器奏者はあまり吹かず(サックス奏者の方は、パッドを叩く)に、控え目なコーラスを取ることが多かったこと。おお、贅沢というか、もったいないというか。が、繰り返すが、オズボーンの味は良好で、その指針は満足できる訴求力につながった。レゲエは歌ありき、スライ&ロビーの本質も歌のバッキングに在する、なんて思いも、ぼくの頭をかすめた? でありつつ、その一方で対極にあるようなダブを生み出すあたりがジャマイカの凄さ/怖さであるのだが。なお、今回はダブっぽいサウンド処理はほとんどなかった。
▶過去の、スライ&ロビー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://43142.diarynote.jp/200903122225149470/
http://43142.diarynote.jp/?day=20111104
<今日の、ヘルメット>
スライ・ダンバーはやはりヘルメット着用。スライ&ロビーには大昔(1990年ごろ?)一度だけインタヴューしたことがあるが(なんと、京王プラザホテルのシェークスピアの広くはない宿泊していた部屋で行った)、今するとしたら、ヘルメットをかぶってステージに出る理由を聞きたくなるな。今回、ダンバー以上にシェイクスピアが外見的に年をとったなという印象は受けたが、リズム音は醍醐味たっぷり。オズボーンはステージ横にやってきたマネージャーのような人に何かを言われ、次の曲で本編を終える。もしかして、それがなければもっとパフォーマンスを悠々続けたかもしれぬ。この晩のことは、毎日新聞の11月23日夕刊にも書きます。
まず、演奏陣が出て来て1曲。スライ&ロビーにくわえ、ギター奏者(控え目だが、オブリガードなど随所で渋い)とキーボード奏者がついたバンド・サウンドのもと、アルト・サックス奏者とトロンボーン奏者がいい感じで重なる。ほう、スカのインストの管音を今に持って来たようなその演奏は何気に誘われる。もう少しそのインスト表現を楽しみたい気持ちにもなったが、2曲目からヴェテラン・シンガーのジョニー・オズボーンが加わる。1960年後期から印象的な歌を聞かせてきている喉自慢さん(カナダに約10年間住むなどもしている、珍しいキャリアも持つ)ですね。かつていかにもラスタ風情のルックスを持っていた彼(1948年生まれ)は外見はおじいさんになったものの、歌声は強く張りがあり、衰え指数はゼロ。
そして、以下は、MCもする彼を中心にショウは進められる。アレレと感じたのは、二人の管楽器奏者はあまり吹かず(サックス奏者の方は、パッドを叩く)に、控え目なコーラスを取ることが多かったこと。おお、贅沢というか、もったいないというか。が、繰り返すが、オズボーンの味は良好で、その指針は満足できる訴求力につながった。レゲエは歌ありき、スライ&ロビーの本質も歌のバッキングに在する、なんて思いも、ぼくの頭をかすめた? でありつつ、その一方で対極にあるようなダブを生み出すあたりがジャマイカの凄さ/怖さであるのだが。なお、今回はダブっぽいサウンド処理はほとんどなかった。
▶過去の、スライ&ロビー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://43142.diarynote.jp/200903122225149470/
http://43142.diarynote.jp/?day=20111104
<今日の、ヘルメット>
スライ・ダンバーはやはりヘルメット着用。スライ&ロビーには大昔(1990年ごろ?)一度だけインタヴューしたことがあるが(なんと、京王プラザホテルのシェークスピアの広くはない宿泊していた部屋で行った)、今するとしたら、ヘルメットをかぶってステージに出る理由を聞きたくなるな。今回、ダンバー以上にシェイクスピアが外見的に年をとったなという印象は受けたが、リズム音は醍醐味たっぷり。オズボーンはステージ横にやってきたマネージャーのような人に何かを言われ、次の曲で本編を終える。もしかして、それがなければもっとパフォーマンスを悠々続けたかもしれぬ。この晩のことは、毎日新聞の11月23日夕刊にも書きます。
カールとジムとパール(カール・ストーン、ジム・オルーク、パール・アレキサンダー)
2014年10月11日 音楽 カリフォルニア州とイリノイ州とアイダホ州の生まれ。そして、現在は日本在住で、日本語ペラペラの米国人自由音楽家が3人重なった出し物。下北沢・Lady Jane。おお、お客の外国人&眼鏡比率が高い。カウンターに座ったぼくの左隣は米国人コントラバス奏者で、右隣はオーストラリア人デザイナーだった。
PCを扱うストーン(普段は、中京大学で教鞭をとっているよう)とコントラバス奏者のアレキサンダーは何度か共演経験があるそうで、そこに二人とは初顔合わせとなるオルーク(2000年3月25日、2001年2月21日、2006年4月18日、2006年10月22日、2007年4月20日、2008年8月24日、2010年4月15日、2010年11月17日、2011年1月8日、2013年4月21日、2013年5月24日)が加わる成り立ちのよう。
おもしろい。示唆にも満ちる。まず、核にあるのは、前衛系奏者であるパール・アレキサンダー(ROVOの日比谷野音公演にゲスト出演したこともあり)の演奏。ストーンはダブル・ベース音を同時サンプリングし、PC上でいろいろエフェクト処理(その様が多様。ワン・フレースだけエフェクトをかけたりとか、細かい)し、オルークはそこにヴィンテージのアナログ・シンセサイザーでいろいろと干渉音を差し込む。そして、その相乗のもと、成り行きでギグは展開して行く。とうぜん演奏は長目で、ファースト・セットは2曲。最初のカタマリは幽玄という形容を用いたくなる。その様に、なんとなく日本に住む外国人たちらしい出音であると思ったか。セカンド・セットは、起伏に富むものを1曲。それが、一番良かった。
ときに祈るように弾いたりもする、アレキサンダーの演奏は雄弁。もちろん、生音の場合もあり(ストーン経由のサンプリング音に、ベース音を重ねるときは多かったはず)、持ち運びが難儀な楽器ながら、その価値はあるナとも痛感。オルークが使っていたアナログ・シンセは小さなプラスチックのピンを穴群にいろいろと差し込んで音をいじったりするもの。演奏後に少し話をしたら、このシンセサイザーをロキシー・ミュージック(2010年7月31日)時代のブライアン・イーノが使っていたそう。しかし、相変わらず謙虚きわまりない御仁であるなあ。
その総体は、勇気のある音であり、意志を持つ音であり、感覚と表裏一体の思慮を抱えたインプロヴァイズド・ミュージックであった。
▶過去の、オルーク
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200604210538510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061022
http://43142.diarynote.jp/?day=20070420
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824
http://43142.diarynote.jp/?day=20090531
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201011181757468769/
http://43142.diarynote.jp/201101111201402329/
http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
▶過去の、ロキシー・ミュージック
http://43142.diarynote.jp/201008251413325933/
<今日の、もろもろ>
老舗のこの著名ジャズ・バーに行くのは、30年ぶりぐらいか。中に入ると、オノセイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日、2014年10月8日)がいる。彼と会うのは今週2度目で、ここにいるとは思わなかった。マイクを二つ立てて(正確には壁に張って)、レコーディングするそう。なんか、彼ってここのところ、ライヴ・レコーディングの回数増えていないか。ここで録ったマテリアルは、オノのサイデラ・マスタリングから配信される予定という。パール・アレキサンダーは新潟県に英語教師として住んだことがあり、会場にはその新潟時代の友達もやって来た。話をしたら、なんと知人の小学校時代の同級生であるのが判明。すごい偶然だあ。
▶過去の、オノ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201206110945571082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
http://43142.diarynote.jp/201404251643448230/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140728
http://43142.diarynote.jp/201409261635077130/
PCを扱うストーン(普段は、中京大学で教鞭をとっているよう)とコントラバス奏者のアレキサンダーは何度か共演経験があるそうで、そこに二人とは初顔合わせとなるオルーク(2000年3月25日、2001年2月21日、2006年4月18日、2006年10月22日、2007年4月20日、2008年8月24日、2010年4月15日、2010年11月17日、2011年1月8日、2013年4月21日、2013年5月24日)が加わる成り立ちのよう。
おもしろい。示唆にも満ちる。まず、核にあるのは、前衛系奏者であるパール・アレキサンダー(ROVOの日比谷野音公演にゲスト出演したこともあり)の演奏。ストーンはダブル・ベース音を同時サンプリングし、PC上でいろいろエフェクト処理(その様が多様。ワン・フレースだけエフェクトをかけたりとか、細かい)し、オルークはそこにヴィンテージのアナログ・シンセサイザーでいろいろと干渉音を差し込む。そして、その相乗のもと、成り行きでギグは展開して行く。とうぜん演奏は長目で、ファースト・セットは2曲。最初のカタマリは幽玄という形容を用いたくなる。その様に、なんとなく日本に住む外国人たちらしい出音であると思ったか。セカンド・セットは、起伏に富むものを1曲。それが、一番良かった。
ときに祈るように弾いたりもする、アレキサンダーの演奏は雄弁。もちろん、生音の場合もあり(ストーン経由のサンプリング音に、ベース音を重ねるときは多かったはず)、持ち運びが難儀な楽器ながら、その価値はあるナとも痛感。オルークが使っていたアナログ・シンセは小さなプラスチックのピンを穴群にいろいろと差し込んで音をいじったりするもの。演奏後に少し話をしたら、このシンセサイザーをロキシー・ミュージック(2010年7月31日)時代のブライアン・イーノが使っていたそう。しかし、相変わらず謙虚きわまりない御仁であるなあ。
その総体は、勇気のある音であり、意志を持つ音であり、感覚と表裏一体の思慮を抱えたインプロヴァイズド・ミュージックであった。
▶過去の、オルーク
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
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http://43142.diarynote.jp/?day=20061022
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http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201011181757468769/
http://43142.diarynote.jp/201101111201402329/
http://43142.diarynote.jp/201304230829016302/
http://43142.diarynote.jp/201305280923275394/
▶過去の、ロキシー・ミュージック
http://43142.diarynote.jp/201008251413325933/
<今日の、もろもろ>
老舗のこの著名ジャズ・バーに行くのは、30年ぶりぐらいか。中に入ると、オノセイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日、2014年10月8日)がいる。彼と会うのは今週2度目で、ここにいるとは思わなかった。マイクを二つ立てて(正確には壁に張って)、レコーディングするそう。なんか、彼ってここのところ、ライヴ・レコーディングの回数増えていないか。ここで録ったマテリアルは、オノのサイデラ・マスタリングから配信される予定という。パール・アレキサンダーは新潟県に英語教師として住んだことがあり、会場にはその新潟時代の友達もやって来た。話をしたら、なんと知人の小学校時代の同級生であるのが判明。すごい偶然だあ。
▶過去の、オノ
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http://43142.diarynote.jp/201206110945571082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
http://43142.diarynote.jp/201404251643448230/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140728
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G・ラヴ&ザ・スペシャル・ソース
2014年10月13日 音楽 G・ラヴ(2000年1月25日、2004年11月17日、2005年5月25日、2005年6月2日、2006年10月23日、2008年10月9日、2011年11月4日)の2014年作『ジュース』(ブラッシュファイアー)は、黄金期のザ・スペシャル・ソースの顔ぶれに戻ってのもの。それは当然のことながら、ブルースとヒップホップの掛け合わせの鮮やかにしてしなやかな化学反応を介して同時代ビート・ポップとして異常なほどの手応えを獲得したファースト作『G・ラヴ&ザ・スペシャル・ソース』に近い内容だった。もちろん、今回の来日公演はそのウッド・ベース奏者とドラマーを擁してのもの。前回の来日公演(2011年11月4日)におけるエレクトリック・ベース奏者を酷評していたぼくとしては、我が意を得たりィの気持ち満々?
恵比寿・リキッドルーム。やっぱり格好いいし、グルーヴィ。1曲、ドクター・ジョン(2000年5月24日、2002年3月23日、2005年9月20日、2012年2月15日、2013年10月1日)の「ライト・プレイス、ロング・タイム」を導入部にもってきたりもし、アガる。1枚目からのキー曲もやったが、同作は奇跡的な内容のアルバムであったと改めて痛感する。その時代を切り取っていたオーケイ/エピック発のセルフ・タイトル作は、1994年のリリース。おお、ちょうど20年前のリリースではないか。同作のスペシャル・エディションとか出ていないよな。100ドルまでだったら、出しても良い。『ジュース』がファースト作リリースを祝っての作品、なんて位置づけはないよなあ?
▶過去の、G・ラヴ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200411191620390000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050525
http://43142.diarynote.jp/200506021851060000/
http://43142.diarynote.jp/200610251744090000/
http://43142.diarynote.jp/200810111558573845/
http://43142.diarynote.jp/?day=20111104
▶過去の、ドクター・ジョン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200510030016390000/
http://43142.diarynote.jp/201202161725143619/
http://43142.diarynote.jp/201310050709459564/
<今日の、天候>
大型台風日本直撃の日であったが、首都圏アタックは夜半とかで、平常心で会場に向かう。とはいえ、雨脚はそれなりにあり、普通に歩けば、すぐに靴内はびしょびしょになってしまいそう。そこで、普段ははかない生理的に要塞のような、防水能力が高そうなスニーカーをはいて出る。ニュー・バランスでこんなの出ているのという感じのそれ、商品番号は741。どうして、こんなの家にあるのだろうか。ぜんぜん履いていないので、ピカピカだ。リキッドルーム内は東京公演一日かぎりとはいえ、こうした天候にもかかわらず、満員。やはりG(ギャレット)さん、ちゃんと支持者をかかえているな。公演中、スポット・ライトの当て方が適切。メンバー紹介をしているのにちゃんと照明が当てられずナンだかなな心持ちになるときがあるが、それもちゃんとしていた。帰りはより雨が強くなっていたが、まだ風がないのが幸い。家路を急ぐなか、お店の窓側テーブルに仲良く位置して普通にご飯食べているカップルとかも見受けられて、少しビミョーな気分に。オレ、歳を取り、慎重ヘタレな人間になっているのかにゃ……。
恵比寿・リキッドルーム。やっぱり格好いいし、グルーヴィ。1曲、ドクター・ジョン(2000年5月24日、2002年3月23日、2005年9月20日、2012年2月15日、2013年10月1日)の「ライト・プレイス、ロング・タイム」を導入部にもってきたりもし、アガる。1枚目からのキー曲もやったが、同作は奇跡的な内容のアルバムであったと改めて痛感する。その時代を切り取っていたオーケイ/エピック発のセルフ・タイトル作は、1994年のリリース。おお、ちょうど20年前のリリースではないか。同作のスペシャル・エディションとか出ていないよな。100ドルまでだったら、出しても良い。『ジュース』がファースト作リリースを祝っての作品、なんて位置づけはないよなあ?
▶過去の、G・ラヴ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200411191620390000/
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▶過去の、ドクター・ジョン
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<今日の、天候>
大型台風日本直撃の日であったが、首都圏アタックは夜半とかで、平常心で会場に向かう。とはいえ、雨脚はそれなりにあり、普通に歩けば、すぐに靴内はびしょびしょになってしまいそう。そこで、普段ははかない生理的に要塞のような、防水能力が高そうなスニーカーをはいて出る。ニュー・バランスでこんなの出ているのという感じのそれ、商品番号は741。どうして、こんなの家にあるのだろうか。ぜんぜん履いていないので、ピカピカだ。リキッドルーム内は東京公演一日かぎりとはいえ、こうした天候にもかかわらず、満員。やはりG(ギャレット)さん、ちゃんと支持者をかかえているな。公演中、スポット・ライトの当て方が適切。メンバー紹介をしているのにちゃんと照明が当てられずナンだかなな心持ちになるときがあるが、それもちゃんとしていた。帰りはより雨が強くなっていたが、まだ風がないのが幸い。家路を急ぐなか、お店の窓側テーブルに仲良く位置して普通にご飯食べているカップルとかも見受けられて、少しビミョーな気分に。オレ、歳を取り、慎重ヘタレな人間になっているのかにゃ……。
渋谷・クラブクアトロ。まず、クイーン・ハリシュ(2008年10月13日、2012年9月30日)が単独で客席フロアに出て来て、客に囲まれ、しばらくクルクル踊る。
その後にイスタンブールの4人組、パパズーラのショウ。トルコの民俗弦楽器サズーをエレクトリック化したものを弾きながら歌うおっさんにくわえ、同国伝統打楽器のタルブッカ奏者、普通のエレクトリック・ベース(5弦だったっけ? いろいろ見るべきポイントがあったので、よく覚えていない)を弾く人、エレクトロニクスとシンバル担当者という布陣。カスタム・メイドとおぼしき電化サズー(通常7弦のようだが、5弦のものを使用)にはザ・ビートルズの「ザ・マジカル・ミステリー・ツアー」を想起させるようなサイケな文様がほどこされていたが、その総体はトルコ固有のフォークとサイケデリック・ロックをがっつり噛ませたと説明できるか。そんな悠久の哀愁とアナクロ・ロック感覚の出会いからは、妙な情念がごわごわ湧いてくるわけで、なんかむずむず来ちゃう。味のあるメンバーの外見ともども、これはなかなか抗しがたい、となりますね。
大雑把に言えば、トルコ流民俗どすこいロック? ぶりぶり弾かれるエレクトリック・サズーの音はかなり電気ギター的でもあり、音はマーシャルから出ていた。当人はオレンジのアンプを望んだようだが、クアトロ常備のマーシャルが使われたよう。レゲエのビートを噛ます曲もあり、ずぶずぶ感はいろいろと広がる。また、曲によっては、彼らと親交を持ち海外でも共演している日本人ベリー・ダンサーのNourahも出てきて踊る。クイーン・ハリシュが登場した場面もった。それから、終盤にメンバーがステージをおり、後部の備え付けの細長いカウンター・テーブルに立ってパフォーマンスしたりも。ぼくの長いクアトロ見物歴のなか、そういうことをした出演者には初めて触れた。過去、誰かやっているだろうけど。問答無用、文句アッカ感覚も、うれしい連中でした。
▶過去の、ハリシュ
http://43142.diarynote.jp/200810151708588667/
http://43142.diarynote.jp/201210021531077830/
<今日の、驚き>
渋谷のパルコ・パート2がいつの間にかなくなっていて、ビックリ。それを会った人に伝えると、もう10年近く前から営業を辞めていたんじゃないのと、返された。ええっ。完全に建物がなくなってからも1年強はたっているらしい。かつて、渋谷パルコのパート2は男性向けデザイナーズ・ブランドとかが入っていたんだよなあと、遠い目……。
その後にイスタンブールの4人組、パパズーラのショウ。トルコの民俗弦楽器サズーをエレクトリック化したものを弾きながら歌うおっさんにくわえ、同国伝統打楽器のタルブッカ奏者、普通のエレクトリック・ベース(5弦だったっけ? いろいろ見るべきポイントがあったので、よく覚えていない)を弾く人、エレクトロニクスとシンバル担当者という布陣。カスタム・メイドとおぼしき電化サズー(通常7弦のようだが、5弦のものを使用)にはザ・ビートルズの「ザ・マジカル・ミステリー・ツアー」を想起させるようなサイケな文様がほどこされていたが、その総体はトルコ固有のフォークとサイケデリック・ロックをがっつり噛ませたと説明できるか。そんな悠久の哀愁とアナクロ・ロック感覚の出会いからは、妙な情念がごわごわ湧いてくるわけで、なんかむずむず来ちゃう。味のあるメンバーの外見ともども、これはなかなか抗しがたい、となりますね。
大雑把に言えば、トルコ流民俗どすこいロック? ぶりぶり弾かれるエレクトリック・サズーの音はかなり電気ギター的でもあり、音はマーシャルから出ていた。当人はオレンジのアンプを望んだようだが、クアトロ常備のマーシャルが使われたよう。レゲエのビートを噛ます曲もあり、ずぶずぶ感はいろいろと広がる。また、曲によっては、彼らと親交を持ち海外でも共演している日本人ベリー・ダンサーのNourahも出てきて踊る。クイーン・ハリシュが登場した場面もった。それから、終盤にメンバーがステージをおり、後部の備え付けの細長いカウンター・テーブルに立ってパフォーマンスしたりも。ぼくの長いクアトロ見物歴のなか、そういうことをした出演者には初めて触れた。過去、誰かやっているだろうけど。問答無用、文句アッカ感覚も、うれしい連中でした。
▶過去の、ハリシュ
http://43142.diarynote.jp/200810151708588667/
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<今日の、驚き>
渋谷のパルコ・パート2がいつの間にかなくなっていて、ビックリ。それを会った人に伝えると、もう10年近く前から営業を辞めていたんじゃないのと、返された。ええっ。完全に建物がなくなってからも1年強はたっているらしい。かつて、渋谷パルコのパート2は男性向けデザイナーズ・ブランドとかが入っていたんだよなあと、遠い目……。
オーストラリアのギター名人/シンガー・ソングライター(2008年10月1日)の公演は、渋谷wwwにて。彼の新作『脳内浮遊』(P-ヴァイン)はアーシーな含みと現代性を併せ持つ傑作と言える。
まず、ステージ上に出て来た彼を見てあらら。蓄えていた髭をそっていて、とっぽい父ちゃん坊やになってるじゃん。イメージが狂う。というのはともかく、今回はドラマーとのデュオ。スーツをスマートに着こなすドラマー氏はまさに大学教授ふう。シンプルなキットを用いる彼はブラシやマレットなども効果的に用いる。「濁ったフォーク・ミュージックをやります」というラングの日本語MCは、前回見たときと同じ。ただし、今回は冒頭で言う。
まず、ワイゼンボーンを膝に置いて、渋〜く約40分。歌声は例によってコクはないが、声量は増していると感じる。
次は生ギターを抱えて、たっぷり演奏。ただし、エフェクターを用いて、音はエレクトリック・ギターでやっても変わりがないんじゃないかとも思わせる。彼はサンプラー/エフェクターも用い、この項では“サイケデリック・フォーク・ミュージック”と、自らの表現を説明。スコットランドのトラッドと紹介してやった曲は冒頭のほう、かなり中近東的な音を出した。始まる前の場内音楽で、“現代アラブのキャプテン・ビーフハート”と言いたくなるインスト曲がかかっておおっと思ったが、その音楽はジェフが選曲しているか否や。
そして、3つ目のブロックはドブロのエレクトリック・ギター版てなものを持ってのパフォーマンス。ここではスライド・バーをはめて演奏するが、本当にうまい。このギターと最初の膝置きギターの際は変則オープン・チューニングのようで、彼はけっこう曲ごとにチューニングをいじっていた。クリス・ウィートリー(2004年9月15日)やボブ・ディラン曲も披露した。
1時間45分見て、約束アリで退出。まだまだやるような感じはおおいにあって、少し後ろ髪をひかれる。ステージ背後にはテレキャスター・タイプの電気ギターも置いてあったが、それを弾くパフォーマンスもこの後にしたのか?
▶過去の、ラング
http://43142.diarynote.jp/200810061854586284/
▶過去の、ウィートリー
http://43142.diarynote.jp/?day=20040915
<今日の、出演者>
上に書いたように、各種ギターを弾いた彼だが、やはりうまい。歌声の感じもあり、あまり深刻さを感じさせないが、ここにも<十字路で魂を売った>ギタリストがいると思わせる名手でありますね。今月はこの後もトミー・エマニュエル、そしてジョン・バトラーと、豪州ギタリスト達人が来日公演を行う。何気に、オーストラリアはギター巧者大国? なおラングは、スライ&ロビー(2014年10月10日)やG・ラヴ(2014年10月13日)と同様に、この土日に行われた朝霧ジャム(2001 年10月13日、2010年10月10日)の出演者でもあった。
まず、ステージ上に出て来た彼を見てあらら。蓄えていた髭をそっていて、とっぽい父ちゃん坊やになってるじゃん。イメージが狂う。というのはともかく、今回はドラマーとのデュオ。スーツをスマートに着こなすドラマー氏はまさに大学教授ふう。シンプルなキットを用いる彼はブラシやマレットなども効果的に用いる。「濁ったフォーク・ミュージックをやります」というラングの日本語MCは、前回見たときと同じ。ただし、今回は冒頭で言う。
まず、ワイゼンボーンを膝に置いて、渋〜く約40分。歌声は例によってコクはないが、声量は増していると感じる。
次は生ギターを抱えて、たっぷり演奏。ただし、エフェクターを用いて、音はエレクトリック・ギターでやっても変わりがないんじゃないかとも思わせる。彼はサンプラー/エフェクターも用い、この項では“サイケデリック・フォーク・ミュージック”と、自らの表現を説明。スコットランドのトラッドと紹介してやった曲は冒頭のほう、かなり中近東的な音を出した。始まる前の場内音楽で、“現代アラブのキャプテン・ビーフハート”と言いたくなるインスト曲がかかっておおっと思ったが、その音楽はジェフが選曲しているか否や。
そして、3つ目のブロックはドブロのエレクトリック・ギター版てなものを持ってのパフォーマンス。ここではスライド・バーをはめて演奏するが、本当にうまい。このギターと最初の膝置きギターの際は変則オープン・チューニングのようで、彼はけっこう曲ごとにチューニングをいじっていた。クリス・ウィートリー(2004年9月15日)やボブ・ディラン曲も披露した。
1時間45分見て、約束アリで退出。まだまだやるような感じはおおいにあって、少し後ろ髪をひかれる。ステージ背後にはテレキャスター・タイプの電気ギターも置いてあったが、それを弾くパフォーマンスもこの後にしたのか?
▶過去の、ラング
http://43142.diarynote.jp/200810061854586284/
▶過去の、ウィートリー
http://43142.diarynote.jp/?day=20040915
<今日の、出演者>
上に書いたように、各種ギターを弾いた彼だが、やはりうまい。歌声の感じもあり、あまり深刻さを感じさせないが、ここにも<十字路で魂を売った>ギタリストがいると思わせる名手でありますね。今月はこの後もトミー・エマニュエル、そしてジョン・バトラーと、豪州ギタリスト達人が来日公演を行う。何気に、オーストラリアはギター巧者大国? なおラングは、スライ&ロビー(2014年10月10日)やG・ラヴ(2014年10月13日)と同様に、この土日に行われた朝霧ジャム(2001 年10月13日、2010年10月10日)の出演者でもあった。
ルックス。ミカリンバ
2014年10月17日 音楽 この晩にまず見たのは、ノルウェーの女性ヴォーカルと男性コントラバス奏者のデュオであるルックス(LUX)。で、最初のコントラバス音で一気に掴まれる。広尾・ノルウェー王国大使館アークティック・ホール。
クラシック教育をちゃんと受けているだろう男性ベーシスト(Hakon Thelin。ファースト・ネームのaの上に小さな○がつく)はいろんな弾き方のもと、いろんなフレイズや音色を細心に送り出す。お見事。そこに、深淵と形容したくなる歌い方をするシンガー(Unni Lovlid。ファミリー・ネームのoには斜め棒が入る)の伝統的歌唱が乗る。ノルウェー西海岸の伝統音楽が盛んな村で生まれた彼女は口承トラッドの実力者のようであり、ベース奏者のほうはきっちり現代音楽の世界にいる人のよう。そんな二人がどのような経緯で一緒にやるようになったかは知らないが、すでにアルバムを1枚だしてもいるようだ。
なんにせよ、両者の協調は意義あり! 大げさに言えば、技巧と発想を凝らしたベース・ソロに、独自の“北の抑揚”を持つヴォーカルにて主旋律が乗せられる。ちょい事実からは離れるが、ベースの自在な演奏を雄大な歌が伴奏しているとも、言いたくなる? ベース音は確実に現代性をはらみ、ヴォーカルは積み重ねられてきた普遍を抱える。確かに、両者の重なりは伝統と革新をすうっと繋いでしまっていると思う。しかし、ヘラヘラじゃない、ニコニコと微笑みながら懐深いメロディを悠々歌う彼女も相当な実力者であり、個性の持ち主と言える。楽曲はトラッドや旧い詩にメロディを付けたオリジナルであるよう。
それにしても、異なる要素が平行して進んで行く様は、ある意味ヒップホップ的とも思えた。調性の感覚の超越というか、異なる位置にある音が一緒になってしまう野放し混沌感覚は、今の時代のサンプラー/機材使用のダンス・フロア向け音楽が持つ美点と近似しているはずであるから。
その後は、南青山・ブルーノート東京(セカンド・ショウ)に行く。出演者は日本出身のマリンバ奏者であるミカ・ストルツマンの強者を擁するプロジェクト、ミカリンバ。
ミカ・ストルツマンの2枚のリーダー作をプロデュースしているスティーヴ・ガッド(ドラム。2004年1月27日、2010年12月1日、2012年11月26日、2013年9 月3日)、ガッドとは朋友関係にある(彼が1980年代下半期に組んでいたリーダー・グループのザ・ガッド・ギャングのメンバーでもありましたね)縦ベースのエディ・ゴメス、経験豊かなNYシーンのギタリストであるジョン・トロペイ(2004年1月27日、2007年10月9日)、ガッドの息子で今回はパーカッションを担当するデューク・ガッド、ミカの旦那さんでクラシック界の重鎮クラリネット奏者のリチャード・ストルツマンという面々が後に控える。
そして、スタンダードからガッド親子の曲など関連者たちの曲、はてはラベルのクラシック曲(「パヴァーヌ」。ジョー”おっちょこちょい”ウォルッシュ〜2011年3月5日〜が1975年ABC盤『ソー・ホワット』でカヴァーしたことがありましたね)まで、いろんな曲をマリンバ音を活かすアンサブルのもと披露。そこからは、普段から密な関係を持つ彼女たちの素の表情、歓びが浮き上がる。最後にやった曲は一番弾んだ曲で、なんと彼女は出身地である熊本弁と英語によるラップをお茶目に披露。その真っすぐかつ自由闊達な様に触れ、「ミカの情熱や志にほだされ、彼女のことを手助けしなきゃ男がすたると思った」というガッド侠気発言を思い出したりもしちゃう。後見人ガッドは嬉しそうに自分の曲でスキャットかましたり、息子と持ち楽器を交換する場面もあった。
▶過去の、ガッド
http://43142.diarynote.jp/200402051855170000/
http://43142.diarynote.jp/201012051903113851/
http://43142.diarynote.jp/201212101904379741/
http://43142.diarynote.jp/201312171510083393/
▶過去の、トロペイ
http://43142.diarynote.jp/200402051855170000/
http://43142.diarynote.jp/200710131957390000/
▶過去の、ウォルシュ
http://43142.diarynote.jp/201103091707591166/
<今日の、もやもや>
ノルウェー大使館は、9日前に行ったスイス大使館とは路地をへだてて、その斜め前にある。リベラルな印象も抱かせる両国だが、どちらも徴兵制度があるというのは共通。実は北欧ってスウェーデンはないが、ノルウェー(将来、女性にも課す方向にあるよう)もフィンランドもデンマークも徴兵制度をしいている。あの不可解な人がこのまま日本の長でいると徴兵制が復活しそうな勢いなので、ぼくの年齢だと対象外になるとは思うが、なんか徴兵制度の現状についての情報をわずかながら仕入れていたりする。でないと、ちゃんと反対もできないから。ブラジルも徴兵制度をとっているようだが建前で、志願制なよう。でも、志願しても徴兵されなかったりもするそうで、それは軍の出費を押さえるためという話もある。しかし、日本の現況を見ると、徴兵制度が導入されても、ズルして行かなさそうな奴や偉い位につけると思っている輩がそれにやんや賛成しているような気がするなあ。話はとぶが、1945 年生まれのスティーヴ・ガッドは地元ロチェスターにあるイーストマン音楽院を出たあと1970年ごろの3年間は一応軍隊に入り(ぎり、米国にも徴兵制度はありました)、ワシントンD.C.で楽隊活動をしたことがある。そのときの、アーミー・ビッグ・バンドでの「シシィ・ストラト」(ザ・ミーターズ)演奏の様はユーチューブで確認できますね。ところで、戦後に日本が驚異的な復興をとげたのは9条の導きにより徴兵制度がなく、若者労働力や学究のロスがなかったことは大きいのではないだろうか。
クラシック教育をちゃんと受けているだろう男性ベーシスト(Hakon Thelin。ファースト・ネームのaの上に小さな○がつく)はいろんな弾き方のもと、いろんなフレイズや音色を細心に送り出す。お見事。そこに、深淵と形容したくなる歌い方をするシンガー(Unni Lovlid。ファミリー・ネームのoには斜め棒が入る)の伝統的歌唱が乗る。ノルウェー西海岸の伝統音楽が盛んな村で生まれた彼女は口承トラッドの実力者のようであり、ベース奏者のほうはきっちり現代音楽の世界にいる人のよう。そんな二人がどのような経緯で一緒にやるようになったかは知らないが、すでにアルバムを1枚だしてもいるようだ。
なんにせよ、両者の協調は意義あり! 大げさに言えば、技巧と発想を凝らしたベース・ソロに、独自の“北の抑揚”を持つヴォーカルにて主旋律が乗せられる。ちょい事実からは離れるが、ベースの自在な演奏を雄大な歌が伴奏しているとも、言いたくなる? ベース音は確実に現代性をはらみ、ヴォーカルは積み重ねられてきた普遍を抱える。確かに、両者の重なりは伝統と革新をすうっと繋いでしまっていると思う。しかし、ヘラヘラじゃない、ニコニコと微笑みながら懐深いメロディを悠々歌う彼女も相当な実力者であり、個性の持ち主と言える。楽曲はトラッドや旧い詩にメロディを付けたオリジナルであるよう。
それにしても、異なる要素が平行して進んで行く様は、ある意味ヒップホップ的とも思えた。調性の感覚の超越というか、異なる位置にある音が一緒になってしまう野放し混沌感覚は、今の時代のサンプラー/機材使用のダンス・フロア向け音楽が持つ美点と近似しているはずであるから。
その後は、南青山・ブルーノート東京(セカンド・ショウ)に行く。出演者は日本出身のマリンバ奏者であるミカ・ストルツマンの強者を擁するプロジェクト、ミカリンバ。
ミカ・ストルツマンの2枚のリーダー作をプロデュースしているスティーヴ・ガッド(ドラム。2004年1月27日、2010年12月1日、2012年11月26日、2013年9 月3日)、ガッドとは朋友関係にある(彼が1980年代下半期に組んでいたリーダー・グループのザ・ガッド・ギャングのメンバーでもありましたね)縦ベースのエディ・ゴメス、経験豊かなNYシーンのギタリストであるジョン・トロペイ(2004年1月27日、2007年10月9日)、ガッドの息子で今回はパーカッションを担当するデューク・ガッド、ミカの旦那さんでクラシック界の重鎮クラリネット奏者のリチャード・ストルツマンという面々が後に控える。
そして、スタンダードからガッド親子の曲など関連者たちの曲、はてはラベルのクラシック曲(「パヴァーヌ」。ジョー”おっちょこちょい”ウォルッシュ〜2011年3月5日〜が1975年ABC盤『ソー・ホワット』でカヴァーしたことがありましたね)まで、いろんな曲をマリンバ音を活かすアンサブルのもと披露。そこからは、普段から密な関係を持つ彼女たちの素の表情、歓びが浮き上がる。最後にやった曲は一番弾んだ曲で、なんと彼女は出身地である熊本弁と英語によるラップをお茶目に披露。その真っすぐかつ自由闊達な様に触れ、「ミカの情熱や志にほだされ、彼女のことを手助けしなきゃ男がすたると思った」というガッド侠気発言を思い出したりもしちゃう。後見人ガッドは嬉しそうに自分の曲でスキャットかましたり、息子と持ち楽器を交換する場面もあった。
▶過去の、ガッド
http://43142.diarynote.jp/200402051855170000/
http://43142.diarynote.jp/201012051903113851/
http://43142.diarynote.jp/201212101904379741/
http://43142.diarynote.jp/201312171510083393/
▶過去の、トロペイ
http://43142.diarynote.jp/200402051855170000/
http://43142.diarynote.jp/200710131957390000/
▶過去の、ウォルシュ
http://43142.diarynote.jp/201103091707591166/
<今日の、もやもや>
ノルウェー大使館は、9日前に行ったスイス大使館とは路地をへだてて、その斜め前にある。リベラルな印象も抱かせる両国だが、どちらも徴兵制度があるというのは共通。実は北欧ってスウェーデンはないが、ノルウェー(将来、女性にも課す方向にあるよう)もフィンランドもデンマークも徴兵制度をしいている。あの不可解な人がこのまま日本の長でいると徴兵制が復活しそうな勢いなので、ぼくの年齢だと対象外になるとは思うが、なんか徴兵制度の現状についての情報をわずかながら仕入れていたりする。でないと、ちゃんと反対もできないから。ブラジルも徴兵制度をとっているようだが建前で、志願制なよう。でも、志願しても徴兵されなかったりもするそうで、それは軍の出費を押さえるためという話もある。しかし、日本の現況を見ると、徴兵制度が導入されても、ズルして行かなさそうな奴や偉い位につけると思っている輩がそれにやんや賛成しているような気がするなあ。話はとぶが、1945 年生まれのスティーヴ・ガッドは地元ロチェスターにあるイーストマン音楽院を出たあと1970年ごろの3年間は一応軍隊に入り(ぎり、米国にも徴兵制度はありました)、ワシントンD.C.で楽隊活動をしたことがある。そのときの、アーミー・ビッグ・バンドでの「シシィ・ストラト」(ザ・ミーターズ)演奏の様はユーチューブで確認できますね。ところで、戦後に日本が驚異的な復興をとげたのは9条の導きにより徴兵制度がなく、若者労働力や学究のロスがなかったことは大きいのではないだろうか。
ジョン・アバークロンビー・カルテット
2014年10月18日 音楽 長年ECMから厚遇されている米国人ジャズ・ギタリスト(2010年2月5日)
の公演を、丸の内・コントンクラブで見る(セカンド・ショウ)。今回は2013年新作『39 Steps』(ECM)などで絡んでいるピアニストのマイク・コープランドを擁するカルテットによる実演。何曲もコープランド作の曲をやったようだが、彼の退きの美学を持つ指裁きは、アバークロンビーの漂うギター表現に無理なく合い、もう一つの道を歩んで来たこのギタリストの持ち味をすうっと浮き上がらせる。実年齢(1944年生まれ)よりも老けて見えるアバークロンビーだが、枯れたノリもソツなく介していて、なんかうまく齢を重ねているギタリストという思いも得ました。
▶過去の、アバークロンビー
http://43142.diarynote.jp/201002072246423695/
<今日の、買い物>
午前中、のんびり散歩。近所のなかなかデカい100円ショップで、スケージュール書き込み型カレンダーの2015年ヴァージョンを思わず買っちゃう。軽い気持ちで、来年の予定(仮)を入れられるか、と。な〜んて、なかなか2週間以上の予定立てられない人間ではあるのだが。今年を半ば、締めにしている? なんてこたあ、ないと思うが。ところで、上で触れている『39 Steps』はサッカーの芝生のピッチを撮った写真がカヴァーとして使われている。うぬ、サッカー好きとしては、そういう部分でもポイントが高い。それにしても、ちゃんと寒くなる前にスタジアムに足を運ばないと、今年のサッカー観戦は打ち止めになってしまう。まだ、来年のカレンダーをめくっていてはいけないな。
の公演を、丸の内・コントンクラブで見る(セカンド・ショウ)。今回は2013年新作『39 Steps』(ECM)などで絡んでいるピアニストのマイク・コープランドを擁するカルテットによる実演。何曲もコープランド作の曲をやったようだが、彼の退きの美学を持つ指裁きは、アバークロンビーの漂うギター表現に無理なく合い、もう一つの道を歩んで来たこのギタリストの持ち味をすうっと浮き上がらせる。実年齢(1944年生まれ)よりも老けて見えるアバークロンビーだが、枯れたノリもソツなく介していて、なんかうまく齢を重ねているギタリストという思いも得ました。
▶過去の、アバークロンビー
http://43142.diarynote.jp/201002072246423695/
<今日の、買い物>
午前中、のんびり散歩。近所のなかなかデカい100円ショップで、スケージュール書き込み型カレンダーの2015年ヴァージョンを思わず買っちゃう。軽い気持ちで、来年の予定(仮)を入れられるか、と。な〜んて、なかなか2週間以上の予定立てられない人間ではあるのだが。今年を半ば、締めにしている? なんてこたあ、ないと思うが。ところで、上で触れている『39 Steps』はサッカーの芝生のピッチを撮った写真がカヴァーとして使われている。うぬ、サッカー好きとしては、そういう部分でもポイントが高い。それにしても、ちゃんと寒くなる前にスタジアムに足を運ばないと、今年のサッカー観戦は打ち止めになってしまう。まだ、来年のカレンダーをめくっていてはいけないな。
Down’s Workshop
2014年10月19日 音楽 初めての経験の、二乗、三乗……。世田谷区桜上水駅が最寄り駅である福音寮という児童養護施設の大ホールに朝10時に行き、いろんな見聞をさせてもらう。主催者はダウン症の子供を持つ親たちが立ち上げたアクセプションズというNPO法人で、親子で手作り楽器を作り一緒に演奏することを求めるもの。知人が打楽器を作るワークショップ/演奏に関わるのを受けて、まぜてもらっちゃった。
工作するものは、カシシ(小さな竹を編んだシェイカー的な楽器。ここでは中に大豆を入れる)、スプーン二つからなる鳴り物、ストロー笛の3種。大半はカシシ作りにのぞみ、ぼくもカシシ作りをやってみたのだが、見た目も魅力的なこれは作り上げるのがなかなか難しい。最初は余裕こいて隣の女の子とコミュニケーションをはかっていたが、じきにもうマジで取り組み、無口にもなる。ふえ〜。なめていたわけではないが、途中からこんなやっかいなものに取り組んでいるのかと、少し頭がクラクラしてきた。余裕ねえヤツ、とどこかでささやく自分がおりました。
最後はやっつけぎみがら、完全に子供たちの中に埋没して、なんとかカシシ完成。うれしい。カラフルなカシシを見て、おおいに達成感を得る。なんだかんだ、教えを請いながらやるので2時間ぐらいは完成までにかかったかな。面白いのは、みんな同様のダイレクションと材料のもと作っているのに、形も大きさも色合いも千差万別であること。やはりそこには、作り手の個性が如実に出る! そのクラフトの先生は、飛騨高山の木工職人の柳瀬正俊さん。
昼食を挟んでの2部は、柳瀬さんとともに楽器作りを指導してくれた3人のミュージシャンが目の前で演奏し、一緒に楽器をならそうの巻。子供たちと対面したのは、ヴァイブラフォンとヴォーカルの山田あずさ(2013年5月19日、2014年6月13日、2014年6月15日、2014年7月25日)、ベースの小林真理子、ドラムの池澤龍作(2014年6月13日)の面々。3人ともちゃんと音大を出ていて、渋さ知らズとも関係を持つよう。山田と小林はATLAS、山田と滝澤はデュオのMoMoやWUJA BIN BINで重なるなど、普段からやりとりを持っているようだし、何度か一緒にこういう子供を対象とするボランティア活動をやっているみたい。
彼女らの選曲と演奏は相手が子供であることを最大限に考慮に入れるもの。親しみやすい楽曲と興味を弾きやすい演奏のもと、彼らにカシシなどを振らせたり、一緒に歌わせたり。ディズニー映画「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー」もやったが、これには子供たち大喜びで日本語詞のもと大合唱。その様にふれ、大ヒット映画であることを実感。ヴィンス・ガラルディのスヌーピー・ソング(「ライナス&ルーシー」だっけ?)もあり。山あり谷あり、それ、40分ぐらいあったかな。
そして、見物であったのが、演奏終了後の様。それぞれの楽器に子供たちが集まって、やんやの試奏タイムと相成る。好奇心と幸せの和がわんわん広がっていく様が目に見えた? ヴァイブラフォンって、適当にやっても響きの妙でそれなりに風情あるように聞こえる楽器なのだな。これ、子供たちにとっては、夢のような時間、機会ではなかったか。そして、このことをきっかけにもっと楽器や音楽と向き合おうとする子供たちもいるだろう。普段来ることができない場所に来て、普段は接しない人たちと、普段しないことすることの貴重さを感じる。いろいろと、無形のものを得ました。
▶過去の、山田
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
▶過去の、池澤
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
<今日の、驚き>
御岳山噴火の影響はおありになるんですか? 長野県にお住まいということで、深く考えずに柳瀬さんに問うたら、実はあの日、御岳山に登っていたんです。そして、御岳山はおりをみて、ときどき登りたくなる存在であるとも、彼は言う。晴天の土曜日、釣りをしてから(フライ・フィッシィングの達人のよう)登ったとのことで、森林限界の手前でお昼をとっていたら、噴火が始まり、急にあたりが暗くなったという。その日、釣りをし、登るのがおそくなったことが幸いしたという……。
工作するものは、カシシ(小さな竹を編んだシェイカー的な楽器。ここでは中に大豆を入れる)、スプーン二つからなる鳴り物、ストロー笛の3種。大半はカシシ作りにのぞみ、ぼくもカシシ作りをやってみたのだが、見た目も魅力的なこれは作り上げるのがなかなか難しい。最初は余裕こいて隣の女の子とコミュニケーションをはかっていたが、じきにもうマジで取り組み、無口にもなる。ふえ〜。なめていたわけではないが、途中からこんなやっかいなものに取り組んでいるのかと、少し頭がクラクラしてきた。余裕ねえヤツ、とどこかでささやく自分がおりました。
最後はやっつけぎみがら、完全に子供たちの中に埋没して、なんとかカシシ完成。うれしい。カラフルなカシシを見て、おおいに達成感を得る。なんだかんだ、教えを請いながらやるので2時間ぐらいは完成までにかかったかな。面白いのは、みんな同様のダイレクションと材料のもと作っているのに、形も大きさも色合いも千差万別であること。やはりそこには、作り手の個性が如実に出る! そのクラフトの先生は、飛騨高山の木工職人の柳瀬正俊さん。
昼食を挟んでの2部は、柳瀬さんとともに楽器作りを指導してくれた3人のミュージシャンが目の前で演奏し、一緒に楽器をならそうの巻。子供たちと対面したのは、ヴァイブラフォンとヴォーカルの山田あずさ(2013年5月19日、2014年6月13日、2014年6月15日、2014年7月25日)、ベースの小林真理子、ドラムの池澤龍作(2014年6月13日)の面々。3人ともちゃんと音大を出ていて、渋さ知らズとも関係を持つよう。山田と小林はATLAS、山田と滝澤はデュオのMoMoやWUJA BIN BINで重なるなど、普段からやりとりを持っているようだし、何度か一緒にこういう子供を対象とするボランティア活動をやっているみたい。
彼女らの選曲と演奏は相手が子供であることを最大限に考慮に入れるもの。親しみやすい楽曲と興味を弾きやすい演奏のもと、彼らにカシシなどを振らせたり、一緒に歌わせたり。ディズニー映画「アナと雪の女王」の「レット・イット・ゴー」もやったが、これには子供たち大喜びで日本語詞のもと大合唱。その様にふれ、大ヒット映画であることを実感。ヴィンス・ガラルディのスヌーピー・ソング(「ライナス&ルーシー」だっけ?)もあり。山あり谷あり、それ、40分ぐらいあったかな。
そして、見物であったのが、演奏終了後の様。それぞれの楽器に子供たちが集まって、やんやの試奏タイムと相成る。好奇心と幸せの和がわんわん広がっていく様が目に見えた? ヴァイブラフォンって、適当にやっても響きの妙でそれなりに風情あるように聞こえる楽器なのだな。これ、子供たちにとっては、夢のような時間、機会ではなかったか。そして、このことをきっかけにもっと楽器や音楽と向き合おうとする子供たちもいるだろう。普段来ることができない場所に来て、普段は接しない人たちと、普段しないことすることの貴重さを感じる。いろいろと、無形のものを得ました。
▶過去の、山田
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
▶過去の、池澤
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
<今日の、驚き>
御岳山噴火の影響はおありになるんですか? 長野県にお住まいということで、深く考えずに柳瀬さんに問うたら、実はあの日、御岳山に登っていたんです。そして、御岳山はおりをみて、ときどき登りたくなる存在であるとも、彼は言う。晴天の土曜日、釣りをしてから(フライ・フィッシィングの達人のよう)登ったとのことで、森林限界の手前でお昼をとっていたら、噴火が始まり、急にあたりが暗くなったという。その日、釣りをし、登るのがおそくなったことが幸いしたという……。
これは、見たかったバンド。恵比寿・リキッドルーム。
黒人歌手を中央に置く英国のバースで結成されたソウル要素もいろいろ入った4人組ロック・バンド。と、思っていたが、実演はよりソウルの要素が強かったな。それはアルバムと異なり、ギターの音が主に担うダーティさやダイナミックな感覚があまり出ていなかったためもあるはず。キーボード奏者、二人の女性バックグラウンド・ヴォーカル、二人のサックス(バリトンとテナー)という5人の追加メンバーを加えた布陣(つまり、全9人でことにあたる)も、そういう行き方に沿ったものであるだろう。
ドキドキ感や英国人のソウル好きの様を介し、R&Bとつながる人間味、熱量、ぬくもりなどが生っぽく送り出される。演奏陣があまり上手ではなかったのは想定外(あんなに芸のないホーン音の絡みを生で出すバンドには初めて触れるような。→誇張して書くと、強調したい部分でコードネームの音を二人がユニゾンでぼーっと出すという感じ)だったが、それゆえ、それほどレトロスペクティヴな味を覚えることもなかった。それから、彼らって、こんなにマイナー・キー基調の曲が多かったっけ?
<今日の、回想>
フライトレイダー24、というサイトがある。世界中で飛んでいる航空機が地図上ですぐに分り、飛行機をクリックすれば航空会社と便名が、さらには出発空港/時間と到着空港/時間がすぱっと出て、その航路もばっちり分るというもの。なにげに空港/旅客航空機好きのぼくは、仕事に飽きると、すぐにそれを見ていたことがあった。いろんな航路のパターンや混雑時の迂回のパターン、空港の発着スケジュールの傾向など、いろいろ分りもし、いろいろ見がいはあった。が、夏ごろから、あまり見なくなってしまった。やはり、物事ってモードがあるよなー。飽きることは美徳、だから人間は新しいことにフレッシュにどんどんのぞめる……。そういうことにしておこう。
黒人歌手を中央に置く英国のバースで結成されたソウル要素もいろいろ入った4人組ロック・バンド。と、思っていたが、実演はよりソウルの要素が強かったな。それはアルバムと異なり、ギターの音が主に担うダーティさやダイナミックな感覚があまり出ていなかったためもあるはず。キーボード奏者、二人の女性バックグラウンド・ヴォーカル、二人のサックス(バリトンとテナー)という5人の追加メンバーを加えた布陣(つまり、全9人でことにあたる)も、そういう行き方に沿ったものであるだろう。
ドキドキ感や英国人のソウル好きの様を介し、R&Bとつながる人間味、熱量、ぬくもりなどが生っぽく送り出される。演奏陣があまり上手ではなかったのは想定外(あんなに芸のないホーン音の絡みを生で出すバンドには初めて触れるような。→誇張して書くと、強調したい部分でコードネームの音を二人がユニゾンでぼーっと出すという感じ)だったが、それゆえ、それほどレトロスペクティヴな味を覚えることもなかった。それから、彼らって、こんなにマイナー・キー基調の曲が多かったっけ?
<今日の、回想>
フライトレイダー24、というサイトがある。世界中で飛んでいる航空機が地図上ですぐに分り、飛行機をクリックすれば航空会社と便名が、さらには出発空港/時間と到着空港/時間がすぱっと出て、その航路もばっちり分るというもの。なにげに空港/旅客航空機好きのぼくは、仕事に飽きると、すぐにそれを見ていたことがあった。いろんな航路のパターンや混雑時の迂回のパターン、空港の発着スケジュールの傾向など、いろいろ分りもし、いろいろ見がいはあった。が、夏ごろから、あまり見なくなってしまった。やはり、物事ってモードがあるよなー。飽きることは美徳、だから人間は新しいことにフレッシュにどんどんのぞめる……。そういうことにしておこう。
ラビット。ジョン・バトラー・トリオ
2014年10月22日 音楽 まず、日本人精鋭ジャズ・マンたちが集まった、エレクトロニカなポスト・ロック・バンドを見る。ギターの市野元彦、キーボードやピアノの佐藤浩一、テナー・サックスや電気機器の藤原大輔(2000年9月14日、2001年2月15日,2003年3月6日、2003年6月28日、2003年8月8日、2006年10月19日、2013年2月19日)、電気と縦のベースの千葉広樹、レギュラー・グリップでたたくドラムの田中徳崇(2013年9月6日)。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。
なるほど、イケていることをする5人組。いろいろ頷いちゃう。そして、メンバーの一人の藤原大輔がかつて組み、メモリーラブや東芝EMIからアルバムも出したことがあったphatってどういうことやっていたっけと思い出そうとする。生理としてのエイフェックス・トゥインをジャズでやる……そんな意図も彼らは持っていたっけ?
ドラム音から始まったショウは出音がデカい。そのドラム音も機材を介した効果がかまされており、それは他の奏者も同様。みんなそれぞれPCやコントローラー類を前なり横なりに置いていたか。
そして、コードの変化の感覚の希薄なと書きたくなる、ミニマル的反復構造を主に持つ楽曲を堂々とかましていく。それらはテーマ〜ソロ〜テーマという構造を持たないものであり、そのことは大きな決め手。面々は微妙なほつれや広がりを持つフレイズを重ね、そこから楽想の変化やニュアンスの動きやもう一つの即興を紡ぎ出して行く。きっちりメンバー間の意思統一は計られており、キメの取り方とか急変化の鮮やかな出し方とかが格好よくも、気持ちいい。藤原は意外にテナー・サックスのソロをけっこうエフェクターを通さずに取った。総合的なクリエイターではなく、何気に太いソリストとしての側面をこの日は見たかもしれぬ。そんな行き方を可能としているのはヴィヴィッドさや切れを併せ持つ、敏感なリズム・セクションを擁しているからでもある。いいな、この二人。
本編最後の曲は、もろオーネット・コールマン(2006年3月27日)のりの曲。彼らなりに、ちゃんとプラスαを加え、書き換えを行っている。にこっ。この曲は電気効果を介さず、生音を出し合ったのではないか。そうすると、各人の自力のあり方もより露になるし、彼らのまっとうな根や音楽概念も透けて見える。
▶過去の、藤原
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-9.htm phat (オーガニック・グルーヴ)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm phat (オーガニック・グルーヴ)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm phat
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm aupe
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200610211633130000/ quartz-head01
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
▶過去の、田中
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
▶過去の、コールマン
http://43142.diarynote.jp/200603281335030000/
そして、六本木・EXシアターに速攻で向かい、40分おしで、ザ・ジョン・バトラー・トリオ(2007年4月5日、2008年4月1日、2010年3月3日、2011年1月13日)を見る。
電気ギター(ソリッドとセミ・アコースティック)、生ギター、ワイゼンボーン等を持つ当人に加え、エレクトリック・ベース(ウッド・ベースや鍵盤も一部担う。ザ・レイ・マン・スリーにいたバイロン・ルーターズ)とドラマーを従えて、アーシーかつ手作り感覚を抱えるギター・ロックを展開する。
ちょいロックぽさを増したような気もする(ジミ・ヘンドリックス的なテイストを感じさせるギター演奏を見せた曲もあり)が、大元の方向性にはもちろん大きな変化はなし。一方、バトラーの歌はより声が出るようになったナと感じる。リズム隊のコーラスの重ね方も良い。それから、歌にエフェクターがかけられたり、ドラム音がダブ処理されたりする曲もあった。
▶過去の、バトラー
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
http://43142.diarynote.jp/200804030050390000/
http://43142.diarynote.jp/201003061216087426/
http://43142.diarynote.jp/201101141245007572/
▶過去の、ザ・レイ・マン・スリー
http://43142.diarynote.jp/201006031537221581/
<今日の、MC>
ジョン・バトラーは代々木公園が好きなよう。昨日行ったら、閉鎖されていて残念だったと言っていた。2ヶ月前からそうで、蚊がどーだらとか、閉鎖の件について、彼はなかなか詳しい。そんなバトラーのMCはそれほど言葉を重ねるわけではないが、本当に日本のことが好きということを出す。彼は客席からとんだ日本語をなぞって言ったり、日本人的なアクセントでありがとうございますと言ったみたり。耳がいいんだろうな。
一方、ラビットはリーダーの市原が研ぎすまされた音楽性と対極にあるような実直なMCをしていて、その落差にずっこける。彼らは世界に出ていくべきバンド(実際、仏ナイーヴからもアルバムが出ているよう)だが、バークリー音楽大学にも通い英語も堪能なはずの市原は、海外公演の際はどんなMCをするようになるのだろうか。
なるほど、イケていることをする5人組。いろいろ頷いちゃう。そして、メンバーの一人の藤原大輔がかつて組み、メモリーラブや東芝EMIからアルバムも出したことがあったphatってどういうことやっていたっけと思い出そうとする。生理としてのエイフェックス・トゥインをジャズでやる……そんな意図も彼らは持っていたっけ?
ドラム音から始まったショウは出音がデカい。そのドラム音も機材を介した効果がかまされており、それは他の奏者も同様。みんなそれぞれPCやコントローラー類を前なり横なりに置いていたか。
そして、コードの変化の感覚の希薄なと書きたくなる、ミニマル的反復構造を主に持つ楽曲を堂々とかましていく。それらはテーマ〜ソロ〜テーマという構造を持たないものであり、そのことは大きな決め手。面々は微妙なほつれや広がりを持つフレイズを重ね、そこから楽想の変化やニュアンスの動きやもう一つの即興を紡ぎ出して行く。きっちりメンバー間の意思統一は計られており、キメの取り方とか急変化の鮮やかな出し方とかが格好よくも、気持ちいい。藤原は意外にテナー・サックスのソロをけっこうエフェクターを通さずに取った。総合的なクリエイターではなく、何気に太いソリストとしての側面をこの日は見たかもしれぬ。そんな行き方を可能としているのはヴィヴィッドさや切れを併せ持つ、敏感なリズム・セクションを擁しているからでもある。いいな、この二人。
本編最後の曲は、もろオーネット・コールマン(2006年3月27日)のりの曲。彼らなりに、ちゃんとプラスαを加え、書き換えを行っている。にこっ。この曲は電気効果を介さず、生音を出し合ったのではないか。そうすると、各人の自力のあり方もより露になるし、彼らのまっとうな根や音楽概念も透けて見える。
▶過去の、藤原
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-9.htm phat (オーガニック・グルーヴ)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm phat (オーガニック・グルーヴ)
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▶過去の、田中
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▶過去の、コールマン
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そして、六本木・EXシアターに速攻で向かい、40分おしで、ザ・ジョン・バトラー・トリオ(2007年4月5日、2008年4月1日、2010年3月3日、2011年1月13日)を見る。
電気ギター(ソリッドとセミ・アコースティック)、生ギター、ワイゼンボーン等を持つ当人に加え、エレクトリック・ベース(ウッド・ベースや鍵盤も一部担う。ザ・レイ・マン・スリーにいたバイロン・ルーターズ)とドラマーを従えて、アーシーかつ手作り感覚を抱えるギター・ロックを展開する。
ちょいロックぽさを増したような気もする(ジミ・ヘンドリックス的なテイストを感じさせるギター演奏を見せた曲もあり)が、大元の方向性にはもちろん大きな変化はなし。一方、バトラーの歌はより声が出るようになったナと感じる。リズム隊のコーラスの重ね方も良い。それから、歌にエフェクターがかけられたり、ドラム音がダブ処理されたりする曲もあった。
▶過去の、バトラー
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
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http://43142.diarynote.jp/201101141245007572/
▶過去の、ザ・レイ・マン・スリー
http://43142.diarynote.jp/201006031537221581/
<今日の、MC>
ジョン・バトラーは代々木公園が好きなよう。昨日行ったら、閉鎖されていて残念だったと言っていた。2ヶ月前からそうで、蚊がどーだらとか、閉鎖の件について、彼はなかなか詳しい。そんなバトラーのMCはそれほど言葉を重ねるわけではないが、本当に日本のことが好きということを出す。彼は客席からとんだ日本語をなぞって言ったり、日本人的なアクセントでありがとうございますと言ったみたり。耳がいいんだろうな。
一方、ラビットはリーダーの市原が研ぎすまされた音楽性と対極にあるような実直なMCをしていて、その落差にずっこける。彼らは世界に出ていくべきバンド(実際、仏ナイーヴからもアルバムが出ているよう)だが、バークリー音楽大学にも通い英語も堪能なはずの市原は、海外公演の際はどんなMCをするようになるのだろうか。
ザ・エンプティ・ハーツ。ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ
2014年10月23日 音楽 ザ・カーズやそのリーダーであるリック・オケイセクに心を奪われたことはないが、ザ・カーズのギタリストであるエリオット・イーストンは別。彼が1985年に出した(唯一の?)リーダー作『チェンジ・ノー・チェンジ』(エレクトラ)はパワー・ポップというか、フックたっぷりの小気味いいロックロールの大傑作。発表当時、ほんと愛聴したなあ。楽曲はけっこうジュールズ・シアーとの共作が多かった。
この夏にセルフ・タイトルのアルバムをリリースしたザ・エンプティ・ハーツはイーストン(ギター)他、1970年下半期に結成された4つの好ロック・バンドの構成員がつるんだ4ピースの集団だ。他に、デトロイトのザ・ロマンティクスのウォリー・パーマー(リード・ヴォーカル、ギター、ハーモニカ)、ロチェスターで結成されたガレージ・ロック・バンドのザ・チェスターフィールド・キングスのアンディ・バヴォアック(ベース)、デボラ・ハリーを擁して商業的に大成功もしたブロンディ(2006年9月7日)のドラマーのクレム・バークという面々。
ステージに出て来たメンバーたちは皆それなりに年期がはいっているが、禿げている人はなし。そして、この顔ぶれゆえの的をいたパワー・ポップ表現を次々に繰り出す。アルバムを聞くとガレージっぽさを得る部分もあるが、実演はおいては面々の非シャープな風体などもあり、そちら方面の味は薄い。4人がまず楽しんでやっているということは間違いなく指摘できることで、MCは皆で仲良く分けていた。
左利きのレスポール型ギターで通したイーストンのギター演奏はロックのある方向性の奏法を完璧にマスターしていると思わせるもの。ときに、カントリー調もイケそうと思わせたときもあった。彼、1曲ではリード・ヴォーカルをとる。ベースはピック弾き、ボブ・ディラン作にも名が見られたりもするドラマーは手数の多い叩き込みタイプで、客の目を意識してスティックをクルクル扱う流儀はオールド・スクール。そういうの、今や貴重な存在? 彼はザ・ビートルズの「アイ・ソウ・ハー・スタンディング・ゼア」を歌った。
六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。それぞれの熱心なファンが集まっているのだろう、前に座っている人たちは、それぞれの所属バンドのプロダクツを面々に向かってかざしたりもしていた。
▶過去の、ブロンディ
http://43142.diarynote.jp/200609101412280000/
その後は、南青山・ブルーノート東京で、四半世紀のキャリアを持つ、英国ソウル・バンド(1999年8月2日、2010年2月22日、2013年9月18日)を見る。不変の3人のメンバーに加え、バンドを蘇生させたフィジカル度の高いシンガーのドーン・ジョセフを擁し、さらに女性コーラス、2人の管(トランペットとサックス)、キーボードというアディッショナル奏者がつくのは、顔ぶれが同一かどうかは調べていないが、同様の編成だ。
ジョセフを完全に中央に据えた2014年新作『スウィート・フリークス』も出しているが、カヴァー「真夜中のオアシス」も含め、歴代の著名ナンバーがずらりと披露。それら耳馴染みの楽曲群が羅列されると、いい曲を持っているナと思わずにはいられず。ほんと、どれも跳ねや溜めと洗練されたメロディを、彼らは巧みに両立させている。
▶過去の、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://43142.diarynote.jp/201002280939559070/
http://43142.diarynote.jp/201309201841355632/
<今日の、追憶>
ザ・チェスターフィールド・キングスを生んだオンタリオ湖に近いロチェスターはスティーヴ・ガッドやチャック・マンジョーネの出生地としても一部で知られる。一方、カメラ・フィルムのコダックやコンタクト・レンズのボシュロムなどの本社があったり、水準の高い大学が複数あったりと、リッチな街として、米国では知られるよう。かつてJFKに飛ぶ飛行機内で、一席おいて隣になった厚木の米軍基地にいるというおきゃんな白人ねえちゃんと「やっぱエコノミーなら、ジャンプ・シート(CA席)の前で隣の席はブロック(空きに)しなきゃね」と意見の一致を見た後に、飲みながらいろいろテキトーに話し、その際に彼女からそうロチェスター話を聞かされたことがあった。エアはもう今はないノースウェスト。そのころは、まだデジタル・カメラもあまり普及していなかった。ああ、今昔物語……。
で、今日見た米英のバンドは変わらなくていいものを核にかかえつつの、彼らなりの今昔物語をしているとも言えるか。←すごい、こじつけ。
この夏にセルフ・タイトルのアルバムをリリースしたザ・エンプティ・ハーツはイーストン(ギター)他、1970年下半期に結成された4つの好ロック・バンドの構成員がつるんだ4ピースの集団だ。他に、デトロイトのザ・ロマンティクスのウォリー・パーマー(リード・ヴォーカル、ギター、ハーモニカ)、ロチェスターで結成されたガレージ・ロック・バンドのザ・チェスターフィールド・キングスのアンディ・バヴォアック(ベース)、デボラ・ハリーを擁して商業的に大成功もしたブロンディ(2006年9月7日)のドラマーのクレム・バークという面々。
ステージに出て来たメンバーたちは皆それなりに年期がはいっているが、禿げている人はなし。そして、この顔ぶれゆえの的をいたパワー・ポップ表現を次々に繰り出す。アルバムを聞くとガレージっぽさを得る部分もあるが、実演はおいては面々の非シャープな風体などもあり、そちら方面の味は薄い。4人がまず楽しんでやっているということは間違いなく指摘できることで、MCは皆で仲良く分けていた。
左利きのレスポール型ギターで通したイーストンのギター演奏はロックのある方向性の奏法を完璧にマスターしていると思わせるもの。ときに、カントリー調もイケそうと思わせたときもあった。彼、1曲ではリード・ヴォーカルをとる。ベースはピック弾き、ボブ・ディラン作にも名が見られたりもするドラマーは手数の多い叩き込みタイプで、客の目を意識してスティックをクルクル扱う流儀はオールド・スクール。そういうの、今や貴重な存在? 彼はザ・ビートルズの「アイ・ソウ・ハー・スタンディング・ゼア」を歌った。
六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。それぞれの熱心なファンが集まっているのだろう、前に座っている人たちは、それぞれの所属バンドのプロダクツを面々に向かってかざしたりもしていた。
▶過去の、ブロンディ
http://43142.diarynote.jp/200609101412280000/
その後は、南青山・ブルーノート東京で、四半世紀のキャリアを持つ、英国ソウル・バンド(1999年8月2日、2010年2月22日、2013年9月18日)を見る。不変の3人のメンバーに加え、バンドを蘇生させたフィジカル度の高いシンガーのドーン・ジョセフを擁し、さらに女性コーラス、2人の管(トランペットとサックス)、キーボードというアディッショナル奏者がつくのは、顔ぶれが同一かどうかは調べていないが、同様の編成だ。
ジョセフを完全に中央に据えた2014年新作『スウィート・フリークス』も出しているが、カヴァー「真夜中のオアシス」も含め、歴代の著名ナンバーがずらりと披露。それら耳馴染みの楽曲群が羅列されると、いい曲を持っているナと思わずにはいられず。ほんと、どれも跳ねや溜めと洗練されたメロディを、彼らは巧みに両立させている。
▶過去の、ザ・ブラン・ニュー・ヘヴィーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
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<今日の、追憶>
ザ・チェスターフィールド・キングスを生んだオンタリオ湖に近いロチェスターはスティーヴ・ガッドやチャック・マンジョーネの出生地としても一部で知られる。一方、カメラ・フィルムのコダックやコンタクト・レンズのボシュロムなどの本社があったり、水準の高い大学が複数あったりと、リッチな街として、米国では知られるよう。かつてJFKに飛ぶ飛行機内で、一席おいて隣になった厚木の米軍基地にいるというおきゃんな白人ねえちゃんと「やっぱエコノミーなら、ジャンプ・シート(CA席)の前で隣の席はブロック(空きに)しなきゃね」と意見の一致を見た後に、飲みながらいろいろテキトーに話し、その際に彼女からそうロチェスター話を聞かされたことがあった。エアはもう今はないノースウェスト。そのころは、まだデジタル・カメラもあまり普及していなかった。ああ、今昔物語……。
で、今日見た米英のバンドは変わらなくていいものを核にかかえつつの、彼らなりの今昔物語をしているとも言えるか。←すごい、こじつけ。
エサ・ピエティラ(テナー・サックス)、アキ・リッサネン(ピアノ、エフェクト)、アンッティ・ロジェネン(ベース)、オラヴィ・ロウヒヴォリ(ドラムス)からなる、ノルウェーのクインテットを見る。渋谷・elephant studio。
自力とセンスに秀でた演奏は問答無用のクリエイティヴティありで、ノルウェーのジャズ水準はすごいと、改めて唸らされる。リーダーはテナー・サックス奏者だが、他の奏者もとても立派。そのアドヴァンテージを前提におく、長い尺がとられる曲の動きにまず大きく頷く。譜面もおいてないし、基本は即興の連なりだろうが、どのぐらい決め事はあるのか。とにかく、聞いていて興味深くてしょうがない。曖昧な書き方になるが、その流れに添え木的な違和感覚がなく、有機的にて、ドラマティックで、自然。そして、それは純ジャズ(フリー・ジャズ)要素とジャズ・ビヨンド要素を自在につないでいたりもする。それゆえ、彼らは、先日見たラビット(10月22日)とも無理なく一緒に出来るはず。1部の途中で、菊地雅章(1999年11月3日(2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日)の「サークル/ライン」の一節のリフとかなり似るベースのフレイズが続くときもあった。ドキドキした。
4人は、皆いろんな奏法を曲趣とともに見せる。テナー奏者は効果音的なタンギングの使い方も吉。ピアノ(この日は、ノード・エレクトロをピアノ音で使用)奏者はパッドで控え目ながら効果的に電気音干渉も行ったが、彼の鍵盤ソロがほぼパップ的手法を排する(絶対、繰り出そうと思えば出来るはず)散文的なもので印象的。コントラバス奏者も電気音的な効果を兼ねる弓引き音を用いたり、いろいろボディを叩いたり。そして、ドラマーも多様な叩き方(ブラシ、マレット、素手も、スティックとともに用いる。また、弓でシンバルをこすったり)でグループ表現を活性化させる。それらの総体は、ジャズなんだけどジャズ越えの音をきっちりモノにする、というもの。いや、各人の様、見物でした。
接していて、ウィブティー(2002年5月8日)とアトミック(2005年4月12日、2008年12月7日)の間を行く、という感想ももったか。2部では日本人ペインター、日本人テナー・サックス奏者が1曲づつ加わる。ちゃんと渡り合った後者はかなり実力者だった。
▶過去の、ラビット
http://43142.diarynote.jp/201410251055118180/
▶過去の、菊地
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20041103
http://43142.diarynote.jp/201207031322126509/
http://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
http://43142.diarynote.jp/201210271744294415/
▶過去の、ウィブティ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-5.htm
▶過去の、アトミック
http://43142.diarynote.jp/200504151005000000/
http://43142.diarynote.jp/200812150312308154/
<今日の、発想>
今回のパフォーマンスで電気音をだしていたのはピアニストのリッサネンのみ。事前のパーソネルを見ると他のメンバーも電気音に関与しそうであったがそれはなし。先に触れているようにリッサネンはここではピアノではなくピアノ音色の電気キーボードを弾いたが、それはピアノを置けない会場だったからだろう。数日前にやった彼らの新宿・ピットインでの公演は当然グランド・ピアノを用いたと思われる。また、その際、他のメンバーはもう少し電気音出しに関与したのだろうか。なんにせよ、面々の達者にして臨機応変な演奏に触れていると、当然柱となる<リバティ・ハウス表現回路>というのはあるだろうが、与えられた環境やブツ(楽器)で俺たちはどうにでも行けるし、個性や技量をちゃんと発揮できると、彼らが胸を張っているとしか思えなかった。
そして、そんな4人を見ていて、さらに思ったことが一つ。しなやかなスタンスをとる奏者で、自分の楽器や機材を持たず、出向いた先々であてがわれたもので悠々と、その一期一会を楽しむように演奏する人はいないか。楽器や設定やPAが違えば、自ずと同じ曲をやっても様相は変わるはずで、新たな変化の種を山ほど加わる。なれない楽器でも、ダメな音響でも、なだめたり、工夫したりして、楽器をモノにし、音楽を奏でる。それ、魅力的ではないか。そういう逆境から生まれる、神経質ではない鷹揚な音楽って、ぼくは好きだなあ。
自力とセンスに秀でた演奏は問答無用のクリエイティヴティありで、ノルウェーのジャズ水準はすごいと、改めて唸らされる。リーダーはテナー・サックス奏者だが、他の奏者もとても立派。そのアドヴァンテージを前提におく、長い尺がとられる曲の動きにまず大きく頷く。譜面もおいてないし、基本は即興の連なりだろうが、どのぐらい決め事はあるのか。とにかく、聞いていて興味深くてしょうがない。曖昧な書き方になるが、その流れに添え木的な違和感覚がなく、有機的にて、ドラマティックで、自然。そして、それは純ジャズ(フリー・ジャズ)要素とジャズ・ビヨンド要素を自在につないでいたりもする。それゆえ、彼らは、先日見たラビット(10月22日)とも無理なく一緒に出来るはず。1部の途中で、菊地雅章(1999年11月3日(2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日)の「サークル/ライン」の一節のリフとかなり似るベースのフレイズが続くときもあった。ドキドキした。
4人は、皆いろんな奏法を曲趣とともに見せる。テナー奏者は効果音的なタンギングの使い方も吉。ピアノ(この日は、ノード・エレクトロをピアノ音で使用)奏者はパッドで控え目ながら効果的に電気音干渉も行ったが、彼の鍵盤ソロがほぼパップ的手法を排する(絶対、繰り出そうと思えば出来るはず)散文的なもので印象的。コントラバス奏者も電気音的な効果を兼ねる弓引き音を用いたり、いろいろボディを叩いたり。そして、ドラマーも多様な叩き方(ブラシ、マレット、素手も、スティックとともに用いる。また、弓でシンバルをこすったり)でグループ表現を活性化させる。それらの総体は、ジャズなんだけどジャズ越えの音をきっちりモノにする、というもの。いや、各人の様、見物でした。
接していて、ウィブティー(2002年5月8日)とアトミック(2005年4月12日、2008年12月7日)の間を行く、という感想ももったか。2部では日本人ペインター、日本人テナー・サックス奏者が1曲づつ加わる。ちゃんと渡り合った後者はかなり実力者だった。
▶過去の、ラビット
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▶過去の、菊地
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
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http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20041103
http://43142.diarynote.jp/201207031322126509/
http://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
http://43142.diarynote.jp/201210271744294415/
▶過去の、ウィブティ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-5.htm
▶過去の、アトミック
http://43142.diarynote.jp/200504151005000000/
http://43142.diarynote.jp/200812150312308154/
<今日の、発想>
今回のパフォーマンスで電気音をだしていたのはピアニストのリッサネンのみ。事前のパーソネルを見ると他のメンバーも電気音に関与しそうであったがそれはなし。先に触れているようにリッサネンはここではピアノではなくピアノ音色の電気キーボードを弾いたが、それはピアノを置けない会場だったからだろう。数日前にやった彼らの新宿・ピットインでの公演は当然グランド・ピアノを用いたと思われる。また、その際、他のメンバーはもう少し電気音出しに関与したのだろうか。なんにせよ、面々の達者にして臨機応変な演奏に触れていると、当然柱となる<リバティ・ハウス表現回路>というのはあるだろうが、与えられた環境やブツ(楽器)で俺たちはどうにでも行けるし、個性や技量をちゃんと発揮できると、彼らが胸を張っているとしか思えなかった。
そして、そんな4人を見ていて、さらに思ったことが一つ。しなやかなスタンスをとる奏者で、自分の楽器や機材を持たず、出向いた先々であてがわれたもので悠々と、その一期一会を楽しむように演奏する人はいないか。楽器や設定やPAが違えば、自ずと同じ曲をやっても様相は変わるはずで、新たな変化の種を山ほど加わる。なれない楽器でも、ダメな音響でも、なだめたり、工夫したりして、楽器をモノにし、音楽を奏でる。それ、魅力的ではないか。そういう逆境から生まれる、神経質ではない鷹揚な音楽って、ぼくは好きだなあ。
ビーター・バラカンズ・ライヴ・マジック
2014年10月25日 音楽 先の2014年9月23日昼〜http://43142.diarynote.jp/201409261635077130/〜でのこと。会場入りすると、どうもお、と挨拶される。ちゃんとクリエイティヴな会社員活動をしている、Y君じゃないか。おお、ひさしぶりだあ。すごいなあ、こういうのまでちゃんとアンテナを張り、ライヴを見にくるなんてと伝えると、彼はうれしそうに、こう返して来た。ピーター・バラカンさんの(ラジオ)番組で彼らのことが紹介されて、それが良かったので来てみました。それと似たようなやりとりをしたことが前にも複数あって、ピーター・バラカンの影響力の確かさ、大きさを痛感してしまうわけですね。そして、今回のライヴ・マジックは彼のそうした心あるいい音楽紹介活動が積み重なってこそのものでもあるだろう。
ピーター・バラカンがキュレートする、2日間にわたるライヴ・イヴェントの初日。出演者がステージに出る前に、彼は順次客の前に登場して簡単に出演者の紹介をする。彼の話によれば、この日は完全にチケットが売り切れたそう。確かに、混んでいた。場所は、恵比寿・ガーデンホール(とガーデン・ルーム)。かつてはよく来ていたが、あまり洋楽系公演がもたれなくなり、ぼくが来るのは2007年3月のノラ・ジョーンズ公演以来。スタンディングのメイン会場に加え、階下の着席会場、また飲食スペースにもDJ用途やギター弾き語り用途の小ステージが設けられる。
この日の出演者は、BLACK WAX(2014年9月16日)、ブルース・バンドのMONSTER大陸、米国大御所ドブロ奏者率いるドラマー付きバンドのジェリー・ダグラス・バンド、スタンリー・スミス(2002年10月20日)、元センチメンタル・シティ・ロマンスの告井延隆、若い女性のブルースの担い手であるRei、細野晴臣(2009年10月12日、2010年4月15日、2010年11月21日、2011年8月7日、2012年8月12日、2012年9月5日、2013年1月29日、2013年8月7日、2013年8月11日)、ジョン・クリアリー(2007年4月6日、2008年10月15日、2009年9月5日、2013年5月20日、2013年10月14日)&ザ・アブソルート・モンスター・ジェントルメン。ルーツィ、アーシー、自然体とかいった言葉で括れる人たちが集められていると、言えるだろうか。ほのぼの土着路線を見せた細野のとき、久保田麻琴(2004年5月7日、2009年10月12日、2010年12月4日、2013年2月5日、2013年9月20日、2014年9月16日)が1曲加わり、ハリー&マックとなった。
着席ステージでは、往年の洋楽TV番組<バラカン・ビート>の再現プログラムも組まれる。ちょい覗こうと思ったら、人があふれていて、見るのを断念。まあ、外で暫くぶりに会う知り合いと話すのも楽しいしね。鬼のように働き、鬼のように遊んでいた時期で、TVを見る時間などなく、ぼくは一度も<バラカン・ビート>を見た事がなかった。だが、同番組に思い入れを持つ人、少なくないんだろうな。というか、お客の多くは彼のラジオ番組はもちろんのこと、同TV番組を見ていた人たちでもあるのか。物販も好セールスを上げたようだが、この日のオーディエンスは、実のところ音楽ソフトに一番お金を落とす層ではないのか。
▶過去の、BLACK WAX
http://43142.diarynote.jp/201409171722239857/
▶過去の、スミス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-10.htm
▶過去の、細野
http://43142.diarynote.jp/200910141731349364/
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201011250550109951/
http://43142.diarynote.jp/201208201258419318/
http://43142.diarynote.jp/201209181238434594/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130129
http://43142.diarynote.jp/?day=20130807
http://43142.diarynote.jp/201108101635051749/
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
▶過去の、久保田
http://43142.diarynote.jp/200405071410000000/
http://43142.diarynote.jp/200910141731349364/
http://43142.diarynote.jp/?day=20101204
http://43142.diarynote.jp/201302091324078636/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130920
http://43142.diarynote.jp/201409171722239857/
▶過去の、クリアリー
http://43142.diarynote.jp/?day=20070406
http://43142.diarynote.jp/200810170628196746/
http://43142.diarynote.jp/200909120648439512/
http://43142.diarynote.jp/201305260926059486/
http://43142.diarynote.jp/201310150811404538/
<今日の、そうか>
土曜の恵比寿界隈、ハロウィーン仕様の若者の姿が散見される。いったい、来週31日(金)の盛り場はどーなるんだろ? それにあまり触れたくないという思いと、昨年のように図らずも、その盛り上がりに触れてみたいという思いと。。。間違いなく言えるのは、ぼくが学生だったら、きっと張り切りきるだろうということ。って、去年も似た事を書いたよな。
ピーター・バラカンがキュレートする、2日間にわたるライヴ・イヴェントの初日。出演者がステージに出る前に、彼は順次客の前に登場して簡単に出演者の紹介をする。彼の話によれば、この日は完全にチケットが売り切れたそう。確かに、混んでいた。場所は、恵比寿・ガーデンホール(とガーデン・ルーム)。かつてはよく来ていたが、あまり洋楽系公演がもたれなくなり、ぼくが来るのは2007年3月のノラ・ジョーンズ公演以来。スタンディングのメイン会場に加え、階下の着席会場、また飲食スペースにもDJ用途やギター弾き語り用途の小ステージが設けられる。
この日の出演者は、BLACK WAX(2014年9月16日)、ブルース・バンドのMONSTER大陸、米国大御所ドブロ奏者率いるドラマー付きバンドのジェリー・ダグラス・バンド、スタンリー・スミス(2002年10月20日)、元センチメンタル・シティ・ロマンスの告井延隆、若い女性のブルースの担い手であるRei、細野晴臣(2009年10月12日、2010年4月15日、2010年11月21日、2011年8月7日、2012年8月12日、2012年9月5日、2013年1月29日、2013年8月7日、2013年8月11日)、ジョン・クリアリー(2007年4月6日、2008年10月15日、2009年9月5日、2013年5月20日、2013年10月14日)&ザ・アブソルート・モンスター・ジェントルメン。ルーツィ、アーシー、自然体とかいった言葉で括れる人たちが集められていると、言えるだろうか。ほのぼの土着路線を見せた細野のとき、久保田麻琴(2004年5月7日、2009年10月12日、2010年12月4日、2013年2月5日、2013年9月20日、2014年9月16日)が1曲加わり、ハリー&マックとなった。
着席ステージでは、往年の洋楽TV番組<バラカン・ビート>の再現プログラムも組まれる。ちょい覗こうと思ったら、人があふれていて、見るのを断念。まあ、外で暫くぶりに会う知り合いと話すのも楽しいしね。鬼のように働き、鬼のように遊んでいた時期で、TVを見る時間などなく、ぼくは一度も<バラカン・ビート>を見た事がなかった。だが、同番組に思い入れを持つ人、少なくないんだろうな。というか、お客の多くは彼のラジオ番組はもちろんのこと、同TV番組を見ていた人たちでもあるのか。物販も好セールスを上げたようだが、この日のオーディエンスは、実のところ音楽ソフトに一番お金を落とす層ではないのか。
▶過去の、BLACK WAX
http://43142.diarynote.jp/201409171722239857/
▶過去の、スミス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-10.htm
▶過去の、細野
http://43142.diarynote.jp/200910141731349364/
http://43142.diarynote.jp/201004180836405961/
http://43142.diarynote.jp/201011250550109951/
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http://43142.diarynote.jp/201209181238434594/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130129
http://43142.diarynote.jp/?day=20130807
http://43142.diarynote.jp/201108101635051749/
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
▶過去の、久保田
http://43142.diarynote.jp/200405071410000000/
http://43142.diarynote.jp/200910141731349364/
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http://43142.diarynote.jp/201409171722239857/
▶過去の、クリアリー
http://43142.diarynote.jp/?day=20070406
http://43142.diarynote.jp/200810170628196746/
http://43142.diarynote.jp/200909120648439512/
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http://43142.diarynote.jp/201310150811404538/
<今日の、そうか>
土曜の恵比寿界隈、ハロウィーン仕様の若者の姿が散見される。いったい、来週31日(金)の盛り場はどーなるんだろ? それにあまり触れたくないという思いと、昨年のように図らずも、その盛り上がりに触れてみたいという思いと。。。間違いなく言えるのは、ぼくが学生だったら、きっと張り切りきるだろうということ。って、去年も似た事を書いたよな。
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