リアン・ラ・ハヴァス。大工哲弘
2013年9月20日 音楽 わわわ、今年トップ級の好内容公演かもしれぬ。1989年ロンドン生まれ、ギリシャとジャマイカのミックスであるシンガー・ソングライターの実演は、六本木・ビルボードライブ東京にて。通常の入れ替え2ショウ制ではなく、1日1回だけのショウ。それにしても、初夏に来日したローラ・ムブーラ(2013年6月21日)といい、彼女といい、英国の非アングロ・サクソン系の新進女性ミュージシャンの才豊かさは驚かされるな。
まず、電気ギターの弾き語りで1曲。そして、以後はバンドでパフォーマンス。1曲、キーボードだけの伴奏で(ギターを持たずに)歌う曲もあったが、基本にあるのは<ギターを弾きながら歌う、ワタシ>。公演中盤でも2曲だったかエレクトリック・ギター弾き語りを聞かせる。ギターをぐつぐつ爪弾きながら凛として歌う様は、それだけで接する者を射抜く力あり。ちゃんと地に足を付けているのに、鮮烈に何かが広がり、舞う。結果、今この時代に、こんなホンモノと出会えるなんてと、感激しちゃうことしきり。ギターは興味深いものを複数使い、ギター・ファンはそこにも釘付け? なんにせよ、ギターと同化〜ギターでモノを考える人物であるのは明らか。一瞬、ブルースなるものの21世紀型洗練系、と感じたのはそのためであったか。
もちろん、そんな彼女に寄り添う、ベース(たまに、ギターも)、キーボード(たまに、ベースも)、ドラム、バックグラウンド・ヴォーカル(女性)という編成のバンドも、ラ・ハヴァスの持ち味ややりたいことを理解しての、しなやか音をつける。その総体は、昨年英ワーナー・ブラザーズ(米国は、ノンサッチ)から出されたデビュー作『Is Your Love Big Enough?』(アクアラング〜2007年6月4日、他〜のマット・ヘイルズがプロデュース関与)を大きく超えるクリエイティヴィティと存在感につながる。
1曲では、その途中でスティーヴィー・ワンダーのレゲエ・ビート曲「マスター・ブラスター(ジャミン)」(ボブ・マーリー讃歌を根に置く曲なんだっけ?)を嬉々として挿入、ハヴァスの曲はレゲエ調ではないのにしっくり収まる。ときに、充実したコーラス・パートが印象に残る局面もあるが、そのうれしい聞き口は、人間味ある現代ロックの重要要素としてコーラスはおおいに鍵になりえる、とも思わせるか。また、ときに手拍子を噛ます曲があるのは、ザ・ダーティ・プロジェクターズ(2012年10月9日、他)を思い出させもする。ザ・ダーティ・プロジェクターズの場合、いろんな要素の才気ある噛み合わせからまだまだロックでやれることはあるという手応えを導くが、彼女の場合は確固とした個の強さ(と、その意を組むバンドとの重なりの妙)が、十二分に今の輝きを放つのだと言いたくなる。自分の歌を歌いたいという気持ちの強さと、それを人前でちゃんと開ける技量の確かさを併せ持つタレントが初々しくもある24歳の女性なのだから、これは引きつけられないはずがない。
なんか、そんな実演に触れながら、音楽に関わる仕事をできている幸せ、も感じる。わあー。
そして、代官山に移動、晴れたら空に豆まいて で、八重山民謡の巨匠である大工哲弘の、久保田麻琴(2013年2月5日、他)+仲間たち(ロケットマツ、伊藤大地)と重なるライヴを見る。サウンドや選曲に広がりを持つ久保田プロデュースの大工新作『Blue Yaima』(タフビーツ)をフォロウするもので、そのレコーディング時に持たれた先の公演(2013年2月5日)と同様のノリで進む。やはり、興味深く、味があり。この晩には、同作にも入っていた大工笛子が曲によってはバッキング・コーラスで入る。髪型や着物など“正装”で出て来た彼女は、奥様だそう。山之内貘の歌詞に高田渡が曲を付けたものを歌った際は、三線を置いて彼は歌う。入れ替え制の2部のほうで、満員。公演が終わったのは、23時10分前だった。
<今日の、隣人>
ビルボードライブ東京で同テーブル隣の席に座っていたのは、シカゴ在住のリチャードさん。一人でコースを頼みワインを開栓、食事に満足そう。かつて日本に住んだこともあり、奥様が日本人である彼は日本語がとても上手。ぼくの名前に、佐藤栄作と似ているネと言う。最初に日本に来たときは、彼が首相だったとか。野球好きで、ヤクルトのバレンティン選手の記録絡みの勇士を見に来たそう。今日ここに来たのは、音楽大好きの息子さん(やはり、米国在住)の勧めであったとのこと。へえ〜。ハヴァスのことも楽しんだようだ。一方、ぼくの前隣に座っていたのは、若い女性の2人組。i-チューンズで彼女の存在を知り、これはと見に来たのだという。
まず、電気ギターの弾き語りで1曲。そして、以後はバンドでパフォーマンス。1曲、キーボードだけの伴奏で(ギターを持たずに)歌う曲もあったが、基本にあるのは<ギターを弾きながら歌う、ワタシ>。公演中盤でも2曲だったかエレクトリック・ギター弾き語りを聞かせる。ギターをぐつぐつ爪弾きながら凛として歌う様は、それだけで接する者を射抜く力あり。ちゃんと地に足を付けているのに、鮮烈に何かが広がり、舞う。結果、今この時代に、こんなホンモノと出会えるなんてと、感激しちゃうことしきり。ギターは興味深いものを複数使い、ギター・ファンはそこにも釘付け? なんにせよ、ギターと同化〜ギターでモノを考える人物であるのは明らか。一瞬、ブルースなるものの21世紀型洗練系、と感じたのはそのためであったか。
もちろん、そんな彼女に寄り添う、ベース(たまに、ギターも)、キーボード(たまに、ベースも)、ドラム、バックグラウンド・ヴォーカル(女性)という編成のバンドも、ラ・ハヴァスの持ち味ややりたいことを理解しての、しなやか音をつける。その総体は、昨年英ワーナー・ブラザーズ(米国は、ノンサッチ)から出されたデビュー作『Is Your Love Big Enough?』(アクアラング〜2007年6月4日、他〜のマット・ヘイルズがプロデュース関与)を大きく超えるクリエイティヴィティと存在感につながる。
1曲では、その途中でスティーヴィー・ワンダーのレゲエ・ビート曲「マスター・ブラスター(ジャミン)」(ボブ・マーリー讃歌を根に置く曲なんだっけ?)を嬉々として挿入、ハヴァスの曲はレゲエ調ではないのにしっくり収まる。ときに、充実したコーラス・パートが印象に残る局面もあるが、そのうれしい聞き口は、人間味ある現代ロックの重要要素としてコーラスはおおいに鍵になりえる、とも思わせるか。また、ときに手拍子を噛ます曲があるのは、ザ・ダーティ・プロジェクターズ(2012年10月9日、他)を思い出させもする。ザ・ダーティ・プロジェクターズの場合、いろんな要素の才気ある噛み合わせからまだまだロックでやれることはあるという手応えを導くが、彼女の場合は確固とした個の強さ(と、その意を組むバンドとの重なりの妙)が、十二分に今の輝きを放つのだと言いたくなる。自分の歌を歌いたいという気持ちの強さと、それを人前でちゃんと開ける技量の確かさを併せ持つタレントが初々しくもある24歳の女性なのだから、これは引きつけられないはずがない。
なんか、そんな実演に触れながら、音楽に関わる仕事をできている幸せ、も感じる。わあー。
そして、代官山に移動、晴れたら空に豆まいて で、八重山民謡の巨匠である大工哲弘の、久保田麻琴(2013年2月5日、他)+仲間たち(ロケットマツ、伊藤大地)と重なるライヴを見る。サウンドや選曲に広がりを持つ久保田プロデュースの大工新作『Blue Yaima』(タフビーツ)をフォロウするもので、そのレコーディング時に持たれた先の公演(2013年2月5日)と同様のノリで進む。やはり、興味深く、味があり。この晩には、同作にも入っていた大工笛子が曲によってはバッキング・コーラスで入る。髪型や着物など“正装”で出て来た彼女は、奥様だそう。山之内貘の歌詞に高田渡が曲を付けたものを歌った際は、三線を置いて彼は歌う。入れ替え制の2部のほうで、満員。公演が終わったのは、23時10分前だった。
<今日の、隣人>
ビルボードライブ東京で同テーブル隣の席に座っていたのは、シカゴ在住のリチャードさん。一人でコースを頼みワインを開栓、食事に満足そう。かつて日本に住んだこともあり、奥様が日本人である彼は日本語がとても上手。ぼくの名前に、佐藤栄作と似ているネと言う。最初に日本に来たときは、彼が首相だったとか。野球好きで、ヤクルトのバレンティン選手の記録絡みの勇士を見に来たそう。今日ここに来たのは、音楽大好きの息子さん(やはり、米国在住)の勧めであったとのこと。へえ〜。ハヴァスのことも楽しんだようだ。一方、ぼくの前隣に座っていたのは、若い女性の2人組。i-チューンズで彼女の存在を知り、これはと見に来たのだという。