オトナと、コドモ。思慮/含みと、あっけらかんとした直情。ジャズの素養やテクニックを根に起きつつも、対照的なアプローチを持つ2人の米国人のリーダー・グループのショウを続けて見る。丸の内・コットンクラブ(ファースト・ショウ)、そして南青山・ブルーノート東京(セカンド・ショウ)。

  最初は、ブライアン・ブレイド(2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2008年9月4日、2009年7月20日、2011年5月12日、2012年1月16日、2012年3月15日 、2012年5月22日、2014年2月12日、2014年4月14日、2015年5月27日、2016年5月18日、2017年12月16日、2018年5月22日 )のザ・フェロウシップ・バンドのキー・メンバーをずっと勤め、ブレイドと一緒にジョニ・ミッチェルの75歳の誕生日を祝う特別公演実況作『JONI 75~ジョニ・ミッチェル・バースデイ・セレブレーション』(デッカ、2019年)を共同でプロデュースしてもいるピアニストのジョン・カウハード(2003年9月27日、2008年9月4日、2009年7月16日、2011年5月12日、2012年5月22日、2014年2月12日)のグループ公演。その両人に加え、ギターのスティーヴ・カーディナス(2015年5月27日、2016年5月18日)とダブル・ベースのトニー・シェアー(2005年12月31日、2009年05月8日)の4人にてパフォーマンスされた。

 うわあ、練れている。熟している。もう十全にジャズの美点を通りつつ、ポップ・インストゥルメタル(と書いてしまうと語弊があるが)要素も趣味良く介し、カウハード一流の即興性に長けた風景画を4人が一致団結して描いていく様にはため息。好き嫌いはあるだろうが、オルタナティヴな現代メロウ・ジャズとして、とても高い水準にあるとおおいに頷く。けっこうだまし絵的に表情を交錯させてもいるが、4人は同じ完成図を見据え、すいすいと音を重ね合う。遠近法に長けた表現、そんな曖昧な形容も使いたくなるかな。けっこう、カーディナスが前に出てくる局面があり、へえ。ジョン・パティトゥッチ(2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2006年9月3日、2012年6月13日、2014年2月12日、2014年4月14日、2015年5月27日、2015年9月6日、2016年5月18日、2018年5月22日、2019年8月6日、2019年12月12日)・バンドでの演奏よりも断然いい。彼はストラト型のギターを使用。今のジャズ・ギタリストは本当にストラト好きが多いなあ。

▶過去の、ジョン・カウハード
http://43142.diarynote.jp/200809071429250000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090716
http://43142.diarynote.jp/201105140859559227/
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
https://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
▶︎過去の、スティーヴ・カーディナス
https://43142.diarynote.jp/201505281537538677/
https://43142.diarynote.jp/201605240831421865/
▶︎過去の、トニー・シェアー
https://43142.diarynote.jp/200512311225410000/
https://43142.diarynote.jp/200905101005501321/
▶過去の、ブライアン・ブレイド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200809071429250000/
http://43142.diarynote.jp/200908061810483865/
http://43142.diarynote.jp/201105140859559227/
http://43142.diarynote.jp/201201171011033219/
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http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140212
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
http://43142.diarynote.jp/201505281537538677/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20160803
http://43142.diarynote.jp/201712181015052794/
https://43142.diarynote.jp/201805230726481296/
▶過去の、ジョン・パティトゥッチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm 2001年8月3日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm   2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
http://43142.diarynote.jp/201505281537538677/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
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https://43142.diarynote.jp/201805230726481296/
https://43142.diarynote.jp/201908071557182844/
https://43142.diarynote.jp/201912131809318090/

 その後は、大御所ベーシストのスタンリー・クラーク(2008年9月8日、2010年12月3日、2012年12月5日、2015年9月30日)のトリオ公演で、その2角をなすのはキーボードとピアノのキャメロン・グレイヴス(2015年9月30日 )、そして近年のクラーク作に入っているタブラ奏者のサラー・ナダー。変則、なり。しゃがんで演奏するナダーは、タブラ、シンバル類、パッド、スネアなどを並べている。なんか、彼の演奏を聞きながら、チャールズ・ロイド(2005年5月11日、2008年4月6日、2013年1月6日、2017年1月12日、2017年1月13日、2019年9月2日、2019年9月3日)の『サンガム』(ECM、2006年)というアルバムはタブラのザキール・フセイン(2004年9月5日、2005年1月31日)とドラムやピアノのエリック・ハーランド(2005年5月11日、2007年10月3日、2008年4月6日、2013年1月6日、2017年1月12日、2017年1月13日、2019年9月2日、2019年9月3日)の3人で録音した異色作であったのを思い出す。また、1970年前半から活動し、ECM他からアルバムを出しているオレゴンはタブラ&シタール奏者(ECMからリーダー作も出していた故コリン・ウォルコット。彼はポール・ウィンターのコンソートにも入っていた)入りの編成であったなあ、とも。

 御大、前半部は4弦のエレクトリック・ベースを弾き、後半はダブル・ベースを弾く。後者もクラークはエフェクターをかまし、音色や聞き味は双方近い。ダブル・ベースの場合は素直な音色を採用した方が絶対に“横”と“縦”の差別化も図れるし、ヴァーサタイルな彼の持ち味も明解に出ると思うのだが、そういうことを笑顔のクラークはまったく考慮にいれない。まあ、ダブル・ベースのほうがでかいだけ、表現の幅は広いのは間違いない。バカでかい手で自在の奏法を見せる彼に接して、さすが個性あるなと思った。

 チャールズ・ミンガスのジャズ・スタンダード「グッバイ・ポーク・パイ・ハット」や自身の20代のころの当たり曲「スクール・デイズ」や彼がかつて在籍したチック・コリア(2006年9月3日、2007年10月1日、2016年9月16日、2017年9月2日、2019年8月31日)のザ・リターン・トゥ・フォーエヴァーの曲(曲名までは知らん)もやる。だが、それらは出だしのテーマ部を担うだけで、途中からはアバウトな音の出し合いに流れ、テーマに戻ることなく終わるというカタチを取る。変わった編成、変わった楽器音のもと、伸び伸びと音を重ね、ソロ・パートを持つというのが、このトリオが求めるところだろう。曲を終えると、3人はやったネ、うまくいったネとアイ・コンタクトを交わしたりもして、今回がこのユニットの初ギグなのかと思わせられたがどうなのだろう。子供っぽいんだが、確かに野放しで、定石外しのトリオ表現にはなっていて、本人たちのかような所作には 納得した。

 キーボードで多少“電波”系の音もつけるキャメロン・グレイヴスは、後半はピアノも多用し、ハっとさせる演奏も。彼のリーダー作『Planetary Prince』(Mack Avenue、2017)はカマシ・ワシントン(2014年5月28日、2015年10月31日、2016年12月6日、2018年8月19日、2019年9月2日)系の奏者が関与していますね。そんな彼は2月にここで、ギター入りカルテットでリーダー公演を行う。一方、中東系の風貌を持つサラー・ナダーは前半(つまり、クラークが電気ベースを弾いているとき)は左手でパーカッション・パッドを叩く場合が多く、それと右手のタブラ演奏の重なりはプログラム・ビートっぽい感じに聞こえる。後半はタブラ演奏濃度が高まり、“口タブラ”も少し披露した。

▶過去の、スタンリー・クラーク
http://43142.diarynote.jp/?day=20080908
http://43142.diarynote.jp/201012051906481605/
http://43142.diarynote.jp/201212131141531884/
https://43142.diarynote.jp/201510021221454336/
▶︎過去の、キャメロン・グレイヴス
https://43142.diarynote.jp/201510021221454336/
▶︎過去の、ザキール・フセイン
https://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
https://43142.diarynote.jp/200502041825460000/
▶︎過去の、チャールス・ロイド
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/200804081928430000/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
http://43142.diarynote.jp/201701131141476377/
https://43142.diarynote.jp/201701141241544133/
https://43142.diarynote.jp/201909031830055314/
https://43142.diarynote.jp/201909071014576603/
▶過去の、エリック・ハーランド
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20071003
http://43142.diarynote.jp/200804081928430000/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
http://43142.diarynote.jp/201701131141476377/
https://43142.diarynote.jp/201701141241544133/
https://43142.diarynote.jp/201909031830055314/
https://43142.diarynote.jp/201909071014576603/
▶過去の、チック・コリア
http://43142.diarynote.jp/?day=20060903
http://43142.diarynote.jp/200710121726160000/ 
http://43142.diarynote.jp/201609201820427313/
https://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
https://43142.diarynote.jp/201909011034527807/
▶︎過去の、カマシ・ワシントン
http://43142.diarynote.jp/?day=20140528
http://43142.diarynote.jp/201511040742444324/
http://43142.diarynote.jp/201612091513593556/
https://43142.diarynote.jp/201808211635045064/
https://43142.diarynote.jp/201909031830055314/

<今日の、なんじゃらほい>
 師走は早めに休みに入ったりもし、だいぶのんびりもし楽しい時間も過ごしたのだが、それが可能になったのは、あまりCDを聞かなかったため。実は今年買ったものの未聴のアルバムが100枚ぐらいはあり、それを多少は片付けようとも思っていたのだが、軽く諦めてしまった・(>_<)・。そんななか聞いた数少ないブツがリトル・スティーヴン(スティーヴン・ヴァン・ザント)が主演したネットフリックスのドラマ「リリハマー」のサントラのVOL.1(Universal,2019 )と、彼の最新作『Summer of Sorcery』(Universal,2019 )。スティーヴンのことをブルース・スプリングスティーンの側近みたいな言い方をする人もいるが、ずっとスプじじい嫌いのぼくにとってはどうでもいい項目で、ぼくの中ではキース・リチャーズ(2003年3月15日)耽溺流れの外見を持つ真性ロッカーであり、<サン・シティ>(1985年)の首謀者。同時期のチャリティ曲「ウィ・アー・ザ・ワールド」より断然ぼくはリトル・スティーヴンの巨大プロジェクトに夢中になった。ときが流れ、そんな彼はネットフリックスのドラマに主演かあ。なんでも、それは見ていてほのぼしちゃう北欧リレハンメルを舞台とするヒューマン・ドラマらしい。そして、彼はその好評を受けて(?)、アルバム・リリースも活発なんだよなあ。そのサウンドトラックのカヴァーを見ると、オールバックでスーツ姿の彼がいて、音楽的にはニューヨーク・ドールズにいたデイヴィッド・ヨハンセンのバスター・ポインデクスターみたいな感じかと想像したのだが、確かなジャズ調サウンドが付いていて当たらずも遠からず。13曲中9曲がスティーヴン曲で、他はスタンダード。インスト主体だが、なかにはフランク・シナトラあたりを気取る彼がぶっとい声で歌っている曲もある。あら、すんごく上手く歌が録られている。しかし、ネットフリックスもダゾーンも入らず(時間がなく、それなりに見ることができる自信がまったくない)、ましてやゲームなどは興味が持てず一切しないし、本も読まないぼくなのに、どうしてこうも時間がなく、聞けないCDがたまってしまうのか。幸いにも原稿はかなり早いので、机に向かっている時間も長くないはずなんだけど。夜遊びかなあ。ともあれ、購入音源を聞く余暇がないと認知しちゃうと快適ではないので、未聴のCDやアナログを聞くのはやめっとなってしまった。。。年初にどうこう思うことはしないが、やはり人生は長くはないと少し思うことにする。たまに会っていた大学のゼミの友達が突然亡くなってしまったし。とはいえ、<求、負荷のない生活>……。やっぱ、ファンキン・ロック心で行きたい。
▶過去の、ザ・ローリング・ストーンズ/キース・リチャーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm

 虎ノ門・ワーナー・ブラザース映画神屋町試写室で、2019年米国映画「黒い司法 0%からの奇跡」を見る。

 来月末から日本公開される映画で、原題「Just Mercy」。まあ、法廷シーンもあり、内容を反映してはいるのだが、この邦題はその本質からは離れる。だって、この映画、完全なブラック・ムーヴィだもの。音楽担当者は西海岸白人のジョエル・P・ロス。彼が作るいかにもな映画音楽的断片とともに、随所に黒人霊歌/ゴスペル曲が使われる。それは彼が少し白く翻訳したものか、そういうメロウなゴスペル・ヴァージョンを集めたのかは、エンド・ロールの曲クレジットがちゃんと見ることができず判別がつかなかったが、それはなかなかに映画の動きにフィット。でもって、「Just Mercy」という原題のポケットの在処にも気づかされるというわけですね。

 冤罪や不条理な審議のもと死刑囚となってしまった黒人がたくさんいる、人種差別が色濃い南部のアラバマ州が舞台となる映画。時代は1988年から約5年間で、この映画は事実に基づくというクレジットが冒頭に出される。ハーヴァード大学を出たばかりのアフリカ系新進弁護士の理想に燃えた弁護活動を追うストーリーを持ち、主人公の弁護士役のマイケル・B・ジョーダンが共同プロデューサーを兼ね、もう1人の主役となる囚人はジェイミー・フォックス(2004年11月15日、2009年3月13日、2007年1月18日)。監督と共同脚本は、ハワイ出身でアイルランドやチェコや日本の血をひくディスティン・ダニエル・クレットンがしている。

 2時間10分超えの作品。そして、もーゲロ真面な映画。一切笑いの要素もなく扇情的なところもなく、逆境100%の状況下での黒人弁護士のドン・キホーテ的活動の様が描かれるのだが、その高潔な戦いがいかにもありそうな話ばかり。なんか既知感たっぷりと感じてしまい、多少冷めて映画を見ている自分が途中まではいた。

 だが、真ん中過ぎての、1人の囚人に死刑執行がなされるシーンで、もうぐぐぐいっと引き込まれる。そのころから、多大な黒人霊歌効果も出てきて、こりゃすごいと頷く。で、あとは一気にクライマックスへ。事実を並べる最後のシークエンスもとてもパワフルだ。しかし、30年前にも南部には酷い黒人差別が残っていたということをストレートに示すこの映画は、それは今もいまだに、という含みも感じさせるものとなっているか。あれれと思ったのは、アラバマ州の死刑囚が集められる刑務所は皆独房だが、TVやラジオを部屋に置くことができること……。

▶︎過去の、ジェイミー・フォックスが出演する映画
http://43142.diarynote.jp/200411170827380000/
https://43142.diarynote.jp/200701211122480000/
https://43142.diarynote.jp/200903141236392080/

<今日の、ポカ>
 15時半からの試写であったのだが、15時開始と勘違い。まだ、試写場が空いておらず、その施設が入っている城山ガーデン周辺を散策。すぐそばにオークラやカナダ大使館もあるハイソ目の地区だが、すぐ真向かいに大手スーパー(100円ショップ併設)や牛丼店があって、あらら。試写後は、馴染みの店回り也。書き初めもやった。

 渋谷・ショーゲート試写室で、中国の長春を舞台にする〜アタマと最後には、ニューヨークの場面も入る〜2019年米国映画を見る。監督と脚本は6歳のときに中国から米国に渡ったという、女性監督のルル・ワン。ガンで余命まもない中国に住むおばあちゃんに親戚が一堂にかいするために、その1組の息子の結婚式を皆んなで集まる口実にしたという、実際に監督の身に起こったことをネタにしている。なんでも、中国ではいまだ当人に癌を告知しない習慣があるということが、そんな思いやりの虚偽慶事計画を生んだらしい。冒頭には、実際にあった嘘をベースにする、というクレジットが入る。

 おばあちゃんにとっての孫となる主役(それは、監督の境遇が元になる)は、中国と韓国の両親を持つ米国人ラッパー/俳優のオークワフィナ。西欧的な価値観を持つ彼女はおばあちゃんに告知しないことを疑問に思って悩み、それは東洋と西洋の倫理観の違いを浮かび上がらせる。ラッパーとしてはビッチな表情を出しつつも、パっと見うだつの上がらない30歳の主人公役を無理なく演じた彼女は、この映画でゴールデングローヴ賞のミュージカル/コメディ部門の主演女優賞を獲得したという。ときにハスキーな低めの声は存在感があって、さすがラッパーですね。旧満州の首都であった長春は北朝鮮とロシアの間にある内陸の大都市ゆえにとっても寒そうだが、夏場の撮影のため、発展する希望に満ちた中国の地方都市という感じに映されている。同市の、実際の監督のおばあちゃんの家で撮影はなされたという。

 音楽はアレックス・ウェストンというNY在住者がしているようだが、クラシカルなヴォーカルや弦音を介するものが多いが、クラシック系歌唱を使いたいというのはワン監督の意向であったよう。けっこう、音楽は映像にあっていて、それは冴えたディレクションと思う。結婚パーティで主人公と父親がカラオケで歌う「優しく歌って」(cf.ロバータ・フラック:2008年3月5日)のアレンジは脳みそとろけそう? エンドロールにはハリー・ニルソンのカヴァーでなにより知られるバッドフィンガーの「ウィズアウト・ユー」が流されるが、この非英語曲のヴァージョンは誰のものなんだろう? 日本は4月に公開となる。

▶︎過去の、ロバータ・フラック
https://43142.diarynote.jp/200803051002560000/

 夜は、代官山・晴れたら空に豆まいて で、すんごく久しぶりにメタルチックスを見た。海外進出をたっぷりしているバッファーロー・ドーター(2002年1月13日、2003年11月8日、2006年6月22日、2015年7月30日、2016年9月1日)のギタリストのシュガー吉永とDMBQ(1999年8月31日)やOOIOO(2000年2月16日、2003年10月24日、2008年5月24日)のドラマーの吉村由加の2人によるユニット。昨年5月いらいのギグだそう。多くの場合、下敷き音の上で、ギター音とドラム音がじゃれる。吉永は部分的に詠唱したり、鍵盤ベースを弾く場合も。彼女、多くの曲でレスポールを弾いていたがボディが厚く、重たそうと見ていて思う。1曲目のピコピコ音に粗雑に楽器音を投げ出す曲が一番好みだった。ところどころ、吉村ってビル・ブラフォードが好きなのかなと思えた場合あり。そうか、MCによれば、彼女たちも50代なのか。

 その後、トランペットとキーボードの中村卓也(2007年4月12日、2012年6月25日、2016年11月18日)と鍵盤や装置の外池満広のデュオのパフォーマンス。外池は日本屈指のレゲエ・ダブ・バンドのドライ&ヘヴィにいただけに、なるほどレゲエ・ビート基調のトラックが採用されるのか。堂にいったトラックのもと、ジャジー要素や飛躍要素が舞う。前半見て、次のお座敷に移動。

▶過去の、バッファロー・ドーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200606270001320000/
http://43142.diarynote.jp/201508051544452721/
https://43142.diarynote.jp/201609200958472477/
▶︎過去の、DNBQ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
▶︎過去の、OOIOO
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm ステレオラブ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200805281150320000/
▶︎過去の、中村卓也
https://43142.diarynote.jp/200704151310110000/
https://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
https://43142.diarynote.jp/201611211530147646/

<今日の、なるほど>
 “yoko ono-ing”って、知ってるけ? と、海外の知人からメール。へえ、降って湧いた英国王室の軋轢を語るさいに、ヨーコ・オノ(2009年1月21日)の名が出されているのか。ザ・ビートルズのファンを混乱に陥れたのは50年以上も前のことであり、ジョン・レノンが亡くなって40年もたとうとしているのに、いまだ彼女のご威光(?)ありということか。“ヨーコ・オノる”、すごいなあ。そういえば、友達の小野くんは海外の人からすぐに、小野洋子の名前を出されるとむかし言っていたことがあった。
▶︎過去の、ヨーコ・オノ関連
http://43142.diarynote.jp/200901221504141906/
http://43142.diarynote.jp/201105282358273180/ 映画やショーンへのインタヴュー抜粋
http://43142.diarynote.jp/201411101736494912/ ショーンのギグ
https://43142.diarynote.jp/201809121745334226/ ヨーコの新作

 夫婦による出し物を、二つはしごする。

 まず、ビルボードライブ東京(ファースト・ショウ)で、サザン・ロック/オルタナ・カントリー傾向にあるシンガー・ソングライターのジェイソン・イズベルを見る。かつては、南部ロック・バンドのドライヴ・バイ・タッカーズのメンバーでもありましたね。通常は自己バンドであるザ・400ユニットとともに活動しているが、今回の初来日公演は奥さんで、ザ・400ユニットの構成員でもあるシンガー/フィドラーのアマンダ・シャイアズとのデュオによる。彼女、個人アーティストとしてもBMG他から何作もリーダー作を出している。

 まっすぐ、朗々。アコースティック・ギターをつま弾きながら歌うイズベルを、シャイアズが過不足なくコーラスと合いの手音を加える。息の合い方はぴったり、2人はかなり仲が良さそうだった。南部生まれ〜育ちではあるが、イズベルはそれほどアーシーさを聞く者に与えず。かといって、カントリー臭もあまり感じさせず、奥行きあるニュートラルな“アメリカ歌い”という像をぼくは受けた。グラミー賞を何度か受けている彼の米国での人気はそういう部分もプラスに働いているのかなとも、ふと思う。

 途中で1曲、シャイアズがリード・ヴォーカルを取る。うわあ、巧みなコーラスとはまた別の陰影を帯びた堂々の歌唱。ニコっとなれた。

 その後は、新宿ピットインへ。わあ、こんなに笑ったライヴも久しぶりのような。

 新春恒例の、田村夏樹(1999年8月16日、2000年6月2日、2000年10月1日、2002年8月5日、2003年1月21日、2003年4月7日、2004年7月27日、2010年8月6日、2012年7月1日、2005年2月10日、2005年11月28日、2005年12月11日、2006年7月3日、2008年8月24日、2008年12月17日、2010年1月9日、2010年6月7日、2016年1月28日、2017年1月9日、2017年9月13日、2018年1月8日、2019年1月13日、2019年3月22日) と藤井郷子(1999年8月16日、2000年6月2日、2000年10月1日、2002年8月5日、2003年1月21日、2003年4月7日、2004年7月27日、2005年2月10日、2005年11月28日、2005年12月11日、2006年7月3日、2008年8月24日、2008年12月17日、2010年1月9日、2010年6月7日、2010年8月6日、2012年7月1日、2016年1月28日、2017年1月9日、2017年9月13日、2018年1月8日、2019年1月13日、2019年1月13日、2019年6月29日、2019年12月20日 )夫妻とその周辺にいる冒険ゴコロに富む人たちの、昼の部/夜の部を通す酔狂公演に行く。今年は、夜のほうの2部だけを見る。 

 最初の出し物は、トランペットの田村夏樹とピアノの藤井郷子とヴァイオリンの太田惠資(2001年3月24日、2003年5月22日、2004年10月10日、2005年2月19日、2016年9月27日、2018年7月7日、2019年10月16日)とドラムの本田珠也(2000年5月9日、2002年9月22日、2003年6月10日、2004年10月13日、2007年12月4日、2011年5月5日、2012年7月16日、2013年7月27日、2015年5月20日、2018年1月19日、2018年4月7日、2019年3月29日、2019年7月16日、2018年9月30日)という編成による。40分ぐらいのやつを一発。そして、短めのをもう1曲。どちらにせよ、多少の口頭での意思統一はあったのかもしれないが、フリー・フォームな1発もの。

 驚いたのは、田村夏樹がけっこう肉声を出していたこと。あんなにヴォイス・パフォーマンスを見せる彼は初めて接するような。1曲目が終わり男性陣はこれでお終いにしていいかと思ったようだが、藤井の希望でもう1曲やる。バラードをやりますと藤井が言ってしっとり弾きだしたのは、スタンダードの「ミスティ」。ただし、断続的に異物演奏をインサート。そのまま「ミスティ」基調で丁々発止していくのかと思ったら、太田や田村が他の有名目のしっとり曲を入れて、演奏は動いていった。

 休憩を挟んだあとは、先ほどの4人に、テルミンとヴォイスの巻上公一(2004年11月6日、2013年8月11日、2015年9月28日、2016年7月12日、2017年9月13日、2018年1月8日)、テナー・サックスの広瀬淳二(2018年1月8日)、琵琶の与之乃、エレクトリック・ベースのナスノミツル(2002年1月5日、2005年9月6日、2007年4月21日、2007年6月3日、2014年9月7日、2018年1月8日)、ドラムの吉田達也(2006年1月21日、2013年2月11日、2019年7月16日)と井谷享志(2017年1月9日、2018年1月8日、2019年1月13日)が加わる。おお、3ドラム編成じゃ。

 こちらは、田村はトランペットを吹かず、指揮=交通整理役に徹する。みんな譜面を置いていて、まず複雑なテーマを演奏する(途中にも、譜面ありきの全体演奏をしたときが1度)のだが、すぐに自由演奏。で、そこからが田村の腕の見せどころ、次々にパフォーマーを指名する。1人パートが次々に披露されたり、誰かと誰かが一緒にやったり、全員で音を出したり、キブン一発。もういろんな組み合わせで、場は回る。で、はちゃめちゃな歌パートの部分が結構あり、その様がとっても笑いを誘った。

 ナスノと田村以外は、皆んな肉声を出した。巻上や太田主導で、なんちゃってワールド・ミュージック合戦という趣があった場合もあり。ホーミィが得意な巻上に太田がホーミィ調で歌い出して挑む場面もあり。あるときは、(肉声を出す予定がなかった?)井谷も場につられて声を出し始めたら、それを目ざとく田村が察知して突然彼単独のディクションを出し、井谷は「調子に乗ってしまいましたあ」とほうほうの体で歌う。また、皆んなで肉声を出し合っていた際に演奏を止め、田村は唐突に本田に肉声を出すことを促す。すると、本田は指名に困惑しつつも、アフリカ、アフリカと息絶え絶え調で繰り返す。そして、その際、誰かがその様を受けて「こんな子に育てた覚えはない」と合いの手を入れる。もう、笑いまくるしかないじゃないか。

 こちらも一本長尺もので、1時間弱の演奏。すぐにアンコールを求める拍手が上がった。田村は今のと同じ演奏をまたやるぞと言って笑いを誘ったあと、(本田)珠也が「アフリカ」をやりますと無茶振り。で、情けなく本田は、「ア、フ、リ、カ」と言う。一番最後の、「カ」の部分は他の人も発声。バカですねえ、大人の研ぎ澄まされた演奏家は。それにて、幕!

▶過去の田村夏樹
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-6.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm 藤井4
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-4.htm 田村カルテット
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http://43142.diarynote.jp/?day=20050210 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200512020244540000/ ザ・レイモンド・マクドナルド・トウキョウ・インプロヴァイザーズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/200512140951100000/ エリオット・シャープ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703  藤井オーケストラ名古屋/同東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824 レイモンド・マクドナルド・インターナショナル・ビッグ・バンド
http://43142.diarynote.jp/200812281445103402/ 藤井4
http://43142.diarynote.jp/201001101203088126/ ガトー・リブレ、ファースト・ミーティング、ma-do、オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20100607 ファースト・ミーティング
http://43142.diarynote.jp/201601301017037781/ KAZE
http://43142.diarynote.jp/201701101136544400/ Quartet Maho。Maho、 Satoko Fujii Orchestra Tokyo、Tobira―one、Satoko Fujii Quartet
http://43142.diarynote.jp/201709141146381271/ 藤井オーケストラ東京
https://43142.diarynote.jp/201801100512178732/ あれもこれも
https://43142.diarynote.jp/201901141236416025/ あれもこれも
https://43142.diarynote.jp/201903231350548821/ モリイクエ
▶過去の、藤井郷子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 藤井カルテット
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https://43142.diarynote.jp/201906280923527705/ 2019年ダウンビート誌クリティクス・ポール
https://43142.diarynote.jp/201906301115529387/ +齊藤貿子
https://43142.diarynote.jp/201912220907352341/ 藤井東京トリオ
▶︎過去の、太田恵資
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm シカラムータ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-5.htm ハシケン
http://43142.diarynote.jp/?day=20041010
http://43142.diarynote.jp/200502232040290000/
http://43142.diarynote.jp/201610100849458472/
https://43142.diarynote.jp/201807080932266789/
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▶過去の、本田珠也
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm 菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm 菊地雅章
http://43142.diarynote.jp/200410162306570000/
http://43142.diarynote.jp/200712151621260000/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
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http://43142.diarynote.jp/201505211022511238/
http://43142.diarynote.jp/201801200930278094/
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
https://43142.diarynote.jp/201903301004154036/
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▶︎過去の、巻上公一
http://43142.diarynote.jp/200411071407550000/
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
http://43142.diarynote.jp/201510021143165760/
http://43142.diarynote.jp/201709141146381271/
https://43142.diarynote.jp/201810031028426328/
▶︎過去の、広瀬淳二
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▶過去の、ナスノミツル
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.ht
http://43142.diarynote.jp/?day=20050906
http://43142.diarynote.jp/200704251227010000/
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http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
https://43142.diarynote.jp/201801100512178732/
▶︎過去の、吉田達也
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/201302181123344904/
https://43142.diarynote.jp/201907180809371988/
▶︎過去の、井谷享志
http://43142.diarynote.jp/201701101136544400/
https://43142.diarynote.jp/201801100512178732/
https://43142.diarynote.jp/201901141236416025/

<今日の、定義>
 ビルボードライブのほう、シャイアズの発言を受けて、イズベルがヴァイオリンとフォドルの違いを言う。けど、聞き取れず。なんか彼のMC、訛っている感じもないのに普段以上に分かりづらく感じた。悲しいのお。ピッチが甘くてもグルーヴがあれば許されるのがフィドルで、ピッチが悪いときついのがヴァイオリンと、ぼくは解釈しております。

Heartful★Funks

2020年1月15日 音楽
 秋葉原・クラブグッドマンに行き、大阪のソウル・バンドのHeartful★Funksを見る。ヴォーカル、ギター、ベース、ドラム、パーカッション、そしてサポートのキーボードという布陣。本当はアルト・サックス奏者もメンバーにいるが、今回の東京遠征は欠席とのこと。

 オーダーメイドの、オフではよほどスカしていないと着ることができないだろうスーツ(ピンプ風ともいう?)をそれぞれ別デザインで着ていたりして、つかみはOK。ぼくはファンクはある意味ヤクザで人でなしが音楽に向かうときだけ一気に正のヴェクトルを得る表現だと思っているので、ハートフルであることを謳う必要はないと思うが、さすがそれをバンド名に出すだけあって“音楽への純情”をすうっと出す連中だな。チームワークも良さそう。

 面々は、テンダーな情緒を抱える曲を基本やる。出て間もない最新EP「WONDERLAND」(URBAN RENEWAL URHF-1001)の2曲はともにE.W.&F. (2006年1月19日、2012年5月17 日)のメロディアス曲のノリを自分たちの領域に持ってこようとする意思をたたえていますね。1曲はアース的パヤパヤ調のコーラスも入っており、それはショウのときも耳に残った。ともあれ、シンガーの声質もダーティではなくメロウ目なのでその指針はあっているし、それは他の同型バンドとの差別化を図れるはず。とかなんとか、曲作りは確か。パーカッション奏者もいるので1曲はワシントン・ゴー・ゴーふうにうねる曲もやり、ずっと刻み中心だったギタリストがソロをとった曲はほんのりP-ファンク的に広がる箇所もあった。

▶過去の、E.W.&.F.関連
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm フィリップ・ベイリー
http://43142.diarynote.jp/200601271855390000/ E.W.&.F.
http://43142.diarynote.jp/200803051002560000/ モーリス・プレジャー
http://43142.diarynote.jp/200804030045430000/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/ ラリー・ダン シェルドン・レイノルズ
http://43142.diarynote.jp/201011140051119042/ フィリップ・ベイリー モーリス・プレジャー
http://43142.diarynote.jp/201109171048385669/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/201207031311348277/ モーリス・プレジャー
http://43142.diarynote.jp/201209191235365909/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/201301051329276221/ アル・マッケイ
http://43142.diarynote.jp/201205301252113538/ E.W.&.F.
http://43142.diarynote.jp/201412011305372891/ アル・マッケイ
https://43142.diarynote.jp/201602290953239524/ アル・マッケイ

<今日の、あらー>
 岩本町駅からグッドマンに向かう際、コンビニ前で外飲みする集団あり。寒いのに元気だなーと思いつつ、すれ違いかけたら1人から声をかけられる。お、旧知のキーボードのおねいちゃんじゃないか。聞けば、先にグッドマンに出演し和んでいるのだそう。そういう、予期せぬ邂逅って好き。この日は、4バンドの出演であったのか。

 けっこうゆるい感じで進められているのに、途中から下のフロアの客が次々に立つ。それ、「ア・ウーマン・ニーズ・ラヴ」をはじめ曲のパワーですね。間違いなくギターの名手であるとともに、秀でたソングライターやプロデューサーでもある彼のワーキング・グループのショウは、鉄板な感じで進められた。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。

 歌とギターのレイ・パーカー Jr. (2005年3月8日、2011年5月17日、2012年9月8日、2018年3月28日)に加え、歌とパーカッションのアーネル・カーマイケル 、鍵盤のマイク・ローガン、歌と鍵盤のドミニク・トニー、アルト・サックスやフルートや鍵盤のチャールズ・グリーン、ギターのロブ・ベイコン、ベースのレディー・フレディー ・ワシントン、ドラムのドネル・スペンサー Jr. 。カーマイケル、トニー、グリーン、ワシントン、スペンサーJr.は、前回のザ・レイディオ公演にも同行。今回一緒に来るのがうれしいロブ・ベイコン(2012年12月9日、2014年9月6日、2014年9月10日)は右利きだが、ネックを左利き用のそれに代えている。それもまた、ジミ・ヘンドリックス憧憬の表れですね。ヘンドリックス調の演奏はしなかったが、硬軟併せ持つ彼のギター演奏はさすがなり。いいギタリストは良いギタリストを知る、ですね。

 余裕たっぷり。そうかと頷いてしまったのは、メンバーたちそれぞれにスポットを当てるパートを設けていたこと。リズム・セクションにもそれぞれソロの演奏パートを設け、アルト・サックス奏者をフィーチャーするパートでは、JBの「パス・ザ・ピース」とパーラメントの「P-ファンク(ウォンツ・トゥ・ゲット・ファンクド・アップ)」も繰り出される。その際、メンバーが携帯のライトをかざし、一部の客はお返しもする。わあ、「フラッシュライト」(ファンカデリックの大ヒット曲)合戦? 自分のヒット曲もファンク偉人の曲群もみな大きな輪っかのなかにあるフリカン・アメリカンの誇るべきレガシーなり。なんか、そんな思いをぼくはばっちり受けてしまい、その山ほどの娯楽性を抱えたショウにある本意に頷いてしまった。毎日新聞25日夕刊に、この晩の公演評が出ます。

▶︎過去の、レイ・パーカーJr.
http://43142.diarynote.jp/200503120546520000/
http://43142.diarynote.jp/201105181052427410/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/ ジョー・サンプル&ザ・クリオール・ジョー・バンド
https://43142.diarynote.jp/201803290839504415/
▶過去の、ロブ・ベイコン
http://43142.diarynote.jp/?day=20121209
http://43142.diarynote.jp/201409100929108025/
https://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
https://43142.diarynote.jp/201409111424501752/

<今日の、その後>
 ライヴを見た後に、昨年転職し六本木に職場が変わった知人と会う。<あるある、転職こんなじゃずじゃなかった>がサカナ? それで、少しでも気が紛れれば←と、いい子ぶりっこ。いいところで移動し河岸を代えたら、行った先に知り合いが2組。1人はヘタすると15年ぶりぐらい? なんか世界が狭い感じもしちゃうが、こういうヤアヤアがずっとできるといいな。

 トランペッターの五十嵐一生(2000年3月12日、2000年5月9日)の55歳の誕生日を祝うライヴを、代官山・晴れたら空に豆まいて で見る。共演者はヴォーカルと(1曲ピアノ)のケイコ・リー、歌とフリューゲル・ホーンのTOKU、エレクトリック・ベースの日野JINO賢二とマーティー・ホロウベク、ピアノの後藤浩二、ドラムの石若駿。フロアには椅子がびしっと並べられていたが、満席。後ろのほうは立ち見客も出ていた。けっこう、淀みなくしゃべる人なんだな。自ら店に出演したいと申し出たと、五十嵐がMCで言っていた。

 まず、プリセットのキーボード音を流して、1人で演奏。彼は、青色が入ったトランペットを吹く。一時のマイルス・デイヴィスは紅色のトランペットを吹いていたが(同じメイカーのもの?)、マイルスを好きなんだろうなという無形の何かを彼の演奏は抱える。その後、後藤が出てきて、「ノルウェーの森」をデュオで演奏。吹く口、いい感じ。そして、ケイコ・リー(1999年8月29日、2011年1月31日)が出てきてトリオで、「ナイト・アンド・デイ」。演目はスタンダード中心。4曲めには、在日豪州人のホロウベクと石若(2014年9月26日、2016年6月27日、2016年7月21日、2016年9月4日、2017年6月21日、2017年7月12日、2019年1月21日、2019年3月16日、2019年11月26日、2019年12月14日)が加わる。次の曲で、さらにTOKU(2000年2月25日、2001年9月6日、2004年3月10日、2006年2月16日、2008年8月19日、2011年3月16日、2012年6月19日、2013年9月22日、 2014年2月5日、2015年3月19日、2015年3月28日、2016年3月1日、2016年12月12日)とJINO(2006年1月9日、2011年7月25日、2012年3月24日、2014年4月22日、2018年11月6日)2019年8月7日)も出てきて、全員でことにあたる。あらー、仲がいい人を呼んだだけかもしれないが、エレクトリック・ベーシストが2人……。

 1990年代にいろいろリーダー作も出し、若手ピカ一のジャズ・トランペッターなんても言われた御仁。病気とかもし、退場していた時期もあったようだが、素直に音楽に向き合っているという感想を得た。ファースト・ショウが終わったところで、移動。

▶︎過去の、五十嵐一生
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm オノセイゲン・アンサンブル
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm 本田珠也プラネットX
▶︎過去の、ケイコ・リー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
https://43142.diarynote.jp/201102091716363238/
▶過去の、TOKU
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm ロニー・プラキシコ
http://43142.diarynote.jp/200403101442170000/
http://43142.diarynote.jp/200602171950040000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20080819
http://43142.diarynote.jp/201103171354125352/
http://43142.diarynote.jp/201206210944302024/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130922
http://43142.diarynote.jp/201503211741478728/
http://43142.diarynote.jp/?day=20150328
http://43142.diarynote.jp/?day=20160301
http://43142.diarynote.jp/201612171246253699/
https://43142.diarynote.jp/201804110754439999/
https://43142.diarynote.jp/201908080956036775/
▶過去の、日野賢二
http://43142.diarynote.jp/?day=20060109
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120324
https://43142.diarynote.jp/201404260858553785/
https://43142.diarynote.jp/201811071446015153/
▶︎過去の、石若駿
http://43142.diarynote.jp/201409291402101328/
http://43142.diarynote.jp/201607221000152412/
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170621
http://43142.diarynote.jp/201707130853185809/
https://43142.diarynote.jp/?day=20180404
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/
https://43142.diarynote.jp/201903171331065828/
https://43142.diarynote.jp/201911270846588562/
https://43142.diarynote.jp/201912161052582124/

 人形町・元オムチャントーンで、エチオピアからやってきているハディンコのパフォーマンスを見る。彼は同国の伝統弦楽器であるマシンコを弾きなら、歌う。小さな会場だが、超満員。そして、すぐに日本に住むエチオピア人も集まっているというのを了解。

 1本の弦を1本の弓で弾くマシンコはプラグドされているのだが、いい音だしていた。いろんな音も出していて、中国の胡弓を思わせるものから、ノコギリをギーコギーコやっているような太い濁音系のものまで、多彩。楽器の成り立ちや奏法はシンプルそうであり、それで幅の広い音を出すハディンコはすごいマスターなのだと思う。彼は、エチオピアの伝統楽器である細長い笛を吹いたりもした。その際、竹製で日本にも同様の伝統楽器があるよねと彼は言う。歌はアムハラ語で、MCは英語。いかにもナイス・ガイ臭のする彼は20代後半らしい。

 彼はときにスマホをいじり、プリセットのビート音を出して、それに合わせて演奏し、歌う。歌声は太く、味あり。その際、リアーナだかの米国R&B曲もやったようだ。他はトラッドとかエチオピアの有名曲だかをやったろう(オリジナルもあったのかな?)が、その際の同胞の反応がすごい。一緒に歌ったり、アウアウアウアウという印象的な嬌声をあげたり。もう、ココハドコてな感興をごんごん覚えてしまった。

 簡潔に書けば、エチオピアすごいっ。考えてみれば、ぼくはエチオピア人をシンガーに置く豪州のデレブ・ザ・アンバサダー(2013年9月7日、2018年10月21日)のような存在には触れているが、ちゃんとエチオピアに住むミュージシャンの実演には初めて触れるのではないか。エチオ歌謡というと日本の演歌との親和性が語られるが、彼は1曲日本の童謡(だったよな?)をやり、また沖縄民謡を思い出させるような曲も歌う。面白すぎる。ラスタ思想のコアでもあるし、エチオピア興味深すぎます。なにより、ライヴはすごい生理的に豊かで、超楽しかった!

▶︎過去の、デレブ・ザ・アンバサダー
http://43142.diarynote.jp/201309161507226186/
https://43142.diarynote.jp/201810221139492314/

<今日の、アフター>
 終演後、お店に来ていたエチオ女性陣と少しお話する。日本人と結婚している人もいて、皆日本語はすらすら。そんなにこっちに住むエチオピア人は多くないと言っていたが、今エチオピア航空による直行便が週4便あるんだそう。ところで、初人形町駅下車であり、初めて行くお店。1階がバー・カウンターなどがり、2階ライヴやDJをやったりするようだ。レジデントDJのどいちゃんがドーナツ盤中心で回していてマル。帰りは、一本で帰れる水天宮駅へ。ここからタクシー帰りはちょいきつい。駅への広い道に提灯がずらりディスプレイされていた。

Yasei Collective

2020年1月19日 音楽
  広角型インストゥメンタル・バンドのYasei Collective(2013年8月22日)の特別性ライヴ(なんかの10周年を祝うという名目ナリ)を、六本木・ブルボードライブ(ファースト・ショウ)で見る。ファースト・ショウ。

 ドラムの松下マサナオ(2017年6月21日、2017年7月8日)、エレクトリック・ベースと鍵盤の中西道彦 、ギターとヴォコーダーと鍵盤の斎藤拓郎 のメンバーに加え、エレクトリック・ピアノの宮川純(2015年10月15日、2016年8月10日、2018年9月28日、2019年1月21日)、鍵盤と打楽器のSakina、トランペットの類家心平 (2011年5月5日、2011年7月31日、2014年6月13日、2014年9月25日、2014年12月28日、2015年5月20日、2017年6月21日、2017年9月2日、2018年1月19日、2018年5月13日、2018年7月7日、2019年3月29日)、ラップのKid Fresino 、ピアノの古谷淳(2018年4月7日)、アルト・サックスとウィンド・シンセサイザー連動のヴォーコーダーの小西遼、ヴォーカルの吉田沙良(2014年2月20日、2016年8月10日、2018年5月13日 )と沖メイ、ギターの井上銘(2016年6月27日、2017年6月21日、2019年1月21日)、オルガンとピアノの宮川純(2015年10月15日、2016年8月10日、2018年9月28日、2019年1月21日)が曲によりいろいろ入る。進行役は松下が進めたが、ゆる〜いようでちゃんとゲスト陣と出し物が練られていて関心した。

 まず、3人で演奏。昔見たときと比較すると、だいぶ見聞を広げ、現代的な志向を取っていることを認知する。そして、どの曲も松下のバラける感覚を抱えたドラミングが今っぽいと頷く。確かなジャズ素養をベースに様々な現代ドラマーの奏法を吟味しているのは間違いないと、それは思わせる。そんなに大きいキットを使っているわけではないが、スネア二つとパッドを松下は置いていた。

 その後、そこにゲスト陣が様々に入る。ギター奏者同士のデュオあり、その曲と本編最後の曲はフリー・フォーム。徳永英明や山下達郎の曲のひねったカヴァーもあり。アンコールのまた3人でやったのはデビュー時の曲だそうだが、なんかクラブ時代のYMOみたいな聞き口があった。

 すんごく、面白うございました。20日も別ゲストをいろいろ迎える公演を彼らはする。

▶︎過去の、松下マサナオ/Yasei Collective
http://43142.diarynote.jp/201308251333326263/
https://43142.diarynote.jp/?day=20170621
https://43142.diarynote.jp/?day=20170708
▶︎過去の、宮川純
http://43142.diarynote.jp/?day=20151015
http://43142.diarynote.jp/201608111103309626/
https://43142.diarynote.jp/201809290719113115/
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/
▶過去の、類家心平
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/201108101624025366/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
http://43142.diarynote.jp/201412301043067796/
http://43142.diarynote.jp/201505211022511238/
http://43142.diarynote.jp/201609201648546159/
http://43142.diarynote.jp/201610100849458472/
http://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
http://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
http://43142.diarynote.jp/201801200930278094/
http://43142.diarynote.jp/201805150750157494/
https://43142.diarynote.jp/201807080932266789/
https://43142.diarynote.jp/201903301004154036/
▶︎過去の、古谷淳
https://43142.diarynote.jp/201804081516393408/
▶︎過去の、吉田沙良/ものんくる
https://43142.diarynote.jp/201402210802184994/
http://43142.diarynote.jp/201608111103309626/
https://43142.diarynote.jp/201805150750157494/
▶︎過去の、井上銘
http://43142.diarynote.jp/201606281737237220/
https://43142.diarynote.jp/201706220952582448/
https://43142.diarynote.jp/201901231045028294/

<今日の、記事>
 新聞にカラー記事で、なんとウガンダの時期大統領を目指すミュージシャン兼国会議員のボビ・ワインのことが載っている。彼の紹介にあわせて、アフリカの独裁長期政権の様を伝える記事。ワインは2年前に大統領側に投獄され、デイモン・アルバーン(2003年5月31日)らが抗議したことがニュースになったことがありしたね。彼の音楽はシンセサイザー多用のサウンドが味気なさを誘うが、ポップ。少しリンガラぽかったり、レゲエぽかったり、とかいろいろで、声にはさすが力がある。
▶過去の、デイモン・アルバーン/ブラー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-5.htm

 まず、ヒューマントラストシネマ渋谷で、2018年フィンランド/ノルウェー映画を見る。ここでの映画「ヘヴィ・トリップ」上映は、朝の9時25分からの回だけ。60席の場内はすんごい空いていたが、受け付け階にはそれなりに人がいた。少し遅れて別シアターで始まる映画版「ダウントン・アビー」を見る人たちなのだろうか。その元となる英国TVシリーズはシーズン1だけはさくっと見てよくできていると思ったが、その後も光TVチャンネルにおいてシーズン6まで見ることができるものの、見ていない。

 フィンランド田舎のアマチュアのワケあり青年ヘヴィ・メタル・バンド、隣国のフェスを目指す。といった大筋の、破天荒なコメディ映画。もうヴァイキング愛好会まで出てくるものなあ。なんか、笑いの音楽映画として既知感はところどころあるものの、無理なく、ケラケラ見させる。

 これを見て、ヘヴィ・メタルって、北欧版ヤンキー行為なの? と、ふと思う。とともに、その偽悪的な判を押したような喉を潰したヴォーカル・スタイルに俺はこれがダメなんだよなと確認しつつ(それがラップだったら、意外にいけるかもと主人公バンドのリハを見ながら思った)、ヘヴィ・メタルをやるのは真面目な青年たちが悪ぶりたいはけ口として邁進する行為なのかとも感じる。すると、ヘヴィ・メタラーの多い北欧は真面目な人が多いということになるナ。

 続いては、TOHOシネマズ渋谷で、2019年アメリカ映画「フォードvsフェラーリ」を見る。映画「ヘヴィ・トリップ」終了後にチケットを買ったときはまだガラガラの席表示だったが、開演時間を少し過ぎて入ったとき(TOHOシネマズは本編上映前の宣伝告知が長すぎて、いい加減にしろとなる)には半分は埋まっていた。

 1960年代中期の仏ル・マン24時間耐久レースのフォードとフェラーリの確執ありの攻防模様を描く映画だ。会社規模で言うと米国メジャーと欧州インディといった感じで話にならないのだが、こと自動車レースとなるとまた別。フェラーリもアコギなところもいろいろあったはずだが、フォードという悪車ばかり出して結局倒産寸前にまでなった米国を代表する虚栄心だけはデカいダメ企業(その認識は、映画の作り手にもあったかもしれない。レース結果の顛末の扱いに触れると、そうなのかもとふと思う)を話の中央に置き、タイアむき出しのワン・シーターのレーシング・カーではなくプロト・タイプながら屋根付き2シーターの自動車のレースを扱うというところに、かつて相当カー・レース(ま、F1ですが)にはまったことがあるぼくはいまいち醒めるところもありはするものの、それでも面白い。とにかく、カー・レースのシーンは本当に見入らせる。その際、音楽はハンス・ジマーとかを例に出したくなる浅薄なシンセサイザー・サウンドが使われるが、それもなんかあっているものなあ。2時間半という長めの映画だが、もうジレずに見とおせちゃう。本日、2本目の映画であったにも関わらず。

 しかし、主人公レーサーであるケン・マイルス役の、実際のマイルスと同じ在米英国人であるクリスチャン・ベールはお得な役を得たなと、皆んな思うのではないか。ぼくは2013年米国映画「アメリカン・ハッスル」の演技に関心したことがあるが、こっちの方が好きかもしれない。そういえば、映画にはエンツォ・フェラーリ役やヘンリ-・フォード2世役や後にフォードの社長やクライスラーの会長にもなるリー・アイアコッカ役も出てくる。当時の米国国務長官は1960年にわずかながらフォードの社長を務めた分析くんのロバート・マクナマラだった。彼をホワイト・ハウスに引っ張ったのは、ジョン・F・ケネディでしたね。

 ところで、映画「ヘヴィ・トリップ」にしても、映画「フォードvsフェラーリ」にしても男の映画であり、バカなところも含めて、男の素敵を描いた作品と言える。まあ、後者はそこに米国映画らしくファミリーも絡めてはいるものの。ともあれ、ヘヴィ・メタルにせよ、自動車レースにせよ、完全な男社会。やっぱり、オトコのほうが楽しみの選択肢は広いのか。一応、リベラルな態度を取りたい人なので、女性の方々ごめんなさいという気持ちに少しなった。でも、女性だって、女性だけの誉れがいろいろあるんだと思う。

<今日の、お日様>
 朝起きて新聞を読んでいるうちに、燦々と日が部屋に差し込む。晴天の日は毎度のことだが、室内の温度がごんごん上がる。冬晴れの部屋のなかって、本当に快適だな。実は昨日少し発熱し飲みの用事をごめんなさいし、今日も安静かなと思っていたのだが、気持ちいいので、朝からで出かけちゃうことにした。ヒヒヒ。ル・マン24に関することことで、昔ぼくはこんなことを書いた(一番、最後のほう)。https://43142.diarynote.jp/201205080615346806/ 。今は、すっかりレースの知識は忘却のかなたとなった……。

 うわー。もう、ショウの頭から場内盛り上がりまくり。この米国LAのロッキン・ソウルのビート・バンド(2012年8月20日、2014年8月20日、2015年8月20日)の真価を、ぼくは確認しまくり。撮影していたら、いいライヴDVDが出来上がったろうなあ、とも思う。でも、それって、毎度のことだったっけ? とは思いつつ、ヴォーカリストはよりいい感じにソウルフルに歌い、アクションも惹きつけるし、バンドの音もばっちりで、ライヴ・バンドとして進化しているかとも感じました。

 1枚だけでブルーノートから離れた彼らは、2018年から2019年にかけて『Capter Ⅱ』と名付けた3種のEPをマギー・エンターテインメントというところ(彼らを仕切る、米国の大物マネージャーであるドン・マギーの個人レーベルか?)からリリース。その内訳は、1枚目/新曲5曲、2枚目/1枚目収録曲のアコースティック・ヴァージョン5曲、3作目/新曲5曲とライヴ曲5曲、というもの。しっかり、1枚分のマテリアルは発表しているんだよなあ。プロデュースは、サンタナ(2013年3月12日)の『シャーマン』のそれをやっているジーヴ。スタジオ曲群はケイマン諸島で2回に渡り録られた。

 歌のタイ・テイラー、ギターのナル・コルト(1曲。スライド・バーも使用したが、ギターはそのままにオープン・チューニング使用風の音をきれいに出したのは??だった)、ベースのリック・バリオ・ディル、ドラムのリチャード・ダニエルソンという4人に加え、レッド・ホット・チリ・パッパーズ(2002年7月28日、2002年11月2日、2007年6月5日)やレニー・クラヴィッツの近作にコーラスで入っていたアフリカ系女性のケニア・ラムジーがバックグラウンド・ヴォーカルでつく。でも、彼女の声はあんまり目立たなかった。だって、テイラーの歌声が立派すぎる。また、ラムジー嬢の歌のPAのレヴェル、もう少し高くていいんじゃないか。

 しかし、タイ・テイラーはすごいなあ。あんなに動いても、全然ヴォーカルに影響が出ない。とっても長いシールドのマイクを持って歌うが、シールドで縄跳びをしたりもした。また、1曲ワイヤレスのマイクに持ち替え、その際は1階フロアをと歌いながら練り回り、2階の前の席の長いテーブルの上を端から端まで歩き、さらには横の2階席のほうまで出張る。ぼくがここで見たアクトのなかで1番会場内を動いた人となるか。ステージにはトロンボーンが置いてあり、どうするのかと思ったら終盤テイラーが持ちながら歌ったが、結局吹かず。アンコールが終わったあと、面々は通常使われるのとは反対のほうからステージを降り、一階客席フロアを横切り、ファンと握手しながら帰っていった。いろいろな部分で、お見事でした。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。

▶過去の、ヴィンテージ・トラブル
http://43142.diarynote.jp/201209121315025654/
http://43142.diarynote.jp/201408210931581467/
https://43142.diarynote.jp/201508210809254412/
▶︎過去の、カルロス・サンタナ/嫁のシンディ・ブラックマン・サンタナ
https://43142.diarynote.jp/200812281442184528/
https://43142.diarynote.jp/201303211531189619/
https://43142.diarynote.jp/201905100759197664/
▶︎過去の、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm フジ・ロック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200706061354020000/

<今日の、情報>
 昨年夏に日本人のバンドとツアーをやったオーストラリア人R&B歌手のデニ・ハインズがただ今、来日している。今回は、前回サポートの人たちと曲作りをし、レコーディングをするという目的。それ、昨年の経験の覚えよろしい彼女の申し出でだそう。

 NY在住のセッション・ミュージシャンがつるんだトリオの公演を、丸の内・コットンクラブで見る。ファースト・ショウ。ギタリストのウェイン・クランツ(2010年2月19日、2016年10月29日)、電気ベースのティム・ルフェーブル(2010年2月19日、2014年2月11日、2016年4月1日、2017年2月2日、2019年2月8日)、ドラマーのキース・カーロック(2010年2月19日、2019年3月26日、2019年12月12日)という単位を見るのは、ちょうど10年ぶりだ。

 前に見たときより、より印象が良い。いやあ、そうなんスかと頷いた。一応クランツが先頭に立った(数少ないMCも彼がした)三位一体表現とも言える演奏は、ジミ・ヘンドリックス・エキスペリエンスの現代ハード・ジャズ版と言えるところもあのではないか。まあ、かなり勢いを持つ一発調のロックっぽいインストとも言えるのだが、クランツのギターにまず感心する。基本ぐちゃぐちゃという質感の複音弾きを多用し〜そうすると単音のソロをちょい繰り出す際にも映える〜、流れていく様はなんかいい。ずらりとエフェクターを並べているわけではないのに、攻める音をごんごん差し出す様には快感を覚えた。なんかぼくの中で、今の過剰にエスタブリッシュされていないNY在住のギタリストのなかでトップ級にいけると思ったかもしれぬ。少し、ロッキッシュな際のスコフィールド(1999年5月11日、2001年1月11日、2002年1月24日、2004年3月11日、2006年3月1日、2007年5月10日、2008年10月8日、2009年9月5日、2012年10月10日、2013年10月21日、2015年5月26日、2018年9月2日、2019年5月30日)もいらないかと思った? いや、あの人はあの人で深いとこあるからな……。

 いくつかの曲というかリフをつなげる感じで演奏し、4つぐらいの塊をやったか。一番短いやつは、AC/DC(2001年2月19日)の「バック・イン・ブラック」みたいなギター・リフから始めた。と、クランツのことばかり書いたが、結構、臨機応変に絡むリズムの2人もまた頼もしい。テデスキ・トラックス・バンド(2016年4月1日、2014年2月11日、2019年6月14日)を辞めちゃったルフェーブルはときに足元に置いたエフェクターを手でいじって音色を大きく変え、サウンド総体をプッシュ。この3人+で録られているクランツの自主リリースの2020年新作『Write Out Your Head』とも肌触りが異なる、甘さや潤いゼロのがちんこジャムのり演奏にぼくは酔った。そうなるのが分かっていたのか、観客の拍手もこういうの待っていましたという感じでどんどん熱を帯びていった。

 年末にも来日しているカーロックは相変わらず機関銃のような(誇張していますね)ビートを楽々レギュラー・グリップでこなす。そんな彼はスネアをけっこう客席側に傾け(ようは、ヘッドがぼくたち観覧者から見える)て、叩く。そういうセッティングをするのはマーチング・バンドのスネア経験者だと聞いたことがあるが、なるほど。

▶︎過去の、ウェイン・クランツ
http://43142.diarynote.jp/201002211122268480/
https://43142.diarynote.jp/201610311234024646/
▶過去の、ティム・ルフェーヴル
http://43142.diarynote.jp/201002211122268480/
http://43142.diarynote.jp/201402121439433317/
http://43142.diarynote.jp/201604020743314542/
https://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
https://43142.diarynote.jp/201902090716285574/
▶過去の、キース・カーロック
http://43142.diarynote.jp/201002211122268480/
https://43142.diarynote.jp/?day=20190326
https://43142.diarynote.jp/201912131809318090/
▶過去の、ジョン・スコフィールド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live2.htm 5.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm 1.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm 1.24
http://43142.diarynote.jp/200403111821250000/
http://43142.diarynote.jp/200603011148430000/
http://43142.diarynote.jp/200705181809270000/
http://43142.diarynote.jp/200810111558046727/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090905
http://43142.diarynote.jp/201210111837516874/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
http://43142.diarynote.jp/201505271549266046/
https://43142.diarynote.jp/201809071509481583/
https://43142.diarynote.jp/201905310800294940/
▶︎過去の、AC/DC
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
▶過去の、テデスキ・トラックス・バンド
http://43142.diarynote.jp/201402121439433317/
https://43142.diarynote.jp/201604020743314542/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/

 その後は、代官山・晴れたら空に豆まいて に向かう。やっているのは、<Soul of BO GUMBOS >というボ・ガンボスの どんと の没後20年という節目を迎えての企画。そのメイン・アクトはROSA LUXEMBURG→ BO GUMBOSと どんと と行動を共にしたDr.toshこと永井利充のバンドであるHare Hare。この晩は、彼らの関東“祝祭ツアー〜 Hare Halation2020〜”の初日となるよう。

 しかし、ミディが送り出したロック・バンドであるローザを経て、ボ・ガンボスが出てきたときには、その音楽性だけでなく、カラフルで自由な佇まいが本当に魅力的だった。ここには、扉を開けた、新しい気運があると思わされたもの。ぼくの知人にほぼおっかけ状態だったおねえちゃんがいたけど、彼らは本当に華々しく、フレッシュな態度を抱えていた。そして、BO GUMBOSは支持を集めた。エピック・ソニーの売り方もうまかったのかもしれないが、それはバブル期の開放感もプラスしたのかもしれない。とも、少し思う。面々、すぐにニューオーリンズに行ったりもしたしネ。そういえば、2007年のカーニヴァル・シーズンにニューオーリンズにぼくが行ったときゲットした、マルディグラ紹介のパンフレットの一つに どんととそっくりの化粧顔の人の写真が使われていてびっくりしたな。

 遅れて会場入りすると、最初の出演者の越路姉妹(2006年3月6日、2006年8月22日、2009年10月12日、2013年2月17日、2019年2月21日)の出番は終わっていて、佐藤タイジ(2000年7月29日、2001年12月9日、2001年12月22日、2002年7月21日、2002年11月15日、2003年6月22日、2004年1月16日、2004年1月30日、2005年2月15日、2010年2月25日、2011年5月18日、2011年8月15日、2015年10月3日、2019年5月21日)がソロでパフォーマンス中。プリンスの曲も歌っていたが、アコースティック・ギターを少しループさせたりもしてて、喉力たっぷり。

 そして、Hare Hare。20年前にDr.toshのライヴを見て(友人のバンドを赤坂のハコに見に行ったら〜そのときのベーシストはTOKIE:2001年3月19日、2001年5月29日、2003年12月18日、2004年11月7日、2005年7月30日、2006年1月9日、2006年3月23日 だったんじゃないか〜、そのあとに出てきたのが彼のバンドであまりの良さにびっくりした記憶が鮮明に残っている)以来だが、まずタッパのある当人が格好いいと思う。ものすごーくゆるいMCをするのだが、体は緩くない。もう、二の腕なんて鍛えている感じもあるものなあ。サム・ピックでぐつぐつベースを弾きながらう歌う彼にくわえて、ソウルフルな歌い方のできる女性シンガー(コントローラーを用い弦楽器的な音も担う)、フルート担当の外国人女性、キーボートとアコーディオン、ギター、とってもタイトに叩けるドラムという編成のバンドだ。

 大昔に見たときはブーツィ・コリンズ(2011年8月12日、2012年5月31日)流れのファンクで攻めていたという印象があるが、Hare Hareはより間口が広がっている。もっとスピリチュアルだったり南国系の手触りがあったり、ほっと感じさせるメロディがあったり。何にせよ、Dr.toshの濃い歌が頼もしい。拍手! その後も用事ありで最後まで見れなかったが、先の出演者たちも彼らにまじったりしたのかな?

▶︎過去の、越路姉妹
https://43142.diarynote.jp/200603100919230000/
https://43142.diarynote.jp/200608271340380000/ https://43142.diarynote.jp/200910141731349364/
https://43142.diarynote.jp/201302191656063458/
https://43142.diarynote.jp/?day=20190221
▶過去の、佐藤タイジ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm シアターブルック(7月29日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm マルコス・スザーノ+沼澤セッション(12月9日、12月22日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm パウリーニョ・モスカ+スザーノ+沼澤 セッション(7月21日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm シアターブルック(6月22日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm サンパウロ(11月15日)
http://43142.diarynote.jp/200401160000000000/ 勝井、鬼怒、佐藤、沼澤セッション
http://43142.diarynote.jp/200402051858240000/ サンパウロ
http://43142.diarynote.jp/200502161844550000/ マルコス・スザーノ+沼澤 セッション
http://43142.diarynote.jp/?day=20100225 マイア・バルー
http://43142.diarynote.jp/201105191057129864/ ソロ
http://43142.diarynote.jp/?day=20110815 佐藤、高野、うつみ
https://43142.diarynote.jp/201510051403147675/ 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015 アフター・パーティ
https://43142.diarynote.jp/201905220902467859/ シアターブルック
▶過去の、TOKIE
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200411141142200000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050730
http://43142.diarynote.jp/200601111700180000/
http://43142.diarynote.jp/200603281351530000/
▶︎過去の、ブーツィ・コリンズ
http://43142.diarynote.jp/201108131129381378/
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
▶︎2007年の、ニューオーリンズ
https://43142.diarynote.jp/200702090041480000/
https://43142.diarynote.jp/200702112125550000/
https://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
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https://43142.diarynote.jp/200702122331460000/

<今日の、疑問>
 今さらながら、ふと思った。エアコンの自動フィルター掃除機能は便利。だけど、それによって集められた埃はどこにいくのだろう?

川井郁子

2020年1月24日 音楽
 ヴァイオリン奏者の川井郁子の、うわあという編成による公演を見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。

 和太鼓の吉井盛悟、ピアノとキーボードの林正樹(2013年9月6日、2015年9月27日、2015年12月17日、2016年7月16日、2018年5月13日 、2019年1月7日、2019年10月6日、2019年11月19日、2019年11月21日、2019年12月18日)、バンドネオンの鈴木崇朗、パーカッションのクリストファー・ハーディ、ダブル・ベースの早川哲也、尺八の小湊昭尚、ヴォーカルのtea (2017年10月10日、2019年10月30日)、ヴァイオリンの倉冨亮太と村尾隆人、ヴィオラの井上祐吾、チェロのクリストファー・聡・ギブソンという和洋の奏者12人がステージに位置する。

 そして、背中をぐりんと出すタイトな黒光沢のドレス(身体はっているナと思う)川井が中央に位置するわけだが、なるほどうまい、雄弁だなと思う。だが、それとともにへえと思わせられるのは、先に書いたいろんな属性を持つ奏者たちを束ねて、音楽ジャンル軸と時代軸を交錯させたクロスオーヴァー音楽を提出しているところ。それ、なんかクリス・ボッティ(2015年7月9日)の欲張りなアルバム作りと重なるところがあるかもしれないが、いたってそれが自然で疑問なく聞けちゃった。

 素材も、シャンソン、映画音楽、タンゴ、マヌーシュ・スウィング、クラシック、オリジナルといろいろ。そして、それらを多様なメンバーのもと曲趣を地に起きつつ、私が考えるポピュラー・ミュージックとして書き換えている様も興味深かった。クラシックの気の遠くなる経験に支えられたヴァイオリン演奏を根に置く、難解さを排した大人のハイパー・ミュージックという説明をぼくは用いたくなったかな。ブラジル音楽やケルト音楽などに発想の種を求める時期も来る? 4曲ほどだったが、teaの荘厳なスキャット・ヴォーカルも効果的。なるほど、こういう歌い方でも本領発揮する人なんですね。

 優美にストーリー性豊かに、横断していくヴォイオリン音楽。MCによれば、彼女は旧店舗時代にシーラ・E( 2002年8月12日、2006年8月10日、2009年5月11日、2009年9月20日、2011年1月19日、2014年6月29日)の公演にゲストでブルーノート東京に出たことがあるそう。

▶過去の、林正樹
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
http://43142.diarynote.jp/201512271306411506
http://43142.diarynote.jp/201607191312426603/
https://43142.diarynote.jp/201805150750157494/
https://43142.diarynote.jp/201901090933013218/
https://43142.diarynote.jp/201910070759405954/
https://43142.diarynote.jp/201911201705565775/
https://43142.diarynote.jp/201911230723444744/
https://43142.diarynote.jp/201912191314476679/
▶︎過去の、tea
https://43142.diarynote.jp/?day=20171010
https://43142.diarynote.jp/201910311450514339/
▶︎過去の、クリス・ボッティ
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▶過去の、シーラ・E
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http://43142.diarynote.jp/201101231220535615/
https://43142.diarynote.jp/201407030943343160/

<今日の、見聞>
 新春公演後、ブルーノート東京は2週間ほどメインテナンスのため閉まっていた。そして、今日から始まったわけだが、内装関係はほぼ変化無し。空調関係が刷新されたようだ。

 赤坂・橋の下で、テナー・サックスとアルト・サックスのRicky がリーダーシップを取るショウの2部を見る。アコースティック・ギターの大里健伍、ドラムの岡山たくととの3人による。Rickyは普段はFSPというダンサーも含めた大所帯のグループを率いていて、この晩の出演者は皆そのメンバーであるようだ。

 ベースレス編成のためドラマーはときにフロア・タムの上に小鍵盤を置き、右手でベース音を出しつつ、ハイハット、スネア、キックを扱う。3人でやるときは、ポップなスムース・ジャズ風の演奏を聞かせる。少しヴォーカルの若島史佳も加わり、その際はソウル色が加わる。

 そして、なんとそこに、1990年代にけっこう日本でも注目された(彼女の曲がNHKドラマの主題歌になったこともあったよう)豪州人R&B歌手のデ・ハインズがゲスト入りする曲もあり。実は、ハインズは今Rickyたちとせえの方式で曲作りを一緒にやっている。ここ2年間ほどは、彼女は気候や物価の安さからバンコクに居住。そして、タイに演奏に行ったRickyバンドを彼女が見初め、昨年両者は一緒に全国4箇所の日本ツアーを行った。そして、今回はハインズが申し出て、ゆったりしたスケジュールのもと東京で一緒に作業をしている。また、この後、Rickyたちがバンコク入りする予定もあるようだ。

 で、Rickyのライヴが入っていたこの晩、ハインズも笑顔で参加。上のやりとりがあるだけに、かみ合いはばっちり。オリジナル(なのかな?)やソウル・スタンダード「フィール・ライク・メイキング・ラヴ」などを、悠々と披露。P-ヴァインからも出た豪州録音の彼女の近作『ザ・ソウル・セッションズ』はバンド・サウンドでやることを重視したソウル名曲カヴァー集でしたね。実は、ハインズさんはとんでもなくフランクで、オープン・マインドな人。活力ある歌い方とともに、そういう側面が透けて見えるのがなんとも聞く者をノックする。やはり、人間性は大切。高揚できました。

<今日の、その後>
 会場にはオーストラリア大使館の方々も来ていて、ハインズをやんやと応援。分かるなあ、彼女にはそうさせる人間的な魅力がある。ところで、1970年シドニー生まれのデニ・ハインズはかなり興味深いバックグラウンドを持つ。母親のマーシア・ハインズ(1953年、ボストン生まれ)は14歳でニュー・イングランド音楽院の奨学金を得て入学したもののすぐにドロップアウト。16歳でオーストラリアに渡ったが、それはミュージカル「ヘアー」に出演するため。そして、その翌年にデニが生まれたが、出産して9日後にマーシアはまた「ヘアー」のステージに戻っている。そんな母親はそのままオーストラリアに滞在し、同国で女性として初のプラチナ・レコードを獲得するなどスター歌手として大成。奔放な彼女は4度ほど結婚しているようだが、デニはまだ2回。今の旦那さんは白人のよう。デニにお母さんは今も元気に歌っているんですよねと問うと、もちろんと笑顔。著名軍人でかつてアメリカの国務長官を務めたこともあるコリン・パウエルは母親のいとこと言われるが、それは事実だそう。日本酒/焼酎好きの彼女は、大好きな日本人ともっとコミュイケイトするために、タイに戻ったら日本語を学ぶと言っておりました。ライヴ後にインタヴューしたことを元にした記事は、2月8日の毎日新聞夕刊に出ます。

 六本木・ビルボードライブ東京で、在NYのブラジル人であるベベウ・ジルベルト(2014年11月28日)の公演を見る。ファースト・ショウ。なんと、1971年リオ生まれで2000年以降はニューヨークに住むギタリストのギレーミ・モンテイロ(2010年10月10日)だけのサポートでショウはすすめられる。彼は少しエフェクターを足元においていたものの、すべてガット・ギターでことをこなす。

 そのモンテイロはベベウ・ジルベルトの諸サポートはもちろんのこと、アナット・コーエンやカート・エリング(2012年6月21日、2016年3月1日)のアルバム録音に関与をするほか、ジェシー・ハリス(2002年12 月21日、2005年9月7日、2006年1月23日、2006年4月22日、2007年3月11日、2009年3月31日、2010年10月10日、2011年8月6日、2012年7月16日、2013年5月26日、2016年4月27日、2016年9月8日、2017年6月10日、2018年12月19日、2019年11月20日)が懇意にする在NYブラジリアン・グループであるフォホー・イン・ザ・ダークのメンバーでもありますね。

 デュオで粛々と。ベベウ・ジルベルトは白と黒のドレスを綺麗に身にまとい、高いヒールの靴を履いていたものの、背が高そうにも見え、ステージ上の見栄えはなかなか。そして、しっとりと上品にボサノヴァ・ソングブックをこなしていく。お、偉大な父親である昨年7月に亡くなったジョアン・ジルベルト(2003年9月12日)・トリビュートじゃないか。とは、皆思いますね。通常の物差しで言えば、彼女は歌が上手な方ではない。だが、豊かな人間性も感じさせるそのパフォーマンスはまったくもって悪くない。

 そう、その実演に触れて何よりも感じたのは、ベベウ・ジルベルトの温かな心地のようなもの。彼女の5年強前の公演の項にも書いているが、そういうものに触れると偏屈と言われた父親のイメージとの落差に考えは飛んでいくわけで……。実はジョアンってすごいいい人だったんではないかとか、母親のミウシャが度を越してファンキーだったとか……。なんか、ぼくなりに彼女のパフォーマンスに触れながら、ジルベルト家に対するもろもろを考え、これはいい父親トリビュートだったと言えるのかもしれない。そして、”静のベベウ”でずっと行くのかと思ったら、途中から自分の曲なども披露し、すると彼女のステージ上の動きが活発となる。拍手やスキャットも求めるなどする、客扱いもうまい。でも、ある種の品格のようなものはずっと携えていた。

 最後の曲が終わると、2人ならんでお辞儀。それは、拍手とともにどんどん深くなり、2人は両手をステージにつけ……。最後には、両者は腹ばいになり、腕立て伏せを始めた。そんなことする人には、初めて触れたか。ましてや、今日のようなタイプの公演ではとんと記憶にない。そんなことできちゃう人が悪いはずがないではないか!

▶︎過去の、ベベウ・ジルベルト
https://43142.diarynote.jp/201412011333568989/
▶︎ギレーミ・モンテイロ
https://43142.diarynote.jp/201010111257003810/
▶過去の、カート・エリング
http://43142.diarynote.jp/201207031311348277/
https://43142.diarynote.jp/201603111217517934/
▶過去の、ジョアン・ジルベルト
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm
https://43142.diarynote.jp/201906110953249486/ 関連映画
▶過去の、ジェシー・ハリス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200509130315380000/
http://43142.diarynote.jp/200601271859050000/
http://43142.diarynote.jp/200604251252010000/
http://43142.diarynote.jp/200703130418360000/
http://43142.diarynote.jp/200904040640421651/
http://43142.diarynote.jp/201010111257003810/
http://43142.diarynote.jp/201108101632022013/
http://43142.diarynote.jp/201207180824136323/
http://43142.diarynote.jp/201305280925006733/
http://43142.diarynote.jp/201605141103337291/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160908
https://43142.diarynote.jp/201706111121479426/
https://43142.diarynote.jp/201812201007219205/
https://43142.diarynote.jp/201911211432415461/

<今日の、天候>
 昨日、今日と、絶望的と書きたくなるぐらい寒い。でも気温を見ると、氷点下にはまだまだ程遠い。寒いと、歩いていて息が上がるのはどうしてなんだろう。だが、軽妙でもある2人のショウにふれて、なんかほんわか〜。その後の飲食の会話も滑らか〜。音楽の効用って、いろんなところに及びますね。

映画「衝動」

2020年1月29日 音楽
 スペイン人フラメンコ・ダンサーであるロシオ・モリーナ(2005年5月17日)の活動を追う、2017年フランス/スペイン映画(原題は「Impulso」)を渋谷・映画美学校試写室で見る。監督は23歳(1999年)以降、フランスに居住してTVドキュメンタリー畑で働くスペイン人のエミリオ・ベルモンテ。この作品が彼の初の長編ドキュメンタリー映画になるという。

 モリーナはもう押しも押されぬ当代きってのフラメンコ・ダンサーとして扱われており、おお。彼女が20歳のときの来日時を見ている身としてはなんか感無量(?)。しかし、ひどい書き方をするが、容姿に恵まれない彼女がちゃんと大成しているようなので、本当に実力があるのだろう。

 パリのシャイヨー国立舞踏劇場の上演に際しての準備の模様、本国でのいろんなやり取りを追いつつ、アタマでも触れるパリのそのショウに最後つなげる。そのパリ公演では、ディストーションの効いたエレクトリック・ギターやドラムを伴奏に使ったり、白いフロアにボディ・ペインティングをしたり(その俯瞰映像がその場のステージ後方に映し出される)と、彼女がけっこうなかっ飛び派であるのは間違いない。なるほど、そういう部分も、モリーナをインターナショナルな存在に押し上げているのかな。

 とはいえ、フラメンコ特有の手拍子や足拍子が彼女の行為の基本にあることも映され、つくづくフラメンコは肉体ビート表現であるとも思わされよう。そして、監督は彼女の信頼を得て、彼女の内側にまで入った映像を撮っているとも感じる。モリーナは弁もたつし、観客に見せることない裏側が出ているのはマル。あるダンサー巨匠老婆が彼女のセビーリャ(だったかな?)のショウにゲストで出て椅子に座りながらステップを踏む場面にはデ・ジャヴを覚える。おお、ぼくはそのラ・チャナのドキュメンタリー映画(2018年5月15日)を見ているじゃないか。

 この興味深い映画は、3月中旬より東劇や東京都写真美術館ホールほかで公開。とともに、彼女はロシオ・モリーナ舞踏団として、3月7日に日本青年館で公演を行う。それ、SS席が12.000円で、C席が3.500円。金額の幅、ありすぎ。この映画を見ると、それを見たくなりますね。映画ではのっけから伴奏陣が日本酒を飲んだり、モリーナが日本語がプリントされた(”私はネコ”、だったかな)シャツを着ていたりする。

▶︎過去の、ロシオ・モリーナ
https://43142.diarynote.jp/200505190035230000/
https://43142.diarynote.jp/201201171011033219/ 彼女が出てくる映画
▶︎過去の、ラ・チャナの映画
https://43142.diarynote.jp/201805180920051080/

<今日の、困惑>
 いつのまにか山ほど来ていたスパムがなくなったと思ったら、また入り出し、昨日からものすごい量に。うわわわー。

 高津川という名前は認知していたものの、島根県を流れる川というのは、この2019年日本映画を見て初めて知った。へえ、益田市を流れ、同市にはANAが乗り入れる空港があるのか。ぼくが日本で唯一行ったことない山陰の、ある地区のことを、このご当地映画は教えてくれる。まあ、何年か前には、四国には行かずに死んじゃうと思うとぼくは言っていたのに行けたので、そのうち赴く機会もあるような気もするが。原作・脚本も手がける1962年生まれ監督の錦織良成は、島根県出身とのこと。

 過疎、介護、伝統芸能の継承、自然への愛着、開発への危惧など、かなりな清流のような高津川流域にある廃校が決まった小学校区に住む人/出身者たちが抱えるもろもろを拾い上げる映画。現地に根ざす形而上を自負とともに丁寧に映像作品に昇華させた内容で、これがドキュメンタリーだったらなんぼか見るのが楽だと、ぼくには思えた。というのも、失礼な書き方になるが、すべからく優等生ちっくなストーリー仕立てで、ぼくは戸惑った。登場人物それぞれに問題や悩みも抱えるが、その描き方が予定調和と言うか、なんか綺麗ごとすぎる。汚れた(?)ぼくの感じ方においては。

 まあ地元の人々の協力率100パーセントという感じの仕上がり、それだと負の話は盛り込みにくいよなー。まあ、監督はそういう意思は端からなかったろうけど。もしぼくの子供がちらり映っていたとして、その映画が不謹慎な話をはらんでいたら子供にも見せられないし、そういう場合はぼくもなぜか真人間になり、おりゃあ地元さんざん巻き込んで何ふざけた映画つくってるんじゃいと憤りを覚えると思うもの。そんなこと考えたら、外野は無責任であることも自覚した。

 変な例え方をするなら、ロックやファンクや冒険ジャズを聞きに行ったら、ビリー・ヴォーンの楽団だったという感じ? いや、ケニー・Gでもいいけど。ビリー・ヴォーンやケニー・Gを評価する人がいていいのは当然。ただ、ぼくの好みとは離れるだけ。そういえば、音楽も現代的要素ゼロのぬるい、いや落ち着いた生音の音楽がつけられていて、それも監督の求めるところなのだろう。あと思ったのは、普段のぼくの生活が“お花畑”すぎるのかということだった。だからこそ、ぼくはハウリン・ウルフもキャプテン・ビーフハートも笑顔で聞ける。どこかに傷を抱えていたら、負の要素を抱えた、トゲのある音楽は心から楽しめないんじゃないか。

 地元愛のもと、生真面目にその流域の人々の実直な営みや気概を描こうとしているのはよく分かる。中国地方ではすでに公開されているようで、4月からこちらでも公開される。渋谷・ショーゲート試写室。

<今日の、昼下がり>
 本を上程した知人がお世話になった人をもてなす昼食会にお呼ばれし、銀座の個室だけの和食店でパクパク。昼間からワインも開栓で、お地蔵さま。そんな大げさなお礼をされるようなことはしてないんだけどなー。その後、伊東屋とか、夕方まで銀座をぶらぶら。天気もとてもよく、うれしい午後でした。で、帰りしなに、渋谷下車。

 六本木・ビルボードライブ東京で、すでに5枚のアルバムを出している1989年生まれの英国人シンガー・ソングライターのルーシー・ローズを見る。ショウの開始とともに、背景の幕が開けられ、夜景を背景にパフォーマンス。通常ライヴ中はカーテンが閉められるので、それは開放的な環境を求めたアーティスト側のリクエストだろう。

 ギター(エレククトリックとアコースティックの両方)やキーボードを弾きながら歌う当人にくわえ、ヴァイオリンとキーボードのアンドリュー・スチュアート-バトル 、ギターのジェイムズ・ディー(何気に効果音的な音を入れ、スライド・バーも用いる)、ベースのベンジャミン・ダニエル(フットレスを主に弾く)というドラムレスの編成でことにあたる。スチュアート-バトルとダニエルはコーラスを入れる場合もあった。3人とも彼女の2019年作『No Words Left』(Communion)に関与しており、雰囲気はやはりインティメイト。同作には弦奏者たちが入っていたものの、やはりドラムレスで録られていた。

 ボーイッシュな格好をしているローズは年齢よりも若く見える。基本、ちょい暗めというか物憂げ、冷めたとも形容できる曲調を淡々と歌うが、一度声を張り上げた際はけっこう声が出ていた。ある種の美意識を持つ漂うフォーキー表現の数々。ちゃんと歌詞をチェックしていないが、ときに耳に入ってくる言葉尻は風情があった。あと、誠実に音楽と向き合っているというのを、さらりと出す人ですね。

 その後は、南青山・ブルーノート東京でニューオーリンズの現代R&Bバンドであるタング&ザ・バンガスを見る。スタジオ作2枚(最新作の『グリーン・バルーン』はメジャーのヴァーヴ発)と、最低でもライヴ・アルバムを3作リリース。シンガーのタンクがノラ・ジョーンズ(2002年5月30日、2002年9月14日、2007年3月21日、2010年1月20日、2012年11月8日)と絡んでいることが関係しているのかどうかは知らないが、会場はフル・ハウス。もう、のっけから反応が熱い。

 アーティスト写真は4人で写っているが、7人にてパフォーマンス。歌のタリオナ “タンク” ボール、ドラムのジョシュア・ジョンソン、キーボードのノーマン・スペンス、アルト・サックスとフルートのアルバート・アレンバック、ギターのダニエル・アベル、ベースのジョナサン・ジョンソン、バックグラウンド・ヴォーカルのティア・ヘンダーソンがステージに立つ。生理的に、その佇まいはカラフル。2曲めと3曲めには日本人とおぼしき女性トランペッターも入り、ソロ・パートを与えられていた。

 楽しい。曲はけっこう切れ目なく続けられる。タンクはアルバムで聞けるように、アニメ声というか、けっこう癖のある可愛らしい声で歌う。それ、R&B向きの声質ではないと思うが、しっかりと差別化が計れますね。けっこうロックぽかったりラップをかますところもあるなど音楽性はいろんな要素が入っており、ビートにニューオーリンズぽいところはないが、これは今のガンボ・ミュージックだと思わすところがあり。もうすぐ、マルディグラ・シーズン。ああ、ニューオーリンズに行きてえ気分も煽られた。締めは、ニルヴァーナのロック・スタンダード「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」。ファレル・ウィリアムズ(2006年4月2日)が送り出し、オル・ダラの息子(2001年8月1日)であるナス(2004年8月8日)と結婚したこともあったケリス(2000年7月29日)がフジ・ロック出演時に高らかにカヴァーした様をふと思い出す。

▶過去の、ノラ・ジョーンズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-5.htm 5.30
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm 2.09
http://43142.diarynote.jp/200703241326090000/
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
http://43142.diarynote.jp/201211151032395193/
▶︎過去の、ファレル・ウィリアムズ
https://43142.diarynote.jp/200604050124430000/
▶︎過去の、オル・ダラ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
▶︎過去の、ナス
https://43142.diarynote.jp/200408082300500000/
▶︎過去の、ケリス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm

<今日の、うえん>
 来週予定されていたギタリストのチャーリー・ハンター(1999年6月22日、2002年1月24日、2006年4月17日、2009年1月16日、2015年2月18日)とシンガーのルーシー・ウッドワード(そして、ドラマーのダグラス・ベロート)の来日公演が中止になった。昨年出た2人のアルバムがよかっただけに、これは残念。久しぶりに取材することにもなっていたしなあ。聞けば、ハンターたちはその後に中国の北京や上海でも公演をする予定であったのだが、コロナ・ウィルスのため中国行きがキャンセル。連動して、日本公演もなしになってしまった。今、中国ツアーの前後に来日する海外ミュージシャンは少なくないわけで、今後ハンターさんたちのようなケースは出てきそうだ。
▶︎過去の、チャーリー・ハンター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200604181149370000/
http://43142.diarynote.jp/200901171017206901/
http://43142.diarynote.jp/201502230940316504/