NY在住のセッション・ミュージシャンがつるんだトリオの公演を、丸の内・コットンクラブで見る。ファースト・ショウ。ギタリストのウェイン・クランツ(2010年2月19日、2016年10月29日)、電気ベースのティム・ルフェーブル(2010年2月19日、2014年2月11日、2016年4月1日、2017年2月2日、2019年2月8日)、ドラマーのキース・カーロック(2010年2月19日、2019年3月26日、2019年12月12日)という単位を見るのは、ちょうど10年ぶりだ。

 前に見たときより、より印象が良い。いやあ、そうなんスかと頷いた。一応クランツが先頭に立った(数少ないMCも彼がした)三位一体表現とも言える演奏は、ジミ・ヘンドリックス・エキスペリエンスの現代ハード・ジャズ版と言えるところもあのではないか。まあ、かなり勢いを持つ一発調のロックっぽいインストとも言えるのだが、クランツのギターにまず感心する。基本ぐちゃぐちゃという質感の複音弾きを多用し〜そうすると単音のソロをちょい繰り出す際にも映える〜、流れていく様はなんかいい。ずらりとエフェクターを並べているわけではないのに、攻める音をごんごん差し出す様には快感を覚えた。なんかぼくの中で、今の過剰にエスタブリッシュされていないNY在住のギタリストのなかでトップ級にいけると思ったかもしれぬ。少し、ロッキッシュな際のスコフィールド(1999年5月11日、2001年1月11日、2002年1月24日、2004年3月11日、2006年3月1日、2007年5月10日、2008年10月8日、2009年9月5日、2012年10月10日、2013年10月21日、2015年5月26日、2018年9月2日、2019年5月30日)もいらないかと思った? いや、あの人はあの人で深いとこあるからな……。

 いくつかの曲というかリフをつなげる感じで演奏し、4つぐらいの塊をやったか。一番短いやつは、AC/DC(2001年2月19日)の「バック・イン・ブラック」みたいなギター・リフから始めた。と、クランツのことばかり書いたが、結構、臨機応変に絡むリズムの2人もまた頼もしい。テデスキ・トラックス・バンド(2016年4月1日、2014年2月11日、2019年6月14日)を辞めちゃったルフェーブルはときに足元に置いたエフェクターを手でいじって音色を大きく変え、サウンド総体をプッシュ。この3人+で録られているクランツの自主リリースの2020年新作『Write Out Your Head』とも肌触りが異なる、甘さや潤いゼロのがちんこジャムのり演奏にぼくは酔った。そうなるのが分かっていたのか、観客の拍手もこういうの待っていましたという感じでどんどん熱を帯びていった。

 年末にも来日しているカーロックは相変わらず機関銃のような(誇張していますね)ビートを楽々レギュラー・グリップでこなす。そんな彼はスネアをけっこう客席側に傾け(ようは、ヘッドがぼくたち観覧者から見える)て、叩く。そういうセッティングをするのはマーチング・バンドのスネア経験者だと聞いたことがあるが、なるほど。

▶︎過去の、ウェイン・クランツ
http://43142.diarynote.jp/201002211122268480/
https://43142.diarynote.jp/201610311234024646/
▶過去の、ティム・ルフェーヴル
http://43142.diarynote.jp/201002211122268480/
http://43142.diarynote.jp/201402121439433317/
http://43142.diarynote.jp/201604020743314542/
https://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
https://43142.diarynote.jp/201902090716285574/
▶過去の、キース・カーロック
http://43142.diarynote.jp/201002211122268480/
https://43142.diarynote.jp/?day=20190326
https://43142.diarynote.jp/201912131809318090/
▶過去の、ジョン・スコフィールド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live2.htm 5.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm 1.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm 1.24
http://43142.diarynote.jp/200403111821250000/
http://43142.diarynote.jp/200603011148430000/
http://43142.diarynote.jp/200705181809270000/
http://43142.diarynote.jp/200810111558046727/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090905
http://43142.diarynote.jp/201210111837516874/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
http://43142.diarynote.jp/201505271549266046/
https://43142.diarynote.jp/201809071509481583/
https://43142.diarynote.jp/201905310800294940/
▶︎過去の、AC/DC
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
▶過去の、テデスキ・トラックス・バンド
http://43142.diarynote.jp/201402121439433317/
https://43142.diarynote.jp/201604020743314542/
https://43142.diarynote.jp/201906151238565701/

 その後は、代官山・晴れたら空に豆まいて に向かう。やっているのは、<Soul of BO GUMBOS >というボ・ガンボスの どんと の没後20年という節目を迎えての企画。そのメイン・アクトはROSA LUXEMBURG→ BO GUMBOSと どんと と行動を共にしたDr.toshこと永井利充のバンドであるHare Hare。この晩は、彼らの関東“祝祭ツアー〜 Hare Halation2020〜”の初日となるよう。

 しかし、ミディが送り出したロック・バンドであるローザを経て、ボ・ガンボスが出てきたときには、その音楽性だけでなく、カラフルで自由な佇まいが本当に魅力的だった。ここには、扉を開けた、新しい気運があると思わされたもの。ぼくの知人にほぼおっかけ状態だったおねえちゃんがいたけど、彼らは本当に華々しく、フレッシュな態度を抱えていた。そして、BO GUMBOSは支持を集めた。エピック・ソニーの売り方もうまかったのかもしれないが、それはバブル期の開放感もプラスしたのかもしれない。とも、少し思う。面々、すぐにニューオーリンズに行ったりもしたしネ。そういえば、2007年のカーニヴァル・シーズンにニューオーリンズにぼくが行ったときゲットした、マルディグラ紹介のパンフレットの一つに どんととそっくりの化粧顔の人の写真が使われていてびっくりしたな。

 遅れて会場入りすると、最初の出演者の越路姉妹(2006年3月6日、2006年8月22日、2009年10月12日、2013年2月17日、2019年2月21日)の出番は終わっていて、佐藤タイジ(2000年7月29日、2001年12月9日、2001年12月22日、2002年7月21日、2002年11月15日、2003年6月22日、2004年1月16日、2004年1月30日、2005年2月15日、2010年2月25日、2011年5月18日、2011年8月15日、2015年10月3日、2019年5月21日)がソロでパフォーマンス中。プリンスの曲も歌っていたが、アコースティック・ギターを少しループさせたりもしてて、喉力たっぷり。

 そして、Hare Hare。20年前にDr.toshのライヴを見て(友人のバンドを赤坂のハコに見に行ったら〜そのときのベーシストはTOKIE:2001年3月19日、2001年5月29日、2003年12月18日、2004年11月7日、2005年7月30日、2006年1月9日、2006年3月23日 だったんじゃないか〜、そのあとに出てきたのが彼のバンドであまりの良さにびっくりした記憶が鮮明に残っている)以来だが、まずタッパのある当人が格好いいと思う。ものすごーくゆるいMCをするのだが、体は緩くない。もう、二の腕なんて鍛えている感じもあるものなあ。サム・ピックでぐつぐつベースを弾きながらう歌う彼にくわえて、ソウルフルな歌い方のできる女性シンガー(コントローラーを用い弦楽器的な音も担う)、フルート担当の外国人女性、キーボートとアコーディオン、ギター、とってもタイトに叩けるドラムという編成のバンドだ。

 大昔に見たときはブーツィ・コリンズ(2011年8月12日、2012年5月31日)流れのファンクで攻めていたという印象があるが、Hare Hareはより間口が広がっている。もっとスピリチュアルだったり南国系の手触りがあったり、ほっと感じさせるメロディがあったり。何にせよ、Dr.toshの濃い歌が頼もしい。拍手! その後も用事ありで最後まで見れなかったが、先の出演者たちも彼らにまじったりしたのかな?

▶︎過去の、越路姉妹
https://43142.diarynote.jp/200603100919230000/
https://43142.diarynote.jp/200608271340380000/ https://43142.diarynote.jp/200910141731349364/
https://43142.diarynote.jp/201302191656063458/
https://43142.diarynote.jp/?day=20190221
▶過去の、佐藤タイジ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm シアターブルック(7月29日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm マルコス・スザーノ+沼澤セッション(12月9日、12月22日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm パウリーニョ・モスカ+スザーノ+沼澤 セッション(7月21日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm シアターブルック(6月22日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm サンパウロ(11月15日)
http://43142.diarynote.jp/200401160000000000/ 勝井、鬼怒、佐藤、沼澤セッション
http://43142.diarynote.jp/200402051858240000/ サンパウロ
http://43142.diarynote.jp/200502161844550000/ マルコス・スザーノ+沼澤 セッション
http://43142.diarynote.jp/?day=20100225 マイア・バルー
http://43142.diarynote.jp/201105191057129864/ ソロ
http://43142.diarynote.jp/?day=20110815 佐藤、高野、うつみ
https://43142.diarynote.jp/201510051403147675/ 中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2015 アフター・パーティ
https://43142.diarynote.jp/201905220902467859/ シアターブルック
▶過去の、TOKIE
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200411141142200000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050730
http://43142.diarynote.jp/200601111700180000/
http://43142.diarynote.jp/200603281351530000/
▶︎過去の、ブーツィ・コリンズ
http://43142.diarynote.jp/201108131129381378/
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
▶︎2007年の、ニューオーリンズ
https://43142.diarynote.jp/200702090041480000/
https://43142.diarynote.jp/200702112125550000/
https://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
https://43142.diarynote.jp/200702122331070000/
https://43142.diarynote.jp/200702122331460000/

<今日の、疑問>
 今さらながら、ふと思った。エアコンの自動フィルター掃除機能は便利。だけど、それによって集められた埃はどこにいくのだろう?