ザップ

2019年12月30日 音楽
 オハイオ州の名ファンク・グループであるザップ(2010年2月11日、2011年4月24日、2013年1月18日、2015年8月13日)をまた見る。テリー“ザップ”トラウトマン、レスター・トラウトマン、バート・トーマス、デイル・デグロート、ロナルド・フロスト、アンソニー・アリントンという6人にて、面々は華あるパフォーマンスを繰り広げる。六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。やっぱし、超ウフフなライヴ。もう、故あり疲れ切っていたのだけど、高揚しました、魅せられました、堪能しました。米国黒人音楽ばんさい!

 持ち楽器をかえたり、リード・ヴォーカルやフロントに立つ者を次々と変えるなど、バンドのフォーメイションを終始動かしながら(サッカー的にいえば、1トップもあれば3トップあるし、えぐいサイド・アタックをしたかと思うと中央突破もあり、ディフェンダーの数もいろいろ……)、また衣装を代え。今回は、キーボードの人だったか、ブルース・ハープ(←これも、故ロジャー・トラウトマンが生きていたオリジナル期の重要要素)を延々吹く局面もあり。うれしい。機を見るに敏といった感じで2台のトーク・ボックス(昔からある、奇特なロボ声発生装置ですね)を使うのはこれまで通りだが、それは今までで重用度数は一番低かったか。かわりに、プリセット音の度合いは高かったかもしれないが、いろんな設定による構成員の絡みの妙はもう彼らならではの専売特許と言うしかない。

 頭からドラムと歌のレスター・トラウトマンが一人で出てきて場内を回って客をわかせてからドラムの前に座り叩き出したり、途中でギター奏者とキーボード奏者が2階席に出張って演奏したり、最後はメンバーが次々に客席に降りて、観客を巻き込み送り手も担い手も一緒に1列になってフロアを周り、そのまま皆んなでステージ上に上がっちゃう。それ、これまでのあらゆるビルボード東京公演のなかで一番お客がステージに上がったのではなかったか。

 ほぼ、90分のショウ。今回、長めだったな。もうあの曲もこの曲も、見せ方のヴァリエイションにしても、なにもかも出し惜しみなし。客とのコール&レスポンスも、いろいろ。演奏力もしっかり。肉声の力もあり。そして、つきるところ、尊いエンターテインメント性や米国ブラック・ミュージックの言葉にならない凄さや味わいふかさをぽっかり浮かび上がる。

 それから今回思ったのは、後半P-ファンクぽいと思えるリフのもと、ダイナミックなアクションやダンス、所作を展開していたこと。1980年デビュー作『ZAPP』はブーツィ・コリンズ(2011年8月12日、2012年5月31日)とロジャー・トラウトマンのプロデュースであったから、それも不思議はないのであるが。制作名義には入っていないが、結成して間もなくワーナー・ブラーズからアルバムを出すことができたのは、ジョージ・クリントン(2002年7月28日、2009年9月5日、2011年1月22日、2013年4月12日、2015年4月12日、2016年11月29日、2019年4月30日)の口利きがあったからだ。あと、ヒップホップ・ビートやラップも加えているのは、ブルース〜R+B〜ファンク〜エレクトロ・ファンクといった黒人音楽のヴェリエイションを俯瞰するような志向を取っていたザップの過去の財産プラスと言えるものですね。

 それから、途中ですんごく歌える長い黒髪のアフリカ系女性シンガーがちょい出てきた。その破格な歌声や佇まいはもしかしてシャーリ・マードック(2010年2月11日、2011年4月24日)? という、感じもあったがどうなのか。だったら、もうすこしフィーチャーして欲しかったのだけれど。

 来日したら、必ず受け止めたい存在。そのうれしい事実をかみしめた。

▶過去の、ザップ
http://43142.diarynote.jp/201002150514277396/
http://43142.diarynote.jp/201104270528378826/
http://43142.diarynote.jp/201301211143292478/
https://43142.diarynote.jp/201508140947547631/
▶︎過去の、ブーツィ・コリンズ
http://43142.diarynote.jp/201108131129381378/
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
▶過去の、ジョージ・クリントン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 触れていないが、フジ・ロック
http://43142.diarynote.jp/?day=20090905
http://43142.diarynote.jp/201102081256005311/
http://43142.diarynote.jp/201304150853287353/
http://43142.diarynote.jp/201504131109395934/
https://43142.diarynote.jp/201612011925201175/
https://43142.diarynote.jp/201905010724461038/
▶過去の、シャーリー・マードック
http://43142.diarynote.jp/201002150514277396/
http://43142.diarynote.jp/201104270528378826/

<今日の、奉仕>
 降雨のなか朝9時に家を出て母親宅に行き、一緒にでっかい病院に行き、唖然とするほど待たされつつ検査やなんやを付き合う。一緒にご飯を食べたりもし、19時過ぎにまた家まで届ける。今日急に飛び込み、予定を飛ばしての、今年最後の親孝行なり。今日乗ったタクシーの運転手はみんな親切で、話好きの人たちだった。都下だと、そういう傾向が強まるのかな。大晦日の明日は、昼間20度近くになるよう。多くの人が陽光を浴び、年越しを迎えられますように。