目黒・ブルースアレイで、ファースト・セットだけではあったが、「INTERSTELLAR」というデビュー作を出したteaという女性シンガーを見る。インドの中央部にある高原都市で学術/ITの街として知られるプネの出身で、バークリー音楽大学で作曲を学び、昨年から日本で活動をしている女性シンガーだ。

 ベースの時枝弘、キーボードの柴田敏孝、ギターの伊藤ハルトシ、ドラムの大津惇に加え、曲によってはアイミー・ブラックシーガーとスウィンキーという二人の外国人女性コーラスがつく。また、トランペットの市原ひかりとサックスの藤田淳之介が加わる場合もあり。自作とカヴァーの両方をジャジー・ソウル・サウンドを介して歌うが、リアン・ラ・ハヴァス(2013年9月20日)の曲を歌ったにはびっくり。そういえば、アルバムにはシャーデーを想起させる曲もあったりて、UK的な何かが入ったソウルネスが彼女には合っていると思える? まあ、インドも英連邦に属する国であるしな。

 彼女はスキンヘッドで、まずその印象的な外見でつかみはOKとなるか。そして、それとつながるスケール感こそが、彼女の生命線であると思う。

▶︎過去の、リアン・ラ・ハヴァス
http://43142.diarynote.jp/201309220902394351/

 その後は、南青山・ブルーノート東京で、NYの大御所セルフ・コンテインド・グループ(もうこういう言い方はしなくなったか)であるクール&ザ・ギャング(2014年12月26日、2016年2月23日)を見る。お、お揃いのコスチュームが派手で、今までで一番見栄えのするステージであったか。オリジナルのリーダーにして、ベーシストであるロバート”クール”ベルが、これほど前に出てきたのも初めてのような。シンガー3人、シンガー陣と一緒にフリもつける菅奏者3人(トロンボーン。テナー・サックス、トランペット)がフロントに立ち、彼らをギター、キーボード(アルト・サックスも吹く)、ドラム、パーカッション奏者たちが支える。ブルーノートのHPにはバンド員名の記載はなかったが、なんの問題もなし。ぼくが彼らを見た中では一番音が太いような気もした。客も多くは1曲目から立ち上がっていた。好調な彼らはこの後、中国に行き、ハワイに寄ったあと、米国〜欧州〜米国といろいろ回る。

▶過去の、クール&ザ・ギャング/J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/200611281428510000/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201412291146465218/
http://43142.diarynote.jp/201508051544452721/  J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201602290953239524/

<今日の、やっぱりわしゃあディライトじゃけん>
 クール&ザ・ギャングのショウだが、難を指摘するなら、1970年代中盤までのどファンクでストロングなクール&ザ・ギャングを披露するパートを前半で早々とやってしまったこと。やはり、ぼくにとっちゃクール&ザ・ギャングはあの頃しかないんだよお。ハイ・セールス期はもっとポップになった1980年代かもしれないが、米国黒人音楽史にきっちり痕を残す輝かしい音楽性を出したのは間違いなくディライトからアルバムを出していたあのころ。次の来日時には、なんとか”ディライト・イアーズ・セレブレーション”とか掲げて、1970年代曲に特化したショウを1日くらいしないかな。でなきゃ、「ハリウッド・スウィンギン」以外の彼らのファンク名曲は『ワイルド&ピースフル』(1973年)に集中しているので、同作を再現する出し物でも大歓迎なんだが……。