映画「衝動」

2020年1月29日 音楽
 スペイン人フラメンコ・ダンサーであるロシオ・モリーナ(2005年5月17日)の活動を追う、2017年フランス/スペイン映画(原題は「Impulso」)を渋谷・映画美学校試写室で見る。監督は23歳(1999年)以降、フランスに居住してTVドキュメンタリー畑で働くスペイン人のエミリオ・ベルモンテ。この作品が彼の初の長編ドキュメンタリー映画になるという。

 モリーナはもう押しも押されぬ当代きってのフラメンコ・ダンサーとして扱われており、おお。彼女が20歳のときの来日時を見ている身としてはなんか感無量(?)。しかし、ひどい書き方をするが、容姿に恵まれない彼女がちゃんと大成しているようなので、本当に実力があるのだろう。

 パリのシャイヨー国立舞踏劇場の上演に際しての準備の模様、本国でのいろんなやり取りを追いつつ、アタマでも触れるパリのそのショウに最後つなげる。そのパリ公演では、ディストーションの効いたエレクトリック・ギターやドラムを伴奏に使ったり、白いフロアにボディ・ペインティングをしたり(その俯瞰映像がその場のステージ後方に映し出される)と、彼女がけっこうなかっ飛び派であるのは間違いない。なるほど、そういう部分も、モリーナをインターナショナルな存在に押し上げているのかな。

 とはいえ、フラメンコ特有の手拍子や足拍子が彼女の行為の基本にあることも映され、つくづくフラメンコは肉体ビート表現であるとも思わされよう。そして、監督は彼女の信頼を得て、彼女の内側にまで入った映像を撮っているとも感じる。モリーナは弁もたつし、観客に見せることない裏側が出ているのはマル。あるダンサー巨匠老婆が彼女のセビーリャ(だったかな?)のショウにゲストで出て椅子に座りながらステップを踏む場面にはデ・ジャヴを覚える。おお、ぼくはそのラ・チャナのドキュメンタリー映画(2018年5月15日)を見ているじゃないか。

 この興味深い映画は、3月中旬より東劇や東京都写真美術館ホールほかで公開。とともに、彼女はロシオ・モリーナ舞踏団として、3月7日に日本青年館で公演を行う。それ、SS席が12.000円で、C席が3.500円。金額の幅、ありすぎ。この映画を見ると、それを見たくなりますね。映画ではのっけから伴奏陣が日本酒を飲んだり、モリーナが日本語がプリントされた(”私はネコ”、だったかな)シャツを着ていたりする。

▶︎過去の、ロシオ・モリーナ
https://43142.diarynote.jp/200505190035230000/
https://43142.diarynote.jp/201201171011033219/ 彼女が出てくる映画
▶︎過去の、ラ・チャナの映画
https://43142.diarynote.jp/201805180920051080/

<今日の、困惑>
 いつのまにか山ほど来ていたスパムがなくなったと思ったら、また入り出し、昨日からものすごい量に。うわわわー。