菅波ひろみ

2017年12月1日 音楽
 歌えるR&B歌手を見る。何年か前にソウル・バーで会ったことがありその存在を知ったんだけど、やっと彼女のことを見ることができた。渋谷・Bar Rhodes(あれ、ステージの横にだされていたスペルは薔薇だったような?)、桜ヶ丘の付け根のほうにこんなハコがあるとは知らなかった。ちゃんと料理をサーヴする店で、レストランがライヴも提供するようになったという経緯を持つのかな。ヴィンテージのフェンダー・ローズを常設しているお店のよう。

 地声がデカく、濃い。非論理的な言い方になるが、それだけで歌う事への情熱や黒人音楽愛がまっすぐに表れる。それは、見事に武器だ。歌うのは、R&Bやブルース曲やそれに準ずるオリジナル曲。英語だろうと日本語だろうと、落差なく力量はたっぷり伝わる。フィーリング、ちゃんとしているよね。

 また、感心したのは、そこから浮き上がる知識の豊富さ。たとえば、セカンド・ラインのオリジナル曲に続けて、アラン・トゥーサン(2006年5月31日、2006年6月1日、2007年10月21日、2009年5月29日、2011年1月10日、2012年10月15日、2013年10月22日、2015年1月21日)作曲のザ・ポインターズ・シスターズの1973年ヒット曲「イエス・ウィ・キャン・キャン」をつなげる。また、時節がら最後は、虚脱ブルースの大家であるチャールズ・ブラウンの「メリー・クリスマス・ベイビー」をチャック・ブラウン(2010年3月18日)のヴァージョンを意識してやったり、うれしい所作はいろいろ。曲のエンディングのところでは饒舌に歌い込む場合もあるが、それはもろにゴスペル流儀の正統な咀嚼。いろいろ、うなずいちゃうよなあ。

 バンドは、キーボードの中道勝彦、ギターの荻原亮 、ベースの江口弘史(2008年9月11日)、ドラムの白根佳尚(2017年3月29日)。とっても、良いバンド。ギタリストはアリサ・フランクリンのブルース曲「ドクター・フィールグッド(ラヴ・イズ・ア・シリアス・ビジネス)」の際はピック弾きをやめて手弾き(それが、ブルース本道の流儀なり)にて演奏。皆さん、そういう機微を抱えつつ、きっちりバンドの音で菅波をもり立てていた。

▶過去の、アラン・トゥーサン
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200710221206190000/
http://43142.diarynote.jp/200906051614524790/
http://43142.diarynote.jp/201101111202336229/
http://43142.diarynote.jp/201210201217291727/
http://43142.diarynote.jp/201310241000242214/
http://43142.diarynote.jp/201501220923108418/
▶︎過去の、チャック・ブラウン
http://43142.diarynote.jp/201003201059063030/
▶︎過去の、江口弘史
http://43142.diarynote.jp/200809160030188727/
▶︎過去の、白根佳尚
http://43142.diarynote.jp/201704031056083140/

<今日から、師走>
 極月に、ついに突入。少し、あ〜あ、であります。昨日、表参道のイルミネーションが本格的に稼働していて、奇麗だった。それ、一時はやった青色ではなく、普通の色のそれ。それがいいナと思えた。さて、今年はどれほど、“はったり夜景”を目にするのか?
 天下のアルト・サックス奏者(2000年3月21日、2003年7月18日、2010年12月1日、2012年3月3日、2013年9月3日、2014年11月6日、2015年10月19日)とトランぺッター/バンド・リーダーのエリック・ミヤシロ(2010年5月11日、2011年3月10日、2011年3月28日、2011年4月21日、2011年8月6日 、2014年9月7日、2015年9月27日、2016年1月7日、2017年7月28日、2017年11月8日)率いるビッグ・バンドがジョイントした公演。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。本来なら、中止になった今年のブルーノート・ジャズ・フェスティヴァルで披露されることになっていたプログラムだ。

 ジャズ・オーケストラの構成員は、サックス(曲調との相性で、皆フルートも吹いた)の鈴木明男と宮崎隆睦と小池修と庵原良司、バリトン・サックスの山本拓夫(音が効いていた)、トランペットのマイケル・ブックマンJr.と佐久間勲と川上鉄平と小澤篤土、トロンボーンの村田陽一(2005年1月7日、2006年1月21日、2010年3月9日、2011年12月20日、2012年9月8日、2014年12月14日、2015年9月27日、2016年12月11日)と中川英二郎と川原聖仁、ベース・トロンボーンの山城純子、キーボードの青柳誠、エレクトリック・ベースの納浩一、ドラムの川口千里、パーカッションの岡部洋一(2000年7月29日、2000年9月14日、2004年5月28日、2004年6月2~3日、2004年6月9日、2004年11月19日、2005年2月19日、2006年7月7日、2006年8月27日、2006年12月3日、2008年1月31日、2011年2月10日、2010年12月28日、2011年8月22日、2013年2月11日、2013年2月19日、2014年2月9日、2015年4月24日、2015年6月17日、2015年10月19日)という面々なり。

 1曲ウォーム・アップ的にサンボーン抜きでビッグ・バンドが軽快に演奏した後に、御大は登場。以後、ずっと日本人奏者たちと大々的に絡む。まずは、スティーヴィー・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012年3月5日)の「アナザー・スター」を演奏する。お、意外な選曲? 一部、オーケストラ員はリフレインを唱和。「マプート」とか「ラン・フォー・カヴァー」とか、近作でカヴァーしていたディアンジェロ(2015年8月18日)の「スパニッシュ・ジョイント」とか、以下はすべてサンボーン絡みの曲を披露。どの曲も彼は長めのソロを取り、他の2、3人にもソロ・パートが振られる。けっこう曲終盤は、彼と他の管奏者との掛け合いもあり。

 編曲は、それなりの工夫あり。サンボーンもソウルフルに歌うというよりはなにげにトリッキーなフレイズを繰り出したりしていて、ありきたりの“安全パイ”合奏から逃れんという意思も見え隠れしていたか。前半、サンボーンは横においていたコントローラーを少しいじる。音を拾っていたのは、朝顔につけたピックアップであったように思う。ここのところの彼の音色は少し金属的な響きを持つと感じていたが、それは自らそうしようという意思を持っていたのか?

▶過去の、デイヴィッド・サンボーン
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/201012051903113851/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130903
http://43142.diarynote.jp/201411101737513509/
▶過去のエリック・ミヤシロ/ブルーノート東京・オールスターズ・ジャズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/?day=20100511
http://43142.diarynote.jp/?day=20110310
http://43142.diarynote.jp/201104041100266528/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110421
http://43142.diarynote.jp/201108101632022013/ ノー・ネーム・ホー^セズ
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/ ノー・ネーム・ホーセズ
http://43142.diarynote.jp/201501131019359012/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
http://43142.diarynote.jp/201601090750252990/
http://43142.diarynote.jp/201708081429085086/ B.B.STATION
http://43142.diarynote.jp/201711091333526195/ マシュー・ハーバートツ・ビッグ・バンド
▶過去の、村田陽一
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060121
http://43142.diarynote.jp/201003101342028780/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20120908 ベン・E・キング
http://43142.diarynote.jp/?day=20141214
http://43142.diarynote.jp/?day=20150927
http://43142.diarynote.jp/201612171245154424/
▶過去の、岡部洋一
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm 29日ROVO
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-9.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040608
http://43142.diarynote.jp/200406111859060000/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20050219
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http://43142.diarynote.jp/201510231145525391/
▶過去の、スティーヴィー・ワンダー
http://43142.diarynote.jp/200511130015240000/
http://43142.diarynote.jp/201008261618276388/
http://43142.diarynote.jp/201203062006429595/
▶︎過去の、ディアンジェロ
http://43142.diarynote.jp/201508200741137207/

<今日の、御大>
 そうとう、機嫌が良さそう。MCも饒舌ぎみであったかな。”近作『タイム・アンド・リヴァー』のジャケにでっかく載せている、川の漢字は縦棒3本でサンボーン”というお得意のおやじギャグも、オレって冴えてるだろと披露なさった。一時、ギル・エヴァンス・オーケストラに入っていたこともあるサンボーンだが、ジャズ側にいるホーン・プレイヤーとしては基本ジャズのビッグ・バンドとの関係は薄いプレイヤーであると言える。でも、彼は大きな器を従えた今回の演奏を心から楽しんでいたし、刺激もいろいろと受けていると見受けられた。そして、日本勢は……多くの奏者が青春期にサンボーンを思慕したであろうのは自明で、夢がかなったという心持ちをえた奏者も少なくなかったのではないか。
 明日から4日間は、まったく新しい陣容によるサンボーン・カルテットの公演となる。

 午後一から、渋谷・映画美学校試写室で、続けて二つの映画を見る。2016年英国映画と、2014年インド映画。原題はそれぞれ、「Trespass Against Us」と「Queen」。まあ、後者の元タイトルもなんだが(主人公の名前の意味が、英語だと女王というものになるらしい)、二つとも邦題のセンスはいま一つだな。

 映画「アウトサイダーズ」はアダム・スミスの監督作。彼、デジ・ロックの雄ユニットであるザ・ケミカル・ブラザーズ(2000年1月8日、2002年7月27日、2005年2月13日)の登場時からその映像作りに関わってきた、音楽畑のクリエイター。彼らの2011年フジ・ロック・フェスティヴァルのヘッドライナー出演時の模様を20台のカメラで撮ってまとめた「Don’t Think」は本当にクールな仕上がりであると思う。そして、本映画の音楽はザ・ケミカル・ブラザーズの片割れであるトム・ローランズが担当している。

 窃盗などの犯罪を繰り返しながらトレイラーで英国各地を放浪する家族(それ、実在のモデルがあるそう)を題材に置くもので、台詞には“トラヴェラー”(2013年6月20日の項参照)とか“ジプシーイズム”とかいう言葉も出てくる。当初、その邦題もあり、社会の規範から外れたところで生きる人たちの“UK、出口なし”のクライム・ストーリーがスタイリッシュに描かれるのかと思った。スミスがロック/ダンス・ミュージック界隈から出てきた人物ゆえ、映画「トレインスポッティング」のような性質の作品かと想像したら、これがぜんぜん違った。

 舞台は田舎で、自然がいっぱい、多少電気音が使われる場合はあるものの、音楽にはレイヴのレの字もない。そして、ここで描かれるのは、治外法権的犯罪ファミリーに帰属している<父と息子、そしてその息子とまた息子>のつながりを主題におく人間模様を描いた、まさしくヒューマン・ストーリー。いやあ、なんか徐々に、どんどん心に響いてくるものあり。TVドラマとかは作っているようだが、これが初長編映画となるそうなスミス監督、力がある。最後の場面描写も、いいなあ。来年2月初旬から公開される。

▶︎過去の、ザ・ケミカル・ブラザーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200502141659550000/
▶︎過去の、トラヴェラー記載
http://43142.diarynote.jp/201306241438288191/

 2本目は、「クイーン 旅立つ私のハネムーン」。監督はインドでプロデューサーもいろいろやっているというピカース・バールで、プロデューサーはボリウッド屈指の映画監督であるというアヌラグ・カシヤップ。ぼくはインド映画に疎いので、まったく知らない人たちではあるが。資料には、米、英、カナダで、かなりな高成績を収めたとある。海外では120分ちょいの短縮版が用意され、この日はそのヴァージョンが流されたが、来年あけからの日本でのロードショウ公開は146分のオリジナル版が公開されるという。

 映画の尺が長いのは、随所で曲がヴィデオ・クリップのように延々(台詞なしで)用いられるのが一因。その指針でインド映画だと思う人がいるのかもしれないが、ぼくには痒い。なんか少女漫画的で、安い。音楽担当のアミト・トリヴェーディーも同国の辣腕作曲家というが、サウンドがそれなりにチープ。ぼくは大音量で流れてくる音楽にイラっとくる場合があった。筋と沿う歌詞(字幕に出る)はけっこう良く出来ていると思ったも。

 ストーリーは、以下の感じ。デリーに住むインドの封建的な家庭や社会通念で育った箱入り娘が我がまま御坊ちゃま君から挙式前日にフラれ、意気消沈。ながら、ハネームーンで行くはずだったパリとアムステルダムに単身向かい……。新しい人間や環境と出会い主人公が変わっていく様を洒脱に描き、舞台が欧州なこともあり通常のインド映画のノリからは離れた作風と言えるだろう。話が御都合主義でラフと感じもぼくはするが、クスっとできたりする場面は多く、またこの展開はどう落ち着くのかとかいう興味も喚起するし、なんだかんだでふふふと見てしまった。肩の凝らないハッピー度の高い映画を求める向きには吉か。

<今日の、後悔?>
 1個目と2個目、試写室で同じ席に座ってしまう。まあ、わりと見やすい席で通路の隣に位置し、ぼくとしてはアリなのだが、なんか好奇心のない人間のように少し思えてしまった? どよ〜ん。しかし、じじいのマナーはなっておらん。前者は2人、後者は1人、エンド・ロールが始まったとたん、ぬけしゃあしゃあと席を立つ。クレジットを確認したくなったりはしないのかなあ? じじい比率は高くないので、これはすごい確率の高さで駄目じじいがいたことになる。そういえば、先日紅葉を見に行ったとき茶屋に入り御燗を楽しんだのだが、そこは自分で食器を返すシステムになっていた。だが、横のほうにいたかしましい老人の集団はかまわず置きっぱなしで席を立ち、後から来た人が困惑していた。
 デイヴィッド・サンボーン(2000年3月21日、2003年7月18日、2010年12月1日、2012年3月3日、2013年9月3日、2014年11月6日、2015年10月19日、2017年12月5日)の2017年暮れのリーダー公演は、トロンボーンとの2管による、ギターレスのクインテット。おお、どうしてこういう編成になったのか。などとも思ったんだが、2010年代に入って以降も、彼はオルガンを擁するトリオ(2010年12月1日)やアコースティック・カルテットであるクアルテット・ヒューマン(2013年9月3日)で来日していたりもするのだな。意外にフレキシブルであるというか、やはり飽きないように事をすすめんとしているのだと思う。

 アトランティックやクリス・クロス他に20作を超えるリーダー・アルバムを残すトロンボーン奏者のワイクリフ・ゴードン、歌ものサポートに定評があり近年はスティーヴ・タイレル(2008年6月1日)とともにあの英国出身ロッカーのジョー・ジャクソン(2013年12月19日と2016年11月12日の追記部を参照のこと)とも懇意にしているピアニストのアンディ・エズリン(半分では、キーボードを弾いた)、アコースティック・ベースのベン・ウィリアムズ(2009年5月18日、2009年9月3日、2010年5月30日、2012年3月3日、2012年5月28日、2013年4月1日、2013年5月21日、2015年1月22日、2015年12月12日、2016年7月3日、2016年9月1日、2016年12月11日)、デイヴ・ホランドからマイケル・フランクス(2013年10月29日)まで様々な人物のアルバムで叩いているドラマーのビリー・キルソンがグループの面々。エズリン以外はアフリカ系奏者だ。

 そんな編成のもと、“私の考える、モダン・ジャズ”を開いていたと言えるか。驚いたことに、そのMCに従えば故マイケル・ブレッカー(2000年3月2日、2004年2月13日)の曲を3つもやった。また、2日前にも披露していた「マプート」、「スパニッシュ・ジョイント」、「ザ・ドリーム」も、この編成のもと別な形で披露。ゴードンはオープナーのソロを聞いた際は暖簾に腕押し的なそれでよく真価がわからなからったが、それ以降は派手で起伏のあるものとなり(マウスピースと肉声でソロ・パートに対処するということもやった)、相当な実力者だとうなる。彼は半数の曲ではスライド・トランペット(トランペットの大きさの、スライド楽器)を吹いたが、小ぶりなぶん正確さを要求されて演奏は難しくなるはずだが、なんなく彼は楽器をコントロールしていた。

 そんなゴードンと重なるサンボーンも当然、ソロを鋭意とる。好調。昔インタヴューしたときに、ジャズ・プレイヤーでなくブルース・プレイヤーだと思っているなんて発言もしていたが、彼はちゃんとジャズという器と対峙し、ジャズ・プレイヤーとしての自分を追求したいと、今おもっているのではないか。そんなふうに思いたくなる、この晩のパフォーマンスだった。

▶過去の、デイヴィッド・サンボーン
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/201012051903113851/
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http://43142.diarynote.jp/201712061006171627/
▶過去の、ベン・ウィリアムズ
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
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http://43142.diarynote.jp/201501230914317086/
http://43142.diarynote.jp/201607100827363436/
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http://43142.diarynote.jp/201612171245154424/
▶︎過去の、スティーヴ・タイレル
http://43142.diarynote.jp/200806030205120000/
▶︎過去の、ジョー・ジャクソンへの言及
http://43142.diarynote.jp/201312200917503345/
▶︎過去の、マイケル・フランクス
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▶過去の、マイケル・ブレッカー
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http://43142.diarynote.jp/200402171832080000/

<今日の、思案>
 もう、マックやだ。キーボードのカヴァーがあちこち割れるだけでなく、ASDFGの段が2台とも反応しなくなっている(その前のやつは、もう一つ上の段が反応しなくなった)。ぼくが力任せに乱暴にキーを押すせいなのだろうが、あまりにヤワではないか。とりあえず、一台のほうを外付けキーボードをつなげて急場をしのいでいるが、ストレスはたまるので、一部仕事受注をセイヴ中。このままクリスマス/新年休暇にのんびり入れたら最高……なわけわけはなく、ちゃんと勤労することを是とするのを自己肯定するために、この項は書いている。ワープロ専用機として、ウィンドウズ機種を買ってみようか。もし、それでOKだったら、ぼくは嫌いなアップルとおさらばできるということになり、それは精神衛生上いいかもなあ。あと、”しゃべるように原稿を書く“ことをモットーにしているぼくとしては、原稿の音声入力採用へのトライを考えなくては。誰か、有益な情報を持っていまいかな? それが可能になると、一気にキーボードへの負担は減るはずだあ。
▶︎過去の、アップル社への否定的言及(他にも、あるかも) アップル・ミュージックや、保証やサポート体制への不信感が根底にあります。
http://43142.diarynote.jp/200908181435528052/
http://43142.diarynote.jp/201209250543268638/
http://43142.diarynote.jp/201210021415382722/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
http://43142.diarynote.jp/201405051105329639/
追記) その後、新旧2台のマック・ブック・プロがもっと不都合な状況に陥り(一つはスリープに入ると、画面が暗いまま明るくならない。もうひとつは起動スウィッチを押しても進入禁止のマークが出て、初期画面が開かない)、しょうがなく嫌な気分になることを覚悟してサポート・センターに問い合わせ。そしたらHPから電話番号を入れると先方からすぐに電話をかけてくれるし、もう無償サポート期間が過ぎてますとか不粋なことも言わない。不評もあり、だいぶサポート体制が親切になっているような気がした。
 毎師走恒例の矢野顕子(2004年7月20日、2008年8月3日、2008年12月14日、2009年8月19日、2009年9月4日、2009年12月13日、2010年12月12日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年8月21日、2013年8月11日、2013年11月30日、2014年8月7日、2015年8月20日、2016年9月15日)のさとがえるコンサートで、NHKホール。出て間もない新作『ソフト・ランディング』をフォロウするもの、同作はおりをみていろいろ出している弾き語りのアルバムで、今年は完全弾き語りによる設定が撮られていた。

 歌とピアノ、そしてMCと、不思議のアッコちゃんワールド、全開なり。唯一無二というしかなく、まぶしい。MCでも言っていたが、『ソフト・ランディング』はベヒシュタインのピアノを初めて弾いたアルバムなよう(エンジニアの吉野金次に勧められたと言っていた)で、この日もベヒシュタインの高級機を伴ってのものだった。席の隣にいた知人にベヒシュタインの講釈を受ける。皆、物知りだね。クラシック用途のドイツの名門メイカーだそうだが、構造がスタンウェイ等の他社と異なり、倍音がシンプルで、聞き口が明瞭なのだそう。アップライト・ピアノでも有名で、そちらはけっこうロックの担い手でも使っている人がいるという。

▶過去の、矢野顕子
http://43142.diarynote.jp/200407200015350000/
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http://43142.diarynote.jp/201001051622194305/
http://43142.diarynote.jp/201012131714372906/
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/201209180912154167/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130811
http://43142.diarynote.jp/201312051627467488/
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201508210809254412/
http://43142.diarynote.jp/201609201813357761/

 2部の途中で失礼して渋谷・クラブクアトロに回り、続いてはジャマイカのヴェテラン・デュオであるキース&テックスを見る。1960年代ロック・ステディ期から活躍するご両人、もう70歳は超えているだろうが、若々しい。奇麗にジャケットやベストを着こなす様も含め、見事に現役で、格好よい。

まず、2014年のキース&テックスのサポートを起点に、カールトン&シューズやリロイ・シブルズ(cf.ヘプトーンズ)ら古き良き日を知るジャマイカ人たちのサポートをしている日本人バンドのMATT SOUNDSが4曲演奏。コアの4人に加え2人が入り、2ギター、2キーボード、そしてリズム隊の6人で悠々とほんわかした音を送り出す。この春に彼らはセルフ・タイトルのアルバムをリリースしているが、そこにも収められている曲だろうか。

 その後は、喉自慢の2人が加わり、珠玉というしかない味を存分に振りまく。新作収録という曲から十八番曲「ストップ・サット・トレイン」まで、思うまま。少し高めの声のキースとちょい低めの声のテックスの重なりは絶妙、もう自然に身体が揺れちゃう。客の反応もいい感じで、美しいライヴの場ができあがっていたのではないか。おおいに、満足感を得ました。

<今日の、変化>
 NHKホールに行く際、公園通りがかなりの混み具合。これはなんじゃあと思っていたら、ホール前の公園の道の木に青色ダイオードの装飾がどばあっとなされていて、かなりの賑わい。なるほど、名所になっているのね。ぼくは青色より普通電気色のほうが好きだなあ。なお、10日前にhttp://43142.diarynote.jp/201711291334192954/ ということを書いているが、クラブクアトロのコンソール卓はやはり最後部の中央に移ったよう。まあ、これまでがずっと半端な位置にあったとも言えるのだけど。

 まず、渋谷区文化総合センター・伝承ホールで、デンマークのトラッドからクラシックまでを横切るインストゥメンタル・グループのドリーマーズ・サーカス(2016年12月3日)を見る。ヴァイオリンのルネ・トンスゴー・ソレンセン、ブズーキのアレ・カー、アコーディオンとピアノのニコライ・ブスク が構成員となる。なにげにルックスも悪くない面々はまだ20代のよう。2部制のもときっちり、3人は抱える世界の妙味を存分に見せてくれた。
 
 先にインストゥメンタル・グループと書いておきながらオープナーはトンスゴー・ソレンセンが生ギターを手にし、みんなでハミングを重ねる。おお、それだけで、ドリーマズ・サーカスの音楽観が鮮やかに広がっていることが実感できるじゃないか。以下は基本編成のもと,3人のしなやかな、合奏が続く。一聴、その調べは優しいが、その奥には様々な機微、秀でた技量が息づく。繊細な一方、アップ目の曲は歯切れ良く揺れ、スカンジナビアン・スゥイングと言いたくなる場面もあった。もう並外れて高品質であり、大昔にもてはやされたニュー・エイジ・ミュージックのアップデイトされたものの上質なかたちがここにあるとも感じてしまうか。しかし、このアコースティック表現の粋とも言いたくなる表現は北欧的価値観の生理的豊かさを見事に体現するものだとも痛感しちゃう。

 そして、2部にはより唸る。なんと、彼らはキーボードも効果的に加えた表現を曲によっては聞かせた。ニコライ・ブスクとトンスゴー・ソレンセンの2人がキーボードに向かい、アレ・カーが横に寝せた箱形民俗多弦楽器を扱うという曲もあった。おお、彼らは見事に呼吸をしていて、自分たちの流儀でしなやかに今を闊歩しようとしている! 

▶︎過去の、ドリーマズ・サーカス
http://43142.diarynote.jp/201612090834062174/

 その後は、南青山・ブルーノート東京で、1年半ぶりの来日となる、NYベースの多国籍バンドであるバンダ・マグダ(2016年1月19日)を見る。ヴォーカルとアコーディオンのマグダ・ヤニクゥ(いろんな言葉で歌えるのって、いいナ)、ヴァイブラフォンの三村未佳(いい音でなっており、全サウンドに占める割合高し)、アルゼンチン人ギタリストのイグナシオ・ヘルナンデス、米国人ベーシストのマット・アロノフ(一部はダブル・ベースを弾く)、絶妙なかみ合いを見せる打楽器の小川慶太とカン・ヤナベ、前回の来日公演と比べると、ベース奏者と打楽器奏者の一人が変わっている。ヤナベは小川(2014年8月3日、2016年1月19日、2017年4月18日)の弟子であるそうで、パンデイロはすべて彼が叩いていていた。

 もう有機的に様々な音楽要素や文化享受の様が重なり合い、手作り感覚に満ちて両手も聞き手に広げた、どこか愛らしくもストレンジでもあるアダルト・ポップに結晶する。それが前に見たときよりも、一つ一つの線が太くなり、味が濃くなり、ウィットにも富み(ステージには、バナナのフュギアがいくつも下げられていた)、飛躍力も増した。とともに、バンド員の結びつきが密で、その様にもにっこりできる。皆で音楽を誠実にシェアし合い、もう一つ上にあるものとして奏でていく様はまこと心が弾む。いろいろツアーをやっている(スペインでは得るメート・パスコワール〜2004年11月6日、2017年1月8日〜と一緒になったそう)ようだが、この晩のショウで、彼女たちの今年のショウ予定は終了とか。90分を超える演奏時間でありました。

▶︎過去の、バンダ・マグダ
http://43142.diarynote.jp/201601200802561812/
▶過去の、小川慶太
http://43142.diarynote.jp/201408061110256933/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160119
http://43142.diarynote.jp/201704200801169451/
▶︎過去の、エルメート・パスコアール
http://43142.diarynote.jp/200411071407550000/
http://43142.diarynote.jp/201701091249004326/

<今日の、1番目の会場>
 渋谷区が持つ同じ建物にある さくらホールでは何度かライヴを見ているが、伝承ホールというほうは初めて。ビルの6階にあった。300人弱ほどのホールで、天井も高くいい感じのハコ、と最初は思った。が、ステージ高は抑えられており、客席の傾斜も途中まではない。何気に前の人の姿がステージを気持ちよく見るのを遮る。うーむ、そんな古い設計ではないはずだし(やはり昔のおホールと今のホールでは、受け手ファーストで設計が大きく変わってきているはず)、ぼくの前には座高が高めの人が座っていたものの、このステージの見え方は欠陥一歩手前と言っていいのではないか。

 まず、渋谷区文化総合センター・伝承ホールで、トラッドからクラシックまでを横切るデンマークのインストゥメンタル・グループであるドリーマーズ・サーカス(2016年12月3日)を見る。ヴァイオリンのルネ・トンスゴー・ソレンセン、ブズーキのアレ・カー、アコーディオンとピアノのニコライ・ブスク が構成員となる。なにげにルックスも悪くない面々はまだ20代のよう。2部制のもときっちり、3人は抱える世界の妙味を存分に見せてくれた。
 
 先にインストゥメンタル・グループと書いておきながら、オープナーはトンスゴー・ソレンセンが生ギターを手にし皆でハミングを重ねる。おお、それだけで、ドリーマーズ・サーカスの音楽観が鮮やかに広がっていることが実感できるじゃないか。それ以降は基本編成のもと,3人のしなやかな、合奏が続く。一聴、その調べは優しいが、その奥には様々な機微、秀でた技量が息づく。繊細な一方、アップ目の曲は歯切れ良く揺れ、スカンジナビアン・スウィングと言いたくなる場面もあった。もう並外れて高品質であり、大昔にもてはやされたニュー・エイジ・ミュージックのアップデイトされたものの上質なかたちがここにあるとも思ってしまうか。しかし、このアコースティック表現の粋とも言いたくなる表現は、北欧的価値観の生理的豊かさを見事に体現するものだとも痛感しちゃう。

 そして、2部にはより唸る。なんと、彼らはキーボードも効果的に加えた表現を曲によっては聞かせた。ニコライ・ブスクとトンスゴー・ソレンセンの2人がキーボードに向かい、アレ・カーが横に寝せた箱形民俗多弦楽器を扱うという曲もあった。おお、彼らは見事に呼吸をしていて、自分たちの流儀でしなやかに今を闊歩しようとしている! 

▶︎過去の、ドリーマズ・サーカス
http://43142.diarynote.jp/201612090834062174/

 その後は、南青山・ブルーノート東京で、1年半ぶりの来日となる、NYベースの多国籍バンドであるバンダ・マグダ(2016年1月19日)を見る。ヴォーカルとアコーディオンのマグダ・ヤニクゥ(いろんな言葉で歌えるのって、いいナ)、ヴァイブラフォンの三村未佳(いい音でなっており、全サウンドに占める割合高し)、アルゼンチン人ギタリストのイグナシオ・ヘルナンデス、米国人ベーシストのマット・アロノフ(一部はダブル・ベースを弾く)、絶妙なかみ合いを見せる打楽器の小川慶太とカン・ヤナベ、前回の来日公演と比べると、ベース奏者と打楽器奏者の一人が変わった。ヤナベは小川(2014年8月3日、2016年1月19日、2017年4月18日)の弟子であるそうで、パンデイロはすべて彼が叩いていていた。

 もう有機的に様々な音楽要素や文化享受の様が重なり合い、手作り感覚に満ちて両手も聞き手に広げた、どこか愛らしくもストレンジでもあるアダルト・ポップに結晶する。それが前に見たときよりも、一つ一つの線が太くなり、味が濃くなり、ウィットにも富み(ステージには、バナナのフュギアがいくつも下げられていた)、飛躍力も増した。とともに、バンド員の結びつきが密で、その様にもにっこりできる。皆で音楽を誠実にシェアし合い、もう一つ上にあるものとして奏でていく様はまこと心が弾む。いろいろツアーをやっている(スペインではエルメート・パスコワール〜2004年11月6日、2017年1月8日〜と一緒になったそう)ようだが、この晩ので、彼女たちの今年のショウ予定は終了とか。90分を超える演奏時間でありました。

▶︎過去の、バンダ・マグダ
http://43142.diarynote.jp/201601200802561812/
▶過去の、小川慶太
http://43142.diarynote.jp/201408061110256933/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160119
http://43142.diarynote.jp/201704200801169451/
▶︎過去の、エルメート・パスコアール
http://43142.diarynote.jp/200411071407550000/
http://43142.diarynote.jp/201701091249004326/

<今日の、1番目の会場>
 渋谷区が持つ同じ建物にある さくらホールでは何度かライヴを見ているが、伝承ホールというほうは初めて。ビルの6階にあった。300人弱ほどのホールで、天井も高くいい感じのハコ、と最初は思った。が、ステージ高は抑えられており、客席の傾斜も途中までまったくない。何気に前の人の頭がステージを気持ちよく見るのを遮る。子供だったら、見えないでしょう。うーむ、そんな古い設計ではないはずだし(やはり昔と今のホールでは、より”受け手ファースト”で設計が大きく変わってきているはず)、ぼくの前には座高が高めの人が座っていたものの、このステージの見え方は欠陥一歩手前と言っていいのではないか。音に不満はないものの。。。
 今日は、ドラマーの日?

 まず、丸の内・コットンクラブで、アカデミー賞受賞メキシコ人ドラマーであるアントニオ・サンチェス(2011年7月20日、2013年5月21日、2015年4月16日)のショウを見る。彼は今年シンセサイザーや電気効果やヴォイスも重ねたドラム・ソロ作『バッド・オンブレ』(CAM Jazz)を出しているが、ここでは前回に続き、マイグレーションと名付けられた彼のレギューラー・フォーマットによるショウを見せた。ただし、今回は完全な陣容にての実演となる。

 テナー・サックスとウィンド・シンセサイザーを吹くシーマス・ブレイク(2015年8月5日)、ピアノとキーボードのジョン・エスクリート(2015年4月16日)、縦と電気を併用するベース奏者のマット・ブルワー(2007年11月21日、2015年4月7日、2015年4月16日)、そして今回はシンガーのタナ・アレクサも同行。NY生まれでクロアチア育ち、米国のニュー・スクール大学他を出ている彼女は長身。今回のライヴはサンチェスの作曲家としての能力を猛アピールした組曲風でもある2015年作『ザ・メリディアン・スイート』を80分ほどほぼ切れ目なしに披露するという内容を持っていたが、アクレサは同作にもきっちり参加している。

 あの絵巻的作風の『ザ・メリディアン・スイート』に即興制を盛る形で、面々はよく開いると感心。へ〜え。その構成はかなり複雑だが、彼らは悠々と一筆書きのごとく演奏する。リハもきっちりしているんだろうな。その一塊の圧倒的なパフォーマンスを存分に堪能できたという気持ちを得たためか、客席側からのアンコールを要求する拍手は低めで、それはなし。皆さん、お分かりになっていらっしゃると思えた。

 アレクサは随時でずっぱりではないが、基本スキャットで勝負できる相当な実力者。即興性を多大に盛り込む発展型ジャズ・シンガーはその飛躍の発想に物理的な人間としての声帯能力がついていけず、ときに音程が甘くなったり少し外れたりしちゃうものだが、彼女はそんな観点で見ても優秀。ぼくが生で見たなかで、彼女は一番正確な冒険歌唱を聞かせていたかもしれない。何度か示された彼女のスキャットとシーマス・ブレイクのウィンド・シンセサイザーの絡みは新しい手触りを獲得してはいなかったか。そんなアレクサがあまり録音セッションに呼ばれていないのはまったくの謎。2014年に自作曲主体の現代ジャズ・ヴォーカル作『Ode To Heroes』(Jazz Village)をリリースしているが、その制作者はサンチェス。2人は結婚しているんだっけ? 

 リーダー/ソング・ライターとしての実力はイヤになるほど実感でき、好感も持てたが、残念ながらドラマーとしてのサンチェスは株を下げた。いや、今回のパフォーマンスで、彼がぼくの好みではない叩き手であることがはっきりした、と書いたほうが適切だ。もう、その演奏は正確、かつ質量感を持つ。もう、ばしっばなしっと決まりまくる。もう一から十まですべてが正しい。だが、それがぼくに満腹過剰感、スリル欠如の体を与える。

 今の時代の先端に立つジャズ・ドラマーは、それぞれのドラムのパーツの叩き方を細分化し、意識的だろうとなかろうと譜割りの効果的なズレを作りだし、ひいては今でしかないほつれや濁りや刺や風を生んでいる。だが、100%正しくも、危なげないサンチェスにはそれがない。実は今回これまでになく、ぼくは彼の演奏にロックぱさを感じもしてしまったのだが、彼は最良のロッキン・ドラム演奏の体現者であっても、ヒップホップ的な尖りが皆無。最後の曲はドラムン・ベース調と言えなくもないものだが、それでもそう言える。実は今回の演奏を聞いて、ぼくが彼に近いと思えたのはまさかのサイモン・フィリップス(2011年9月3日、2011年9月27日、2012年7月25日、2012年12月9日、2014年9月7日、2016年11月16日)だった。サンチェスはずっと小さなキットを叩いているものの。。。。でも、スネアは3つ置いていたかもしれない。一番最後気味に会場を出たら。サンチェスは楽屋から出てきて、セカンド・ショウに向けてドラムのチューニングにあたっていた。初日じゃないのに。でも、彼の演奏はそういう細かいケアの先にあるものでもあるのだろう。

▶過去の、アントニオ・サンチェス
http://43142.diarynote.jp/201107230819362417/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201504180959027600/
http://43142.diarynote.jp/?day=20161231 映画出演
▶過去の、シーマス・ブレイク
http://43142.diarynote.jp/201508091204162305/
▶︎過去の、ジョン・エスクリート
http://43142.diarynote.jp/201504180959027600/
▶過去の。マット・ブルワー
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
http://43142.diarynote.jp/201504180959027600/
▶過去の、サイモン・フィリップス
http://43142.diarynote.jp/201109121452527893/
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
http://43142.diarynote.jp/201207310933428147/
http://43142.diarynote.jp/201212140959573710/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/

 続いて、東池袋・KUKULULUで、現代シカゴ・ジャズ界の注目若手ドラマーであるマカヤ・マクレイヴンのソロ・パフォーマンスを見る。ジェフ・パーカー(1999年6月6日、2000年10月15日、2001年11月7日、2004年1月20日、2005年1月7日、2011年11月21日、2014年5月7日、2017年5月13日、2017年5月15日、2017年8月15日)も新作を出した在シカゴの注目インディ“インターナショナル・アンセム”から大傑作『イン・ザ・モーメント』(2015年)を発表している御仁で、まさにヒップホップ時代としてのジャズを創出している逸材。彼はシカゴ・ジャズ界の注目の若手トランぺッターのマーキス・ヒル(2016年9月17日、2017年1月7日、2017年1月16日)の『The Way We Play』(Concord,2016年)にも入っていた。

 スネア、バスドラ、タム2、ハイハット、シンバルというシンプルなセットの左横にサンプラーやPCなどが置かれ、右側にはキーボードが置いてある。そして、彼はキーボードやタム回り(ヘッドにピックアップが付けられていた)の音をサンプリング構築し(サンプラーにすでに取り込んでいるものも少し使ったかもしれない)、その上に生ドラム演奏を乗せる。その様をすぐ前で見たが、プロのドラマーのパフォーマンスをこんなに側で見るのは初めてか。

 電気音とドラム演奏の拮抗……、その構築の様と絡みは常識的なところもあったし、そんなにヒップホップぽくもなかったが、すぐ側でやられるとそりゃアガる。ドラム演奏自体は非常にタイト、ときに基調電気音をぐいのりするような場面の奏法はジャズ的。そりゃ父親がジャズ・ドラマーだから、子供のころからジャズには触れてきているだろう。それから、クラヴィネット音色にして両手で鍵盤を弾いた際はバーニー・ウォーレル(2007年8月7日、2011年8月12日、2012年7月27日、2013年1月30日、2014年10月28日)調であったり、スティーヴィー・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012年3月5日、)の「スーパースティション」の著名ドラム・パターンを叩いたりと、1970年代のR&B/ファンクへの憧憬を出していた。そういうのを知っている若手は強い。と、これは我田引水的な記述ですね。なお、ドラムを叩いた後すぐにスティックを握っていた手で鍵盤を弾くのは、じつのところ難しいのだそう。ドラムをやる知人が頷きながら、そう申しておりました。

▶過去の、ジェフ・パーカー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm シカゴ・アンダーグラウンド・デュオ、サム・プレコップ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド、アイソトープ217
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm トータス
http://43142.diarynote.jp/?day=20040120 ロブ・マズレク、ジェフ・パーカー・トリオ、ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド・カルテット
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/ トータス
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/ トータス
http://43142.diarynote.jp/201405081408031505/ トータス
http://43142.diarynote.jp/201705140938439184/ スコット・アメンデラ
http://43142.diarynote.jp/201705161314529397/ トータス
http://43142.diarynote.jp/201708161337599841/ 自己バンド
▶︎過去の、マーキス・ヒル
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
http://43142.diarynote.jp/201701171118107802/
▶過去の、バーニー・ウォーレル
http://43142.diarynote.jp/200708051740450000/
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
http://43142.diarynote.jp/201208091303253665/
http://43142.diarynote.jp/201301311053069360/
http://43142.diarynote.jp/?day=20141028

<今日の、2番目の会場>
 初めて、東池袋駅に。同駅に初めて、降りた。ターミナル駅から一つ目なのに、なんか駅前が閑散としていて、郊外に来たような気持ちになる。いろいろ、だなー。意外に小柄だったマカヤ君の実演はバーの地下にある小さな空間で持たれた。さすが、満員でした。
 渋谷・アップリンクで、著名映画監督であるデイヴィッド・リンチを扱ったドキュメンタリー映画を見る。過去のリンチを扱ったドキュメンター映画2作を作っているジョン・グエン、撮影を担当したリック・バーンズ(匿名だそう)、編集をしているオリヴィア・ネールガー-=ホルムが、連名で監督にクレジットされている。2016年、アメリカ/デンマーク映画となる。1月下旬から、ロードショー公開。

 4人目の奥さんとの間に娘が生まれた2010年にグエンから再取材のオファーが出され、ハリウッド・ヒルズの彼の自宅兼アトリエで2年半にわたってなされた25時間のマテリアルを編集。そこには、2〜3歳の新しい娘も出てくる。

 リンチの幼少時から彼の出世作「イレイザーヘッド」の頃まで、言わば世間に認められる寸前までの彼の歩みを映画は追う。その舵取り役はリンチのすごく素直な自己語りであり(第三者の話は一切入らない)、そこに本人提供によるよくぞあるなあと驚く過去の映像や写真、当初は画家を目指しアートの道に入った彼が発表した作品を撮ったもの、現在のアート作品の創作の様子などが、かなり巧みに組み合わされることで、20代までのリンチの歩みが明解に描かれる。

 実はぼくはリンチの作品にあまり触れたことがない門外漢であるのだが、なるほどと膝を打つような感覚のもと見ることが出来た。家族(とてもかたぎで円満な地方のそれで、本人も発言でスーパー・ハッピーと形容している)や最初の奥さんや娘(映画/TV監督のジェニファー・リンチ)の映像や写真もばんばん出てくる。いろいろと紹介される彼のコンテンポラリー・アート系作品はなかなか。良い。やはり、視覚的な発想と具現手腕に秀でまくっていた御仁であるのは火を見るよりも明らか。そして、その流れで映像作りにも着手するようになり、不遇の時代を経て、映画監督として花開いたこともとてもナチュラルに伝えられる。

 しかし、リンチ(髪の毛、ふさふさですね)の話は口調がとゆっくり。字幕があるからこそではあるが、とっても聞き取りやすい。字幕はこう訳したほうがいいんじゃないかと思ったりもした箇所もあった。そういう意味では、これは英語力が上がったと錯覚させる映画かもしれない。音楽はジョナサン・ベンタという人が担当、効果音ふう断片が出され映画に無理なく沿う。

 成功作。これは「イレイザーヘッド」以降をリンチが語る続編あり、と読んだ。なお、本映画は資金の半分をキック・スターターで調達していて、エンド・ロールには沢山の名前が小さな文字で出される。

<今日の、追記>
 リンチはコーヒー好きで自らの名前を掲げたコーヒーを販売しているが、滅茶ヘヴィ・スモーカーのよう。もう、今の彼が写し出される際、本当にタバコを吸いまくり。もうタバコの煙と匂いが嫌いなぼくは、イヤな気持ちになった。そういえば、かつてぼくは、タバコについてこんなことを書いている。http://43142.diarynote.jp/200710121725010000/ (UNKIEの最後のほう)
 1960年代半ば、デイヴィッド・リンチがボストンの美大に通っていた時期、彼はぼくがトップ級に敬愛するロック・シンガー/ロックンローラーであるピーター・ウルフと一緒に住んでいた。1946年1月生まれと同3月生まれ、2人は同い年。成功するのは、ウルフのほうが早かった。
▶︎過去の、ピーター・ウルフに関する記述
http://43142.diarynote.jp/201010110929417794/
http://43142.diarynote.jp/201311230759577101/
http://43142.diarynote.jp/201512091352434769/
http://43142.diarynote.jp/201610250717473420/
http://43142.diarynote.jp/201704161137379218/

渡辺貞夫

2017年12月16日 音楽
 アルト・サックスの渡辺貞夫(2002年12月14日、2003年5月6日、2004年12月17日、2005年12月18日、2006年8月8日、2006年9月3日、2006年10月4日、2007年12月16日、2008年12月14日、2009年7月22日、2009年9月3日、2011年7月4日、2012年6月29日、2012年12月15日、2013年4月1日、2013年7月27日、2013年9月29日、2014年7月8日、2014年10月5日、2014年12月14日、2015年12月12日、2016年7月3日、2016年12月11日、2017年10月8日)、ピアノのサイラス・チェスナット(2009 年6月7日)、ベースのクリストファー・トーマス(2008年9月4日、2009年7月20日、2011年5月12日、2012年5月22日)、ドラムのブライアン・ブレイド(2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2008年9月4日、2009年7月20日、2011年5月12日、2012年1月16日、2012年3月15日 、2012年5月22日、2014年2月12日、2014年4月14日、2015年5月27日、2016年5月18日)からなるカルテットを、渋谷・オーチャードホールで見る。7カ所で持たれたツアーの楽日で、この4人で今年『リバップ』という正調方向にあるジャズ・アルバムを出している。

 演奏が始まってすぐに、今回御大の音色が澄んでいて奇麗と思わせられる。だが、途中から濁りが出てきたりもしたのだが、それはリードの問題だろうか。ま、それはともあれ、和気あいあいと今の凝らない(平たく言えば、テーマ→ソロ→テーマという図式を持ち、テーマとソロ部が渾然一体となったようなことはしない)アコースティック・ジャズを展開する。その新作から5曲だか(うち1曲は、アルバムともどもサックス独奏)をやり、他は渡辺の旧曲。そして敬愛するチャーリー・マリアーノの曲も二つ。また、スタンダードも1曲やったか。

 アルバムにせよ、このツアーにせよ、渡辺貞夫がブレイドと一緒にやりたくて企画されたもののようだが、ブレイドも楽しそうにやっていたな。が、それ以上に満面の笑みをたたえて演奏していたのが、ブレイドとは彼のリーダー・グループであるザ・フェロウシップ・バンド結成以降ずっと一緒にやっているトーマス。もうニコニコとヘラヘラの中間の表情を浮かべっぱなし。ときにコントラバス音にブーストがかかりすぎかと思える場合もあったが、仏頂面ではなく楽しそうな表情を浮かべる人の演奏に触れるのは精神衛生上よろしい。

 巨漢チェスナットと渡辺は旧知の間柄だが、彼はコンサヴァ志向の人と思っていたところそうでもなく、今回の演奏に触れて見直す部分があった。なんか、ソロで高音中心にキラキラしたフレイズを繰り出す様は個性あり。一方で、両手を駆使してごわーんと広がる音も出したりして、自分であらんとする意思はあちこちに見え隠れ。そのピアノの音、少しエコーが掛かり過ぎと感じもしたが、4人の音は細部まで良く聞こえ、それは聞き味の良さを助けていたはずだ。

▶過去の、渡辺貞夫
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▶過去の、サイラス・チェスナット
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▶︎過去の、クリストファー・トーマス
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▶過去の、ブライアン・ブレイド
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http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
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<翌日の、ニューオーリンズのヨロラ大学卒業者>
 午前中にホテルで、本日帰国するブライアン・ブレイドにインタヴューする。うわぁ望外にナイス・ガイにして音楽のムシで、もっとファンになっちゃったよお。返答も実に的確だった。結成20周年となるザ・フェロウシップ・バンドはこの秋にブルーノートから新作『ボディ・アンド・シャドウ』を出したが、ジャズ衝動と審美眼が導く情緒が解け合う佳作でよろしくされたい。それは今のジャズの表情/ありかたの一つを示唆するものだ。

 下北沢・空飛ぶこぶたや で、広い視野のもと手作り感覚音楽を奏でる二組を見る。ともに、クラリネット奏者を擁していて、こんなにクラリネット〜やはり、ジャズにしろポップ・ミュージックにしろ今の音楽からは見捨てられたと言ってもいい、古い音色を持つ管楽器でしょう〜の音をこんなに聞いた日は初めてとなる?

 最初はカセットコンロスのWADA MAMBO(ギター、ヴォーカル)とアンドウケンジロウ(クラリネット)のデュオ。普段はカリプソに日本語歌詞を付けたことをやっているというMCもあった(最後に歌った、両親の性生活の乱れをユーモラスに歌った曲はなかなか)が、ここではマヌーシュ・スウィングぽいのまでいろんなことをペーソソスにあふれやっていた。各曲の最後に「ジングル・ベル」の一節を差し込みまくり悪趣味だと思わずにはいられなかった(ああいうのは、一度さくっと入れてこそ効果的であると思う)が、あれだけ繰り返されると辟易を通り越して苦笑となった。

 休憩をおいて出てきたof Tropiqueはこの晩がお披露目のライヴとか。結成は1年前でその際にレコーディングもしたのだそうだが、その後、メンバーの地方転居などもあり、休止状態になっていたらしい。

 構成員はコロリダス(2013年2月3日、2014年1月18日、2016年2月28日、2017年9月24日)の近藤哲平(クラリネット)としみずけんた(パーカッション)、ジェントル・フォレスト・ジャズ・バンドやバロンと世界一周楽団の八木橋恒治(ギター、バンジョー)、タとエ(2017年9月24日)やSENKAOSの大島武宣(ギター)と伊東絵里(パーカッション)、カセットコンロスやRIDDIMATEの田名網ダイスケ(ベース。すべてサム・ピックで弾いていた。それって、風情があるな。そういえば、昔のフェンダー・ジャズ・ベースにはサム・ピック演奏用の指置きがボディについていた)という6人。

 面々は説明するのに困るお茶目なインストゥメンタル自作曲を、和気あいあいと聞かせる。架空の地域のほんわか表現と言うか、魔法の絨毯に乗ってきままに各地を旅する音楽と言おうか。こういうのって日本人は得意かもしれないなあと、ふと思う。ココロ、弾む。最後は最所に出たお二人も加わった。クラリネット2本そろい踏み、クラリネットに幸あれと思ってしまった。

▶過去の、コロリダス
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http://43142.diarynote.jp/201603011023174338/
http://43142.diarynote.jp/201709261222472364/
▶︎過去の、タとエ
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<今日の、会場>
 初めて行く。最初間違って、隣の地下のお店に入ったら、お店の若い女の子が(ぼくの行きたい店に)案内しましょうかと親密に対応。それは遠慮したが(実際、本当に隣の地下にあった)なんかほっこりした。空飛ぶこぶたやは異色音楽フェスの“勝手にウッドストック”に食べ物屋を出店しているお店なのだとか。満員。ぼくの前に座った外国人2人はフランス人とスペイン人だった。終演後、アフリカ系の人が来て、なれた手つきでパーカッションを叩いたりもし、場が沸いた。of Tropiqueの録音済みの音をいただいたが、本人たちが言うように、この晩聞けたものとはけっこう違う。スタジオ録音曲はもっとキッチュな卓録感のもと、人を喰ったところがある。「明日は明日の風が吹く、明日も晴れるといいなあ」という手触りやそこはかとない外しの感覚は、なんか一部の泉邦宏(2006年7月3日、2011年7月10日、2012年4月21日、2017年1月9日、2017年9月13日)卓録物件のテイストと重なるとも感じた。
▶過去の、泉邦宏
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703
http://43142.diarynote.jp/201107111327576732/
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http://43142.diarynote.jp/201709141146381271/

 米国喉自慢歌手(2008年2月5日、2013年8月1日)の、生誕100周年となるエラ・フィッツジェラルドへのトリビューション公演を見る。彼女は15年前にエラ・フィッツジェラルドに捧げるアルバムを出しているが、2017年発表作は豪州のトランぺッターであるジェイムズ・モリソンとともにこの6月にメルボルンで同交響楽団も擁して持った公演の2枚組ライヴ作『Ella & Louis』(ABC/Universal)だ。

 ピアノのキム・ハンセン、弦音を模した音を出すキーボード(一部、トランペット系楽器も吹いた)のアンドリュー・ウェイナー、ダブル・ベースのアーネスト“レジー”ハミルトン、ドラムのニーサン・スチュワートという陣容。そして、様々な手触りを持つフィッツジェラルド絡みの楽曲が披露される。多彩さをコンボ演奏に落とし込んだアレンジは、誰がやったのだろうか。

 1950年生まれのオースティンは少しやせたか。彼女への思慕と、積み上げてきたものは山ほど。思ったほどはスキャットを噛ましはしなかったが、ジャズを根に持つワタシをほぼ十全に出す。また、1曲ごとに私流儀のMCを悠々と噛ますあたりは大物歌手の風情濃厚というか、米国シュービズ流儀をばっちり会得しているとも思わせる。その際、ドラム音だけをバックに少し、ラップもかました。

▶︎過去の、パティ・オースティン
http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/
http://43142.diarynote.jp/200802100022540000/

<今日の、こぼれ話>
 そういえば、大西順子1999年10月9日、2007年9月7日、2010年9月30日、2010年12月22日、2011年2月25日、2011年8月6日、2015年9月6日、(1999年10月9日、2007年9月7日、2010年9月30日、2010年12月22日、2011年2月25日、2011年8月6日、2015年9月6日))はバークリー音楽院を出て、NYで活動し始めた初期、なんとベティ・カーターのバンドに入ったことがあったのだという。カサンドラ・ウィルソン(1999年8月27日、1999年9月2日、2001年2月12日、2004年9月7日、2008年8月11日、2010年6月13日、2011年5月5日、2013年5月31日、2015年3月19日)の最大級のインスピレーション素でもある、このスリリングなジャズ・ヴォーカルの権化はピアニストに厳しかった〜いい奏者をそろえたことで知られますね。さすが、大西。で、彼女はカーター・バンドにいたときほど、英語を勉強をしたことはなかったそう。カーターが繰り出す気分にして攻めのディレションに応えんとするためですね。気を許すと、「このピアニストはジャズのことをなにも分かっちゃいない」なんて、歌うんだとか。ジャズ、だなあ。
▶過去の、大西順子
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http://43142.diarynote.jp/201102261254532443/
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http://43142.diarynote.jp/201610311054183284/
▶過去の、カサンドラ・ウィルソン
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http://43142.diarynote.jp/201306060609052151/
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ルイス・ヘイズ

2017年12月22日 音楽
 御年80歳でブルーノート・レコードから初めてリーダー作を出したドラマーが、ルイス・ヘイズだ(2015年1月9日)。なんて書き方は、ヴィー・ジェイ、スティープル・チェイス、タイムレス、32ジャズ、キャンディド他、いろいろなレーベルから20枚ほどのリーダー作を出している名奏者に失礼となりますね。

 デトロイトで10代からプロ活動をしていた彼が19歳のときにホレス・シルヴァー(ブルーノートのスターであり、社長のアルフレッド・ライオンが最後までつきあいを持った唯一のミュージシャンとも言われますね)から連絡を受けてNYに向かい数年間彼のバンドに在籍してレコードにもしっかり入っていたという経歴を持つヘイズだが、その2017年新作『Serenade For Horace』は表題にあるようにホレス・シルヴァーへ捧げたもので、すべて彼の曲をやっている。

 丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。ヘイズ以下の構成員は、前回公演とまったく同じ。そして、ヘイズ自身が筆頭プロデューサーとして名を出している『Serenade For Horace』の録音メンバーも、このクインテットにトランぺッターのジョシュ・エヴァンスを入れた陣容で録音している。

 まっとうな、ジャズ。あまり、新作の内容をくまない、、、。例により1曲15分はたっぷりとやり、その大枠は前回公演と同じながら、今回のほうが強く聞こえた。ピアノ、テナー、ベース奏者はヘイズの半分以下の年齢だろうが、とくにベーシストは信頼しているようでレコーディング時のアレンジは一緒に考え、ピアニストは彼の紹介なようで、テナー・サックス奏者は子供ころから知っているそう。そのテナーくん(最初のMCは振られて、彼がしていた)は威風堂々、今回は丁寧にして、雄々しさも出していた。ヴァイブのスティーヴ・ ネルソンの出張るパートは今回ふえていたかもしれぬ。

 しかし、ルイスは元気。これぞ王道のジャズ・ドラムという演奏を小気味良く、存在感たっぷりに聞かせる。会場にいた、ジャズ・ドラムを叩き、普段いいドラマーにもいろいろと接しているはずの知人も驚嘆。聞きにきてよかったー、と申しておりました。

▶︎過去の、ルイス・ヘイズ  ジャズ・コミュニケイターズ
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<翌日の、楽しい時間>
 御大に昼下がりに、ホテルでインタヴュー。今作はブルーノートから出す事に意義があった、そう。実は、彼のマネージャーはデクスター・ゴードンの奧さんだった人(ヨーロッパ人だろう、白人の気安いおばあちゃん)で、やり手のよう。ブルーノートから出るには彼女の働きがあったようで、最終的にはデトロイト出身でもある現ブルーノート社長のドン・ワズ(2013年2月15日)がOKを出した。『Serenade For Horace』には1曲グレゴリー・ポーター(2013年3月6日、2013年9月6日)が参加しているが、それは彼のディレクションだ。キャノンボール・アダリー、オスカー・ピーターソン、ウェス・モンゴメリーからジョン・コルトレーンやセシル・テイラーのレコーディングにまで関与している彼、印象に残っている録音者をあげてと言ったら、ラヴィ・シャンカールとジョン・リー・フッカーの名前を出す。「アンユージャルなものが好きなんだ」、そう。マイルス・デイヴィスみたいなメガネをオフではかけていて、格好もちゃらい目のルイスさん。オシャレは好きだそう。健康にはなにも気遣っていないとのことだが、演奏の何時間も前からウォームアップをすることを心掛けているようだ。
 なお、彼のバンド名として出されているジャズ・コミュニケイターズという名称は昔使ったことがあるものの、今は使っていないときっぱり言っていた。
▶過去の、ドン・ワズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215
▶︎過去の、グレゴリー・ポーター
http://43142.diarynote.jp/201303070815313472/
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/

 公開中の、ブルーノート・レコードが送り出したスター・トランぺッターであるリー・モーガン(1938〜1972年)の長くはないプロ活動期のことを扱った2016年映画を見る。渋谷・UPLINK。基本は関係者発言映像やあり写真や映像などを構成したよくあるドキュメンタリーものと言えるのだが、“事実は小説よりも奇なり”なストーリーがあり、へ〜えとなるはず。そして、ひいては男と女の結びつきの妙や当時のジャズや黒人をとりまく環境もうっすらと浮かび上がる。まあ、モーガンのことを射殺してしまった婦人のヘレン・モーガンが亡くなる2ヶ月前に受けたインタヴューをもとにしたラリー・レニ・トーマスによる書籍「The Lady Who Shot Lee Morgan」(Kha Books、2014年2月に刊行)の内容を危ないところは少しボカしつつわりと忠実に追った映像作品でもあるので、まずは本のほうをほめるべきかもしれないが。

 監督は、スウェーデン人のガスパー・コリン。ザ・ジャズ・メッセンジャーズの同僚のウェイン・ショーター(2001年8月3~5日、2002年8月25日、2004年2月9日、2014年9月7日、2015年9月6日)や、モーガンのバンドにいたベニー・モーピンやビリー・ハーパーら関係ミュージシャンから身近な言質をとるだけでなく、ラリー・レニ・トーマスにヘレン・モーガンのことを語らせたり、彼の書籍ではイケてる若い愛人として匿名的に書かれていた(はずの)女性も証言者として引っぱりだしたのは彼の功績。当然のことながら、トーマスがカセット・テープに収めたヘレンのインタヴュー肉声もいろいろと使われる。コリン監督は不世出のソウルフルなフリー・ジャズ・テナー・マンのアルバート・アイラー(彼は1970年に34歳で亡くなった。死体はNYのイースト川で見つかり、一般的には自殺と言われる)の伝記映画『My Name Is Albert Ayler』(2006)を手掛けてもいるそうで、それも見てみたいな。

 使われる音楽は当然、一連のモーガン参加曲。なんか、トランペットが前にあるジャズっていいなとしっかり思わせられます。

▶過去の、ウェイン・ショーター
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 その後、渋谷・duoで、山口洋率いるHEATWAVEを見る。山口(2006年9月24日、2011年6月5日、2011年12月6日、2011年12月12日)個人のパフォーマンスは何度か見ているものの、バンドで見るのは初めて。ヴォーカルとギターの山口に加え、ベースの渡辺圭一、ドラムの池畑潤二、キーボードの細海魚。とっても、バンドの音だった。彼らはこの4日後にセルフ・カヴァーの2枚組『Your Songs』(マスタード)をリリース。そのこともあり、今回のライヴは彼らの歩みをくくり、そこから新たに一歩前に進まんという位置づけもあったのかな。

 たっぷり、3時間ぐらいやった? 太い歌声はぜんぜんヘロったりせず、本当にストロング。無骨なようでいて、ときにお洒落と思わせるコード使いがあるのは洋楽ベースであることを伝えるか。エレックトリック・ギターを持つほうの曲を聞き、ニール・ヤング(2001年7月28日)のパンク路線みたいなの、やらないかなあとふと思った。歌詞確認のためか(でも、ほとんど見ていなかったような)譜面台を置いていたのはいただけない。MCでわざわざ言及していたジョー・ストラマー(2000年1月17日、2001年11月2日)は置いていないよ。

 1度目のアンコールので披露したのは、彼と中川敬(1999年12月16日、2011年3月26日、他)が書いた、わずか数年でスタンダード・ソングになったしまった観もある「満月の夕べ」。実はこの曲、天下のECMレコードの2018年2月新譜、原盤番号ECM2574のShinya Fukumori Trioの『For 2 Akis』でカヴァーされています。

▶︎過去の、山口洋
http://43142.diarynote.jp/?day=20060924
http://43142.diarynote.jp/?day=20110605
http://43142.diarynote.jp/201112171632304826/
http://43142.diarynote.jp/201112191500441741/
▶過去の、ニール・ヤング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm
▶︎過去の、ジョー・ストラマー
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http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200706162323290000/
▶︎過去の、中川敬/ソウル・フラワー・ユニオン
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http://43142.diarynote.jp/201103271555032719/

<今日の、発見>
 アップリンクの通り向かいのビルは統一教会の建物であるのを初めて知る。ぼくの学生のころはとても悪評高かった記憶がある(青山学院大学が特にむしばまれているという風評もあった)が、今はあまり話を聞かなくなってしまったな。それは他のカルトがのしてきているということだろうか。統一教会と言うと、信者同士が無理矢理指名されて合同結婚式をあげさせられるのが有名だが(通りに面したヴィジョンでその模様が紹介されていたので、今もそれは変わらないのだろう)、婚活で入会するという話はきかないな。はは。
 ところで、リー・モーガンと言えば、1963年軽快曲「サイドワインダー」でよく知られる。あのシングル・ヒット曲はよくジャズ・ロックの走りと言われるが、はたしてそうか? だって、63年と言えば、ブラック・ミュージックをベースとしたロックがでかかったころ。ロックを応用したというよりは、チャック・ベリーらの黒人ロックンロールやソウル・ミュージックの8ビートを咀嚼した曲と解釈したほうが適切ではないか。ただ、あの曲には妙な軽さや切れがあり、それはこの後に台頭するロック・ビートと重なるところもあった。そして、それこそは、イケてる都会派ジャズ・マンが持つ粋が導いたものであったのだ。ぼくは、ずっとそう思っている。
 ヒップホップのまさしく走りとなるチームをここにきて、見ようとは。六本木・ビルボードライブ東京。ファースト・ショウ。MCでも言っていたが、初来日だそうです。

 アンセム曲「ラッパーズ・ディト」がリリースされたのが、1979年。そして、当時はまだターンテーブルが用いられ始めたころで、そのサウンドは生バンドが担っていた。その状況は1983年ぐらいまで続いたか。それが、初期オールド・スクール・ラップの流儀。そして、当時のシュガーヒルのハウス・バンドはベースのダグ・ウィブッシュ(2000年4月9日、2001年7月27日)やギターのスキップ・マクドナルドやドラムのキース・ルブランらが担った。だから、厳密には彼らも来ないと片肺とも言えるのだが、栄えある諸曲が流れるだけで上がるはずと確信し、会場に向かう。

 3MC、1DJにてパフォーマンス。うち、マスター・ジーとスーツを着た身体の大きなワンダー・マイクの2人のMCがオリジナル・メンバー。オープナーは、E.W.&.F. (2006年1月19日、2012年5月17 日)の「イン・ザ・ストーン」に合わせて力づく的にラップ。ザ・コモドアーズ「ブリック・ハウス」、ファンカデリック「フラシュライト」、ジェイムズ・ブラウン(2000年8月5日)「セックス・マシーン」、ザ・ジャクソン5「アイ・ウォント・ユー・バック」、プリンス(2002年11月19日)「パープル・レイン」(これはオリジナルのサンプリングではなく、別な演奏を使っていた)など有名曲をネタにラップするものも多かった。

 また、中盤ではなんとバンド演奏も敢行。マスター・ジーがドラム、ワンダー・マイクがベース、他の2人がキーボードを担当。これも有名曲カヴァーであったが、ラップではなくどれもDJ氏が歌う。まあ、余儀以外の何ものでもなかったが、彼らがバンド音でスタートしたことを重んじるぼくには少しうれしかった。

 あと、なるほどと思わせられたのは、まあ有名曲ぼったくりが多かったことが幸いし、脈々と受け継がれる米国ブラック・ミュージックの径みたいなものを感じさせていたこと。我々はつながってきている、その感覚は望外に得ることができた。

 ちなみに、80年代に入ると、件のダグ・ウィブッシュとスキップ・マクドナルドとキース・ルブランはUKダブ・サウンドの総本山“ON-U・サウンド”を率いるエイドリアン・シャーウッド(2011年12月9日)に誘われ渡英。そのON-Uの音作りにいろいろ関わるとともに、タックヘッドというバンド名で活動し、アルバム群も出すようになった。また、マクドナルドはブルースとトリッキー(2001年7月27日)が直結しちゃったようなやさぐれサイバーブルーズ・プロジェクトであるリトル・アックスという表現手段も持っていて、そちらにもウィンブッシュやルブランは関与。リトル・アックスはソニー傘下のオーケイ、ON-U、リアル・ワールド、エコービーチなどのレーベルから、10枚を超えるアルバムを出している。

▶過去の、ダグ・ウィンブッシュ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm ポーラ・コール・バンド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm 27日 フジ・ロックのモス・デフ
▶︎過去の、トリッキー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm フジ・ロック27日
▶過去の、E.W.&.F.
http://43142.diarynote.jp/200601271855390000/
http://43142.diarynote.jp/201205301252113538/
▶過去の、JB
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm サマーソニック初日
▶過去の、ザ・ジャクソンズ
http://43142.diarynote.jp/201112201157058751/
http://43142.diarynote.jp/201212111331075592/
▶過去の、ティト・ジャクソン
http://43142.diarynote.jp/201007161048008489/
http://43142.diarynote.jp/201512091352434769/
▶過去の、映画「THIS IS IT」
http://43142.diarynote.jp/200911010930562162/
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm

<数日前の、国際郵便>
 ポーランドからCDが届く。お、クリスマス・ギフト? 差出人は、レシェック・モジジェル(2016年3月9日)。封入されていたのは、Leszek Możdżer & Holland Baroque名義の『Earth Particles』(Outside Music,OM CD008)。ホーランド・バロックはオランダの広角型バロック集団で、2008年以降10枚を超えるアルバムを出している。で、同作は10曲入り、71分の作品であるが、これがなんとも素晴らしい。モジジェル(ピアノ、キーボード)に加え、2人のヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ダブル・ベース、ハプシコード/オルガン。そして、クローザーには娘と思しき幼い声も入る。よく作られた曲はモジシェルのオリジナルだ。モジジェルがクラシックにも強い人であるのは知っていたが。クラシック系室内楽的編成を通して、しなやかさや創意が優美にこんこんと湧き上がる様は絶品。ピアノ演奏も生え、ミニマルやジャズ要素も刺激的に散りばめられた、審美眼に富むクロスオーヴァー作品。あの人ならこれを聞いたならどんな感想を漏らすだろうかとか、そんなことも思いっぱなし。いい年末お供の音楽になりました。
▶︎過去の、レシェック・モジジェル
http://43142.diarynote.jp/201603111218495183/