バライ、jew’s-ear
2014年5月17日 音楽 台湾原住民パイワン族の血統にあるシンガー・ソングライターの公演を、青山・月見ル君フで見る。アコースティック・ギターを弾きながら歌う当人をエレクトリック・ギター奏者とベーシストとドラマーがサポート。彼らは現地で活動するガガバンドというサポート用途バンドの選抜員のようで、ドラマーは日本人だったようだ。バライのはいていた赤色基調のパンツはパイワン族に伝わるものだったのだろうか。彼、言葉はパイワン語や北京語で歌っていたようだ。
へ〜え。1曲目はほぼバライ一人の弾き語りの曲だったのだが、個性と訴求力に富む声量の大きな歌声に触れて少々びっくり。見た目は、普通の青年なのだが、声の深さは40過ぎのおっさんもびっくり、という感じ。もう無条件で、ある固有の文化を引き継いでいると、それは感じさせる。また、曲調もまちがいなくパイワン族の何かを受けているナと、感じてしまう。
一部トラッド曲もやったようだが、巧みなコードの置き方をしているからかもしれないが、雄大さや風の感覚を持ちつつ、掛け声や詠唱的な雰囲気までもが無理なく“洋楽耳”になじむ。で、その伝承曲を聞いてぼくが思い出したのは、米国先住民の血を弾くジャズ・サックス奏者であるジム・パッパーの牧歌名曲「Witchi-Tai-To」。いや、なんか固有文化に対するこだわりは不思議な親和性を持つのか。
十分に西欧音楽文脈とは異なる何かを抱えつつ、一方では今様なロック流儀も持つ(電気ギタリストは、今のUKロック型響きのスタイルを示す)。いい聞き味は、いろいろ。かなりうきうきしながら、ぼくは彼に触れる。台湾に対する興味もまたあがった。彼はMCはコタコトの日本語でこなす。けっこう単語を覚えたのだろう、つっかえつつも自分の気持ちを伝えようとしているのが、よく伝わりました。台湾で肌の色が黒い人がいたら声をかけてください、その80%が先住民族ですから、みたいなMCも彼はしたか。
そんな彼がパフォーマンスする前には、大阪のインストゥルメンタル・バンドのjew’s-earが演奏。リード、キーボード/フルート、ギター、ベース、ドラムという編成の5人組。ときにジャム・バンド的なところも感じさせる、間口が広く敷居が柔らかい、しっかりとした演奏を披露。ほんの少し、エチオピア。ジャズぽくなる局面もあったか。ジャズ研流れのコンボなのかなと思ったら、MCで自ら<喫茶プログレ・バンド>と紹介する。プログ・ロック流れのバンドなのかしらん。とすれば、カンカン言っていたスネア音はビル・ブラフォードから来た? なんか、その音に接しながらP-ヴァインからアルバムが出されても驚かないなと思ったら、彼らは何年か前に同社からアルバムを出しているらしい。また、DCPRG(2001年9月22日、2011年7月31日)の解散ツアーにも前座で出た事があるという。そんな彼らはバライの曲をイビツなビート感覚のもとカヴァーしていて、それを披露するときバライは出て来て1曲歌った。バライの実演のとき叩いたのは、ここのドラマー?
そのあと、青山・プラッサ・オンゼに。<ラテン・ジャム、vol.11>という出し物をやっていて、出演者は高井汐人(テナー・サックス)、柴田亮太郎(ギター)、安西創(アコーディオン)、酒井タカフミ(パーカッション)。過去の回はベーシストやドラマーも入っていたようだが、今回は新たな設定で実演に望んでいるとのこと。ラテンと謳っているものの、参照する世界は広く、柴田(2011年6月7日)はフラメンコ・ギターをヘレスに居住して学んでいたこともあり、適切なフラメンコの薫りが入る場合もある。ぼくが見たセットでは、スティーヴィ・ワンダーの「リボン・イン・ザ・スカイ」やスティングの「イングリッシュ・マン・イン・ニューヨーク」といったポップ曲も無理なく取り上げていた。
通常はアルトやソプラノも吹くという高井(2011年7月31日)はテナー・サックスに専念していたが、その安定と豊かさを持つ吹き味には感心。2日前にジョシュア・レッドマンの丁寧なそれを聞いたばかりでもそう感じるので、かなりの実力者と見た。聞けば、普段はラテンものを中心にやっているものの、再結成後のDCRPG(2011年7月31日)に彼は加わっているという。菊地成孔(2001年9月22日、2002年11月30日、2004年7月6日、2004年8月12日、2005年6月9日、2006年1月21日、2007年11月7日、2009年7月19日、2010年3月26日、2011年4月22日、2011年5月5日、2011年7月31日、2013年3月26日、2013年7月27日、2014年2月20日、2014年4月3日)も彼の実力を認めているのね。
▶過去の、DCPRG
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20110731
▶過去の、柴田
http://43142.diarynote.jp/201106202134077974/
▶過去の、菊地
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200407062149440000/
http://43142.diarynote.jp/200408120238330000/
http://43142.diarynote.jp/200506120644360000/
http://43142.diarynote.jp/200601271857530000/
http://43142.diarynote.jp/200711101236210000/
http://43142.diarynote.jp/200907221011377741/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100326
http://43142.diarynote.jp/?day=20110422
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/?day=20110731
http://43142.diarynote.jp/201303290751204240/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130727
http://43142.diarynote.jp/201402210802184994/
http://43142.diarynote.jp/201404050818444425
<今日の、注釈>
文中に名前を出したジム・ペッパー(1941〜92年)はエンヤやアンティルズ/アイランド他にリーダー作を残すとともに、ポール・モーシャンやチャーリ・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)の表現にも関与してきているテナー主体のサックス奏者で、自らヴォーカルをとってもいる「Witchi-Tai-To」は彼の1971年作や1984年作で聞くことができる。そして、同曲はヒューマンな楽曲として一部のジャズ・マンからも愛されていて、ヤン・ガルバレク(2002年2月13日、2004年2月25日)は1974年ECM発の同名タイトルのアルバムでカヴァー。他にも、オレゴンやジャック・ディジョネット(2001年4月30日、2007年5月8日)などもこの曲を取り上げている。
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200909120650273142/
▶過去の、ガルバレク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200402251031510000/
▶過去の、ディジョネット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
へ〜え。1曲目はほぼバライ一人の弾き語りの曲だったのだが、個性と訴求力に富む声量の大きな歌声に触れて少々びっくり。見た目は、普通の青年なのだが、声の深さは40過ぎのおっさんもびっくり、という感じ。もう無条件で、ある固有の文化を引き継いでいると、それは感じさせる。また、曲調もまちがいなくパイワン族の何かを受けているナと、感じてしまう。
一部トラッド曲もやったようだが、巧みなコードの置き方をしているからかもしれないが、雄大さや風の感覚を持ちつつ、掛け声や詠唱的な雰囲気までもが無理なく“洋楽耳”になじむ。で、その伝承曲を聞いてぼくが思い出したのは、米国先住民の血を弾くジャズ・サックス奏者であるジム・パッパーの牧歌名曲「Witchi-Tai-To」。いや、なんか固有文化に対するこだわりは不思議な親和性を持つのか。
十分に西欧音楽文脈とは異なる何かを抱えつつ、一方では今様なロック流儀も持つ(電気ギタリストは、今のUKロック型響きのスタイルを示す)。いい聞き味は、いろいろ。かなりうきうきしながら、ぼくは彼に触れる。台湾に対する興味もまたあがった。彼はMCはコタコトの日本語でこなす。けっこう単語を覚えたのだろう、つっかえつつも自分の気持ちを伝えようとしているのが、よく伝わりました。台湾で肌の色が黒い人がいたら声をかけてください、その80%が先住民族ですから、みたいなMCも彼はしたか。
そんな彼がパフォーマンスする前には、大阪のインストゥルメンタル・バンドのjew’s-earが演奏。リード、キーボード/フルート、ギター、ベース、ドラムという編成の5人組。ときにジャム・バンド的なところも感じさせる、間口が広く敷居が柔らかい、しっかりとした演奏を披露。ほんの少し、エチオピア。ジャズぽくなる局面もあったか。ジャズ研流れのコンボなのかなと思ったら、MCで自ら<喫茶プログレ・バンド>と紹介する。プログ・ロック流れのバンドなのかしらん。とすれば、カンカン言っていたスネア音はビル・ブラフォードから来た? なんか、その音に接しながらP-ヴァインからアルバムが出されても驚かないなと思ったら、彼らは何年か前に同社からアルバムを出しているらしい。また、DCPRG(2001年9月22日、2011年7月31日)の解散ツアーにも前座で出た事があるという。そんな彼らはバライの曲をイビツなビート感覚のもとカヴァーしていて、それを披露するときバライは出て来て1曲歌った。バライの実演のとき叩いたのは、ここのドラマー?
そのあと、青山・プラッサ・オンゼに。<ラテン・ジャム、vol.11>という出し物をやっていて、出演者は高井汐人(テナー・サックス)、柴田亮太郎(ギター)、安西創(アコーディオン)、酒井タカフミ(パーカッション)。過去の回はベーシストやドラマーも入っていたようだが、今回は新たな設定で実演に望んでいるとのこと。ラテンと謳っているものの、参照する世界は広く、柴田(2011年6月7日)はフラメンコ・ギターをヘレスに居住して学んでいたこともあり、適切なフラメンコの薫りが入る場合もある。ぼくが見たセットでは、スティーヴィ・ワンダーの「リボン・イン・ザ・スカイ」やスティングの「イングリッシュ・マン・イン・ニューヨーク」といったポップ曲も無理なく取り上げていた。
通常はアルトやソプラノも吹くという高井(2011年7月31日)はテナー・サックスに専念していたが、その安定と豊かさを持つ吹き味には感心。2日前にジョシュア・レッドマンの丁寧なそれを聞いたばかりでもそう感じるので、かなりの実力者と見た。聞けば、普段はラテンものを中心にやっているものの、再結成後のDCRPG(2011年7月31日)に彼は加わっているという。菊地成孔(2001年9月22日、2002年11月30日、2004年7月6日、2004年8月12日、2005年6月9日、2006年1月21日、2007年11月7日、2009年7月19日、2010年3月26日、2011年4月22日、2011年5月5日、2011年7月31日、2013年3月26日、2013年7月27日、2014年2月20日、2014年4月3日)も彼の実力を認めているのね。
▶過去の、DCPRG
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20110731
▶過去の、柴田
http://43142.diarynote.jp/201106202134077974/
▶過去の、菊地
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200407062149440000/
http://43142.diarynote.jp/200408120238330000/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20100326
http://43142.diarynote.jp/?day=20110422
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http://43142.diarynote.jp/?day=20130727
http://43142.diarynote.jp/201402210802184994/
http://43142.diarynote.jp/201404050818444425
<今日の、注釈>
文中に名前を出したジム・ペッパー(1941〜92年)はエンヤやアンティルズ/アイランド他にリーダー作を残すとともに、ポール・モーシャンやチャーリ・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)の表現にも関与してきているテナー主体のサックス奏者で、自らヴォーカルをとってもいる「Witchi-Tai-To」は彼の1971年作や1984年作で聞くことができる。そして、同曲はヒューマンな楽曲として一部のジャズ・マンからも愛されていて、ヤン・ガルバレク(2002年2月13日、2004年2月25日)は1974年ECM発の同名タイトルのアルバムでカヴァー。他にも、オレゴンやジャック・ディジョネット(2001年4月30日、2007年5月8日)などもこの曲を取り上げている。
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
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▶過去の、ガルバレク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200402251031510000/
▶過去の、ディジョネット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
ジョシュア・レッドマン
2014年5月15日 音楽 俊英という形容をいまだ持ち続けているようにも思える、アフリカンとジューイッシュの血を引くテナー・サックス奏者(2003年1月16日、2009年4月21日、2010年9月5日、2012年5月31日)のカルテットでのショウ。ところで、ジャズは<アフリカ系とユダヤ系移民による米国発の混血音楽>という側面も濃く持つので、彼は鉄壁の血筋にあるジャズ・マンとも言えるのか。与える醍醐味以上に彼が長年エリート奏者視されてきている(少なくても、ぼくにはそう感じられる)のには、そういう側面があるためか。いや、それはないだろうな。
近く出るノンサッチ発の新作は、前作の周到に練られたストリング付き盤から通常路線にあるシンプルなトリオでの録音盤のようだが、今回のショウはピアニストを入れてのもので、それについては興味がひかれる。で、そのサイドマン内訳は、意気のいいNY若手を起用することにかけて定評のある渡辺貞夫のサポートほかでお馴染みのアーロン・ゴールドバーグ(2011年7月4日、2012年6月8日、2013年4月1日)、チャールズ・ロイドやダイアン・リーヴスなどのサポートで日本に来るとともにレッドマンの信任も厚いルーベン・ロジャース(2005年5月11日、2008年9月22日、2009年4月21日、2013年1月6日)、そしてロイ・ヘインズ(2009年6月1日、2011年11月29日)の孫でもあるというマーカス・ギルモア(2007年11月21日、2010年7月24日、2010年8月22日)。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。
まず、思ったのは、ジョシュアってこんなに、やせていたっけ? ということ。手の指が長く綺麗であるのも認知。で、息遣いがよく分るような距離で見ることができると、彼の技術の高さが良くわかる。それゆえ、知性と言い換えても50%は嘘にならないだろう抑制の取り方も手に取るように理解でき、そうした部分がぼくに、ジョシュア・レッドマンってはみ出さない、熱量が高くないと感じさせることに繋がっているとも思った。
スタンダードもロック曲も自作もクラシック曲(バッハ曲を静謐に披露)も適度に構成に凝った施しを介して、提出する。各奏者の音鳴りのバランスがいいこともあり、均整がとられているとも、それは感じさせるか。なんかなあと思わせるのは、親分以下、ゴールドバーグを除いて(たぶん)は、譜面を置いていたこと。それには、少し興ざめします。
純ジャズ界ではトップ級に話題を集めるドラマーであるマーカス・ギルモアを一番見たくてぼくは足を運んだが、この行き方だとばっちり個性発揮という感じではなかったか。他の奏者から見れば、彼のソロ・パートもほんのオマケみたいな感じだった。マッチド・グリップ中心で叩く彼、ジャズ・マナーに則るのに、あんなにバスドラの足数が多い人は珍しいかも。なんか、彼の演奏に接し、人力ダブ・ドラミングをやらせたら上手そうとも感じた。
▶過去の、レッドマン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200904221307055009/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100905
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
▶過去の、ゴールドバーグ
http://43142.diarynote.jp/?day=20110704
http://43142.diarynote.jp/?day=20120608
http://43142.diarynote.jp/201304031026406106/
▶過去の、ロジャース
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
http://43142.diarynote.jp/200904221307055009/
http://43142.diarynote.jp/201301151731112021/
▶過去の、ギルモア
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201007261045442770/
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
▶過去の、ヘインズ
http://43142.diarynote.jp/?month=200906
http://43142.diarynote.jp/201112041055284606/
<今日の、アフター>
その後、ライヴを見た人たちと流れるが、お行儀のいいレッドマンが何かと掛け声を出したり、見えを切るようなポーズを今回見せていたことが話題にのぼる。優等生、ちょい無理目に陽性に振る舞う、の図。いい奴、なんだろうな。また、一人はベースとドラムの個性が乖離しすぎ、なぜリーダーはあのドラムを雇っているのかとのたまう。持ち味があっているとは思わなかったが、雑なぼくはそんなに気にはならなかったが。でも、なにかにつけて、このリーダーだからこそ生まれてくる聴後感はあったわけで、そう意味ではジョシュアイズムに満ち満ちていた? で、また”朝まで(飲み)コース”になってしまう……。って、それはレッドマンとはなんら関係がないが。
近く出るノンサッチ発の新作は、前作の周到に練られたストリング付き盤から通常路線にあるシンプルなトリオでの録音盤のようだが、今回のショウはピアニストを入れてのもので、それについては興味がひかれる。で、そのサイドマン内訳は、意気のいいNY若手を起用することにかけて定評のある渡辺貞夫のサポートほかでお馴染みのアーロン・ゴールドバーグ(2011年7月4日、2012年6月8日、2013年4月1日)、チャールズ・ロイドやダイアン・リーヴスなどのサポートで日本に来るとともにレッドマンの信任も厚いルーベン・ロジャース(2005年5月11日、2008年9月22日、2009年4月21日、2013年1月6日)、そしてロイ・ヘインズ(2009年6月1日、2011年11月29日)の孫でもあるというマーカス・ギルモア(2007年11月21日、2010年7月24日、2010年8月22日)。丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。
まず、思ったのは、ジョシュアってこんなに、やせていたっけ? ということ。手の指が長く綺麗であるのも認知。で、息遣いがよく分るような距離で見ることができると、彼の技術の高さが良くわかる。それゆえ、知性と言い換えても50%は嘘にならないだろう抑制の取り方も手に取るように理解でき、そうした部分がぼくに、ジョシュア・レッドマンってはみ出さない、熱量が高くないと感じさせることに繋がっているとも思った。
スタンダードもロック曲も自作もクラシック曲(バッハ曲を静謐に披露)も適度に構成に凝った施しを介して、提出する。各奏者の音鳴りのバランスがいいこともあり、均整がとられているとも、それは感じさせるか。なんかなあと思わせるのは、親分以下、ゴールドバーグを除いて(たぶん)は、譜面を置いていたこと。それには、少し興ざめします。
純ジャズ界ではトップ級に話題を集めるドラマーであるマーカス・ギルモアを一番見たくてぼくは足を運んだが、この行き方だとばっちり個性発揮という感じではなかったか。他の奏者から見れば、彼のソロ・パートもほんのオマケみたいな感じだった。マッチド・グリップ中心で叩く彼、ジャズ・マナーに則るのに、あんなにバスドラの足数が多い人は珍しいかも。なんか、彼の演奏に接し、人力ダブ・ドラミングをやらせたら上手そうとも感じた。
▶過去の、レッドマン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm
http://43142.diarynote.jp/200904221307055009/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100905
http://43142.diarynote.jp/201206011834355756/
▶過去の、ゴールドバーグ
http://43142.diarynote.jp/?day=20110704
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▶過去の、ロジャース
http://43142.diarynote.jp/200505141717440000/
http://43142.diarynote.jp/200809240100515549/
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▶過去の、ギルモア
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
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▶過去の、ヘインズ
http://43142.diarynote.jp/?month=200906
http://43142.diarynote.jp/201112041055284606/
<今日の、アフター>
その後、ライヴを見た人たちと流れるが、お行儀のいいレッドマンが何かと掛け声を出したり、見えを切るようなポーズを今回見せていたことが話題にのぼる。優等生、ちょい無理目に陽性に振る舞う、の図。いい奴、なんだろうな。また、一人はベースとドラムの個性が乖離しすぎ、なぜリーダーはあのドラムを雇っているのかとのたまう。持ち味があっているとは思わなかったが、雑なぼくはそんなに気にはならなかったが。でも、なにかにつけて、このリーダーだからこそ生まれてくる聴後感はあったわけで、そう意味ではジョシュアイズムに満ち満ちていた? で、また”朝まで(飲み)コース”になってしまう……。って、それはレッドマンとはなんら関係がないが。
1990年代下半期、ディアンジェロやマックスウェルとともにネオ・ソウルと呼称された動向の中心的な男性シンガーとして脚光を浴びた1966年中西部生まれのイケ面くん(1999年7月11 日、2005年9月29日、2009年12月21日、2011年9月21日)の、見れば間違いなく米国ソウルの良さやベネイの資質の高さを実感させるパフォーマンスを堪能する。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。
そんな実演に触れながら、他の二人は日本に来ないよなあ〜東京ジャズあたりで呼ばないかなあ、なぞとも思ったり。2012 年に変わらず帝王であることを印象づけた復活ライヴを本国でやったディアンジェロの着手済み新作はいつリリースされるのか。一方、やはりずっと新作を出していないマックスウエルは、まだソニーと切れていないようだし、ライヴはちゃんとやっているようだ。
メンフィス音楽界出身らしい鍵盤奏者のジョン・リッチモンドを音楽監督に置く4人のバンドは問題なし。バックグラウンド歌手のキャンディス・ボイドは2曲ほどフィーチャーされ、ベネイとデュエットを聞かせる。例によって客扱いもうまいベネイは今回ファルセット比率が少し下がったような気がしたのは気のせいか。楽曲は新旧を見渡し、広がりを求めるのも好きな彼はラテン調も2曲ここぞというときに披露する。時間がもう少し長いとよりいいが、シンガーの場合は喉の耐性の個人的差異があるので、強いことは言えないかな。と、書きつつ、ギネスのパイントを2杯ぐいぐい飲んじゃっているわけで、やはり高い訴求力を持っていたのは間違いない。
▶過去の、ベネイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/julylive.htm
http://43142.diarynote.jp/200510030023510000/
http://43142.diarynote.jp/201001051626133581/
http://43142.diarynote.jp/201109220748325210/
<今日の、朝刊>
起床し新聞を見て、びっくり。1面にでかでか(2/3にわたる)と、サッカーW杯日本代表メンバー発表の記事を掲載している。そしてスポーツ面だけでなく、3面、さらには社会面見開きでも関連記事を大々的に展開。大きなニュースがなかったからでもあるだろうが、一般紙なのにこんなにスペースを割いてもいいのとサッカー好きのぼくが困惑してしまうほどの記事スペース大盤振る舞い。サッカーに興味がない人はともかく、サッカーを良く思わない人の心中いかばかりなものか。な〜んて。今後こうしたメディアの露出は増え、今年のワールド・カップもかなり世間の注目を集めるのか。日本代表、グループ・リーグは突破してほしいが。
そんな実演に触れながら、他の二人は日本に来ないよなあ〜東京ジャズあたりで呼ばないかなあ、なぞとも思ったり。2012 年に変わらず帝王であることを印象づけた復活ライヴを本国でやったディアンジェロの着手済み新作はいつリリースされるのか。一方、やはりずっと新作を出していないマックスウエルは、まだソニーと切れていないようだし、ライヴはちゃんとやっているようだ。
メンフィス音楽界出身らしい鍵盤奏者のジョン・リッチモンドを音楽監督に置く4人のバンドは問題なし。バックグラウンド歌手のキャンディス・ボイドは2曲ほどフィーチャーされ、ベネイとデュエットを聞かせる。例によって客扱いもうまいベネイは今回ファルセット比率が少し下がったような気がしたのは気のせいか。楽曲は新旧を見渡し、広がりを求めるのも好きな彼はラテン調も2曲ここぞというときに披露する。時間がもう少し長いとよりいいが、シンガーの場合は喉の耐性の個人的差異があるので、強いことは言えないかな。と、書きつつ、ギネスのパイントを2杯ぐいぐい飲んじゃっているわけで、やはり高い訴求力を持っていたのは間違いない。
▶過去の、ベネイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/julylive.htm
http://43142.diarynote.jp/200510030023510000/
http://43142.diarynote.jp/201001051626133581/
http://43142.diarynote.jp/201109220748325210/
<今日の、朝刊>
起床し新聞を見て、びっくり。1面にでかでか(2/3にわたる)と、サッカーW杯日本代表メンバー発表の記事を掲載している。そしてスポーツ面だけでなく、3面、さらには社会面見開きでも関連記事を大々的に展開。大きなニュースがなかったからでもあるだろうが、一般紙なのにこんなにスペースを割いてもいいのとサッカー好きのぼくが困惑してしまうほどの記事スペース大盤振る舞い。サッカーに興味がない人はともかく、サッカーを良く思わない人の心中いかばかりなものか。な〜んて。今後こうしたメディアの露出は増え、今年のワールド・カップもかなり世間の注目を集めるのか。日本代表、グループ・リーグは突破してほしいが。
わー。すげえ。激混み。会場は、渋谷・クラブクアトロ。きっと、もっとキャパの大きいリキッドルームで持てる公演であったろう。こんなに人が入った渋谷のクアトロって、いつ以来だろうか。
出したアルバムは1枚の、英国の新進ロック・バンド。で、上に書いたような塩梅なので、ステージ上の本人たちはあまり見えない。中心人物はけっこう美青年ふう?だけど、音だけ聞いてもちゃんと実演能力があると思わせ、趣味の良いしっかりしたバンドだと思わせられる。きとんとしたバンド・サウンドに乗るリード・ヴォーカルも良く聞こえ(コーラスも良質)、ちゃんと曲が分る。けっこう、感心。混むのも、よく分る。
サイケデリックとも彼らのロック表現は形容されるが、確かにある種のクセを持つというか、ポイントのある曲をやっている。なかには、ディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)のハード・ロック期以前の『ハッシュ』に入っていそうな曲や、日本のGSがやってそうと思わせる曲調もあった。いい意味で、臭みを持つ楽曲を作っている、と言えるか。それらはレトロと言うこともできそうだが、サウンドのちょっとした処理には今の担い手らしい広がりや工夫が見受けられて、今存在する意義を感じることもできる。全体として、生理的に濡れた情緒を抱えているのが魅力的であると思った。
▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
<今日の、ヨタ話……>
その後に寄ったバーで、昨日が命日だったボブ・マーリーの話題に続いて、鼻血の描写で話題となっているマンガ「美味しんぼ」の話になる。大昔はスピリッツを毎号買っていたので見ていた(でも、「美味しんぼ」はそれほど贔屓にはしていなかったかな。ここからの受け売りで食通ぶる、トホホな知り合いがいたよなー……)が、もう15年は一瞥もしていない。30年を超える長期連載なんだあという話になり、“島耕作”のようにはたして主人公はマンガ中でどんどん歳をとっているのかという話にもなった。だとしたら、編集委員ぐらいにはなっているか、左遷されて新聞社をやめているはず、とか、無責任なネタで盛り上がる。だいいち美食家の主人公のオヤジは年齢的にはもう死んでいてもおかしくないゾ、とか。バー店主が、そういえば、主人公は部下の女性と結婚したんじゃなかったんですかねー、と発言。ふむ、そういう記憶がおぼろげにあるような。ともあれ、フクシマという画一的括りを用いられるのには抵抗を感じてしまう。福島県の会津地方よりは、北〜中関東のほうが影響を受け、関連数値も高いだろうから。
出したアルバムは1枚の、英国の新進ロック・バンド。で、上に書いたような塩梅なので、ステージ上の本人たちはあまり見えない。中心人物はけっこう美青年ふう?だけど、音だけ聞いてもちゃんと実演能力があると思わせ、趣味の良いしっかりしたバンドだと思わせられる。きとんとしたバンド・サウンドに乗るリード・ヴォーカルも良く聞こえ(コーラスも良質)、ちゃんと曲が分る。けっこう、感心。混むのも、よく分る。
サイケデリックとも彼らのロック表現は形容されるが、確かにある種のクセを持つというか、ポイントのある曲をやっている。なかには、ディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)のハード・ロック期以前の『ハッシュ』に入っていそうな曲や、日本のGSがやってそうと思わせる曲調もあった。いい意味で、臭みを持つ楽曲を作っている、と言えるか。それらはレトロと言うこともできそうだが、サウンドのちょっとした処理には今の担い手らしい広がりや工夫が見受けられて、今存在する意義を感じることもできる。全体として、生理的に濡れた情緒を抱えているのが魅力的であると思った。
▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
<今日の、ヨタ話……>
その後に寄ったバーで、昨日が命日だったボブ・マーリーの話題に続いて、鼻血の描写で話題となっているマンガ「美味しんぼ」の話になる。大昔はスピリッツを毎号買っていたので見ていた(でも、「美味しんぼ」はそれほど贔屓にはしていなかったかな。ここからの受け売りで食通ぶる、トホホな知り合いがいたよなー……)が、もう15年は一瞥もしていない。30年を超える長期連載なんだあという話になり、“島耕作”のようにはたして主人公はマンガ中でどんどん歳をとっているのかという話にもなった。だとしたら、編集委員ぐらいにはなっているか、左遷されて新聞社をやめているはず、とか、無責任なネタで盛り上がる。だいいち美食家の主人公のオヤジは年齢的にはもう死んでいてもおかしくないゾ、とか。バー店主が、そういえば、主人公は部下の女性と結婚したんじゃなかったんですかねー、と発言。ふむ、そういう記憶がおぼろげにあるような。ともあれ、フクシマという画一的括りを用いられるのには抵抗を感じてしまう。福島県の会津地方よりは、北〜中関東のほうが影響を受け、関連数値も高いだろうから。
ジャッキー・テラソン・カルテット
2014年5月11日 音楽 丸の内・コットンクラブ、ファースト・ショウ。在米フランス人ピアニスト(2009年5月18日、2010年5月6日、2013年2月8日)の今回の公演は、パーカッション奏者を伴うカルテットによるもの。前回も同行していたバーニス・トラヴィス(縦ベース)に加え、ルクミル・ペレス(ドラム)、ミニノ・ギャレイ(打楽器)という面々といい感じで噛み合い、本編は1時間ほど切れ目なしにパフォーマンス。1曲目は大胆に崩した「ベサメ・ムーチョ」。ジョン・レノンの「オー・マイ・ラヴ」(前回公演時もやった)やマイケル・ジャクソンの「ビート・イット」も一筋縄ではいかぬ構成のもと、魅惑的に披露。後者カヴァーでは、ウォー(2009年8月9日)の「ギャラクシー」のリフをテーマ展開部で用いた。
テラソンは電気ピアノを弾くさいは、エフェクターも用いて、“マイルス・バンドに入った自分”を演じているかのよう? そういえば、そのパンチ・パーマ的ちりちり頭や時に挙げる困ったチャン的嬌声はキース・ジャレット(2001年4月30日、2007年5月8日)に近づいてきている? ともあれ、詩情と今っぽい立ち、純なジャズ流儀と非ジャズ流儀を巧みに綱引きさせる、ヴィヴィッドなパフォーマンスはかなり上々。
▶過去の、テラソン
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
http://43142.diarynote.jp/201005071023536171/
http://43142.diarynote.jp/201302091341485664/
▶過去の、ウォー/ロニー・ジョーダン
http://43142.diarynote.jp/200908181436378859/
http://43142.diarynote.jp/200711101235120000/
▶過去の、ジャレット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
<今日の、推測>
昼間はこういう気候ができるだけ続きますようにと思いたくなる、呑気な晴天。わーい。でも、日本の南の島ではすでに梅雨入りしているようだし、本土は1997年以来の雨夏/冷夏が予想される、という記事も出ていたか。さぁどーなる、今年の日本の夏……。ブラジルW杯の結果にてんやわんやして、そのままなし崩し的に気候の心地良くなさを憂う、という事態になると予想する。
テラソンは電気ピアノを弾くさいは、エフェクターも用いて、“マイルス・バンドに入った自分”を演じているかのよう? そういえば、そのパンチ・パーマ的ちりちり頭や時に挙げる困ったチャン的嬌声はキース・ジャレット(2001年4月30日、2007年5月8日)に近づいてきている? ともあれ、詩情と今っぽい立ち、純なジャズ流儀と非ジャズ流儀を巧みに綱引きさせる、ヴィヴィッドなパフォーマンスはかなり上々。
▶過去の、テラソン
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
http://43142.diarynote.jp/201005071023536171/
http://43142.diarynote.jp/201302091341485664/
▶過去の、ウォー/ロニー・ジョーダン
http://43142.diarynote.jp/200908181436378859/
http://43142.diarynote.jp/200711101235120000/
▶過去の、ジャレット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://43142.diarynote.jp/200705181807060000/
<今日の、推測>
昼間はこういう気候ができるだけ続きますようにと思いたくなる、呑気な晴天。わーい。でも、日本の南の島ではすでに梅雨入りしているようだし、本土は1997年以来の雨夏/冷夏が予想される、という記事も出ていたか。さぁどーなる、今年の日本の夏……。ブラジルW杯の結果にてんやわんやして、そのままなし崩し的に気候の心地良くなさを憂う、という事態になると予想する。
渋谷・アップリンクファクトリーで、ショーン・オ・クーローン監督による、2012年アイルランド映画「空中ランチ」を見る。
ところで、ドクター・ジョン(2000年5月24日、2002年3月23日、2005年9月20日、2012年2月15日、2013年10月1日)の名曲「ライト・プレイス、ロング・タイム」の歌詞の内容ってどんなものだったっけ? と、映画を見ながら思ってしまった。場所はあっているのに、タイミングはあっていない、あ〜人生ままならぬ、という感じの曲だったかな。
それは、ともあれ。映画「空中ランチ(原題、Men at Lunch)」は、絵はがきになったり、パロディの広告が作られたりするなど、1930年代のNYの状況を象徴するものとして米国では良く知られる、1932年9月に撮影された一葉の写真を題材にする。そのやはり「メン・アット・ランチ」と名付けられているようなモノクロ写真は、高層ビル建設ラッシュにわくマンハッタンの30ロックフェラー・プラザ(当時はRCAにより立てられ、今はゼネラル・エレクトリックが所有。三大ネットワークのNBC本社もそこに入る。75階、336メートル)の、建設現場天辺にいる作業員たちを撮ったもの。
建設途中にある250メートルの高さに渡された1本の梁の上で昼食をとる11人の作業員……。その労働者たちの昼食休憩時の様を抑えた写真が見る者の目を引くのは、超危険なビル工事現場の一番上の骨組に座る彼らが、普通に地べたに座っているかように振る舞っているところ。その足元どころか、360度すべてが宙に浮いているような状況に彼らはいて、背景にはセントラル・パークやハドソン川が写っている。映画は、撮影者も労働者たちの素性も不明なままであった、そんな写真のディテールを追っていく。
映画中で、あるカメラマンが、この写真はまさにこの場所(right place)でこの時(right time)であるからこその写真、ということをコメントする。その言い回しを借りるなら、本来いるべきでない所にいることを強いられているのに、ライト・タイムにいるかのように淡々と振る舞う11人の様が、言葉を超えた何かを見る者に与えるところが、この写真の肝。その労働者たちは、危険な仕事しか得ることができなかった、アメリカ人になるために新天地に渡って来たアイルランド人ら移民たち。不思議な諧謔も与えるこのモノクロ写真は、NYの歴史や移民たちの歴史も見る者に喚起させつつ、諦観とも重なる切なさにあふれている。なるほど、映画が生まれるのも宜なるかな。
<そして、翌日>
映画「空中ランチ」とも背景は繋がる、モンタナ州ビュートの銅炭鉱で働いたアイリッシュ米国人の祖先をテーマ据えたCD/映画「シャムロック・シティ」を作り(映画のほうはまだ未完成)、今月末に来日もするソーラス(2012年6月14日)について語る、四谷いーぐるでのイヴェントに出る。
▶過去の、ソーラス
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
ところで、ドクター・ジョン(2000年5月24日、2002年3月23日、2005年9月20日、2012年2月15日、2013年10月1日)の名曲「ライト・プレイス、ロング・タイム」の歌詞の内容ってどんなものだったっけ? と、映画を見ながら思ってしまった。場所はあっているのに、タイミングはあっていない、あ〜人生ままならぬ、という感じの曲だったかな。
それは、ともあれ。映画「空中ランチ(原題、Men at Lunch)」は、絵はがきになったり、パロディの広告が作られたりするなど、1930年代のNYの状況を象徴するものとして米国では良く知られる、1932年9月に撮影された一葉の写真を題材にする。そのやはり「メン・アット・ランチ」と名付けられているようなモノクロ写真は、高層ビル建設ラッシュにわくマンハッタンの30ロックフェラー・プラザ(当時はRCAにより立てられ、今はゼネラル・エレクトリックが所有。三大ネットワークのNBC本社もそこに入る。75階、336メートル)の、建設現場天辺にいる作業員たちを撮ったもの。
建設途中にある250メートルの高さに渡された1本の梁の上で昼食をとる11人の作業員……。その労働者たちの昼食休憩時の様を抑えた写真が見る者の目を引くのは、超危険なビル工事現場の一番上の骨組に座る彼らが、普通に地べたに座っているかように振る舞っているところ。その足元どころか、360度すべてが宙に浮いているような状況に彼らはいて、背景にはセントラル・パークやハドソン川が写っている。映画は、撮影者も労働者たちの素性も不明なままであった、そんな写真のディテールを追っていく。
映画中で、あるカメラマンが、この写真はまさにこの場所(right place)でこの時(right time)であるからこその写真、ということをコメントする。その言い回しを借りるなら、本来いるべきでない所にいることを強いられているのに、ライト・タイムにいるかのように淡々と振る舞う11人の様が、言葉を超えた何かを見る者に与えるところが、この写真の肝。その労働者たちは、危険な仕事しか得ることができなかった、アメリカ人になるために新天地に渡って来たアイルランド人ら移民たち。不思議な諧謔も与えるこのモノクロ写真は、NYの歴史や移民たちの歴史も見る者に喚起させつつ、諦観とも重なる切なさにあふれている。なるほど、映画が生まれるのも宜なるかな。
<そして、翌日>
映画「空中ランチ」とも背景は繋がる、モンタナ州ビュートの銅炭鉱で働いたアイリッシュ米国人の祖先をテーマ据えたCD/映画「シャムロック・シティ」を作り(映画のほうはまだ未完成)、今月末に来日もするソーラス(2012年6月14日)について語る、四谷いーぐるでのイヴェントに出る。
▶過去の、ソーラス
http://43142.diarynote.jp/201206181341313130/
米国シカゴを拠点に置くインストゥメンタル・ロック・バンド(2001年11月7日、2005年1月7日、2011年11月21日)の3年弱ぶりの来日公演、ビルボードライブ東京(ファースト・ショウ)。まず、感じたのは、淡々気まま。そんな面々、アルバムは2009年以降出していなし、そんなにライヴも頻繁にやっている感じもない。試しに、彼らのHPをひいてツアー日程をチェックしたら、“今入れられたショウはありません”と出やがった(笑い)。でも、顔ぶれは悠々(?)、ずっと同じ。そりゃ、なんのしがらみもなく、自分たちのことを理解してくれている聞き手の前で、気負わずに自らのやりたいことを出来る、というものではないか。
アイソトープ217他もやっていたダン・ビットニー (キーボード、ドラム、ベース、マリンバ)、静かな生活という文字のバック・プリントのTシャツを着つつ一番騒がしいドラムを叩いていたジョン・ヘーンドン (ドラム、キーボード、マリンバ)、ブロークバック他のダグラス・マッカム(ベース、ギター) 、同所のシー・アンド・ケイク(2012年4月7日)公演いらいの来日となりエンジニア業もいまだ盛んなジョン・マッケンタイア(ドラム、キーボード)、2012年デルマーク発の自己トリオの『Bright Light in Winter』は諦観ジャジー好盤なジェフ・パーカー (ギター、キーボード、ベース、マリンバ)という5人による実演。で、とにもかくにも、各奏者の楽器チェンジが頻繁。なだけでなく、1曲の中でも持ち楽器を変えたりもし、その生理的に多彩な持ち場交換の様も含めて我々のギグは完結する、という、彼らの意志を感じたか。
ステージの楽器設定や曲目や流れは、過去の公演のノリを引き継ぐもの。うわあって驚きはないが、“ポスト・ロック”とか“シカゴ音響派”なんて呼称も与えられた独自のモダニズム/視点を持つ演奏は確かなひっかかりとスタイリッシュさを持つ。あと、このシーンの重要人物であるマッケンタイアって、変人ぽいなと、今回のショウを見て感じた。
1曲の尺は短めで、インプロヴィゼーションを披露するというよりはアンサンブルを確認し合って行くようなパフォーマンスと言える。譜面を誰も前にしていないのは驚かないが、セット・リストの紙片も前においていなかったのではないか。だが、ショウの流れの筋道はきっかり見えているといった感じ(アンコールのときは、曲目を相談/確認していたかもしれない)で次々に曲を繰り広げて行くのを見て、きっちりリハーサルをやって、ショウにのぞんでいるのはよく分った。その時点で、誰がどう持ち楽器を変えて行くかというフォーメイションもきっちり決めていったのではないか。
▶過去の、トータス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/
▶過去の、シカゴのあの周辺の人たち(1999年6月6日、2000年3月25日、2000年10月15日、2001年11月7日、2003年1月30日、2004年1月20日、2012年4月7日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm シカゴ・アンダーグラウンド・デュオ、サム・プレコップ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm パパM、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド、アイソトープ217
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm シー・アンド・ケイク
http://43142.diarynote.jp/?day=20040120 ロブ・マズレク、ジェフ・パーカー・トリオ、ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド・カルテット
http://43142.diarynote.jp/201204091014019131/ シー・アンド・ケイク
<この日のことの、追記>
上にも書いたように、それもまたトータス公演の妙味の一つと言うかのように、過去公演と同じく、面々は楽器の持ち替えをしていた。ところで、楽器の持ち替えが自在になされる音楽って、その根のほうを辿ると民俗音楽になるのかしらん。また、それがなされるには、強固なコミュニティであることも基盤となるだろう。……なんて、つらつら考えていたら、トータスの表現って、現シカゴという北西部都市のトライバル・ミュージックであり、ある種の特殊事項親和性を持つ都会人のコミュニティ・ミュージックであるのではないか。なんて、思いが生まれて来たりもしました。
アイソトープ217他もやっていたダン・ビットニー (キーボード、ドラム、ベース、マリンバ)、静かな生活という文字のバック・プリントのTシャツを着つつ一番騒がしいドラムを叩いていたジョン・ヘーンドン (ドラム、キーボード、マリンバ)、ブロークバック他のダグラス・マッカム(ベース、ギター) 、同所のシー・アンド・ケイク(2012年4月7日)公演いらいの来日となりエンジニア業もいまだ盛んなジョン・マッケンタイア(ドラム、キーボード)、2012年デルマーク発の自己トリオの『Bright Light in Winter』は諦観ジャジー好盤なジェフ・パーカー (ギター、キーボード、ベース、マリンバ)という5人による実演。で、とにもかくにも、各奏者の楽器チェンジが頻繁。なだけでなく、1曲の中でも持ち楽器を変えたりもし、その生理的に多彩な持ち場交換の様も含めて我々のギグは完結する、という、彼らの意志を感じたか。
ステージの楽器設定や曲目や流れは、過去の公演のノリを引き継ぐもの。うわあって驚きはないが、“ポスト・ロック”とか“シカゴ音響派”なんて呼称も与えられた独自のモダニズム/視点を持つ演奏は確かなひっかかりとスタイリッシュさを持つ。あと、このシーンの重要人物であるマッケンタイアって、変人ぽいなと、今回のショウを見て感じた。
1曲の尺は短めで、インプロヴィゼーションを披露するというよりはアンサンブルを確認し合って行くようなパフォーマンスと言える。譜面を誰も前にしていないのは驚かないが、セット・リストの紙片も前においていなかったのではないか。だが、ショウの流れの筋道はきっかり見えているといった感じ(アンコールのときは、曲目を相談/確認していたかもしれない)で次々に曲を繰り広げて行くのを見て、きっちりリハーサルをやって、ショウにのぞんでいるのはよく分った。その時点で、誰がどう持ち楽器を変えて行くかというフォーメイションもきっちり決めていったのではないか。
▶過去の、トータス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/
▶過去の、シカゴのあの周辺の人たち(1999年6月6日、2000年3月25日、2000年10月15日、2001年11月7日、2003年1月30日、2004年1月20日、2012年4月7日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm シカゴ・アンダーグラウンド・デュオ、サム・プレコップ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm パパM、ジム・オルーク
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド、アイソトープ217
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm シー・アンド・ケイク
http://43142.diarynote.jp/?day=20040120 ロブ・マズレク、ジェフ・パーカー・トリオ、ブロークバック、シカゴ・アンダーグラウンド・カルテット
http://43142.diarynote.jp/201204091014019131/ シー・アンド・ケイク
<この日のことの、追記>
上にも書いたように、それもまたトータス公演の妙味の一つと言うかのように、過去公演と同じく、面々は楽器の持ち替えをしていた。ところで、楽器の持ち替えが自在になされる音楽って、その根のほうを辿ると民俗音楽になるのかしらん。また、それがなされるには、強固なコミュニティであることも基盤となるだろう。……なんて、つらつら考えていたら、トータスの表現って、現シカゴという北西部都市のトライバル・ミュージックであり、ある種の特殊事項親和性を持つ都会人のコミュニティ・ミュージックであるのではないか。なんて、思いが生まれて来たりもしました。
タワー・オブ・パワー
2014年5月6日 音楽 オークランド・ファンクなどとも言われる1970年前半に隆盛したサンフランシスコ圏ファンク表現の代表ヴェテラン・バンド(1999年11月4日、2002年8月11日、2004年1月19日、2008年5月18日、2008年5月19日、2010年5月11日、2011年3月10日、2012年9月9日)の公演を見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。MCでもう46年とか言っていたが、いったい何度目の来日となるのだろう? 彼ら、2011年来日の際はあの地震を東京で体験している。
それにしても、見事に活性化、溌剌としたノリで、ショウはすすめられて、少し驚いた。それを導いたのは、新シンガーのレイ・グリーン。歴代シンガーと同様に甲高い歌声を持つアフリカ系歌手である彼は、なかなかの喉の持ち主。甲高いだけでなく、ちゃんと奥行きも抱え、これは存在感と味を聞く者に与える。いっていても30代半ばだろうスキンヘッドの彼はジョージア州出身で現在はボストンで活動しているが、なかなか秀でたステージ運びの手腕を見せ、それがバンドの熱量や溌剌さを導いてもいて、これはいい人材を入れたと心から思える。R&Bだけでなくジャズからワールド・ミュージック調表現までいろんなことをやってきている彼はバークリー音楽大学でトロンボーンを学んでおり、一部の曲ではトロトンボーンを手にして、ホーン・セクションの一員を担う場面もあった。そういえば、タワー・オブ・パワーのホーン隊ってサックス類とトランペットでまかなわれていて、トロンボーン奏者は確か入ったことがなかったのではないか? とかなんとか、いろいろと新局面を引き出しているグリーンさん、まだタワー・オブ・パワーに入って浅いようだが、きっちりバンドに溶け込んでいる。この4月にLA郊外でグリーン入りのもと、新作レコーディングも行っているそうだ。
披露する曲はセットによってかなり違うらしいが、グリーンのおかげで何をやろうと、とても新鮮。イエ〜イ。彼らは新たな期間に入った、とも指摘したくなるか。ただ、JB讃歌メドレーみたいのは、やらなくてもいいのではないかな。だったら、(このセットではやっていない)「ダウン・トゥ・ザ・ナイトクラブ」とか、黄金期タワー・オブ・パワーのコンビネーション/醍醐味をテンコ盛りにした、自らの財産を誇るメドレーをやってくれたほうがぼくはしっくり来るし、うれしい。それと、ロジャー・スミスがフィーチャーされた(あまりグルーヴィじゃない)理屈っぽいオルガン・ソロ(そのときは、ベース音もスミスが担当)も余計だと、ぼくは思う。
ぼくの記憶がわりと確かに残っているタワー・オブ・パワー公演のなかでは、一番いいと思えた。初期メンバーはリーダーのエミリオ・カスティロ(テナー・サックス)とドク・クプカ(バリトン・サックス)とデイヴィッド・ガリバルディ(ドラム。あまり老けていないように見えた)の3人。ロッコ・プレステア(ベース)の代わりに、シーラ・Eや沼澤尚公演でお馴染みのオークランド・ネイティヴ(実は、今のタワー・オブ・パワーでオークランド在住者は彼だけかもしれない?)のレイモンド・マッキンリー(2001年6月29日、2002年8月12日、2003年2月11日、2004年4月15日)が昨年公演からベースを弾いている。
▶過去の、タワー・オブ・パワー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200401190000000000/
http://43142.diarynote.jp/200805201629180000/
http://43142.diarynote.jp/200805201631280000/
http://43142.diarynote.jp/201005121331016518/
http://43142.diarynote.jp/201103171348262145/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120909
▶過去の、マッキンリー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm 29日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 12日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-2.htm 11日
http://43142.diarynote.jp/200404150934460000/
<今日の、ムっ>
最寄り駅に降りると、<東急線ご利用の90%の方が、すでにPASMOを利用。さあ、あなたも使いましょう>みたいな、PASMO促進コピーが大書きされているポスターみたいなのが構内に張られていて、軽く怒りを覚える。PASMOやSUICAは確かに便利だが、“みんな同じになりましょう”、“皆で大多数になりましょう”、という没個性を促すコピーを今日日どうどう垂れ流しするなんて、まっとうな企業としての見識を疑う。気候も良くなったし、電車を使わずに歩きなさいという、遠回しな提案と取るのが、オトナなのだろう。そしたら、ライヴ終了後に流れた後、ぼくより先に住む三軒茶屋居住者が歩くのが好きでこの晩も歩いて帰ると偶然いうので、ぼくも便乗して歩いて帰宅した。
それにしても、見事に活性化、溌剌としたノリで、ショウはすすめられて、少し驚いた。それを導いたのは、新シンガーのレイ・グリーン。歴代シンガーと同様に甲高い歌声を持つアフリカ系歌手である彼は、なかなかの喉の持ち主。甲高いだけでなく、ちゃんと奥行きも抱え、これは存在感と味を聞く者に与える。いっていても30代半ばだろうスキンヘッドの彼はジョージア州出身で現在はボストンで活動しているが、なかなか秀でたステージ運びの手腕を見せ、それがバンドの熱量や溌剌さを導いてもいて、これはいい人材を入れたと心から思える。R&Bだけでなくジャズからワールド・ミュージック調表現までいろんなことをやってきている彼はバークリー音楽大学でトロンボーンを学んでおり、一部の曲ではトロトンボーンを手にして、ホーン・セクションの一員を担う場面もあった。そういえば、タワー・オブ・パワーのホーン隊ってサックス類とトランペットでまかなわれていて、トロンボーン奏者は確か入ったことがなかったのではないか? とかなんとか、いろいろと新局面を引き出しているグリーンさん、まだタワー・オブ・パワーに入って浅いようだが、きっちりバンドに溶け込んでいる。この4月にLA郊外でグリーン入りのもと、新作レコーディングも行っているそうだ。
披露する曲はセットによってかなり違うらしいが、グリーンのおかげで何をやろうと、とても新鮮。イエ〜イ。彼らは新たな期間に入った、とも指摘したくなるか。ただ、JB讃歌メドレーみたいのは、やらなくてもいいのではないかな。だったら、(このセットではやっていない)「ダウン・トゥ・ザ・ナイトクラブ」とか、黄金期タワー・オブ・パワーのコンビネーション/醍醐味をテンコ盛りにした、自らの財産を誇るメドレーをやってくれたほうがぼくはしっくり来るし、うれしい。それと、ロジャー・スミスがフィーチャーされた(あまりグルーヴィじゃない)理屈っぽいオルガン・ソロ(そのときは、ベース音もスミスが担当)も余計だと、ぼくは思う。
ぼくの記憶がわりと確かに残っているタワー・オブ・パワー公演のなかでは、一番いいと思えた。初期メンバーはリーダーのエミリオ・カスティロ(テナー・サックス)とドク・クプカ(バリトン・サックス)とデイヴィッド・ガリバルディ(ドラム。あまり老けていないように見えた)の3人。ロッコ・プレステア(ベース)の代わりに、シーラ・Eや沼澤尚公演でお馴染みのオークランド・ネイティヴ(実は、今のタワー・オブ・パワーでオークランド在住者は彼だけかもしれない?)のレイモンド・マッキンリー(2001年6月29日、2002年8月12日、2003年2月11日、2004年4月15日)が昨年公演からベースを弾いている。
▶過去の、タワー・オブ・パワー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
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http://43142.diarynote.jp/200401190000000000/
http://43142.diarynote.jp/200805201629180000/
http://43142.diarynote.jp/200805201631280000/
http://43142.diarynote.jp/201005121331016518/
http://43142.diarynote.jp/201103171348262145/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120909
▶過去の、マッキンリー
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http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 12日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-2.htm 11日
http://43142.diarynote.jp/200404150934460000/
<今日の、ムっ>
最寄り駅に降りると、<東急線ご利用の90%の方が、すでにPASMOを利用。さあ、あなたも使いましょう>みたいな、PASMO促進コピーが大書きされているポスターみたいなのが構内に張られていて、軽く怒りを覚える。PASMOやSUICAは確かに便利だが、“みんな同じになりましょう”、“皆で大多数になりましょう”、という没個性を促すコピーを今日日どうどう垂れ流しするなんて、まっとうな企業としての見識を疑う。気候も良くなったし、電車を使わずに歩きなさいという、遠回しな提案と取るのが、オトナなのだろう。そしたら、ライヴ終了後に流れた後、ぼくより先に住む三軒茶屋居住者が歩くのが好きでこの晩も歩いて帰ると偶然いうので、ぼくも便乗して歩いて帰宅した。
グラハム・セントラル・ステーション。田島貴男
2014年5月5日 音楽 六本木・ビルボードライブ東京。ファースト・ショウが始まる前に、楽屋でラリーさん(2009年9月29日、2010年9月9日、2012年11月24日、2014年5月4日)にインタヴュー。本当に慈愛に満ち、ステージの様が嘘のように落ち着いていて、気配りもできる人。でもって、取材中は相変わらず、奥さんのティナが横にちょこんと座って、うれしそうに(でも、出しゃばる感じはなく)、ウチのラリーって最高でしょといった感じで見守る。なんか、その様は夫婦の鏡、とも言いたくなる? 私生活が何かと壊れているミュージシャンが散見されるなか、その様はなんか常規を逸して素晴らしいものに見える。39年ものあいだ仲良く連れ添っている彼女はツアーにも必ず一緒についており、げんざいショウの終盤にステージに上がって盛り上げ役をする女性はティナ奥様だ。そういえば、彼につく女性マネージャー(30代白人。彼女が働く会社は、アル・マッケイ、シーラ・E、シック、ジル・スコット他を扱う)とも挨拶するが、ちょっと接した範囲だとこれまたとてもいい人。やはり、類は類を呼ぶのか。
リハーサルが長引いたため(少し機材変更があったようで、初日だけでなく、2日目となるこの日もリハをやったそう)取材が始まる時間がおし、話を聞いた後、写真撮影が終わったのは、ショウ開始の直前。でも、終始笑顔で余裕のラリーさん。そして、実演はやはり濃く、白熱。“ノー・ファンク、ノー・ライフ”を地で指し示すような感じ。と、書いても、語弊はないだろう。曲順は少し変わるが、大きな流れ、味わいは同じ。MCは異なる部分もあり、昨日より短かったが、演奏時間は少し長かったか。何度ふれても、浮かれ、踊り、ガナっちゃう。ああ、幸せ。と、実感……。
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632/
http://43142.diarynote.jp/201405071010101908/
そして、一呼吸おいて、六本木ヒルズアリーナで、満場の客を前にする田島貴男(2002年7月7日、2010年5月23日)のギター弾き語りを見る。たまたまこの後にご飯を食べることになっていた知人から教えてもらったのだが、今日と明日、この野外広場で小林武史をホスト役に無料公演が開かれていて、この日最後の出演者となる田島の前には、青葉市子(2013年8月7日、2014年1月8日)やsalyu(2011年8月7日、2013年8月11日)やスガシカオ(2001年2月18日、2012年9月9日)らが出たらしい。明日は曽我部恵一(2009年4月4日)や細野晴臣(2009年10月12日、2010年4月15日、2010年11月21日、2011年8月7日ち2012年8月12日、2012年9月5日、2013年1月29日、2013年8月7日、2013年8月11日)などが出るというし、六本木ヒルズ、太っ腹だな。2日前に触れた西武百貨店渋谷店の出し物もそうだし、このゴールデン・ウィーク期間中はあちこちで、お休みを取っている人に向けてのイヴェントが開かれているんだろうなー。
彼はギター弾き語りのツアーを今年に入って持ってもいるようだが、今回久しぶりに接し、ギターの抑え方がとってもジャジーになっていてびっくり。まだ借り物っぽいところもあるが、彼が新しい興味〜発展の種と出会い、それと自分のなかにあるものをフレッシュに反応させようとしているのはとてもよく分る。彼の有名曲「接吻」は小林が鍵盤で加わる。朗々としたたっぷり感&伸びる感に満ちる田島の歌はソロだと、バンドで歌うよりも透明感を増すところがあるか。
途中から、ドブロを手にして(だと、思う。首から下はあまり見えなかった)、よりアーシー&ルーツィ路線にある表現を見せる。そしてボードヴィル調というか、ロバート・ジョンソンの「ゼイ・アー・レッド・ホット」(レッド・ホット・チリ・パッパーズも1991年作『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』でカヴァーしていますね)みたいな曲をいい感じで披露したりも。田島貴男は旅を続けている……、そんな聴後感がのこった。
▶過去の、田島
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 7日
http://43142.diarynote.jp/?day=20100523
<今日の、連想>
昼と夜の寒暖差が大きい。ラリーさんを見た後、ブルブルっと来て、思わずストゥールを買ってしまう。1日ずっと同じ気候よりは、変化があったほうがおもしろいと、思うことにしよう。 コール・ポーターの「ナイト・アンド・デイ」は文字通りのオールタイムな愛を詩的に綴ったスタンダードだが、なんか田島のパフォーマンスに接して、この人は夜も昼も音楽を求めているんだろうなとちょびっと感じる。そのライヴ後、なんかジョー・ジャクソンの傑作『ナイト・アンド・デイ』(A&M、1982年)を猛烈に聞きたくなっちゃう。
リハーサルが長引いたため(少し機材変更があったようで、初日だけでなく、2日目となるこの日もリハをやったそう)取材が始まる時間がおし、話を聞いた後、写真撮影が終わったのは、ショウ開始の直前。でも、終始笑顔で余裕のラリーさん。そして、実演はやはり濃く、白熱。“ノー・ファンク、ノー・ライフ”を地で指し示すような感じ。と、書いても、語弊はないだろう。曲順は少し変わるが、大きな流れ、味わいは同じ。MCは異なる部分もあり、昨日より短かったが、演奏時間は少し長かったか。何度ふれても、浮かれ、踊り、ガナっちゃう。ああ、幸せ。と、実感……。
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
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http://43142.diarynote.jp/201405071010101908/
そして、一呼吸おいて、六本木ヒルズアリーナで、満場の客を前にする田島貴男(2002年7月7日、2010年5月23日)のギター弾き語りを見る。たまたまこの後にご飯を食べることになっていた知人から教えてもらったのだが、今日と明日、この野外広場で小林武史をホスト役に無料公演が開かれていて、この日最後の出演者となる田島の前には、青葉市子(2013年8月7日、2014年1月8日)やsalyu(2011年8月7日、2013年8月11日)やスガシカオ(2001年2月18日、2012年9月9日)らが出たらしい。明日は曽我部恵一(2009年4月4日)や細野晴臣(2009年10月12日、2010年4月15日、2010年11月21日、2011年8月7日ち2012年8月12日、2012年9月5日、2013年1月29日、2013年8月7日、2013年8月11日)などが出るというし、六本木ヒルズ、太っ腹だな。2日前に触れた西武百貨店渋谷店の出し物もそうだし、このゴールデン・ウィーク期間中はあちこちで、お休みを取っている人に向けてのイヴェントが開かれているんだろうなー。
彼はギター弾き語りのツアーを今年に入って持ってもいるようだが、今回久しぶりに接し、ギターの抑え方がとってもジャジーになっていてびっくり。まだ借り物っぽいところもあるが、彼が新しい興味〜発展の種と出会い、それと自分のなかにあるものをフレッシュに反応させようとしているのはとてもよく分る。彼の有名曲「接吻」は小林が鍵盤で加わる。朗々としたたっぷり感&伸びる感に満ちる田島の歌はソロだと、バンドで歌うよりも透明感を増すところがあるか。
途中から、ドブロを手にして(だと、思う。首から下はあまり見えなかった)、よりアーシー&ルーツィ路線にある表現を見せる。そしてボードヴィル調というか、ロバート・ジョンソンの「ゼイ・アー・レッド・ホット」(レッド・ホット・チリ・パッパーズも1991年作『ブラッド・シュガー・セックス・マジック』でカヴァーしていますね)みたいな曲をいい感じで披露したりも。田島貴男は旅を続けている……、そんな聴後感がのこった。
▶過去の、田島
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 7日
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<今日の、連想>
昼と夜の寒暖差が大きい。ラリーさんを見た後、ブルブルっと来て、思わずストゥールを買ってしまう。1日ずっと同じ気候よりは、変化があったほうがおもしろいと、思うことにしよう。 コール・ポーターの「ナイト・アンド・デイ」は文字通りのオールタイムな愛を詩的に綴ったスタンダードだが、なんか田島のパフォーマンスに接して、この人は夜も昼も音楽を求めているんだろうなとちょびっと感じる。そのライヴ後、なんかジョー・ジャクソンの傑作『ナイト・アンド・デイ』(A&M、1982年)を猛烈に聞きたくなっちゃう。
グラハム・セントラル・ステーション
2014年5月4日 音楽 もー千両役者。ラリー・グラハム(2009年9月29日、2010年9月9日、2012年11月24日)は今回もほれぼれするようなファンクなパフォーマンスをこれでもかと見せてくれた。堪能しました。昇天しました。同行メンバーはグラハムとは30年強もの付き合いを持つギタリストのウィルトン・ラブ(随所でイケてるカッティングを披露してたナ)がオークランド周辺の腕の立つ人たちを選んでいて、彼らとミネアポリス在住(プリンスんちの隣)のグラハムが合体してライヴやレコーディングをしているわけだが、その顔ぶれはずっと固定している。もう、まとまり、いかおうにも臨機応変に、という感じか。豪州や中国をまわってきた今回の公演について、ぼくは前回よりも35 %増しの好印象を持った。それから、白基調でバシっと固める面々の格好もうれしい。とくに、グラハムのそれはまさに“キング”と称したくなる。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。
その醍醐味については、過去来日公演の記述を参照してもらうとして、大まかな流れは変わらないものの、今回のショウで目新しいと思えたのは、次のもの。▶子供のころタップ・ダンスをやっていたこともあるグラハムさん、前よりも派手なステップ/ダンスをステージ上でしていたのではないか。▶チョコレート(グラハム・セントラル・ステーションの初代女性歌手)役を担う白人女性のアシュリング・コールが歌う箇所が前よりも増え、1曲全面的にフィーチャーされる。その際歌ったのはチャカ・カーン曲。その1曲だけ、ベースはキーボード奏者の1/2が弾き、グラハムはステージを離れる。▶ドラムとのデュオで、グラハムはベース・ソロをいろいろ聞かせた。ジミ・ヘンドリックス調演奏もたっぷり聞かせる。▶過去、ファンク曲ばかりやっていたが、今回は彼のソロ名義で発表したグラハム最大のヒット曲となるバラード「ワン・イン・ア・ミリオン・ユー」(1980年、総合チャート9位、R&Bチャート1位)をしっかり披露。実は海外ではやっていたらしいが、ここでの1時間強のショウだとはしょってしまうようになる、と、彼は2010年にインタヴューしたときに言っていた。▶なんと、プリンス(2002年11月19日)の「1999」も披露。しかし、この曲においてバンド・メンバーが1フレーズづつ歌い繋いでいく様はまったくもってスライ&ザ・ファミリー・ストーン「ハイヤー」他の方策を継いでいることを再認識。しかし、プリンスの曲って、ほんとユニティ感覚にあふれているとも再確認。▶この晩は、ベースを置き「人生は奇異なもの。何故にギターやオルガンを弾いていた私がベースを手にしたか」という内容の話を延々とノー・マイクでしたりもした。彼にターニング・ポイントはと問うと、同じことを言います。▶大傑作2012年新作『レイズ・アップ』(ムーシカス)にも入れられていたが、ステイーヴィ・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012 年3月5日)の「ハイヤー・グラウンド」も披露。これ、過去もやっていたっけ? ともあれ、昨日のディー・ディー・ブリッジウォーター公演の「リヴィング・フォー・ザ・シティ」のカヴァーとともに、ワンダー御大の凄さも実感しちゃった次第……。
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632/
<今日の、無頓着>
早朝にデカ目の地震があったらしい。と、起きてから、ネットのニュースを見て知る。そう言われれば、確かに大きな揺れを感じ、一瞬おきたことをおぼろげに思い出したが、眠いなマいっかとなって、すぐにまた寝ちゃったナ。はい、それだけです。なんの落ちもありません。
その醍醐味については、過去来日公演の記述を参照してもらうとして、大まかな流れは変わらないものの、今回のショウで目新しいと思えたのは、次のもの。▶子供のころタップ・ダンスをやっていたこともあるグラハムさん、前よりも派手なステップ/ダンスをステージ上でしていたのではないか。▶チョコレート(グラハム・セントラル・ステーションの初代女性歌手)役を担う白人女性のアシュリング・コールが歌う箇所が前よりも増え、1曲全面的にフィーチャーされる。その際歌ったのはチャカ・カーン曲。その1曲だけ、ベースはキーボード奏者の1/2が弾き、グラハムはステージを離れる。▶ドラムとのデュオで、グラハムはベース・ソロをいろいろ聞かせた。ジミ・ヘンドリックス調演奏もたっぷり聞かせる。▶過去、ファンク曲ばかりやっていたが、今回は彼のソロ名義で発表したグラハム最大のヒット曲となるバラード「ワン・イン・ア・ミリオン・ユー」(1980年、総合チャート9位、R&Bチャート1位)をしっかり披露。実は海外ではやっていたらしいが、ここでの1時間強のショウだとはしょってしまうようになる、と、彼は2010年にインタヴューしたときに言っていた。▶なんと、プリンス(2002年11月19日)の「1999」も披露。しかし、この曲においてバンド・メンバーが1フレーズづつ歌い繋いでいく様はまったくもってスライ&ザ・ファミリー・ストーン「ハイヤー」他の方策を継いでいることを再認識。しかし、プリンスの曲って、ほんとユニティ感覚にあふれているとも再確認。▶この晩は、ベースを置き「人生は奇異なもの。何故にギターやオルガンを弾いていた私がベースを手にしたか」という内容の話を延々とノー・マイクでしたりもした。彼にターニング・ポイントはと問うと、同じことを言います。▶大傑作2012年新作『レイズ・アップ』(ムーシカス)にも入れられていたが、ステイーヴィ・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012 年3月5日)の「ハイヤー・グラウンド」も披露。これ、過去もやっていたっけ? ともあれ、昨日のディー・ディー・ブリッジウォーター公演の「リヴィング・フォー・ザ・シティ」のカヴァーとともに、ワンダー御大の凄さも実感しちゃった次第……。
▶過去の、ラリー・グラハム
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<今日の、無頓着>
早朝にデカ目の地震があったらしい。と、起きてから、ネットのニュースを見て知る。そう言われれば、確かに大きな揺れを感じ、一瞬おきたことをおぼろげに思い出したが、眠いなマいっかとなって、すぐにまた寝ちゃったナ。はい、それだけです。なんの落ちもありません。
カンタス村田+宮沢ましゅー。ディー・ディー・ブリッジウォーター
2014年5月3日 音楽 ゴールデン・ウィーク後半から、ライヴの日々に戻る。
夕方に西武百貨店渋谷店A館の特別催事場で、この21日にセカンド作『オパ!』(ハピネス)を出すカンタス村田とサンバマシーンズ(2010年12月27日、2011年2月11日、2011年5月8日、2012年6月8日、2012年10月27日、2013年2月11日、2013年8月24日)のお二人のライヴを、会場で販売していたカイピリーニャをちびちび飲みながら見る。同所は4月下旬からこの12日にかけて<ブラジルフェアー>という目出たい帯企画を催していて、休日/祭日には無料ライヴが企画され、この出演者実演もその一環なり。
村田のサンバマシーンズ曲のギター弾き語りに宮沢がパンデイロ音をつけ、いい感じの立ちや揺れや陰影をつける。アコースティックかつ直裁さをまとった、いくつものサンバマシーンズ曲。やっぱ、メロディアスというか、ブラジル音楽愛好を超えた間口の広さやキャッチーさを持つな。今度出る新作曲のリード・トラックらしい「浪漫プレイ」はよく出来たアーバン・ポップ曲じゃ。新作曲のなかでは一番ぼくは好きな(ライヴではずっと前からやっている)「憧れのブラジル航路」では客にリフレイン歌唱を求めるたりもするが、けっこうカタチになっていて、固定ファンも見に来ていたのだと思う。催事企画や場にあわせて、サンバマシーンズの曲だけでなく、「イパネマの娘」と「トリステーザ」というボサノヴァ有名曲も披露。後者のほう、なんかいい雰囲気を感じました。
▶過去の、サンバマシーンズ
http://43142.diarynote.jp/201101061047294455/
http://43142.diarynote.jp/201102121002078478/
http://43142.diarynote.jp/201105140858559432/
http://43142.diarynote.jp/201206120854205300/
http://43142.diarynote.jp/201211151028209850/
http://43142.diarynote.jp/201302181123344904/
http://43142.diarynote.jp/201308281519499994/
その後、いまトップ級にお金を取れるパフォーマンスを見せるという所感をぼくは持っている、ディー・ディー・ブリッジウォーター(2003年8月1~2日、2007年8月24日、2008年12月4日、2009年11月27日)のショウを見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
結構、来日の間があいたが、その間に、彼女のアルバムにも複数参加しているピアニストのエドセル・ゴメス以外のバンド員たちが一新された。シオ・クローカー(トランペット)、アーウィン・ホール(アルト・サックス)、エリック・ウィラー(ベース)、カッサ・オーヴァーオール(ドラム)ら新しい奏者たちはまだ20代だろう。ウッドとエレクトリックを弾き分けるウィラーは目立たない普通の風体の持ち主だが、管奏者の二人の髪はドレッド・ロックスで、ドラマーは形容不能の変な格好をしている。あんたたち、ミュージシャンなんて目立ってナンボなのよと、ディー・ディーはハッパをかけていたりして。いや、あの人ならやりかねん(笑い)。トランペッターは特に目をかけているようだが、皆さんしっかりした力量や感性の持ち主たちで、そこからディー・ディーの才/人材掌握のまっとうさを思い知ってしまうか。そういえば、前回もそうだったと記憶するが、彼女は1曲目を歌い始める前に、受け手に確認を促すように、バンド員紹介をする。
日本に来ていない間、彼女はビリー・ホリデイをテーマに置くNY でのミュージカルにホリデイ役で出ていたりもしたようだが、ホリデイが書いたブルース有名曲「ファイン・アンド・メロウ」における、今のディー・ディーを浮き上がらせる解釈には少し震え、山ほどの悦楽を感じる。ショウの頭のほうは、アルトとトランペットにもちゃんとソロを取らせたりと、意外と今回はまっとうなジャズ・フォーマットに則った行き方を取るじゃないかと思っていたら、徐々に誰でもないディー・ディー節とディー・ディーな態度を全開にしていき、バンドはより純ジャズからは離れる噛み合いを見せ、彼女を持ち上げ……。結果、途中から、うわあ、の連続。
たとえば、中盤に入ってやったスタンダード「ラヴ・フォー・セール」のアレンジにはびっくり。ベースはハービー・ハンコックの「カメレオン」の印象的なラインを引用しつづけ、それを通して“もう一つ”の「ラヴ・フォー・セール」を彼女と演奏陣がシェアしあい、一体化してもう一つの大地にワープしていく様は凄っ。このエンディングには、やはり「カメレオン」が収録されていた『ヘッドハンターズ』ヴァージョンのハンコック曲「ウォーターメロン・マン」のパーツ応用でしめる。わ、クール。それ、やはり同時期のエレクトリック・ハンコック表現の再演をライヴ・パフォーマンスで必ず見せているロバート・グラスパー(2007年10月3日、2009年4月13日、2009年12月19日2010年12月16日、2012年6月12日、2013年1月25日)の作法より数段冴えていると言える。この曲に顕われているように、実は伴奏音はかなり練られたもので、それはディー・ディーの音楽性の高さ、音楽観の深さを間違いなく語る。それにしても、一連のイケまくっているアレンジは誰がやっているのだろう?
弾けたキャラ全開のもと、本編は90分。出演者たちがステージを降りるとすぐに場内が明るくなり、音楽も流される。だが、拍手はやまず、少したってから、面々が再登場。本編ではピンホールのハイヒールを履いていたディー・ディーは裸足。そして、より“私サマ”全開で、客の声援に応え、逆におおいにあおる。そして、始まったのはソウル・ジャズ名曲「コンペアード・トゥ・ホワット」。そのグルーヴィーなイントロ部から彼女はJBの化身といった感じで客を鼓舞する。そして、力づくで観客を立たせる。さあ、土曜の夜なのよ! そこのカップル、ちゃんと立って! 指差し、(座っているの)見えてるわよ。その繰り返し。もー、大笑い。アンコールの2曲目に入る前には、彼女は後で見ていたTOKU(2000年2月25日、2001年9月6日、2004年3月10日、2006年2月16日、2008年8月19日、2011年3月16日、2012年6月19日、2013年9月22日、2014年2月5日)を呼び出す。彼がステージに上がってくるのを待つとき、ディー・ディーはニューオーリンズの人気男女デュオであるシャーリー&リーの自作1956年R&Bチャート1位曲「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」をアカペラで口ずさむ。うーん、そんなところにも、ぼくは米国黒人音楽表現の理屈を超えた流れ/積み重ねの彩を感じて悶絶してしまうのだな。そして、スティーヴィー・ワンダーの「リヴィング・フォー・ザ・シティ」を披露。とかなんとか、ちょうど2時間ぐらいの尺でショウは終わった。
ジャズでもR&Bでもヒップホップでもいい、今もっとも米国黒人音楽たる醍醐味、決定的魅力を出せる最たる人がディー・ディーであると、断言せざるを得ない。彼女が来た際はぜったいにミスしちゃいけない。その真理を、ぼくは心に再度刻み込んだ。彼女、来年来ちゃると、MCで言っておりました。なにとぞ、実現しますように。
▶過去の、ブリッジウォーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200708270316020000/
http://43142.diarynote.jp/200812150311286788/
http://43142.diarynote.jp/?day=20091127
▶過去の、グラスパー
http://43142.diarynote.jp/200710121727100000/
http://43142.diarynote.jp/200904150840164356/
http://43142.diarynote.jp/201001051625155901/
http://43142.diarynote.jp/201012171104366095/
http://43142.diarynote.jp/201206141342549869/
http://43142.diarynote.jp/201301270742196778/
▶過去の、TOKU
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-9.htm 9/6
http://43142.diarynote.jp/200403101442170000/
http://43142.diarynote.jp/200602171950040000/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20130922
http://43142.diarynote.jp/?day=20140205
<今日の、困惑>
ものすごく、健やかな日中模様だったゴールデン・ウィーク中の一日。であり、ブリッジウォーターさんがMCで強調していたように、土曜日。ほんと、シカゴの「サタデイ・イン・ザ・パーク」を思わず口ずさんでしまうというものだ。←あの歌って、米国独立記念日を祝う歌でもあるのね。……では、あったのだが、夕方に一週間強ぶりに渋谷を歩いたら(普段はほぼ毎日歩いたり通ったりしているか?)、あまりの人の多さでとっても気後れしちゃう。いや、少しイヤな気持ちを得た。それは、激混みのアップル・ストアに修理をお願いするPCを持ち込み、ぞんざいに待たされて、心が乱れたこととも関係があるが。しかし、あの効率の悪そう&外面だけしか整える気がありませんという客対応オペレーション、米国で定められたものをそのまま持って来ているのだろうが、少なくても日本でアレはないだろう。ほんとアップルって、顧客軽視の独りよがり馬鹿企業だと思わずにはいられず。もし混雑で客を待たせざるをえないなら(でも、待つためのスペースなぞは取っておらず、平気で予約客をそこらへんに立たせる)、予約をとらなきゃ、いいだけの話。ぼくの場合、すぐに新しいマックを買ってしまったので、急ぎの修理ではなかったしい。しかも、こんなこと書きたくないが、勤労者が薄汚い若目の人たちだらけで、その様にも気持ちがなえた。オレ、歳とってしまった?
夕方に西武百貨店渋谷店A館の特別催事場で、この21日にセカンド作『オパ!』(ハピネス)を出すカンタス村田とサンバマシーンズ(2010年12月27日、2011年2月11日、2011年5月8日、2012年6月8日、2012年10月27日、2013年2月11日、2013年8月24日)のお二人のライヴを、会場で販売していたカイピリーニャをちびちび飲みながら見る。同所は4月下旬からこの12日にかけて<ブラジルフェアー>という目出たい帯企画を催していて、休日/祭日には無料ライヴが企画され、この出演者実演もその一環なり。
村田のサンバマシーンズ曲のギター弾き語りに宮沢がパンデイロ音をつけ、いい感じの立ちや揺れや陰影をつける。アコースティックかつ直裁さをまとった、いくつものサンバマシーンズ曲。やっぱ、メロディアスというか、ブラジル音楽愛好を超えた間口の広さやキャッチーさを持つな。今度出る新作曲のリード・トラックらしい「浪漫プレイ」はよく出来たアーバン・ポップ曲じゃ。新作曲のなかでは一番ぼくは好きな(ライヴではずっと前からやっている)「憧れのブラジル航路」では客にリフレイン歌唱を求めるたりもするが、けっこうカタチになっていて、固定ファンも見に来ていたのだと思う。催事企画や場にあわせて、サンバマシーンズの曲だけでなく、「イパネマの娘」と「トリステーザ」というボサノヴァ有名曲も披露。後者のほう、なんかいい雰囲気を感じました。
▶過去の、サンバマシーンズ
http://43142.diarynote.jp/201101061047294455/
http://43142.diarynote.jp/201102121002078478/
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http://43142.diarynote.jp/201308281519499994/
その後、いまトップ級にお金を取れるパフォーマンスを見せるという所感をぼくは持っている、ディー・ディー・ブリッジウォーター(2003年8月1~2日、2007年8月24日、2008年12月4日、2009年11月27日)のショウを見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
結構、来日の間があいたが、その間に、彼女のアルバムにも複数参加しているピアニストのエドセル・ゴメス以外のバンド員たちが一新された。シオ・クローカー(トランペット)、アーウィン・ホール(アルト・サックス)、エリック・ウィラー(ベース)、カッサ・オーヴァーオール(ドラム)ら新しい奏者たちはまだ20代だろう。ウッドとエレクトリックを弾き分けるウィラーは目立たない普通の風体の持ち主だが、管奏者の二人の髪はドレッド・ロックスで、ドラマーは形容不能の変な格好をしている。あんたたち、ミュージシャンなんて目立ってナンボなのよと、ディー・ディーはハッパをかけていたりして。いや、あの人ならやりかねん(笑い)。トランペッターは特に目をかけているようだが、皆さんしっかりした力量や感性の持ち主たちで、そこからディー・ディーの才/人材掌握のまっとうさを思い知ってしまうか。そういえば、前回もそうだったと記憶するが、彼女は1曲目を歌い始める前に、受け手に確認を促すように、バンド員紹介をする。
日本に来ていない間、彼女はビリー・ホリデイをテーマに置くNY でのミュージカルにホリデイ役で出ていたりもしたようだが、ホリデイが書いたブルース有名曲「ファイン・アンド・メロウ」における、今のディー・ディーを浮き上がらせる解釈には少し震え、山ほどの悦楽を感じる。ショウの頭のほうは、アルトとトランペットにもちゃんとソロを取らせたりと、意外と今回はまっとうなジャズ・フォーマットに則った行き方を取るじゃないかと思っていたら、徐々に誰でもないディー・ディー節とディー・ディーな態度を全開にしていき、バンドはより純ジャズからは離れる噛み合いを見せ、彼女を持ち上げ……。結果、途中から、うわあ、の連続。
たとえば、中盤に入ってやったスタンダード「ラヴ・フォー・セール」のアレンジにはびっくり。ベースはハービー・ハンコックの「カメレオン」の印象的なラインを引用しつづけ、それを通して“もう一つ”の「ラヴ・フォー・セール」を彼女と演奏陣がシェアしあい、一体化してもう一つの大地にワープしていく様は凄っ。このエンディングには、やはり「カメレオン」が収録されていた『ヘッドハンターズ』ヴァージョンのハンコック曲「ウォーターメロン・マン」のパーツ応用でしめる。わ、クール。それ、やはり同時期のエレクトリック・ハンコック表現の再演をライヴ・パフォーマンスで必ず見せているロバート・グラスパー(2007年10月3日、2009年4月13日、2009年12月19日2010年12月16日、2012年6月12日、2013年1月25日)の作法より数段冴えていると言える。この曲に顕われているように、実は伴奏音はかなり練られたもので、それはディー・ディーの音楽性の高さ、音楽観の深さを間違いなく語る。それにしても、一連のイケまくっているアレンジは誰がやっているのだろう?
弾けたキャラ全開のもと、本編は90分。出演者たちがステージを降りるとすぐに場内が明るくなり、音楽も流される。だが、拍手はやまず、少したってから、面々が再登場。本編ではピンホールのハイヒールを履いていたディー・ディーは裸足。そして、より“私サマ”全開で、客の声援に応え、逆におおいにあおる。そして、始まったのはソウル・ジャズ名曲「コンペアード・トゥ・ホワット」。そのグルーヴィーなイントロ部から彼女はJBの化身といった感じで客を鼓舞する。そして、力づくで観客を立たせる。さあ、土曜の夜なのよ! そこのカップル、ちゃんと立って! 指差し、(座っているの)見えてるわよ。その繰り返し。もー、大笑い。アンコールの2曲目に入る前には、彼女は後で見ていたTOKU(2000年2月25日、2001年9月6日、2004年3月10日、2006年2月16日、2008年8月19日、2011年3月16日、2012年6月19日、2013年9月22日、2014年2月5日)を呼び出す。彼がステージに上がってくるのを待つとき、ディー・ディーはニューオーリンズの人気男女デュオであるシャーリー&リーの自作1956年R&Bチャート1位曲「レット・ザ・グッド・タイムス・ロール」をアカペラで口ずさむ。うーん、そんなところにも、ぼくは米国黒人音楽表現の理屈を超えた流れ/積み重ねの彩を感じて悶絶してしまうのだな。そして、スティーヴィー・ワンダーの「リヴィング・フォー・ザ・シティ」を披露。とかなんとか、ちょうど2時間ぐらいの尺でショウは終わった。
ジャズでもR&Bでもヒップホップでもいい、今もっとも米国黒人音楽たる醍醐味、決定的魅力を出せる最たる人がディー・ディーであると、断言せざるを得ない。彼女が来た際はぜったいにミスしちゃいけない。その真理を、ぼくは心に再度刻み込んだ。彼女、来年来ちゃると、MCで言っておりました。なにとぞ、実現しますように。
▶過去の、ブリッジウォーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200708270316020000/
http://43142.diarynote.jp/200812150311286788/
http://43142.diarynote.jp/?day=20091127
▶過去の、グラスパー
http://43142.diarynote.jp/200710121727100000/
http://43142.diarynote.jp/200904150840164356/
http://43142.diarynote.jp/201001051625155901/
http://43142.diarynote.jp/201012171104366095/
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▶過去の、TOKU
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm
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<今日の、困惑>
ものすごく、健やかな日中模様だったゴールデン・ウィーク中の一日。であり、ブリッジウォーターさんがMCで強調していたように、土曜日。ほんと、シカゴの「サタデイ・イン・ザ・パーク」を思わず口ずさんでしまうというものだ。←あの歌って、米国独立記念日を祝う歌でもあるのね。……では、あったのだが、夕方に一週間強ぶりに渋谷を歩いたら(普段はほぼ毎日歩いたり通ったりしているか?)、あまりの人の多さでとっても気後れしちゃう。いや、少しイヤな気持ちを得た。それは、激混みのアップル・ストアに修理をお願いするPCを持ち込み、ぞんざいに待たされて、心が乱れたこととも関係があるが。しかし、あの効率の悪そう&外面だけしか整える気がありませんという客対応オペレーション、米国で定められたものをそのまま持って来ているのだろうが、少なくても日本でアレはないだろう。ほんとアップルって、顧客軽視の独りよがり馬鹿企業だと思わずにはいられず。もし混雑で客を待たせざるをえないなら(でも、待つためのスペースなぞは取っておらず、平気で予約客をそこらへんに立たせる)、予約をとらなきゃ、いいだけの話。ぼくの場合、すぐに新しいマックを買ってしまったので、急ぎの修理ではなかったしい。しかも、こんなこと書きたくないが、勤労者が薄汚い若目の人たちだらけで、その様にも気持ちがなえた。オレ、歳とってしまった?
アリ・ジャクソン・カルテット。ホット・ツナ
2014年4月24日 音楽 まず、丸の内・コットンクラブで、新世紀以降なにげにパンク(!)になっているところも見受けられる、米国ジャズ界きってのセレブ君たるウィントン・マルサリス(2000年3月9日。しかし、ずっと来日していないな。多分。日本嫌いなのか。はたまた、ギャラが高くて、日本における集客では赤字になるので、誰も手を出さないのか。それとも、ジャズ・リンカーン・センターの指揮運営とか多忙で、あまり外に出ないだけなのか)流れの位置にいる奏者が集ったコンボのライヴを見る。
リーダーでドラマーのアリ・ジャクソン(2012年6月8日)、ピアノのダン・ニマー(スマートになったMr.ビーン、という外見の持ち主。関係ないけど、Mr.ビーンのカンヌ映画祭に向かう珍道中の映画は超好きだな)、ベースのカルロス・エンリケス、トランペットのマイケル・ロドリゲスという顔ぶれでの実演。チャーリー・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)/リベレイション・ジャズ・オーケストラの2005年作に入っていたトランペッター以外は、マルサリスとエリック・クラプトン(2006年11月20日)の2011年リプリーズ発の双頭リーダーのライヴ盤で演奏している人たちですね。
そんな彼らは、べらぼうに真面目な、破綻のない、メインストリームな4ビート・ジャズを聞かせる。もう、まったくもって、明晰に、迷いなく。ぼくには丹精すぎるものではあるが、はみ出していたり、前進していたりするものだけが正義ではないよなあ。と、書いて、ロックやR&B以上に、ぼくはジャズにはコワレていたりダーティだったりする感覚を求めているのではないか、と思えたりもした。それは、この後に見た出し物の聴後感との比較もあり……。
▶過去の、ジャクソン
http://43142.diarynote.jp/?day=20120608
▶過去の、マルサリス(2000年3月9日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200909120650273142/
▶過去の、クラプトン
http://43142.diarynote.jp/?day=20061120
アリ・ジャクソン公演のアンコールに入るときに失礼し、東京駅から東海道本線に乗って横浜へ。止まる駅4つでついてしまうのか。そして、サムズアップで、サンフランシスコ・ロック、ブルース・ロックのビッグ・ネームのお二人のアコースティックなライヴを、ファースト・セットの中ほどから見る。セカンド・セットは1時間をはるかに超える長さだったし、おじいちゃんたち元気だにゃ。
アコースティック・ギターを爪弾きながら歌うヨーマ・カウコネンと、黙々と優しいベースを弾くジャック・キャサディが、やんわり、無理なく重なるパフォーマンス。彼らはジェファーソン・エアプレインのオリジナル・メンバーで、1970年に一緒にブルース・ロック・バンドのホット・ツナを結成した。一緒に見ていた知人が、二人は幼なじみであることを教えてくれる。へえ。それにしても、二人が並ぶと、カウコネンの頭のデカさは際立つ。
思ったほどブルージーな曲は多くなく、訥々とアーシー気味フォーク調曲を開いて行くと、説明したくなるか。イントロ部で拍手が起きたりもするので、彼ら縁のよく知られる曲をやっているのかもしれない。なんにせよ、お互いの技やクセを知り合った二人のやりとり/意思疎通はさりげなくも気持ちよく、カウコネンの歌はどってことないのだが、耳障りが良い。月並みだが、“年輪”あるな。カウコネンは全てアルペジオにて弾き、ブルース・コード曲になると上手いなともより思わされる。米国ポピュラー音楽の裏面史と言うと大げさだが、なんかアメリカのロック史に残された何かをあっさり受け止めることができたような気にもなった。
<今日の、因縁>
ホット・ツナという名義では17年ぶりとなる来日とか。実は前回来日の際(1997年2月)、彼らは『LIVE IN JAPAN』(Relix/Eagl)というライヴ・アルバムを残していて、それはサムズアップの近くにある同じ系列店のStove’sというバーでの録音。狭い会場の都合で、それはアコースティック設定でなされたのだが、その出来を良く思うキャサディが推してライヴ・アルバム化されたそう。なんでも、彼らは昼間に思い出のStove’s詣でをしたらしい。というわけで、彼らにとってはホームグラウンドのような場所での実演と言えるのか。そうじゃなくても、この手の音楽には熱い反応を返すハコ(もちろん、フル・ハウス!)だけに、アーティストの意気と観客の熱意が綱引きし合う、得難い場がぽっかり出来ていたのは間違いない。それを認知して、横浜まで来て良かったと思えました。二人はいろいろ回って、また最後(4日)はサムズアップで公演をやって、帰米するようだ。
リーダーでドラマーのアリ・ジャクソン(2012年6月8日)、ピアノのダン・ニマー(スマートになったMr.ビーン、という外見の持ち主。関係ないけど、Mr.ビーンのカンヌ映画祭に向かう珍道中の映画は超好きだな)、ベースのカルロス・エンリケス、トランペットのマイケル・ロドリゲスという顔ぶれでの実演。チャーリー・ヘイデン(2001年11月20日、2005年3月16日、2009年9月10日)/リベレイション・ジャズ・オーケストラの2005年作に入っていたトランペッター以外は、マルサリスとエリック・クラプトン(2006年11月20日)の2011年リプリーズ発の双頭リーダーのライヴ盤で演奏している人たちですね。
そんな彼らは、べらぼうに真面目な、破綻のない、メインストリームな4ビート・ジャズを聞かせる。もう、まったくもって、明晰に、迷いなく。ぼくには丹精すぎるものではあるが、はみ出していたり、前進していたりするものだけが正義ではないよなあ。と、書いて、ロックやR&B以上に、ぼくはジャズにはコワレていたりダーティだったりする感覚を求めているのではないか、と思えたりもした。それは、この後に見た出し物の聴後感との比較もあり……。
▶過去の、ジャクソン
http://43142.diarynote.jp/?day=20120608
▶過去の、マルサリス(2000年3月9日)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
▶過去の、チャーリー・ヘイデン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm
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▶過去の、クラプトン
http://43142.diarynote.jp/?day=20061120
アリ・ジャクソン公演のアンコールに入るときに失礼し、東京駅から東海道本線に乗って横浜へ。止まる駅4つでついてしまうのか。そして、サムズアップで、サンフランシスコ・ロック、ブルース・ロックのビッグ・ネームのお二人のアコースティックなライヴを、ファースト・セットの中ほどから見る。セカンド・セットは1時間をはるかに超える長さだったし、おじいちゃんたち元気だにゃ。
アコースティック・ギターを爪弾きながら歌うヨーマ・カウコネンと、黙々と優しいベースを弾くジャック・キャサディが、やんわり、無理なく重なるパフォーマンス。彼らはジェファーソン・エアプレインのオリジナル・メンバーで、1970年に一緒にブルース・ロック・バンドのホット・ツナを結成した。一緒に見ていた知人が、二人は幼なじみであることを教えてくれる。へえ。それにしても、二人が並ぶと、カウコネンの頭のデカさは際立つ。
思ったほどブルージーな曲は多くなく、訥々とアーシー気味フォーク調曲を開いて行くと、説明したくなるか。イントロ部で拍手が起きたりもするので、彼ら縁のよく知られる曲をやっているのかもしれない。なんにせよ、お互いの技やクセを知り合った二人のやりとり/意思疎通はさりげなくも気持ちよく、カウコネンの歌はどってことないのだが、耳障りが良い。月並みだが、“年輪”あるな。カウコネンは全てアルペジオにて弾き、ブルース・コード曲になると上手いなともより思わされる。米国ポピュラー音楽の裏面史と言うと大げさだが、なんかアメリカのロック史に残された何かをあっさり受け止めることができたような気にもなった。
<今日の、因縁>
ホット・ツナという名義では17年ぶりとなる来日とか。実は前回来日の際(1997年2月)、彼らは『LIVE IN JAPAN』(Relix/Eagl)というライヴ・アルバムを残していて、それはサムズアップの近くにある同じ系列店のStove’sというバーでの録音。狭い会場の都合で、それはアコースティック設定でなされたのだが、その出来を良く思うキャサディが推してライヴ・アルバム化されたそう。なんでも、彼らは昼間に思い出のStove’s詣でをしたらしい。というわけで、彼らにとってはホームグラウンドのような場所での実演と言えるのか。そうじゃなくても、この手の音楽には熱い反応を返すハコ(もちろん、フル・ハウス!)だけに、アーティストの意気と観客の熱意が綱引きし合う、得難い場がぽっかり出来ていたのは間違いない。それを認知して、横浜まで来て良かったと思えました。二人はいろいろ回って、また最後(4日)はサムズアップで公演をやって、帰米するようだ。
いやあ、びっくりした。力があり、澄んだ情緒にも満ち、グルーヴィでもあり。また、閃きにも満ち。ぼくよりもちゃんと彼に接している知人も、今回はどうしてこんなにいいのと感嘆していたので、あながちぼくだけの感想ではないと思う。1日でガツっと録った新作『ア・デイ・イン・ナッシュヴィル』(プロヴォウグ)をフォロウするショウで、歌とギターの本人(1999年8月28日、2004年4月21日、2004年10月22日、2004年12月17日、2008年8月31日、2013年5月10日)に加え、オルガンのリッキー・ピーターソン(2000年3月21日、2003年7月18日、2012年3月3日、2013年5月10日)、ウッド・ベースと電気ベースのブライアン・アレン(2013年5月10日)、そしてドラマーのウェス・リトルがつく。ドラマー以外は昨年来日時と同じメンバーでもあり、非の打ち所のない噛み合いのもと、ロベン・フォードの考える、<ブルージーでジャズ的な広がりも持つ、手作りアダルト・ミュージック>が送り出された。
今回思ったのは、フォードはいい歌い手でもあるな、ということ。でも、それ以上に、ギター・ソロにも驚く。スリリングで飛躍や切れや艶やかさを持ち、かつ歌心にも富む。あらゆるブルース・ロックの弾き手を並べても、彼は間違いなく現在No.1の存在ではないか。まあ、ビル・フリゼール他、ジャズ側のギター奏者も絶賛する人は後がたたないわけだが。この晩のショウのライヴ評は毎日新聞で書く(5月8日夕刊掲載かな?)が、大絶賛すると思う。いやはや、音楽は、ライヴは、生き物。予想不可能な場合も多々ある。。。。再認識させていただきました。
▶過去の、フォード
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://43142.diarynote.jp/200404212355490000/
http://43142.diarynote.jp/200410240630040000/
http://43142.diarynote.jp/200412212105020000/
http://43142.diarynote.jp/200809011923060000/
http://43142.diarynote.jp/201305131335092387/
▶過去の、ピーターソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20120303
http://43142.diarynote.jp/201305131335092387/
<翌日の、フォード>
実は彼のライナーノーツは複数書いたことがあるけど、ロベン・フォードには、今回初めてインタヴューした。一部ニュースで、ここの出演者の常宿のホテルにオバマも泊まるという話が出ていたが、フォードに聞いたら、それは違うじゃないかな、とのこと。別に、警備とか規制とかないらしい。取材媒体はbsrで、たまたま最新号の表紙がマイク・ブルームフィールド。フォードのブルースの原点は、ブルームフィールドであるのだとか。
ところで。ACL、Jリーグのチームが決勝トーナメントに3つも残るとはこれまた驚いた。録画とはいえ、今年は日本のチームが関わるACL予選リーグの試合をすべて見ているので、感慨深いな。これで、マリノスにマルキーニョスが留まっていたら、4チームすべて残ったかもしれない。新加入の伊藤翔も嫌いではないんだが、残念っ。ともあれ、この楽しみが、日本チームが勝ち残ることで、ずっと続きますように。とともに、1試合ぐらい(というと、地理的に川崎フロンターレの試合しかないわけだが)は生観戦したい。。。。
今回思ったのは、フォードはいい歌い手でもあるな、ということ。でも、それ以上に、ギター・ソロにも驚く。スリリングで飛躍や切れや艶やかさを持ち、かつ歌心にも富む。あらゆるブルース・ロックの弾き手を並べても、彼は間違いなく現在No.1の存在ではないか。まあ、ビル・フリゼール他、ジャズ側のギター奏者も絶賛する人は後がたたないわけだが。この晩のショウのライヴ評は毎日新聞で書く(5月8日夕刊掲載かな?)が、大絶賛すると思う。いやはや、音楽は、ライヴは、生き物。予想不可能な場合も多々ある。。。。再認識させていただきました。
▶過去の、フォード
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://43142.diarynote.jp/200404212355490000/
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▶過去の、ピーターソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20120303
http://43142.diarynote.jp/201305131335092387/
<翌日の、フォード>
実は彼のライナーノーツは複数書いたことがあるけど、ロベン・フォードには、今回初めてインタヴューした。一部ニュースで、ここの出演者の常宿のホテルにオバマも泊まるという話が出ていたが、フォードに聞いたら、それは違うじゃないかな、とのこと。別に、警備とか規制とかないらしい。取材媒体はbsrで、たまたま最新号の表紙がマイク・ブルームフィールド。フォードのブルースの原点は、ブルームフィールドであるのだとか。
ところで。ACL、Jリーグのチームが決勝トーナメントに3つも残るとはこれまた驚いた。録画とはいえ、今年は日本のチームが関わるACL予選リーグの試合をすべて見ているので、感慨深いな。これで、マリノスにマルキーニョスが留まっていたら、4チームすべて残ったかもしれない。新加入の伊藤翔も嫌いではないんだが、残念っ。ともあれ、この楽しみが、日本チームが勝ち残ることで、ずっと続きますように。とともに、1試合ぐらい(というと、地理的に川崎フロンターレの試合しかないわけだが)は生観戦したい。。。。
ネイザン・イースト。マルコス・ヴァーリ&ステイシー・ケント
2014年4月22日 音楽 ロック、R&B、フュージョンとあらゆる米国メインストリーム音楽分野で、山ほどのアルバム録音/ツアーに参加している売れっ子セッション・ベーシストのネイザン・イースト(2011年9月27日)が、この3月にキャリア初となるリーダー作をリリース。そこにはこれまでの経験の豊富さを示唆するようにスティーヴィー・ワンダーからエリック・クラプトンまで本当に様々な人たちが関与し、オリジナルをはじめ、ロック(ヴァン・モリソンやスティーヴ・ウィンウッド曲も)やソウル、フュージョン(なんと、パット・メセニー曲。実は彼のグループに入りたいのだとか。あと、スティーリー・ダンとかU2なんかに入るのも、同様に夢だそう)などの有名曲を思慮深く取り上げて、高い技術とともに音楽愛のようなものが充満した好盤なのだが、それをフォロウするショーケース・ライヴが持たれた。青山・CAY。ちなみに、彼はすでに今年2度目の来日で今回はトト(2011年9月27日)のツアー、その前は2月のエリック・クラプトンだった。
ちょうど1時間のライヴを、日本在住の奏者たちと見せたのだが、このままブルーノート東京で公演を打っても大丈夫じゃないかと、思わせる。ケイリブ・ジェイムス率いるバンドに、ベースは日野賢二(2006年1月9日、2011年7月25日、2012年3月24日)が入り、ツイン・ベースにて。ギターはハンク西山で、ドラムはジェイ・スティックス。また、日本人3人のホーン・セクションも加わる。リハは1度しかやっていないそうだが、参加者たちがしっかり事前予習してくれていたのだそう。喋る声はなかなかに深い声の持ち主であるイーストはリード・ベースぽい音を繰り出すとともに、数曲でファルセット・ヴォーカルを披露。また、終盤はAI(2011年12月13日)、福原美穂、ジェイドらシンガー、さらにはトトの鍵盤奏者のデイヴィッド・ペイチや同行歌手のエイミー・キーズも加わる。また、そのリーダー作には小田和正から送られた曲もボーナス曲として収められていて、小田当人も会場にずっといた。おお、セレブというか、信頼されているのね。
▶過去の、トト
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
▶過去の、日野
http://43142.diarynote.jp/?day=20060109
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120324
▶過去の、AI
http://43142.diarynote.jp/201112201157058751/
その後は、近くのブルーノート東京へ。出し物はブラジル人洒脱(いい意味で、スーダラでもありますね)シンガー・ソングライターのマルコス・ヴァーリ(2002年11月7日、2003年10月24日、2008年4月28日、2010年5月25日)と、英国経由で人気を得た米国人ジャズ・シンガーであるステイシー・ケント(2012年3月12日)の双頭リーダーとなるショウ。実は両者はすでに連名のアルバムを出していて、それもまたライヴ盤。ながら、その滑らかで瀟洒さを持つ仕上がりは風雅と言いたくなるもので、これは行く前からかなり期待大の公演だった。
?な組み合わせと思う方もいるかもしれないが、前にケントのショウを見たとき、ぼくは以下のように記している。
<へえと思ったのは、「3月の雨」とか「イパネマの娘」とか、ブラジル曲をけっこう取り上げ、またボサノヴァ系リズムを採用する比率が高いこと。ガル・コスタ(2006年9月22日)で知られるカエターノ・ヴェローゾ曲「コラソン・ヴァガボンド」もボサノヴァ調で披露。ケントは、カエターノ・ヴェローゾ(2005年5月23日)は一番尊敬できる人みたいな発言もしていた。そういえば、ボサ調の曲をやる際、ケント(2曲)と旦那(1曲)はガット・ギターを弾いたりした。>
→→→そりゃ、一緒にやっても不思議はありませんね。そういえば、ケントはけっこうポル語もしゃべれるらしい。この晩は英語で歌う曲が多かったが。
ケントと鍵盤&歌(控え目)のヴァーリに加え、ケントのバンドのサックス奏者で彼女の旦那でもあるジム・トムリンソン、そしてルイス・ブラジル(2014年4月20日)ら5人の腕利きのブラジル人がサポート。ただし、管奏者は昨日までしか日本にいられなかったようで、この晩だけは日本在住のブラジル人奏者など別の管奏者が入ったようだ。
まずは、ヴァーリ・バンドで1曲演奏。かなりジャズっぽくも進められる今回のショウにおいて、ヴァーリはすべてグラウンド・ピアノを弾いた。ふふ。2曲目からケントと旦那も出て来て、優美に共演。ほう、こういう仕立てだとケントの歌声の綺麗さがよく出て、映える。ヴァーリは時にデュエット役をするがそのヘタウマ的ヴォーカルも不思議とあい、ペーソスをかもしだす。ゆったり、香り高く。ジャズとブラジル音楽要素の無理のない出会いを広げた、いい出し物だったんじゃないだろうか。
▶過去の、ヴァーリ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm 11月7日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm 10 月24日
http://43142.diarynote.jp/200805031401060000/
http://43142.diarynote.jp/201006031537221581/
▶過去の、ケント
http://43142.diarynote.jp/201203131840477844/
<今日の、血液型>
たまに、いまだ血液型の話で盛り上がることがある。潤滑油となりえる、不思議な話題ではありますね。新聞夕刊の記事によれば、B型が多いのはアジアで、欧米は多くの人がAかOなのだという。また、Oは一番病気に強い血液型で、それゆえ環境がハードなアフリカはO型が多いそう。そして、ブラジルもほとんどO型なのだとか。今日の出演者もO型揃いだったのかなー。
ちょうど1時間のライヴを、日本在住の奏者たちと見せたのだが、このままブルーノート東京で公演を打っても大丈夫じゃないかと、思わせる。ケイリブ・ジェイムス率いるバンドに、ベースは日野賢二(2006年1月9日、2011年7月25日、2012年3月24日)が入り、ツイン・ベースにて。ギターはハンク西山で、ドラムはジェイ・スティックス。また、日本人3人のホーン・セクションも加わる。リハは1度しかやっていないそうだが、参加者たちがしっかり事前予習してくれていたのだそう。喋る声はなかなかに深い声の持ち主であるイーストはリード・ベースぽい音を繰り出すとともに、数曲でファルセット・ヴォーカルを披露。また、終盤はAI(2011年12月13日)、福原美穂、ジェイドらシンガー、さらにはトトの鍵盤奏者のデイヴィッド・ペイチや同行歌手のエイミー・キーズも加わる。また、そのリーダー作には小田和正から送られた曲もボーナス曲として収められていて、小田当人も会場にずっといた。おお、セレブというか、信頼されているのね。
▶過去の、トト
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
▶過去の、日野
http://43142.diarynote.jp/?day=20060109
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120324
▶過去の、AI
http://43142.diarynote.jp/201112201157058751/
その後は、近くのブルーノート東京へ。出し物はブラジル人洒脱(いい意味で、スーダラでもありますね)シンガー・ソングライターのマルコス・ヴァーリ(2002年11月7日、2003年10月24日、2008年4月28日、2010年5月25日)と、英国経由で人気を得た米国人ジャズ・シンガーであるステイシー・ケント(2012年3月12日)の双頭リーダーとなるショウ。実は両者はすでに連名のアルバムを出していて、それもまたライヴ盤。ながら、その滑らかで瀟洒さを持つ仕上がりは風雅と言いたくなるもので、これは行く前からかなり期待大の公演だった。
?な組み合わせと思う方もいるかもしれないが、前にケントのショウを見たとき、ぼくは以下のように記している。
<へえと思ったのは、「3月の雨」とか「イパネマの娘」とか、ブラジル曲をけっこう取り上げ、またボサノヴァ系リズムを採用する比率が高いこと。ガル・コスタ(2006年9月22日)で知られるカエターノ・ヴェローゾ曲「コラソン・ヴァガボンド」もボサノヴァ調で披露。ケントは、カエターノ・ヴェローゾ(2005年5月23日)は一番尊敬できる人みたいな発言もしていた。そういえば、ボサ調の曲をやる際、ケント(2曲)と旦那(1曲)はガット・ギターを弾いたりした。>
→→→そりゃ、一緒にやっても不思議はありませんね。そういえば、ケントはけっこうポル語もしゃべれるらしい。この晩は英語で歌う曲が多かったが。
ケントと鍵盤&歌(控え目)のヴァーリに加え、ケントのバンドのサックス奏者で彼女の旦那でもあるジム・トムリンソン、そしてルイス・ブラジル(2014年4月20日)ら5人の腕利きのブラジル人がサポート。ただし、管奏者は昨日までしか日本にいられなかったようで、この晩だけは日本在住のブラジル人奏者など別の管奏者が入ったようだ。
まずは、ヴァーリ・バンドで1曲演奏。かなりジャズっぽくも進められる今回のショウにおいて、ヴァーリはすべてグラウンド・ピアノを弾いた。ふふ。2曲目からケントと旦那も出て来て、優美に共演。ほう、こういう仕立てだとケントの歌声の綺麗さがよく出て、映える。ヴァーリは時にデュエット役をするがそのヘタウマ的ヴォーカルも不思議とあい、ペーソスをかもしだす。ゆったり、香り高く。ジャズとブラジル音楽要素の無理のない出会いを広げた、いい出し物だったんじゃないだろうか。
▶過去の、ヴァーリ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm 11月7日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm 10 月24日
http://43142.diarynote.jp/200805031401060000/
http://43142.diarynote.jp/201006031537221581/
▶過去の、ケント
http://43142.diarynote.jp/201203131840477844/
<今日の、血液型>
たまに、いまだ血液型の話で盛り上がることがある。潤滑油となりえる、不思議な話題ではありますね。新聞夕刊の記事によれば、B型が多いのはアジアで、欧米は多くの人がAかOなのだという。また、Oは一番病気に強い血液型で、それゆえ環境がハードなアフリカはO型が多いそう。そして、ブラジルもほとんどO型なのだとか。今日の出演者もO型揃いだったのかなー。
カエターノ・ヴェローゾ(2005年5月23日)ほか、いろんな名ブラジル人音楽家のサポートをし、坂本龍一(2011年8月7日、2012年3月21日、2012年8月12日、2013年8月11日)ともかつてお互いのリーダー作にも参加し合う関係にあったギタリストであるルイス・ブラジルの一夜限りの公演が、青山・プラッサオンゼであった。サポートは、ベース(ここではエレクトリックに専念)のジョージ・エルデル、ドラマーのヘナート・マッサ・カウモン、サックスのマルセロ・マルチンス、トランペットのジェセー・サドッキという、やはりヴェローゾやマリア・ベターニア、モアシル・サントスやレニーニまで、いろんな逸材をサポートしてきているブラジル人たち。
実は、彼らは先週金曜からブルーノート東京ではじまっているマルコス・ヴァーリとステイシー・ケントのサポート・メンバーたちで、ショウのオフ日であるこの日に、ルイス・ブラジルを前面に立てたショウを行うことになったらしい。と書くと、息抜きのセッションというパフォーマンス内容を想像してしまうが、これが違った。作曲家としての才も持つ、そんな彼の真価を無駄なく伝えるために、きっちり本国でリハをしてきたのが分る(セット・リストも固めてきたようだ)内容には口あんぐり。笑顔で悠々とやっているのに、<これがオイラだ>という、矜持と説得力、ハンパありませんでした。
やることは乱暴に言えば、ブラジリアン・フュージョン。ではあるのだが、テーマ部/合奏部は奏者たちがとても効果的に絡み(二管のセクション音の重なりのまろやかさは、魔法のよう。それに触れただけでも、来たかいがあったと思わせた)、そこから浮き上がる各人のソロも創意工夫に富み、質が高い。ほんと、ブラジル人演奏家って腕が立つな。でもって、ブラジルで積み重ねられて来た様々な種は演奏のなか随所に埋め込まれているわけで、それにもおおいにため息。ドラミング一つとっても、本当に飽きないし、高揚させられた。
ルイス・ブラジルは2本のエレクトリッック・ギターを弾き、1曲はカヴァコも手にする。また、ピックをもちいるときもあるが、基本はアルペジオの変形のような弾き方で彼はギターを弾いて行く。複音演奏にせよ単音演奏にせよ、いろんな発見/ヴァリエーションがあり。また、2曲だったかテーマ部でスキャットもかましたりしたが、それもいい感じでした。
3曲で、草間信一がキーボードで参加。よりよい自己名義ライヴにしたいルイス・ブラジルが日本人知己から推奨されチェックしたなか、彼に参加を頼んだという。この晩の音を調整していたのはオノセイゲン、商品化されないか。とともに、楽器奏者でも歌手でもいいが、この単位のサポートを借りたら、すぐに良質盤が生まれるのではないかとも思った。
▶過去の、カエターノ
http://43142.diarynote.jp/200506021846130000/
2011年8月7日、2012年3月21日、2012年8月12日、2013年8月11日他)
▶過去の、坂本
http://43142.diarynote.jp/?day=20110807
http://43142.diarynote.jp/?day=20120321
http://43142.diarynote.jp/?day=20120812
http://43142.diarynote.jp/?day=20130811
<今日の、ギター>
一部の演奏では、ロックも彼はちゃんと通ってきているんだろうなあと、思わせる。そして、この晩は、ルイス・ブラジルの60歳となる誕生日の前夜。ケーキを出された彼はとてもうれしそう。頭髪がフサフサしているせいもあって、彼は年齢よりも若く見えます。
実は、彼らは先週金曜からブルーノート東京ではじまっているマルコス・ヴァーリとステイシー・ケントのサポート・メンバーたちで、ショウのオフ日であるこの日に、ルイス・ブラジルを前面に立てたショウを行うことになったらしい。と書くと、息抜きのセッションというパフォーマンス内容を想像してしまうが、これが違った。作曲家としての才も持つ、そんな彼の真価を無駄なく伝えるために、きっちり本国でリハをしてきたのが分る(セット・リストも固めてきたようだ)内容には口あんぐり。笑顔で悠々とやっているのに、<これがオイラだ>という、矜持と説得力、ハンパありませんでした。
やることは乱暴に言えば、ブラジリアン・フュージョン。ではあるのだが、テーマ部/合奏部は奏者たちがとても効果的に絡み(二管のセクション音の重なりのまろやかさは、魔法のよう。それに触れただけでも、来たかいがあったと思わせた)、そこから浮き上がる各人のソロも創意工夫に富み、質が高い。ほんと、ブラジル人演奏家って腕が立つな。でもって、ブラジルで積み重ねられて来た様々な種は演奏のなか随所に埋め込まれているわけで、それにもおおいにため息。ドラミング一つとっても、本当に飽きないし、高揚させられた。
ルイス・ブラジルは2本のエレクトリッック・ギターを弾き、1曲はカヴァコも手にする。また、ピックをもちいるときもあるが、基本はアルペジオの変形のような弾き方で彼はギターを弾いて行く。複音演奏にせよ単音演奏にせよ、いろんな発見/ヴァリエーションがあり。また、2曲だったかテーマ部でスキャットもかましたりしたが、それもいい感じでした。
3曲で、草間信一がキーボードで参加。よりよい自己名義ライヴにしたいルイス・ブラジルが日本人知己から推奨されチェックしたなか、彼に参加を頼んだという。この晩の音を調整していたのはオノセイゲン、商品化されないか。とともに、楽器奏者でも歌手でもいいが、この単位のサポートを借りたら、すぐに良質盤が生まれるのではないかとも思った。
▶過去の、カエターノ
http://43142.diarynote.jp/200506021846130000/
2011年8月7日、2012年3月21日、2012年8月12日、2013年8月11日他)
▶過去の、坂本
http://43142.diarynote.jp/?day=20110807
http://43142.diarynote.jp/?day=20120321
http://43142.diarynote.jp/?day=20120812
http://43142.diarynote.jp/?day=20130811
<今日の、ギター>
一部の演奏では、ロックも彼はちゃんと通ってきているんだろうなあと、思わせる。そして、この晩は、ルイス・ブラジルの60歳となる誕生日の前夜。ケーキを出された彼はとてもうれしそう。頭髪がフサフサしているせいもあって、彼は年齢よりも若く見えます。
リチャード・シンクレア
2014年4月19日 音楽 キャラヴァン、ハット・フィールド&ザ・ノーツ、キャメルといったバンドの活動で知られる、カンタベリー派なんても言われる、歌心と奥行きにとんだUKプログ・ロック界から出た名ベーシスト/シンガーのソロ・パフォーマンスのショウを昼下がりに見る。代官山・晴れたら空に豆まいて。駅周辺は、人がいっぱい。このへん、ウィーク・デイとウィーク・エンドじゃ、ぜんぜん風景が違うんだろうな。
へえ、こんなにマイペースな人なのか。神経質さ、ゼロ。始まる前から、鼻歌全開という感じで歌声を出し、呑気で、天然度高し。客電が落ちた後、なんか忘れ物したのか一度楽屋に戻りかけたり、熱心なファンがじっと見守るなか、改めてスタッフに始めていいのと聞いたり。その、自己完結している”よいよい”ぶりに接すると、65歳という年齢よりも上に感じるか。現在、彼はイタリアに住んでいるらしい。
前半は、アコースティック・ギターの弾き語り。始まって、これがポルトガル語で歌っていたら、ボサ系ブラジル人のショウに来ているんだっけと錯覚したかもしれないと、一瞬思う。そんなにボサっぽい弾き方はしないが、脱力したなあなあ感がそっちのほうと繋がる味を持っているんだろうな。けっこう気ままに、自分の手癖や鼻歌(スキャット、多し)を気持ち良さそうに綴っていくと説明できるだろうパフォーマンス。ギター演奏自体はけっこうジャジーな抑え方もするし、淡い木漏れ日のような感覚を携え透明感ある歌心がすうっと場内に散っていく。
そして、途中からは4弦フレットレス・ベースと6弦エレクトリック・ギターのダブルネック仕様ギターを弾きながら歌う。エレクトリック・ギターを弾きながら歌う方が多いが、ベース演奏のさいは少しジャコ・パストリアス的と思わせる場合もある。楽器音をループして重ねていくとかいう局面はじいさんらしく一切なく、ギターにしろベースにしろ、シンプルな歌と楽器の相乗表現をふんふんと開く。ちょい出来損ないのホーミーみたいな歌い方をするときもあり、その際はほんの少しエスノ濃度が上がりもしたか。
<今日の、4万人>
ライヴ後、なんとチケットが売り切れになったという、味の素スタジアムでのFC東京とセレッソ大阪の試合に行く。この日曜の国立競技場(あそこに、ホントにあんな珍妙な建造ブツが五輪用に出来ちゃうの? 少し、周辺風景を脳裏に刻んだ)のJ2試合に続く、今年3度目のサッカー生観戦。いいタイミングで会場に着いたが、うわー観客4万人はやはりすげえ。がらがらのスタンドでダラダラ見るのは楽で好きだが、これはイヴェントに来ているという気持ちになれる。アがる。人気者がいろいろいるセレッソ効果による動員だろうが、一昨年&昨年のFC東京監督のセルビア出身でオーストリア人ランコ・ポポヴィッチと今年からFC東京の監督となったイタリア人マッシモ・フィッカデンティの能力の差があっさり出た試合と思えた。けっこう“地蔵”かと思っていたフォルラン(髭のばしはじめたのね。やはり、一度は生で見てみたかった)、いちおう走るじゃん。FC東京の2点目は、おしゃれ。とかなんとか、今日は“レコード・ストア・デイ”だったようだが、レコード屋には足を運ばず、終わってしまった。
へえ、こんなにマイペースな人なのか。神経質さ、ゼロ。始まる前から、鼻歌全開という感じで歌声を出し、呑気で、天然度高し。客電が落ちた後、なんか忘れ物したのか一度楽屋に戻りかけたり、熱心なファンがじっと見守るなか、改めてスタッフに始めていいのと聞いたり。その、自己完結している”よいよい”ぶりに接すると、65歳という年齢よりも上に感じるか。現在、彼はイタリアに住んでいるらしい。
前半は、アコースティック・ギターの弾き語り。始まって、これがポルトガル語で歌っていたら、ボサ系ブラジル人のショウに来ているんだっけと錯覚したかもしれないと、一瞬思う。そんなにボサっぽい弾き方はしないが、脱力したなあなあ感がそっちのほうと繋がる味を持っているんだろうな。けっこう気ままに、自分の手癖や鼻歌(スキャット、多し)を気持ち良さそうに綴っていくと説明できるだろうパフォーマンス。ギター演奏自体はけっこうジャジーな抑え方もするし、淡い木漏れ日のような感覚を携え透明感ある歌心がすうっと場内に散っていく。
そして、途中からは4弦フレットレス・ベースと6弦エレクトリック・ギターのダブルネック仕様ギターを弾きながら歌う。エレクトリック・ギターを弾きながら歌う方が多いが、ベース演奏のさいは少しジャコ・パストリアス的と思わせる場合もある。楽器音をループして重ねていくとかいう局面はじいさんらしく一切なく、ギターにしろベースにしろ、シンプルな歌と楽器の相乗表現をふんふんと開く。ちょい出来損ないのホーミーみたいな歌い方をするときもあり、その際はほんの少しエスノ濃度が上がりもしたか。
<今日の、4万人>
ライヴ後、なんとチケットが売り切れになったという、味の素スタジアムでのFC東京とセレッソ大阪の試合に行く。この日曜の国立競技場(あそこに、ホントにあんな珍妙な建造ブツが五輪用に出来ちゃうの? 少し、周辺風景を脳裏に刻んだ)のJ2試合に続く、今年3度目のサッカー生観戦。いいタイミングで会場に着いたが、うわー観客4万人はやはりすげえ。がらがらのスタンドでダラダラ見るのは楽で好きだが、これはイヴェントに来ているという気持ちになれる。アがる。人気者がいろいろいるセレッソ効果による動員だろうが、一昨年&昨年のFC東京監督のセルビア出身でオーストリア人ランコ・ポポヴィッチと今年からFC東京の監督となったイタリア人マッシモ・フィッカデンティの能力の差があっさり出た試合と思えた。けっこう“地蔵”かと思っていたフォルラン(髭のばしはじめたのね。やはり、一度は生で見てみたかった)、いちおう走るじゃん。FC東京の2点目は、おしゃれ。とかなんとか、今日は“レコード・ストア・デイ”だったようだが、レコード屋には足を運ばず、終わってしまった。
ジョニー・ウィンター。スクリーミング・マルディニ
2014年4月18日 音楽 1944年生まれ白人ブルース・マン(2011年4月13日、2012年5月27日)の東京公演は、初来日だった3.11震災1ヶ月後のそれいらい3度目。で、今回は六本木・EXシアターで3日間。ぼくは初日を見た。
セカンド・ギター(ソロとか取ると、それほど趣味ではないが上手い)、ベース、ドラム(パキパキの産業ロック型の音質設定)を従えたブルース・ロックというか、ロッキッシュなブルース表現をえいやっと開く。内容もセット・リストも大きく変わっていないが、なんかより音がでっかくなって、剛毅にがちゃがちゃやっている度数は増したか。MC(そんなに長いわけではないが)もこんなにしていたっけ? なんで、こんなにガチンコな設定を取るのかという一抹の疑問も浮かばなくもないが、よちよち歩きでステージに出て来て、そして椅子に座って歌いギターを弾く御大は元気一杯いがいの何ものでもなし。それ、なんか無条件でうれしさを与えるな。とともに、日本のこと好きなんだろうなというのも伝わる。そういやあ、完成したらしい彼のドキュメンタリー映画には日本の来日時の模様も出てくるらしい。
▶過去の、ウィンター
http://43142.diarynote.jp/201104142210374126/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120527
その後、渋谷・オネストで、英国シェフィールドの新進6人組、スクリーミング・マルディニのライヴを見る。前座のバンドが二つあったようで、始まった時間はけっっこう遅かった。その将来性を買って、P-ヴァインが自ら打つ公演だが、それをしたくなるのは良くわかった。だって、すべての面で正の要点を見いだたせるバンドなんだもの。男女混合の和気あいあいとした佇まいがまずうれしいと思わせるし、メロディもコーラスも演奏も非の打ち所なく、後にスタジオコーストでやるクラスになったとしても、ぼくはぜんぜん驚かない。そんな彼ら、海外でもそれほど話題にはなっていないようで、それもぼくには謎に思える。
とにもかくにも、陽性でしなやかさを振りまく、生理的にカラフルでもあるポップ・ロック・バンドで、全面的に共感。バカラック曲の現代的展開と思わせるような曲もあったりして、眩く感と洒脱感、ハンパない。今後の、彼らの伸び具合、おおいに期待したし。
<今日は、内なる……>
昼間から寒さを感じる気温。二つ目のライヴのあと、少し震えつつ近くのなじみの飲み屋に流れたら、にぎやかパーティの体。ブラジルのモノブロコのメンバーもいたよう。なんで? でも、早い時間から翌日いろいろ予定が入っているので、大人になって日付が変わる前に店を出る。頭の片隅で、やれば出来る子と、内なる“リトル・サトー”が言っていていた。わ、ネタが古い? でも、“リトル・ホンダ”ねたは本田圭佑がACミランに入ったときの会見で出したわけで、2014年になってからのものだよな。
セカンド・ギター(ソロとか取ると、それほど趣味ではないが上手い)、ベース、ドラム(パキパキの産業ロック型の音質設定)を従えたブルース・ロックというか、ロッキッシュなブルース表現をえいやっと開く。内容もセット・リストも大きく変わっていないが、なんかより音がでっかくなって、剛毅にがちゃがちゃやっている度数は増したか。MC(そんなに長いわけではないが)もこんなにしていたっけ? なんで、こんなにガチンコな設定を取るのかという一抹の疑問も浮かばなくもないが、よちよち歩きでステージに出て来て、そして椅子に座って歌いギターを弾く御大は元気一杯いがいの何ものでもなし。それ、なんか無条件でうれしさを与えるな。とともに、日本のこと好きなんだろうなというのも伝わる。そういやあ、完成したらしい彼のドキュメンタリー映画には日本の来日時の模様も出てくるらしい。
▶過去の、ウィンター
http://43142.diarynote.jp/201104142210374126/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120527
その後、渋谷・オネストで、英国シェフィールドの新進6人組、スクリーミング・マルディニのライヴを見る。前座のバンドが二つあったようで、始まった時間はけっっこう遅かった。その将来性を買って、P-ヴァインが自ら打つ公演だが、それをしたくなるのは良くわかった。だって、すべての面で正の要点を見いだたせるバンドなんだもの。男女混合の和気あいあいとした佇まいがまずうれしいと思わせるし、メロディもコーラスも演奏も非の打ち所なく、後にスタジオコーストでやるクラスになったとしても、ぼくはぜんぜん驚かない。そんな彼ら、海外でもそれほど話題にはなっていないようで、それもぼくには謎に思える。
とにもかくにも、陽性でしなやかさを振りまく、生理的にカラフルでもあるポップ・ロック・バンドで、全面的に共感。バカラック曲の現代的展開と思わせるような曲もあったりして、眩く感と洒脱感、ハンパない。今後の、彼らの伸び具合、おおいに期待したし。
<今日は、内なる……>
昼間から寒さを感じる気温。二つ目のライヴのあと、少し震えつつ近くのなじみの飲み屋に流れたら、にぎやかパーティの体。ブラジルのモノブロコのメンバーもいたよう。なんで? でも、早い時間から翌日いろいろ予定が入っているので、大人になって日付が変わる前に店を出る。頭の片隅で、やれば出来る子と、内なる“リトル・サトー”が言っていていた。わ、ネタが古い? でも、“リトル・ホンダ”ねたは本田圭佑がACミランに入ったときの会見で出したわけで、2014年になってからのものだよな。
アルフレッド・ロドリゲス&ザ・インヴェジョン・パレード
2014年4月16日 音楽 クインシー・ジョーンズ(2013年8月1日)の覚えもめでたい、1985年キューバ人在米ピアニスト(2011年11月25日、2013年8月1日)の、あっと驚く変化〜進化を見せたセカンド作『インヴェジョン・パレード』(マック・アヴェニュー)をフォロウする公演。クインテット編成、リズム・セクションに加え、トランペッターとリード奏者がつく。彼らはキューバやプエルトリコ出身のプレイヤーであるようだ。
で、長尺曲4曲(オープナーは30分ぐらいの長さだったか)からなるショウはとっても面白かった。新作を聞いたとき、キューバ有名曲なども素材とする才気走った清新にして尖ったラテン・ジャズ作品になっていてびっくりさせられたが、そのうれしい驚きはその実演に触れても同様。人間、化ける、いや変わるものなんだなあ。ロドリゲスの過去のトリオ表現はキューバ出身者である何かをときに出しつつも真摯にジャズ道をつきすすまんという志向をもっていたが、今回はもっと出自を冴えた回路で強調することで、得難い現代的な立ちや輝きを抱えるようになっているのだから、それにはうなる。とともに、オイラの考えるジャズ〜インタープレイ観も露にもなる。それ、厳しいジャズ愛好家だと、従来のジャズ流儀からは微妙に離れていると思ってまうかもしれないが。
リズム・セクションはトリオ公演時の同行者と同じようだが、今回はもっと活躍領域が増える。ドラムのヘンリー・コールは口径違いでマイクの置き方も変えたキック・ドラムを二つ置くが(スネアも二つ使っていた)、音程や響きの違いを見事に使い分けたその演奏には目が点。ここらあたりは、ラテン・パーカッション文化圏で育たないと出てこない発想だろう。アンコール曲でのメンバーたちの散った手拍子も素敵だし、リズムとメロディと即興の興味深い饗宴となっていたのは間違いなく。そういえば、1曲目でロドリゲスはシンセサイザーも用い“電波”効果音をそえた。おお、なんかオマール・ソーサ(2001年8月24日、2002年7月22日2004年8月2日、2005年9月24日、2006年10月28日、2008年3月16日、2009年5月12日2010年8月3日、2013年9月17日、2014年3月10日)も入って来ているじゃん、とも思わせられたか。
▶過去の、アルフレッド・ロドリゲス
http://43142.diarynote.jp/201111281001329390/
http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/
▶過去の、ソーサ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200408021925240000/
http://43142.diarynote.jp/200510030021170000/
http://43142.diarynote.jp/200611020835550000/
http://43142.diarynote.jp/200803201207150000/
http://43142.diarynote.jp/200905131200576485/
http://43142.diarynote.jp/201008251432447574/
http://43142.diarynote.jp/201309201840164499/
http://43142.diarynote.jp/201403131302032810/
<今日の、6秒>
外出するさい、けっこうな確率で新聞を手にする。家できっちり読む時間が作れないし、電車のなかでの手持ちぶさた解消になるしね。でも普段、4コマ漫画と小説はぜんぜん見ないという、ぼくの性癖を本日じっくり認知。たまたま、ふと4コマ漫画を見たら、これでいいのかというつまらなさ。新聞に漫画は必要なのかと、マジに6秒考えた。まあ、毎日、風刺や時事的ひねりや諧謔を持つものをきっちり作るのは難しいよな。絶対に、文章以上に。
で、長尺曲4曲(オープナーは30分ぐらいの長さだったか)からなるショウはとっても面白かった。新作を聞いたとき、キューバ有名曲なども素材とする才気走った清新にして尖ったラテン・ジャズ作品になっていてびっくりさせられたが、そのうれしい驚きはその実演に触れても同様。人間、化ける、いや変わるものなんだなあ。ロドリゲスの過去のトリオ表現はキューバ出身者である何かをときに出しつつも真摯にジャズ道をつきすすまんという志向をもっていたが、今回はもっと出自を冴えた回路で強調することで、得難い現代的な立ちや輝きを抱えるようになっているのだから、それにはうなる。とともに、オイラの考えるジャズ〜インタープレイ観も露にもなる。それ、厳しいジャズ愛好家だと、従来のジャズ流儀からは微妙に離れていると思ってまうかもしれないが。
リズム・セクションはトリオ公演時の同行者と同じようだが、今回はもっと活躍領域が増える。ドラムのヘンリー・コールは口径違いでマイクの置き方も変えたキック・ドラムを二つ置くが(スネアも二つ使っていた)、音程や響きの違いを見事に使い分けたその演奏には目が点。ここらあたりは、ラテン・パーカッション文化圏で育たないと出てこない発想だろう。アンコール曲でのメンバーたちの散った手拍子も素敵だし、リズムとメロディと即興の興味深い饗宴となっていたのは間違いなく。そういえば、1曲目でロドリゲスはシンセサイザーも用い“電波”効果音をそえた。おお、なんかオマール・ソーサ(2001年8月24日、2002年7月22日2004年8月2日、2005年9月24日、2006年10月28日、2008年3月16日、2009年5月12日2010年8月3日、2013年9月17日、2014年3月10日)も入って来ているじゃん、とも思わせられたか。
▶過去の、アルフレッド・ロドリゲス
http://43142.diarynote.jp/201111281001329390/
http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/
▶過去の、ソーサ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200408021925240000/
http://43142.diarynote.jp/200510030021170000/
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http://43142.diarynote.jp/201403131302032810/
<今日の、6秒>
外出するさい、けっこうな確率で新聞を手にする。家できっちり読む時間が作れないし、電車のなかでの手持ちぶさた解消になるしね。でも普段、4コマ漫画と小説はぜんぜん見ないという、ぼくの性癖を本日じっくり認知。たまたま、ふと4コマ漫画を見たら、これでいいのかというつまらなさ。新聞に漫画は必要なのかと、マジに6秒考えた。まあ、毎日、風刺や時事的ひねりや諧謔を持つものをきっちり作るのは難しいよな。絶対に、文章以上に。
ウェイン・ショーター
2014年4月14日 音楽 昨年出た久しぶりのウェイン・ショーター(2001年8月3~5日、2002年8月25日、2004年2月9日)の新作『ウィズアウト・ア・ネット』(ブルーノート)はやはり屈指の現代ジャズ作品であり、ショーター半端ねえと痛感させるもの。くわえて、ええええと思わせるのは、そのカルテットの顔ぶれはずっと10年強同じであること。“変化”を求めずに、成熟その他をつうじて鮮やかな“変化”を引き出す、そのメンバー選びの審音楽家眼は度を超してすごいとしか言えません。
というわけで、不動のメンバー(ぼくは、見ていないが、昨年の来日公演はドラマーは代役だった)は、ピアニストのダニーロ・ペレス(2001年8月3〜5日、2002年8月25日、2004年2月9日)、ベーシストのジョン・パティトゥッチ(2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2006年9月3日、2012年6月13日、2014年2月12日)、ドラマーのブライアン・ブレイド(2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2008年9月4日、2009年7月20日、2011年5月12日、2012年1月16日、2012年3月15日 、2012年5月22日、2014年2月12日)という面々。ショーター御大はソプラノ主体に、時にテナー・サックス。30分ぐらいやった1曲目はテナーを手にした。
他は長くても10分ほどの曲だったはずだが、構成と即興が一緒になるような感じで悠然と流れて行く演奏は、どこを取っても秀でたジャズであり、“電波”の人=ショーター以外の何ものでもなく、大きくため息しつつ、おおいに堪能。80歳を超えた彼、さすが吹きまくるという感じではないが、要所で繰り出す箍が外れたようなソロにはとても夢心地になれる。やっぱり、ジャズってすごい表現だという、漠然とした感想がもくもくと湧いてもくる。サポート陣もクリシェに陥ることなく妙味を繰り出したが、この2月に一緒に来ているリズム・セクションの輝きや渋さや強さがその際とは段違いなのにも驚き、ショーターの神通力を思い知らされた。
▶過去の、ショーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
▶過去の、ペレス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
▶過去の、ブレイド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm 2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200605160543260000/
http://43142.diarynote.jp/200809071429250000/
http://43142.diarynote.jp/200908061810483865/
http://43142.diarynote.jp/201105140859559227/
http://43142.diarynote.jp/201201171011033219/
http://43142.diarynote.jp/201203161146266803/
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
▶過去の、パティトゥッチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm 2001年8月3日、2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
<今日の、予期せぬ問いかけ>
冷蔵庫を買い直した。入れ替え作業は、粛々と終了。帰り際に業者のおにいちゃんが、居間を見渡し「レコード、売ってるんですか?」。「いや、趣味で……」、と消え入るような声で答えるぼく。彼が仕事部屋を見たら、なんと言ってくるだろう? 寝室だけは音楽アイテムを置くのを避けているが、それだけは徹底しようと決意を新たにした。
というわけで、不動のメンバー(ぼくは、見ていないが、昨年の来日公演はドラマーは代役だった)は、ピアニストのダニーロ・ペレス(2001年8月3〜5日、2002年8月25日、2004年2月9日)、ベーシストのジョン・パティトゥッチ(2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2006年9月3日、2012年6月13日、2014年2月12日)、ドラマーのブライアン・ブレイド(2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2008年9月4日、2009年7月20日、2011年5月12日、2012年1月16日、2012年3月15日 、2012年5月22日、2014年2月12日)という面々。ショーター御大はソプラノ主体に、時にテナー・サックス。30分ぐらいやった1曲目はテナーを手にした。
他は長くても10分ほどの曲だったはずだが、構成と即興が一緒になるような感じで悠然と流れて行く演奏は、どこを取っても秀でたジャズであり、“電波”の人=ショーター以外の何ものでもなく、大きくため息しつつ、おおいに堪能。80歳を超えた彼、さすが吹きまくるという感じではないが、要所で繰り出す箍が外れたようなソロにはとても夢心地になれる。やっぱり、ジャズってすごい表現だという、漠然とした感想がもくもくと湧いてもくる。サポート陣もクリシェに陥ることなく妙味を繰り出したが、この2月に一緒に来ているリズム・セクションの輝きや渋さや強さがその際とは段違いなのにも驚き、ショーターの神通力を思い知らされた。
▶過去の、ショーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
▶過去の、ペレス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
▶過去の、ブレイド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm 2000年12月6日、2001年8月3日、2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200605160543260000/
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http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
▶過去の、パティトゥッチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livezanmai.htm 2001年8月3日、2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
<今日の、予期せぬ問いかけ>
冷蔵庫を買い直した。入れ替え作業は、粛々と終了。帰り際に業者のおにいちゃんが、居間を見渡し「レコード、売ってるんですか?」。「いや、趣味で……」、と消え入るような声で答えるぼく。彼が仕事部屋を見たら、なんと言ってくるだろう? 寝室だけは音楽アイテムを置くのを避けているが、それだけは徹底しようと決意を新たにした。
和歌山県那智勝浦町をベースに我が道を行く活動をしている、ギタリストの濱口祐自のソロ・パフォーマンスを、代官山・晴れたら空に豆まいて で見る。昔(大学には体育科に入学した、運動会系だそう)はライ・クーダーが好きで、その流れの先に現在の形があるうようだが、ブルースをはじめとする米国ルーツ・ミュージック語彙を自然児的スタンスのもと悠々とギター1本で束ねる様はお見事。堂にいっていて、渋味ギター・マンとしては王道、という感想を導きもする。
その技アリのソロ・ギターの演奏(けっこう、チューニングを変えていた)はちょっとした1ストークや1フレーズにあるものが生理的に太く、濃く、雄弁。そして、そこには、オイラの工夫や温かさや人間くささといったものが付帯する。技量と情が見事にバランスのとれたパフォーマー、そんな言い方もぼくはしたくなるか。用いたギターは3本、うち1本はドブロで当然スライド・バーをはめて演奏。草の薫りがするものやブルース曲から、スタンダードの「ムーン・リヴァー」、ルイス・ボンファやエリック・サティ曲まで。みんなインストだが、自ら訥々と歌うフォークぽい曲も一つやった。
<今日の、名言>
俺サマと謙虚さがいりまじった、率直にして面白いMCを熊野弁(?)ばりばりでする人。ライヴ・ショウでのMC嫌いを公言するぼくも、これには笑えて、つきあえちゃった。お客さんの反応も、温かかったなあ。内容は他愛なくもあるんだけど、そのなかにキラリと光る発言もまじる。酔っぱらって聞いていたぼくが記憶に残っているのは、以下の二つ。
「糸巻きのついた楽器は、無限」(チューニングをしながら)
「都会の自然は、“人間”」(代官山でワイン片手にくつろいでいて街角を見ていて、というような話の後に)
そして、こじつけぽくなっちゃうが、彼の演奏にも、先人ギター弾きから引き継いだ金言が散りばめられている。
その技アリのソロ・ギターの演奏(けっこう、チューニングを変えていた)はちょっとした1ストークや1フレーズにあるものが生理的に太く、濃く、雄弁。そして、そこには、オイラの工夫や温かさや人間くささといったものが付帯する。技量と情が見事にバランスのとれたパフォーマー、そんな言い方もぼくはしたくなるか。用いたギターは3本、うち1本はドブロで当然スライド・バーをはめて演奏。草の薫りがするものやブルース曲から、スタンダードの「ムーン・リヴァー」、ルイス・ボンファやエリック・サティ曲まで。みんなインストだが、自ら訥々と歌うフォークぽい曲も一つやった。
<今日の、名言>
俺サマと謙虚さがいりまじった、率直にして面白いMCを熊野弁(?)ばりばりでする人。ライヴ・ショウでのMC嫌いを公言するぼくも、これには笑えて、つきあえちゃった。お客さんの反応も、温かかったなあ。内容は他愛なくもあるんだけど、そのなかにキラリと光る発言もまじる。酔っぱらって聞いていたぼくが記憶に残っているのは、以下の二つ。
「糸巻きのついた楽器は、無限」(チューニングをしながら)
「都会の自然は、“人間”」(代官山でワイン片手にくつろいでいて街角を見ていて、というような話の後に)
そして、こじつけぽくなっちゃうが、彼の演奏にも、先人ギター弾きから引き継いだ金言が散りばめられている。