ロイ・ハーグローヴ・クインテット
2018年3月1日 音楽 テキサス州出身トランペッター/フリューゲルホーン奏者であるロイ・ハーグローヴ(2003年2月18日、2003年9月21日、2004年12月2日、2007年9月10日、2008年9月16日、2009年6月24日、2011年2月22日、2012年3月23日、2014年2月19日、2016年1月27日、2017年3月2日)のワーキング・カルテット公演を南青山・ブルーノート東京(ファースト・ショウ)で見る。
顔ぶれが二人変わった昨年の来日公演と同じ顔ぶれで、アルト・サックスのジャスティン・ロビンソン(2011年2月22日、2012年3月23日、2014年2月19日、2016年1月27日、2017年3月2日)、在NYピアニストの海野雅威(2017年3月2日)、ベースのアミーン・サリーム(2011年2月22日、2012年3月23日、2014年2月19日、2016年1月27日、2017年3月2日)、ドラムのクインシー・フィリップス(2017年3月2日)という面々。全員、スーツを着ており、ハーグローヴは帽子からスニーカーまで臙脂色基調でまとめている。それだけで、見せるものはある。
過去の項で、ハーグローヴ・カルテットの来日公演は今のメインストリームのジャズの定点観測の出し物になりえると書いたことがあるはずだが、その思いは変わらず。もうリズム隊は今っぽい引っかかりも持ち、それに接するだけで身体が揺れてしまうし、テーマ部におけるトランペットとアルト・サックスの何気ない重なりにもイエィとなる。フィリップスはクリス・デイヴ(2009年4月13日、2009年12月19日 、2010年12月16日、2012年9月21日、2013年9月28日、2015年8月18日、2016年1月25日、2016年10月11日)でおなじみの“輪切りシンバル”を採用。それ、鋲打ちのシンバルみたいな音が出るんだな。
今ショウの演奏時間は、85分ほど。ずっと人工透析を受けなけらばならない境遇にあるハーグローヴはやはり体力は落ちているのか、ソロを取る時間は短くなってきている。それを受けて、1曲の長さは少し短くなる傾向にあり、披露する曲は多くなっている。だが、臨機応変なうねりのようなものも持つその総体は、やはり彼の秀でたリーダーシップの取り方を教えるし、ジャズはいいと思わせる。これからも可能な限り、彼の演奏には接したいと思いました。マイケル・ジャクソンの「ロック・ウィズ・ユー」はなんかとってもグっときた。歌とダンスも少し。メンバーが徐々にステージを下がっていき、最後はピアノのソロ演奏になるのは、前回公演と同じだ。
▶過去の、ロイ・ハーグローヴ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-2.htm 18日、ディレクションズ・イン・ミュージック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm 21日
http://43142.diarynote.jp/200412111742300000/
http://43142.diarynote.jp/200709171108570000/
http://43142.diarynote.jp/200809171409066704/
http://43142.diarynote.jp/200906300951327850/
http://43142.diarynote.jp/201102240921561671/
http://43142.diarynote.jp/201203260806527228/
http://43142.diarynote.jp/201402201343247604/
http://43142.diarynote.jp/201601301016081732/
http://43142.diarynote.jp/201703081443314613/
▶︎過去の、海野雅威
http://43142.diarynote.jp/201703081443314613/
▶過去の、ジャスティン・ロビンソン
http://43142.diarynote.jp/201102240921561671/
http://43142.diarynote.jp/201203260806527228/
http://43142.diarynote.jp/201402201343247604/
http://43142.diarynote.jp/201601301016081732/
http://43142.diarynote.jp/201703081443314613/
▶過去の、アミーン・サリーム
http://43142.diarynote.jp/201102240921561671/
http://43142.diarynote.jp/201203260806527228/
http://43142.diarynote.jp/201402201343247604/
http://43142.diarynote.jp/201601301016081732/
http://43142.diarynote.jp/201703081443314613/
▶︎過去の、クインシー・フィリップス
http://43142.diarynote.jp/201703081443314613/
▶過去の、クリス・デイヴ
http://43142.diarynote.jp/200904150840164356/
http://43142.diarynote.jp/201001051625155901/
http://43142.diarynote.jp/201012171104366095/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120921
http://43142.diarynote.jp/?day=20130928
http://43142.diarynote.jp/201601260728484520/
http://43142.diarynote.jp/201610141747514263/
<今日の、電車内吊り広告>
<住むなら埼玉県! 応援制度がたくさん! 住宅取得、最高50万円支給>というのが、あった。首都圏と言える埼玉でも、そんなに住人獲得の努力をしているのか。ま、東京都でも過疎の地があるしな。ともあれ、今日は相当に暖かい1日でした。
顔ぶれが二人変わった昨年の来日公演と同じ顔ぶれで、アルト・サックスのジャスティン・ロビンソン(2011年2月22日、2012年3月23日、2014年2月19日、2016年1月27日、2017年3月2日)、在NYピアニストの海野雅威(2017年3月2日)、ベースのアミーン・サリーム(2011年2月22日、2012年3月23日、2014年2月19日、2016年1月27日、2017年3月2日)、ドラムのクインシー・フィリップス(2017年3月2日)という面々。全員、スーツを着ており、ハーグローヴは帽子からスニーカーまで臙脂色基調でまとめている。それだけで、見せるものはある。
過去の項で、ハーグローヴ・カルテットの来日公演は今のメインストリームのジャズの定点観測の出し物になりえると書いたことがあるはずだが、その思いは変わらず。もうリズム隊は今っぽい引っかかりも持ち、それに接するだけで身体が揺れてしまうし、テーマ部におけるトランペットとアルト・サックスの何気ない重なりにもイエィとなる。フィリップスはクリス・デイヴ(2009年4月13日、2009年12月19日 、2010年12月16日、2012年9月21日、2013年9月28日、2015年8月18日、2016年1月25日、2016年10月11日)でおなじみの“輪切りシンバル”を採用。それ、鋲打ちのシンバルみたいな音が出るんだな。
今ショウの演奏時間は、85分ほど。ずっと人工透析を受けなけらばならない境遇にあるハーグローヴはやはり体力は落ちているのか、ソロを取る時間は短くなってきている。それを受けて、1曲の長さは少し短くなる傾向にあり、披露する曲は多くなっている。だが、臨機応変なうねりのようなものも持つその総体は、やはり彼の秀でたリーダーシップの取り方を教えるし、ジャズはいいと思わせる。これからも可能な限り、彼の演奏には接したいと思いました。マイケル・ジャクソンの「ロック・ウィズ・ユー」はなんかとってもグっときた。歌とダンスも少し。メンバーが徐々にステージを下がっていき、最後はピアノのソロ演奏になるのは、前回公演と同じだ。
▶過去の、ロイ・ハーグローヴ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-2.htm 18日、ディレクションズ・イン・ミュージック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-9.htm 21日
http://43142.diarynote.jp/200412111742300000/
http://43142.diarynote.jp/200709171108570000/
http://43142.diarynote.jp/200809171409066704/
http://43142.diarynote.jp/200906300951327850/
http://43142.diarynote.jp/201102240921561671/
http://43142.diarynote.jp/201203260806527228/
http://43142.diarynote.jp/201402201343247604/
http://43142.diarynote.jp/201601301016081732/
http://43142.diarynote.jp/201703081443314613/
▶︎過去の、海野雅威
http://43142.diarynote.jp/201703081443314613/
▶過去の、ジャスティン・ロビンソン
http://43142.diarynote.jp/201102240921561671/
http://43142.diarynote.jp/201203260806527228/
http://43142.diarynote.jp/201402201343247604/
http://43142.diarynote.jp/201601301016081732/
http://43142.diarynote.jp/201703081443314613/
▶過去の、アミーン・サリーム
http://43142.diarynote.jp/201102240921561671/
http://43142.diarynote.jp/201203260806527228/
http://43142.diarynote.jp/201402201343247604/
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▶︎過去の、クインシー・フィリップス
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▶過去の、クリス・デイヴ
http://43142.diarynote.jp/200904150840164356/
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http://43142.diarynote.jp/?day=20120921
http://43142.diarynote.jp/?day=20130928
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http://43142.diarynote.jp/201610141747514263/
<今日の、電車内吊り広告>
<住むなら埼玉県! 応援制度がたくさん! 住宅取得、最高50万円支給>というのが、あった。首都圏と言える埼玉でも、そんなに住人獲得の努力をしているのか。ま、東京都でも過疎の地があるしな。ともあれ、今日は相当に暖かい1日でした。
ヴァネッサ・ウィリアムス
2018年3月6日 音楽 アルバム・デビュー40周年を迎えるシンガー/女優のヴァネッサ・ウィリアムス(2014年6月18日)のパフォーマンスを、南青山・ブルーノート東京で見る。ファースト・ショウ。
おお、また少し胴回りが太くなったか。二の腕もけっこうぶよぶよ。その様を悪びれることなく笑顔で出している彼女を見ると、そんなにエクササイズとかする意思を持っていないんじゃないか。50半ばなんだしこんなものよ、と言っているような。
そんなためもあり、ナチュラルなソウル度はアップ。前回はセレブ臭というかどこかMOR的な手触りも出していたが、今回のほうがソウルぽいと思えたもの。とともに、スタンダード「ストーミー・ウェザー」なんかを聞いても、美貌の七光り(ミス・アメリカ、初のアフリカ系ウィナー)ではなく、もともとちゃんと歌える人であることがよく分かる。MCも爽やか、くどくなく好印象を誘う。
ドラマーのJ.T.ルイスをはじめ演奏者陣は前回と同様、彼らは譜面を置いてはいる(セット・リストを置いていたのかもしれないが)ものの、長年行動を共にしているようだな。もうチーム・ワーク抜群な感じが横溢(鍵盤やギター奏者のコーラスのつけ方もマル)し、それに触れるだけでもニコニコできちゃう。ファルセットを多用するバックグラウンド歌手だけ前回と違う人だが、彼はデュエットをやったり、スティーヴィー・ワンダーの「サマー・ソフト」をピンで歌ったりとけっこうフィーチャーされたが、いまいちな力量。ところが、ミュージカルぽい曲でデュエットしたときは芝居っ気たっぷりに歌い、それだと上等に感じる。そっちのほうで活動している人なのだろうか。
アンコールは、前回もやったと思うが、アイズリーズ(2001月12月6日、2004年3月1日)の「ワーク・トゥ・ドゥ」。アガった。
▶︎過去の、ヴァネッサ・ウィリアムス
http://43142.diarynote.jp/201406191121201568/
▶︎過去の、ザ・アイズリー・ブラザース
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200403011119270000/
<今日の、アフター>
流れたソウル・バーで、バネッサ・ウィリアムズは薬のCMに出ていたという話になる。まったく、知らなかった。なぜか、その流れで、ステファニー・ミルズの話に発展。1980年代中期に、ミュージカル「ザ・ウィズ」の主演で来日した小柄すぎる彼女を新宿厚生年金会館見たことがると言ったら、羨ましがられた。話は戻るが、そのTV-CFには、総合もR&Bチャートも1位となった彼女の好バラード「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」(この晩も、本編最後に披露)が使われていたらしい。オレ、全然知らなかった。そういえば、5年前にウィリアムスは母親のヘレン・ウィリアムスと共著で、“A Famous Daughter, Her No-nonsense Mother, and How They Survived Pageants, Hollywood, Love, Loss (and Each Other)”と副題された「You Have No Idea」というペイパーバックを出している。ぼくの周りには読んだという人がいないなあ。もちろん、ぼくも読んでいませんが。なお、彼女はジャワ・ジャズ(2012年3月2日〜4日)出演帰り。次に見る、BJ・ザ・シカゴ・キッドも同様だ。
▶︎過去の、ジャワ・ジャズ
http://43142.diarynote.jp/201203062004221304/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201203062006429595/
おお、また少し胴回りが太くなったか。二の腕もけっこうぶよぶよ。その様を悪びれることなく笑顔で出している彼女を見ると、そんなにエクササイズとかする意思を持っていないんじゃないか。50半ばなんだしこんなものよ、と言っているような。
そんなためもあり、ナチュラルなソウル度はアップ。前回はセレブ臭というかどこかMOR的な手触りも出していたが、今回のほうがソウルぽいと思えたもの。とともに、スタンダード「ストーミー・ウェザー」なんかを聞いても、美貌の七光り(ミス・アメリカ、初のアフリカ系ウィナー)ではなく、もともとちゃんと歌える人であることがよく分かる。MCも爽やか、くどくなく好印象を誘う。
ドラマーのJ.T.ルイスをはじめ演奏者陣は前回と同様、彼らは譜面を置いてはいる(セット・リストを置いていたのかもしれないが)ものの、長年行動を共にしているようだな。もうチーム・ワーク抜群な感じが横溢(鍵盤やギター奏者のコーラスのつけ方もマル)し、それに触れるだけでもニコニコできちゃう。ファルセットを多用するバックグラウンド歌手だけ前回と違う人だが、彼はデュエットをやったり、スティーヴィー・ワンダーの「サマー・ソフト」をピンで歌ったりとけっこうフィーチャーされたが、いまいちな力量。ところが、ミュージカルぽい曲でデュエットしたときは芝居っ気たっぷりに歌い、それだと上等に感じる。そっちのほうで活動している人なのだろうか。
アンコールは、前回もやったと思うが、アイズリーズ(2001月12月6日、2004年3月1日)の「ワーク・トゥ・ドゥ」。アガった。
▶︎過去の、ヴァネッサ・ウィリアムス
http://43142.diarynote.jp/201406191121201568/
▶︎過去の、ザ・アイズリー・ブラザース
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200403011119270000/
<今日の、アフター>
流れたソウル・バーで、バネッサ・ウィリアムズは薬のCMに出ていたという話になる。まったく、知らなかった。なぜか、その流れで、ステファニー・ミルズの話に発展。1980年代中期に、ミュージカル「ザ・ウィズ」の主演で来日した小柄すぎる彼女を新宿厚生年金会館見たことがると言ったら、羨ましがられた。話は戻るが、そのTV-CFには、総合もR&Bチャートも1位となった彼女の好バラード「セイヴ・ザ・ベスト・フォー・ラスト」(この晩も、本編最後に披露)が使われていたらしい。オレ、全然知らなかった。そういえば、5年前にウィリアムスは母親のヘレン・ウィリアムスと共著で、“A Famous Daughter, Her No-nonsense Mother, and How They Survived Pageants, Hollywood, Love, Loss (and Each Other)”と副題された「You Have No Idea」というペイパーバックを出している。ぼくの周りには読んだという人がいないなあ。もちろん、ぼくも読んでいませんが。なお、彼女はジャワ・ジャズ(2012年3月2日〜4日)出演帰り。次に見る、BJ・ザ・シカゴ・キッドも同様だ。
▶︎過去の、ジャワ・ジャズ
http://43142.diarynote.jp/201203062004221304/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201203062006429595/
BJ・ザ・シカゴ・キッド。橋本一子&中村善郎
2018年3月8日 音楽 まず、南青山・ブルーノート東京で、本名はブライアン・ジェイムズ・スレッジという、1984年シカゴ生まれ教会育ちのシンガーを見る。ドクター・ドレ、アンダーソン・パーク、コモン(2004年6月11日、2005年9月15日、2015年9月23日)らの近年のアルバムにフィーチャーされるとともに、2016年新作『イン・マイ・マインド』はモータウンから出し好評を得ているている御仁だ。ギター(1曲はベースを弾いた)とPC音出しのカルビン・フレイジャー、ドラムのデビッド・ハッドンを従える編成でパフォーマンスをした。
おお、歌えるナとは、接してすぐに思う。アルバムで得ていた印象と異なり、ほとんどファルセットを用いないでことを進める。地声がデカそいというのはポイントで、そのためMCも映える。多くはプリセット音を流すのだが、何曲かは彼とギターとドラムという編成にてシンプルに迫る。ほう。ぼくはこっちのほうがグっと来たし、それがいけるというのは本物の証だろう。ただ、この簡素な行き方だと、彼の歌声のエコーのかかり方は過剰目ではないかと思った。
途中、アル・グリーンの「ラヴ・アンド・ハッピネス」ともう1曲かなりな有名曲(こちらは非サザン・ソウル曲だったが、なんだったかは失念)を短めに続けざまにやったが、その際はリード・ヴォーカルも入っているトラックを流して、BJは合いの手を中心に入れる。それだと、少し学芸会ぽくなるか。あれれと思ったのは、ジーンズとパーカーという普段着の彼が椅子に座って歌っていたこと。演奏者の数も少ないし、座ることでサロンぽくショウを進めようとしたのかな。ギター奏者も座っていました。でも、BJは2回ほど少し立ち上がって歌う場面があって訴求力が増し、やはりシンガーは普通立って歌うべきだと感じた。本編最後はマーヴィン・ゲイの名を出し、アカペラで締めくくる。
▶過去の、コモン
http://43142.diarynote.jp/200406130120280000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050915
http://43142.diarynote.jp/201509241127563839/
そのあとは、六本木・ザ・クラップスというハコに行く。初。お、スペーシャワーが入っているビルの手前の外苑東通り沿いの建物の地下2階にあった。ステージはけっこう広く、フル・サイズのではないがちゃんとグランド・ピアノが置かれている。天井が高いわけではないが、音も悪くない感じ。そんなハコで持たれた、2016年にその名も『デュオ』(Jump World/superboy)というアルバムを出している歌も歌うピアニストとギタリストの実演に、第2部から触れた。なんでも、お二人は断続的に長い期間お手合わせしてきているそうで、同じ年でもあるのだとか。
まず、中村善郎(2004年5月13日)が単独で、ギターを2曲弾き語り。そして、すぐにびっくり。ボサノヴァの弾き語りの日本の第一人者と認められる人だが、まさしくいい味を放っていて。今回、特に感心したのはその歌。それがクールな風と滋味を併せ持っていて、これはすごい。ブラインドで聞いたらブラジル人の達人だと思ってしまうのではないかとも思い、ぼくは頭を垂れた。へ〜え、大学を出て、2年間ブラジルに行ったという経歴を持つ人であるのか。身長もあり、その外見は大杉漣のようで、格好いいな。
そのあと、交代で橋本一子(2001年5月3日、2006年10月25日、2009年11年19日、2010年9月14日、2012年9月5日、2013年2月22日)がステージに上がり、2曲分(?)フリーフォーム気味で、スペースを作るピアノと漂う歌をと披露する。ゆったりとしているのに、一方では鋭敏にあっち側の世界を覗こうとしてもいて、やはり独自の世界を持っている。
そして、それ以降はブラジル曲を素材に、二人が悠々と重なる。ともに歌い、すべてポルトガル語で立派に歌う中村に対し、英語や日本語がある歌詞はそちらで歌ったり、はなもげらアンニュイ語も繰り出す橋本は変化球と言えるのか。だが、その交わりから、もう一つの妙味、世界が浮かび上がりもする。お二人はこの下旬に、名古屋より西をツアー。渋谷区の伝承ホールでも、6月に単独公演を行う。橋本は過去の曲を見直し、それらを今のスタンスで開くソロ・ピアノ表現を準備中という。
▶︎過去の、中村善郎
http://43142.diarynote.jp/200405101355540000/
▶︎過去の、橋本一子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-5.htm
http://43142.diarynote.jp/200611020833520000/
http://43142.diarynote.jp/200911241550342013/
http://43142.diarynote.jp/201009231547465891/
http://43142.diarynote.jp/201209181238434594/
http://43142.diarynote.jp/201302281046506238/
<今日は、雨天>
終日、けっこうな降り。コンビニに入る際、傘立てにいくつも傘が差し込んであり、こりゃぼくの持つ透明傘と区別がつかなくなるなと思い、わざと奥の方に傘を置く。なのに、店を出る際に一番手前にある傘を無造作に手にして、ハっとする……。トホホ、です。
おお、歌えるナとは、接してすぐに思う。アルバムで得ていた印象と異なり、ほとんどファルセットを用いないでことを進める。地声がデカそいというのはポイントで、そのためMCも映える。多くはプリセット音を流すのだが、何曲かは彼とギターとドラムという編成にてシンプルに迫る。ほう。ぼくはこっちのほうがグっと来たし、それがいけるというのは本物の証だろう。ただ、この簡素な行き方だと、彼の歌声のエコーのかかり方は過剰目ではないかと思った。
途中、アル・グリーンの「ラヴ・アンド・ハッピネス」ともう1曲かなりな有名曲(こちらは非サザン・ソウル曲だったが、なんだったかは失念)を短めに続けざまにやったが、その際はリード・ヴォーカルも入っているトラックを流して、BJは合いの手を中心に入れる。それだと、少し学芸会ぽくなるか。あれれと思ったのは、ジーンズとパーカーという普段着の彼が椅子に座って歌っていたこと。演奏者の数も少ないし、座ることでサロンぽくショウを進めようとしたのかな。ギター奏者も座っていました。でも、BJは2回ほど少し立ち上がって歌う場面があって訴求力が増し、やはりシンガーは普通立って歌うべきだと感じた。本編最後はマーヴィン・ゲイの名を出し、アカペラで締めくくる。
▶過去の、コモン
http://43142.diarynote.jp/200406130120280000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050915
http://43142.diarynote.jp/201509241127563839/
そのあとは、六本木・ザ・クラップスというハコに行く。初。お、スペーシャワーが入っているビルの手前の外苑東通り沿いの建物の地下2階にあった。ステージはけっこう広く、フル・サイズのではないがちゃんとグランド・ピアノが置かれている。天井が高いわけではないが、音も悪くない感じ。そんなハコで持たれた、2016年にその名も『デュオ』(Jump World/superboy)というアルバムを出している歌も歌うピアニストとギタリストの実演に、第2部から触れた。なんでも、お二人は断続的に長い期間お手合わせしてきているそうで、同じ年でもあるのだとか。
まず、中村善郎(2004年5月13日)が単独で、ギターを2曲弾き語り。そして、すぐにびっくり。ボサノヴァの弾き語りの日本の第一人者と認められる人だが、まさしくいい味を放っていて。今回、特に感心したのはその歌。それがクールな風と滋味を併せ持っていて、これはすごい。ブラインドで聞いたらブラジル人の達人だと思ってしまうのではないかとも思い、ぼくは頭を垂れた。へ〜え、大学を出て、2年間ブラジルに行ったという経歴を持つ人であるのか。身長もあり、その外見は大杉漣のようで、格好いいな。
そのあと、交代で橋本一子(2001年5月3日、2006年10月25日、2009年11年19日、2010年9月14日、2012年9月5日、2013年2月22日)がステージに上がり、2曲分(?)フリーフォーム気味で、スペースを作るピアノと漂う歌をと披露する。ゆったりとしているのに、一方では鋭敏にあっち側の世界を覗こうとしてもいて、やはり独自の世界を持っている。
そして、それ以降はブラジル曲を素材に、二人が悠々と重なる。ともに歌い、すべてポルトガル語で立派に歌う中村に対し、英語や日本語がある歌詞はそちらで歌ったり、はなもげらアンニュイ語も繰り出す橋本は変化球と言えるのか。だが、その交わりから、もう一つの妙味、世界が浮かび上がりもする。お二人はこの下旬に、名古屋より西をツアー。渋谷区の伝承ホールでも、6月に単独公演を行う。橋本は過去の曲を見直し、それらを今のスタンスで開くソロ・ピアノ表現を準備中という。
▶︎過去の、中村善郎
http://43142.diarynote.jp/200405101355540000/
▶︎過去の、橋本一子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-5.htm
http://43142.diarynote.jp/200611020833520000/
http://43142.diarynote.jp/200911241550342013/
http://43142.diarynote.jp/201009231547465891/
http://43142.diarynote.jp/201209181238434594/
http://43142.diarynote.jp/201302281046506238/
<今日は、雨天>
終日、けっこうな降り。コンビニに入る際、傘立てにいくつも傘が差し込んであり、こりゃぼくの持つ透明傘と区別がつかなくなるなと思い、わざと奥の方に傘を置く。なのに、店を出る際に一番手前にある傘を無造作に手にして、ハっとする……。トホホ、です。
なるほどー、と大きく頷いた夜。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
親日家としてして知られるリード奏者のケニー・ギャレット(1999年11月12日、2001年6月14日、2003年8月19日、2015年4月10日)の実演は、ここのところのアコースティック編成のワーキング・バンドを率いてのもの。ピアノのヴァーネル・ブラウン(2015年4月10日)、ダブル・ベースのコーコラン・ホルト(2015年4月10日)、打楽器のルディ・バード(2015年4月10日)、ドラムのサミュエル・ラヴィゾ。ピアニストとべ—シストは長いブレイズを後ろで束ねている。今回新たに入ったドラマーはグァドループ出身で、バークリー音大を出ている新鋭。クリス・デイヴ(2009年4月13日、2009年12月19日 、2010年12月16日、2012年9月21日、2013年9月28日、2015年8月18日、2016年1月25日、2016年10月11日)、ロナルド・ブルーナーJr. (2009年9月15日、2014年9月10日、2015年9月30日、2016年5月20日、2016年12月6日)、ジャマイア・ウィリアムズ(2009年5月18日、2012年3月3日、2013年4月1日、2013年6月4日、2014年8月7日、2015年1月22日、2017年8月15日 )など、若手の逸材ドラマーを素早くバンドに入れる傾向をギャレットは持つ。その事実について、かつて本人に問うたら、ドラマーがやめるときにお薦めの同業者を聞いて、その人に声をかければ間違いがないみたいな説明を受けました。
頭の2曲はソプラノ・サックスを吹く。1曲目からジョン・コルトレーン趣味を見せ(「ラヴ・スプリーム」のクォーテイションもしたか。今回、他の曲でもギャレットはいろんな楽曲引用をみせた)、2曲目はピアニストとのデュオで、「翼をください」とか「荒城の月」とかのオリエンタル曲メドレーをやる。軽いコードの置き換えはあるものの、インプロヴィゼーション度は高くない。ゆえに、ぼくにはタルい。
それ以降はアルト・サックスを手に、バンドとともにごんごん迫る。ま、達者なんだと思う。でも、ぼくの感興のメーターは上がらない。前にも書いたけど、腕は立つんだろうけど、ブロウにジャズをジャズたらしめる陰影に欠けると感じてしまって、心から感情移入できないんだよな。視野を広く取る行き方も分かるんだけど、過剰にセンスがいいとは思えない。
と、ここまでは、純粋な音的な部分の記述。だが、一方で後半に向かうにつれ、ぼくはこりゃすごいと感嘆してしまっていたのだ。日本語にも堪能と言われる彼は、MCでは日本語も的確にいれ、人懐こく聞き手を導こうとする。ジャズはアーティスティックな部分も持つが難しいものでも、かしこまったものでもないんだよという意思に、それはつながるか。そして、そんな姿勢が高みに達したのが、終盤にえんえんとやった彼のフュージョン盤で発表した「ハップー・ピープル」(マーカス・ミラー〜1999年11月12日、2001年 6月14日、2003年8月19日、2005年8月21日、2007年12月13日、2009年9月15日、2010年9月3日、2013年9月3日、2015年2月21日、2016年9月17日、2017年1月7日〜との共同制作による2002年曲で、そこでドラムを叩いたのがクリス・デイヴ。シンガーとして、ジーン・ノリス〜2007年12月13日〜も入っていた)。これなんとも、広がりと幸福さに満ちたリフレインを持つ曲であるのだが、その祝福された曲趣とともに場内は総立ちとなり、また一緒に皆んなそのリフレインを歌う。ジャズの公演でこれはないでしょと言いたくなる光景には、心のVサインをギャレットに送るしかないじゃないか。そして、さらに驚いたのは、曲が終わると自然発生的に客席側からそのリフレインのチャントが湧き起こり唱和状態となり、それに合わせて、再びギャレットたちは「ハッピー・ピープル」を満面の笑顔で始めたこと。それを受け、お客さんの笑顔はもっと輝き、場内の気持ちという輪の高度がさらに増し、自在に揺れる。R&Bの好公演ならともかく、かりにもアコースティック・ジャズの形をとる公演でこんなふうになるなんて! ぼくは、そんな様に触れるのは初めてだろう。
純粋な音楽の面では両手をあげることはできないが、こと娯楽性と繋がったジャズのショウとしては100点満点! ジャズを知らないんだけど、ジャズのコンサートに行ってみたいとか頼まれたら、そのハッピーな入り口としてギャレット公演はぴったりだと、ぼくは思う。会場には、知人のグループがいて、ひとりのお誕生日お祝いで終演後にケーキがサーヴ。ご相伴にあずかった。いやあ、そんなのを祝う際にも、最適の実演ではなかったか。
▶︎過去の、ケニー・ギャレット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/201504131108504171/
▶過去の、クリス・デイヴ
http://43142.diarynote.jp/200904150840164356/
http://43142.diarynote.jp/201001051625155901/
http://43142.diarynote.jp/201012171104366095/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120921
http://43142.diarynote.jp/?day=20130928
http://43142.diarynote.jp/201601260728484520/
http://43142.diarynote.jp/201610141747514263/
▶過去の、ロナルド・ブルーナーJr.
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
http://43142.diarynote.jp/201510021221454336/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160520
http://43142.diarynote.jp/201612091513593556/
▶過去の、ジャマイア・ウィリアムズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130401
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120303
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224
http://43142.diarynote.jp/201408091058201133/
http://43142.diarynote.jp/201501230914317086/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170815
▶︎過去の、ジーン・ベイラー(ノリス)
http://43142.diarynote.jp/200712161023010000/
▶︎過去のマーカス・ミラー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
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http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200712161023010000/
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201502231815384234/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
<今日の、ほう>
スペインのトップ・リーグ、エイバルに所属する乾貴士が、セビーリャのレアル・ベティス(2008年11月2日)に来シーズンから移籍するというニュースが入る。おお。もしそれが本当なら、彼は来年からスコットランド・リーグのセルティックみたいなユニフォームに袖を通すのか。ぼくのトゥイッター(2009年12月に入って、総トゥイート数は38。苦笑)の写真はベティスのサポーターのそれを載せてい〼。
▶︎過去の、レアル・ベティス
http://43142.diarynote.jp/200811090012264277/
親日家としてして知られるリード奏者のケニー・ギャレット(1999年11月12日、2001年6月14日、2003年8月19日、2015年4月10日)の実演は、ここのところのアコースティック編成のワーキング・バンドを率いてのもの。ピアノのヴァーネル・ブラウン(2015年4月10日)、ダブル・ベースのコーコラン・ホルト(2015年4月10日)、打楽器のルディ・バード(2015年4月10日)、ドラムのサミュエル・ラヴィゾ。ピアニストとべ—シストは長いブレイズを後ろで束ねている。今回新たに入ったドラマーはグァドループ出身で、バークリー音大を出ている新鋭。クリス・デイヴ(2009年4月13日、2009年12月19日 、2010年12月16日、2012年9月21日、2013年9月28日、2015年8月18日、2016年1月25日、2016年10月11日)、ロナルド・ブルーナーJr. (2009年9月15日、2014年9月10日、2015年9月30日、2016年5月20日、2016年12月6日)、ジャマイア・ウィリアムズ(2009年5月18日、2012年3月3日、2013年4月1日、2013年6月4日、2014年8月7日、2015年1月22日、2017年8月15日 )など、若手の逸材ドラマーを素早くバンドに入れる傾向をギャレットは持つ。その事実について、かつて本人に問うたら、ドラマーがやめるときにお薦めの同業者を聞いて、その人に声をかければ間違いがないみたいな説明を受けました。
頭の2曲はソプラノ・サックスを吹く。1曲目からジョン・コルトレーン趣味を見せ(「ラヴ・スプリーム」のクォーテイションもしたか。今回、他の曲でもギャレットはいろんな楽曲引用をみせた)、2曲目はピアニストとのデュオで、「翼をください」とか「荒城の月」とかのオリエンタル曲メドレーをやる。軽いコードの置き換えはあるものの、インプロヴィゼーション度は高くない。ゆえに、ぼくにはタルい。
それ以降はアルト・サックスを手に、バンドとともにごんごん迫る。ま、達者なんだと思う。でも、ぼくの感興のメーターは上がらない。前にも書いたけど、腕は立つんだろうけど、ブロウにジャズをジャズたらしめる陰影に欠けると感じてしまって、心から感情移入できないんだよな。視野を広く取る行き方も分かるんだけど、過剰にセンスがいいとは思えない。
と、ここまでは、純粋な音的な部分の記述。だが、一方で後半に向かうにつれ、ぼくはこりゃすごいと感嘆してしまっていたのだ。日本語にも堪能と言われる彼は、MCでは日本語も的確にいれ、人懐こく聞き手を導こうとする。ジャズはアーティスティックな部分も持つが難しいものでも、かしこまったものでもないんだよという意思に、それはつながるか。そして、そんな姿勢が高みに達したのが、終盤にえんえんとやった彼のフュージョン盤で発表した「ハップー・ピープル」(マーカス・ミラー〜1999年11月12日、2001年 6月14日、2003年8月19日、2005年8月21日、2007年12月13日、2009年9月15日、2010年9月3日、2013年9月3日、2015年2月21日、2016年9月17日、2017年1月7日〜との共同制作による2002年曲で、そこでドラムを叩いたのがクリス・デイヴ。シンガーとして、ジーン・ノリス〜2007年12月13日〜も入っていた)。これなんとも、広がりと幸福さに満ちたリフレインを持つ曲であるのだが、その祝福された曲趣とともに場内は総立ちとなり、また一緒に皆んなそのリフレインを歌う。ジャズの公演でこれはないでしょと言いたくなる光景には、心のVサインをギャレットに送るしかないじゃないか。そして、さらに驚いたのは、曲が終わると自然発生的に客席側からそのリフレインのチャントが湧き起こり唱和状態となり、それに合わせて、再びギャレットたちは「ハッピー・ピープル」を満面の笑顔で始めたこと。それを受け、お客さんの笑顔はもっと輝き、場内の気持ちという輪の高度がさらに増し、自在に揺れる。R&Bの好公演ならともかく、かりにもアコースティック・ジャズの形をとる公演でこんなふうになるなんて! ぼくは、そんな様に触れるのは初めてだろう。
純粋な音楽の面では両手をあげることはできないが、こと娯楽性と繋がったジャズのショウとしては100点満点! ジャズを知らないんだけど、ジャズのコンサートに行ってみたいとか頼まれたら、そのハッピーな入り口としてギャレット公演はぴったりだと、ぼくは思う。会場には、知人のグループがいて、ひとりのお誕生日お祝いで終演後にケーキがサーヴ。ご相伴にあずかった。いやあ、そんなのを祝う際にも、最適の実演ではなかったか。
▶︎過去の、ケニー・ギャレット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
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▶過去の、クリス・デイヴ
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▶過去の、ロナルド・ブルーナーJr.
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▶過去の、ジャマイア・ウィリアムズ
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▶︎過去のマーカス・ミラー
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<今日の、ほう>
スペインのトップ・リーグ、エイバルに所属する乾貴士が、セビーリャのレアル・ベティス(2008年11月2日)に来シーズンから移籍するというニュースが入る。おお。もしそれが本当なら、彼は来年からスコットランド・リーグのセルティックみたいなユニフォームに袖を通すのか。ぼくのトゥイッター(2009年12月に入って、総トゥイート数は38。苦笑)の写真はベティスのサポーターのそれを載せてい〼。
▶︎過去の、レアル・ベティス
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モーガン・ジェイムズ。Tabletop Guiters+武田理沙
2018年3月15日 音楽 アイダホ生まれ、NY在住のソウルフルな歌い方をする初来日女性歌手の実演を、南青山・ブルーノート東京で見る。ファースト・ショウ。実力者であると思う。Youtubeには、ジョニ・ミッチェルの『ブルー』、ジェフ・バックリーの『グレイス』、ジョン・メイヤー(2007年4月5日)の『コンティニュウム』、ディアンジェロ(2015年8月18日)の『ブラック・メサイア』などを全曲自分なりにまんま歌っていく長尺映像をアップしていて、へ〜えと思わせられるもの。
マライア・キャリー(2003年7月6日)の大ファンとライヴMCで言っていたが、なるほどその影響下にある歌い方をするナと確認。髪型とか薄手のジャンプ・スーツとかも、かつてのキャリーを思い出させる? ただし、キャリーは太平楽な円満曲を歌うところ、少なくてもライヴにおいてはブルースとつながるくすんだ情緒を持つ曲を数多くジェイムズは取り上げていた。そう感じさせるのは、バックのサウンドのトーンもあったか。
オルガン(ベース音も担当)のブライアン・シャレット、ギターのダグ・ワンブル、ドラムのビル・キャンベル(2017年4月15日)の3人がサポート。2曲ほどスライド・バーも用いたワンブルはジェイムズの旦那さん。ウィントン・マルサリス(2000年3月9日)の枯れ味路線作に関与していたりもする彼は、マルサリス・ミュージックやE-1などから、ルーツ・ミュージックからアダルト・ロックまでを横切るようなリーダー作をいくつか出しているシンガー/スライド奏法を得意とするギタリスト。当然、頭に触れた映像や彼女のリーダー作のプロダクションにも関わっている。ときに、いい感じでコーラスをつけてもいたが、彼が前に出た曲があって欲しかった。
▶過去の、ジョン・メイヤー
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
http://43142.diarynote.jp/200806121400260000/
▶︎過去の、ディアンジェロ
http://43142.diarynote.jp/201508200741137207/
▶︎過去の、マライア・キャリー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
▶︎過去の、ビル・キャンベル
http://43142.diarynote.jp/201704170805443358/
▶過去の、ウィントン・マルサリス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
その後は、千駄木・Bar Issheeへ。店内に入るとセカンド・セットがすでに始まっている。長テーブルの上にそれぞれ楽器を置く4人が異音を即興で重ねあっている。谷保典と加藤一平(2013年9月22日、2015年6月15日、他)と永田健太郎、3人のギタリストからなるTabletop Guitersにキーボードの武田理沙という組み合わせ、特にギター奏者たちはエフェクターをいろいろと並べている。ギターという楽器を用いて、通常のギター奏法やギター音から離れた音の断片や浮遊物をださんとするTabletop Guitersは2011年からの活動とか。ちなみに、谷はチューニングしたギター、加藤は非チューニング、永田は半々とか。一緒にやるのは初めてながら見事に重なっていた武田はザッパ曲を鍵盤でやるプロジェクトも持ち、かつてはドラムをやっていたそう。
▶︎過去の、加藤一平
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
<今日の、朝の1本>
映画チャンネルをつけたら偶然やっていて、なんとなく一つ見てしまう。『ソウルガールズ』という2012年オーストラリア映画で、その表題だけで見るべかという気持ちになるか。原題は『The Sapphires』、それは1960年代に豪州で活動した同名のアボリジナルの女性ヴォーカル・グループの存在を元に自由に脚色したもので、まずは2004年に演劇として作られ、その後それを元に映画化なった。最初の劇を書き、そして映画の脚本にも関与したトニー・ブリグズはザ・サファイアズの一人のメンバーの息子さんであるという。
豪州ではヒットしたというこの映画、日本でもちゃんと公開されていたとは知らなかった。ソウル映画として、これもありでしょう。ポイントは、米国における先住民族やアフリカンたち以上に白豪主義を掲げた豪州移住者/為政者から迫害を受けたとも言われるアボリジナル(かつては、彼らを“狩り”していいという法律もあったようだ。また白人との混血の子供を家族から勝手に奪い施設や白人家庭に入れることも政策としてなされ、映画ではメンバーの一人がそういう境遇にある女性として描かれる)を主役に置いていること。映画中でも黒人と呼ばれ差別を受ける姉妹たちがソウル・コーラス・グループとして活動していく様を描いた映画の半分以上の舞台は、ヴェトナム。彼女たちは米兵慰問音楽グループとして同地に行って(それは土地的にタイやヴェトナムが豪州から近く〜それもあってか、タイ・カレーはカフェ・メニューによくある〜離れたUSから担い手を呼ぶよりも安上がりであったろう)の様が描かれ、ひいては米国の当時の社会状況を透けて見させるような部分もある。そこそこお金がかけられているのも分かり、主役の女性陣にはアボリジナル初の女優(デボラ・メールマン)や豪州の人気シンガー(ジェシカ・マーボイ)などもキャスティング。どこかピリっとしない仕上がりで、興味深い題材を扱っているんだから、もう少し作りようはあったとは思うが、異色のソウル映画として、この『ソウルガールズ』をぼくのなかに留めておくことにしたい。現実のソウル・ガールズたちのその後を最後に伝えるが、みんな意義のある方向に進んでいて、それで肯定的なキブンになれます。
マライア・キャリー(2003年7月6日)の大ファンとライヴMCで言っていたが、なるほどその影響下にある歌い方をするナと確認。髪型とか薄手のジャンプ・スーツとかも、かつてのキャリーを思い出させる? ただし、キャリーは太平楽な円満曲を歌うところ、少なくてもライヴにおいてはブルースとつながるくすんだ情緒を持つ曲を数多くジェイムズは取り上げていた。そう感じさせるのは、バックのサウンドのトーンもあったか。
オルガン(ベース音も担当)のブライアン・シャレット、ギターのダグ・ワンブル、ドラムのビル・キャンベル(2017年4月15日)の3人がサポート。2曲ほどスライド・バーも用いたワンブルはジェイムズの旦那さん。ウィントン・マルサリス(2000年3月9日)の枯れ味路線作に関与していたりもする彼は、マルサリス・ミュージックやE-1などから、ルーツ・ミュージックからアダルト・ロックまでを横切るようなリーダー作をいくつか出しているシンガー/スライド奏法を得意とするギタリスト。当然、頭に触れた映像や彼女のリーダー作のプロダクションにも関わっている。ときに、いい感じでコーラスをつけてもいたが、彼が前に出た曲があって欲しかった。
▶過去の、ジョン・メイヤー
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
http://43142.diarynote.jp/200806121400260000/
▶︎過去の、ディアンジェロ
http://43142.diarynote.jp/201508200741137207/
▶︎過去の、マライア・キャリー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
▶︎過去の、ビル・キャンベル
http://43142.diarynote.jp/201704170805443358/
▶過去の、ウィントン・マルサリス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
その後は、千駄木・Bar Issheeへ。店内に入るとセカンド・セットがすでに始まっている。長テーブルの上にそれぞれ楽器を置く4人が異音を即興で重ねあっている。谷保典と加藤一平(2013年9月22日、2015年6月15日、他)と永田健太郎、3人のギタリストからなるTabletop Guitersにキーボードの武田理沙という組み合わせ、特にギター奏者たちはエフェクターをいろいろと並べている。ギターという楽器を用いて、通常のギター奏法やギター音から離れた音の断片や浮遊物をださんとするTabletop Guitersは2011年からの活動とか。ちなみに、谷はチューニングしたギター、加藤は非チューニング、永田は半々とか。一緒にやるのは初めてながら見事に重なっていた武田はザッパ曲を鍵盤でやるプロジェクトも持ち、かつてはドラムをやっていたそう。
▶︎過去の、加藤一平
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
http://43142.diarynote.jp/201506161247423392/
<今日の、朝の1本>
映画チャンネルをつけたら偶然やっていて、なんとなく一つ見てしまう。『ソウルガールズ』という2012年オーストラリア映画で、その表題だけで見るべかという気持ちになるか。原題は『The Sapphires』、それは1960年代に豪州で活動した同名のアボリジナルの女性ヴォーカル・グループの存在を元に自由に脚色したもので、まずは2004年に演劇として作られ、その後それを元に映画化なった。最初の劇を書き、そして映画の脚本にも関与したトニー・ブリグズはザ・サファイアズの一人のメンバーの息子さんであるという。
豪州ではヒットしたというこの映画、日本でもちゃんと公開されていたとは知らなかった。ソウル映画として、これもありでしょう。ポイントは、米国における先住民族やアフリカンたち以上に白豪主義を掲げた豪州移住者/為政者から迫害を受けたとも言われるアボリジナル(かつては、彼らを“狩り”していいという法律もあったようだ。また白人との混血の子供を家族から勝手に奪い施設や白人家庭に入れることも政策としてなされ、映画ではメンバーの一人がそういう境遇にある女性として描かれる)を主役に置いていること。映画中でも黒人と呼ばれ差別を受ける姉妹たちがソウル・コーラス・グループとして活動していく様を描いた映画の半分以上の舞台は、ヴェトナム。彼女たちは米兵慰問音楽グループとして同地に行って(それは土地的にタイやヴェトナムが豪州から近く〜それもあってか、タイ・カレーはカフェ・メニューによくある〜離れたUSから担い手を呼ぶよりも安上がりであったろう)の様が描かれ、ひいては米国の当時の社会状況を透けて見させるような部分もある。そこそこお金がかけられているのも分かり、主役の女性陣にはアボリジナル初の女優(デボラ・メールマン)や豪州の人気シンガー(ジェシカ・マーボイ)などもキャスティング。どこかピリっとしない仕上がりで、興味深い題材を扱っているんだから、もう少し作りようはあったとは思うが、異色のソウル映画として、この『ソウルガールズ』をぼくのなかに留めておくことにしたい。現実のソウル・ガールズたちのその後を最後に伝えるが、みんな意義のある方向に進んでいて、それで肯定的なキブンになれます。
映画「フジコ・ヘミングの時間」。アンナ・マリア・ヨペック&クローケ
2018年3月19日 音楽 まず、京橋・テアトル試写室で、2018年日本映画「フジコ・ヘミングの時間」を見る。ぼく、かつてクラシック音楽のかたぐるしい権威性や観客の愚かな気取りを小馬鹿にするとともに腰がひきまくっていたので、クラシックには興味が持つことがなく、一応その名前は知っていたものの、細かいことはまったく知らなかったので、とても興味深く見ることができた。◎。だって、おれ、日本人のピアニストが海外に行って、向こうの人と結婚して名前がそうなり、向こうで認められた人なのかと思っていたもの。→実際はスウェーデンと日本のミックスで、基本は日本育ち。60歳代末にTVで日本に住む彼女の不遇な音楽家人生のドキュメンタリーが放映されたところ日本で爆発的に注目され、それが世界的評価につながった。今は、86歳のよう。
人間性や嗜好や歩みを伝える自身の語り(監督との会話だろう)を中心に進み、そこに彼女のアンティークな感じたっぷりの自宅(パリ、ベルリン、下北沢、京都、サンタモニカとたくさん持っている)や日常、そして各地(パリ、東京、シカゴ、サンティアゴ、NY、ブエノスアイレス、京都)の公演の模様なども随時入る。監督は、1964年生まれの小松壮一良。彼女に気に入られているのか、すぐ側に入り込んでいるし、映される映像やその編集も、ぼくの生理には合う。けっこうJ-ポップものの映像をとってきた人のようだが、どんなものを作っているのか知りたくなった。
彼女が中学生のときに書いた絵日記も時々モチーフとしてインサートされるが、絵は味ありでなかなか。日記の日本語の字は上手じゃないが、絵につけられた注釈は綺麗な英語で書かれている。独自のファッションで身をかためている彼女、愛煙家で猫偏愛とぼくが苦手な部分も持っているが、嫌な気持ちにならずに見通せました。なお、映画は彼女が世に出るきっかけになった昔のNHKのドキュメント番組の作法と似ている、という人もいました。
南青山・ブルーノート東京。実力と才気ありのポーランド人ジャズ・シンガー(2015年9月5日、2016年12月25日 )の今来日のショウは、ポーランドのグループのクローケとのもの。ヨペックもクローケ構成員も皆スラブ民族であるようだが、クローケはジューイッシュ音楽と即興をかけあわせたことをやるグループ。両者は一緒のアルバムは出したことはないが、ここ数年けっこう絡んでいるそう。
結成25年強となる、ヴィオラ、アコーディオン、ベース、ドラムスという編成を持つクローケのアルバムのなかにはかなりクレツマーぽいものもあって、クレツマー調表現のなかで私を開くものになるのかと思えば、ぜんぜんそんなことはなかった。1曲目はクローケだけの曲だったが、ざっくり言えば哀愁と含みあるプログ・ロックという感じ。そして、以降は小さなキーボードも触るヨペックが交ざるわけだが、なにげに柔和にして流動性のある<プログ・ロック+>と言いたくなるような路線で進む。それ、ぼくが聞いたことがある両者の表現にかちっと当てはまらないもので、それは両者で作ったオリジナルであったのか否か。なんにしても両者の確かな創造性のようなものはぶりぶりと感じさせるもので大きく頷いた。
澄んでいるのに地声に質量感があり、歌がよく伸びるなあと、ヨペックのパフォーマンスに触れて再認識。とともに、今回の多くはスキャットでせまりまくっていたはずで、ジャズの素養/器量も存分に通過していた。
クローケの面々は、ヴィオラ(ちょいティン・ホイッスルのような小さな縦笛も吹く)のトマシュ・ククルバ、アコーディオンのイェジ・バヴォウ、ドラムのパヴェウ・ドブロヴォルスキ。そして、クローケのベース奏者は飛行機がダメで、それゆえこのアジア遠征には、ヨペックのバンドのベーシスト(5弦電気を弾くが、一部はダブル・ベースも演奏)であるロベルト・クビシン(2015年9月5日、2016年12月25日 )が同行。しかし、ヴィオラ奏者は雄弁、歌った歌も朗々、うまかった。
▶︎過去の、アンナ・マリア・ヨペック
http://43142.diarynote.jp/?day=20150905
http://43142.diarynote.jp/201612270940364817/
▶︎過去の、ロベルト・クビシン
http://43142.diarynote.jp/?day=20150905
http://43142.diarynote.jp/201612270940364817/
<今日の、多彩は美徳>
マリア・ヨペックの新作は、香港のワールド・ミュージック・フェス出演を含む中国ツアーの流れにある今回の実演とも、通常のワーキング・バンドによるパフォーマンスともまったく異なる内容を持つ。その『Minione』(Universal、2017年)は、ゴンサロ・ルバルカバ(2005年3月16日、2007年11月21日、2010年8月22日、2014年1月10日、2014年1月12日、2015年4月7日)との双頭名義作。ベースのアルマンド・ゴーラとドラムのアーネスト・シンプソン(2013年9月17日)というキューバ人奏者からなるピアノ・トリオを擁して、マイアミで同作は録音された。興味引かれるのは、戦前のポーランド語によるタンゴ曲をそこで主に取り上げていること。なんでも、昔、ポーランドではタンゴがはやったことがあり、その類の曲も作られたようだ。音楽様式の伝搬や流行っておもしろい。墨絵のようなトーンを持つその音楽プロダクションはルバルカバが行なっている。
▶過去の、ゴンサロ・ルバルカバ
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
http://43142.diarynote.jp/201401161534392423/
http://43142.diarynote.jp/201401171004104264/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
▶︎過去の、アーネスト・シンプソン
http://43142.diarynote.jp/201309201840164499/
人間性や嗜好や歩みを伝える自身の語り(監督との会話だろう)を中心に進み、そこに彼女のアンティークな感じたっぷりの自宅(パリ、ベルリン、下北沢、京都、サンタモニカとたくさん持っている)や日常、そして各地(パリ、東京、シカゴ、サンティアゴ、NY、ブエノスアイレス、京都)の公演の模様なども随時入る。監督は、1964年生まれの小松壮一良。彼女に気に入られているのか、すぐ側に入り込んでいるし、映される映像やその編集も、ぼくの生理には合う。けっこうJ-ポップものの映像をとってきた人のようだが、どんなものを作っているのか知りたくなった。
彼女が中学生のときに書いた絵日記も時々モチーフとしてインサートされるが、絵は味ありでなかなか。日記の日本語の字は上手じゃないが、絵につけられた注釈は綺麗な英語で書かれている。独自のファッションで身をかためている彼女、愛煙家で猫偏愛とぼくが苦手な部分も持っているが、嫌な気持ちにならずに見通せました。なお、映画は彼女が世に出るきっかけになった昔のNHKのドキュメント番組の作法と似ている、という人もいました。
南青山・ブルーノート東京。実力と才気ありのポーランド人ジャズ・シンガー(2015年9月5日、2016年12月25日 )の今来日のショウは、ポーランドのグループのクローケとのもの。ヨペックもクローケ構成員も皆スラブ民族であるようだが、クローケはジューイッシュ音楽と即興をかけあわせたことをやるグループ。両者は一緒のアルバムは出したことはないが、ここ数年けっこう絡んでいるそう。
結成25年強となる、ヴィオラ、アコーディオン、ベース、ドラムスという編成を持つクローケのアルバムのなかにはかなりクレツマーぽいものもあって、クレツマー調表現のなかで私を開くものになるのかと思えば、ぜんぜんそんなことはなかった。1曲目はクローケだけの曲だったが、ざっくり言えば哀愁と含みあるプログ・ロックという感じ。そして、以降は小さなキーボードも触るヨペックが交ざるわけだが、なにげに柔和にして流動性のある<プログ・ロック+>と言いたくなるような路線で進む。それ、ぼくが聞いたことがある両者の表現にかちっと当てはまらないもので、それは両者で作ったオリジナルであったのか否か。なんにしても両者の確かな創造性のようなものはぶりぶりと感じさせるもので大きく頷いた。
澄んでいるのに地声に質量感があり、歌がよく伸びるなあと、ヨペックのパフォーマンスに触れて再認識。とともに、今回の多くはスキャットでせまりまくっていたはずで、ジャズの素養/器量も存分に通過していた。
クローケの面々は、ヴィオラ(ちょいティン・ホイッスルのような小さな縦笛も吹く)のトマシュ・ククルバ、アコーディオンのイェジ・バヴォウ、ドラムのパヴェウ・ドブロヴォルスキ。そして、クローケのベース奏者は飛行機がダメで、それゆえこのアジア遠征には、ヨペックのバンドのベーシスト(5弦電気を弾くが、一部はダブル・ベースも演奏)であるロベルト・クビシン(2015年9月5日、2016年12月25日 )が同行。しかし、ヴィオラ奏者は雄弁、歌った歌も朗々、うまかった。
▶︎過去の、アンナ・マリア・ヨペック
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http://43142.diarynote.jp/201612270940364817/
▶︎過去の、ロベルト・クビシン
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<今日の、多彩は美徳>
マリア・ヨペックの新作は、香港のワールド・ミュージック・フェス出演を含む中国ツアーの流れにある今回の実演とも、通常のワーキング・バンドによるパフォーマンスともまったく異なる内容を持つ。その『Minione』(Universal、2017年)は、ゴンサロ・ルバルカバ(2005年3月16日、2007年11月21日、2010年8月22日、2014年1月10日、2014年1月12日、2015年4月7日)との双頭名義作。ベースのアルマンド・ゴーラとドラムのアーネスト・シンプソン(2013年9月17日)というキューバ人奏者からなるピアノ・トリオを擁して、マイアミで同作は録音された。興味引かれるのは、戦前のポーランド語によるタンゴ曲をそこで主に取り上げていること。なんでも、昔、ポーランドではタンゴがはやったことがあり、その類の曲も作られたようだ。音楽様式の伝搬や流行っておもしろい。墨絵のようなトーンを持つその音楽プロダクションはルバルカバが行なっている。
▶過去の、ゴンサロ・ルバルカバ
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
http://43142.diarynote.jp/201401161534392423/
http://43142.diarynote.jp/201401171004104264/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
▶︎過去の、アーネスト・シンプソン
http://43142.diarynote.jp/201309201840164499/
アリオーズ。オマーラ・ポルトゥオンド
2018年3月20日 音楽 六本木周辺で、二つのライヴを見る。
まず、オークウッドプレミア東京ミッドタウンのラウンジで、現在5か所からなる日本ツアー中のスイスの男女ユニットであるアリオーズを見る。スイス人関係者たちが集うパーティの一環で、この晩はツアー中の二人の番外実演となる。澄んだ情感を持つ女性シンガーのアリゼ・オスヴァルドと生ギターと歌のザヴィエル・ミシェル、二人だけで事を行う。交互に歌ったり、いろいろと重なったりと自在に歌の絡み方を持つのが、ちょっと湿り気のあるメロディを扱う彼女たちの要点。これだけ密に歌が重なる男女のポップ・デュオのユニットを、ぼくはちょい頭のなかに浮かばない。曲作りのワークショップで出会い、当初はオスヴァルドの方だけが歌っていたようだが、試行錯誤のすえ現在の形になったという。
うち、1曲はスイス発の音階打楽器であるハンドパン(ビョークもライヴで使っている)だけを下敷きに、歌う曲があった。フランスのワーナー・ミュージックから出ている新作『Comme on Respire』(2017年)は二人にとって初のインターナショナル・リリースであり、もともとフランスに近いところに生まれフランス語を用いていた二人はフランス語で歌っている。
その後は、EXシアター六本木で、現在87歳のキューバ人ヴェテラン歌手であるオマーラ・ポルトゥオンド(2001年2月9日、2002年8月23日、2012年5月1日、2013年9月7日)のショウを途中から見る。キューバ音楽好きで自ら現地録音アルバムを作ったりしていた音楽カメラマンの高橋慎一監督の映画「Cu-Bop across the border」の全国公開を祝うという名目を持つもの。
ピアノのロランド・ルナ、コントラバスのガストン・ホヤ・パレリャーダ、ドラムのロドニー・バレット(2012年5月1日、2013年11月27日)、パーカッションのアンドレス・コアヨ(2012年5月1日)。そして、1曲だけ奥山勝(ピアノ)がルナに代わる。彼は、ポルトゥオンドの初来日公演で弾いたことがある旧知の関係であるという。
基本ゆったり目の曲を、多くは椅子に座ってじっくり歌う。赤基調のドレスとヘア・バンドが映える。そりゃ物理的には少し甘くなっている部分もあるのかも知れないが、矍鑠にして確か。そして、やはり滋味と訴求力てんこもりで、頭をたれるしかないじゃないか。お茶目さ、人間的な豊かさを感じさせるのもとても魅力的だ。日本の有名曲「桜」をアカペラで歌ったりもしたが、彼女は日本語歌詞をそらで覚えていた。お客さんにも唱和を求めたが、歌詞をちゃんと知っている日本人が逆に多くはなく(ぼくも知りません)、それはしりすぼみに。
▶︎過去の、オマーラ・ポルトゥオンド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm ブエナ・ビスタ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-8.htm 東京ジャズ
http://43142.diarynote.jp/201205080621274204/
http://43142.diarynote.jp/201309161507226186/
▶︎過去の、ロドニー・バレット
http://43142.diarynote.jp/201205080621274204/
http://43142.diarynote.jp/201311281342196399/
▶︎過去の、アンドレス・コアヨ
http://43142.diarynote.jp/201205080621274204/
<今日の、天候>
東京ミッドタウンのなかにある、賃貸し高級アパートメントのオークウッドプレミアの中には初めて入る。へえ、格あるホテルみたいね。芸能人なんかも住んでいるという。ライヴ前には、そこでアリオーズのお二人にインタヴューする。いい人たちだなあとすぐに思わせるとともに、美男美女で驚く。ジャケットのカヴァー写真はなんであんなのにしたのかな。ハンドパンを弾かせてもらったが、スティール・パンに下蓋がついている感じ(それなりに重量あり)で膝において扱い、それに準ずる音が出る。
桜も咲き始めて、この時期にインタヴューする外国人には、今来日できてラッキーですねと枕で言ってしまうワタシ。しかし、夕方以降、とっても気温が下がり、EXシアターに歩いていくのが辛かった。あそこはミッドタウン前からだと車道は外苑通りが左折できず、246も劇場の反対側で降りることになるので、タクシー使用はどうにも具合が悪い。そしたら、翌日は昼間はもっと寒くて、降雪も! これで、また暖かくなると、一気に桜は満開だな~。
まず、オークウッドプレミア東京ミッドタウンのラウンジで、現在5か所からなる日本ツアー中のスイスの男女ユニットであるアリオーズを見る。スイス人関係者たちが集うパーティの一環で、この晩はツアー中の二人の番外実演となる。澄んだ情感を持つ女性シンガーのアリゼ・オスヴァルドと生ギターと歌のザヴィエル・ミシェル、二人だけで事を行う。交互に歌ったり、いろいろと重なったりと自在に歌の絡み方を持つのが、ちょっと湿り気のあるメロディを扱う彼女たちの要点。これだけ密に歌が重なる男女のポップ・デュオのユニットを、ぼくはちょい頭のなかに浮かばない。曲作りのワークショップで出会い、当初はオスヴァルドの方だけが歌っていたようだが、試行錯誤のすえ現在の形になったという。
うち、1曲はスイス発の音階打楽器であるハンドパン(ビョークもライヴで使っている)だけを下敷きに、歌う曲があった。フランスのワーナー・ミュージックから出ている新作『Comme on Respire』(2017年)は二人にとって初のインターナショナル・リリースであり、もともとフランスに近いところに生まれフランス語を用いていた二人はフランス語で歌っている。
その後は、EXシアター六本木で、現在87歳のキューバ人ヴェテラン歌手であるオマーラ・ポルトゥオンド(2001年2月9日、2002年8月23日、2012年5月1日、2013年9月7日)のショウを途中から見る。キューバ音楽好きで自ら現地録音アルバムを作ったりしていた音楽カメラマンの高橋慎一監督の映画「Cu-Bop across the border」の全国公開を祝うという名目を持つもの。
ピアノのロランド・ルナ、コントラバスのガストン・ホヤ・パレリャーダ、ドラムのロドニー・バレット(2012年5月1日、2013年11月27日)、パーカッションのアンドレス・コアヨ(2012年5月1日)。そして、1曲だけ奥山勝(ピアノ)がルナに代わる。彼は、ポルトゥオンドの初来日公演で弾いたことがある旧知の関係であるという。
基本ゆったり目の曲を、多くは椅子に座ってじっくり歌う。赤基調のドレスとヘア・バンドが映える。そりゃ物理的には少し甘くなっている部分もあるのかも知れないが、矍鑠にして確か。そして、やはり滋味と訴求力てんこもりで、頭をたれるしかないじゃないか。お茶目さ、人間的な豊かさを感じさせるのもとても魅力的だ。日本の有名曲「桜」をアカペラで歌ったりもしたが、彼女は日本語歌詞をそらで覚えていた。お客さんにも唱和を求めたが、歌詞をちゃんと知っている日本人が逆に多くはなく(ぼくも知りません)、それはしりすぼみに。
▶︎過去の、オマーラ・ポルトゥオンド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-2.htm ブエナ・ビスタ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-8.htm 東京ジャズ
http://43142.diarynote.jp/201205080621274204/
http://43142.diarynote.jp/201309161507226186/
▶︎過去の、ロドニー・バレット
http://43142.diarynote.jp/201205080621274204/
http://43142.diarynote.jp/201311281342196399/
▶︎過去の、アンドレス・コアヨ
http://43142.diarynote.jp/201205080621274204/
<今日の、天候>
東京ミッドタウンのなかにある、賃貸し高級アパートメントのオークウッドプレミアの中には初めて入る。へえ、格あるホテルみたいね。芸能人なんかも住んでいるという。ライヴ前には、そこでアリオーズのお二人にインタヴューする。いい人たちだなあとすぐに思わせるとともに、美男美女で驚く。ジャケットのカヴァー写真はなんであんなのにしたのかな。ハンドパンを弾かせてもらったが、スティール・パンに下蓋がついている感じ(それなりに重量あり)で膝において扱い、それに準ずる音が出る。
桜も咲き始めて、この時期にインタヴューする外国人には、今来日できてラッキーですねと枕で言ってしまうワタシ。しかし、夕方以降、とっても気温が下がり、EXシアターに歩いていくのが辛かった。あそこはミッドタウン前からだと車道は外苑通りが左折できず、246も劇場の反対側で降りることになるので、タクシー使用はどうにも具合が悪い。そしたら、翌日は昼間はもっと寒くて、降雪も! これで、また暖かくなると、一気に桜は満開だな~。
昼下がり、子供を扱った映画を2本見てダウナーな気持ちになり、夜はライヴを2本見てアッパーな気持ちになる。そいういやあ、家を出るときはどんよりしていていつ雨が降ってきてもおかしくないという空模様であったが、一つ目の試写室を出たら陽光燦々となっていて驚いた。
東銀座(駅地下直結の歌舞伎座ショップ街があった。ちょい歩いたら、ぼくにとっては興味の持てないものばかり。歌舞伎を見たのはここの歌舞伎座で一回、シアター・コクーンで一回の2度ほど)・松竹試写室で見たのは、クラウド・ファウンディングで作られたという2016年フランス映画「子供が教えてくれたこと」。5人の一筋縄ではいかない病気を患っている子供達の姿/発言を追ったドキュメンタリーで、監督は女性ジャーナリストのアンヌ・ドフィーヌ・ジュリアン。自ら難病を患った子供たちを持ち、亡くなってしまった長男との日々を綴った本は『濡れた砂の上の小さな足跡』というタイトルで講談社から刊行されているという。
日々の治療と隣り合わせで、活動が制限されるところも持つ子供たちはけっこう快活で、発言もなかなかに前向き。それらが導く、正の所感が映画の主題となる。だが、遊ぶことも、学校に行くこともままならないもっと重篤な病状を抱えた子供たちもいるだろうということも映画を見ながらぼくは感じてしまい……。実は、確か小学低学年のころ大きな病院にお見舞いに母親に連れて行かれたことがあり、そこには小児病棟(といか、病室かな?)もあって母親から説明を受け、もし自分がそんな境遇になったらと思ったらどよーんと塞ぎこみまくってしまい、親が慌てたことがあったのを思い出した。オレはメンタルが弱い。そういえば、障害を持つ子供たちを持つ知人がいるのだが、子供のために戦うこともあったはずの彼はいつも飄々柔和であり、音楽や映画好きでその興味も持ち続けている。ぼくは、そんな彼を本当に尊敬しちゃうな。
原題は、「Et Les Mistrals Gagnants」。これは、同国の大物シンガー・ソングライターのルノーの1985年曲「Mistrals Gagnant」を監督のジュリアンが企画当初からよく口ずさんでいたことから、引用されたという。古いキャンディの商標を借りて幼少時代の思い出を綴った、娘のために書かれたその曲は劇中にも登場する。また、エンドロールでは、英国のダヴズの2002年淡々曲「ゼア・ゴーズ・ザ・フィアー」が流される。
次は六本木・アスミックエース試写室で、2017年アメリカ映画「フロリダ・プロジェクト」を見る。その表題にあるようにフロリダ州オーランドを舞台に置くもので、<真夏の魔法>という副題がつけられている。
監督のショーン・ベイカーは2015年デビュー作「タンジェリン」を制作費節約のため全編Iフォンで撮影して注目を浴びた人のようだが、この新作は通常の35ミリにて撮っている。陽光の場所たるフロリダの色彩感豊かな感じのもと始まる映画で初っぱなから流されるのは、クール&ザ・ギャング(2014年12月26日、2016年2月23日)のパーティ曲「セレブレーション」。おお、アガる。これは満たされた感覚に貫かれた映画なのかとそのときは思いきや。いやあ、米国の底辺暗部があっけらかんと描かれていて、見事に凹みました。
夏休みにある子供達の様々な所作(みんな、セリフ回しがうまいねえ)を介するのでどこかほのぼのとしている部分はあるのだが、合衆国の光と影をひたひたと描いていて(ディズニー・ワールドの近くが舞台というのは要点)、なんかいたたまれない気持ちになる。主人公の母親の行状の悪さの描写もすごいな。いくら、ドナルド・トランプが長をやっている国とはいえ。でも、逆にいえば、巧みに作られた映画なんだと思う。最後のファンタジー、も少し効果的な描き方があったような、、、。
▶過去の、クール&ザ・ギャング/J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/200611281428510000/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201412291146465218/
http://43142.diarynote.jp/201508051544452721/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201602290953239524/
喉を潤して気持ちを整え直し、代官山・晴れたら空に豆まいて に行く。出演者は旧ベルギー領であるコンゴ民主共和国出身で、現在はベルギーを拠点に活動しているラッパーであるバロジ。ドラマーとギター奏者が演奏するなか、ドラゴン・アッシュのダンサーであるATSUSHIがゆったり目で身体を動かす(彼はこののちも数曲で一緒にやる)。そして、2曲目からグレイのストライプのスーツを身につけたバロジが登場。痩身かつ長身で、一瞥しただけで格好いいと頷く。すると、ドラマーは横に出てきて、PCの音出しとバックグラウンド・コーラスを担当。少し太り目で年配のギタリストはデジタル・ビートに合わせて悠々と彼の地を想起させる“転がる”ギター演奏を見せる。そのディジー・マンジェクはなんと1950年代から活動するフランコ率いる旧コンゴの著名バンドOKジャズのギタリストなのだとか。そりゃ弾けて当然、耳を引いて当たり前なはずだよな。椅子に座って演奏していた彼は終盤、前に出てきてギターを首の後ろに回して弾いたりもした。
サウンドは乱暴に言ってしまえば、ヒップホップのビートとアフリカの美味しい諸要素を重ねた感じ。そして、バロジは快活かつエネルギッシュに、通るでかい声をビートに乗せる。いいそお。文句なし。3人とも同じ柄のスーツ+の衣装を着ていたが、するとそれらはオーダー・メイドであるのか。面々は24日(土)16時半に、飯田橋・アンスティチュ・フランセで野外フリー・ライヴを行う。しかも、なんとその際は後から来日するバンド員が増えるというのだから! ちなみに、彼らの前には2日前に書いているアリオーズもそこに出演する。
そして、この日はこれでおしまいなはずであったが、2ショウかと思ったバロジの実演が1ショウであったので、もう一つライヴが回れるということとなり、明日見ようと思っていたザ・ニュー・パワー・ジェネレーションをこの後に見ちゃう。いやあ、アゲアゲになった気分でプリンス(2002年11月19日)曲に触れたくなっちゃったんだよー。
というわけで、六本木・ビルボードライブ東京。プリンスの1990年代初期のグループ名のもと、御大の曲をやりますよという集団が昨年に続いてやってきた。そしたら、構成員は全とっかえ。ホーン・セクションがゼロになったのはとても残念だが、今回のほうがプリンスのレコーディングに関与した人は多いか。
2007年作『プラネット・アース』に入っているキーボードのモーリス・ヘイズ、1990年代のいろんなアルバムで叩いているドラマーの カーク・ジョンソン 、1990年代初期作に名があるシンガー(少しギターも)のトニー・Mと歌と打楽器パッドのデイモン・ディックソン、リーダーとして活動しつつグラハム・セントラル・ステイション(2009年9月29日、2010年9月9日、2012年11月24日、2014年5月4日、2014年5月5日、2015年11月11日)の2012年作で歌ったテイマー・デイヴィスらは、プリンス流れ。さらに、ミント・コンディション(2006年6月25日、2008年7月26日、2009年7月10日)のギタリストのホーマー・オデール、イブツ感たっぷりの個性派ベーシストのモノニオン(2017年9月1日。左利き用4弦ベースを逆さに構える。エフェクターは3つほどつないていたが、太い音を出すことに終始。遅めのフレイズはサム・ピック弾きもしていた )、そしてエミネム表現他に関わりリーダー作も複数出しているシンガー(ときにキーボード)のキップ・ブラックシャイア。実は、リード・ヴォーカルはブラックシャイアが取る曲が一番多く、彼がリーダーのように思えるかも。
よりR&B濃度を高めたプリンス曲がいろいろと送り出される。骨の太そうな人が多い出演者の様を見て、ザ・レヴォルーションズを組んでいた80年代は、骨格/佇まい的にもロッキッシュであったのだと今更ながら痛感。ファンク/R&Bとロック、どっちが男で女かというのはともかく、そういう文脈でプリンスの表現はユニセックスというか、両性具有であったのだとも思った。
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632/
http://43142.diarynote.jp/201405071010101908/
http://43142.diarynote.jp/201405071013173150/
http://43142.diarynote.jp/201511120722274234/
▶︎過去の、ミント・コンディション
http://43142.diarynote.jp/200606270004200000/
http://43142.diarynote.jp/200807281305320000/
http://43142.diarynote.jp/200907131202486925/
▶︎過去の、モノニオン
http://43142.diarynote.jp/201709071307037021/
<今日の、戸惑い>
移動が多かったのでいろいろと電車に乗ったが、昼間の日比谷線内。座っていたぼくの前に立った女性が社員証をつけたままで、名前や会社名がもろ分かり。けっこう綺麗な人だったが、いつも無頓着にそうしているのか、このときはたまたま外し忘れたのか? 不意に個人情報を目にしてしまい、目をそらす。きほん乱暴だったり不埒なことを自認しているので、なにげにぼくは紳士ぶる。
東銀座(駅地下直結の歌舞伎座ショップ街があった。ちょい歩いたら、ぼくにとっては興味の持てないものばかり。歌舞伎を見たのはここの歌舞伎座で一回、シアター・コクーンで一回の2度ほど)・松竹試写室で見たのは、クラウド・ファウンディングで作られたという2016年フランス映画「子供が教えてくれたこと」。5人の一筋縄ではいかない病気を患っている子供達の姿/発言を追ったドキュメンタリーで、監督は女性ジャーナリストのアンヌ・ドフィーヌ・ジュリアン。自ら難病を患った子供たちを持ち、亡くなってしまった長男との日々を綴った本は『濡れた砂の上の小さな足跡』というタイトルで講談社から刊行されているという。
日々の治療と隣り合わせで、活動が制限されるところも持つ子供たちはけっこう快活で、発言もなかなかに前向き。それらが導く、正の所感が映画の主題となる。だが、遊ぶことも、学校に行くこともままならないもっと重篤な病状を抱えた子供たちもいるだろうということも映画を見ながらぼくは感じてしまい……。実は、確か小学低学年のころ大きな病院にお見舞いに母親に連れて行かれたことがあり、そこには小児病棟(といか、病室かな?)もあって母親から説明を受け、もし自分がそんな境遇になったらと思ったらどよーんと塞ぎこみまくってしまい、親が慌てたことがあったのを思い出した。オレはメンタルが弱い。そういえば、障害を持つ子供たちを持つ知人がいるのだが、子供のために戦うこともあったはずの彼はいつも飄々柔和であり、音楽や映画好きでその興味も持ち続けている。ぼくは、そんな彼を本当に尊敬しちゃうな。
原題は、「Et Les Mistrals Gagnants」。これは、同国の大物シンガー・ソングライターのルノーの1985年曲「Mistrals Gagnant」を監督のジュリアンが企画当初からよく口ずさんでいたことから、引用されたという。古いキャンディの商標を借りて幼少時代の思い出を綴った、娘のために書かれたその曲は劇中にも登場する。また、エンドロールでは、英国のダヴズの2002年淡々曲「ゼア・ゴーズ・ザ・フィアー」が流される。
次は六本木・アスミックエース試写室で、2017年アメリカ映画「フロリダ・プロジェクト」を見る。その表題にあるようにフロリダ州オーランドを舞台に置くもので、<真夏の魔法>という副題がつけられている。
監督のショーン・ベイカーは2015年デビュー作「タンジェリン」を制作費節約のため全編Iフォンで撮影して注目を浴びた人のようだが、この新作は通常の35ミリにて撮っている。陽光の場所たるフロリダの色彩感豊かな感じのもと始まる映画で初っぱなから流されるのは、クール&ザ・ギャング(2014年12月26日、2016年2月23日)のパーティ曲「セレブレーション」。おお、アガる。これは満たされた感覚に貫かれた映画なのかとそのときは思いきや。いやあ、米国の底辺暗部があっけらかんと描かれていて、見事に凹みました。
夏休みにある子供達の様々な所作(みんな、セリフ回しがうまいねえ)を介するのでどこかほのぼのとしている部分はあるのだが、合衆国の光と影をひたひたと描いていて(ディズニー・ワールドの近くが舞台というのは要点)、なんかいたたまれない気持ちになる。主人公の母親の行状の悪さの描写もすごいな。いくら、ドナルド・トランプが長をやっている国とはいえ。でも、逆にいえば、巧みに作られた映画なんだと思う。最後のファンタジー、も少し効果的な描き方があったような、、、。
▶過去の、クール&ザ・ギャング/J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/200611281428510000/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201412291146465218/
http://43142.diarynote.jp/201508051544452721/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201602290953239524/
喉を潤して気持ちを整え直し、代官山・晴れたら空に豆まいて に行く。出演者は旧ベルギー領であるコンゴ民主共和国出身で、現在はベルギーを拠点に活動しているラッパーであるバロジ。ドラマーとギター奏者が演奏するなか、ドラゴン・アッシュのダンサーであるATSUSHIがゆったり目で身体を動かす(彼はこののちも数曲で一緒にやる)。そして、2曲目からグレイのストライプのスーツを身につけたバロジが登場。痩身かつ長身で、一瞥しただけで格好いいと頷く。すると、ドラマーは横に出てきて、PCの音出しとバックグラウンド・コーラスを担当。少し太り目で年配のギタリストはデジタル・ビートに合わせて悠々と彼の地を想起させる“転がる”ギター演奏を見せる。そのディジー・マンジェクはなんと1950年代から活動するフランコ率いる旧コンゴの著名バンドOKジャズのギタリストなのだとか。そりゃ弾けて当然、耳を引いて当たり前なはずだよな。椅子に座って演奏していた彼は終盤、前に出てきてギターを首の後ろに回して弾いたりもした。
サウンドは乱暴に言ってしまえば、ヒップホップのビートとアフリカの美味しい諸要素を重ねた感じ。そして、バロジは快活かつエネルギッシュに、通るでかい声をビートに乗せる。いいそお。文句なし。3人とも同じ柄のスーツ+の衣装を着ていたが、するとそれらはオーダー・メイドであるのか。面々は24日(土)16時半に、飯田橋・アンスティチュ・フランセで野外フリー・ライヴを行う。しかも、なんとその際は後から来日するバンド員が増えるというのだから! ちなみに、彼らの前には2日前に書いているアリオーズもそこに出演する。
そして、この日はこれでおしまいなはずであったが、2ショウかと思ったバロジの実演が1ショウであったので、もう一つライヴが回れるということとなり、明日見ようと思っていたザ・ニュー・パワー・ジェネレーションをこの後に見ちゃう。いやあ、アゲアゲになった気分でプリンス(2002年11月19日)曲に触れたくなっちゃったんだよー。
というわけで、六本木・ビルボードライブ東京。プリンスの1990年代初期のグループ名のもと、御大の曲をやりますよという集団が昨年に続いてやってきた。そしたら、構成員は全とっかえ。ホーン・セクションがゼロになったのはとても残念だが、今回のほうがプリンスのレコーディングに関与した人は多いか。
2007年作『プラネット・アース』に入っているキーボードのモーリス・ヘイズ、1990年代のいろんなアルバムで叩いているドラマーの カーク・ジョンソン 、1990年代初期作に名があるシンガー(少しギターも)のトニー・Mと歌と打楽器パッドのデイモン・ディックソン、リーダーとして活動しつつグラハム・セントラル・ステイション(2009年9月29日、2010年9月9日、2012年11月24日、2014年5月4日、2014年5月5日、2015年11月11日)の2012年作で歌ったテイマー・デイヴィスらは、プリンス流れ。さらに、ミント・コンディション(2006年6月25日、2008年7月26日、2009年7月10日)のギタリストのホーマー・オデール、イブツ感たっぷりの個性派ベーシストのモノニオン(2017年9月1日。左利き用4弦ベースを逆さに構える。エフェクターは3つほどつないていたが、太い音を出すことに終始。遅めのフレイズはサム・ピック弾きもしていた )、そしてエミネム表現他に関わりリーダー作も複数出しているシンガー(ときにキーボード)のキップ・ブラックシャイア。実は、リード・ヴォーカルはブラックシャイアが取る曲が一番多く、彼がリーダーのように思えるかも。
よりR&B濃度を高めたプリンス曲がいろいろと送り出される。骨の太そうな人が多い出演者の様を見て、ザ・レヴォルーションズを組んでいた80年代は、骨格/佇まい的にもロッキッシュであったのだと今更ながら痛感。ファンク/R&Bとロック、どっちが男で女かというのはともかく、そういう文脈でプリンスの表現はユニセックスというか、両性具有であったのだとも思った。
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632/
http://43142.diarynote.jp/201405071010101908/
http://43142.diarynote.jp/201405071013173150/
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▶︎過去の、ミント・コンディション
http://43142.diarynote.jp/200606270004200000/
http://43142.diarynote.jp/200807281305320000/
http://43142.diarynote.jp/200907131202486925/
▶︎過去の、モノニオン
http://43142.diarynote.jp/201709071307037021/
<今日の、戸惑い>
移動が多かったのでいろいろと電車に乗ったが、昼間の日比谷線内。座っていたぼくの前に立った女性が社員証をつけたままで、名前や会社名がもろ分かり。けっこう綺麗な人だったが、いつも無頓着にそうしているのか、このときはたまたま外し忘れたのか? 不意に個人情報を目にしてしまい、目をそらす。きほん乱暴だったり不埒なことを自認しているので、なにげにぼくは紳士ぶる。
セシル・マクロリン・サルヴァント
2018年3月26日 音楽 発表したアルバムが2作続けてグラミー賞の最優秀ジャズ・ヴォーカル・アルバム賞を受賞するなど、米国で今もっとも高評価を受けているジャズ・シンガー(まだ、20代)であるセシル・マクロリン・サルヴァント(2013年11月26日)の実にこなれた、聞きどころ満載の実演を南青山・ブルーノート東京で見る。ファースト・ショウ。
サポートは、マック・アヴェニュー他から4作のリーダー・アルバムを出しているピアノのアーロン・ディール(2013年11月26日)、弦アレンジも得意なベースのポール・シキヴィー(2013年11月26日)、そして昨年の夏以降にトリオの一角をになうようになったドラムのカイル・プール。みんな腕が立ち、臨機応変なサルヴァントの行き方を支える。
頭のほうは、少し穏健な行き方をとっていると思わせられたか。ブロサッム・ディアリー調というと誇張になってしまうが、けっこうスウィート目な声づかい(ファルセットも多用)な猫かぶり唱法を取りつつ、格式高いジャズの襞をほんのりお茶目さを介しつつ出そうとしていると感じた。そこらあたり、気分でどうにでも行けるという彼女のキャパシティの大きさもすうっと聞き手に伝えるものではなかったか。そうしつつ、機を見るに敏という感じでぐわあと発展の扉を開けちゃうときもある。それ、まこと快感だ。
悠々、トリオ伴奏と相乗しながら、私の歌を開く。ベーシストとの渋いデュオもあり、終盤はマイクから口を最長60センチ離して、堂々のアカペラもかます。それ英語で歌われていたが、歌い口からアフリカを透けて見させるものであった。素晴らしいっ! 彼女は作曲もする人だが、このショウはボブ・ドロウ(2013年6月28日、2015年6月5日)やコール・ポーターらのスタンダードが多かったか。彼女はブルースとジャズが分化する前の古い曲も取り上げ見事に処理するが、終盤はラグタイム調曲など、オールドめの曲を並べた。
▶︎過去の、セシル・マクロリン・サルヴァント
http://43142.diarynote.jp/201311270854089602/
▶過去の、アーロン・ディール
http://43142.diarynote.jp/201311270854089602/
▶過去の、ポール・シキヴィー
http://43142.diarynote.jp/201311270854089602/
▶過去の、ボブ・ドロウ
http://43142.diarynote.jp/201307010908249319/
http://43142.diarynote.jp/201506070920231979/
<今日の、引用>
ステージ横には。桜が飾られている。例年、この時期にキャッシャー横には飾られていたが、ステージのほうはどうだったか。なんにせよ、上品な華やかさが加えられ、そりゃ笑みを誘いますね。演者もうれしいに違いない。
マイアミ育ちで、ハイチやフランスの血をひく家系のため、家ではフランス語を話していたという。それゆえ、高校卒業後にフランスに留学したのは自然な流れで、そこであなたの声はジャズに向いていると言われて、彼女はクラシックからジャズに転向した。
Q今作(『ウーマン・チャイルド』)はジャズたる決定的な深みを持ちつつ、一方では個性的な今のジャズ・ヴォーカルとしての要点も抱えており、得難い精気のようなものも息づいています。ジャズを歌う人は沢山いますが、その他の担い手の中に埋もれない自分だけの個性を出したいという意志はやはり強いのですよね?
「そうありたいし、そうしようと思っています。でも、それを成し遂げるのは楽なことではない。私の好きなジャズのサウンドというのは、今のトレンドにない、ブルースが持っていたような、ラフであったり、ちょっと泥臭い部分であったり。そういうことって、逆に暖かみにも繋がるでしょ? 間違いもアリとするような、あまり完璧ではないような世界を作り出して行くのは難しいことですよね。私はそうしたことを通して過去の遺産をちゃんと取り入れ、きっちり自分を出していきたいんです。とはいえ、現代のジャズで好きな人も沢山います。グレッチェン・パーラト2009年2月3日、2012年2月22日、2013年3月19日、2016年9月4日、2017年9月20日」は本当に素晴らしいと思うし、サンダーキャット(2017年4月27日)とかも好きです」(2013年にしたインタヴューより)
▶過去の、グレッチェン・パーラト
http://43142.diarynote.jp/200902040424558168/
http://43142.diarynote.jp/201202251301444372/
http://43142.diarynote.jp/201303221327416224/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/201709240954004876/
▶︎過去の、サンダーキャット
http://43142.diarynote.jp/201704280745098662/
Qぼくがあなたの表現を聴いてすごいというか、奇異に感じてしまうのは、ちゃんとクラシックを学んだ末に、ジャズをやっていることなんです。前にインタヴューしたとき、今もクラシックを歌いたい言っていましたし(一方で、ブルーグラスにも興味があるなんて、発言もしていた)、そいう人がジャズの決定的なフィーリングや技巧を捉えた事を成し遂げていることに不思議な思いを得てしまうんです。これは、本当にレアなケースであると。
「その意見には同意します。クラシックのシンガーがジャズを歌おうとするとなんか変な感じがしちゃいますね。クラシックの素養が悪い方に出てしまう。私がジャズを歌い始めた時に思ったのは、そういうことはしたくないということでした。それで、クラシックの影響が見えないように歌うことを心がけています。でも、一人だけジャズ・シンガーでクラシックの影響を受けた歌い方をするのがサラ・ヴォーンですね。彼女はそれを全く違和感なく出している人。一音だけクラシックの技術を使って出すこともあるけど、それは僅か。だって、マイクがあるから、それも必要ないでしょ」(2017年にしたインタヴューより)
サポートは、マック・アヴェニュー他から4作のリーダー・アルバムを出しているピアノのアーロン・ディール(2013年11月26日)、弦アレンジも得意なベースのポール・シキヴィー(2013年11月26日)、そして昨年の夏以降にトリオの一角をになうようになったドラムのカイル・プール。みんな腕が立ち、臨機応変なサルヴァントの行き方を支える。
頭のほうは、少し穏健な行き方をとっていると思わせられたか。ブロサッム・ディアリー調というと誇張になってしまうが、けっこうスウィート目な声づかい(ファルセットも多用)な猫かぶり唱法を取りつつ、格式高いジャズの襞をほんのりお茶目さを介しつつ出そうとしていると感じた。そこらあたり、気分でどうにでも行けるという彼女のキャパシティの大きさもすうっと聞き手に伝えるものではなかったか。そうしつつ、機を見るに敏という感じでぐわあと発展の扉を開けちゃうときもある。それ、まこと快感だ。
悠々、トリオ伴奏と相乗しながら、私の歌を開く。ベーシストとの渋いデュオもあり、終盤はマイクから口を最長60センチ離して、堂々のアカペラもかます。それ英語で歌われていたが、歌い口からアフリカを透けて見させるものであった。素晴らしいっ! 彼女は作曲もする人だが、このショウはボブ・ドロウ(2013年6月28日、2015年6月5日)やコール・ポーターらのスタンダードが多かったか。彼女はブルースとジャズが分化する前の古い曲も取り上げ見事に処理するが、終盤はラグタイム調曲など、オールドめの曲を並べた。
▶︎過去の、セシル・マクロリン・サルヴァント
http://43142.diarynote.jp/201311270854089602/
▶過去の、アーロン・ディール
http://43142.diarynote.jp/201311270854089602/
▶過去の、ポール・シキヴィー
http://43142.diarynote.jp/201311270854089602/
▶過去の、ボブ・ドロウ
http://43142.diarynote.jp/201307010908249319/
http://43142.diarynote.jp/201506070920231979/
<今日の、引用>
ステージ横には。桜が飾られている。例年、この時期にキャッシャー横には飾られていたが、ステージのほうはどうだったか。なんにせよ、上品な華やかさが加えられ、そりゃ笑みを誘いますね。演者もうれしいに違いない。
マイアミ育ちで、ハイチやフランスの血をひく家系のため、家ではフランス語を話していたという。それゆえ、高校卒業後にフランスに留学したのは自然な流れで、そこであなたの声はジャズに向いていると言われて、彼女はクラシックからジャズに転向した。
Q今作(『ウーマン・チャイルド』)はジャズたる決定的な深みを持ちつつ、一方では個性的な今のジャズ・ヴォーカルとしての要点も抱えており、得難い精気のようなものも息づいています。ジャズを歌う人は沢山いますが、その他の担い手の中に埋もれない自分だけの個性を出したいという意志はやはり強いのですよね?
「そうありたいし、そうしようと思っています。でも、それを成し遂げるのは楽なことではない。私の好きなジャズのサウンドというのは、今のトレンドにない、ブルースが持っていたような、ラフであったり、ちょっと泥臭い部分であったり。そういうことって、逆に暖かみにも繋がるでしょ? 間違いもアリとするような、あまり完璧ではないような世界を作り出して行くのは難しいことですよね。私はそうしたことを通して過去の遺産をちゃんと取り入れ、きっちり自分を出していきたいんです。とはいえ、現代のジャズで好きな人も沢山います。グレッチェン・パーラト2009年2月3日、2012年2月22日、2013年3月19日、2016年9月4日、2017年9月20日」は本当に素晴らしいと思うし、サンダーキャット(2017年4月27日)とかも好きです」(2013年にしたインタヴューより)
▶過去の、グレッチェン・パーラト
http://43142.diarynote.jp/200902040424558168/
http://43142.diarynote.jp/201202251301444372/
http://43142.diarynote.jp/201303221327416224/
http://43142.diarynote.jp/201609201052518160/
http://43142.diarynote.jp/201709240954004876/
▶︎過去の、サンダーキャット
http://43142.diarynote.jp/201704280745098662/
Qぼくがあなたの表現を聴いてすごいというか、奇異に感じてしまうのは、ちゃんとクラシックを学んだ末に、ジャズをやっていることなんです。前にインタヴューしたとき、今もクラシックを歌いたい言っていましたし(一方で、ブルーグラスにも興味があるなんて、発言もしていた)、そいう人がジャズの決定的なフィーリングや技巧を捉えた事を成し遂げていることに不思議な思いを得てしまうんです。これは、本当にレアなケースであると。
「その意見には同意します。クラシックのシンガーがジャズを歌おうとするとなんか変な感じがしちゃいますね。クラシックの素養が悪い方に出てしまう。私がジャズを歌い始めた時に思ったのは、そういうことはしたくないということでした。それで、クラシックの影響が見えないように歌うことを心がけています。でも、一人だけジャズ・シンガーでクラシックの影響を受けた歌い方をするのがサラ・ヴォーンですね。彼女はそれを全く違和感なく出している人。一音だけクラシックの技術を使って出すこともあるけど、それは僅か。だって、マイクがあるから、それも必要ないでしょ」(2017年にしたインタヴューより)
【HANA●TORI】蜂谷真紀+田中信正
2018年3月27日 音楽 シンガーの蜂谷真紀(2008年8月24日、2009年1月8日、2010年9月11日、2014年7月22日、2014年9月25日、2015年5月20日、2015年6月15日、2016年11月2日、2018年1月19日)とピアニストの田中信正による、すでに10年続いているというデュオ。渋谷・公園通りクラシックス。久しぶりにここに来たら、それなりに広いなと思うとともに、メインの所に置かれたグランド・ピアノの他に、奥の方にもう一台置いてある。へえ、ピアノを二つも置いているハコであったか。
蜂谷は床横にずらりずらりと譜面を並べている。それを見ながら歌うことはなかったが、オープナーだけは決めていて、あとはそれらを参照したりもしながら、行き当たりばったりでパフォーマンスしていったよう。一期一会的な発展にはもちろん富むが、すべて曲として成り立っている鉢谷曲をやることを是としているデュオ。田中もその場で曲の告知を受けても、おっとり刀で十全に付き合う。
1時間ちょいやった1部はざくっというなら、丁々発止に渡り合う、インプロヴィゼーション度が高い曲が並んだか。エコーのかかり方の異なる2本のマイクを使いわける蜂谷はもうごんごん自在に歌声を躍らせる。田中の演奏には初めて触れると思うが、とても音の粒立ちの良い、瞬発力や切れと詩情や歌心を同一軸に併置させるような指使いをしていて、頷く。彼、靴を脱いで、ペダルを扱っていた。それはただの癖、それともより繊細なコントロールをしようとするため?
2部は、より歌モノ度(?)が広がり、きちんと日本語の歌詞(それも即興的なのかもしれないが)を歌う曲が多い。お二人は、岡山県の大原美術館で録られた『たからもの』(FUKU★CHU MHFC-003。2枚組で、もう1枚は蜂谷と田中と喜多直穀〜2018年1月6日〜によるトリオによる録音)という作品を出していて、そちらのノリに近いことをやっていたか。CDのほうは現代音楽の香りもしたが、この晩はそれほどそちらの感じは受けず。そのためか架空の国のお伽噺〜大人のわらべ歌と説明したくなる、越境を経ての円満な歌曲性を獲得しているとぼくは思った。それゆえ、この日に歌った唯一のカヴァー、ガーシュインの1939年発スタンダード「アイ・ラヴ・ユー、ポーギィ」も無理なく収まっていた。ときに蜂谷は鳴り物音やピアニカ音を重ねる局面があったが、2部のほうがピアニカが活躍した。ときにちょっとセリフを回したりとか、シアトリカルだなと思わせる場合もあり。
▶過去の、蜂谷真紀
http://43142.diarynote.jp/200808260821260000/
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100911
http://43142.diarynote.jp/201407231341189225/
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
http://43142.diarynote.jp/201410310931316189/
http://43142.diarynote.jp/201505211022511238/
http://43142.diarynote.jp/?day=20161102
http://43142.diarynote.jp/201707111737453393/
http://43142.diarynote.jp/201801200930278094/
<今日の、もろもろ>
蜂谷は会場で、手書きでびしっと書かれたライヴ情報をいつもお客さんに渡す。いろいろな設定あり、移動もあり、喉のケアは大変だろうなと思ったが、あっけらかんと喉は強そうか。【HANA●TORI】の次のライヴは4月15日、本八幡・cool jojo 。この公園通りクラシックスでは4月30日に、蜂谷はピアノ弾き語り。彼女はギタリストの加藤崇之(2005年11月28日、2005年12月11日、2012年11月24日、2017年1月9日)と組むミクロマクロで昨年『曲のとびだす絵本』(HOOK ★CHEW、あらレーベルのスペルが変わった)というCDを出しているが、5月に7箇所からなる甲府、関西、東海ツアーに出る。
ぐうぜん本日、還暦記念で毎月新作をちゃんとしたパッケージで出している藤井郷子(1999年8月16日、2000年6月2日、2000年10月1日、2002年8月5日、2003年1月21日、2003年4月7日、2004年7月27日、2005年2月10日、2005年11月28日、2005年12月11日、2006年7月3日、2008年8月24日、2008年12月17日、2010年1月9日、2010年6月7日、2010年8月6日、2012年7月1日、2016年1月28日、2017年1月9日、2017年9月13日、2018年1月8日) の2018 年4作目となる新作、KiraKira名義の『Bright Force』(Libra 204-048 )が届いた。昨年秋に来日していた電気ピアノ他のアリスター・スペンス(2008年8月24日、2017年9月13日)、トランペットの田村夏樹(1999年8月16日、2000年6月2日、2000年10月1日、2002年8月5日、2003年1月21日、2003年4月7日、2004年7月27日、2010年8月6日、2012年7月1日、2005年2月10日、2005年11月28日、2005年12月11日、2006年7月3日、2008年8月24日、2008年12月17日、2010年1月9日、2010年6月7日、2016年1月28日、2017年1月9日、2017年9月13日、2018年1月8日) 、ドラムの竹村一哲(2016年9月27日)からなるクインテットで、酸いも甘いもかみ分けた大人の狼藉表現がそこですがすがしく展開されている。そういえば、ぼくが蜂谷の歌を初めて聞いたのは田村・藤井夫妻がコーディネイトし、スペンスもその一員として入っていた10年前にもたれたレイモンド・マクドナルド(2005年11月28日、2008年8月24日)のオーケストラの公演だった。
▶︎過去の、喜多直穀
http://43142.diarynote.jp/201801071035098671/
▶︎ギターの、加藤崇之
http://43142.diarynote.jp/amp/200512020244540000/
http://43142.diarynote.jp/200512140951100000/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632
http://43142.diarynote.jp/?day=20170109
▶過去の、藤井郷子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-6.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm 藤井4
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-4.htm 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/ 藤井3+1
http://43142.diarynote.jp/?day=20050210 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200512020244540000/ ザ・レイモンド・マクドナルド・トウキョウ・インプロヴァイザーズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/200512140951100000/ エリオット・シャープ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703 藤井オーケストラ名古屋/同東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824 レイモンド・マクドナルド・インターナショナル・ビッグ・バンド
http://43142.diarynote.jp/200812281445103402/ 藤井4
http://43142.diarynote.jp/201001101203088126/ ガトー・リブレ、ファースト・ミーティング、ma-do、オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20100607 ファースト・ミーティング
http://43142.diarynote.jp/201008261616172628/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120701
http://43142.diarynote.jp/201601301017037781/ KAZE
http://43142.diarynote.jp/201701101136544400/ Quartet Maho。Maho、 Satoko Fujii Orchestra Tokyo、Tobira―one、Satoko Fujii Quartet
http://43142.diarynote.jp/201709141146381271/ 藤井オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/201801100512178732/
▶過去の田村夏樹
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-6.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm 藤井4
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-4.htm 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/ 藤井3+1
http://43142.diarynote.jp/?day=20040820 板橋オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050210 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200512020244540000/ ザ・レイモンド・マクドナルド・トウキョウ・インプロヴァイザーズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/200512140951100000/ エリオット・シャープ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703 藤井オーケストラ名古屋/同東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824 レイモンド・マクドナルド・インターナショナル・ビッグ・バンド
http://43142.diarynote.jp/200812281445103402/ 藤井4
http://43142.diarynote.jp/201001101203088126/ ガトー・リブレ、ファースト・ミーティング、ma-do、オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20100607 ファースト・ミーティング
http://43142.diarynote.jp/201601301017037781/ KAZE
http://43142.diarynote.jp/201701101136544400/ Quartet Maho。Maho、 Satoko Fujii Orchestra Tokyo、Tobira―one、Satoko Fujii Quartet
http://43142.diarynote.jp/201709141146381271/ 藤井オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/201801100512178732/
▶︎過去の、レイモンド・マクドナルド
http://43142.diarynote.jp/200512020244540000/
http://43142.diarynote.jp/200808260821260000/
▶︎過去の、アリスター・スペンス
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http://43142.diarynote.jp/201709141146381271/
▶︎過去の、竹村一哲
http://43142.diarynote.jp/201610100849458472/
蜂谷は床横にずらりずらりと譜面を並べている。それを見ながら歌うことはなかったが、オープナーだけは決めていて、あとはそれらを参照したりもしながら、行き当たりばったりでパフォーマンスしていったよう。一期一会的な発展にはもちろん富むが、すべて曲として成り立っている鉢谷曲をやることを是としているデュオ。田中もその場で曲の告知を受けても、おっとり刀で十全に付き合う。
1時間ちょいやった1部はざくっというなら、丁々発止に渡り合う、インプロヴィゼーション度が高い曲が並んだか。エコーのかかり方の異なる2本のマイクを使いわける蜂谷はもうごんごん自在に歌声を躍らせる。田中の演奏には初めて触れると思うが、とても音の粒立ちの良い、瞬発力や切れと詩情や歌心を同一軸に併置させるような指使いをしていて、頷く。彼、靴を脱いで、ペダルを扱っていた。それはただの癖、それともより繊細なコントロールをしようとするため?
2部は、より歌モノ度(?)が広がり、きちんと日本語の歌詞(それも即興的なのかもしれないが)を歌う曲が多い。お二人は、岡山県の大原美術館で録られた『たからもの』(FUKU★CHU MHFC-003。2枚組で、もう1枚は蜂谷と田中と喜多直穀〜2018年1月6日〜によるトリオによる録音)という作品を出していて、そちらのノリに近いことをやっていたか。CDのほうは現代音楽の香りもしたが、この晩はそれほどそちらの感じは受けず。そのためか架空の国のお伽噺〜大人のわらべ歌と説明したくなる、越境を経ての円満な歌曲性を獲得しているとぼくは思った。それゆえ、この日に歌った唯一のカヴァー、ガーシュインの1939年発スタンダード「アイ・ラヴ・ユー、ポーギィ」も無理なく収まっていた。ときに蜂谷は鳴り物音やピアニカ音を重ねる局面があったが、2部のほうがピアニカが活躍した。ときにちょっとセリフを回したりとか、シアトリカルだなと思わせる場合もあり。
▶過去の、蜂谷真紀
http://43142.diarynote.jp/200808260821260000/
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
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http://43142.diarynote.jp/201407231341189225/
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http://43142.diarynote.jp/201801200930278094/
<今日の、もろもろ>
蜂谷は会場で、手書きでびしっと書かれたライヴ情報をいつもお客さんに渡す。いろいろな設定あり、移動もあり、喉のケアは大変だろうなと思ったが、あっけらかんと喉は強そうか。【HANA●TORI】の次のライヴは4月15日、本八幡・cool jojo 。この公園通りクラシックスでは4月30日に、蜂谷はピアノ弾き語り。彼女はギタリストの加藤崇之(2005年11月28日、2005年12月11日、2012年11月24日、2017年1月9日)と組むミクロマクロで昨年『曲のとびだす絵本』(HOOK ★CHEW、あらレーベルのスペルが変わった)というCDを出しているが、5月に7箇所からなる甲府、関西、東海ツアーに出る。
ぐうぜん本日、還暦記念で毎月新作をちゃんとしたパッケージで出している藤井郷子(1999年8月16日、2000年6月2日、2000年10月1日、2002年8月5日、2003年1月21日、2003年4月7日、2004年7月27日、2005年2月10日、2005年11月28日、2005年12月11日、2006年7月3日、2008年8月24日、2008年12月17日、2010年1月9日、2010年6月7日、2010年8月6日、2012年7月1日、2016年1月28日、2017年1月9日、2017年9月13日、2018年1月8日) の2018 年4作目となる新作、KiraKira名義の『Bright Force』(Libra 204-048 )が届いた。昨年秋に来日していた電気ピアノ他のアリスター・スペンス(2008年8月24日、2017年9月13日)、トランペットの田村夏樹(1999年8月16日、2000年6月2日、2000年10月1日、2002年8月5日、2003年1月21日、2003年4月7日、2004年7月27日、2010年8月6日、2012年7月1日、2005年2月10日、2005年11月28日、2005年12月11日、2006年7月3日、2008年8月24日、2008年12月17日、2010年1月9日、2010年6月7日、2016年1月28日、2017年1月9日、2017年9月13日、2018年1月8日) 、ドラムの竹村一哲(2016年9月27日)からなるクインテットで、酸いも甘いもかみ分けた大人の狼藉表現がそこですがすがしく展開されている。そういえば、ぼくが蜂谷の歌を初めて聞いたのは田村・藤井夫妻がコーディネイトし、スペンスもその一員として入っていた10年前にもたれたレイモンド・マクドナルド(2005年11月28日、2008年8月24日)のオーケストラの公演だった。
▶︎過去の、喜多直穀
http://43142.diarynote.jp/201801071035098671/
▶︎ギターの、加藤崇之
http://43142.diarynote.jp/amp/200512020244540000/
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http://43142.diarynote.jp/201211261639115632
http://43142.diarynote.jp/?day=20170109
▶過去の、藤井郷子
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-6.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm 藤井4
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-4.htm 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/ 藤井3+1
http://43142.diarynote.jp/?day=20050210 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200512020244540000/ ザ・レイモンド・マクドナルド・トウキョウ・インプロヴァイザーズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/200512140951100000/ エリオット・シャープ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703 藤井オーケストラ名古屋/同東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20080824 レイモンド・マクドナルド・インターナショナル・ビッグ・バンド
http://43142.diarynote.jp/200812281445103402/ 藤井4
http://43142.diarynote.jp/201001101203088126/ ガトー・リブレ、ファースト・ミーティング、ma-do、オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20100607 ファースト・ミーティング
http://43142.diarynote.jp/201008261616172628/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120701
http://43142.diarynote.jp/201601301017037781/ KAZE
http://43142.diarynote.jp/201701101136544400/ Quartet Maho。Maho、 Satoko Fujii Orchestra Tokyo、Tobira―one、Satoko Fujii Quartet
http://43142.diarynote.jp/201709141146381271/ 藤井オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/201801100512178732/
▶過去の田村夏樹
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-6.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm 藤井カルテット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 藤井3+1
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-1.htm 藤井4
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-4.htm 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/ 藤井3+1
http://43142.diarynote.jp/?day=20040820 板橋オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050210 田村カルテット
http://43142.diarynote.jp/200512020244540000/ ザ・レイモンド・マクドナルド・トウキョウ・インプロヴァイザーズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/200512140951100000/ エリオット・シャープ
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703 藤井オーケストラ名古屋/同東京
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http://43142.diarynote.jp/200812281445103402/ 藤井4
http://43142.diarynote.jp/201001101203088126/ ガトー・リブレ、ファースト・ミーティング、ma-do、オーケストラ東京
http://43142.diarynote.jp/?day=20100607 ファースト・ミーティング
http://43142.diarynote.jp/201601301017037781/ KAZE
http://43142.diarynote.jp/201701101136544400/ Quartet Maho。Maho、 Satoko Fujii Orchestra Tokyo、Tobira―one、Satoko Fujii Quartet
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▶︎過去の、レイモンド・マクドナルド
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▶︎過去の、アリスター・スペンス
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▶︎過去の、竹村一哲
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レイ・パーカーJr. & レイディオ
2018年3月28日 音楽 レイ・パーカーJr.(2005年3月8日、2011年5月17日、2012年9月8日)はジョー・サンプル(2005年3月8日、2009年11月5日、2011年5月17日、2012年9月8日)絡み公演とともに、自己バンドの来日公演も何度か持っているはずだが、ぼくはそれについては今回初めて見るのだな。キャリアは長いが、若いころに成功を収めていたのでまだ64歳。まあ、ヒット曲も書いていて印税はいまだ入ってくるであろうし、悠々自適だろうな。なお、レイディオは彼がセッション・ギタリストとして名をあげたあと、その余勢をかって(?)1970年代後期に組んだグループだ。
六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。8人組バンドとして登場、そしたら有名人がいろいろいて、パーカーJr.はなるほど実力者と思わされたか。
もう一人のギタリストは1970年代後期から長年ウェスト・コーストのスタジオ界のファースト・コールを務めるポール・ジャクソンJr.。リーダーとしてもいろいろアルバムを出している(ブルーノートからも3作品)彼だが、Jr.がつく“刻み”が得意な二大米国人ギタリストが揃い踏みだあ! さすがにパーカーJr.もショウの頭で“スペシャル・ゲスト”と言って彼を紹介する。で、ちょい刻み合戦も披露しました。キーボードのケヴィン・トニーもかつてザ・ブラックバーズにいて、リーダー作をいろいろ出している人だ。また、電気ベースの“レディ”・フレディ・ワシントンやドラムのドネル・スペンサー Jr.も名のあるセッション・マン。女性シンガーのドミニク・トニーはケヴィン・トニーの娘だそうで、2015年にパーカーJr.関与のリーダー作を出している。そして、シンガー/打楽器のアーネル・カーマイケルはパーカーJr.と同じデトロイト・ネイティヴでレイディオの初期から関与していた人。パーカーJr.より年長なはずだが、パっと見はそうは見えなかった。アルト・サックス/フルート/キーボードのチャールズ・グリーンについては、ぼくはどういうキャリアの人か知らない。
そんな面々が笑顔で送り出す(きっちり重なるリズム・セクションはうれしそうにコーラスもつけていた)のは、総花的なブラック・ポップ・ミュージック。ジャクソンJr.という名手が後に控えているためもあり、パーカー・Jr.はまずリード・シンガーとして中央に立ち、ときにギターを持たないときもある。1曲ではソウル・スターばりにマイクを持って下に降り、客席を回りながら歌う。観客に熱烈に(コアラのように)抱きつかれておったな。紅一点ドミニク・トニーがフィーチャーされて歌ったのは、ルーファス(2003年10月10日、2008年6月5日、2008年11月10日、2010年1月20日、2011年6月22日、2012年1月10日、2014年9月6日、2014年9月10日、2016年5月20日)の1974年曲「ユー・ガット・ザ・ラヴ」(カーンとパーカーJr.の共作曲)。また、ジャクソンJr.も1曲主役で、自作のスムース・ジャズ曲を披露。その際、パーカーJr.は座って、その様を見守る。一方、彼はアコースティック・ギターを待ち一人演奏、その2曲はともマイケル・ジャクソン絡みの曲だった。
アンコールは、全米1位曲「ゴーストバスターズ」。イントロで、ブルース調の苔の生えたような奏法をちらり繰り出すが、パーカーJr.はやろうと思えば、ブラック・ミュージックのパターンをいろいろ弾けちゃうんだろうな。その際、映画のゴーストバスターズの姿に扮する日本人4人が出てきてステージに上がる。それにはメンバーも盛り上がり、いろいろ記念写真的に自撮りしまくり。それ、関連のSNSにアップされるか。なんだかんだ、90分の尺を持つショウだった。
▶︎過去の、レイ・パーカーJr.
http://43142.diarynote.jp/200503120546520000/
http://43142.diarynote.jp/201105181052427410/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/ ジョー・サンプル&ザ・クリオール・ジョー・バンド
▶︎過去の、ジョー・サンプル
http://43142.diarynote.jp/200503120546520000/
http://43142.diarynote.jp/200911071134384805/
http://43142.diarynote.jp/201105181052427410/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/
▶︎過去の、ルーファス/チャカ・カーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200806121525370000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20081110
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110622
http://43142.diarynote.jp/201201131546344144/
http://43142.diarynote.jp/201409100929108025/
http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
http://43142.diarynote.jp/201605240832424514/
<今日の、桜情報>
ミッドタウン脇の坂道って、あんなに桜が咲く道であったのか。今日初めて知る。ピンク色のライティングは少し品がないが、人が集まるのはよく分かる。パーカーJr.もその道にかかる歩道橋に立つ自分を中心に360度風景を舐めた映像をトゥイッターにあげている。なお、今年限定でいうなら、東京の桜の穴場的絶景ポイントは世田谷区池尻4丁目の目黒川を埋めたてたせせらぎ緑歩道(246を挟む目黒区側は、桜名所として超知られますね)、この秋に移転営業開始となる東邦病院医療センターの前。そこに咲く桜には強力なライトが夜中でも当てられているのだが、それを見上げるのではなく、人工の小川を覗き込むと。。。。水面に映る光を浴びた桜がガラス越しに下に延々と広がるように見え、その見え方がなんとも神秘的にして、息を飲ませる。吸い込まれそうになる。あえて言えば、広大な鍾乳洞とかダイビングで得る感興と繋がる? 来年は病室があるので夜のライト投射はなくなると思われ、その暗くなってからの絶景はおそらく今シーズン限り。その深淵な水面下に広がる桜地下空間、とにもかくにも凄すぎます。
六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。8人組バンドとして登場、そしたら有名人がいろいろいて、パーカーJr.はなるほど実力者と思わされたか。
もう一人のギタリストは1970年代後期から長年ウェスト・コーストのスタジオ界のファースト・コールを務めるポール・ジャクソンJr.。リーダーとしてもいろいろアルバムを出している(ブルーノートからも3作品)彼だが、Jr.がつく“刻み”が得意な二大米国人ギタリストが揃い踏みだあ! さすがにパーカーJr.もショウの頭で“スペシャル・ゲスト”と言って彼を紹介する。で、ちょい刻み合戦も披露しました。キーボードのケヴィン・トニーもかつてザ・ブラックバーズにいて、リーダー作をいろいろ出している人だ。また、電気ベースの“レディ”・フレディ・ワシントンやドラムのドネル・スペンサー Jr.も名のあるセッション・マン。女性シンガーのドミニク・トニーはケヴィン・トニーの娘だそうで、2015年にパーカーJr.関与のリーダー作を出している。そして、シンガー/打楽器のアーネル・カーマイケルはパーカーJr.と同じデトロイト・ネイティヴでレイディオの初期から関与していた人。パーカーJr.より年長なはずだが、パっと見はそうは見えなかった。アルト・サックス/フルート/キーボードのチャールズ・グリーンについては、ぼくはどういうキャリアの人か知らない。
そんな面々が笑顔で送り出す(きっちり重なるリズム・セクションはうれしそうにコーラスもつけていた)のは、総花的なブラック・ポップ・ミュージック。ジャクソンJr.という名手が後に控えているためもあり、パーカー・Jr.はまずリード・シンガーとして中央に立ち、ときにギターを持たないときもある。1曲ではソウル・スターばりにマイクを持って下に降り、客席を回りながら歌う。観客に熱烈に(コアラのように)抱きつかれておったな。紅一点ドミニク・トニーがフィーチャーされて歌ったのは、ルーファス(2003年10月10日、2008年6月5日、2008年11月10日、2010年1月20日、2011年6月22日、2012年1月10日、2014年9月6日、2014年9月10日、2016年5月20日)の1974年曲「ユー・ガット・ザ・ラヴ」(カーンとパーカーJr.の共作曲)。また、ジャクソンJr.も1曲主役で、自作のスムース・ジャズ曲を披露。その際、パーカーJr.は座って、その様を見守る。一方、彼はアコースティック・ギターを待ち一人演奏、その2曲はともマイケル・ジャクソン絡みの曲だった。
アンコールは、全米1位曲「ゴーストバスターズ」。イントロで、ブルース調の苔の生えたような奏法をちらり繰り出すが、パーカーJr.はやろうと思えば、ブラック・ミュージックのパターンをいろいろ弾けちゃうんだろうな。その際、映画のゴーストバスターズの姿に扮する日本人4人が出てきてステージに上がる。それにはメンバーも盛り上がり、いろいろ記念写真的に自撮りしまくり。それ、関連のSNSにアップされるか。なんだかんだ、90分の尺を持つショウだった。
▶︎過去の、レイ・パーカーJr.
http://43142.diarynote.jp/200503120546520000/
http://43142.diarynote.jp/201105181052427410/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/ ジョー・サンプル&ザ・クリオール・ジョー・バンド
▶︎過去の、ジョー・サンプル
http://43142.diarynote.jp/200503120546520000/
http://43142.diarynote.jp/200911071134384805/
http://43142.diarynote.jp/201105181052427410/
http://43142.diarynote.jp/201209191209186663/
▶︎過去の、ルーファス/チャカ・カーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200806121525370000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20081110
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110622
http://43142.diarynote.jp/201201131546344144/
http://43142.diarynote.jp/201409100929108025/
http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
http://43142.diarynote.jp/201605240832424514/
<今日の、桜情報>
ミッドタウン脇の坂道って、あんなに桜が咲く道であったのか。今日初めて知る。ピンク色のライティングは少し品がないが、人が集まるのはよく分かる。パーカーJr.もその道にかかる歩道橋に立つ自分を中心に360度風景を舐めた映像をトゥイッターにあげている。なお、今年限定でいうなら、東京の桜の穴場的絶景ポイントは世田谷区池尻4丁目の目黒川を埋めたてたせせらぎ緑歩道(246を挟む目黒区側は、桜名所として超知られますね)、この秋に移転営業開始となる東邦病院医療センターの前。そこに咲く桜には強力なライトが夜中でも当てられているのだが、それを見上げるのではなく、人工の小川を覗き込むと。。。。水面に映る光を浴びた桜がガラス越しに下に延々と広がるように見え、その見え方がなんとも神秘的にして、息を飲ませる。吸い込まれそうになる。あえて言えば、広大な鍾乳洞とかダイビングで得る感興と繋がる? 来年は病室があるので夜のライト投射はなくなると思われ、その暗くなってからの絶景はおそらく今シーズン限り。その深淵な水面下に広がる桜地下空間、とにもかくにも凄すぎます。
小曽根真 meets “FREE SPIRIT”
2018年3月29日 音楽 1961年日本生まれであるピアニストの小曽根真(2011年3月28日、2011年8月6日、2012年8月24日、2012年9月8日、2013年8月1日、2013年10月26日、2014年9月7日、2015年9月5日、2016年9月3日、2017年9月12日)の今回のブルーノート東京の出演は、1945年ノルウェー生まれのベーシストのアリルド・アンデルセン、1967年スコットランド生まれのテナー・サックス奏者であるトニー・スミス、1954年イタリア生まれであるドラムのパオロ・ヴィナッチャという欧州人3者とタッグするもの。アンデルセンは20作ほどECMからリーダー作を出している有名人だが、スミスもヴィナッチャも彼のグループ作に関与している。特に、『Live at Belleville』(2008年)や『Mira』(2014年)とかはまさにアンデルセン/スミス/ヴィナッチャ連名のECM発トリオ盤で、その3人による通常の小曽根の志向よりも重めかつ静謐性の高い音楽単位に、今回彼が加わったという説明もできるか。初日のファースト・ショウを見た。
小曽根のMCによれば、スミスと長い知り合いだったためもあり、2年前の海外ジャズ・フェスで4人で一緒に2曲やる機会を持ったのだという。それが縁でアンデルセンが昨年ノルウェーに小曽根を招待し、そのお返しに小曽根が今回のブルーノート東京公演を企画したようだ。小曽根当人も、「僕がこれまで関わってこなかったジャズ」とかいった言い方で、アンデルセン/スミス/ヴィナッチャの音楽性を説明。今回のライヴが自分にとっても聞き手にとっても。フレッシュなものであることを強調する。
曲はどうするのかなあと思ったら、主にアンデルセンのものをやったよう。そこからも、アンデルセン/スミス/ヴィナッチャが積み上げてきた流儀に小曽根が好奇心とともに入っていくという方策が取られたことが分かる。少し”お客さん”のところもなくはなかったが、通常の小曽根の指さばきやタイム感とは異なるものが繰り出されて、とても興味深かった。これ、明日のセカンド・ショウだと、もっとこなれてかなり鮮烈なかみ合いを見せるのではないかとぼくには思えた。なお、ステージ上には通常のスタンウェイではなく、ヤマハのピアノが鎮座。彼、ヤマハ契約者なのだろうか。ファースト・ショウが終わると、調律師が出てきてチューニングを始めた。
アルバムで認知していたが、アンデルセンはエフェクターをかけたコントラバス音色を用いる。曲によってその深さは違っていたが、真面目そうな老人がそれをやるとなんか意味があることのように思えてくるか? ある曲では完全にフレットレスのエレクトリック・ベースの音でしょうという音色を採用したときもあったし、ある曲のソロ・パートでは弓弾き音をサンプリングし、そこに指弾き音を重ねた。
スミスのテナー・サックスの音色は風情ありで、生理的に鮮烈。やはり実力者だなあと、すぐに痛感させられる。1曲、素朴な尺八演奏もソロで披露。突然もらったものの説明書が日本語だったので、完全独学でマスターしたそうな。彼が吹いていたそれは、我々がイメージするものよりも小さめ。ECM盤で吹いている曲もあるが、それはこの“小尺八”の音なのだろう。
実はアンデルセン/スミス/ヴィナッチャの演奏はなんかロックぽいところもあると思えたりもしたが、それはザ・ローリング・ストーンズの舌マークのTシャツを着ていたヴィナッチャに負うところがあったか。キック・ドラムを多用せず、ジャズ流儀で叩いてはいるのだが。すべてマッチド・グリップでで叩くタム音やシンバル音の手数の多さとともに、なんかそれは濁りの感覚も持ち、そんな彼の演奏は、なんか“ジャズ界のジョン・ボーナム(cf.レッド・ツェッペリン)”と言いたくなるところがあった。
ミュージシャン同士の素の付き合いから生まれ、続いているこのカルテット、レコーディングするのももアリじゃない?
▶︎過去の、小曽根真
http://43142.diarynote.jp/?day=20110328
http://43142.diarynote.jp/?day=20110806
http://43142.diarynote.jp/?day=20120824
http://43142.diarynote.jp/?day=20120908
http://43142.diarynote.jp/?day=20130801
http://43142.diarynote.jp/201310280755386500/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201509211331298145/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160903
http://43142.diarynote.jp/201709130923483891/
<ここのところの、景色の変化>
トヨタのその名も“ジャパン・タクシー”が道路を走る姿を見る機会がどんどん増えている。ここのところの、増え方はすごいな。ぼくは今年頭に偶然その車両に乗って、タクシーの運転手さんから説明を受けて、“ジャパン・タクシー”をちゃんと認知するようになった。かつてのロンドンのタクシーを小さく、静かにした感じの外内観は興味深かった。1.5Lエンジン、5ナンバーで、ベースとなるのは、小型ミニヴァン車のシエンタ。ま、少しレトロな見え方はほのぼの感を引き出すし、通常のタクシー車両よりは開放感があって好ましい。トヨタの営業力もあり、オリンピック開催に向けて東京では今後より走るようになるだろう。しかし、日本のタクシー車両といえば、ロンドンやニューヨークの公式タクシー車に採用された(あれ、ロンドンのほうは頓挫したんだっけ?)日産のNV200系列車が思い浮かぶ。ぼくは、まだNV200タクシーには乗ったことがないが、普通のミニヴァンぽさにがっかりしちゃうのかな? ホンダ、いすゞ、ニッサン、三菱などいろんな国産メイカーの車にも乗ってきているが、トヨタは自民党みたいな感じがして過去所有したことが、ぼくはない。
小曽根のMCによれば、スミスと長い知り合いだったためもあり、2年前の海外ジャズ・フェスで4人で一緒に2曲やる機会を持ったのだという。それが縁でアンデルセンが昨年ノルウェーに小曽根を招待し、そのお返しに小曽根が今回のブルーノート東京公演を企画したようだ。小曽根当人も、「僕がこれまで関わってこなかったジャズ」とかいった言い方で、アンデルセン/スミス/ヴィナッチャの音楽性を説明。今回のライヴが自分にとっても聞き手にとっても。フレッシュなものであることを強調する。
曲はどうするのかなあと思ったら、主にアンデルセンのものをやったよう。そこからも、アンデルセン/スミス/ヴィナッチャが積み上げてきた流儀に小曽根が好奇心とともに入っていくという方策が取られたことが分かる。少し”お客さん”のところもなくはなかったが、通常の小曽根の指さばきやタイム感とは異なるものが繰り出されて、とても興味深かった。これ、明日のセカンド・ショウだと、もっとこなれてかなり鮮烈なかみ合いを見せるのではないかとぼくには思えた。なお、ステージ上には通常のスタンウェイではなく、ヤマハのピアノが鎮座。彼、ヤマハ契約者なのだろうか。ファースト・ショウが終わると、調律師が出てきてチューニングを始めた。
アルバムで認知していたが、アンデルセンはエフェクターをかけたコントラバス音色を用いる。曲によってその深さは違っていたが、真面目そうな老人がそれをやるとなんか意味があることのように思えてくるか? ある曲では完全にフレットレスのエレクトリック・ベースの音でしょうという音色を採用したときもあったし、ある曲のソロ・パートでは弓弾き音をサンプリングし、そこに指弾き音を重ねた。
スミスのテナー・サックスの音色は風情ありで、生理的に鮮烈。やはり実力者だなあと、すぐに痛感させられる。1曲、素朴な尺八演奏もソロで披露。突然もらったものの説明書が日本語だったので、完全独学でマスターしたそうな。彼が吹いていたそれは、我々がイメージするものよりも小さめ。ECM盤で吹いている曲もあるが、それはこの“小尺八”の音なのだろう。
実はアンデルセン/スミス/ヴィナッチャの演奏はなんかロックぽいところもあると思えたりもしたが、それはザ・ローリング・ストーンズの舌マークのTシャツを着ていたヴィナッチャに負うところがあったか。キック・ドラムを多用せず、ジャズ流儀で叩いてはいるのだが。すべてマッチド・グリップでで叩くタム音やシンバル音の手数の多さとともに、なんかそれは濁りの感覚も持ち、そんな彼の演奏は、なんか“ジャズ界のジョン・ボーナム(cf.レッド・ツェッペリン)”と言いたくなるところがあった。
ミュージシャン同士の素の付き合いから生まれ、続いているこのカルテット、レコーディングするのももアリじゃない?
▶︎過去の、小曽根真
http://43142.diarynote.jp/?day=20110328
http://43142.diarynote.jp/?day=20110806
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http://43142.diarynote.jp/201310280755386500/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201509211331298145/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160903
http://43142.diarynote.jp/201709130923483891/
<ここのところの、景色の変化>
トヨタのその名も“ジャパン・タクシー”が道路を走る姿を見る機会がどんどん増えている。ここのところの、増え方はすごいな。ぼくは今年頭に偶然その車両に乗って、タクシーの運転手さんから説明を受けて、“ジャパン・タクシー”をちゃんと認知するようになった。かつてのロンドンのタクシーを小さく、静かにした感じの外内観は興味深かった。1.5Lエンジン、5ナンバーで、ベースとなるのは、小型ミニヴァン車のシエンタ。ま、少しレトロな見え方はほのぼの感を引き出すし、通常のタクシー車両よりは開放感があって好ましい。トヨタの営業力もあり、オリンピック開催に向けて東京では今後より走るようになるだろう。しかし、日本のタクシー車両といえば、ロンドンやニューヨークの公式タクシー車に採用された(あれ、ロンドンのほうは頓挫したんだっけ?)日産のNV200系列車が思い浮かぶ。ぼくは、まだNV200タクシーには乗ったことがないが、普通のミニヴァンぽさにがっかりしちゃうのかな? ホンダ、いすゞ、ニッサン、三菱などいろんな国産メイカーの車にも乗ってきているが、トヨタは自民党みたいな感じがして過去所有したことが、ぼくはない。