昼下がり、子供を扱った映画を2本見てダウナーな気持ちになり、夜はライヴを2本見てアッパーな気持ちになる。そいういやあ、家を出るときはどんよりしていていつ雨が降ってきてもおかしくないという空模様であったが、一つ目の試写室を出たら陽光燦々となっていて驚いた。
東銀座(駅地下直結の歌舞伎座ショップ街があった。ちょい歩いたら、ぼくにとっては興味の持てないものばかり。歌舞伎を見たのはここの歌舞伎座で一回、シアター・コクーンで一回の2度ほど)・松竹試写室で見たのは、クラウド・ファウンディングで作られたという2016年フランス映画「子供が教えてくれたこと」。5人の一筋縄ではいかない病気を患っている子供達の姿/発言を追ったドキュメンタリーで、監督は女性ジャーナリストのアンヌ・ドフィーヌ・ジュリアン。自ら難病を患った子供たちを持ち、亡くなってしまった長男との日々を綴った本は『濡れた砂の上の小さな足跡』というタイトルで講談社から刊行されているという。
日々の治療と隣り合わせで、活動が制限されるところも持つ子供たちはけっこう快活で、発言もなかなかに前向き。それらが導く、正の所感が映画の主題となる。だが、遊ぶことも、学校に行くこともままならないもっと重篤な病状を抱えた子供たちもいるだろうということも映画を見ながらぼくは感じてしまい……。実は、確か小学低学年のころ大きな病院にお見舞いに母親に連れて行かれたことがあり、そこには小児病棟(といか、病室かな?)もあって母親から説明を受け、もし自分がそんな境遇になったらと思ったらどよーんと塞ぎこみまくってしまい、親が慌てたことがあったのを思い出した。オレはメンタルが弱い。そういえば、障害を持つ子供たちを持つ知人がいるのだが、子供のために戦うこともあったはずの彼はいつも飄々柔和であり、音楽や映画好きでその興味も持ち続けている。ぼくは、そんな彼を本当に尊敬しちゃうな。
原題は、「Et Les Mistrals Gagnants」。これは、同国の大物シンガー・ソングライターのルノーの1985年曲「Mistrals Gagnant」を監督のジュリアンが企画当初からよく口ずさんでいたことから、引用されたという。古いキャンディの商標を借りて幼少時代の思い出を綴った、娘のために書かれたその曲は劇中にも登場する。また、エンドロールでは、英国のダヴズの2002年淡々曲「ゼア・ゴーズ・ザ・フィアー」が流される。
次は六本木・アスミックエース試写室で、2017年アメリカ映画「フロリダ・プロジェクト」を見る。その表題にあるようにフロリダ州オーランドを舞台に置くもので、<真夏の魔法>という副題がつけられている。
監督のショーン・ベイカーは2015年デビュー作「タンジェリン」を制作費節約のため全編Iフォンで撮影して注目を浴びた人のようだが、この新作は通常の35ミリにて撮っている。陽光の場所たるフロリダの色彩感豊かな感じのもと始まる映画で初っぱなから流されるのは、クール&ザ・ギャング(2014年12月26日、2016年2月23日)のパーティ曲「セレブレーション」。おお、アガる。これは満たされた感覚に貫かれた映画なのかとそのときは思いきや。いやあ、米国の底辺暗部があっけらかんと描かれていて、見事に凹みました。
夏休みにある子供達の様々な所作(みんな、セリフ回しがうまいねえ)を介するのでどこかほのぼのとしている部分はあるのだが、合衆国の光と影をひたひたと描いていて(ディズニー・ワールドの近くが舞台というのは要点)、なんかいたたまれない気持ちになる。主人公の母親の行状の悪さの描写もすごいな。いくら、ドナルド・トランプが長をやっている国とはいえ。でも、逆にいえば、巧みに作られた映画なんだと思う。最後のファンタジー、も少し効果的な描き方があったような、、、。
▶過去の、クール&ザ・ギャング/J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/200611281428510000/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201412291146465218/
http://43142.diarynote.jp/201508051544452721/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201602290953239524/
喉を潤して気持ちを整え直し、代官山・晴れたら空に豆まいて に行く。出演者は旧ベルギー領であるコンゴ民主共和国出身で、現在はベルギーを拠点に活動しているラッパーであるバロジ。ドラマーとギター奏者が演奏するなか、ドラゴン・アッシュのダンサーであるATSUSHIがゆったり目で身体を動かす(彼はこののちも数曲で一緒にやる)。そして、2曲目からグレイのストライプのスーツを身につけたバロジが登場。痩身かつ長身で、一瞥しただけで格好いいと頷く。すると、ドラマーは横に出てきて、PCの音出しとバックグラウンド・コーラスを担当。少し太り目で年配のギタリストはデジタル・ビートに合わせて悠々と彼の地を想起させる“転がる”ギター演奏を見せる。そのディジー・マンジェクはなんと1950年代から活動するフランコ率いる旧コンゴの著名バンドOKジャズのギタリストなのだとか。そりゃ弾けて当然、耳を引いて当たり前なはずだよな。椅子に座って演奏していた彼は終盤、前に出てきてギターを首の後ろに回して弾いたりもした。
サウンドは乱暴に言ってしまえば、ヒップホップのビートとアフリカの美味しい諸要素を重ねた感じ。そして、バロジは快活かつエネルギッシュに、通るでかい声をビートに乗せる。いいそお。文句なし。3人とも同じ柄のスーツ+の衣装を着ていたが、するとそれらはオーダー・メイドであるのか。面々は24日(土)16時半に、飯田橋・アンスティチュ・フランセで野外フリー・ライヴを行う。しかも、なんとその際は後から来日するバンド員が増えるというのだから! ちなみに、彼らの前には2日前に書いているアリオーズもそこに出演する。
そして、この日はこれでおしまいなはずであったが、2ショウかと思ったバロジの実演が1ショウであったので、もう一つライヴが回れるということとなり、明日見ようと思っていたザ・ニュー・パワー・ジェネレーションをこの後に見ちゃう。いやあ、アゲアゲになった気分でプリンス(2002年11月19日)曲に触れたくなっちゃったんだよー。
というわけで、六本木・ビルボードライブ東京。プリンスの1990年代初期のグループ名のもと、御大の曲をやりますよという集団が昨年に続いてやってきた。そしたら、構成員は全とっかえ。ホーン・セクションがゼロになったのはとても残念だが、今回のほうがプリンスのレコーディングに関与した人は多いか。
2007年作『プラネット・アース』に入っているキーボードのモーリス・ヘイズ、1990年代のいろんなアルバムで叩いているドラマーの カーク・ジョンソン 、1990年代初期作に名があるシンガー(少しギターも)のトニー・Mと歌と打楽器パッドのデイモン・ディックソン、リーダーとして活動しつつグラハム・セントラル・ステイション(2009年9月29日、2010年9月9日、2012年11月24日、2014年5月4日、2014年5月5日、2015年11月11日)の2012年作で歌ったテイマー・デイヴィスらは、プリンス流れ。さらに、ミント・コンディション(2006年6月25日、2008年7月26日、2009年7月10日)のギタリストのホーマー・オデール、イブツ感たっぷりの個性派ベーシストのモノニオン(2017年9月1日。左利き用4弦ベースを逆さに構える。エフェクターは3つほどつないていたが、太い音を出すことに終始。遅めのフレイズはサム・ピック弾きもしていた )、そしてエミネム表現他に関わりリーダー作も複数出しているシンガー(ときにキーボード)のキップ・ブラックシャイア。実は、リード・ヴォーカルはブラックシャイアが取る曲が一番多く、彼がリーダーのように思えるかも。
よりR&B濃度を高めたプリンス曲がいろいろと送り出される。骨の太そうな人が多い出演者の様を見て、ザ・レヴォルーションズを組んでいた80年代は、骨格/佇まい的にもロッキッシュであったのだと今更ながら痛感。ファンク/R&Bとロック、どっちが男で女かというのはともかく、そういう文脈でプリンスの表現はユニセックスというか、両性具有であったのだとも思った。
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632/
http://43142.diarynote.jp/201405071010101908/
http://43142.diarynote.jp/201405071013173150/
http://43142.diarynote.jp/201511120722274234/
▶︎過去の、ミント・コンディション
http://43142.diarynote.jp/200606270004200000/
http://43142.diarynote.jp/200807281305320000/
http://43142.diarynote.jp/200907131202486925/
▶︎過去の、モノニオン
http://43142.diarynote.jp/201709071307037021/
<今日の、戸惑い>
移動が多かったのでいろいろと電車に乗ったが、昼間の日比谷線内。座っていたぼくの前に立った女性が社員証をつけたままで、名前や会社名がもろ分かり。けっこう綺麗な人だったが、いつも無頓着にそうしているのか、このときはたまたま外し忘れたのか? 不意に個人情報を目にしてしまい、目をそらす。きほん乱暴だったり不埒なことを自認しているので、なにげにぼくは紳士ぶる。
東銀座(駅地下直結の歌舞伎座ショップ街があった。ちょい歩いたら、ぼくにとっては興味の持てないものばかり。歌舞伎を見たのはここの歌舞伎座で一回、シアター・コクーンで一回の2度ほど)・松竹試写室で見たのは、クラウド・ファウンディングで作られたという2016年フランス映画「子供が教えてくれたこと」。5人の一筋縄ではいかない病気を患っている子供達の姿/発言を追ったドキュメンタリーで、監督は女性ジャーナリストのアンヌ・ドフィーヌ・ジュリアン。自ら難病を患った子供たちを持ち、亡くなってしまった長男との日々を綴った本は『濡れた砂の上の小さな足跡』というタイトルで講談社から刊行されているという。
日々の治療と隣り合わせで、活動が制限されるところも持つ子供たちはけっこう快活で、発言もなかなかに前向き。それらが導く、正の所感が映画の主題となる。だが、遊ぶことも、学校に行くこともままならないもっと重篤な病状を抱えた子供たちもいるだろうということも映画を見ながらぼくは感じてしまい……。実は、確か小学低学年のころ大きな病院にお見舞いに母親に連れて行かれたことがあり、そこには小児病棟(といか、病室かな?)もあって母親から説明を受け、もし自分がそんな境遇になったらと思ったらどよーんと塞ぎこみまくってしまい、親が慌てたことがあったのを思い出した。オレはメンタルが弱い。そういえば、障害を持つ子供たちを持つ知人がいるのだが、子供のために戦うこともあったはずの彼はいつも飄々柔和であり、音楽や映画好きでその興味も持ち続けている。ぼくは、そんな彼を本当に尊敬しちゃうな。
原題は、「Et Les Mistrals Gagnants」。これは、同国の大物シンガー・ソングライターのルノーの1985年曲「Mistrals Gagnant」を監督のジュリアンが企画当初からよく口ずさんでいたことから、引用されたという。古いキャンディの商標を借りて幼少時代の思い出を綴った、娘のために書かれたその曲は劇中にも登場する。また、エンドロールでは、英国のダヴズの2002年淡々曲「ゼア・ゴーズ・ザ・フィアー」が流される。
次は六本木・アスミックエース試写室で、2017年アメリカ映画「フロリダ・プロジェクト」を見る。その表題にあるようにフロリダ州オーランドを舞台に置くもので、<真夏の魔法>という副題がつけられている。
監督のショーン・ベイカーは2015年デビュー作「タンジェリン」を制作費節約のため全編Iフォンで撮影して注目を浴びた人のようだが、この新作は通常の35ミリにて撮っている。陽光の場所たるフロリダの色彩感豊かな感じのもと始まる映画で初っぱなから流されるのは、クール&ザ・ギャング(2014年12月26日、2016年2月23日)のパーティ曲「セレブレーション」。おお、アガる。これは満たされた感覚に貫かれた映画なのかとそのときは思いきや。いやあ、米国の底辺暗部があっけらかんと描かれていて、見事に凹みました。
夏休みにある子供達の様々な所作(みんな、セリフ回しがうまいねえ)を介するのでどこかほのぼのとしている部分はあるのだが、合衆国の光と影をひたひたと描いていて(ディズニー・ワールドの近くが舞台というのは要点)、なんかいたたまれない気持ちになる。主人公の母親の行状の悪さの描写もすごいな。いくら、ドナルド・トランプが長をやっている国とはいえ。でも、逆にいえば、巧みに作られた映画なんだと思う。最後のファンタジー、も少し効果的な描き方があったような、、、。
▶過去の、クール&ザ・ギャング/J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/200611281428510000/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201412291146465218/
http://43142.diarynote.jp/201508051544452721/ J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/201602290953239524/
喉を潤して気持ちを整え直し、代官山・晴れたら空に豆まいて に行く。出演者は旧ベルギー領であるコンゴ民主共和国出身で、現在はベルギーを拠点に活動しているラッパーであるバロジ。ドラマーとギター奏者が演奏するなか、ドラゴン・アッシュのダンサーであるATSUSHIがゆったり目で身体を動かす(彼はこののちも数曲で一緒にやる)。そして、2曲目からグレイのストライプのスーツを身につけたバロジが登場。痩身かつ長身で、一瞥しただけで格好いいと頷く。すると、ドラマーは横に出てきて、PCの音出しとバックグラウンド・コーラスを担当。少し太り目で年配のギタリストはデジタル・ビートに合わせて悠々と彼の地を想起させる“転がる”ギター演奏を見せる。そのディジー・マンジェクはなんと1950年代から活動するフランコ率いる旧コンゴの著名バンドOKジャズのギタリストなのだとか。そりゃ弾けて当然、耳を引いて当たり前なはずだよな。椅子に座って演奏していた彼は終盤、前に出てきてギターを首の後ろに回して弾いたりもした。
サウンドは乱暴に言ってしまえば、ヒップホップのビートとアフリカの美味しい諸要素を重ねた感じ。そして、バロジは快活かつエネルギッシュに、通るでかい声をビートに乗せる。いいそお。文句なし。3人とも同じ柄のスーツ+の衣装を着ていたが、するとそれらはオーダー・メイドであるのか。面々は24日(土)16時半に、飯田橋・アンスティチュ・フランセで野外フリー・ライヴを行う。しかも、なんとその際は後から来日するバンド員が増えるというのだから! ちなみに、彼らの前には2日前に書いているアリオーズもそこに出演する。
そして、この日はこれでおしまいなはずであったが、2ショウかと思ったバロジの実演が1ショウであったので、もう一つライヴが回れるということとなり、明日見ようと思っていたザ・ニュー・パワー・ジェネレーションをこの後に見ちゃう。いやあ、アゲアゲになった気分でプリンス(2002年11月19日)曲に触れたくなっちゃったんだよー。
というわけで、六本木・ビルボードライブ東京。プリンスの1990年代初期のグループ名のもと、御大の曲をやりますよという集団が昨年に続いてやってきた。そしたら、構成員は全とっかえ。ホーン・セクションがゼロになったのはとても残念だが、今回のほうがプリンスのレコーディングに関与した人は多いか。
2007年作『プラネット・アース』に入っているキーボードのモーリス・ヘイズ、1990年代のいろんなアルバムで叩いているドラマーの カーク・ジョンソン 、1990年代初期作に名があるシンガー(少しギターも)のトニー・Mと歌と打楽器パッドのデイモン・ディックソン、リーダーとして活動しつつグラハム・セントラル・ステイション(2009年9月29日、2010年9月9日、2012年11月24日、2014年5月4日、2014年5月5日、2015年11月11日)の2012年作で歌ったテイマー・デイヴィスらは、プリンス流れ。さらに、ミント・コンディション(2006年6月25日、2008年7月26日、2009年7月10日)のギタリストのホーマー・オデール、イブツ感たっぷりの個性派ベーシストのモノニオン(2017年9月1日。左利き用4弦ベースを逆さに構える。エフェクターは3つほどつないていたが、太い音を出すことに終始。遅めのフレイズはサム・ピック弾きもしていた )、そしてエミネム表現他に関わりリーダー作も複数出しているシンガー(ときにキーボード)のキップ・ブラックシャイア。実は、リード・ヴォーカルはブラックシャイアが取る曲が一番多く、彼がリーダーのように思えるかも。
よりR&B濃度を高めたプリンス曲がいろいろと送り出される。骨の太そうな人が多い出演者の様を見て、ザ・レヴォルーションズを組んでいた80年代は、骨格/佇まい的にもロッキッシュであったのだと今更ながら痛感。ファンク/R&Bとロック、どっちが男で女かというのはともかく、そういう文脈でプリンスの表現はユニセックスというか、両性具有であったのだとも思った。
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
▶過去の、ラリー・グラハム
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201009171755535759/
http://43142.diarynote.jp/201211261639115632/
http://43142.diarynote.jp/201405071010101908/
http://43142.diarynote.jp/201405071013173150/
http://43142.diarynote.jp/201511120722274234/
▶︎過去の、ミント・コンディション
http://43142.diarynote.jp/200606270004200000/
http://43142.diarynote.jp/200807281305320000/
http://43142.diarynote.jp/200907131202486925/
▶︎過去の、モノニオン
http://43142.diarynote.jp/201709071307037021/
<今日の、戸惑い>
移動が多かったのでいろいろと電車に乗ったが、昼間の日比谷線内。座っていたぼくの前に立った女性が社員証をつけたままで、名前や会社名がもろ分かり。けっこう綺麗な人だったが、いつも無頓着にそうしているのか、このときはたまたま外し忘れたのか? 不意に個人情報を目にしてしまい、目をそらす。きほん乱暴だったり不埒なことを自認しているので、なにげにぼくは紳士ぶる。