ミーカ。ジョン・スコフィールド”ウーバージャム”
2015年5月26日 音楽 まず、ミーカ(2009年11月30日、2013年5月14日)を大バコ、新木場・スタジオコーストで見る。3年ぶりに6月に出る新作『ノー・プレイス・イン・ヘヴン』をフォロウするもので、当然その収録曲もやった。ソールド・アウトの公演。駅前に“チケット売ってください”と書いた紙片を持つ女性がいたり、会場までの道にダフ屋が何人も感じ悪くいたり。おお、久しぶりにそういうの見るなー。
今回の来日ステージは、メルヘン調のステージ美術が施されていると言えるか。今回のバンドは、キーボード(一部、アルト・サックス)、ギター、ベース、ドラム、パーカッション。なかなか整備されたバンドで、PC音なしで、ちゃんとまとまった音を送り出す。コーラスもドラマー以外楽しげにとり、それもなかなかよろしい。
バンド中唯一のアフリカ系であるパーカッション奏者はドラム・セットのバスドラを抜いたような感じのセッティングで、演奏もラテンやアフリカぽいアクセントは出さず。ようは、ツイン・ドラム的編成と言える。過剰にグルーヴを強調する音楽性ではないのに、これはいかに……。おまけに一部では、ギター奏者がパーカッション・パッドを、ベーシストがカウベルを叩いたりもした。ようは、プリセット音を使わずに、打ち込み的なカチっとした音を生で作り上げるために、こういう編成を取ったのダと、ぼくは理解した。
少しグランド・ピアノも弾いた(蓋をしていた、その上に、何度も乗った)ミーカは歌がちゃんとしている。客に対する働きかけもうまい。そして、その総体はとっても満たされた、メロディアスなポップ表現象を作り上げるわけで、かなり質の高いパフォーマーであると強く思わせる。って、それは前からか。
英国拠点ながら、レバノン生まれ(米国人とレバノン人のミックス)のフランス育ち。それゆえ、彼はときに仏語歌詞の自作曲を歌ったりもするが、仏語曲「ボム・ボム・ボム」では、その始まりのとき、彼はスウィング・ジャズのスタンダード「ムーンライト・セレナーデ」の1フレーズを弾いた。お洒落、だな。とともに、奥にかかえるものはいろいろ豊かとも思えた。
▶過去の、ミーカ
http://43142.diarynote.jp/200912010907317850/
http://43142.diarynote.jp/201305151702063100/
そして、丸の内・コントンクラブに移動して、ジョン・スコフィールド(1999年5月11日、2001年1月11日、2002年1月24日、2004年3月11日、2006年3月1日、2007年5月10日、2008年10月8日、2009年9月5日、2012年10月10日、2013年10月21日)のライヴを見る。セカンド・ショウ。ブルーノート東京公演3日間公演に先立つもので、フル・ハウス。で、今回、彼はピックを使わずにギターを弾いているときっちり確認。そうであるからこその、音質やフレイズは見事すぎるほど溢れ出ているわけで、ぼくはピックを使わずにエレクトリック・ギターを弾く人が好きだと、ちゃんと認識した。
前回と同じく、“ウーバージャム”編成。PCとサイド・ギターのアヴィ・ボートニック(2001年1月11日、2002年1月24日、2004年3月11日、2013年10月21日)、ベースのアンディ・ヘス(2012年7月28日、2012年11月12日、2013年10月21日)、ドラムのルイス・ケイトー(2010年9月3日、2011年11月22日、2013年9月3日、2013年10月21日)という陣容。前回公演の原稿で、ぼくは彼らのPC音併用サウンドに異議を呈しているが、なんと今回はもっとPC音が幅を効かせるなか、アンコール2曲を含めて、100分演奏した。最後は、観客が自然発生的に、スタンディング・オヴェイション。
結局、今のウーバージャム・バンド第二期の臍はボートニック(1963年イスラエル生まれ、米国育ち。年齢よりは若く見える)。彼の手腕をがっちり用いたなかで、スコフィールドのギター・ソロを奔放に歌わせんとするものであることを、強く印象づける。ぼくはと言えば、今回もまたチっと感じるところはあったものの、前よりはもっと生音がPC経由音と対峙するところがあって、まあアリかと思える部分は多かったか。たとえば、ルイス・ケイトーのドラミングはプリセットのビートが横にあるからこその、相乗ドラミングを聞かせる瞬間がいろいろあったもの。PC音なんてしゃらくせえといった感じで4弦の電気ベースでぐつぐつと行く、アンディ・ハスの持ち味はやはり好み。このリズム隊の音を聞いていて、このままリトル・フィート(2000年12月8日、2012年5月22日)曲に移行しても意義なしという場面もぼくは受けた。やはり、ハスはロック側にいる人かな。
前回ショウの原稿で、「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」(ジョニー・ナッシュ作曲。ジミー・クリフ〜2004年9月5日、2006年8月19日、2013年3月6日、2014年5月21日、2015年4月16日〜のヴァージョンで良く知られる有名曲)と記したレゲエ・ビートの曲は、「ダブ・ダブ」という名で、スコフォールドの曲としてクレジッされているものだった。それ、まずいんじゃない? そこらあたり、ジャズ・マン的鷹揚さが出ていると書けなくはない。かつて、アリ曲のコード進行に従い自分なりにメロディを吹いた場合、別曲名で出版登録がされたりも確かにしていた。そして、スコもこれぐらい崩せば自作申請OKと思ったのかもれないが、ぼくの耳には曲構成/流れも同じだし、「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」の崩し展開とか聞こえない。ゆえに、サンプリンング使用の際の作者クレジットのように、ナッシュとスコの連名クレジットにすべきと思う。スコはザ・ポインター・シスターズの「イエス・ウィ・キャン・キャン」(アラン・トゥーサン〜2006年5月31日、2006年6月1日、2007年10月21日、2009年5月29日、2011年1月10日、2012年10月15日、2013年10月22日、2015年1月21日〜作)をもろに咀嚼したものを「スリー・シスターズ」という曲名(当時のポインターズは3人ではなく、まだ姉妹4人でやっていたんだけどね)で確信犯的にオリジナル登録している御仁……。うーぬ、同じことを今ヒット・チャート上位に入る人気ポッパーがやったら問題になると思う。サンプリング作法の横溢ととももに、かつては無法だった旧曲引用も、逆に今は厳しく取られるようになっている。と、それはともかく、「ダブ・ダブ」のケイトーのドラミングには、ダブ効果がかまされたりもした。スコがMCでエンジニアの名前も紹介したので、今回は卓いじりの人をちゃんと連れて来たよう。それ、有意義に働いていたと思う。
ちょっとした間やスコのフレイズに、イエイっとか共感の声を口に出したくなる場面は随時。本編最後は、前回もやったブルース曲「アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター」。その際、ケイトーはドラムを叩きながら歌う。コクはないが、朗々とした歌声で、ニコリとなれる。それ、なんかスティーヴィー・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012年3月5日)の「迷信」に続けてェと言いたくなる持ち味を持っていた。
スコフィールドは本当にボートニックを信頼しているのが分るが、やはりぼくは好きじゃない。無名の彼を自分のプロジェクトに入れたのは2000年だから、断続的ながらもう15年も彼らははツルんでいる。共作曲もいろいろあり、世界で初めて披露すると言ってやった新曲も2人の共作と言っていた。だけど、ぼくにとっては、やはりボートニックはステージ上にいる分には好ましくない人。前のように裏方っぽくいればいいのに、今はPC音とサイド・ギターで本当に出張る。ギタリストとして、リズム隊が5のレヴェルでやっているとしたら、彼は2としか、ぼくには思えない。先に触れた「アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター」の最後で、スコはボートニックの2のレヴェルに落としたノリでシングル・トーンのギター音の決まりきったかけあい(実は、同様のことを前回公演のときも、この曲でやった)を2人でする。噴飯もの……。
馬鹿をお言いでない、なぜそんな人をスコフィールドは重用しているのかと反駁されそうだが、それはギターの刻み音は欲しいところだが、わざわざ奏者を雇うのはナンだなあということでしょう? それに、スコはジャズ様式の煮詰まり、また自分の行き方にもずっとマンネリの危機感を持っているんだと思う。それを自覚するからこそ、彼は新しい様式や曲を求め、ボートニックは敏感に察知してそれに存分に応えてくれるので、とっても大切にしている……。さらに推測するなら、かつてマウス・オン・マーズ(2000年2月8日)が大好きだったスコは電気音下敷きの表現を欲するところもあり、それを実現に導くボートニックに多大な恩義を感じている。だから、ライヴでも笑顔で彼を使っている、ということなのだと思う。
そう納得しつつも、ライヴを見ながら、ボートニックのPCが壊れないかなあ、彼が弾くギターの弦が全部切れないかなあ(横に予備のギターをおいていたが、それも同様に)と願っていた。ぼく以外にも、そんな酷いことを思う人がいたことを望みたい。
▶過去の、ジョン・スコフィールド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live2.htm 5.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm 1.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm 1.24
http://43142.diarynote.jp/200403111821250000/
http://43142.diarynote.jp/200603011148430000/
http://43142.diarynote.jp/200705181809270000/
http://43142.diarynote.jp/200810111558046727/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090905
http://43142.diarynote.jp/201210111837516874/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
▶過去の、アヴィ・ボートニック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm 1.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm 1.24
http://43142.diarynote.jp/200403111821250000/
http://43142.diarynote.jp/201211170928285333/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
▶過去の、アンディ・ヘス
http://43142.diarynote.jp/201208091303253665/ スティーヴ・キモック・バンド
http://43142.diarynote.jp/201211170928285333/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
▶過去の、ルイス・ケイトー
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201111251251201578/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
▶過去の、リトル・フィート
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
▶過去の、ジミー・クリフ
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/200608201821080000/
http://43142.diarynote.jp/201303070815313472/
http://43142.diarynote.jp/201405230833199357/
http://43142.diarynote.jp/201504180959027600/
▶過去の、アラン・トゥーサン
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200710221206190000/
http://43142.diarynote.jp/200906051614524790/
http://43142.diarynote.jp/201101111202336229/
http://43142.diarynote.jp/201210201217291727/
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▶過去の、スティーヴィー・ワンダー
http://43142.diarynote.jp/200511130015240000/
http://43142.diarynote.jp/201008261618276388/
http://43142.diarynote.jp/201203062006429595/
▶過去の、マウス・オン・マーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm
<今日の、スコフォールドについて思ったこと>
ヴァイタルなビートに乗る、スコのギター・ソロはまこと絶好調。酩酊きぶんで、歌いまくり。もう、発汗しちゃうなあ。それを聞きながら、ぼくは彼の“不幸”(と書くと、語弊があるが)を感じたりもしてしまった。だって、今日の演奏を聞いて、彼の演奏はジェフ・ベック(2009年2月6日)のトリッキーさや飛翔感とエリック・クラプトン(2006年11月20日)の雄弁さやエモーションを兼ね備えたことをもっと流麗にできていると、感じてしまったから。そのおもしろさやすごさはロック・リスナーにも分るはずで、彼はコテコテに頭が禿げ上がる前に、一度きっちりロック界に討って出るべきではなかったか。それを妨げたのは、当初はジャズの世界で居場所を獲得することに真摯に邁進していたこと、1980年代半ばにグラマヴィジョンと契約して以降はジャズ界で支持をきっちり得てしまったことがあるかもしれない。スティング(2000年10月16日)の『ブルー・タートルの夢』(A&M、1985年)と同一のリズム・セクション(ダリル・ジョーンズ〜2003年3月13日、2003 年3月15日、2013年3月8日〜とオマー・ハキム〜2006年4月16日、2010年9月1日、2010年9月5日、2013年3月8日〜)を雇った『スティル・ウォーム』(グラマヴィジョン、1986年)のあたりが、ロック界進出に適した時期であったのかもしれない。今にして、思えば……。そこで、ふと頭に浮かんだのが、ウィルコのメンバーでもある、フリー・ジャズ系ギタリストで本田ユカ(2009年1月21日、2014年3月31日、2014年8月14日)の旦那でもあるネルス・クライン(2010年1月9日、2010年4月23日、2013年4月13日、2014年8月14日)。ぼくは、彼みたいにロック・バンドでも輝くスコフィールド(ひいては、ロック・リスナーから注視を浴びるスコ)の姿を見てみたかった! もし、彼がもっとロックの世界に行っていたら、まったく別な道が開け、彼の一時のジャム・バンド・ミュージック接近もなかったかもなあなぞとも思ってしまう。蛇足だが、この6月上旬に、ブルーノート東京で、クラインの自己グループ公演が2日間持たれる(アート・リンゼー〜1999年12月18日、2002年9月9日、2004年11月21日、2011年6月8日、2014年10月26日〜と同じ集客が期待されているのか!)のには驚いた。これは、快挙だな。
▶過去の、ジェフ・ベック
http://43142.diarynote.jp/200902080200527638/
▶過去の、エリック・クラプトン
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
▶過去の、スティング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm
▶過去の、ダリル・ジョーンズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm 13日、バーナード・ファウラー他のセッション。15日、ストーンズ
http://43142.diarynote.jp/201303110415585115/
▶過去の、オマー・ハキム
http://43142.diarynote.jp/200604141318090000/
http://43142.diarynote.jp/201009030955539620/
http://43142.diarynote.jp/201009171511588216/
http://43142.diarynote.jp/201303110415585115/
▶過去の、ネルス・クライン
http://43142.diarynote.jp/?day=20100109
http://43142.diarynote.jp/201004250658039897/
http://43142.diarynote.jp/201304150854159566/
http://43142.diarynote.jp/201408161131356136/
▶過去の、本田ユカ
http://43142.diarynote.jp/200901221504141906/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140331
http://43142.diarynote.jp/201408161131356136/
▶過去の、アート・リンゼイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
今回の来日ステージは、メルヘン調のステージ美術が施されていると言えるか。今回のバンドは、キーボード(一部、アルト・サックス)、ギター、ベース、ドラム、パーカッション。なかなか整備されたバンドで、PC音なしで、ちゃんとまとまった音を送り出す。コーラスもドラマー以外楽しげにとり、それもなかなかよろしい。
バンド中唯一のアフリカ系であるパーカッション奏者はドラム・セットのバスドラを抜いたような感じのセッティングで、演奏もラテンやアフリカぽいアクセントは出さず。ようは、ツイン・ドラム的編成と言える。過剰にグルーヴを強調する音楽性ではないのに、これはいかに……。おまけに一部では、ギター奏者がパーカッション・パッドを、ベーシストがカウベルを叩いたりもした。ようは、プリセット音を使わずに、打ち込み的なカチっとした音を生で作り上げるために、こういう編成を取ったのダと、ぼくは理解した。
少しグランド・ピアノも弾いた(蓋をしていた、その上に、何度も乗った)ミーカは歌がちゃんとしている。客に対する働きかけもうまい。そして、その総体はとっても満たされた、メロディアスなポップ表現象を作り上げるわけで、かなり質の高いパフォーマーであると強く思わせる。って、それは前からか。
英国拠点ながら、レバノン生まれ(米国人とレバノン人のミックス)のフランス育ち。それゆえ、彼はときに仏語歌詞の自作曲を歌ったりもするが、仏語曲「ボム・ボム・ボム」では、その始まりのとき、彼はスウィング・ジャズのスタンダード「ムーンライト・セレナーデ」の1フレーズを弾いた。お洒落、だな。とともに、奥にかかえるものはいろいろ豊かとも思えた。
▶過去の、ミーカ
http://43142.diarynote.jp/200912010907317850/
http://43142.diarynote.jp/201305151702063100/
そして、丸の内・コントンクラブに移動して、ジョン・スコフィールド(1999年5月11日、2001年1月11日、2002年1月24日、2004年3月11日、2006年3月1日、2007年5月10日、2008年10月8日、2009年9月5日、2012年10月10日、2013年10月21日)のライヴを見る。セカンド・ショウ。ブルーノート東京公演3日間公演に先立つもので、フル・ハウス。で、今回、彼はピックを使わずにギターを弾いているときっちり確認。そうであるからこその、音質やフレイズは見事すぎるほど溢れ出ているわけで、ぼくはピックを使わずにエレクトリック・ギターを弾く人が好きだと、ちゃんと認識した。
前回と同じく、“ウーバージャム”編成。PCとサイド・ギターのアヴィ・ボートニック(2001年1月11日、2002年1月24日、2004年3月11日、2013年10月21日)、ベースのアンディ・ヘス(2012年7月28日、2012年11月12日、2013年10月21日)、ドラムのルイス・ケイトー(2010年9月3日、2011年11月22日、2013年9月3日、2013年10月21日)という陣容。前回公演の原稿で、ぼくは彼らのPC音併用サウンドに異議を呈しているが、なんと今回はもっとPC音が幅を効かせるなか、アンコール2曲を含めて、100分演奏した。最後は、観客が自然発生的に、スタンディング・オヴェイション。
結局、今のウーバージャム・バンド第二期の臍はボートニック(1963年イスラエル生まれ、米国育ち。年齢よりは若く見える)。彼の手腕をがっちり用いたなかで、スコフィールドのギター・ソロを奔放に歌わせんとするものであることを、強く印象づける。ぼくはと言えば、今回もまたチっと感じるところはあったものの、前よりはもっと生音がPC経由音と対峙するところがあって、まあアリかと思える部分は多かったか。たとえば、ルイス・ケイトーのドラミングはプリセットのビートが横にあるからこその、相乗ドラミングを聞かせる瞬間がいろいろあったもの。PC音なんてしゃらくせえといった感じで4弦の電気ベースでぐつぐつと行く、アンディ・ハスの持ち味はやはり好み。このリズム隊の音を聞いていて、このままリトル・フィート(2000年12月8日、2012年5月22日)曲に移行しても意義なしという場面もぼくは受けた。やはり、ハスはロック側にいる人かな。
前回ショウの原稿で、「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」(ジョニー・ナッシュ作曲。ジミー・クリフ〜2004年9月5日、2006年8月19日、2013年3月6日、2014年5月21日、2015年4月16日〜のヴァージョンで良く知られる有名曲)と記したレゲエ・ビートの曲は、「ダブ・ダブ」という名で、スコフォールドの曲としてクレジッされているものだった。それ、まずいんじゃない? そこらあたり、ジャズ・マン的鷹揚さが出ていると書けなくはない。かつて、アリ曲のコード進行に従い自分なりにメロディを吹いた場合、別曲名で出版登録がされたりも確かにしていた。そして、スコもこれぐらい崩せば自作申請OKと思ったのかもれないが、ぼくの耳には曲構成/流れも同じだし、「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ」の崩し展開とか聞こえない。ゆえに、サンプリンング使用の際の作者クレジットのように、ナッシュとスコの連名クレジットにすべきと思う。スコはザ・ポインター・シスターズの「イエス・ウィ・キャン・キャン」(アラン・トゥーサン〜2006年5月31日、2006年6月1日、2007年10月21日、2009年5月29日、2011年1月10日、2012年10月15日、2013年10月22日、2015年1月21日〜作)をもろに咀嚼したものを「スリー・シスターズ」という曲名(当時のポインターズは3人ではなく、まだ姉妹4人でやっていたんだけどね)で確信犯的にオリジナル登録している御仁……。うーぬ、同じことを今ヒット・チャート上位に入る人気ポッパーがやったら問題になると思う。サンプリング作法の横溢ととももに、かつては無法だった旧曲引用も、逆に今は厳しく取られるようになっている。と、それはともかく、「ダブ・ダブ」のケイトーのドラミングには、ダブ効果がかまされたりもした。スコがMCでエンジニアの名前も紹介したので、今回は卓いじりの人をちゃんと連れて来たよう。それ、有意義に働いていたと思う。
ちょっとした間やスコのフレイズに、イエイっとか共感の声を口に出したくなる場面は随時。本編最後は、前回もやったブルース曲「アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター」。その際、ケイトーはドラムを叩きながら歌う。コクはないが、朗々とした歌声で、ニコリとなれる。それ、なんかスティーヴィー・ワンダー(2005年11月3日、2010年8月8日、2012年3月5日)の「迷信」に続けてェと言いたくなる持ち味を持っていた。
スコフィールドは本当にボートニックを信頼しているのが分るが、やはりぼくは好きじゃない。無名の彼を自分のプロジェクトに入れたのは2000年だから、断続的ながらもう15年も彼らははツルんでいる。共作曲もいろいろあり、世界で初めて披露すると言ってやった新曲も2人の共作と言っていた。だけど、ぼくにとっては、やはりボートニックはステージ上にいる分には好ましくない人。前のように裏方っぽくいればいいのに、今はPC音とサイド・ギターで本当に出張る。ギタリストとして、リズム隊が5のレヴェルでやっているとしたら、彼は2としか、ぼくには思えない。先に触れた「アイ・ドント・ニード・ノー・ドクター」の最後で、スコはボートニックの2のレヴェルに落としたノリでシングル・トーンのギター音の決まりきったかけあい(実は、同様のことを前回公演のときも、この曲でやった)を2人でする。噴飯もの……。
馬鹿をお言いでない、なぜそんな人をスコフィールドは重用しているのかと反駁されそうだが、それはギターの刻み音は欲しいところだが、わざわざ奏者を雇うのはナンだなあということでしょう? それに、スコはジャズ様式の煮詰まり、また自分の行き方にもずっとマンネリの危機感を持っているんだと思う。それを自覚するからこそ、彼は新しい様式や曲を求め、ボートニックは敏感に察知してそれに存分に応えてくれるので、とっても大切にしている……。さらに推測するなら、かつてマウス・オン・マーズ(2000年2月8日)が大好きだったスコは電気音下敷きの表現を欲するところもあり、それを実現に導くボートニックに多大な恩義を感じている。だから、ライヴでも笑顔で彼を使っている、ということなのだと思う。
そう納得しつつも、ライヴを見ながら、ボートニックのPCが壊れないかなあ、彼が弾くギターの弦が全部切れないかなあ(横に予備のギターをおいていたが、それも同様に)と願っていた。ぼく以外にも、そんな酷いことを思う人がいたことを望みたい。
▶過去の、ジョン・スコフィールド
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http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm 1.24
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▶過去の、アヴィ・ボートニック
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http://43142.diarynote.jp/200403111821250000/
http://43142.diarynote.jp/201211170928285333/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
▶過去の、アンディ・ヘス
http://43142.diarynote.jp/201208091303253665/ スティーヴ・キモック・バンド
http://43142.diarynote.jp/201211170928285333/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
▶過去の、ルイス・ケイトー
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201111251251201578/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
▶過去の、リトル・フィート
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
▶過去の、ジミー・クリフ
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/200608201821080000/
http://43142.diarynote.jp/201303070815313472/
http://43142.diarynote.jp/201405230833199357/
http://43142.diarynote.jp/201504180959027600/
▶過去の、アラン・トゥーサン
http://43142.diarynote.jp/200606071933120000/
http://43142.diarynote.jp/200606071936190000/
http://43142.diarynote.jp/200710221206190000/
http://43142.diarynote.jp/200906051614524790/
http://43142.diarynote.jp/201101111202336229/
http://43142.diarynote.jp/201210201217291727/
http://43142.diarynote.jp/201310241000242214/
http://43142.diarynote.jp/201501220923108418/
▶過去の、スティーヴィー・ワンダー
http://43142.diarynote.jp/200511130015240000/
http://43142.diarynote.jp/201008261618276388/
http://43142.diarynote.jp/201203062006429595/
▶過去の、マウス・オン・マーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm
<今日の、スコフォールドについて思ったこと>
ヴァイタルなビートに乗る、スコのギター・ソロはまこと絶好調。酩酊きぶんで、歌いまくり。もう、発汗しちゃうなあ。それを聞きながら、ぼくは彼の“不幸”(と書くと、語弊があるが)を感じたりもしてしまった。だって、今日の演奏を聞いて、彼の演奏はジェフ・ベック(2009年2月6日)のトリッキーさや飛翔感とエリック・クラプトン(2006年11月20日)の雄弁さやエモーションを兼ね備えたことをもっと流麗にできていると、感じてしまったから。そのおもしろさやすごさはロック・リスナーにも分るはずで、彼はコテコテに頭が禿げ上がる前に、一度きっちりロック界に討って出るべきではなかったか。それを妨げたのは、当初はジャズの世界で居場所を獲得することに真摯に邁進していたこと、1980年代半ばにグラマヴィジョンと契約して以降はジャズ界で支持をきっちり得てしまったことがあるかもしれない。スティング(2000年10月16日)の『ブルー・タートルの夢』(A&M、1985年)と同一のリズム・セクション(ダリル・ジョーンズ〜2003年3月13日、2003 年3月15日、2013年3月8日〜とオマー・ハキム〜2006年4月16日、2010年9月1日、2010年9月5日、2013年3月8日〜)を雇った『スティル・ウォーム』(グラマヴィジョン、1986年)のあたりが、ロック界進出に適した時期であったのかもしれない。今にして、思えば……。そこで、ふと頭に浮かんだのが、ウィルコのメンバーでもある、フリー・ジャズ系ギタリストで本田ユカ(2009年1月21日、2014年3月31日、2014年8月14日)の旦那でもあるネルス・クライン(2010年1月9日、2010年4月23日、2013年4月13日、2014年8月14日)。ぼくは、彼みたいにロック・バンドでも輝くスコフィールド(ひいては、ロック・リスナーから注視を浴びるスコ)の姿を見てみたかった! もし、彼がもっとロックの世界に行っていたら、まったく別な道が開け、彼の一時のジャム・バンド・ミュージック接近もなかったかもなあなぞとも思ってしまう。蛇足だが、この6月上旬に、ブルーノート東京で、クラインの自己グループ公演が2日間持たれる(アート・リンゼー〜1999年12月18日、2002年9月9日、2004年11月21日、2011年6月8日、2014年10月26日〜と同じ集客が期待されているのか!)のには驚いた。これは、快挙だな。
▶過去の、ジェフ・ベック
http://43142.diarynote.jp/200902080200527638/
▶過去の、エリック・クラプトン
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
▶過去の、スティング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm
▶過去の、ダリル・ジョーンズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm 13日、バーナード・ファウラー他のセッション。15日、ストーンズ
http://43142.diarynote.jp/201303110415585115/
▶過去の、オマー・ハキム
http://43142.diarynote.jp/200604141318090000/
http://43142.diarynote.jp/201009030955539620/
http://43142.diarynote.jp/201009171511588216/
http://43142.diarynote.jp/201303110415585115/
▶過去の、ネルス・クライン
http://43142.diarynote.jp/?day=20100109
http://43142.diarynote.jp/201004250658039897/
http://43142.diarynote.jp/201304150854159566/
http://43142.diarynote.jp/201408161131356136/
▶過去の、本田ユカ
http://43142.diarynote.jp/200901221504141906/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140331
http://43142.diarynote.jp/201408161131356136/
▶過去の、アート・リンゼイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
清水靖晃&サキソフォネッツ。グリーンルーム・フェスティヴァル
2015年5月24日 音楽 まず、昼下がりに初台・東京オペラシティのコンサートホール(すんごい、天井が高い会場なのだな)で、ずっと鬼才であり続けている清水靖晃(2000年12月16日、2006年9月26日、2010年2月27日、2011年6月6日)のクラシック表現に出張った方向の公演を見る。いい入り、ちゃんと彼は顧客を抱えているのだな。「ゴルトベルク・ヴァリエーションズ」という、公演表題付け、なり。エイベックスからバッハの「ゴルトベルク変奏曲BWV988」を演奏した新作『ゴルトベルク・ヴァリエイションズ』が出ていて、それをフォロウするものでもあるのか。
出演者は、清水靖晃(テナー・サックス)に加え、林田祐和(ソプラノ、アルト・サクッス)、江川良子(アルト、ソプラノ・サックス)、東涼太(バリトン・サックス)、鈴木広志(バリトン、アルト、テナー・サックス)という、サキソフォネッツと名付けされている4人のサックス奏者。面々は、すでに9年も同じ顔ぶれで活動しているという。そして、今回はさらには佐々木大輔、中村尚子、宮坂典幸、倉持 敦という4人のコントラバス奏者がつく。
最初、清水は一人で出て来て、一時凝った(?)下世話系音階を用いたテナー・サックス・ソロを即興で披露。少し遅れてくる人への配慮ですね。しかし、いい鳴りの音は最初バリトン・サックスかと思わせた? 彼、ピッカピカの真新しいサックスを抱えていたなー。そして、一度引っ込み、その後に9人全員で出て来てゴルトベルク演奏を粛々と演奏を始める。
もちろん、アレンジは清水靖晃の手による。なるほど、バッハはもちろん、グレン・グールド絡みで多くの人から人気を集める「ゴルトベルク変奏曲」も不慣れなワタシではあるが、真っ向からバッハと向かい合っていても、やっぱり清水靖晃はクラシックの人ではなく、コンテンポラリー・ミュージックのクリエイターだと思わずにはいられず。
だって、この人数で4人も縦ベースが音を出せばそりゃ低音は効き、音圧も出る。非クラシックの聞き手が惹かれる音像や間や揺れが、確実に現れる。起用されている奏者たちは清水の子供世代となる20〜30代の人たちだろうが、そのノリはダンス・ミュージックが生まれた時から横になかった年寄りは出せなく、そりゃ若い奏者しか雇えないだろうなあとも思う。また、高尚さたっぷりでありつつポップ・ミュージック的ともぼくは言いたくなる濃い音像を求めているのは、バリトンを2本揃えるなどするサックスの構成にも表れているようにぼくには思えるし、清水は時にタンギングで打楽器音的な効果も出したが、一般的なクラシックの奏者はそういうことはしないでしょ?
まあ、サックス奏者だけでなく、コントラバス奏者が加わったことで、大きく聞き味が変わるのは当然なのだが、過去2回聞いたザ・サキソフォネッツ公演よりも、ぼくにとっては親しみやすく、進歩しているぞと思わせるところがあった。曲の出だしでカウントをするでもなく、ある種の間とともに奏者たちが演奏という名の窓にさっと入って行くところなぞも、わあと思わすものであったな。
総じては、クラシック曲を一度清水流で咀嚼解体し、それをもう一度原典が送り出された地点の先にある同ラインに持ってきているという(分りにくい書き方だな。すみません。一筆書き原稿なので、まあいいとしちゃう)、感想も得たし、その作業が今回とてもうまく行っていると、ぼくには思えた。
そんなわけなので、ぼくは頭が(物理的に)揺れてしょうがなった。普段から、厳粛なキブンが流れるクラシックのホールは超苦手。風邪をひいていなくても、咳が出てくるしぃ。だが、今回はサウンドの構造に誘われての、身体の揺れに気を遣う。前に銀座の王子ホールでア・フィレッタ(2010年8月25日)の公演を見たとき、とても悲しい目にあったことがあるから。あのコルシカ島おやじたちの非クラシックのアカベラ表現に接した際、その変幻自在の流れに夢心地となり控え目に時に身体を揺らしていたら、後の女性から「あんた、何考えてるの。身体動かさないで」と、険悪に注意されたことがあったんだよなあ。それ、とっても嫌な記憶だな。
▶過去の、清水靖晃
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200609271445280000/
http://43142.diarynote.jp/201002280943251477/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110606
▶過去の、ア・フィレッタ
http://43142.diarynote.jp/201008270912512078/
そして、ずずいっとヨコハマへ。夕方から、グルーン・ルーム・フェスティヴァル(2007年5月26日、2009年5月30日、2010年5月23日、2011年5月21日)を楽しむ。4年ぶりに行ったが、天気がいい(実は、昨日までの天気予報では雨天だった)と気持ちいいよなあ。なんか、満喫した。昨日の味スタのサッカー観戦に続く、野外ちんたら。今こそが、そういうベストのシーズンかも知れぬ。
横浜の赤レンガ倉庫の海側に広がる一角に、3つのステージ。そして、赤レンガ倉庫の中にある室内ステージが一つ。モーションブルーは2日間のフェス会期中は営業せず、アーティスト控えの場になっている。2日前に見た巨大豪華客船は出航したらしく、なかった。暗くなると、やはり夜景はいろいろと綺麗。
レキシ(2013年8月11日、2014年12月28日)は、本当にフェス向き。ケラケラ笑いながら、堪能。ヴォーカルやギターのムッシュかまやつ(2010年1月12日)とベースのKenKenとギターの山岸竜之介が前に立つライフ・イズ・グルーヴ(二管つきでした)には、なんとKenKenのお母さんである金子マリ(2004年7月25日、2008年4月20日)が出て来て、3曲熱唱。ヘッドライナーのザ・ウェイラーズはまず音質がいい、と思えた。バンド音もかなりよく、過去見たなかで一番と思えたか。それで、ボブ・マーリーの往年曲が開かれるのだから、そりゃアガる。(音を出せるギリ時間であるだろう)9時ぴったりに、彼らは50分弱のショウをぴたりと終える(元々、このフェスは割り切りが良くて、各出演者に与えられる演奏時間は基本40分)。プロだな。ザ・ウェイラーズの実演の詳細は、 http://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2015/05/25/the-wailers-greenroom-festival-15.html
▶過去の、グリーンルーム・フェスティヴァル
http://43142.diarynote.jp/200706051231250000/
http://43142.diarynote.jp/200906061045286071/
http://43142.diarynote.jp/201006031536173725/
http://43142.diarynote.jp/201105230925539578/
▶過去の、レキシ
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
http://43142.diarynote.jp/201412301043067796/
▶過去の、
http://43142.diarynote.jp/201001131101085950/
▶過去の金子
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/
http://43142.diarynote.jp/200804220006510000/
▶過去の、ザ・ウェイラーズ
http://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/201311021703148497/
<今日の、初めて>
東京から横浜への移動で、JR湘南新宿ラインに初めて乗る。ダイヤが20分強遅れになっていたため、特別快速というやつに都合良く乗れた。なんと東海道線とは違う線路を通るらしく、東横線の駅という印象しかぼくにはない武蔵小杉に停まったのにはビックリ。そして、車両は小田原行きであったのだが、電車が遅れているために@@@@駅(聞いたことがない駅名だった)終着に変更しますと、アナウンスされたのにはもっとびっくり。世の中、いろいろあるなあ。まだまだ、未知のことは山ほど。
出演者は、清水靖晃(テナー・サックス)に加え、林田祐和(ソプラノ、アルト・サクッス)、江川良子(アルト、ソプラノ・サックス)、東涼太(バリトン・サックス)、鈴木広志(バリトン、アルト、テナー・サックス)という、サキソフォネッツと名付けされている4人のサックス奏者。面々は、すでに9年も同じ顔ぶれで活動しているという。そして、今回はさらには佐々木大輔、中村尚子、宮坂典幸、倉持 敦という4人のコントラバス奏者がつく。
最初、清水は一人で出て来て、一時凝った(?)下世話系音階を用いたテナー・サックス・ソロを即興で披露。少し遅れてくる人への配慮ですね。しかし、いい鳴りの音は最初バリトン・サックスかと思わせた? 彼、ピッカピカの真新しいサックスを抱えていたなー。そして、一度引っ込み、その後に9人全員で出て来てゴルトベルク演奏を粛々と演奏を始める。
もちろん、アレンジは清水靖晃の手による。なるほど、バッハはもちろん、グレン・グールド絡みで多くの人から人気を集める「ゴルトベルク変奏曲」も不慣れなワタシではあるが、真っ向からバッハと向かい合っていても、やっぱり清水靖晃はクラシックの人ではなく、コンテンポラリー・ミュージックのクリエイターだと思わずにはいられず。
だって、この人数で4人も縦ベースが音を出せばそりゃ低音は効き、音圧も出る。非クラシックの聞き手が惹かれる音像や間や揺れが、確実に現れる。起用されている奏者たちは清水の子供世代となる20〜30代の人たちだろうが、そのノリはダンス・ミュージックが生まれた時から横になかった年寄りは出せなく、そりゃ若い奏者しか雇えないだろうなあとも思う。また、高尚さたっぷりでありつつポップ・ミュージック的ともぼくは言いたくなる濃い音像を求めているのは、バリトンを2本揃えるなどするサックスの構成にも表れているようにぼくには思えるし、清水は時にタンギングで打楽器音的な効果も出したが、一般的なクラシックの奏者はそういうことはしないでしょ?
まあ、サックス奏者だけでなく、コントラバス奏者が加わったことで、大きく聞き味が変わるのは当然なのだが、過去2回聞いたザ・サキソフォネッツ公演よりも、ぼくにとっては親しみやすく、進歩しているぞと思わせるところがあった。曲の出だしでカウントをするでもなく、ある種の間とともに奏者たちが演奏という名の窓にさっと入って行くところなぞも、わあと思わすものであったな。
総じては、クラシック曲を一度清水流で咀嚼解体し、それをもう一度原典が送り出された地点の先にある同ラインに持ってきているという(分りにくい書き方だな。すみません。一筆書き原稿なので、まあいいとしちゃう)、感想も得たし、その作業が今回とてもうまく行っていると、ぼくには思えた。
そんなわけなので、ぼくは頭が(物理的に)揺れてしょうがなった。普段から、厳粛なキブンが流れるクラシックのホールは超苦手。風邪をひいていなくても、咳が出てくるしぃ。だが、今回はサウンドの構造に誘われての、身体の揺れに気を遣う。前に銀座の王子ホールでア・フィレッタ(2010年8月25日)の公演を見たとき、とても悲しい目にあったことがあるから。あのコルシカ島おやじたちの非クラシックのアカベラ表現に接した際、その変幻自在の流れに夢心地となり控え目に時に身体を揺らしていたら、後の女性から「あんた、何考えてるの。身体動かさないで」と、険悪に注意されたことがあったんだよなあ。それ、とっても嫌な記憶だな。
▶過去の、清水靖晃
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200609271445280000/
http://43142.diarynote.jp/201002280943251477/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110606
▶過去の、ア・フィレッタ
http://43142.diarynote.jp/201008270912512078/
そして、ずずいっとヨコハマへ。夕方から、グルーン・ルーム・フェスティヴァル(2007年5月26日、2009年5月30日、2010年5月23日、2011年5月21日)を楽しむ。4年ぶりに行ったが、天気がいい(実は、昨日までの天気予報では雨天だった)と気持ちいいよなあ。なんか、満喫した。昨日の味スタのサッカー観戦に続く、野外ちんたら。今こそが、そういうベストのシーズンかも知れぬ。
横浜の赤レンガ倉庫の海側に広がる一角に、3つのステージ。そして、赤レンガ倉庫の中にある室内ステージが一つ。モーションブルーは2日間のフェス会期中は営業せず、アーティスト控えの場になっている。2日前に見た巨大豪華客船は出航したらしく、なかった。暗くなると、やはり夜景はいろいろと綺麗。
レキシ(2013年8月11日、2014年12月28日)は、本当にフェス向き。ケラケラ笑いながら、堪能。ヴォーカルやギターのムッシュかまやつ(2010年1月12日)とベースのKenKenとギターの山岸竜之介が前に立つライフ・イズ・グルーヴ(二管つきでした)には、なんとKenKenのお母さんである金子マリ(2004年7月25日、2008年4月20日)が出て来て、3曲熱唱。ヘッドライナーのザ・ウェイラーズはまず音質がいい、と思えた。バンド音もかなりよく、過去見たなかで一番と思えたか。それで、ボブ・マーリーの往年曲が開かれるのだから、そりゃアガる。(音を出せるギリ時間であるだろう)9時ぴったりに、彼らは50分弱のショウをぴたりと終える(元々、このフェスは割り切りが良くて、各出演者に与えられる演奏時間は基本40分)。プロだな。ザ・ウェイラーズの実演の詳細は、 http://www.bluenote.co.jp/jp/reports/2015/05/25/the-wailers-greenroom-festival-15.html
▶過去の、グリーンルーム・フェスティヴァル
http://43142.diarynote.jp/200706051231250000/
http://43142.diarynote.jp/200906061045286071/
http://43142.diarynote.jp/201006031536173725/
http://43142.diarynote.jp/201105230925539578/
▶過去の、レキシ
http://43142.diarynote.jp/201308130851402454/
http://43142.diarynote.jp/201412301043067796/
▶過去の、
http://43142.diarynote.jp/201001131101085950/
▶過去の金子
http://43142.diarynote.jp/200407271618520000/
http://43142.diarynote.jp/200804220006510000/
▶過去の、ザ・ウェイラーズ
http://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/201311021703148497/
<今日の、初めて>
東京から横浜への移動で、JR湘南新宿ラインに初めて乗る。ダイヤが20分強遅れになっていたため、特別快速というやつに都合良く乗れた。なんと東海道線とは違う線路を通るらしく、東横線の駅という印象しかぼくにはない武蔵小杉に停まったのにはビックリ。そして、車両は小田原行きであったのだが、電車が遅れているために@@@@駅(聞いたことがない駅名だった)終着に変更しますと、アナウンスされたのにはもっとびっくり。世の中、いろいろあるなあ。まだまだ、未知のことは山ほど。
MoMo。オゾマトリ。ジョン・ハイアット
2015年5月22日 音楽 昼下がり、14時半。新宿ピットインで、鍵盤打楽器奏者の山田あずさ(2013年5月19日、2014年6月13日、2014年6月15日、2014年10月19日、2014年11月21日、2015年4月17日、2015年5月2日、2015年5月6日)とドラマーの池澤龍作(2014年6月13日、2014年10月19日)のデュオ、MoMoを見る。おー、ピットインの<昼の部>に来るなんて、いついらい? その時分には午前中にやる<朝の部>もまだあったよな。ピットインの<朝の部>がなくなって、どのぐらいたつのだろう?
デュオの機微……。撥の魔力……。なんか、少しコロンブスの卵というか、意表をついているところアリとも思えた。阿吽の呼吸を持つ2人の気持ちの交錯を、背骨に置く。デュオゆえ、それは当然として、マレットなりスティックなり撥(バチ)系のものを身体と楽器の間に介在させる奏者同士が絡むという図式は、いろんなデュオがあるなか、MoMoならではの感興を生んでいるのは間違いない。棒を間におくからこその、もう一つの音の広がりや間〜パルスの存在がそこには確実にある。
と、書きつつ、この日、山田はヴァイブラフォンだけでなく、ピアノも弾く。いくつかの曲を(オリジナルを中心に、エグベルト・ジスモンチ〜2008年7月3日、2013年3月27日〜の曲などもやったよう)切れ目なく続けた長尺演奏が2つ披露されたが、その塊のなかで、山田は両方の楽器を行き来するように扱った。ならせば半分は、ピアノとドラムのデュオであったのではないか。なんでも、2週間前のMoMoのライヴで初めてピアノを弾いたようだが、その個性的な音の連なりを持つピアノ演奏はおもしろかった。
もちろん、専業のピアニストと比べるならぎこちないところはあるだろう。だが、専門の奏者ではないからこその音やテンポの取り方〜揺らぎ、音の連続性が、そこにはあり。とともに、それらはけっこう具体的な旋律を追っていたりもし、それは山田の作曲家としてしての側面にも光をあてるし、時々いれられる歪んだハーモニー、邪悪なひねくれが気持ちよく効く。なんか、ぼくはひかれたな。
また、ピアノを弾く事で、ヴァイブの演奏(最高で6本のマレットを持つ)も対比的にフレッシュに舞う。ぼくがこれまで聞いた山田のヴァイブラフォン/マリンバ演奏のなかで、一番瞬間風速値が高かったと思えた。そして、それは遊び心のある、敏感にして細心なドラミングが引き出すものでもある。すでに4年ほど持たれ、相当なギグ数を2人はしているらしいので、密な相互関係があるのは当然であるだろうが。池澤のスネアやタム、シンバルの豊かな音色遣いに触れ、ぼくはなんとなくケンドリック・スコット(2009年3月26日、2013年2月2日、2013年8月18日、2013年9月11日、2015年2月4日)のそれを想起したりもした。それを当人に伝えると、彼がバークリー音楽大学に通っていたとき、スコットは一緒だったのだそう。彼、夜はヴェルヴェット・サンでソロ・パフォーマンスをすると言っていた。
▶過去の、山田あずさ
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/
http://43142.diarynote.jp/201411221353274586/
http://43142.diarynote.jp/201504181000432127/
http://43142.diarynote.jp/201505071132034325/
▶過去の、池澤龍作
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/
▶過去の、エグベルト・ジスモンチ
http://43142.diarynote.jp/200807041128510000/
http://43142.diarynote.jp/201303290753133066/
▶過去の、ケンドリック・スコット
http://43142.diarynote.jp/?day=20090326
http://43142.diarynote.jp/201302041827243806/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
http://43142.diarynote.jp/201309161510164697/
http://43142.diarynote.jp/201502051100298160/
その後は、モーションブルー・ヨコハマ(ファースト・ショウ)へ。赤レンガ倉庫の広場では沢山の仮設立て物が並んでいて、それは明日明後日の土日に持たれるグリーンルーム・フェスティヴァル関連のもの。で、その先の海の方を一瞥して、がひょーん。停泊している超デカい船がどっか〜んと見える。その細長い巨大ビルが突如表れたような景観には、胸が高鳴る。なんか、国際派港町ヨコハマに来たというキブンになるなあ。それ、大桟橋(かつてのグリーンルーム・フェスの会場でありました)に寄港したイタリア船籍の世界一周客船らしい。
出演者は、LAのバンドであることを強く自認するオゾマトリ(2001年10月13日、2002年3月14日、2005年3月17日、2007年4月8日、2007年10月8日)。ぼくの“ココロの友”的バンドの一つで、わーい! 朝、久しぶりに初期のレコードを引っ張り出して聞いたのだが、ロス・ロボス(2004年10月7日、2005年7月31日、2011年1月19日)関連者(グラミー賞獲得の2作目は、ステォーヴ・バーリンがマリオ・カルダードJr.とともにプロデュース)とジュラシック5(2002年2月6日)関連者(チャリ・ツナとカット・ケミストはオゾとジュラ兼任だった)が一緒に録音参加しちゃっていて、そのバンドの立ち位置の特別さを再認識。なお、彼らの中期までの1枚を選べと言われたら、ぼくの場合は2004年コンコード発の『ストリート・サインズ』かな。
お、7人から6人になっていた(いちおう新作となる『プレイス・イン・ザ・サン』のジャケも6人で写っていた)が、メンバーはもうずうっと一緒にやっている人たち。ずっとパーカッションを担当していたジロー・ヤマグチ(かつては、ダブラ・ソロを聞かせたこともあった)がドラムを担当する。彼以外の5人が横一線に前に立ち、皆で歌う様には望外に高揚しちゃう。なんか、正しいバンドの姿があるとも、生理的に思わせられた。ラテンからヒップホップ、レゲエまで、その雑食感覚とバカみたいに合致するオトコ気表出の様は、何度見ても鼓舞され、アツくなる。途中で一人の不審気味な客がステージに上がってしまったりもしたが、面々は余裕でフレンドリーに対応。それは一端だが、随所に得難いライヴ・バンドの体は出ていた。
彼らは今年で設立20年、歩みを括るかのように曲断片を繋いだメドレーも彼らは披露。また、最後は例によって、でかいスルドから小物までをそれぞれ手にし、サンバ風のビートのもと、面々は場内を回り、会場後方で演奏し、歌う。やっぱり、あんたたちのライヴは絶品だアと痛感。月曜日の、インタヴューが楽しみだ。
<追記>
インタヴューしたら、オゾは20周年のスペシャルなライヴを考えているという。直近では、7月にハリウッド・ボウル(2007年7月18日)で持たれる<プレイボーイ・ジャズ・フェスティヴァル>に彼らも出ることになっていて、そのときはいろいろゲストを入れて20周年を祝おうと思っているという。たとえば、ゲストは誰? と問えば、「ランディ・ニューマン」とジロー。!!!!!! どうして彼と問えば、「だって、彼もLAぢゃん」。仰せの通り。ある意味、LA音楽界の権化。彼はシニカルな意味で歌ったとされる「アイ・ラヴ・LA」という曲を1983年に発表。そして、その曲は、1984年のLAオリンピック期間中、ナイキのCMに使われもした。見に行きて〜。それから、モーションブルーのショウを見たことを伝えると、サックス、キーボード、ギター担当のウリセス・ベーリャが、ファーストとセカンドのどちらを見たのか知りたがった。あのお客乱入を見たのかいと、すかさず返してくる。百戦錬磨の彼らにとっても、あれはアラアラな出来事だったよう。
▶過去の、オゾマトリ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm 朝霧ジャム
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200503240454330000/
http://43142.diarynote.jp/200710121730320000/
http://43142.diarynote.jp/200710121730320000/
▶過去の、ロス・ロボス
http://43142.diarynote.jp/200410162216580000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
http://43142.diarynote.jp/201101231220535615/
▶過去の、ジュラシック5
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-2.htm
▶過去の、ハリウッド・ボウル
http://43142.diarynote.jp/200707232251010000/
そして、東京に戻り、渋味米国ロッカーのジョン・ハイアット(1952年、インディアナ州生まれ)、のショウを見る。おー、27年ぶりの来日公演かあ。六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。なんと、アコースティック・ギター弾き語りのパフォーマンス。二十歳ちょいでエピックと契約し、MCA/ゲフィン、A&M、キャピトルと、ずっとメジャー畑を歩んできた人で(80年代アタマのアルバムには、ニュー・ウェイヴ風なものもありました)、2000年代に入ってからもインディからとっても順調にアルバム・リリースを、彼は重ねている。ホームページを見ると、この直後から始まる欧州ツアーはバンドとのものなので、もしかして生っぽいソロは珍しい? 新作『Terms of My Surrender』(New West)はシンプルなリズム・セクション音を用いつつ、アコースティック・ギターを主に手にしたアルバムだったので、違和感は少ないかもしれぬ。
話はとぶが、8月からはタージ・マハール(2000年10月12日、 2007年4月6日)との全米ツアー、さらに10月にはライル・ラヴィットと組んでアメリカを回るなど、受け手からの求めと同業者受けはたっぷりなよう。ライル・ラヴィット、一度見てみたいけど、日本ではまず無理だろうなー。
全編自然体の、随所にアーシーな味や好ましい揺れを持つ生ギター弾き語り。それは、ひいてはアメリカン・ロックの襞を浮かびあがらせる。凝ったアルペジオとかはしないので、基本はやはりエレクトリック・ギター派の人物か。曲によってはハーモニカを吹いたりもし、1曲では口笛も。それ、うまい。熱心なファンが集まり、観客からは曲をリクエストする声が飛び交い、応えられるものにはそれなりに応じたりも。そこらあたりは、ソロ・パフォーマンスの美点なり。終盤、ハイアットは声援に大きなアクションで応えたりもし、かなりうれしがっていたように見えた。
▶過去の、タージ・マハール
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
http://43142.diarynote.jp/200806121400260000/
<今日の、移動>
→新宿→横浜→六本木→。と、書くとけっこうな移動のようだが、路線乗り入れの妙があり、わりと楽勝。新宿(新宿3丁目。ピットインはその駅が近い)からからは副都心線に乗り、それがそのまま東横線と横浜地下鉄と乗り入れており40分ちょいでモーションブルー最寄りの馬車道駅につく。その後の六本木行きも逆の筋道で戻り、今度は東横線中目黒駅で到着ホーム向かい側から始発で乗ることができる日比谷線に乗り換えると、3駅で六本木駅につく。頭に浮かぶよりは、時間も負担もかかりませんね。でも、六本木から家までが距離は短いはずなのに、なんか遠い。つかないよー。なんでだあー。
デュオの機微……。撥の魔力……。なんか、少しコロンブスの卵というか、意表をついているところアリとも思えた。阿吽の呼吸を持つ2人の気持ちの交錯を、背骨に置く。デュオゆえ、それは当然として、マレットなりスティックなり撥(バチ)系のものを身体と楽器の間に介在させる奏者同士が絡むという図式は、いろんなデュオがあるなか、MoMoならではの感興を生んでいるのは間違いない。棒を間におくからこその、もう一つの音の広がりや間〜パルスの存在がそこには確実にある。
と、書きつつ、この日、山田はヴァイブラフォンだけでなく、ピアノも弾く。いくつかの曲を(オリジナルを中心に、エグベルト・ジスモンチ〜2008年7月3日、2013年3月27日〜の曲などもやったよう)切れ目なく続けた長尺演奏が2つ披露されたが、その塊のなかで、山田は両方の楽器を行き来するように扱った。ならせば半分は、ピアノとドラムのデュオであったのではないか。なんでも、2週間前のMoMoのライヴで初めてピアノを弾いたようだが、その個性的な音の連なりを持つピアノ演奏はおもしろかった。
もちろん、専業のピアニストと比べるならぎこちないところはあるだろう。だが、専門の奏者ではないからこその音やテンポの取り方〜揺らぎ、音の連続性が、そこにはあり。とともに、それらはけっこう具体的な旋律を追っていたりもし、それは山田の作曲家としてしての側面にも光をあてるし、時々いれられる歪んだハーモニー、邪悪なひねくれが気持ちよく効く。なんか、ぼくはひかれたな。
また、ピアノを弾く事で、ヴァイブの演奏(最高で6本のマレットを持つ)も対比的にフレッシュに舞う。ぼくがこれまで聞いた山田のヴァイブラフォン/マリンバ演奏のなかで、一番瞬間風速値が高かったと思えた。そして、それは遊び心のある、敏感にして細心なドラミングが引き出すものでもある。すでに4年ほど持たれ、相当なギグ数を2人はしているらしいので、密な相互関係があるのは当然であるだろうが。池澤のスネアやタム、シンバルの豊かな音色遣いに触れ、ぼくはなんとなくケンドリック・スコット(2009年3月26日、2013年2月2日、2013年8月18日、2013年9月11日、2015年2月4日)のそれを想起したりもした。それを当人に伝えると、彼がバークリー音楽大学に通っていたとき、スコットは一緒だったのだそう。彼、夜はヴェルヴェット・サンでソロ・パフォーマンスをすると言っていた。
▶過去の、山田あずさ
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/
http://43142.diarynote.jp/201411221353274586/
http://43142.diarynote.jp/201504181000432127/
http://43142.diarynote.jp/201505071132034325/
▶過去の、池澤龍作
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/
▶過去の、エグベルト・ジスモンチ
http://43142.diarynote.jp/200807041128510000/
http://43142.diarynote.jp/201303290753133066/
▶過去の、ケンドリック・スコット
http://43142.diarynote.jp/?day=20090326
http://43142.diarynote.jp/201302041827243806/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
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その後は、モーションブルー・ヨコハマ(ファースト・ショウ)へ。赤レンガ倉庫の広場では沢山の仮設立て物が並んでいて、それは明日明後日の土日に持たれるグリーンルーム・フェスティヴァル関連のもの。で、その先の海の方を一瞥して、がひょーん。停泊している超デカい船がどっか〜んと見える。その細長い巨大ビルが突如表れたような景観には、胸が高鳴る。なんか、国際派港町ヨコハマに来たというキブンになるなあ。それ、大桟橋(かつてのグリーンルーム・フェスの会場でありました)に寄港したイタリア船籍の世界一周客船らしい。
出演者は、LAのバンドであることを強く自認するオゾマトリ(2001年10月13日、2002年3月14日、2005年3月17日、2007年4月8日、2007年10月8日)。ぼくの“ココロの友”的バンドの一つで、わーい! 朝、久しぶりに初期のレコードを引っ張り出して聞いたのだが、ロス・ロボス(2004年10月7日、2005年7月31日、2011年1月19日)関連者(グラミー賞獲得の2作目は、ステォーヴ・バーリンがマリオ・カルダードJr.とともにプロデュース)とジュラシック5(2002年2月6日)関連者(チャリ・ツナとカット・ケミストはオゾとジュラ兼任だった)が一緒に録音参加しちゃっていて、そのバンドの立ち位置の特別さを再認識。なお、彼らの中期までの1枚を選べと言われたら、ぼくの場合は2004年コンコード発の『ストリート・サインズ』かな。
お、7人から6人になっていた(いちおう新作となる『プレイス・イン・ザ・サン』のジャケも6人で写っていた)が、メンバーはもうずうっと一緒にやっている人たち。ずっとパーカッションを担当していたジロー・ヤマグチ(かつては、ダブラ・ソロを聞かせたこともあった)がドラムを担当する。彼以外の5人が横一線に前に立ち、皆で歌う様には望外に高揚しちゃう。なんか、正しいバンドの姿があるとも、生理的に思わせられた。ラテンからヒップホップ、レゲエまで、その雑食感覚とバカみたいに合致するオトコ気表出の様は、何度見ても鼓舞され、アツくなる。途中で一人の不審気味な客がステージに上がってしまったりもしたが、面々は余裕でフレンドリーに対応。それは一端だが、随所に得難いライヴ・バンドの体は出ていた。
彼らは今年で設立20年、歩みを括るかのように曲断片を繋いだメドレーも彼らは披露。また、最後は例によって、でかいスルドから小物までをそれぞれ手にし、サンバ風のビートのもと、面々は場内を回り、会場後方で演奏し、歌う。やっぱり、あんたたちのライヴは絶品だアと痛感。月曜日の、インタヴューが楽しみだ。
<追記>
インタヴューしたら、オゾは20周年のスペシャルなライヴを考えているという。直近では、7月にハリウッド・ボウル(2007年7月18日)で持たれる<プレイボーイ・ジャズ・フェスティヴァル>に彼らも出ることになっていて、そのときはいろいろゲストを入れて20周年を祝おうと思っているという。たとえば、ゲストは誰? と問えば、「ランディ・ニューマン」とジロー。!!!!!! どうして彼と問えば、「だって、彼もLAぢゃん」。仰せの通り。ある意味、LA音楽界の権化。彼はシニカルな意味で歌ったとされる「アイ・ラヴ・LA」という曲を1983年に発表。そして、その曲は、1984年のLAオリンピック期間中、ナイキのCMに使われもした。見に行きて〜。それから、モーションブルーのショウを見たことを伝えると、サックス、キーボード、ギター担当のウリセス・ベーリャが、ファーストとセカンドのどちらを見たのか知りたがった。あのお客乱入を見たのかいと、すかさず返してくる。百戦錬磨の彼らにとっても、あれはアラアラな出来事だったよう。
▶過去の、オゾマトリ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm 朝霧ジャム
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200503240454330000/
http://43142.diarynote.jp/200710121730320000/
http://43142.diarynote.jp/200710121730320000/
▶過去の、ロス・ロボス
http://43142.diarynote.jp/200410162216580000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
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▶過去の、ジュラシック5
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-2.htm
▶過去の、ハリウッド・ボウル
http://43142.diarynote.jp/200707232251010000/
そして、東京に戻り、渋味米国ロッカーのジョン・ハイアット(1952年、インディアナ州生まれ)、のショウを見る。おー、27年ぶりの来日公演かあ。六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。なんと、アコースティック・ギター弾き語りのパフォーマンス。二十歳ちょいでエピックと契約し、MCA/ゲフィン、A&M、キャピトルと、ずっとメジャー畑を歩んできた人で(80年代アタマのアルバムには、ニュー・ウェイヴ風なものもありました)、2000年代に入ってからもインディからとっても順調にアルバム・リリースを、彼は重ねている。ホームページを見ると、この直後から始まる欧州ツアーはバンドとのものなので、もしかして生っぽいソロは珍しい? 新作『Terms of My Surrender』(New West)はシンプルなリズム・セクション音を用いつつ、アコースティック・ギターを主に手にしたアルバムだったので、違和感は少ないかもしれぬ。
話はとぶが、8月からはタージ・マハール(2000年10月12日、 2007年4月6日)との全米ツアー、さらに10月にはライル・ラヴィットと組んでアメリカを回るなど、受け手からの求めと同業者受けはたっぷりなよう。ライル・ラヴィット、一度見てみたいけど、日本ではまず無理だろうなー。
全編自然体の、随所にアーシーな味や好ましい揺れを持つ生ギター弾き語り。それは、ひいてはアメリカン・ロックの襞を浮かびあがらせる。凝ったアルペジオとかはしないので、基本はやはりエレクトリック・ギター派の人物か。曲によってはハーモニカを吹いたりもし、1曲では口笛も。それ、うまい。熱心なファンが集まり、観客からは曲をリクエストする声が飛び交い、応えられるものにはそれなりに応じたりも。そこらあたりは、ソロ・パフォーマンスの美点なり。終盤、ハイアットは声援に大きなアクションで応えたりもし、かなりうれしがっていたように見えた。
▶過去の、タージ・マハール
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200704112101130000/
http://43142.diarynote.jp/200806121400260000/
<今日の、移動>
→新宿→横浜→六本木→。と、書くとけっこうな移動のようだが、路線乗り入れの妙があり、わりと楽勝。新宿(新宿3丁目。ピットインはその駅が近い)からからは副都心線に乗り、それがそのまま東横線と横浜地下鉄と乗り入れており40分ちょいでモーションブルー最寄りの馬車道駅につく。その後の六本木行きも逆の筋道で戻り、今度は東横線中目黒駅で到着ホーム向かい側から始発で乗ることができる日比谷線に乗り換えると、3駅で六本木駅につく。頭に浮かぶよりは、時間も負担もかかりませんね。でも、六本木から家までが距離は短いはずなのに、なんか遠い。つかないよー。なんでだあー。
蜂谷真紀 【次ナルJAZZ問答】
2015年5月20日 音楽 解き放たれたヴォイス・パフォーマー、蜂谷真紀のリーダー/作編曲家である部分を前にも出し、その先に思うままの丁々発止〜ジャズの楽園を浮上させようとするワーキング・クインテットの公演。新宿・ピットイン、セカンド・ショウから見る。
ヴォーカル、一部でピアノの蜂谷真紀(2008年8月24日、2009年1月8日、2010年9月11日、2014年7月22日、2014年9月25日、2014年10月30日)。トランペットの松島啓之(2014年9月25日)と類家心平(2011年5月5日、2014年6月13日、2014年9月25日、2014年12月28日)。縦ベーシストの東保光(2014年9月25日)、ドラムの本田珠也(2000年5月9日、2002年9月22日、2003年6月10日、2004年10月13日、2007年12月4日、2011年5月5日、2012年7月16日、2013年7月27日)。という、面々なり。
既成のジャズ曲にせよ(チャールズ・ミンガス後期気味の含蓄たっぷりバラード、「ザ・マン・フー・ネヴァー・スリープ」もやった)、オリジナル曲(前後にハーモニカを蜂谷が吹いたメキシコ幻想?経由の日本語曲〜それもある意味、ミンガス憧憬?〜も、物語性と拡大の度を超した掛け合わせがあったなー。オリジナル度、高かったなー)にせよ、ジャズの大要をばっさり掴んだあとに、変幻自在の絡み、発展があり。蜂谷のツっぱった意をちゃんと組む4人もあっぱれというしかないな。
線は太く、精神はしなやかに。ある意味、ヴォーカリストであり、純フリー・インプロヴィゼーションものもやっているからこそ、通常の器楽奏者よりまっさらな目でジャズという様式の主点を見据えることができ、その核心にせまり、そこから新たな観点を持つ、ストロングにして闊達な表現を紡ぐことができているとこところもあるのではないか。そんなことも、澄んだジャズ愛あふれるパフォーマンスに接しながら、ぼくは思った。
▶過去の、蜂谷
http://43142.diarynote.jp/200808260821260000/
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100911
http://43142.diarynote.jp/201407231341189225/
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
http://43142.diarynote.jp/201410310931316189/
▶過去の、松島啓之
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
▶過去の、類家心平
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
http://43142.diarynote.jp/201412301043067796/
▶過去の、東保光
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
▶過去の、本田珠也
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm 菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm 菊地雅章
http://43142.diarynote.jp/200410162306570000/
http://43142.diarynote.jp/200712151621260000/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
http://43142.diarynote.jp/201207180824136323/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
<今日の、代官山>
ピットインに行く前に、代官山・晴れたら空に豆まいて で、「KEI チカーノになった日本人」という未完成の映画を題材に置くトーク・セッションを途中まで見る。題材となる主人公のKEIはロスの刑務所で劣悪な環境のもと10年強服役し、その侠気からチカーノ・ギャングたちから信頼を集めたという人物。その体験は、「チカーノになった日本人」(東京キララ社)という本になっているという。チカーノ文化に博識でバリオ・ゴールド・レコーズを持つ宮田信の進行のもと、当のKEIと同映画の監督のサカマキマサがトーク。何を聞いてもおもしろいというか、興味深い。また、その米国シューティングの映像もスクリーン放映される。それは、日本強制送還後に初めてLAを訪れた際(入管係員の間違いで、入国できたそう)に敵対しあうチカーノ・ギャングが呉越同舟で彼のために開いたウェルカム・パーティの模様と、自分の息子は別な刑務所に移送されてしまったにもかかわらず車で4時間かけて頻繁にKEIに面会にきたお母さんをサンディエゴまで会いに行く場面。当然、見入ってしまう。昔、KEIは極道だったそうで、かつての日本任侠道とチカーノ・ギャング気質はかなり重なるとか。一人の数奇な歩みを持つ日本人を介して、チカーノ・ギャングの文化/気質を語るという側面も映画はありそう。現在、クラウド・ファンディングを呼びかけて、映画は完成を目指している。
ヴォーカル、一部でピアノの蜂谷真紀(2008年8月24日、2009年1月8日、2010年9月11日、2014年7月22日、2014年9月25日、2014年10月30日)。トランペットの松島啓之(2014年9月25日)と類家心平(2011年5月5日、2014年6月13日、2014年9月25日、2014年12月28日)。縦ベーシストの東保光(2014年9月25日)、ドラムの本田珠也(2000年5月9日、2002年9月22日、2003年6月10日、2004年10月13日、2007年12月4日、2011年5月5日、2012年7月16日、2013年7月27日)。という、面々なり。
既成のジャズ曲にせよ(チャールズ・ミンガス後期気味の含蓄たっぷりバラード、「ザ・マン・フー・ネヴァー・スリープ」もやった)、オリジナル曲(前後にハーモニカを蜂谷が吹いたメキシコ幻想?経由の日本語曲〜それもある意味、ミンガス憧憬?〜も、物語性と拡大の度を超した掛け合わせがあったなー。オリジナル度、高かったなー)にせよ、ジャズの大要をばっさり掴んだあとに、変幻自在の絡み、発展があり。蜂谷のツっぱった意をちゃんと組む4人もあっぱれというしかないな。
線は太く、精神はしなやかに。ある意味、ヴォーカリストであり、純フリー・インプロヴィゼーションものもやっているからこそ、通常の器楽奏者よりまっさらな目でジャズという様式の主点を見据えることができ、その核心にせまり、そこから新たな観点を持つ、ストロングにして闊達な表現を紡ぐことができているとこところもあるのではないか。そんなことも、澄んだジャズ愛あふれるパフォーマンスに接しながら、ぼくは思った。
▶過去の、蜂谷
http://43142.diarynote.jp/200808260821260000/
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100911
http://43142.diarynote.jp/201407231341189225/
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
http://43142.diarynote.jp/201410310931316189/
▶過去の、松島啓之
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
▶過去の、類家心平
http://43142.diarynote.jp/?day=20110505
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
http://43142.diarynote.jp/201412301043067796/
▶過去の、東保光
http://43142.diarynote.jp/201409261635554506/
▶過去の、本田珠也
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm 菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm 菊地雅章
http://43142.diarynote.jp/200410162306570000/
http://43142.diarynote.jp/200712151621260000/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
http://43142.diarynote.jp/201207180824136323/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
<今日の、代官山>
ピットインに行く前に、代官山・晴れたら空に豆まいて で、「KEI チカーノになった日本人」という未完成の映画を題材に置くトーク・セッションを途中まで見る。題材となる主人公のKEIはロスの刑務所で劣悪な環境のもと10年強服役し、その侠気からチカーノ・ギャングたちから信頼を集めたという人物。その体験は、「チカーノになった日本人」(東京キララ社)という本になっているという。チカーノ文化に博識でバリオ・ゴールド・レコーズを持つ宮田信の進行のもと、当のKEIと同映画の監督のサカマキマサがトーク。何を聞いてもおもしろいというか、興味深い。また、その米国シューティングの映像もスクリーン放映される。それは、日本強制送還後に初めてLAを訪れた際(入管係員の間違いで、入国できたそう)に敵対しあうチカーノ・ギャングが呉越同舟で彼のために開いたウェルカム・パーティの模様と、自分の息子は別な刑務所に移送されてしまったにもかかわらず車で4時間かけて頻繁にKEIに面会にきたお母さんをサンディエゴまで会いに行く場面。当然、見入ってしまう。昔、KEIは極道だったそうで、かつての日本任侠道とチカーノ・ギャング気質はかなり重なるとか。一人の数奇な歩みを持つ日本人を介して、チカーノ・ギャングの文化/気質を語るという側面も映画はありそう。現在、クラウド・ファンディングを呼びかけて、映画は完成を目指している。
映画「SLY STONE スライ・ストーン」。ロイ・ヘインズ
2015年5月18日 音楽 新宿・K‘s cinemaで、出来たばかりという、スライ・ストーン(2008年8月31日、2008年9月2日、2010年1月20日)のドキュメンタリー映画を見る。70分強という上映時間には、少し危惧を持つところもあった。普通だったら、いかにネタを削ぐかに苦労するはずで、これはいかにも時間が短すぎ。元となる取材/撮影マテリアルが少ないのではないか、と思ってしまうではないか。まあ、マテリアルは豊富ではないだろう(予算も潤沢ではないだろう)が、時間の短さは感じない。もう一度見たい、細部をもっとチェックしたいと思わせる仕上がりではあったな。
2015年、オランダ映画。監督のウィルマ・アルケマはスライ・エンスージアストのようで、このドキュメンタリー映画の大きな柱は二つ。
一つは旧来の同系映画の常で、過去の映像/音(編集された既発曲の使われ方は頷くところあり。隠匿する直前作である1983年作ワーナー盤はスライが完成前に逃げて、その後プロデューサーがアーバンな音を加えたそうで、音が加えられる前のテイクも少し紹介される)や元メンバーをはじめとする関連者証言映像を組み合わせて、スライ・ストーンのこれまでの歩みをまとめるというもの。まあ、それは普通の出来だが、えええええそうなのというネタも出て来るのは間違いない。1980年代前期以降スライはドラッグで人間を辞めて行方知れず(ほぼ、ホームレス)という印象をぼくはなんとなく持っていたのだが、2010年代に入ってからの2年間とかはキャンピングカー生活を強いられたようだが、印税が入って来ていた彼はちゃんとそれなりの生活をしていたよう(ずっとビバリー・ヒルズ奥の高台の邸宅に住んでいたみたい)で、それはなんかホっとした。彼が一切人前に出なかったのは、人間嫌いから来る本人の意思であり、もちかけられる高額報酬のインタヴューなどもすべて断っていたという。
彼はじじいになってもバイクが大好きであることにも触れる。なんか、2000年に入ってから、ハーレーで事故って、指を切断したんだとか。無事、つながったとことも伝えられるが、さすがウッドストック・フェスティヴァルで「モーター・サイクルは、ホンダ!」とステージで連呼した御仁でありますね。スライのあの所作があったからこそ、米国市場でのホンダの名声は築かれたと、ぼくは真面目に思ってマス。
そして、映画のもう一つの柱は、監督がLAに渡り、スライの自宅をつきとめたりもし、なんとか本人と会おうとする、いくつもの顛末。それは、スライが行方知れずになってから以降を語るパートであり、2000年代半ばごろからの映像。それを見て、最初のうちはそっとしといたらいいのにと思って見ていたのだが、同じオランダ人のスライ・ストーンおたくの双子もそこに絡んで来たりして、なんかストーリーはわわわ、というほうに流れて行く。ファンの熱意は偏屈スライのココロを溶かす……。なんか心のなかで、監督や双子と”ファイヴ”をしたくなったか。
近年、彼が家を失ってしまったのは、悪いメネージャーと契約を交わしてしまったことが最大の原因のよう。だが、2015年に入り500万ドルを元マネージャーから勝ち取る判決を訴訟で得たという情報も、映画には入れられている。
スライ・ストーンは、この3月で72歳になった。7月には、1968年10月4日と5日に地元ザ・フィルモア・ウェストでやったライヴ音が4枚組CDとなりリリースされることになってもいる。……スライが今後、音楽家として復活するかどうかは分らない。2011 年、ユニヴァーサル復帰カヴァー作はまるっきりほめられない出来だった。でも、そうでもいいぢゃん。1960年代後期から数年間のプロダクツがあまりにも常軌を逸するものであったわけで、それを素直に愛でて、幸福を感じればいい。あんなすごいの、ほいほい出て来たら、世界の秩序はこわれちゃう!
▶過去の、スライ・ストーン
http://43142.diarynote.jp/200809011923060000/
http://43142.diarynote.jp/200809071428140000/
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
90歳かいっ! 夜は1925年生まれのドラマー、ロイ・ヘインズ(2011年11月29日、2009年6月1日)のカルテットを見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。関係ないけど、ヘインズは3月13日生まれで、スライは3月15日生まれだ。
ばしっとスネアを叩いただけで、わっと歓声が上がる公演もそうはないのではないか。ぼくが見た過去のヘインズの公演でも、そういう場面はなかったと記憶する。実は今回、会場はかなり混んでいた。聞き手の側で、勝手にカウントダウンを刻んでいる? なんて書くと不謹慎と感じる人がいるかもしれないが、ヘインズはお茶目で、妙な諧謔を抱える御仁。ぜんぜん問題ないと、思いますよー。
しかし、小柄な彼はスタスタ歩き、一切段差も気にならないといった感じ(まあ、気になっていたらドラムは叩けないだろうけど)で、マジ元気だよなあ。彼、タムは大き目のものを並べていて、それは年寄りジャズ・ドラマーのそれとはちょっと思えない。レギュラー・グリップとマッチド・グリップを併用している彼、前よりも少し衰えている、ダイナミクスやドライヴ感が減じていると思わせるのは間違いないが。
ほぼ、ファースト・ショウとセカンド・ショウは異なる曲をやるようだが、サイド・マン(ピアノのマーティン・ベヘラーノ、アルト・サックスのジャリール・ショウ、ダブル・ベースのデイヴィッド・ウォン)は10年近く一緒にやっている人たちのようで、いろいろとやる曲はあるだろう。他人曲をやっているはずだが、ぼくがすぐに曲名がわかったものはなかった。意外に、若いメロディと思わせる曲調をやっていると思わせる部分もあったか。
今回、驚いたというか、聞き惚れたのはアルト・サックスのジャリール・ショウの演奏。かなり太い(テナー・サックスに股がると書くとオーヴァーですが)音色がまず個性的にして存在感あり。であるだけだけでなく、フレイジングがとても有機的にして、その総体は本当に音楽を大切にしているという所感を受けるもので、これは良い。今回、毎度以上のメロディ性を抱えているとすれば、それは彼のフィーチャー度が高かったせいがあるかもしれない。ピアニストの山中千尋(2005年8月21日、2009年6月7日、2010年3月14日、2011年8月6日、2013年3月3日)も一番新しいアルバムでフィラデルフィア・ネイティヴのショウを起用していたが、なにげに山中の既発アルバムのパーソネルを見ると、こんな人もちゃんと使っていたんだアということが散見される。ショウはベン・ウィリアムズ(2009年5月18日、2009年9月3日、2010年5月30日、2012年3月3日、2012年5月28日、2013年4月1日、2013年5月21日、2015年1月22日)と仲良しだったりするが、ヤマナカも前、ウィリアムズのことを雇っているよなー。
ヘインズのはげ頭を見ていて、なぜか すきやばし次郎の店主(89歳になるよう)の存在が頭に浮かぶ。気が遠くなるような蓄積や鍛錬はある種の重なる佇まいを導く? 六本木ヒルズにあるすきやばし次郎は行ったことがあるが、本店のほうには行ったことがなく、当然のことながら、店主を一瞥さえもしたことがないにもかかわらず。米国産の彼を扱った映画を見たことはあるからか(フィリップ・グラスが音楽をやっていたっけ。今から30年強前に、彼の取材に立ち会ったことがある。アイランドから『コヤニスカッティ』のサントラを出したとき。少しルー・リード的臭を持つ〜ああ、ニューヨーカーだとも皮膚感覚で納得させられた〜、静かな紳士だったな)。ともあれ、多大な評価を受け、ずっと現場に立てるというのはべらぼうに幸せなこと。殆どの人はそうはいかないし、仕事を続けるのはもちろん、生きていないかもしれない……。そう思うからこそ、自分には適わぬ境遇にある大御所の所作に触れたいと感じる受け手は、少なくないのではないだろうか。
▶過去の、ロイ・ヘインズ
http://43142.diarynote.jp/?month=200906
http://43142.diarynote.jp/201112041055284606/
▶過去の、山中千尋
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200906091637138003/
http://43142.diarynote.jp/201003191715113498/
http://43142.diarynote.jp/201108101632022013/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130303
▶過去の、ベン・ウィリアムズ
http://43142.diarynote.jp/200905191118258984/
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100530
http://43142.diarynote.jp/?day=20120303
http://43142.diarynote.jp/201205301445023004/
http://43142.diarynote.jp/201304031026406106/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
http://43142.diarynote.jp/201501230914317086/
<今日の、会合>
映画とライヴ・ショウの間に、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド/スキヤキ・トーキョーをよろしくね&なんか建設的な意見ありまっか?的な主旨を持つ関係者ミーティングに顔を出す。さくらホールのある渋谷区施設の会議室のようなところにて。富山県南砺市で1991年から始められている本家に対し、東京編は今年で5年目となるのか。今年は、沖縄でも持たれるという。今年のスキヤキ・トーキョーの日程は8月25日、26日、27日。セネガル、ホジェラス、ブラジル、マリなど、様々な国の人たちが出演するようだ。明日も同じ内容の会合が持たれることになっているが、初日の今日は30人の出席者。思っていたより出席者が多いと思ったが、ワールド・ミュージック系アーティストに触れられるこの貴重な機会がずうっと続いてほしいと思う人が少なくないという見解は間違っていないだろう。
▶過去の、スキヤキ・トーキョー
http://43142.diarynote.jp/201109100857091783/
http://43142.diarynote.jp/201109100858274114/
http://43142.diarynote.jp/201109100859202020/
http://43142.diarynote.jp/201209181232195036/
http://43142.diarynote.jp/201209181233153919/
http://43142.diarynote.jp/201309021132512714/
http://43142.diarynote.jp/201309021133409044/
http://43142.diarynote.jp/201309021134211584/
http://43142.diarynote.jp/201408301136411048/
http://43142.diarynote.jp/201408301137223996/
2015年、オランダ映画。監督のウィルマ・アルケマはスライ・エンスージアストのようで、このドキュメンタリー映画の大きな柱は二つ。
一つは旧来の同系映画の常で、過去の映像/音(編集された既発曲の使われ方は頷くところあり。隠匿する直前作である1983年作ワーナー盤はスライが完成前に逃げて、その後プロデューサーがアーバンな音を加えたそうで、音が加えられる前のテイクも少し紹介される)や元メンバーをはじめとする関連者証言映像を組み合わせて、スライ・ストーンのこれまでの歩みをまとめるというもの。まあ、それは普通の出来だが、えええええそうなのというネタも出て来るのは間違いない。1980年代前期以降スライはドラッグで人間を辞めて行方知れず(ほぼ、ホームレス)という印象をぼくはなんとなく持っていたのだが、2010年代に入ってからの2年間とかはキャンピングカー生活を強いられたようだが、印税が入って来ていた彼はちゃんとそれなりの生活をしていたよう(ずっとビバリー・ヒルズ奥の高台の邸宅に住んでいたみたい)で、それはなんかホっとした。彼が一切人前に出なかったのは、人間嫌いから来る本人の意思であり、もちかけられる高額報酬のインタヴューなどもすべて断っていたという。
彼はじじいになってもバイクが大好きであることにも触れる。なんか、2000年に入ってから、ハーレーで事故って、指を切断したんだとか。無事、つながったとことも伝えられるが、さすがウッドストック・フェスティヴァルで「モーター・サイクルは、ホンダ!」とステージで連呼した御仁でありますね。スライのあの所作があったからこそ、米国市場でのホンダの名声は築かれたと、ぼくは真面目に思ってマス。
そして、映画のもう一つの柱は、監督がLAに渡り、スライの自宅をつきとめたりもし、なんとか本人と会おうとする、いくつもの顛末。それは、スライが行方知れずになってから以降を語るパートであり、2000年代半ばごろからの映像。それを見て、最初のうちはそっとしといたらいいのにと思って見ていたのだが、同じオランダ人のスライ・ストーンおたくの双子もそこに絡んで来たりして、なんかストーリーはわわわ、というほうに流れて行く。ファンの熱意は偏屈スライのココロを溶かす……。なんか心のなかで、監督や双子と”ファイヴ”をしたくなったか。
近年、彼が家を失ってしまったのは、悪いメネージャーと契約を交わしてしまったことが最大の原因のよう。だが、2015年に入り500万ドルを元マネージャーから勝ち取る判決を訴訟で得たという情報も、映画には入れられている。
スライ・ストーンは、この3月で72歳になった。7月には、1968年10月4日と5日に地元ザ・フィルモア・ウェストでやったライヴ音が4枚組CDとなりリリースされることになってもいる。……スライが今後、音楽家として復活するかどうかは分らない。2011 年、ユニヴァーサル復帰カヴァー作はまるっきりほめられない出来だった。でも、そうでもいいぢゃん。1960年代後期から数年間のプロダクツがあまりにも常軌を逸するものであったわけで、それを素直に愛でて、幸福を感じればいい。あんなすごいの、ほいほい出て来たら、世界の秩序はこわれちゃう!
▶過去の、スライ・ストーン
http://43142.diarynote.jp/200809011923060000/
http://43142.diarynote.jp/200809071428140000/
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
90歳かいっ! 夜は1925年生まれのドラマー、ロイ・ヘインズ(2011年11月29日、2009年6月1日)のカルテットを見る。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。関係ないけど、ヘインズは3月13日生まれで、スライは3月15日生まれだ。
ばしっとスネアを叩いただけで、わっと歓声が上がる公演もそうはないのではないか。ぼくが見た過去のヘインズの公演でも、そういう場面はなかったと記憶する。実は今回、会場はかなり混んでいた。聞き手の側で、勝手にカウントダウンを刻んでいる? なんて書くと不謹慎と感じる人がいるかもしれないが、ヘインズはお茶目で、妙な諧謔を抱える御仁。ぜんぜん問題ないと、思いますよー。
しかし、小柄な彼はスタスタ歩き、一切段差も気にならないといった感じ(まあ、気になっていたらドラムは叩けないだろうけど)で、マジ元気だよなあ。彼、タムは大き目のものを並べていて、それは年寄りジャズ・ドラマーのそれとはちょっと思えない。レギュラー・グリップとマッチド・グリップを併用している彼、前よりも少し衰えている、ダイナミクスやドライヴ感が減じていると思わせるのは間違いないが。
ほぼ、ファースト・ショウとセカンド・ショウは異なる曲をやるようだが、サイド・マン(ピアノのマーティン・ベヘラーノ、アルト・サックスのジャリール・ショウ、ダブル・ベースのデイヴィッド・ウォン)は10年近く一緒にやっている人たちのようで、いろいろとやる曲はあるだろう。他人曲をやっているはずだが、ぼくがすぐに曲名がわかったものはなかった。意外に、若いメロディと思わせる曲調をやっていると思わせる部分もあったか。
今回、驚いたというか、聞き惚れたのはアルト・サックスのジャリール・ショウの演奏。かなり太い(テナー・サックスに股がると書くとオーヴァーですが)音色がまず個性的にして存在感あり。であるだけだけでなく、フレイジングがとても有機的にして、その総体は本当に音楽を大切にしているという所感を受けるもので、これは良い。今回、毎度以上のメロディ性を抱えているとすれば、それは彼のフィーチャー度が高かったせいがあるかもしれない。ピアニストの山中千尋(2005年8月21日、2009年6月7日、2010年3月14日、2011年8月6日、2013年3月3日)も一番新しいアルバムでフィラデルフィア・ネイティヴのショウを起用していたが、なにげに山中の既発アルバムのパーソネルを見ると、こんな人もちゃんと使っていたんだアということが散見される。ショウはベン・ウィリアムズ(2009年5月18日、2009年9月3日、2010年5月30日、2012年3月3日、2012年5月28日、2013年4月1日、2013年5月21日、2015年1月22日)と仲良しだったりするが、ヤマナカも前、ウィリアムズのことを雇っているよなー。
ヘインズのはげ頭を見ていて、なぜか すきやばし次郎の店主(89歳になるよう)の存在が頭に浮かぶ。気が遠くなるような蓄積や鍛錬はある種の重なる佇まいを導く? 六本木ヒルズにあるすきやばし次郎は行ったことがあるが、本店のほうには行ったことがなく、当然のことながら、店主を一瞥さえもしたことがないにもかかわらず。米国産の彼を扱った映画を見たことはあるからか(フィリップ・グラスが音楽をやっていたっけ。今から30年強前に、彼の取材に立ち会ったことがある。アイランドから『コヤニスカッティ』のサントラを出したとき。少しルー・リード的臭を持つ〜ああ、ニューヨーカーだとも皮膚感覚で納得させられた〜、静かな紳士だったな)。ともあれ、多大な評価を受け、ずっと現場に立てるというのはべらぼうに幸せなこと。殆どの人はそうはいかないし、仕事を続けるのはもちろん、生きていないかもしれない……。そう思うからこそ、自分には適わぬ境遇にある大御所の所作に触れたいと感じる受け手は、少なくないのではないだろうか。
▶過去の、ロイ・ヘインズ
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▶過去の、山中千尋
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200906091637138003/
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▶過去の、ベン・ウィリアムズ
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http://43142.diarynote.jp/201501230914317086/
<今日の、会合>
映画とライヴ・ショウの間に、スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド/スキヤキ・トーキョーをよろしくね&なんか建設的な意見ありまっか?的な主旨を持つ関係者ミーティングに顔を出す。さくらホールのある渋谷区施設の会議室のようなところにて。富山県南砺市で1991年から始められている本家に対し、東京編は今年で5年目となるのか。今年は、沖縄でも持たれるという。今年のスキヤキ・トーキョーの日程は8月25日、26日、27日。セネガル、ホジェラス、ブラジル、マリなど、様々な国の人たちが出演するようだ。明日も同じ内容の会合が持たれることになっているが、初日の今日は30人の出席者。思っていたより出席者が多いと思ったが、ワールド・ミュージック系アーティストに触れられるこの貴重な機会がずうっと続いてほしいと思う人が少なくないという見解は間違っていないだろう。
▶過去の、スキヤキ・トーキョー
http://43142.diarynote.jp/201109100857091783/
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http://43142.diarynote.jp/201408301137223996/
クロード・ディアロ&ジェシカ・ガーリカー
2015年5月15日 音楽 広尾にあるスイス大使館で、2人のスイス人ジャズ・ミュージシャンを見る。
1981年生まれのピアノ奏者のクロード・ディアロは両親がヴァイオリニストで、9歳からオスカー・ピーターソンが好きになり、ジャズに興味を持ったという人物。彼は米国バークリー大学やクイーンズ・カレッジなどを経て、今があるという。欧州性を感じさせる流麗さを持つ一方、けっこうリストは強そうという指さばきを、彼はさらりと示した。
一方、1997年生まれのトランペッターであるジェシカ・ガーリカーは6歳からダイ・キモトという日本人が主催する子供ビッグ・バンド(保守的なスウィング・ジャズをやるよう)で吹くようになり、まだ18歳ながら、その関係で過去何度も来日していて、今回が5度目の訪日。現在チューリヒ大学ジャズ部に在籍もしているそう。
1曲ディアロが即興ぽくピアノ・ソロを披露したあとは、2人一緒に演奏する。ディアロは自作曲もやる人と思うが、ここでは一緒に演奏するため、「ミスティ」など素直なスタンダードを中心に演奏。終盤、ガーリカーはトランペットを吹くだけでなく、「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」や「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」などヴァーカルを3曲で披露した。終演後にちらりと話したら、好きなトランペッターはルイ・アームストロングと言っていたな。
<今日の、R.I.P.>
14日、B.B.キング(2007年2月3日)が89歳で、自宅のラスヴェガスで亡くなった。米国大衆音楽における、最たる巨星。取材したことは一度で1989年、最後にライヴを見たのは2007年にニューオーリンズで(2007年2月3日)。大往生、本当にありがとうございました。
▶過去の、”ブルース・ボーイ”キング
http://43142.diarynote.jp/200702112125550000/
1981年生まれのピアノ奏者のクロード・ディアロは両親がヴァイオリニストで、9歳からオスカー・ピーターソンが好きになり、ジャズに興味を持ったという人物。彼は米国バークリー大学やクイーンズ・カレッジなどを経て、今があるという。欧州性を感じさせる流麗さを持つ一方、けっこうリストは強そうという指さばきを、彼はさらりと示した。
一方、1997年生まれのトランペッターであるジェシカ・ガーリカーは6歳からダイ・キモトという日本人が主催する子供ビッグ・バンド(保守的なスウィング・ジャズをやるよう)で吹くようになり、まだ18歳ながら、その関係で過去何度も来日していて、今回が5度目の訪日。現在チューリヒ大学ジャズ部に在籍もしているそう。
1曲ディアロが即興ぽくピアノ・ソロを披露したあとは、2人一緒に演奏する。ディアロは自作曲もやる人と思うが、ここでは一緒に演奏するため、「ミスティ」など素直なスタンダードを中心に演奏。終盤、ガーリカーはトランペットを吹くだけでなく、「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」や「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」などヴァーカルを3曲で披露した。終演後にちらりと話したら、好きなトランペッターはルイ・アームストロングと言っていたな。
<今日の、R.I.P.>
14日、B.B.キング(2007年2月3日)が89歳で、自宅のラスヴェガスで亡くなった。米国大衆音楽における、最たる巨星。取材したことは一度で1989年、最後にライヴを見たのは2007年にニューオーリンズで(2007年2月3日)。大往生、本当にありがとうございました。
▶過去の、”ブルース・ボーイ”キング
http://43142.diarynote.jp/200702112125550000/
アヴィシャイ・コーエン・トリオ
2015年5月14日 音楽 わあ、あのクールそうな、アヴィシャイが壊れた!(←少し、大げさ) それ、どーゆうことと思われる方も多いだろうが、後のほうで、その模様に触れます。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
アメリカのジャズ界で活躍した後に今は本国に戻って同胞と属性を愛でる方向性も持つジャズ活動を鋭意標榜しているイスラエル人ジャズ・ベーシスト(2006年5月17日、2014年1月21日)の公演は、ピアノのニタイ・ハシュコヴィッツ(2014年1月21日)とドラムのダニエル・ドー(2014年1月21日)、このところ固定されたトリオによる。そして、ステージに出て来た3人の出す音にパっと触れ、これは生理的に格調の高いジャズであると思わされる。ライヴだとソロを長くとるので、純ジャズ・リスナー以外への訴求にも留意したアルバムの内容よりジャズ濃度は高まる。
いやはや、それぞれの出音の綺麗で、存在感のあること。それは、3人とも相当な技量を持つことの裏返しであるのだが、技術を超えた風情や味をアピールする方向にトリオ表現は収束もする。結果、インターナショナルなジャズ美意識と自らの出自を愛でる気持ちの目映い交錯表現がぽっかりと浮かび上がるわけだ。また、見ているうちに、どんどん面々のインタープレイの様にも耳うばわれる。その部分においては、どんどん磨きがかけられ、熟成してきているのは疑いがない。絵画を3人で描いて行くようなノリも持つ演奏はかなりいろんな機微〜展開を持つものであるのだが、譜面を置かずに悠々と噛み合い、流れていく様はまさにワーキング・トリオの鏡。そこに介在する呼吸とか、間とか、本当にすごい。と、そんな感じで、本編は終了する。
その後、面々は再びステージに上がりアンコールに応えるわけだが、そこでコーエンは全面的に、おカマっぽい感じもある歌を披露する。アルバムでは歌を披露したこともあったが、生でそれを聞くのは、ぼくは初めて。まあ、いかにもアンコールの曲らしいものではあったよな。当然、そのイスラエル風味の強いヴォーカル曲でショウを終えるのかと思ったら、大きな声援に応えて、彼はベース独奏をやりだす。5分近くやったかな。ディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)の「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の著名リフ断片を中盤と終盤に差し込んだりもして、それは本編で披露した曲におけるソロのパートより、ぐっと弾けている? そして、途中からするりとピアノとドラムも入りトリオ演奏に移ったわけだが、そこらへんの“整備”のされ具合にも、さすがとうなる。
アンコール2曲目を終えて、3人が前に出て来て並んで満足そうに頭を下げたら、またまたショウは終了と思う。けっこう、満足感を覚えた観客は自然発生的にスタンディジング・オヴェイション。そしたら、彼らはまた演奏を始める。わー。それもヴォーカル曲なのだが、最初はイスラエルのトラッドなのかなと思って聞いていたら、途中からスペイン語のラテン曲に。本編にもラテン崩しの曲があった(リズムの処理が、ぼくには少し気持ち悪かった)が、今度はもっと純なラテン調で突っ走る。そして、途中でコーエンはベースを置き、ドラマーの予備のスティックを手にし、横に置いてあった譜面台のようなもの(タオルやペットボトルが置いてあったのかな。彼はそれらを打楽器にするために、置かれていたものをバラバラと床に落とした)をバカバカ叩き出したり、大きなフリで2本のスティックを交錯させ、客に大仰に働きかける。おお、暴走してるじゃないか! コーエンって、そういう顔も持つのか? その後、再びベースを手にしごんごん乱暴に弾き倒し、演奏を終えると、ベースを片手で持ってのけぞるポーズを、彼は決めた。
▶過去の、アヴィシャイ・コーエン(ベーシスト)
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
▶過去の、ニタイ・ハシュコヴィッツ、ダニエル・ドー
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
<今日の、観客>
ようは、3曲もアンコールをやった。ファースト・ショウは70分ほどの尺だったようだが、ぼくが見たセカンドは約90分。その数字にも、終盤のコーエンの異変が表れているはず。だが、かようなコーエンのマインドを持つ振る舞いを引き出したのは、観客の熱烈な反応ではなかったか。お客の拍手の熱さは、ショウのあたまのほうから感じたもの。やっぱり、客のリアクションは大切だと思わされることしきり。それによって、アーティストは鼓舞され、ショウはどうにでも動いて行く。そんなことを、おおいに確認できた実演でもあったな。
アメリカのジャズ界で活躍した後に今は本国に戻って同胞と属性を愛でる方向性も持つジャズ活動を鋭意標榜しているイスラエル人ジャズ・ベーシスト(2006年5月17日、2014年1月21日)の公演は、ピアノのニタイ・ハシュコヴィッツ(2014年1月21日)とドラムのダニエル・ドー(2014年1月21日)、このところ固定されたトリオによる。そして、ステージに出て来た3人の出す音にパっと触れ、これは生理的に格調の高いジャズであると思わされる。ライヴだとソロを長くとるので、純ジャズ・リスナー以外への訴求にも留意したアルバムの内容よりジャズ濃度は高まる。
いやはや、それぞれの出音の綺麗で、存在感のあること。それは、3人とも相当な技量を持つことの裏返しであるのだが、技術を超えた風情や味をアピールする方向にトリオ表現は収束もする。結果、インターナショナルなジャズ美意識と自らの出自を愛でる気持ちの目映い交錯表現がぽっかりと浮かび上がるわけだ。また、見ているうちに、どんどん面々のインタープレイの様にも耳うばわれる。その部分においては、どんどん磨きがかけられ、熟成してきているのは疑いがない。絵画を3人で描いて行くようなノリも持つ演奏はかなりいろんな機微〜展開を持つものであるのだが、譜面を置かずに悠々と噛み合い、流れていく様はまさにワーキング・トリオの鏡。そこに介在する呼吸とか、間とか、本当にすごい。と、そんな感じで、本編は終了する。
その後、面々は再びステージに上がりアンコールに応えるわけだが、そこでコーエンは全面的に、おカマっぽい感じもある歌を披露する。アルバムでは歌を披露したこともあったが、生でそれを聞くのは、ぼくは初めて。まあ、いかにもアンコールの曲らしいものではあったよな。当然、そのイスラエル風味の強いヴォーカル曲でショウを終えるのかと思ったら、大きな声援に応えて、彼はベース独奏をやりだす。5分近くやったかな。ディープ・パープル(2005年8月13日、2006年5月21日)の「スモーク・オン・ザ・ウォーター」の著名リフ断片を中盤と終盤に差し込んだりもして、それは本編で披露した曲におけるソロのパートより、ぐっと弾けている? そして、途中からするりとピアノとドラムも入りトリオ演奏に移ったわけだが、そこらへんの“整備”のされ具合にも、さすがとうなる。
アンコール2曲目を終えて、3人が前に出て来て並んで満足そうに頭を下げたら、またまたショウは終了と思う。けっこう、満足感を覚えた観客は自然発生的にスタンディジング・オヴェイション。そしたら、彼らはまた演奏を始める。わー。それもヴォーカル曲なのだが、最初はイスラエルのトラッドなのかなと思って聞いていたら、途中からスペイン語のラテン曲に。本編にもラテン崩しの曲があった(リズムの処理が、ぼくには少し気持ち悪かった)が、今度はもっと純なラテン調で突っ走る。そして、途中でコーエンはベースを置き、ドラマーの予備のスティックを手にし、横に置いてあった譜面台のようなもの(タオルやペットボトルが置いてあったのかな。彼はそれらを打楽器にするために、置かれていたものをバラバラと床に落とした)をバカバカ叩き出したり、大きなフリで2本のスティックを交錯させ、客に大仰に働きかける。おお、暴走してるじゃないか! コーエンって、そういう顔も持つのか? その後、再びベースを手にしごんごん乱暴に弾き倒し、演奏を終えると、ベースを片手で持ってのけぞるポーズを、彼は決めた。
▶過去の、アヴィシャイ・コーエン(ベーシスト)
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
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▶過去の、ニタイ・ハシュコヴィッツ、ダニエル・ドー
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▶過去の、ディープ・パープル
http://43142.diarynote.jp/200508152007550000/
http://43142.diarynote.jp/200605231801250000/
<今日の、観客>
ようは、3曲もアンコールをやった。ファースト・ショウは70分ほどの尺だったようだが、ぼくが見たセカンドは約90分。その数字にも、終盤のコーエンの異変が表れているはず。だが、かようなコーエンのマインドを持つ振る舞いを引き出したのは、観客の熱烈な反応ではなかったか。お客の拍手の熱さは、ショウのあたまのほうから感じたもの。やっぱり、客のリアクションは大切だと思わされることしきり。それによって、アーティストは鼓舞され、ショウはどうにでも動いて行く。そんなことを、おおいに確認できた実演でもあったな。
映画「ミャンマー 民族音楽への旅」。クラムボン×デイヴ・シンクレア
2015年5月12日 音楽 「ビルマの竪琴」という童話や映画があることで旧国名はポピュラーだったりし、また僧侶が大切にされる国というパブリック・イメージがあったりするものの、まったくといっていいほどミャンマーという国のことをぼくは知らないのだなあ。と、映画「ミャンマー 民族音楽への旅」を見ながら思った。渋谷・ユーロライブにての試写。6月下旬より公開される。
監督/プロデューサーを務める川端潤は、エアプレーン・レーベルというインディを持っている、写真家や音楽家でもあるという。なんでも、ミャンマーの軍事政権から逃れてきた青年を雇用したことが発端で、ミャンマーに乗り込み同国の伝統音楽を録音することになり、その模様をドキュメンタリー映画にまとめている。当然、映画中に流れるのは撮影されたミャンマーの人たちの演奏や歌だが、風景場面にはストリングス・シンセと歌声を合わせたチル・アウト風な音楽も使われていて、それは監督自ら作っている。
2013年、ミャンマーの新年にあたる4月に、旧首都であるヤンゴンに行った模様が、レコーディングの模様を中心に、時系列で素直に紹介される。とともに、現地の風俗や人々の表情などを伝える映像も時々入れられる。撮影者だろう女性の声も入るが、説明はすべて字幕で片付け、それは入らないほうがいいと思った。幹線道路に面したような一角に野外ディスコみたいなのが一瞬映し出されたんじゃなかったか。そーいうのも、あるのかな? ともあれ、映画を見ていると、ミャンマーに行きてえとは、確実に思わせられる。
ビルマの竪琴として日本で知られる弦楽器の音は、ぬわんとかなりコラみたいと思った。最初のほうはその楽器を用いる音楽が紹介されたのだが、その繊細な響きや揺らぎが印象的で、ミャンマーの伝統音楽はビート感覚はそれほど持たないものが主なのかなと思っていたら、途中からどんどん打楽器系楽器が出て来て、おお。なかには、タブラッカみたいな楽器もあったよな。また、円状の内側に音階のある太鼓や鳴り物をズラリと並べるという感じの楽器(というより、装置といったほうがピンと来るか)もあって、これは見た目的にも音的にも、ちょい我々の想像を超える? その円のなかに奏者は入るのだが、それはなんか宇宙船みたい? こりゃ、先週土曜日に見た<川上フォーン>もびっくりだな。
竪琴にせよ、その“円盤”にせよ、綺麗に装飾やペインティングがなされていて、それを用いる伝統音楽が晴れの場のものであり、祝福されたものであるのを了解。でもって、レコーディング参加者のなかには普段は大学で教えているという人が複数いたりして、担い手はけっこうインテリ側にいる人が多いのか。そういえば、録音に使ったスタジオを持っている大学准教授は日本語をしゃべっていたし、日本勢とミュージシャンは片言の英語でコミュニニケーシンをとったりもしていた。スタジオ所有者の大学の学生たちによる2013年7月の来日公演の模様も、ちらりインサートされました。
夜は、六本木・ビルボードライブ東京(ファースト・ショウ)で、日本人グループのクラムボン(2007年9月24日)と英国プログ・ロック名士のデイヴ・シンクレア、両者からなるダブルビル公演を見る。シンクレアは京都在住とかで、彼のラジオ放送用ライヴをクラムボンのミト((2014年12月26日)がベース奏者として助力したことがあり、それが縁となっているよう。
まず、結成20年となるそうなクラムボンが前座ですと言って、約40分パフォーマンス。時間が短いのに、呑気に延々とMCするあたりは邦楽流儀か。音楽性はかなり洋楽下敷きなんだけどなー。テーブルの上に秋の日本武道館公演のチラシが置かれており、また原田郁子(2009年11月1日、2011年4月6日、2015年2月6日)のMCでも、それが触れられる。へー、武道館とはすごいな。そして、この晩はビルボードライブ向きのアダルト路線、いつもとは異なる曲選びで行くことが告げられた。それについてはよく分らぬが、いろんな音楽語彙を参照したすえに原田の個性的な歌唱を核に置く魅惑的なポップ・ミュージックに結晶させていることを示す実演であったのは間違いない。インスト部にもいろいろ留意したそれ、ミトはベースよりギターを手にすることが多く、ドラマーの伊藤大助はニコニコと土台を作っていた。
そして、鍵盤や歌のシンクレアのギグのほうは、彼の名声のよりどころであるキャラヴァン時代の同僚であり、その後もブライアン・フェリーやレディオヘッドやエイミー・ワインハウスなどのアルバム録音に関与している英国在住のリード奏者のジミー・ヘイスティングス(この日は、フルートとクラリネットを吹く)に加え、日本人の女性シンガーとベーシストと女性ドラマーがついてのパフォーマンス。なんでも、シンクレアとヘイスティングは『カンタベリー・テイルズ』という連名によるアルバムを作ったよう。彼は循環奏法と呼ばれるロング・トーン奏法も披露。その際、この日が77歳の誕生日であることが共演者たちから祝われたりもしたのだが、そのベタな設定はあまりに臭すぎ。シンクレアは吉本新喜劇のファンかと思ってしまった? でも、やはりキャラヴァンにいた従兄弟のリチャード・シンクレア(2014年4月19日)の様と比較するなら、真面目そうに見えました。
こちらの主ヴォーカルは日本語と英語で女性シンガーがとったが、2曲で披露したシンクレアの少しヨレたヴォーカルは絶品。淡い木漏れ日を受けた気持ちにもなれるそれにはぼくのココロが揺れまくり。これが6、7曲やられたときにゃ、ぼくは悶絶しちゃうな。2曲ではクラムボンの3人も加わる。ツイン・ドラムのときもあり。キャラヴァンとソフト・マシーンは同じ母体を持ち、ロバート・ワイアットがソフト・マシーンを抜けてシンクレアと組んだマッチング・モールで発表した1972年メロディアス人気曲「オー・キャロライン」の際は、クラムボンの2013年カヴァー・アルバムで取り上げてもいるため、原田も歌った。
▶過去の、クラムボン
http://43142.diarynote.jp/200709261218590000/
▶過去の、原田郁子
http://43142.diarynote.jp/200911021429368036
http://43142.diarynote.jp/201104091623415118/
http://43142.diarynote.jp/201502071011467530/
▶過去の、ミト
http://43142.diarynote.jp/201412291146465218/
▶過去の、リチャード・シンクレア
http://43142.diarynote.jp/201404200755013398/
<今日の、夜の天候>
台風6号→熱帯低気圧の影響で、18時半からのライヴを見た後は、かなりな雨風。そのままミッドタウン内で一飲み一食べ。分別ある大人ならそこでお開きにするのかもしれないが、そのままゴー。一緒の知人が横浜在住であったので、少しでも帰りやすくするべく&日比谷線で1本で行ける、中目黒に移動して飲む。雨風はどんどんパワーアップ。さすが、その後はハシゴする気にはなれず。わー、風で傘が壊れたが、駅前でタクシーを拾えたのはラッキー。そのタクシーの車中、叩き付ける雨でワイパーがあまり役にたたず。運転手さん「すみませんねえ、ゆっくりでしか走れなくて」。ぼく「いやいや、乗せていただけるだけで有り難いデス」。運転手さん「さすがこんな日は、皆さん早々にお帰りになる人が多いですよ」。 帰宅して、航空機の飛行状況を可視化しているサイトを何気に見たら、羽田や成田に降りることが出来ず、ぐるぐる回らされている&到着予定時間が大幅に遅れて表記されている航空機多数。名古屋方面に向かっている飛行機もあったと見たが、降機予定地いがいに降りた便もあったのか。あと、成田だと深夜発着は許されていないが、こういう場合は深夜の降機が認められるのか。酔っぱらった頭でいろんなことを考えてしまったyo。しかし、セカンド・ショウの客の入りはどうだったのだろうか?
監督/プロデューサーを務める川端潤は、エアプレーン・レーベルというインディを持っている、写真家や音楽家でもあるという。なんでも、ミャンマーの軍事政権から逃れてきた青年を雇用したことが発端で、ミャンマーに乗り込み同国の伝統音楽を録音することになり、その模様をドキュメンタリー映画にまとめている。当然、映画中に流れるのは撮影されたミャンマーの人たちの演奏や歌だが、風景場面にはストリングス・シンセと歌声を合わせたチル・アウト風な音楽も使われていて、それは監督自ら作っている。
2013年、ミャンマーの新年にあたる4月に、旧首都であるヤンゴンに行った模様が、レコーディングの模様を中心に、時系列で素直に紹介される。とともに、現地の風俗や人々の表情などを伝える映像も時々入れられる。撮影者だろう女性の声も入るが、説明はすべて字幕で片付け、それは入らないほうがいいと思った。幹線道路に面したような一角に野外ディスコみたいなのが一瞬映し出されたんじゃなかったか。そーいうのも、あるのかな? ともあれ、映画を見ていると、ミャンマーに行きてえとは、確実に思わせられる。
ビルマの竪琴として日本で知られる弦楽器の音は、ぬわんとかなりコラみたいと思った。最初のほうはその楽器を用いる音楽が紹介されたのだが、その繊細な響きや揺らぎが印象的で、ミャンマーの伝統音楽はビート感覚はそれほど持たないものが主なのかなと思っていたら、途中からどんどん打楽器系楽器が出て来て、おお。なかには、タブラッカみたいな楽器もあったよな。また、円状の内側に音階のある太鼓や鳴り物をズラリと並べるという感じの楽器(というより、装置といったほうがピンと来るか)もあって、これは見た目的にも音的にも、ちょい我々の想像を超える? その円のなかに奏者は入るのだが、それはなんか宇宙船みたい? こりゃ、先週土曜日に見た<川上フォーン>もびっくりだな。
竪琴にせよ、その“円盤”にせよ、綺麗に装飾やペインティングがなされていて、それを用いる伝統音楽が晴れの場のものであり、祝福されたものであるのを了解。でもって、レコーディング参加者のなかには普段は大学で教えているという人が複数いたりして、担い手はけっこうインテリ側にいる人が多いのか。そういえば、録音に使ったスタジオを持っている大学准教授は日本語をしゃべっていたし、日本勢とミュージシャンは片言の英語でコミュニニケーシンをとったりもしていた。スタジオ所有者の大学の学生たちによる2013年7月の来日公演の模様も、ちらりインサートされました。
夜は、六本木・ビルボードライブ東京(ファースト・ショウ)で、日本人グループのクラムボン(2007年9月24日)と英国プログ・ロック名士のデイヴ・シンクレア、両者からなるダブルビル公演を見る。シンクレアは京都在住とかで、彼のラジオ放送用ライヴをクラムボンのミト((2014年12月26日)がベース奏者として助力したことがあり、それが縁となっているよう。
まず、結成20年となるそうなクラムボンが前座ですと言って、約40分パフォーマンス。時間が短いのに、呑気に延々とMCするあたりは邦楽流儀か。音楽性はかなり洋楽下敷きなんだけどなー。テーブルの上に秋の日本武道館公演のチラシが置かれており、また原田郁子(2009年11月1日、2011年4月6日、2015年2月6日)のMCでも、それが触れられる。へー、武道館とはすごいな。そして、この晩はビルボードライブ向きのアダルト路線、いつもとは異なる曲選びで行くことが告げられた。それについてはよく分らぬが、いろんな音楽語彙を参照したすえに原田の個性的な歌唱を核に置く魅惑的なポップ・ミュージックに結晶させていることを示す実演であったのは間違いない。インスト部にもいろいろ留意したそれ、ミトはベースよりギターを手にすることが多く、ドラマーの伊藤大助はニコニコと土台を作っていた。
そして、鍵盤や歌のシンクレアのギグのほうは、彼の名声のよりどころであるキャラヴァン時代の同僚であり、その後もブライアン・フェリーやレディオヘッドやエイミー・ワインハウスなどのアルバム録音に関与している英国在住のリード奏者のジミー・ヘイスティングス(この日は、フルートとクラリネットを吹く)に加え、日本人の女性シンガーとベーシストと女性ドラマーがついてのパフォーマンス。なんでも、シンクレアとヘイスティングは『カンタベリー・テイルズ』という連名によるアルバムを作ったよう。彼は循環奏法と呼ばれるロング・トーン奏法も披露。その際、この日が77歳の誕生日であることが共演者たちから祝われたりもしたのだが、そのベタな設定はあまりに臭すぎ。シンクレアは吉本新喜劇のファンかと思ってしまった? でも、やはりキャラヴァンにいた従兄弟のリチャード・シンクレア(2014年4月19日)の様と比較するなら、真面目そうに見えました。
こちらの主ヴォーカルは日本語と英語で女性シンガーがとったが、2曲で披露したシンクレアの少しヨレたヴォーカルは絶品。淡い木漏れ日を受けた気持ちにもなれるそれにはぼくのココロが揺れまくり。これが6、7曲やられたときにゃ、ぼくは悶絶しちゃうな。2曲ではクラムボンの3人も加わる。ツイン・ドラムのときもあり。キャラヴァンとソフト・マシーンは同じ母体を持ち、ロバート・ワイアットがソフト・マシーンを抜けてシンクレアと組んだマッチング・モールで発表した1972年メロディアス人気曲「オー・キャロライン」の際は、クラムボンの2013年カヴァー・アルバムで取り上げてもいるため、原田も歌った。
▶過去の、クラムボン
http://43142.diarynote.jp/200709261218590000/
▶過去の、原田郁子
http://43142.diarynote.jp/200911021429368036
http://43142.diarynote.jp/201104091623415118/
http://43142.diarynote.jp/201502071011467530/
▶過去の、ミト
http://43142.diarynote.jp/201412291146465218/
▶過去の、リチャード・シンクレア
http://43142.diarynote.jp/201404200755013398/
<今日の、夜の天候>
台風6号→熱帯低気圧の影響で、18時半からのライヴを見た後は、かなりな雨風。そのままミッドタウン内で一飲み一食べ。分別ある大人ならそこでお開きにするのかもしれないが、そのままゴー。一緒の知人が横浜在住であったので、少しでも帰りやすくするべく&日比谷線で1本で行ける、中目黒に移動して飲む。雨風はどんどんパワーアップ。さすが、その後はハシゴする気にはなれず。わー、風で傘が壊れたが、駅前でタクシーを拾えたのはラッキー。そのタクシーの車中、叩き付ける雨でワイパーがあまり役にたたず。運転手さん「すみませんねえ、ゆっくりでしか走れなくて」。ぼく「いやいや、乗せていただけるだけで有り難いデス」。運転手さん「さすがこんな日は、皆さん早々にお帰りになる人が多いですよ」。 帰宅して、航空機の飛行状況を可視化しているサイトを何気に見たら、羽田や成田に降りることが出来ず、ぐるぐる回らされている&到着予定時間が大幅に遅れて表記されている航空機多数。名古屋方面に向かっている飛行機もあったと見たが、降機予定地いがいに降りた便もあったのか。あと、成田だと深夜発着は許されていないが、こういう場合は深夜の降機が認められるのか。酔っぱらった頭でいろんなことを考えてしまったyo。しかし、セカンド・ショウの客の入りはどうだったのだろうか?
キャット・エドモンソン。ザ・ファンキー・ミーターズ
2015年5月10日 音楽 まずは、南青山・ブルーノート東京で、曲も書く30歳ちょいの米国人女性シンガーの初来日公演を見る。その小柄で細い体躯やさらりとした風貌とは相容れない“癖っ声”を持つ人物で、それだけで、何を歌っても人の興味をひくと思わされるタイプ。で、歌い始めたら、CDのまんま。わらっちゃった。
そんな彼女は古いハリウッド映画に親しんで育ち、アフレッド・アステアやジーン・ケリーらをアイドルとしてきたというのが要点。つまり、その趣味を今も持つ彼女のアルバムは一言で言えばジャジーな部分も持つレトロスペクティヴなポップ・ミュージックであり、その浮世離れした感じは、ジャズがポップ・ミュージックのメインストリームたりえたころの鷹揚な豊かさから導かれていると説明することができるだろう。
ギター、ベース、鍵盤(ヴァイブラフォンやアコーディオンやピアニカも触る)、ドラムを従えてのステージ。2作品を自主制作やクラウド・ファウンディング(応援者であるライル・ラヴィットのデュエットも含む2作目『Way Down Low』はなかなかのジャジー・ポップ好盤)で作ったあと、ソニーに認められて2015年のサード作『ビッグ・ピクチャー』はミッチェル・フルームのプロデュースにて、よりポップ寄りにあるものを作った。
おもしろいのは体躯の大きな女性キーボード奏者(キーボードをちょい触っただけで、何気にしっかりしていると思わされた)がもしかして半数の曲で、小さめのヴァイブラフォンを扱っていたこと。また、ドラマーも同様に鉄琴を演奏する局面もあり(一緒に連弾みたいになるときも)、こんなに鍵盤打楽器音が伴奏に使われるポップ・ミュージックも珍しいと思わずにはいられず。エドモンソンは洒脱な音の響きを持つということでヴァイブラフォン系の音を用いていると推測されるが、この後“渋谷系”にかする方向に彼女が向かって行っても不思議はないと思わされもしたか。もしくは、アメリカーナ的な味付けをより求めるのはアリだろう。あ、先に触れた2作目はその薫りもありますね。
その後は、六本木・ビルボードライブ東京に移動して、ニューオーリンズの顔役ファンク・グループ(2009年7月25日、2014年1月17日)のショウを見る。オルガンのアート・ネヴィル、ベースのジョージ・ポーターJr. (2007年2月2日。2007年2月4日、2008年8月12日)、ギターのブライアン・ストルツの3人に加え、今回のドラマーはテレンス・ヒューストンという若いアフリカ系の人物。
インスト表現主体、歌が入るパートはならすと3割欠けぐらいかな。前回来日時の文でも指摘したが、延々とフレイズや手癖楽器音を重ねて切れ目なく繋いで行く様は、ジャム・バンド・ミュージック的。ザ・ファンキー・ミーターズならぬ、ザ・ジャミング・ミーターズと名乗ったほうがしっくり来るとは思いマス。
とくに、今回はザ・ミーターズのキラー・チューンを重ねるということもなく、余計にジャム・バンド的と感じた。前回と同じようにボブ・ディランのブルース曲「エヴィリバディ・マスト・ゲット・ストーンド」(それが、この公演の最初のヴォーカル曲だった)をやったりもしたが、それはストルツが歌う。彼はこれまでより前に出る感じだったが、それに触れながら、パパ・グロウズ・ファンク(2004年3月30日、2007年2月5日、2009年7月27日)も解散しちゃったし、ギタリストが山岸潤史(1999年8月5日、2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日、2005年7月30日、2005年7月31日、2007年2月3日、2007年2月4日、2007年2月5日、2008年9月11日、2009年5月19日、2009年7月27日、2010年8月4日、2011年5月17日、2012年9月8日、2013年6月13日、2014年7月29日、2015年1月29日)じゃ駄目なのかと思うことしきり。ポーターJr.とは一緒にバンドをやったりしていて、仲良しだったりするし……。でも、山岸だと個の味が濃すぎるというところはある?
そしたら、アンコールはバディ・マイルス/ジミ・ヘンドリックスで知られる「ゼム・チェンジズ」(これも歌ったのは、ストルツ)。少しヘンドリックス的な演奏を見せるストルツの演奏に触れつつ、やはり山岸のほうが適任ぢゃんと思わずにはいられず。
サム・ピッキング主体のポーターJr.はやはり元気。新しいドラマーは特筆すべき人でもないと思ったが、本編最後の「ヘイ・ポッキー・アウェイ」のスネア音はマルと思う。それを歌ったのは、従来通りアート・ネヴィル。考えてみれば、同地のジャズ&ヘリテッジ・フェスティヴァルが終わって、彼らは極東にやってきたことになるのか。なんて、考えると、有り難みは増すか。悠々、着々、やはりじいさんたちのパフォーマンスからは彼の地の魔法がジューシーにいろいろ融けていたわけで……。90分の演奏時間、なり。
▶過去の、ザ・ファンキー・ミーターズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201401181209502731/
▶過去の、アート/ザ・ネヴィル・ブラザース
http://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
▶過去の、ポーター・Jr.
http://43142.diarynote.jp/200702090041480000/
http://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
http://43142.diarynote.jp/200808140129280000/
▶過去の、パパ・グロウズ・ファンク
http://43142.diarynote.jp/200403300522210000/
http://43142.diarynote.jp/200702122331070000/
http://43142.diarynote.jp/200908071452433928/
▶過去の、山岸潤史
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-7.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040330
http://43142.diarynote.jp/200508060616450000/
http://43142.diarynote.jp/200508060622480000/
http://43142.diarynote.jp/200702112125550000/
http://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
http://43142.diarynote.jp/200702122331070000/
http://43142.diarynote.jp/200809160030188727/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090519
http://43142.diarynote.jp/?day=20090727
http://43142.diarynote.jp/?day=20100804
http://43142.diarynote.jp/201105181052427410/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120908
http://43142.diarynote.jp/201306171646424744/
http://43142.diarynote.jp/201408051721103640/
http://43142.diarynote.jp/201501301446383781/
<今日の、出演者>
エドモンソンには、先週末にインタヴューをした。相当に控え目な感じ(それを受けて、競争が苦手そうに見受けられるあなたが、昔アメリカン・アイドルに出たことがあるのは意外と感じるという主旨の発言をしたところ、本人もそれを肯定)で、まっさらな感じを受ける。そのときは淡いピンク基調のカーディガンなどを着ていて、アメリカ人、もとい彼女が育った南部ぽくないことも指摘すると、彼女ははにかみつつうれしそうに謝辞を返した。今後は、映画にも出たいそうだ。
一方、前回来日時に腰を痛めていて見る物をギョッとさせたザ・ファンキー・ミーターズのアート・ネヴィルなんだが、今回もステージの乗り降りにはかなり時間がかかっていた。でも、演奏の最中にお付きの人に腰を支え続けてもらうという局面はなし。オルガン演奏は前よりも控え目、歌も控え目。現在のザ・ファンキー・ミーターズ表現の中では主ではなく、従の位置に、彼はいる。つまり、主はポーター・Jr.とストルツの絡み。その事実は少し悲しいが、それでも見れて良かったと思わずにはいられないんだよなあ。彼は全曲ハモンドを弾いたが、横にはノードも置いていた。それハモンドの予備、それとも場合によっては電気ピアノ音色で弾くつもりでもあった?(確かに、「ヘイ・ポッキー・アウェイ」は電気ピアノ音が本来基調となる曲だよな) 腰をいたわりつつ、気をつけて飛行機で帰ってくださいね。戻ったら、彼らは米国で2公演が控えている。
そんな彼女は古いハリウッド映画に親しんで育ち、アフレッド・アステアやジーン・ケリーらをアイドルとしてきたというのが要点。つまり、その趣味を今も持つ彼女のアルバムは一言で言えばジャジーな部分も持つレトロスペクティヴなポップ・ミュージックであり、その浮世離れした感じは、ジャズがポップ・ミュージックのメインストリームたりえたころの鷹揚な豊かさから導かれていると説明することができるだろう。
ギター、ベース、鍵盤(ヴァイブラフォンやアコーディオンやピアニカも触る)、ドラムを従えてのステージ。2作品を自主制作やクラウド・ファウンディング(応援者であるライル・ラヴィットのデュエットも含む2作目『Way Down Low』はなかなかのジャジー・ポップ好盤)で作ったあと、ソニーに認められて2015年のサード作『ビッグ・ピクチャー』はミッチェル・フルームのプロデュースにて、よりポップ寄りにあるものを作った。
おもしろいのは体躯の大きな女性キーボード奏者(キーボードをちょい触っただけで、何気にしっかりしていると思わされた)がもしかして半数の曲で、小さめのヴァイブラフォンを扱っていたこと。また、ドラマーも同様に鉄琴を演奏する局面もあり(一緒に連弾みたいになるときも)、こんなに鍵盤打楽器音が伴奏に使われるポップ・ミュージックも珍しいと思わずにはいられず。エドモンソンは洒脱な音の響きを持つということでヴァイブラフォン系の音を用いていると推測されるが、この後“渋谷系”にかする方向に彼女が向かって行っても不思議はないと思わされもしたか。もしくは、アメリカーナ的な味付けをより求めるのはアリだろう。あ、先に触れた2作目はその薫りもありますね。
その後は、六本木・ビルボードライブ東京に移動して、ニューオーリンズの顔役ファンク・グループ(2009年7月25日、2014年1月17日)のショウを見る。オルガンのアート・ネヴィル、ベースのジョージ・ポーターJr. (2007年2月2日。2007年2月4日、2008年8月12日)、ギターのブライアン・ストルツの3人に加え、今回のドラマーはテレンス・ヒューストンという若いアフリカ系の人物。
インスト表現主体、歌が入るパートはならすと3割欠けぐらいかな。前回来日時の文でも指摘したが、延々とフレイズや手癖楽器音を重ねて切れ目なく繋いで行く様は、ジャム・バンド・ミュージック的。ザ・ファンキー・ミーターズならぬ、ザ・ジャミング・ミーターズと名乗ったほうがしっくり来るとは思いマス。
とくに、今回はザ・ミーターズのキラー・チューンを重ねるということもなく、余計にジャム・バンド的と感じた。前回と同じようにボブ・ディランのブルース曲「エヴィリバディ・マスト・ゲット・ストーンド」(それが、この公演の最初のヴォーカル曲だった)をやったりもしたが、それはストルツが歌う。彼はこれまでより前に出る感じだったが、それに触れながら、パパ・グロウズ・ファンク(2004年3月30日、2007年2月5日、2009年7月27日)も解散しちゃったし、ギタリストが山岸潤史(1999年8月5日、2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日、2005年7月30日、2005年7月31日、2007年2月3日、2007年2月4日、2007年2月5日、2008年9月11日、2009年5月19日、2009年7月27日、2010年8月4日、2011年5月17日、2012年9月8日、2013年6月13日、2014年7月29日、2015年1月29日)じゃ駄目なのかと思うことしきり。ポーターJr.とは一緒にバンドをやったりしていて、仲良しだったりするし……。でも、山岸だと個の味が濃すぎるというところはある?
そしたら、アンコールはバディ・マイルス/ジミ・ヘンドリックスで知られる「ゼム・チェンジズ」(これも歌ったのは、ストルツ)。少しヘンドリックス的な演奏を見せるストルツの演奏に触れつつ、やはり山岸のほうが適任ぢゃんと思わずにはいられず。
サム・ピッキング主体のポーターJr.はやはり元気。新しいドラマーは特筆すべき人でもないと思ったが、本編最後の「ヘイ・ポッキー・アウェイ」のスネア音はマルと思う。それを歌ったのは、従来通りアート・ネヴィル。考えてみれば、同地のジャズ&ヘリテッジ・フェスティヴァルが終わって、彼らは極東にやってきたことになるのか。なんて、考えると、有り難みは増すか。悠々、着々、やはりじいさんたちのパフォーマンスからは彼の地の魔法がジューシーにいろいろ融けていたわけで……。90分の演奏時間、なり。
▶過去の、ザ・ファンキー・ミーターズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201401181209502731/
▶過去の、アート/ザ・ネヴィル・ブラザース
http://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
▶過去の、ポーター・Jr.
http://43142.diarynote.jp/200702090041480000/
http://43142.diarynote.jp/200702121118370000/
http://43142.diarynote.jp/200808140129280000/
▶過去の、パパ・グロウズ・ファンク
http://43142.diarynote.jp/200403300522210000/
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http://43142.diarynote.jp/200908071452433928/
▶過去の、山岸潤史
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
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<今日の、出演者>
エドモンソンには、先週末にインタヴューをした。相当に控え目な感じ(それを受けて、競争が苦手そうに見受けられるあなたが、昔アメリカン・アイドルに出たことがあるのは意外と感じるという主旨の発言をしたところ、本人もそれを肯定)で、まっさらな感じを受ける。そのときは淡いピンク基調のカーディガンなどを着ていて、アメリカ人、もとい彼女が育った南部ぽくないことも指摘すると、彼女ははにかみつつうれしそうに謝辞を返した。今後は、映画にも出たいそうだ。
一方、前回来日時に腰を痛めていて見る物をギョッとさせたザ・ファンキー・ミーターズのアート・ネヴィルなんだが、今回もステージの乗り降りにはかなり時間がかかっていた。でも、演奏の最中にお付きの人に腰を支え続けてもらうという局面はなし。オルガン演奏は前よりも控え目、歌も控え目。現在のザ・ファンキー・ミーターズ表現の中では主ではなく、従の位置に、彼はいる。つまり、主はポーター・Jr.とストルツの絡み。その事実は少し悲しいが、それでも見れて良かったと思わずにはいられないんだよなあ。彼は全曲ハモンドを弾いたが、横にはノードも置いていた。それハモンドの予備、それとも場合によっては電気ピアノ音色で弾くつもりでもあった?(確かに、「ヘイ・ポッキー・アウェイ」は電気ピアノ音が本来基調となる曲だよな) 腰をいたわりつつ、気をつけて飛行機で帰ってくださいね。戻ったら、彼らは米国で2公演が控えている。
フランソワ・バシェ 音響彫刻の響き(演奏、山口恭範。永田砂知子)
2015年5月9日 音楽 竹橋・東京国立近代美術館、ウィークエンドは少しアカデミックなぼく。ヒャハハハ。あまり概要を把握することなく、この項を書いているのであしからず。
フランソワ・バシェ(1920〜2014年)というフランス人のことは浅学にして、知らなかった。奇想天外な音の出るそれなりに大掛かりな音響彫刻を、20世紀半ばからいろいろと発表している人らしい。そして、日本でも1970年大阪万博の鉄鋼館における展示物として、彼は音響彫刻(彫刻というより、音の出るオブジェと言われたほうが、ぼくはピンと来る)を何体も日本で作って、展示したとのこと。万博後はアバンダンなものとなっていたようだが、近年そのなかのいくつかが復刻されたりし、今回の企画に繋がったよう。四者によるシンポジウムと、再生されたものの演奏の2本だてなり。
美術館の講堂に遅れて入ると、小沼純一の進行役でシンポジウム中。パネラーは皆音楽側にいるという発言もあったが、話はいろいろと広がっていたよう。うち、一人は一柳慧。ヨーコ・オノ(2009年1月21日)の最初の旦那さんでもある彼、80歳をすぎているはずだが、それなりに若く、元気に見えた。
その後、復活なったものの一つ、<川上フォーン>と名付けられたブツ(バジェはそれぞれの自らの制作したものに、助手でついた人の苗字をつけたという。協調の有り難みを知る、まっとうな人なんだろうな)を2人の音楽家が20分ぐらいづつ独奏。そのときになると、観覧の人数がぐっと増えた。
その川上フォーン、縦3メートル、横4、5メートル、奥行き1、5〜2メートルぐらいあるもので、太い棒(長さがいろいろで、それで一応音階がつけられている)やバネ状になった金属群を叩いて音を出し、その後方や向かって右横には朝顔状(それは赤や黒や白の色がつけられている)の口型の共鳴物が10個ぐらい配置される、というもの。その花ビラのようなフォーンは拾った音をかなり増幅させると見たが、材質はなんなのだろう。ともあれ、なにもしない状況でも、なんじゃコレと人の興味を誘う見てくれを持つ物体だな。
最初の演奏者は、山口恭範。武満徹が作った「ムナーリ・バイ・ムナーリ」という現代音楽曲(スコアは図形らしい)をやるが、傍目には思いつきで、コドモが打楽器と戯れている様にしか見えない。それは横のほうにほんと多種多様の鳴り物(ドラの音は偉大だな)を置き、中央にもミュートしたヴァイブラフォン、あさってのほうにはピンポン玉を入れたスティール・パンをおいてピアノ線を引っ張って鳴らすなど、いろいろな音出しをやっていたためであるかもしれない。彼は、西アフリカのトーキング・ドラムも少し叩いたな。続く、永田砂知子は川上フォーンだけを相手に即興曲を演奏する。こちらは、他の音が入らないので、川上フォーンの出音/効用が捉えやすい。木槌からマレットまで、複数のものを持ち叩いていた演奏、ぼくの耳にはこちらのほうが構成された感覚を感じた。
そのクラシック打楽器の演奏家のお2人、ぼくの目には拍子抜けするほど只の年寄り気味のおじさんとおばさんにしか見えないが、その道ではとてもエスタブリッシュされた人のようであり、演奏が聞けてありがたやーとなる達人だそう。ブラック・ミュージック派生のポップ・ミュージックに親しんでいるぼくには、体内から溢れるような沸き上がり(グルーヴとは言うまい)がもっとあればとも思わされるが、それは世代的にも彼らが通ってきた筋道的にもないものねだりだろう。道は、いろいろ。とはいえ、スクエアなクラシックの世界のなかで戦い、ツっぱって表現の自由や自らの個を求めてきた人たちなんだろうなというのは、すぐに了解できる。
そのバシェの音の出るオブジェにせよ、お2人の演奏にせよ、当然の事ながら世に存在しなくても支障はないものだ。でも、変な物、普通じゃないもの、ワケの分らぬもの、無駄なものは、どうして多大な興味をひいたり、おもしろかったり、刺激を与えるのだろう。純音楽以外の要素ともフレキシブルに結びついているだろうそれらがメインストリームである必要はないが、そういうものがちゃんと存在できる世の中であってほしいとも思った(あらあら、大げさ?)。そして、この日、音や音の出るブツに対するロマンを、ぼくは山ほど感じた。それは、うまく言葉にできないが、ぼくにとってとっても重要な何か。そんなことを感じることができたのが、大きな収穫だった。
▶過去の、ヨーコ・オノ
http://43142.diarynote.jp/200901221504141906/
<今日の、回顧>
上の催しは、この国立近代美術館で展示している<大阪万博1970 デザインプロジェクト>の一環で持たれたもの。ふむ、大阪万博には、けっこうな感慨を持つよなあ。大阪万博は小学生の夏休みに体験していて、夢の祭典のようにコドモ心に感じて、うひゃひゃひゃひゃだった。サトー家には西に住む親戚がいなくて、その万博行きが初の関西行きであったし、新幹線も初経験であったはずだ。ついでに嵐山に泊まって、京都も初体験だったよなー。行く前からガイドブックとか熟読して、熱心な“バンパク小僧”であったような。新しいもの、未知のものに触れることができるものとして、EXPO’70(そう、当時はそういう表記がけっこう一般的だった)は燦然と輝いていた。2005年の名古屋万博のときにありゃという海外アーティストが万博がらみで来日していたが、大阪のときもきっとそうじゃなかったのかな。そのころは、あまり音楽という項目はぼくにとっては興味を喚起させるものではなかった。
ともあれ、パビリオンを出した企業は張り切って、技術や発想の高さや豊かさをアピールする出展競争(および、建物の外観競争)をしたわけで、バジェのオブジェ楽器の採用もその流れにあるものだったのだろう。鉄鋼館というごっつい響きが災いしたか、ぼくは鉄鋼館には足を運ばなかった。
フランソワ・バシェ(1920〜2014年)というフランス人のことは浅学にして、知らなかった。奇想天外な音の出るそれなりに大掛かりな音響彫刻を、20世紀半ばからいろいろと発表している人らしい。そして、日本でも1970年大阪万博の鉄鋼館における展示物として、彼は音響彫刻(彫刻というより、音の出るオブジェと言われたほうが、ぼくはピンと来る)を何体も日本で作って、展示したとのこと。万博後はアバンダンなものとなっていたようだが、近年そのなかのいくつかが復刻されたりし、今回の企画に繋がったよう。四者によるシンポジウムと、再生されたものの演奏の2本だてなり。
美術館の講堂に遅れて入ると、小沼純一の進行役でシンポジウム中。パネラーは皆音楽側にいるという発言もあったが、話はいろいろと広がっていたよう。うち、一人は一柳慧。ヨーコ・オノ(2009年1月21日)の最初の旦那さんでもある彼、80歳をすぎているはずだが、それなりに若く、元気に見えた。
その後、復活なったものの一つ、<川上フォーン>と名付けられたブツ(バジェはそれぞれの自らの制作したものに、助手でついた人の苗字をつけたという。協調の有り難みを知る、まっとうな人なんだろうな)を2人の音楽家が20分ぐらいづつ独奏。そのときになると、観覧の人数がぐっと増えた。
その川上フォーン、縦3メートル、横4、5メートル、奥行き1、5〜2メートルぐらいあるもので、太い棒(長さがいろいろで、それで一応音階がつけられている)やバネ状になった金属群を叩いて音を出し、その後方や向かって右横には朝顔状(それは赤や黒や白の色がつけられている)の口型の共鳴物が10個ぐらい配置される、というもの。その花ビラのようなフォーンは拾った音をかなり増幅させると見たが、材質はなんなのだろう。ともあれ、なにもしない状況でも、なんじゃコレと人の興味を誘う見てくれを持つ物体だな。
最初の演奏者は、山口恭範。武満徹が作った「ムナーリ・バイ・ムナーリ」という現代音楽曲(スコアは図形らしい)をやるが、傍目には思いつきで、コドモが打楽器と戯れている様にしか見えない。それは横のほうにほんと多種多様の鳴り物(ドラの音は偉大だな)を置き、中央にもミュートしたヴァイブラフォン、あさってのほうにはピンポン玉を入れたスティール・パンをおいてピアノ線を引っ張って鳴らすなど、いろいろな音出しをやっていたためであるかもしれない。彼は、西アフリカのトーキング・ドラムも少し叩いたな。続く、永田砂知子は川上フォーンだけを相手に即興曲を演奏する。こちらは、他の音が入らないので、川上フォーンの出音/効用が捉えやすい。木槌からマレットまで、複数のものを持ち叩いていた演奏、ぼくの耳にはこちらのほうが構成された感覚を感じた。
そのクラシック打楽器の演奏家のお2人、ぼくの目には拍子抜けするほど只の年寄り気味のおじさんとおばさんにしか見えないが、その道ではとてもエスタブリッシュされた人のようであり、演奏が聞けてありがたやーとなる達人だそう。ブラック・ミュージック派生のポップ・ミュージックに親しんでいるぼくには、体内から溢れるような沸き上がり(グルーヴとは言うまい)がもっとあればとも思わされるが、それは世代的にも彼らが通ってきた筋道的にもないものねだりだろう。道は、いろいろ。とはいえ、スクエアなクラシックの世界のなかで戦い、ツっぱって表現の自由や自らの個を求めてきた人たちなんだろうなというのは、すぐに了解できる。
そのバシェの音の出るオブジェにせよ、お2人の演奏にせよ、当然の事ながら世に存在しなくても支障はないものだ。でも、変な物、普通じゃないもの、ワケの分らぬもの、無駄なものは、どうして多大な興味をひいたり、おもしろかったり、刺激を与えるのだろう。純音楽以外の要素ともフレキシブルに結びついているだろうそれらがメインストリームである必要はないが、そういうものがちゃんと存在できる世の中であってほしいとも思った(あらあら、大げさ?)。そして、この日、音や音の出るブツに対するロマンを、ぼくは山ほど感じた。それは、うまく言葉にできないが、ぼくにとってとっても重要な何か。そんなことを感じることができたのが、大きな収穫だった。
▶過去の、ヨーコ・オノ
http://43142.diarynote.jp/200901221504141906/
<今日の、回顧>
上の催しは、この国立近代美術館で展示している<大阪万博1970 デザインプロジェクト>の一環で持たれたもの。ふむ、大阪万博には、けっこうな感慨を持つよなあ。大阪万博は小学生の夏休みに体験していて、夢の祭典のようにコドモ心に感じて、うひゃひゃひゃひゃだった。サトー家には西に住む親戚がいなくて、その万博行きが初の関西行きであったし、新幹線も初経験であったはずだ。ついでに嵐山に泊まって、京都も初体験だったよなー。行く前からガイドブックとか熟読して、熱心な“バンパク小僧”であったような。新しいもの、未知のものに触れることができるものとして、EXPO’70(そう、当時はそういう表記がけっこう一般的だった)は燦然と輝いていた。2005年の名古屋万博のときにありゃという海外アーティストが万博がらみで来日していたが、大阪のときもきっとそうじゃなかったのかな。そのころは、あまり音楽という項目はぼくにとっては興味を喚起させるものではなかった。
ともあれ、パビリオンを出した企業は張り切って、技術や発想の高さや豊かさをアピールする出展競争(および、建物の外観競争)をしたわけで、バジェのオブジェ楽器の採用もその流れにあるものだったのだろう。鉄鋼館というごっつい響きが災いしたか、ぼくは鉄鋼館には足を運ばなかった。
ヤン・グンナル・ホフ。スプラッシュガール
2015年5月8日 音楽 代官山・山羊にきく? で、ノルウェーのジャズ・ミュージシャンを2組見る。いちおう、入れ替えの、別打ち公演。なるほど、両者ともにジャズを基に置いているが、大きく見る世界や出口は異なる。その両方を見て、これは別にするのはもっともだと感じた。
ホフは1958年生まれのピアニストで、顔つきはサッカー日本代表チームの前監督のハビエル・アギーレにけっこう似ている。ソロによる、パフォーマンス。即興ぽく弾いていくわけだが、けっこうメロディ性を抱えた指さばきもする人で、一部はニュー・エイジ・ミュージックに被るところもあり。頭のなかにある出来上がったメロディと即興で流れて行く部分を交錯させていく演奏とも言えるか。
そして、その後のスプラッシュガール(2014年2月22日)は、昨年見た現代ジャズの担い手のなかでトップ級にぼくを喜ばせてくれた3人組ナリ。また、見ることができてとってもうれしい。 ピアノのアンドレアス・ステーンスラン・ローヴェ、ダブル・ベースのヨー・バルゲル・ミューレ、ドラムのアンドレアス・ロンモー・クヌーツルー。彼らはそれぞれにエレクトロニクス効果を、自らの楽器音に噛ませる場合もあり。
やはり、べらぼうに素晴らしい音響ジャズを披露。そして、前回感想とも少し異なる回路を今回は抱えていると思わせるところも大マル。ダウンテンポというか、基本抑えたビート設定で通すのに、そこにしっかりと魅惑的な揺れを抱えていたり、シンプルなループ傾向合奏音でありつつ多大なニュアンスや光彩の感覚や発展性を宿しているあたり、もうぼくはため息つきっぱなし。ほんと、すごいジャズ・ビヨンドの現代グループと言うしかない。
そして、この晩は、日本の和楽器奏者との共演曲も1曲(そして、アンコールでもう1曲)。それもまた絶品というべき瑞々しい重なり即興を見せていて、びっくり。そこに加わった原郷界山(尺八)と久保田晶子(琵琶、歌)も、またすごい奏者たちというしかない。拍手!
▶過去の、スプラッシュガール
http://43142.diarynote.jp/201402240940377749/
<今日の、応援>
けっこう若目に見えるスプラッシュガールの面々、皆似たような髪型と髭をたくわえていて、けっこう顔つきも似ている(身長は大中小と、散る)。というのはともかく、3人とも相当にイケ面だなあと再認識。この後も13日まで、毎日どこかで公演をしているので、上の文章で興味をひかれた方はぜひご覧にならんことを。
http://www.norway.or.jp/norwayandjapan/culture/music/Splashgirl-1/#.VU2WQ6bEngE
ホフは1958年生まれのピアニストで、顔つきはサッカー日本代表チームの前監督のハビエル・アギーレにけっこう似ている。ソロによる、パフォーマンス。即興ぽく弾いていくわけだが、けっこうメロディ性を抱えた指さばきもする人で、一部はニュー・エイジ・ミュージックに被るところもあり。頭のなかにある出来上がったメロディと即興で流れて行く部分を交錯させていく演奏とも言えるか。
そして、その後のスプラッシュガール(2014年2月22日)は、昨年見た現代ジャズの担い手のなかでトップ級にぼくを喜ばせてくれた3人組ナリ。また、見ることができてとってもうれしい。 ピアノのアンドレアス・ステーンスラン・ローヴェ、ダブル・ベースのヨー・バルゲル・ミューレ、ドラムのアンドレアス・ロンモー・クヌーツルー。彼らはそれぞれにエレクトロニクス効果を、自らの楽器音に噛ませる場合もあり。
やはり、べらぼうに素晴らしい音響ジャズを披露。そして、前回感想とも少し異なる回路を今回は抱えていると思わせるところも大マル。ダウンテンポというか、基本抑えたビート設定で通すのに、そこにしっかりと魅惑的な揺れを抱えていたり、シンプルなループ傾向合奏音でありつつ多大なニュアンスや光彩の感覚や発展性を宿しているあたり、もうぼくはため息つきっぱなし。ほんと、すごいジャズ・ビヨンドの現代グループと言うしかない。
そして、この晩は、日本の和楽器奏者との共演曲も1曲(そして、アンコールでもう1曲)。それもまた絶品というべき瑞々しい重なり即興を見せていて、びっくり。そこに加わった原郷界山(尺八)と久保田晶子(琵琶、歌)も、またすごい奏者たちというしかない。拍手!
▶過去の、スプラッシュガール
http://43142.diarynote.jp/201402240940377749/
<今日の、応援>
けっこう若目に見えるスプラッシュガールの面々、皆似たような髪型と髭をたくわえていて、けっこう顔つきも似ている(身長は大中小と、散る)。というのはともかく、3人とも相当にイケ面だなあと再認識。この後も13日まで、毎日どこかで公演をしているので、上の文章で興味をひかれた方はぜひご覧にならんことを。
http://www.norway.or.jp/norwayandjapan/culture/music/Splashgirl-1/#.VU2WQ6bEngE
山田あずさ×パール・アレキサンダー
2015年5月6日 音楽 四谷三丁目・茶会記で、女性2人による、インプロなお手合わせ演奏を見る。マチネー公演、なり。
出演者は、大きなマリンバを操る山田あずさ(2013年5月19日、2014年6月13日、2014年6月15日、2014年10月19日、2014年11月21日、2015年4月17日、2015年5月2日)と、古いコントラバスを奏でるパール・アレキサンダー(2014年10月11日)。もちろん両者は面識を得ていたものの、ちゃんと2人でやるのは初めてのことらしい。
休憩を挟み、切れ目のない演奏がひとつづつ披露される。まずは山田のマリンバのソロから始まったが、それオーネット・コールマン(2006年3月27日)の「ロンリー・ウーマン」(をおおきく改変したもの)。わー、いろんな「ロンリー・ウーマン」を聞いてきているはずだが、ぜんぜん分らなかった。そのまま、アレキサンダーが太い存在感ある弦音を差し込んで行き(その最初に重なる部分のみ、山田は譜面を書いたよう)、2人はいろいろと流れて行く。
当日、ちょい音を出し合っただけで、成り行きまかせでGO! それぞれ相手の音に呼応し合っても、音の総体が完全にアウトすることはせず、風情ある佇まいとともに部屋のいろんな場所で像を描くような気がしたのは、両者の秀でた感性ゆえか。また、2人ともちゃんとしたクラジック教育を受けた先に、今の意気揚々とした音楽活動があることを伝えもするだろう。そして、それと繋がってか、全即興の演奏であっても、フリー・ジャズというよりは現代音楽という手触りを、ぼくは覚えもした。
ぼくはマリンバの音がもう少し響いたほうがいいかなとも思えたが、楽器の大きさ(改めて、マリンバは、象と犀が合わさったようなバカでかい楽器だと思った)が異なる楽器の“さし”の重なりの場合は、このほうがうまく交わるのかな。
山田はこれまでぼくが見た中で、一番即興性の高い、そして一部はマリンバの奏法からも離れた(ちょい、変な音も出ていたな)演奏も披露。でかい楽器と格闘するというよりは、優美にじゃれあっている感じも得たか。この日のマリンバ演奏に接し、その楽器のイメージが変わった人もいるかもしれない。一方、パール・アレキサンダーの奏法も本当に多彩。過去、いろんな先達が見せた逸脱した弾き方を知った上で、それらを本当に欲しいときに繰り出してくる様は、かなり快感。また、彼女はときにスキャットを披露するくだりもあったが、それも美声でいい味。サウンドに新たな風を吹き込んでもいて、拍手。もっと、歌ってほしいし、ぼくがプロデューサーだったら、歌とコントラバスのミニマルな重なりのレコード作りを提案するかも。
ぼくは基本、音楽に女性という項目を持ち込まない。だから、大昔ザ・ビートルズやP-ファンクのポスターは部屋の壁に貼ったことがあっても、女性アーティストのそれを貼ったことは過去ない。今は少し柔らかくなっているかもしれないが、女性ということだけで、好意を評価に盛ることもない。でも、今日の細やかにして、ときに大胆な、男性の生理とは異なるやりとり、自己表出の様を見て、女性としての何かはアドヴァンテージになりえると思えたか。とともに、2人とも大量に木を材料に用いる楽器を悠々と扱っていることから来る、母性(一方で、それと相反する軽やかな小悪魔性も出るか)のようなものを感じたかも。まあ、それは2人とも整った容姿を持っていることも大きいのかもしれないが。
なお、この日のパフォーマンスはオノセイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日、2014年10月8日、2014年10月11日 )によって、2本のマイクをおいたり、下げたりしてレコーディングされた。これは近く、ハイレゾ配信されます。
▶過去の、山田あずさ
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/
http://43142.diarynote.jp/201411221353274586/
http://43142.diarynote.jp/201504181000432127/
▶過去の、パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
▶過去の、オーネット・コールマン
http://43142.diarynote.jp/200603281335030000/
▶過去の、オノセイゲン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201206110945571082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
http://43142.diarynote.jp/201404251643448230/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140728
http://43142.diarynote.jp/201409261635077130/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
<今日の、情報>
今日のレコーディング。マイクは、マリンバのほうはB&K 4035、コントラバスはDPA-4099 。そして、録音機はKORG MR-1000というDSDレコーダーなり。そして、この晩の演奏やあの晩の演奏(http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/)は、5月中旬に新しくスタートするハイレゾ専門のレーベル「Saidera Mastering & Live Recording」より順次配信される(e-onkyo music他を通す)予定。
またオノセイゲンとパール・アレキサンダーは展覧会(2015年1月27日 http://43142.diarynote.jp/201501281100378819/)のために作ったものがソースとなる双頭名義のアルバムを7月にソニーからリリースする予定。その際、三宅純(2012年6月30日)などオノ絡みの他のプロダクツ2種も一緒にリリースされる。
▶過去の、三宅純
http://43142.diarynote.jp/201207031354181031/
出演者は、大きなマリンバを操る山田あずさ(2013年5月19日、2014年6月13日、2014年6月15日、2014年10月19日、2014年11月21日、2015年4月17日、2015年5月2日)と、古いコントラバスを奏でるパール・アレキサンダー(2014年10月11日)。もちろん両者は面識を得ていたものの、ちゃんと2人でやるのは初めてのことらしい。
休憩を挟み、切れ目のない演奏がひとつづつ披露される。まずは山田のマリンバのソロから始まったが、それオーネット・コールマン(2006年3月27日)の「ロンリー・ウーマン」(をおおきく改変したもの)。わー、いろんな「ロンリー・ウーマン」を聞いてきているはずだが、ぜんぜん分らなかった。そのまま、アレキサンダーが太い存在感ある弦音を差し込んで行き(その最初に重なる部分のみ、山田は譜面を書いたよう)、2人はいろいろと流れて行く。
当日、ちょい音を出し合っただけで、成り行きまかせでGO! それぞれ相手の音に呼応し合っても、音の総体が完全にアウトすることはせず、風情ある佇まいとともに部屋のいろんな場所で像を描くような気がしたのは、両者の秀でた感性ゆえか。また、2人ともちゃんとしたクラジック教育を受けた先に、今の意気揚々とした音楽活動があることを伝えもするだろう。そして、それと繋がってか、全即興の演奏であっても、フリー・ジャズというよりは現代音楽という手触りを、ぼくは覚えもした。
ぼくはマリンバの音がもう少し響いたほうがいいかなとも思えたが、楽器の大きさ(改めて、マリンバは、象と犀が合わさったようなバカでかい楽器だと思った)が異なる楽器の“さし”の重なりの場合は、このほうがうまく交わるのかな。
山田はこれまでぼくが見た中で、一番即興性の高い、そして一部はマリンバの奏法からも離れた(ちょい、変な音も出ていたな)演奏も披露。でかい楽器と格闘するというよりは、優美にじゃれあっている感じも得たか。この日のマリンバ演奏に接し、その楽器のイメージが変わった人もいるかもしれない。一方、パール・アレキサンダーの奏法も本当に多彩。過去、いろんな先達が見せた逸脱した弾き方を知った上で、それらを本当に欲しいときに繰り出してくる様は、かなり快感。また、彼女はときにスキャットを披露するくだりもあったが、それも美声でいい味。サウンドに新たな風を吹き込んでもいて、拍手。もっと、歌ってほしいし、ぼくがプロデューサーだったら、歌とコントラバスのミニマルな重なりのレコード作りを提案するかも。
ぼくは基本、音楽に女性という項目を持ち込まない。だから、大昔ザ・ビートルズやP-ファンクのポスターは部屋の壁に貼ったことがあっても、女性アーティストのそれを貼ったことは過去ない。今は少し柔らかくなっているかもしれないが、女性ということだけで、好意を評価に盛ることもない。でも、今日の細やかにして、ときに大胆な、男性の生理とは異なるやりとり、自己表出の様を見て、女性としての何かはアドヴァンテージになりえると思えたか。とともに、2人とも大量に木を材料に用いる楽器を悠々と扱っていることから来る、母性(一方で、それと相反する軽やかな小悪魔性も出るか)のようなものを感じたかも。まあ、それは2人とも整った容姿を持っていることも大きいのかもしれないが。
なお、この日のパフォーマンスはオノセイゲン(2000年3月12日、2009年1月17日、2011年8月4日、2012年6月7日、2013年1月30日、2014年4月20日、2014年7月28日、2014年9月23日、2014年10月8日、2014年10月11日 )によって、2本のマイクをおいたり、下げたりしてレコーディングされた。これは近く、ハイレゾ配信されます。
▶過去の、山田あずさ
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/
http://43142.diarynote.jp/201411221353274586/
http://43142.diarynote.jp/201504181000432127/
▶過去の、パール・アレキサンダー
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
▶過去の、オーネット・コールマン
http://43142.diarynote.jp/200603281335030000/
▶過去の、オノセイゲン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200901181343426080/
http://43142.diarynote.jp/201108101630438805/
http://43142.diarynote.jp/201206110945571082/
http://43142.diarynote.jp/?day=20130130
http://43142.diarynote.jp/201404251643448230/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140728
http://43142.diarynote.jp/201409261635077130/
http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/
<今日の、情報>
今日のレコーディング。マイクは、マリンバのほうはB&K 4035、コントラバスはDPA-4099 。そして、録音機はKORG MR-1000というDSDレコーダーなり。そして、この晩の演奏やあの晩の演奏(http://43142.diarynote.jp/201410210814495715/)は、5月中旬に新しくスタートするハイレゾ専門のレーベル「Saidera Mastering & Live Recording」より順次配信される(e-onkyo music他を通す)予定。
またオノセイゲンとパール・アレキサンダーは展覧会(2015年1月27日 http://43142.diarynote.jp/201501281100378819/)のために作ったものがソースとなる双頭名義のアルバムを7月にソニーからリリースする予定。その際、三宅純(2012年6月30日)などオノ絡みの他のプロダクツ2種も一緒にリリースされる。
▶過去の、三宅純
http://43142.diarynote.jp/201207031354181031/
エル・ヴァーナー。ジョーイ・カルデラッツォ・トリオ
2015年4月28日 音楽 最初は、六本木・ビルボードライブ東京。1989年LA生まれで、ニューヨーク大学のクライヴ・デイヴィス レコード音楽学部を出て、2012年にソニー/RCAからデビューした、気っ風いい系R&B歌手のショウを見る。ギター、キーボード、ベース、ドラムという、伴奏者たちもまた20代か? 皆、<F**K IT ALL>と印刷された黒色のTシャツを着用。譜面はおいていなかったので、一応ワーキング・バンドだろうが、重なりに少し難あり。プログラムぽいビートにフィドル音が反復する「リフィル」のようなコンテンポラリー度が高めの曲ではプリセット音を控え目に使う場合もあった。演奏陣の人数も多くないし、もう少しそれを用いたほうが、ヴァーナーの味は明解にアピールされたかもしれない。
彼女のデビュー作『パーフェクトリー・インパーフェクト』は自分で結構曲も書いているし、かなりどすこいな手触りを持ち、喉力で空気を震わすという感じもあって、ぼくは大層好きだった。実際のパフォーマンスにおいては、歌声がそれほど嗄れておらず、もっとキュート/可愛らし系の味が入っていて(ミニ目のワンピースを着用)、へえと思う。歌える&歌声がデカそうというのは変わりがないのだが、生の歌唱のほうが女の子っぽさがある。塩辛さが低かったのは残念だが、一方それは健気さも導くわけで、いやな印象はない。
途中で、自らギターを爪弾いてしっとり歌ったりも。近く新作がリリースされるはずだが、どんな仕上がりになっているのか。あ、それから、エタ・ジェイムスの「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」をカヴァー。彼女のこと、大好きみたい。納得、ですね。
その後は、1965年NY州生まれで1990年代以降、ブルーノート、ソニー、マルサリス・ミュージック、エマーシー、サニーサイドといったレーベルからリーダー作をいろいろと出すとともに、ブランフォード・マルサリス(2001年10月24日、2010年3月8日、2010年10月21日)のグループでずっとピアノを弾いている、ジョーイ・カルデラッツォ(2001年10月24日、2010年3月8日)の演奏に触れる。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。
トリオによるショウで、ウッド・ベースのオーランド・レ・フレミング(2012年3月12日、2014年3月4日)と一時チック・コリア(2006年9月3日、2007年10月1日)が重用していたドラムのアダム・クルーズを擁する。そのリズム・セクション、外見がちんちくりんおっさんのカルデラッツォと違って、なかなか格好いい。特に、びしっと背筋を伸ばして、端正なドラミングをするクルーズの叩き姿はなかなかであったな。その顔ぶれは、カルデラッツォの2015年新作『ゴーイング・ホーム』(サニーサイド)と同じだ。
笑っちゃうぐらいに、カルデラッツォはモード系ピアニスト演奏をまっとう。実は今、そっちのほうを平然と(?)行くジャズ・ピニストは昔ほど多くないわけで、ある種の趣味の人はパブロフの犬的反応を示しちゃう? ぼくは達者な指さばきに、事なかれな風情をなんか覚えてしまったりもするわけだが、実力者であるのは間違いない。
1曲、約15分。本編4曲か5曲。考えてみれば、リズム隊にソロ・パートはあまりふらなかったはずで、カルデラッツォは弾きまくっていたということになるのだな。また、俺サマなカルデラッツォはソロ演奏も好きなようで、曲はソロのパフォーマンスから始まる場合が多く、またピアノ・ソロで通した曲もあり。また、アンコールにも2度応え、そちらもピアノ・ソロ。うち、1曲は大好きな曲とか前置きして、ザ・ビートルズの「ヒア、ゼア・アンド・エヴリフォエア」(だったけ? そのあとも楽しく流れて、忘れてしまった)。
▶過去の、ジョーイ・カルデラッツォ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/201003101340038868/
▶過去の、ブランフォード・マルサリス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/201003101340038868/
http://43142.diarynote.jp/201010221631583852/
▶過去の、オーランド・レ・フレミング
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120312
▶過去の、チック・コリア
http://43142.diarynote.jp/?day=20060903
http://43142.diarynote.jp/200710121726160000/
<今日の、びっくり>
まず、ヴァーナー公演のほう。書き遅れたが、彼女は1980年代後期にアイランドからデビューした男女3人組都会派ソウル・グループのバイ・オール・ミーンズの3分の2〜ジミー・ヴァーナーとマイクリン・ロデリックの娘。バイ・オール・ミーズ解散後、ジミー・ヴァーナーはソング・ライターやトラック作りのほうで活動していて、娘のアルバムでもプロデュースその他を担当していた(管楽器も出来た彼、バークリー音楽大卒っていう話なかったっけ?)。で、アンコールに出てきたとき、エル・ヴァーナーは小柄で太っちょで変な髪型のおじさんを伴う。そして、彼はキーボードを弾きだすわけだが、なんと彼女は「パパさん」と彼を紹介。わーあー、あのジミーかいっ。びっくりするほど太ったというのはともかく、彼が演奏に参加することで、少しバンド音がしまったような。歌えとは言わないが(でも、聞きたかった)、これなら最初からパフォーマンスに加わって欲しかった。ともあれ、いい親子関係を持っているように見えた。次回は無理かもしれないが、父娘共演名義で!
そして、カルデラッツォ公演のほうは、冒頭でびっくり。なんと、開演時間の3分前、場内が明るいうちに本人がステージにあがり、しゃべりだす。わー、せっかちそう(笑い)。彼、コントローラーをピアノの上に置き、ピアノ音をほんの少しいじっていた。純アコースティック・ピアノ公演でそんなことする人は初めてのような……。
彼女のデビュー作『パーフェクトリー・インパーフェクト』は自分で結構曲も書いているし、かなりどすこいな手触りを持ち、喉力で空気を震わすという感じもあって、ぼくは大層好きだった。実際のパフォーマンスにおいては、歌声がそれほど嗄れておらず、もっとキュート/可愛らし系の味が入っていて(ミニ目のワンピースを着用)、へえと思う。歌える&歌声がデカそうというのは変わりがないのだが、生の歌唱のほうが女の子っぽさがある。塩辛さが低かったのは残念だが、一方それは健気さも導くわけで、いやな印象はない。
途中で、自らギターを爪弾いてしっとり歌ったりも。近く新作がリリースされるはずだが、どんな仕上がりになっているのか。あ、それから、エタ・ジェイムスの「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」をカヴァー。彼女のこと、大好きみたい。納得、ですね。
その後は、1965年NY州生まれで1990年代以降、ブルーノート、ソニー、マルサリス・ミュージック、エマーシー、サニーサイドといったレーベルからリーダー作をいろいろと出すとともに、ブランフォード・マルサリス(2001年10月24日、2010年3月8日、2010年10月21日)のグループでずっとピアノを弾いている、ジョーイ・カルデラッツォ(2001年10月24日、2010年3月8日)の演奏に触れる。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。
トリオによるショウで、ウッド・ベースのオーランド・レ・フレミング(2012年3月12日、2014年3月4日)と一時チック・コリア(2006年9月3日、2007年10月1日)が重用していたドラムのアダム・クルーズを擁する。そのリズム・セクション、外見がちんちくりんおっさんのカルデラッツォと違って、なかなか格好いい。特に、びしっと背筋を伸ばして、端正なドラミングをするクルーズの叩き姿はなかなかであったな。その顔ぶれは、カルデラッツォの2015年新作『ゴーイング・ホーム』(サニーサイド)と同じだ。
笑っちゃうぐらいに、カルデラッツォはモード系ピアニスト演奏をまっとう。実は今、そっちのほうを平然と(?)行くジャズ・ピニストは昔ほど多くないわけで、ある種の趣味の人はパブロフの犬的反応を示しちゃう? ぼくは達者な指さばきに、事なかれな風情をなんか覚えてしまったりもするわけだが、実力者であるのは間違いない。
1曲、約15分。本編4曲か5曲。考えてみれば、リズム隊にソロ・パートはあまりふらなかったはずで、カルデラッツォは弾きまくっていたということになるのだな。また、俺サマなカルデラッツォはソロ演奏も好きなようで、曲はソロのパフォーマンスから始まる場合が多く、またピアノ・ソロで通した曲もあり。また、アンコールにも2度応え、そちらもピアノ・ソロ。うち、1曲は大好きな曲とか前置きして、ザ・ビートルズの「ヒア、ゼア・アンド・エヴリフォエア」(だったけ? そのあとも楽しく流れて、忘れてしまった)。
▶過去の、ジョーイ・カルデラッツォ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/201003101340038868/
▶過去の、ブランフォード・マルサリス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/201003101340038868/
http://43142.diarynote.jp/201010221631583852/
▶過去の、オーランド・レ・フレミング
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120312
▶過去の、チック・コリア
http://43142.diarynote.jp/?day=20060903
http://43142.diarynote.jp/200710121726160000/
<今日の、びっくり>
まず、ヴァーナー公演のほう。書き遅れたが、彼女は1980年代後期にアイランドからデビューした男女3人組都会派ソウル・グループのバイ・オール・ミーンズの3分の2〜ジミー・ヴァーナーとマイクリン・ロデリックの娘。バイ・オール・ミーズ解散後、ジミー・ヴァーナーはソング・ライターやトラック作りのほうで活動していて、娘のアルバムでもプロデュースその他を担当していた(管楽器も出来た彼、バークリー音楽大卒っていう話なかったっけ?)。で、アンコールに出てきたとき、エル・ヴァーナーは小柄で太っちょで変な髪型のおじさんを伴う。そして、彼はキーボードを弾きだすわけだが、なんと彼女は「パパさん」と彼を紹介。わーあー、あのジミーかいっ。びっくりするほど太ったというのはともかく、彼が演奏に参加することで、少しバンド音がしまったような。歌えとは言わないが(でも、聞きたかった)、これなら最初からパフォーマンスに加わって欲しかった。ともあれ、いい親子関係を持っているように見えた。次回は無理かもしれないが、父娘共演名義で!
そして、カルデラッツォ公演のほうは、冒頭でびっくり。なんと、開演時間の3分前、場内が明るいうちに本人がステージにあがり、しゃべりだす。わー、せっかちそう(笑い)。彼、コントローラーをピアノの上に置き、ピアノ音をほんの少しいじっていた。純アコースティック・ピアノ公演でそんなことする人は初めてのような……。
ブルックリンで1998年に結成された、大所帯のアフロビートのバンド(2004年9月19日、2005年1月21日)を南青山・ブルーノート東京で見る。セカンド・ショウ。ヴォーカル(往年のフェラ・クティのように、顔にペイントをしていた)、打楽器2(うち、一人は左利き)、管4(バリトン/フルート、テナー、トロンボーン、トランペット)、ギター2、ベース、キーボード、ドラマーという布陣でパフォーマンス。
NYでもう一つの花を開かせたアフロビート表現を送り出す彼ら、新作は3年ほど出していないが、ライヴはいろいろやっているのか、いい感じの現役感のもと人力100%の肉感ビート・サウンドをきっちり送り出す。エチオ(・ピア)・ジャズ的情念を湛えた曲もやったし、フェラ・クティの1974年曲「Alagbon Close」やトーキング・ヘッズの1980年曲「Crosseyed & Painless」のナイスなカヴァーもあり。ファーストとセカンドはすべて演目を変えているようだが、意外に曲選びはちゃん練られているのだと思う。
バンド音総体は前に見た時より、逞しい。けっこうメンバー交換もしてきているだろうけど、経験の積み重ねを感じる。意外だったのは、ヴォーカリストが出張る時間が過去より短くなった(つまり、よりインスト部に力を入れていた)と思えたこと。シンガー、変わっていないよな? でも、いろんな出自や風体を持つ人たちが、本当に楽しそうに、音を重ね合う様に触れるのは、ココロ弾む。1時間20分ぐらいのパフォーマンス時間だったか。
▶過去の、アンティバラス
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
http://43142.diarynote.jp/200501222327330000/
<今日の、希望>
2008年にオフ・ブロードウェイで始められ、その後ブロードウェイや米国大都市やロンドンなどで持たれているフェラ・クティを題材に置くミュージカル「フェラ」の音楽にアンティバラスは当初から関与したと言われる。同ミュージカルに関わることが出来たのは、アンティバラスにとって誉れであったろう。トニー賞の部門賞獲得やグラミー賞のノミネートも受けた「フェラ」はけっこう好評も得たようなので、間違って日本にも来ちゃうかと淡い期待を持ったが、やはりそれはないのかな。それはともかく、ここのところ、JBやジミ・ヘンドリックスやスライ・ストーンなど音楽映画もいろいろと作られているし、フェラ・クティを扱った映画が作られても不思議はないと思う。だって、あれだけドラマティックで、ポイントの多い人生を歩んだ御仁であるから。ミュージカル「フェラ」はこの9月にもまたブルードウェイで上演される。舞台に出てくるミュージシャンにアンティバラスの面々は入っていないようだが、いまだキャストの項には編曲/演奏として、その名前が出されている。うむ、やっぱり、ミュージカル見てみたいナ。
追記:ぬわんと、先週の金曜にレゴスで、これまで表では交わることがなかったはずのフェラの2人の息子たち、フェミ( 2000年4月14日、2003年7 月30日)とシェウン(2007年10月25日、2009年7月26日、2012年7月27日)が共演した、というニュースが入ってきた!
▶過去の、フェミ・クティ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
▶過去の、シェウン・クティ
http://43142.diarynote.jp/200711121022550000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090726
http://43142.diarynote.jp/?day=20120727
NYでもう一つの花を開かせたアフロビート表現を送り出す彼ら、新作は3年ほど出していないが、ライヴはいろいろやっているのか、いい感じの現役感のもと人力100%の肉感ビート・サウンドをきっちり送り出す。エチオ(・ピア)・ジャズ的情念を湛えた曲もやったし、フェラ・クティの1974年曲「Alagbon Close」やトーキング・ヘッズの1980年曲「Crosseyed & Painless」のナイスなカヴァーもあり。ファーストとセカンドはすべて演目を変えているようだが、意外に曲選びはちゃん練られているのだと思う。
バンド音総体は前に見た時より、逞しい。けっこうメンバー交換もしてきているだろうけど、経験の積み重ねを感じる。意外だったのは、ヴォーカリストが出張る時間が過去より短くなった(つまり、よりインスト部に力を入れていた)と思えたこと。シンガー、変わっていないよな? でも、いろんな出自や風体を持つ人たちが、本当に楽しそうに、音を重ね合う様に触れるのは、ココロ弾む。1時間20分ぐらいのパフォーマンス時間だったか。
▶過去の、アンティバラス
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
http://43142.diarynote.jp/200501222327330000/
<今日の、希望>
2008年にオフ・ブロードウェイで始められ、その後ブロードウェイや米国大都市やロンドンなどで持たれているフェラ・クティを題材に置くミュージカル「フェラ」の音楽にアンティバラスは当初から関与したと言われる。同ミュージカルに関わることが出来たのは、アンティバラスにとって誉れであったろう。トニー賞の部門賞獲得やグラミー賞のノミネートも受けた「フェラ」はけっこう好評も得たようなので、間違って日本にも来ちゃうかと淡い期待を持ったが、やはりそれはないのかな。それはともかく、ここのところ、JBやジミ・ヘンドリックスやスライ・ストーンなど音楽映画もいろいろと作られているし、フェラ・クティを扱った映画が作られても不思議はないと思う。だって、あれだけドラマティックで、ポイントの多い人生を歩んだ御仁であるから。ミュージカル「フェラ」はこの9月にもまたブルードウェイで上演される。舞台に出てくるミュージシャンにアンティバラスの面々は入っていないようだが、いまだキャストの項には編曲/演奏として、その名前が出されている。うむ、やっぱり、ミュージカル見てみたいナ。
追記:ぬわんと、先週の金曜にレゴスで、これまで表では交わることがなかったはずのフェラの2人の息子たち、フェミ( 2000年4月14日、2003年7 月30日)とシェウン(2007年10月25日、2009年7月26日、2012年7月27日)が共演した、というニュースが入ってきた!
▶過去の、フェミ・クティ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
▶過去の、シェウン・クティ
http://43142.diarynote.jp/200711121022550000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090726
http://43142.diarynote.jp/?day=20120727
キーボードの伊藤志宏(2013年4月19日、2013年11月1日)、クラリネット/バス・クラリネットの土井徳浩と北田学、パーカッションの岡部洋一(2000年7月29日、2000年9月14日、2004年5月28日、2004年6月2~3日、2004年6月9日、2004年11月19日、2005年2月19日、2006年7月7日、2006年8月27日、2006年12月3日、2008年1月31日、2011年2月10日、2010年12月28日、2011年8月22日、2013年2月11日、2013年2月19日、2014年2月9日)という4人による演奏。MCをしていた伊藤がリーダーシップを取っていて、それぞれの奏者と伊藤はこれまで演奏経験を持ってきているが、この顔ぶれでやるのは、この日が初めてのようだ。青山・プラッサオンゼ。セカンドが始まってからお店に入ったが、しっかり1時間は聞くことができた。
クラリネット奏者が2人、という編成が面白い。彼らはバス・クラリネットも手にし、終盤にやった曲は2人ともバス・クラリネットを吹いた。1曲1曲はかなり長く、変化に富んだアンサンブルとともにソロ・パートもそれぞれ持つのだが、まずソロどうこうよりも、この楽器編成による全体の方向性の取り方が面白いと思わせられる。だって、ジャズ要素はいろいろ抱えているのは間違いないが、ジャズやフュージョンとは言いたくない、サウンド・シェイプや手触りのようなものがそこにはあるから。それは、曲/メロディが抱える妙味が働いていたせいもあるだろうが、けっこうこれはまったうな視点が活きていると言いたくなる。発展する意志も抱えた、都会的なアコースティック系インスト+α。じっくりと、煮詰められていったらいいナと切に思う。岡部はインド系楽器を多用する演奏を見せるが、それもどんどん膨らんで行きそう。伊藤はもっと電気キーボード効果を使うようになるかもしれない。
▶過去の、伊藤志宏
http://43142.diarynote.jp/201304211111189539/
http://43142.diarynote.jp/201311021703148497/
▶過去の、岡部洋一
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-7.htm 29日ROVO
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-9.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20040608
http://43142.diarynote.jp/200406111859060000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20040609
http://43142.diarynote.jp/200411231717590000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050219
http://43142.diarynote.jp/200607100307170000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060827
http://43142.diarynote.jp/200612060136540000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20080131
http://43142.diarynote.jp/?day=20101228
http://43142.diarynote.jp/201102121001091213/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110822
http://43142.diarynote.jp/?day=20130211
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
http://43142.diarynote.jp/201402111029354181/
<今日の、重なり>
ライヴ会場のプラッサで、泉山真奈美著の「英語で味わう洋楽名曲クロニクル」(三省堂)のちらしをもらう。おお、イズミヤマは彼女が大学生の頃からいちおう知っている。なんでも、ジャスラック関連の歌詞使用料要求がかからない、巧みな書かれ方がなされているらしい。その後、明日開店7周年パーティが持たれるお店に一足お先に顔を出したあと、なじみのバーに仕上げで寄ったら、店主からこんな本が出るんですとさっと出されたのが、先に紹介された本のゲンブツ。わー、字が小さい。簡素だけど、注釈が読みやすいレイアウトには少し感心。出版パーティがその店で開かれることになっているという。筆者骨折のため少し延期になるそうだが。
クラリネット奏者が2人、という編成が面白い。彼らはバス・クラリネットも手にし、終盤にやった曲は2人ともバス・クラリネットを吹いた。1曲1曲はかなり長く、変化に富んだアンサンブルとともにソロ・パートもそれぞれ持つのだが、まずソロどうこうよりも、この楽器編成による全体の方向性の取り方が面白いと思わせられる。だって、ジャズ要素はいろいろ抱えているのは間違いないが、ジャズやフュージョンとは言いたくない、サウンド・シェイプや手触りのようなものがそこにはあるから。それは、曲/メロディが抱える妙味が働いていたせいもあるだろうが、けっこうこれはまったうな視点が活きていると言いたくなる。発展する意志も抱えた、都会的なアコースティック系インスト+α。じっくりと、煮詰められていったらいいナと切に思う。岡部はインド系楽器を多用する演奏を見せるが、それもどんどん膨らんで行きそう。伊藤はもっと電気キーボード効果を使うようになるかもしれない。
▶過去の、伊藤志宏
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▶過去の、岡部洋一
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http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
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<今日の、重なり>
ライヴ会場のプラッサで、泉山真奈美著の「英語で味わう洋楽名曲クロニクル」(三省堂)のちらしをもらう。おお、イズミヤマは彼女が大学生の頃からいちおう知っている。なんでも、ジャスラック関連の歌詞使用料要求がかからない、巧みな書かれ方がなされているらしい。その後、明日開店7周年パーティが持たれるお店に一足お先に顔を出したあと、なじみのバーに仕上げで寄ったら、店主からこんな本が出るんですとさっと出されたのが、先に紹介された本のゲンブツ。わー、字が小さい。簡素だけど、注釈が読みやすいレイアウトには少し感心。出版パーティがその店で開かれることになっているという。筆者骨折のため少し延期になるそうだが。
さいとうりょうじ+ヤマザキタケル × うすいしんすけ
2015年4月22日 音楽 南青山・月見ル君思フ。会場入りしたのは、ファースト・セットの終わり。セカンドからしっかりと、“パラシュート・セッション”と名付けられた、ここで時々持たれている、二つのバンドが同時に立ち交互に曲をやり合うという出し物(2014年7月23日)を見る。客フロアに両バンドが向き合うように位置し、従来のステージ部分を含め、その回りを観客が取り囲む。
出演者のさいとうりょうじ+ヤマザキタケル と うすいしんすけ は共にアナログEPやCDを出したばかりで、今回は両者の“レコ発”もかねるという。彼らの演奏中、曲ごとにリアル・タイムで白い紙にクレヨンで描いていく絵がステージ背景のスクリーンに映し出されもする。それ、両者のプロダクツのジャケットのアートワークを担当した、このハコの店長タカハシ・コーキがやっていた。
エレクトリック・ギターとピアノ音色キーボードのデュオである さいとうりょうじ(2013年2月3日、2013年8月19日)+ヤマザキタケル(2013年8月19日)は、縦ベースの瀬野恒が加わるトリオにて。瀬野は普段はオケで弾いているようだ。一方、歌うとともにチェロも弾く うすいしんすけ のほうは、ピアノ音色キーボードを弾く坂本剛と縦ベースや1曲でバンジョー・カヴァコを弾いた渡辺健吾(2012年6月8日、2012年10月27日、2013年2月11日、2013年8月24日、2014年6月15日)からなるトリオで事にあたる。渡辺の縦ベースの演奏は初めて聞く。
さいとう は うすい のCDにも入っているようでもり、他の出演者も親交があるようで、和気あいあい。なんせ、MCでも丁々発止していたから、な。パラシュート・セッションは申し合わせもなしにその場のノリで2組の出演者が演奏し合う事を是としているようだが、それぞれの持ち曲を交互に演奏し合っても、今回は余っているほうのユニットの奏者が一人音を足したり、また6人一緒に音を重ねる場合もあったりと、この場合はそれなりにすり合せもしているよう。皆でやっている場合、曲によっては、チェロと一人のベースはアルコ弾き(もう一人のベースの渡辺は指弾き)している局面もあった。
さいとう のほうはスウィートな好メロディのジャズやポップの名曲を素直にジャジーに開くなかで、当人のブルージィにして歌心と飛躍やエモーション満載のギター演奏をフィーチャー。終盤はかなり枠を壊し、場を震わせる。やっぱり、ぼくが今一番ひかれるギター奏者だ。←なぜか、日野 皓正(2005年6月5日、2006年11月3日、2011年3月28日、2011年7月25日、2011年9月2日 、2013年9月22日、2014年4月4日、2015年3月10日)と一緒にやらせたいと、切に思う。だって、日野さん好みのタイプのギタリストだと思うし、狂おしい衝動の出し方が両者が近似すると感じてしまうから。一方の、うすい はフォーク的楽曲(少し、コード使いは面白いと思わせるときも)をかゆい、もとい生理的に甘ったるい歌詞と歌いかたで披露。ロマンティストではないぼくの趣味からまったく離れる。
▶過去の、パラシュ—ト・セッション
http://43142.diarynote.jp/201407261219061857/
▶過去の、さいとうりょうじ_
http://43142.diarynote.jp/201302041828146553/
http://43142.diarynote.jp/201308201205053116/
▶過去の、渡辺健吾
http://43142.diarynote.jp/201206120854205300/
http://43142.diarynote.jp/201211151028209850/
http://43142.diarynote.jp/201302181123344904/
http://43142.diarynote.jp/201302041828146553/
http://43142.diarynote.jp/201308281519499994/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
▶過去の、日野 皓正
http://43142.diarynote.jp/200506120639310000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20061103
http://43142.diarynote.jp/?day=20110328
http://43142.diarynote.jp/201107310727152406/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110902
http://43142.diarynote.jp/201309260930584072/
http://43142.diarynote.jp/201404070654593139/
http://43142.diarynote.jp/201503110740041978/
<今日の、昼下がり>
近くある区議会選挙の候補者の宣伝カーがうるさい。それは今に始まったことではないが、あんな事やっても、入れようと思う人がいるとは毛頭思えない。反感買うだけぢゃん。まったくもって、空虚な行為であり、私は表面だけ独りよがりに整えている気になって悦にいっている大バカで〜すと、公道でアピールしているようなものではないか。なんか、そういう選挙にまつわる不毛さも、選挙率の低さにつなっがっているのかもなー。
出演者のさいとうりょうじ+ヤマザキタケル と うすいしんすけ は共にアナログEPやCDを出したばかりで、今回は両者の“レコ発”もかねるという。彼らの演奏中、曲ごとにリアル・タイムで白い紙にクレヨンで描いていく絵がステージ背景のスクリーンに映し出されもする。それ、両者のプロダクツのジャケットのアートワークを担当した、このハコの店長タカハシ・コーキがやっていた。
エレクトリック・ギターとピアノ音色キーボードのデュオである さいとうりょうじ(2013年2月3日、2013年8月19日)+ヤマザキタケル(2013年8月19日)は、縦ベースの瀬野恒が加わるトリオにて。瀬野は普段はオケで弾いているようだ。一方、歌うとともにチェロも弾く うすいしんすけ のほうは、ピアノ音色キーボードを弾く坂本剛と縦ベースや1曲でバンジョー・カヴァコを弾いた渡辺健吾(2012年6月8日、2012年10月27日、2013年2月11日、2013年8月24日、2014年6月15日)からなるトリオで事にあたる。渡辺の縦ベースの演奏は初めて聞く。
さいとう は うすい のCDにも入っているようでもり、他の出演者も親交があるようで、和気あいあい。なんせ、MCでも丁々発止していたから、な。パラシュート・セッションは申し合わせもなしにその場のノリで2組の出演者が演奏し合う事を是としているようだが、それぞれの持ち曲を交互に演奏し合っても、今回は余っているほうのユニットの奏者が一人音を足したり、また6人一緒に音を重ねる場合もあったりと、この場合はそれなりにすり合せもしているよう。皆でやっている場合、曲によっては、チェロと一人のベースはアルコ弾き(もう一人のベースの渡辺は指弾き)している局面もあった。
さいとう のほうはスウィートな好メロディのジャズやポップの名曲を素直にジャジーに開くなかで、当人のブルージィにして歌心と飛躍やエモーション満載のギター演奏をフィーチャー。終盤はかなり枠を壊し、場を震わせる。やっぱり、ぼくが今一番ひかれるギター奏者だ。←なぜか、日野 皓正(2005年6月5日、2006年11月3日、2011年3月28日、2011年7月25日、2011年9月2日 、2013年9月22日、2014年4月4日、2015年3月10日)と一緒にやらせたいと、切に思う。だって、日野さん好みのタイプのギタリストだと思うし、狂おしい衝動の出し方が両者が近似すると感じてしまうから。一方の、うすい はフォーク的楽曲(少し、コード使いは面白いと思わせるときも)をかゆい、もとい生理的に甘ったるい歌詞と歌いかたで披露。ロマンティストではないぼくの趣味からまったく離れる。
▶過去の、パラシュ—ト・セッション
http://43142.diarynote.jp/201407261219061857/
▶過去の、さいとうりょうじ_
http://43142.diarynote.jp/201302041828146553/
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▶過去の、渡辺健吾
http://43142.diarynote.jp/201206120854205300/
http://43142.diarynote.jp/201211151028209850/
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▶過去の、日野 皓正
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http://43142.diarynote.jp/?day=20061103
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http://43142.diarynote.jp/?day=20110902
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http://43142.diarynote.jp/201503110740041978/
<今日の、昼下がり>
近くある区議会選挙の候補者の宣伝カーがうるさい。それは今に始まったことではないが、あんな事やっても、入れようと思う人がいるとは毛頭思えない。反感買うだけぢゃん。まったくもって、空虚な行為であり、私は表面だけ独りよがりに整えている気になって悦にいっている大バカで〜すと、公道でアピールしているようなものではないか。なんか、そういう選挙にまつわる不毛さも、選挙率の低さにつなっがっているのかもなー。
nouon、The Dosages
2015年4月17日 音楽 吉祥寺・the Foxhole。会場入りすると、ヴァイブラフォンの山田あずさ(2013年5月19日、2014年6月13日、2014年6月15日、2014年10月19日、2014年11月21日)、キーボードのケヴィン・マキュー、コントラバス・クラリネットのヒュウ・ロイド、ドラムの山本淳平という面々による、nouonがちょうど始まるところ。この晩が、初お披露目のライヴであるという。
変則編成による、インストゥメンタルのグループ。即興の要素も入るが、ちゃんとメロディのある曲を持ち寄り(両外国人、ともに歌心を持つな)、それに軸に創意ある音を重ね合い、もう一つ奥にある広がりや風景を獲得しようとする方向性を持つ。ヴァイブとキーボードの音は間違えばけっこう音がブツかりそうだが、それなりに棲み分けがなされていて、練られていることを教えるか。山本のドラム(タイトで、瞬発性にも富み、ぼくの好み)はロックっぽい質感も持つためだろう、その総体にはプログ・ロック的な触りも感じなくもない。コントラバス・クラリネットという楽器は初めて身近に見るが、デカい。ロイドは低音部を補充するとともに、適切なメロディを加えもする。お茶目なキメとテンポ変換を持ち、各人のソロも短くフィーチャーした最終曲は楽しい。
その後は、この日最初に出た沢田穣治とサム・ベットのデュオ・ユニットのThe Dosages とnouon による、6人のセッション。沢田のショート・スケールの電気ベース(8弦だったかな?)演奏を基調に、皆が伸び伸びと音を出し合う。かつてNYニッティング・ファクトリー界隈で活躍していたドラマー/打楽器奏者でずっと日本に居住するベネットは小さいパーカッションを手にしつつ、肉声をごんごん入れる。外見はシロ・バプティスタ(2004年9月5日、2004年9月18日、2004年11月6日)みたい? このときの、マクューの電気ピアノ音はもろに1970年代初頭マイルス・デイヴィス・バンドのそれ。うしし。
▶過去の、山田あずさ
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/
http://43142.diarynote.jp/201411221353274586/
▶過去の、沢田穣治
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/201004211621084144/
http://43142.diarynote.jp/201107310726159855/
http://43142.diarynote.jp/201205301229093694/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120516
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
▶過去の、シロ・バプティスタ
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/200411071407550000/
<今日の、ハコ>
初めての、会場ナリ〜。JR線沿いの少し猥雑な通り(客引きを受けた。わーい)3、4分ほど真っすぐに行った所の地下にあるハコ。なんか、店内の色使いがプラッサオンゼに似ているか。それは、会場で偶然会った知人も指摘していて、彼が言うには、この店の少し先にはライヴもやるブラジル音楽のお店があるそう。いろいろとライヴには足を運んでいる気にはなっているが、東京の南西側に限ってみても、ぼくはおそらくそこにある音楽ヴェニューの3パーセントも行っていないのかもナ、なぞともふと思ってしまった。意外に、音楽周辺文化は奥行きを持つぢゃん、とも。本日、外国人出演者比率が高かったせいもあったのか、お客も外国人が多かった。
変則編成による、インストゥメンタルのグループ。即興の要素も入るが、ちゃんとメロディのある曲を持ち寄り(両外国人、ともに歌心を持つな)、それに軸に創意ある音を重ね合い、もう一つ奥にある広がりや風景を獲得しようとする方向性を持つ。ヴァイブとキーボードの音は間違えばけっこう音がブツかりそうだが、それなりに棲み分けがなされていて、練られていることを教えるか。山本のドラム(タイトで、瞬発性にも富み、ぼくの好み)はロックっぽい質感も持つためだろう、その総体にはプログ・ロック的な触りも感じなくもない。コントラバス・クラリネットという楽器は初めて身近に見るが、デカい。ロイドは低音部を補充するとともに、適切なメロディを加えもする。お茶目なキメとテンポ変換を持ち、各人のソロも短くフィーチャーした最終曲は楽しい。
その後は、この日最初に出た沢田穣治とサム・ベットのデュオ・ユニットのThe Dosages とnouon による、6人のセッション。沢田のショート・スケールの電気ベース(8弦だったかな?)演奏を基調に、皆が伸び伸びと音を出し合う。かつてNYニッティング・ファクトリー界隈で活躍していたドラマー/打楽器奏者でずっと日本に居住するベネットは小さいパーカッションを手にしつつ、肉声をごんごん入れる。外見はシロ・バプティスタ(2004年9月5日、2004年9月18日、2004年11月6日)みたい? このときの、マクューの電気ピアノ音はもろに1970年代初頭マイルス・デイヴィス・バンドのそれ。うしし。
▶過去の、山田あずさ
http://43142.diarynote.jp/201305260923241736/
http://43142.diarynote.jp/201406160956273046/
http://43142.diarynote.jp/201406161000365031/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
http://43142.diarynote.jp/201410251052527799/
http://43142.diarynote.jp/201411221353274586/
▶過去の、沢田穣治
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-3.htm
http://43142.diarynote.jp/201004211621084144/
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http://43142.diarynote.jp/201205301229093694/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120516
http://43142.diarynote.jp/201309121810294280/
http://43142.diarynote.jp/201407261220126653/
▶過去の、シロ・バプティスタ
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/200410121001170000/
http://43142.diarynote.jp/200411071407550000/
<今日の、ハコ>
初めての、会場ナリ〜。JR線沿いの少し猥雑な通り(客引きを受けた。わーい)3、4分ほど真っすぐに行った所の地下にあるハコ。なんか、店内の色使いがプラッサオンゼに似ているか。それは、会場で偶然会った知人も指摘していて、彼が言うには、この店の少し先にはライヴもやるブラジル音楽のお店があるそう。いろいろとライヴには足を運んでいる気にはなっているが、東京の南西側に限ってみても、ぼくはおそらくそこにある音楽ヴェニューの3パーセントも行っていないのかもナ、なぞともふと思ってしまった。意外に、音楽周辺文化は奥行きを持つぢゃん、とも。本日、外国人出演者比率が高かったせいもあったのか、お客も外国人が多かった。
ジミー・クリフ。アントニオ・サンチェス&マイグレーション
2015年4月16日 音楽 レゲエ が世界的な存在になる過程で決定的な役割を果たした、格好のいい喉自慢ジャマイカ人(2004年9月5日、2006年8月19日、2013年3月6日、2014年5月21日)の来日のショウは1年弱ぶりのもの。新味はないが、充実した内容であったし、とってもいい気分で見ることができた。演目は代表曲はほぼ網羅、やらなかったのは「メニー・リヴァー・トゥ・クロス」ぐらい。でも、この曲を歌った日もあったよう。六本木・ビルボードライブ東京、ファースト・ショウ。
調べたら、70歳か、それ以下(1945年生まれと1948年生まれの記載がある)。そっか、彼は10代半ばでキングストンに出て、スカ歌手としてデビューしていたりもするんだよな。そのころの、愛らしい「ミス・ジャマイカ」も、彼は披露。といった感じで、銀色のコスチュームに孫悟空みたいなやはり銀色の飾りを頭につけたクリフはそんな歩みをあっさりと括りつつ、充実した今をちゃんと開示。動きは前回よりも激しかったのは間違いない。ギターを持つ〜左利き〜のは2曲。前回よりも少なかったことは、アクションをしていた証左になるか。
バンドは、ギター、ベース、キーボード2、ドラム、トランペット(コーラスもかねる)、アルト・サックス、ワイルド な女性コーラスという面々。もう、きっちりばっちり。ライヴを相当重ねているとも思わせられた。
▶過去の、ジミー・クリフ
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/200608201821080000/
http://43142.diarynote.jp/201303070815313472/
http://43142.diarynote.jp/201405230833199357/
その後は、パット・メセニー(1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日)のグループでずっとドラムを叩いているアントニオ・サンチェス(2011年7月20日、2013年5月21日)のワーキング・バンドでの実演を丸の内・コットンクラブで見る。
映画「パベル」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの新作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の音楽を担当(多くは、技と示唆に富んだドラム・ソロのパフォーマンス。サントラはそこに、クラシックの旧曲が加えられる。彼は現在さらに、ドラム・ソロのアルバムを作りたいとも考えている)していることで一部で話題を呼んでもいる? なんでも同じメキシコ人であるサンチェスによれば、イニャリトゥはまず本国では音楽DJとして知られる、とのこと。
ニーボディのメンバーであるテナー・サックスのベン・ウェンデル(2013年8月22日)、すでに数作リーダー・アルバムを出していてそちらの評判がとっても高い英国人ピアニストのジョン・エスクリート、先日のコンサロ・ルバルカバ(2005年3月16日、2007年11月21日、2010年8月22日、2014年1月10日、2014年1月12日、2015年4月7日)のグループ・メンバーでもあったベースのマット・ブリュワー(2007年11月21日、2015年4月7日)という、敏腕な白人奏者が集う。ウェンデルはシー
マス・ブレイクのトラ、とか。
2007年以降、イタリアのカム・ジャズ・レーベルから数作、作曲家としての才もアピールするリーダー作を出しているサンチェスだけに、曲は凝っていて、他の3人は譜面を前にする。4人は自在に噛み合い、ふくらませもするわけで(ときに、けっこうアヴァンな手触りをたすときも)、1曲15〜20分ぐらいの尺を持っていたか。MCを聞くとサンチェスは相当に綿密な御仁であるのが分りもするが、粛々とスケール観を持つ表現を精緻に歌うドラミングを介してコントールしていく様は、なるほどすごい。一見の価値もある。リーダー作ではかなり研ぎすまされた演奏も見せるエスクリートはこの晩の場合は、1曲弾いたエレクトリック・ピアノ演奏が良く、印象に残った。
▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
▶過去の、アントニオ・サンチェス
http://43142.diarynote.jp/201107230819362417/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
▶過去の、ニーボディ/ベン・ウェンデル
http://43142.diarynote.jp/201308251333326263/
▶過去の、マット・ブリューワー
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
▶過去の、ゴンサロ・ルバルカバ
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201008261620103318/
http://43142.diarynote.jp/201401161534392423/
http://43142.diarynote.jp/201401171004104264/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
<今日の、なるほど>
朝起きて、昨日飲んでいたときに話にあがったアーティストの存在を知人に伝えるために、動画を検索。そのURLをメールで送る。その流れで、ずっとそこからぽんぽんといろんな曲を流れで聞いちゃう。ああ、これが俗に言う、“YouTube祭り”というやつなのか。この日のぼくの場合、音だけを聞いて、画面はWordを開いていたのだけど。なんにせよ、すこし新鮮だった。
調べたら、70歳か、それ以下(1945年生まれと1948年生まれの記載がある)。そっか、彼は10代半ばでキングストンに出て、スカ歌手としてデビューしていたりもするんだよな。そのころの、愛らしい「ミス・ジャマイカ」も、彼は披露。といった感じで、銀色のコスチュームに孫悟空みたいなやはり銀色の飾りを頭につけたクリフはそんな歩みをあっさりと括りつつ、充実した今をちゃんと開示。動きは前回よりも激しかったのは間違いない。ギターを持つ〜左利き〜のは2曲。前回よりも少なかったことは、アクションをしていた証左になるか。
バンドは、ギター、ベース、キーボード2、ドラム、トランペット(コーラスもかねる)、アルト・サックス、ワイルド な女性コーラスという面々。もう、きっちりばっちり。ライヴを相当重ねているとも思わせられた。
▶過去の、ジミー・クリフ
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/200608201821080000/
http://43142.diarynote.jp/201303070815313472/
http://43142.diarynote.jp/201405230833199357/
その後は、パット・メセニー(1999年12月15日、2002年9月19日、2010年6月12日、2012年1月25日、2012年3月3日、2013年5月21日)のグループでずっとドラムを叩いているアントニオ・サンチェス(2011年7月20日、2013年5月21日)のワーキング・バンドでの実演を丸の内・コットンクラブで見る。
映画「パベル」のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの新作「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」の音楽を担当(多くは、技と示唆に富んだドラム・ソロのパフォーマンス。サントラはそこに、クラシックの旧曲が加えられる。彼は現在さらに、ドラム・ソロのアルバムを作りたいとも考えている)していることで一部で話題を呼んでもいる? なんでも同じメキシコ人であるサンチェスによれば、イニャリトゥはまず本国では音楽DJとして知られる、とのこと。
ニーボディのメンバーであるテナー・サックスのベン・ウェンデル(2013年8月22日)、すでに数作リーダー・アルバムを出していてそちらの評判がとっても高い英国人ピアニストのジョン・エスクリート、先日のコンサロ・ルバルカバ(2005年3月16日、2007年11月21日、2010年8月22日、2014年1月10日、2014年1月12日、2015年4月7日)のグループ・メンバーでもあったベースのマット・ブリュワー(2007年11月21日、2015年4月7日)という、敏腕な白人奏者が集う。ウェンデルはシー
マス・ブレイクのトラ、とか。
2007年以降、イタリアのカム・ジャズ・レーベルから数作、作曲家としての才もアピールするリーダー作を出しているサンチェスだけに、曲は凝っていて、他の3人は譜面を前にする。4人は自在に噛み合い、ふくらませもするわけで(ときに、けっこうアヴァンな手触りをたすときも)、1曲15〜20分ぐらいの尺を持っていたか。MCを聞くとサンチェスは相当に綿密な御仁であるのが分りもするが、粛々とスケール観を持つ表現を精緻に歌うドラミングを介してコントールしていく様は、なるほどすごい。一見の価値もある。リーダー作ではかなり研ぎすまされた演奏も見せるエスクリートはこの晩の場合は、1曲弾いたエレクトリック・ピアノ演奏が良く、印象に残った。
▶過去の、パット・メセニー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/201006181520054406/
http://43142.diarynote.jp/201201271245417497/
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▶過去の、アントニオ・サンチェス
http://43142.diarynote.jp/201107230819362417/
http://43142.diarynote.jp/201305260927026044/
▶過去の、ニーボディ/ベン・ウェンデル
http://43142.diarynote.jp/201308251333326263/
▶過去の、マット・ブリューワー
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
▶過去の、ゴンサロ・ルバルカバ
http://43142.diarynote.jp/200503240453290000/
http://43142.diarynote.jp/200711290930350000/
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http://43142.diarynote.jp/201401171004104264/
http://43142.diarynote.jp/201504081451142675/
<今日の、なるほど>
朝起きて、昨日飲んでいたときに話にあがったアーティストの存在を知人に伝えるために、動画を検索。そのURLをメールで送る。その流れで、ずっとそこからぽんぽんといろんな曲を流れで聞いちゃう。ああ、これが俗に言う、“YouTube祭り”というやつなのか。この日のぼくの場合、音だけを聞いて、画面はWordを開いていたのだけど。なんにせよ、すこし新鮮だった。
The Silence
2015年4月14日 音楽 昨年解散した世界的なサイケデリック・ロック・バンドのGhost(2008年1月21日)の馬頭將噐(ヴォーカル、ギター)と荻野和夫(キーボード)を中心に、非常階段やAcid Mothers Templeの岡野太(ドラム)、フルートやバリトン・サックスを吹く吉田隆一(2004年8月20日、2004年10月10日、2006年7月3 日、2012年12月11日、2014年7月22日、2015年2月8日)、この日の前座にも出たjan & naomiやGREAT3のヤン(ベース)という面々が集まった、新バンドのデビュー・アルバムのリリースをフォロウするライヴ。渋谷・O’nest。
Ghostのアルバムはシカゴの好レーベル“ドラッグ・シティ”から出ていたように、今回の彼らのセルフ・タイトルのデビュー作も同社発となる。かつて、ソウライヴ他を送り出したヴェロア・レコードの社長であるジェフ・クラズノウと話したときに、同社が目標とするレーベルの一つがドラッグ・シティだと言っていたことがあった。NYのダウンタウンにオフォスを構え順風満帆だったヴェロアは9.11 テロのため事務所機能停止に追い込まれたりもし、その後雲行きが怪しくなったという印象をぼくは持っているが、それ当たっているのかいないのか。それとも、ヴェロアが乗っかったジャム・バンド・ミュージックの流れが落ち着いたことと、その衰退は関係があるか。6月にブルーノート東京に出演するカーキ・キング(2004年8月3日、2005年3月26日)もヴェロアが元気なころに発掘し、その後はソニー売り、マネージメントを続けていたアーティストだった(その後、ヴェロアに戻ったりも)。
閑話休題。うわ、音がデカい。そのバンド名は逆説的なもの? それとも、内にある心持ちを伝えているの?。とにもかくにも、レトロスペクティヴなロックに愛着を持っていると思われるバンド表現を、生理的にまっすぐに出して行く。ふむ、1960年代後半のエッセンシャルなロック要素を打算なしに今打ち出せば、もう一つの意味が出てくるとも、それは思わせた。重量感があり、迸りの感覚も持つ、筆使いの綺麗なロック表現。オヤジ臭さを感じさせないのは、痩身長身の馬頭たちの格好悪くなさも一役買っているか。
一部、UKビート・バンドがやるポップ曲みたいなのもあった。吉田のフルートのソロはかなり効いていて、それは広がりも導く。ここでの、彼の存在はデカい。一方、ハモンド・オルガンの演奏は往年のロックの使い方を完全にマスターしていると言いたくなるもので、なかなかグっと来る。ドラマーはレギュラー・グリップ(でも、左手のリスト使いは変則的と言えるのかな?)でとってもしっかりしたビートを繰り出す。いいドラマーだ。終盤のエレクトリック・ギターのソロは見事に場の空気をゆがめ、引き裂く。それぞれ、基礎体力があるナ。
馬頭はほんの少しかなり端正なMCもし、一部の曲も紹介。それによれば。「ジュエルズ・イン・チベット」という柔和な曲は中国の迫害で過酷な境遇にある子供たちを慮って作ったもので、彼はそれを支援する活動をしているのだという。お、外国のミュージシャンみたいね。彼は会場内の外国人向きに、曲の背景を伝える簡単な英語MCも、そのときだけした。アルバムのオープナーは日本語曲だったが、彼らの歌詞は英語だ。
▶過去の、Ghost
http://43142.diarynote.jp/200801231227540000/
▶過去の、吉田隆一
http://43142.diarynote.jp/?day=20040820
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703
http://43142.diarynote.jp/?day=20121211
http://43142.diarynote.jp/201407231341189225/
http://43142.diarynote.jp/201502090956393081/
▶過去の、カーキ・キング
http://43142.diarynote.jp/200408030059330000/
http://43142.diarynote.jp/200504051427210000/
追記:ジェフ・クラズノウは現在LAに住み、ヨガの世界で大成功を収めているそう。
<今日の、ベース>
ベーシストは部分的にSG型のショート・スケールのモデルを弾いていて、おっとなる。そして、必要以上に見てしまう。オレ、洒落でSG型の4弦ベースが欲しくて、しかも一度シュート・スケールのベースを手にしてみたいんだよなあ。今出ているベース・マガジンはエピフォンの小特集をやっていて、そこで紹介しているSG型ショート・スケールのモデルが異常に安くて、わーと思っていたばかり。家で少しつまびくぶんにはそれでいいぢゃん。。。。つい先日、TOKIE(2001年3月19日、2001年5月29日、2003年12月18日、2004年11月7日、2005年7月30日、2006年1月9日、2006年3月23日)嬢にショート・スケールってどうよと問えば、いいと思うと言っていたしな。←と言いつつ、彼女はレギュラーしか使っていないけど。早く、THE LIPSMAXで使うとぴったりのワーウィックのセミ・アコースティック型のミント・グルーン色が届くといいですね。ロカビリー+の女性トリオ・バンドであるTHE LIPSMAXのライヴは、今度の金曜に下北沢のGARDENであり。
▶過去の、TOKIE
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-5.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-12.htm
http://43142.diarynote.jp/200411141142200000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050730
http://43142.diarynote.jp/200601111700180000/
http://43142.diarynote.jp/200603281351530000/
Ghostのアルバムはシカゴの好レーベル“ドラッグ・シティ”から出ていたように、今回の彼らのセルフ・タイトルのデビュー作も同社発となる。かつて、ソウライヴ他を送り出したヴェロア・レコードの社長であるジェフ・クラズノウと話したときに、同社が目標とするレーベルの一つがドラッグ・シティだと言っていたことがあった。NYのダウンタウンにオフォスを構え順風満帆だったヴェロアは9.11 テロのため事務所機能停止に追い込まれたりもし、その後雲行きが怪しくなったという印象をぼくは持っているが、それ当たっているのかいないのか。それとも、ヴェロアが乗っかったジャム・バンド・ミュージックの流れが落ち着いたことと、その衰退は関係があるか。6月にブルーノート東京に出演するカーキ・キング(2004年8月3日、2005年3月26日)もヴェロアが元気なころに発掘し、その後はソニー売り、マネージメントを続けていたアーティストだった(その後、ヴェロアに戻ったりも)。
閑話休題。うわ、音がデカい。そのバンド名は逆説的なもの? それとも、内にある心持ちを伝えているの?。とにもかくにも、レトロスペクティヴなロックに愛着を持っていると思われるバンド表現を、生理的にまっすぐに出して行く。ふむ、1960年代後半のエッセンシャルなロック要素を打算なしに今打ち出せば、もう一つの意味が出てくるとも、それは思わせた。重量感があり、迸りの感覚も持つ、筆使いの綺麗なロック表現。オヤジ臭さを感じさせないのは、痩身長身の馬頭たちの格好悪くなさも一役買っているか。
一部、UKビート・バンドがやるポップ曲みたいなのもあった。吉田のフルートのソロはかなり効いていて、それは広がりも導く。ここでの、彼の存在はデカい。一方、ハモンド・オルガンの演奏は往年のロックの使い方を完全にマスターしていると言いたくなるもので、なかなかグっと来る。ドラマーはレギュラー・グリップ(でも、左手のリスト使いは変則的と言えるのかな?)でとってもしっかりしたビートを繰り出す。いいドラマーだ。終盤のエレクトリック・ギターのソロは見事に場の空気をゆがめ、引き裂く。それぞれ、基礎体力があるナ。
馬頭はほんの少しかなり端正なMCもし、一部の曲も紹介。それによれば。「ジュエルズ・イン・チベット」という柔和な曲は中国の迫害で過酷な境遇にある子供たちを慮って作ったもので、彼はそれを支援する活動をしているのだという。お、外国のミュージシャンみたいね。彼は会場内の外国人向きに、曲の背景を伝える簡単な英語MCも、そのときだけした。アルバムのオープナーは日本語曲だったが、彼らの歌詞は英語だ。
▶過去の、Ghost
http://43142.diarynote.jp/200801231227540000/
▶過去の、吉田隆一
http://43142.diarynote.jp/?day=20040820
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060703
http://43142.diarynote.jp/?day=20121211
http://43142.diarynote.jp/201407231341189225/
http://43142.diarynote.jp/201502090956393081/
▶過去の、カーキ・キング
http://43142.diarynote.jp/200408030059330000/
http://43142.diarynote.jp/200504051427210000/
追記:ジェフ・クラズノウは現在LAに住み、ヨガの世界で大成功を収めているそう。
<今日の、ベース>
ベーシストは部分的にSG型のショート・スケールのモデルを弾いていて、おっとなる。そして、必要以上に見てしまう。オレ、洒落でSG型の4弦ベースが欲しくて、しかも一度シュート・スケールのベースを手にしてみたいんだよなあ。今出ているベース・マガジンはエピフォンの小特集をやっていて、そこで紹介しているSG型ショート・スケールのモデルが異常に安くて、わーと思っていたばかり。家で少しつまびくぶんにはそれでいいぢゃん。。。。つい先日、TOKIE(2001年3月19日、2001年5月29日、2003年12月18日、2004年11月7日、2005年7月30日、2006年1月9日、2006年3月23日)嬢にショート・スケールってどうよと問えば、いいと思うと言っていたしな。←と言いつつ、彼女はレギュラーしか使っていないけど。早く、THE LIPSMAXで使うとぴったりのワーウィックのセミ・アコースティック型のミント・グルーン色が届くといいですね。ロカビリー+の女性トリオ・バンドであるTHE LIPSMAXのライヴは、今度の金曜に下北沢のGARDENであり。
▶過去の、TOKIE
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-5.htm
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http://43142.diarynote.jp/200411141142200000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050730
http://43142.diarynote.jp/200601111700180000/
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ジョージ・クリントン&パーラメント/ファンカデリック
2015年4月12日 音楽 昨年年末に出たファンカデリック名義の3枚組新譜はものすごい傑作で、2000年代に入ってからの米国黒人音楽の最たる重要アルバムであると、ぼくは思っている。それゆえ、ちょうど2年ぶりの来日となるクリントン一座(2002年7月28日、2009年9月5日、2011年1月22日、2013年4月12日)の来日公演は、基本ノリとしては過去と同じような感じであるだろうと思いつつ、かなり期待するところはあった。他のファンカティアの方々も同様に考えたかどうかは知らぬが、今回は予約の入り方方がいつもより良かったよう。六本木・ビルボードライブ東京、セカンド・ショウ。
で、変わらなくていいものと同時に新味も感じたわけだが、まずおおおおっとなったのは、この7月に74才になるはずのクリントン翁の元気さ。そして、それが何より新たな感興を導いていた。
例によって、カラフル&小汚い風体をやめにして、スーツをばしっと身につけたクリントンは、最初から最後までずっと出ずっぱり。昔は引っ込むときもあったのではなかったか。そして、間違いなく彼は以前よりもよく声を出したり歌うようになった。歌の部分については進歩しているところがあるよな。かつてのフォクサー的盛り上げ役という位置から、ステージ中央に立つ主役という立ち位置に、いつの間にか変わりました。終盤の「アトミック・ドッグ」ではフリを伴うダンスを可愛らしく(?)見せたりして、こんなことは前回もしなかったはずだ。とにもかくにも、バカみたいに元気で溌剌。あの新作を抜きにしても、クリントンが本当に今いい状況にあることが、これは分る。
そんな御大にプラスして、構成員はヴォーカルやラップ担当が7(うち、若目の女性が3人。また、男性の1人は、事前告知に倣えば、大昔にリーダー作を発表したこともあった息子のトレイシー・ルイス・クリントンなはず)、ギター3、キーボード1、サンプラー・パッド1、ベース1、ドラム1、アルト・サックス1(彼は前に出て来て、スキャットをかましまくる場面もあり)、トランペット1。あれ、発表になっていた人数よりも1人多かったかな。なんにせよ、無駄に人数が多いながら、不思議な統制が取られていて、また多くの人たちがちゃんとフィーチャーされる側面もあり、大げさに書けば魔法みたいと思わす部分もあった。とくに今回は、大所帯バンドをやっている人たちは必見ではなかったか。
それから、この晩なぜかはっきりと感じたのは、クリントンたちのパフォーマンスのあり方は教会の縮図であるということ。ヴォーカル担当者がたくさんいて烏合の衆っぽく振る舞う様がそう思わせるし、何より肉声で観客に働きかけるクリントンの様子がプリーチャーそのものではないか! だからこそ、バンド間や客とのコール&レスポンスは、P-ファンクの根っこにある重要要素であるとも思わせるわけだ。うわあ、これぞ米国ブラック・ミュージックの精華!!! こりゃ、“一揆モノ”実演の最高峰!!!
▶過去の、ジョージ・クリントン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 触れていないが、フジ・ロック
http://43142.diarynote.jp/?day=20090905
http://43142.diarynote.jp/201102081256005311/
http://43142.diarynote.jp/201304150853287353/
<今日の、追記>
▶演奏陣は開演4分前にステージに上がり、場内が明るいうちに演奏を始めちゃう。おお、なんとせっかちな。早く終わって遊びに行きたいのかと思えば、1時間半越え。こんなに長いショウを、彼らがここで披露するのも初めてではないか。▶クール&ザ・ギャング(2014年12月26日)の「ハリウッド・スウィング」の著名リフを、曲エンディングで用いたときアリ。▶終盤、女性客だけをステージに上げた。男性が便乗してあがろうとしたら、きっぱり拒否られてて笑った。そして、汗だくのクリントンは彼女たちとハグしまくり。そのスケベじじいいぶりも最高。▶クリントンさん、帰り際にマイク・スタンドを股間から突き出るように持ち、片手でコスりまくる。それは前回もやったが、しょーもねー♡。
▶過去の、クール&ザ・ギャング/J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/200611281428510000/
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
http://43142.diarynote.jp/201412291146465218/
で、変わらなくていいものと同時に新味も感じたわけだが、まずおおおおっとなったのは、この7月に74才になるはずのクリントン翁の元気さ。そして、それが何より新たな感興を導いていた。
例によって、カラフル&小汚い風体をやめにして、スーツをばしっと身につけたクリントンは、最初から最後までずっと出ずっぱり。昔は引っ込むときもあったのではなかったか。そして、間違いなく彼は以前よりもよく声を出したり歌うようになった。歌の部分については進歩しているところがあるよな。かつてのフォクサー的盛り上げ役という位置から、ステージ中央に立つ主役という立ち位置に、いつの間にか変わりました。終盤の「アトミック・ドッグ」ではフリを伴うダンスを可愛らしく(?)見せたりして、こんなことは前回もしなかったはずだ。とにもかくにも、バカみたいに元気で溌剌。あの新作を抜きにしても、クリントンが本当に今いい状況にあることが、これは分る。
そんな御大にプラスして、構成員はヴォーカルやラップ担当が7(うち、若目の女性が3人。また、男性の1人は、事前告知に倣えば、大昔にリーダー作を発表したこともあった息子のトレイシー・ルイス・クリントンなはず)、ギター3、キーボード1、サンプラー・パッド1、ベース1、ドラム1、アルト・サックス1(彼は前に出て来て、スキャットをかましまくる場面もあり)、トランペット1。あれ、発表になっていた人数よりも1人多かったかな。なんにせよ、無駄に人数が多いながら、不思議な統制が取られていて、また多くの人たちがちゃんとフィーチャーされる側面もあり、大げさに書けば魔法みたいと思わす部分もあった。とくに今回は、大所帯バンドをやっている人たちは必見ではなかったか。
それから、この晩なぜかはっきりと感じたのは、クリントンたちのパフォーマンスのあり方は教会の縮図であるということ。ヴォーカル担当者がたくさんいて烏合の衆っぽく振る舞う様がそう思わせるし、何より肉声で観客に働きかけるクリントンの様子がプリーチャーそのものではないか! だからこそ、バンド間や客とのコール&レスポンスは、P-ファンクの根っこにある重要要素であるとも思わせるわけだ。うわあ、これぞ米国ブラック・ミュージックの精華!!! こりゃ、“一揆モノ”実演の最高峰!!!
▶過去の、ジョージ・クリントン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 触れていないが、フジ・ロック
http://43142.diarynote.jp/?day=20090905
http://43142.diarynote.jp/201102081256005311/
http://43142.diarynote.jp/201304150853287353/
<今日の、追記>
▶演奏陣は開演4分前にステージに上がり、場内が明るいうちに演奏を始めちゃう。おお、なんとせっかちな。早く終わって遊びに行きたいのかと思えば、1時間半越え。こんなに長いショウを、彼らがここで披露するのも初めてではないか。▶クール&ザ・ギャング(2014年12月26日)の「ハリウッド・スウィング」の著名リフを、曲エンディングで用いたときアリ。▶終盤、女性客だけをステージに上げた。男性が便乗してあがろうとしたら、きっぱり拒否られてて笑った。そして、汗だくのクリントンは彼女たちとハグしまくり。そのスケベじじいいぶりも最高。▶クリントンさん、帰り際にマイク・スタンドを股間から突き出るように持ち、片手でコスりまくる。それは前回もやったが、しょーもねー♡。
▶過去の、クール&ザ・ギャング/J.T.テイラー
http://43142.diarynote.jp/200611281428510000/
http://43142.diarynote.jp/201403051230433466/
http://43142.diarynote.jp/201412291146465218/