オーストラリア出身の女性シンガー・ソングライターの初来日公演は良かった。今、見るべき最たるロック系アクトと思っていたけど、想像していた以上。ロックっていいナとも、きっちり思った。恵比寿・リキッドルーム。

 ベースとドラムを従えた最小単位のバンドにて。バーネットはエレクトリック・ギターを爪弾きながら歌い始めたんだが、歌の感じに覚えた所感は、クリッシー・ハインド(ザ・プリテンダーズ)。言葉を崩し気味に投げ出す感じが似ている。とともに、その曲がニュー・ウェイヴ期ポップ・ロックのような曲調であったためもあったろう。崩しの感覚はもっと強く出る場合もあり、つきるところルー・リードにたどり着くと指摘できる? 曲はオルタナ・ロック調もあり。

 ギターのコード弾きも浮遊気味に弾く場合もある(←難しいはず)が、これがかなりイケる。びっくりしたのは、真正ブルース・マンのようにピックを使わずに、多様な弾き方をしていたこと。コード・カッティングと複音弾きで、いろんな局面を出す。単音弾きゼロで、それがとっても個人的にマル。なかには、ソニック・ユース( 2001年2月20日、2007年4月20日)を想起させるような局面もあり。左利きの彼女だが、ジミ・ヘンドリックス風の演奏も求められればかなり上等にこなすのではないかと思わせられた。

 ちょい浮いた歌とギターのコンビネーションが誰かに似ていると思い、ムズムズ。そしたら、それはジャン・ポール・ブレリーぢゃん。うわー。あのNYの地下ジャズ界のはみ出し表現も彼女は聞いているんじゃないかなあ(すると、ソニック・ユースにも出会いますよね。逆かもしれないけど)。男性のリズム隊は最低限のことをやっていたがOK。素直にやりたいことをやっているだけとも思わせるのに(ビートも凝っていないのに)、今の輝きを持っていて、それにも拍手。素敵でした。

▶過去の、ソニック・ユース
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200704251225580000/

<今日の、光景>
 午前中打ち合わせで外に出たら、うちの前の遊歩道を、保育所だ託児所だかの幼児とお姉さんたちがほほえましく散歩中。両者とも、ハロウィーンを意識した簡単な仮装をしている。こんな小さなころからハロウィーンというならわしに触れていると、そりゃ思春期のころはバクハツするだろうなーと思うことしきり。で、夜はもう……。肌を一杯出している皆、風邪ひくなよ〜。