タンブッコ

2015年10月4日 音楽
 この妙な名前を名乗る4人組は、メキシコのパーカッション・アンサンブル。1993年の結成で、芸術監督を務めるリカルド・ガヤルド、アルフレッド・ブリンガス(一番じじい)、ミゲル・ゴンザレス(一応、青年)、ラウル・ドゥトンというのが構成員。リーダーはユル・ブリンナーみたいだし、黒髪を後で結んでいるドゥトンの他は、外見はあまりメキやんぽくない。二部構成で前後4曲づつ、そしてアンコールには2曲応対した。東京文化会館 小ホール。

 一応クラシック/現代音楽畑のグループというぐらいの知識しかなかったのだが、けっこう下世話なエンターテインメント性も持ち、門外漢に向けたくだけた表現をやっていると言えるか。そこがぼくには臭く感じてしまう部分もあったのだが、それは上から目線のものではく、素直に多くの人と打楽器音の楽しさやポリリズムの面白さをシェアしたいという気持ちがあるのは良く分った。ゆえに、音を出すだけでなく、けっこうパフォーマンス性を重視していると思わせるところも見受けられた。

 ステージ上には、バスドラを下においたマリンバが4台おいてあるが、意外にそれを弾く曲は少なかったか。1曲目はスティーヴ・ライヒ曲だったようだが、これはクラベス(拍子木)だけを用いてパフォーマンスする。一方、メキシコのエクロル・インファソンというピアニストの曲は全員ボディ・パーカッションにて披露。その曲名は「痣のできる音楽」だそう。

 オリジナルも2曲披露して、うち一つはアフリカのカリンバをそれぞれが弾くとともに、最後のほうは4人が1台のマリンバを手で奏でるというもの。ぼくの、好み。もう一つのメンバーのオリジナルはリーダーが生ギターを弾くとともに、4人はカホンを叩く。これはペルーのリズムを下敷きにしているとか。また、彼らはウルグアイの作曲家や南メキシコのトラッドを取り上げてもいた。

 といったように、中南米的属性も意識的に出しつつ、彼らがもう一つの音大出身者派生のインストゥメンタルをやらんとしてたのは間違いない。

<今日の、いだだきもの>
 会場で会った知人に、亀の子たわしブランドのスポンジをいただく。会場に来る前に、谷中で散歩/買い物をしてきたそうで、そのおすそわけだ。谷中には亀の子たわしの直営店もあるのだとか。絶対に普通のスポンジよりもいいからと言われる。それがいれられた袋は昔のデザインを持って来た、いかにも老舗ふうのそれ。そこには、<東京都北區瀧野川町 西野商店>の旧表記も。