南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。キューバ人ピアニストのロベルト・フォンセカ(2003年10月14日、2010年1月26日、2013年1月12日、2014年3月19日)の今回の来日公演はトリオにて。縦を中心に電気も曲によっては弾くベーシストのヤンディ・マルティネスとドラムのラムセス・ロドリゲス、彼らはフォンセカの前回公演にも同行しているリズム隊だ。アフリカ勢とエールを交換するようなプロジェクト期を過ぎて(2015 年新作はマリ人歌手のフォトマタ・ジャワラとの双頭作だ)、もう一度、自らの核にあるジャズとラテンに、ピアノ・トリオという単位で向き合いたくなったのか? そうすると、随所からフォンセカの達者なピアノ技量(ハービー・ハンコック〜2000年3月14日、2001年12月27日、2003年8月23日、2005年8月21日、2012年3月3日、2014年9月7日、2015年9月6日〜好きもこぼれ出る)やピアノ美意識が明快にあふれる。彼はシンセや歌も(歌詞なし。非裏声)少し使う。それは、通り一遍の形式や片苦しさから逃れ、彼のしなやかさを強調するだろう。それからうならされるのは、トリオの自在な重なり。フォンセカはリズム隊にかなり念をおくっていて、それをリズム隊は読みとり、サウンド総体にいろいろ出入りしていく。そこらへん、妙があり、音楽の素敵や快感があり。フォンセカはこのトリオ表現をもっと煮詰めて行こうとしている感もありのような。彼の次作はどうなるのだろうか? 

▶過去の、ロベルト・フォンセカ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/201001291746252351/
http://43142.diarynote.jp/201301161544336447/
http://43142.diarynote.jp/201403240917556171/
http://43142.diarynote.jp/201509291629428595/ (最後のほう、ロベルト・フォンセカへのインタヴュー)
▶過去の、ハービー・ハンコック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/

<今日の、情報>
 会場で、ドラマーのラムセス・ロドリゲスにドラムを習っていたという女性と会う。知人の知人。スペイン語の仕事をなさっている方で、学生時代に言葉のほうを入り口に音楽のほうもやるようになったという。彼女曰く、ロドリゲスさんはエルナン・ロペス・ヌッサ(2014年7月19日、参照)、チューチョ・バルデス(2009年9月14日、2010年3月25日、2012年5月1日、2013年2月28日、2013年11月27日)、ロベルト・カルカセス(2005年11月4日)などのサポートでも来ているのではないかとのこと。
▶過去の、チューチョ・バルデス
http://43142.diarynote.jp/200909181205563624/
http://43142.diarynote.jp/201003271334102896/
http://43142.diarynote.jp/201205080621274204/
http://43142.diarynote.jp/201303070813066769/
http://43142.diarynote.jp/201311281342196399/
▶過去の、ロベルト・カルカセス
http://43142.diarynote.jp/200511130412510000/
▶過去の、アロルド・ロペス・ヌッサ
http://43142.diarynote.jp/201407221705302936/