守屋純子オーケストラ。アンジー・ストーン
2011年2月10日 音楽 大手町・日経ホール。物凄く久しぶりに行ったが、立て直されていたんだあ。出演者は、コンボからオーケストラまでいろんなスタイルで才をアピールしているジャズ・ピアニストである守屋純子ひきいるオーケストラ。トランペット4人、トロンボーン2人、サックス5人、そして縦ベースとドラムと打楽器。オーケストラ構成員はほとんどが日本人のトップ・ジャズ・マン。トロンボーン・セクションの女性奏者一人を除いては、全員にソロ・パートをバランスよくふっていた。打楽器は岡部洋一(2010年12月28日、他)で、MCによれば、彼をオーケストラに迎えるのは念願で、彼が入る事でアレンジを書き直したものがあったよう。とともに、今回が初披露となった曲/編曲も少なくなかったようだ。
2部構成にて。守屋はオリジナル曲をやることに力を入れている人ではあるものの、今回はエリントン他の有名ジャズ曲を取り上げるというお題目が流されていた。やはりジャズ有名曲をやったほうが集客には繋がるはずで、それなりの大きなホールで大々的に公演を持つにはそれも致し方ないんだろうけど、本当は全編自作曲で勝負したいと推測され少しかわいそうだなと、ぼくは行く前に勝手に思っていたのだが。……そしたら、したたかな人。「イン・ザ・ムード」とか「スウィングしなけりゃ意味がない」などの有名他人曲は1部のほうにかため、結局比率的にはオリジナルの方が多かった。しかも、先の定番曲にしても、手あかにまみれた曲を私ならこうするという意思を持つものでアハハ。従来の有名曲ノリを求めるコンサバな聞き手には、ビミョーに居心地悪いなと思わせるものだったかもしれないが。
ぼくが一番気に入った曲は、昨年11月に亡くなったフランスの友人のために書いたというしっとり曲。美曲であり、美編曲がなされていたが、軽いボサ(ノヴァ)調ビートを採用し、岡部にパンデイロなどブラジル系打楽器を叩かせるあたり、ツっぱりと表裏一体の才気を感じさせられたかも。あと、そんなに無駄にソロを取らせず、コンパクトに曲をまとめていたのも、見識を示していたと思う。そんなショウに触れつつ、アンサンブルだけで勝負するジャズ・ビッグ・バンド表現は出てこないかとも、ぼくはふと思う。アンサンブル・パートとソロ・パートの効果的な噛み合いはビッグ・バンド表現の肝だとは思うが、大々的なソロのパートはなしにし、スリリングかつ豊穣なアンサンブルだけでジャズの醍醐味を露にするような包括的表現にぼくは触れたい。
そして、六本木・ビルボードライブ東京(セカンド・ショウ)。こちらは、キャリア豊かな自立系R&B歌手(2005月3月22日、2007年7月18日)の出演、バッキングは2人の女性コーラス、ギター、キーボード、ベース、ドラムという布陣。アルバムだとDJ的編集感覚も持つ作りを彼女はとるが、ライヴ・パフォーマンスは年齢相応(50歳ぐらい)のオールド・スクールというか、実直生音サウンドのもと喉自慢のワタシをのせるという、奇をてらわないノリを持つもの。どこか歌の持ち味にチャカ・カーン(2008年6月5日、他)を思い出させるところがあると、彼女に感じたのは、ぼくの場合は今回が初めてか。それもうれしい。とともに、チャカねえさんの影響力の大きさを再確認させられる思いも改めて得る。
アンコールの最後は01年作『マホガニー・ソウル』(J)に収録されていたオージェイズの「裏切り者のテーマ」を大胆サンプリングし別歌にした「ウィッシュ・アイ・ディドント・ミス・ユー」。それを全面人力サウンドにて、見事に披露。その曲で、ぼくは昔聞いて苦手感を持ったオージェイズ曲の魅力を再発見しました。その曲が終わりアンジーやコーラスが去った後、残った演奏陣は肩を組んで挨拶。そこまで、うれしそうにふるまうバンド・メンバーたちも珍しい。それもまた、心温む光景でした。
<今日の朝刊>
起床しぽわ〜んと新聞をめくっていたら、中央部の見開きカラー広告にブっとぶ。なんと、西海岸ヴェテラン・ロック・バンドのイーグルスの3月上旬来日公演(東京ドーム2日間)の告知ではないか。うぬ、あまりに立派。不況の洋楽界にあって、これはすごい。他の業種でも、ここのところの新聞で見開き広告なんて1色印刷ものでも、あまり記憶にないが(……意識しないだけかな?)。しかも、外様の、ジョー・ウォルシュが一番偉そうに映っている(笑い)。今、イーグルスは4人組という名目なのか。そのウォルッシュをイーグルスに誘ったはずのドン・フェルダーはどこに行った?
2部構成にて。守屋はオリジナル曲をやることに力を入れている人ではあるものの、今回はエリントン他の有名ジャズ曲を取り上げるというお題目が流されていた。やはりジャズ有名曲をやったほうが集客には繋がるはずで、それなりの大きなホールで大々的に公演を持つにはそれも致し方ないんだろうけど、本当は全編自作曲で勝負したいと推測され少しかわいそうだなと、ぼくは行く前に勝手に思っていたのだが。……そしたら、したたかな人。「イン・ザ・ムード」とか「スウィングしなけりゃ意味がない」などの有名他人曲は1部のほうにかため、結局比率的にはオリジナルの方が多かった。しかも、先の定番曲にしても、手あかにまみれた曲を私ならこうするという意思を持つものでアハハ。従来の有名曲ノリを求めるコンサバな聞き手には、ビミョーに居心地悪いなと思わせるものだったかもしれないが。
ぼくが一番気に入った曲は、昨年11月に亡くなったフランスの友人のために書いたというしっとり曲。美曲であり、美編曲がなされていたが、軽いボサ(ノヴァ)調ビートを採用し、岡部にパンデイロなどブラジル系打楽器を叩かせるあたり、ツっぱりと表裏一体の才気を感じさせられたかも。あと、そんなに無駄にソロを取らせず、コンパクトに曲をまとめていたのも、見識を示していたと思う。そんなショウに触れつつ、アンサンブルだけで勝負するジャズ・ビッグ・バンド表現は出てこないかとも、ぼくはふと思う。アンサンブル・パートとソロ・パートの効果的な噛み合いはビッグ・バンド表現の肝だとは思うが、大々的なソロのパートはなしにし、スリリングかつ豊穣なアンサンブルだけでジャズの醍醐味を露にするような包括的表現にぼくは触れたい。
そして、六本木・ビルボードライブ東京(セカンド・ショウ)。こちらは、キャリア豊かな自立系R&B歌手(2005月3月22日、2007年7月18日)の出演、バッキングは2人の女性コーラス、ギター、キーボード、ベース、ドラムという布陣。アルバムだとDJ的編集感覚も持つ作りを彼女はとるが、ライヴ・パフォーマンスは年齢相応(50歳ぐらい)のオールド・スクールというか、実直生音サウンドのもと喉自慢のワタシをのせるという、奇をてらわないノリを持つもの。どこか歌の持ち味にチャカ・カーン(2008年6月5日、他)を思い出させるところがあると、彼女に感じたのは、ぼくの場合は今回が初めてか。それもうれしい。とともに、チャカねえさんの影響力の大きさを再確認させられる思いも改めて得る。
アンコールの最後は01年作『マホガニー・ソウル』(J)に収録されていたオージェイズの「裏切り者のテーマ」を大胆サンプリングし別歌にした「ウィッシュ・アイ・ディドント・ミス・ユー」。それを全面人力サウンドにて、見事に披露。その曲で、ぼくは昔聞いて苦手感を持ったオージェイズ曲の魅力を再発見しました。その曲が終わりアンジーやコーラスが去った後、残った演奏陣は肩を組んで挨拶。そこまで、うれしそうにふるまうバンド・メンバーたちも珍しい。それもまた、心温む光景でした。
<今日の朝刊>
起床しぽわ〜んと新聞をめくっていたら、中央部の見開きカラー広告にブっとぶ。なんと、西海岸ヴェテラン・ロック・バンドのイーグルスの3月上旬来日公演(東京ドーム2日間)の告知ではないか。うぬ、あまりに立派。不況の洋楽界にあって、これはすごい。他の業種でも、ここのところの新聞で見開き広告なんて1色印刷ものでも、あまり記憶にないが(……意識しないだけかな?)。しかも、外様の、ジョー・ウォルシュが一番偉そうに映っている(笑い)。今、イーグルスは4人組という名目なのか。そのウォルッシュをイーグルスに誘ったはずのドン・フェルダーはどこに行った?