満員。もう、受け受け、大受け。やっている本人たちも、本当に光栄でしょうがなかったんじゃないか。結成して10年のインスト基調のUK4人組ファンク・バンド(2006年8月6日)にアルト・サックス/フルート奏者がゲストで加わったライヴは、いくらでも演奏できるんですという感じで二部制にて。セカンド・セットはそれだけで1時間半を超えていた。

 けっこう、不思議なバンド。だって、そんなにすごいことやっているわけではないし、荒いところもあるのだが、確実に聞き手を高揚させるもの。自然に腰が動くし、イエイとかけ声も出したくなる。一番薫陶を受けているのはザ・ミーターズ(2007年2月3日、2009年7月25日)だろうが、ほんとアップ曲は鼓舞する力を持っている。その反面、ミディアム調は面白くなくて、こんなのやんなくてもいいのにと、ぼくは思った。普段着の構成員のなか、MCもするギタリストだけがモッドなスーツで身を固める。そのソロはプレスティッジ後期の変調ソウル・ジャズ・ギタリストのブーガールー・ジョー・ジョーンズの弾き口がいっぱい。これで、サックスがエディ・チャンブリーに傾倒しているような扇情的なブロウを噛ましていたら、会場はもっと湧きまくったろう。

 渋谷・クラブクアトロ。それにしても、やはりここのお酒販売の流儀はおかしい。演奏中はいくら飲み物を買う人がウェイティングしていても、カウンター内には一人しか立たない決まりになっているようで、他の販売員はしらんぷりという感じで、奥の控え処に引っ込んでいる。この晩も買い求める人で、物凄い列。ありえねー。絶対、要改善と思う。