基本、カヴァー・アルバムはそれほど好きではない。ロック・ミュージックはオリジナル曲を自分が関与するサウンド/色づけで歌ってナンボの表現であると、ぼくは思っているから。だが、アトランタ出身、NYベースのシンガー・ソングライターであるキャット・パワー(2003年1月9日)の08年カヴァー集『ジューク・ボックス』(マタドール。全米12位まで登ったから、大成功作と言えるだろう)にはとても驚いた。そこには、いろんな先達の襞を持つ曲(JB、ビリー・ホリデイ、ジョニ・ミッチェル、ハンク・ウィリアムズ、他)をザクっとしたサウンドともに突きななすように取り上げた内容を持のだが、それはどこか“敗者の視点”を持つ、だからこそ、先達が提出した財産を糧に私は斜めから時代と対峙するというような妙にくすぐる情緒に満ちていたのだ。ぼくはそのアルバムを同年のロック・アルバムのベスト10(クロスビート誌にて)に選んでいるが、そのアルバムでバッキングしていたやさぐれ好奏者たちはザ・ダーティ・デルタ・ブルース・バンドと名乗っていた。
アルバム発売からはけっこう時間がたったが、なんと、そのザ・ダーティ・デルタ・ブルース・バンドを伴う公演。そのバンドの構成員は、ブルース・エクスプロージョン(2004年12月13日、他)のジュダ・バウアー(ギター)、一時はそのブルース・エクスプロージョンを追う最右翼と言われたザ・デルタ72(今は解散しているかな)のグレッグ・フォアマン(キーボード)、モグワイ(2006年11月11日、他)と横並びで評価されたりもした豪州出身のザ・ダーティ・スリーのジム・ホワイト(ドラム)、そして現在ザ・パパラッチズという壊れたポップ・ロック・バンドを組んでいるエリク・パパラッチ(ベース)という面々だ。
渋谷・O-イースト。とても、混んでいた。バンドはいろんな知識を得た先にある、シンプルながら、含みとどこか濁った感覚を持つバンド・サウンドを送りだし、キャット・パワーはそれに乗って、どこか病んだ感じもある歌声を淡々と載せていく(スタンドは用いず、マイクを手にゆったりとステージを動きながら歌う)。やさぐれウィスパー・ヴォイスですね。その重なりは、虚無的なダーク・ワールドを提出。ホント、枯れ枯れ。同じようなトーンの曲ばかりで、少し飽きたところはあったが。だが、前回見たときの原稿にも触れているように、その快活運動会系といいたくなるパーソナリティ(今回も暗〜いステージングをしつつ、客に手を振ったりして、その持ち味を維持していると思わされた)とくすんだ色調の歌表現の持ち味の落差はすごすぎ。それも、偉大な個性だよな。もー、驚愕。ああ、人間ていろんなタイプの人がいて、一筋縄ではいかない。そして、そういう部分をあっさりと出す回路として音楽という手段は非常にあっていると、ぼくは思った。
それから、前日の項のネタの続き。あれれ、ジム・ホワイト(なんか、見かけは大昔のデイヴィッド・クロスビーみたい→cf.CSN&Y)もレギュラー・グリップで叩いていた。実は、いることはいるのかな。
アルバム発売からはけっこう時間がたったが、なんと、そのザ・ダーティ・デルタ・ブルース・バンドを伴う公演。そのバンドの構成員は、ブルース・エクスプロージョン(2004年12月13日、他)のジュダ・バウアー(ギター)、一時はそのブルース・エクスプロージョンを追う最右翼と言われたザ・デルタ72(今は解散しているかな)のグレッグ・フォアマン(キーボード)、モグワイ(2006年11月11日、他)と横並びで評価されたりもした豪州出身のザ・ダーティ・スリーのジム・ホワイト(ドラム)、そして現在ザ・パパラッチズという壊れたポップ・ロック・バンドを組んでいるエリク・パパラッチ(ベース)という面々だ。
渋谷・O-イースト。とても、混んでいた。バンドはいろんな知識を得た先にある、シンプルながら、含みとどこか濁った感覚を持つバンド・サウンドを送りだし、キャット・パワーはそれに乗って、どこか病んだ感じもある歌声を淡々と載せていく(スタンドは用いず、マイクを手にゆったりとステージを動きながら歌う)。やさぐれウィスパー・ヴォイスですね。その重なりは、虚無的なダーク・ワールドを提出。ホント、枯れ枯れ。同じようなトーンの曲ばかりで、少し飽きたところはあったが。だが、前回見たときの原稿にも触れているように、その快活運動会系といいたくなるパーソナリティ(今回も暗〜いステージングをしつつ、客に手を振ったりして、その持ち味を維持していると思わされた)とくすんだ色調の歌表現の持ち味の落差はすごすぎ。それも、偉大な個性だよな。もー、驚愕。ああ、人間ていろんなタイプの人がいて、一筋縄ではいかない。そして、そういう部分をあっさりと出す回路として音楽という手段は非常にあっていると、ぼくは思った。
それから、前日の項のネタの続き。あれれ、ジム・ホワイト(なんか、見かけは大昔のデイヴィッド・クロスビーみたい→cf.CSN&Y)もレギュラー・グリップで叩いていた。実は、いることはいるのかな。