代官山・晴れたら空に豆まいて でポーランドの5人組、ヴォイテク・マゾレフスキ・クインテットを見る。マチネー公演。
電気アップライト・ベースのヴォイテク・マゾレフスキ(1976年生まれ)、トランペットとフリューゲル・ホーンのオスカー・トゥルク、テナー・サックスのマレク・パスピェシャルスキ、ピアノのヨアンナ・ドゥダ(2014年7月9日、2015年11月26日)、ドラムのクバ・ヤニツキがその構成員。リーダーのマゾレフスキは同国の今のジャズ界人気を支える最たる人物であるのだとか。面々は多少の崩しの、スーツ姿で登場。それ、ジャズの流儀には敬意を払いつつ古いジャズのノリには染まらないぞという、面々の意思を感じさせるか。
演奏が始まると、特に菅の二人は相当達者であるのはすぐに了解。古いトランペットを持つトゥルクのソロがすぐにフィーチャーされるが、その包容力のあるなめらかな音色にもっていかれる。テナー・サックスとの噛み合いも雄弁だし、それぞれあっち側をなぞる演奏もできる。かなりジャズ的偏差値が高いと思わされた。3度目の来日となるドゥダは黒い感覚を持たない奏者であるので、時々もどかしさを覚える部分もあり、定石から逃れんとする演奏が書き譜的に聞こえたりもするのだが、ちらりとみせたセシル・テイラー的指さばきはいい感じ。
ドラムは静かな1曲目の途中から、トニー・ウィリアムズ的爆裂プッシュのし具合を見せ、それだけでぼくの気をひく。彼もいろんなジャズ・ドラムの回路は知っていそうで、ドラム・ソロの際はサム・ピアノの演奏とタム演奏+ハイ・ハット演奏重ねるものから始まった。
そして、リーダーの演奏には、最初戸惑う。ちゃんとした縦ベースを使っていないので、音が少しチープ。これだと、電気フレットレス・ベースでもOKなんじゃないかと思ってしまった。そう感じさせる理由の一つは彼のフレイジングがなにげにロック的であると思わせるからか。ジャズ的な曖昧さをあまり介さず、彼は分かりやすいフレイズを骨太に繰り出して行く。非ジャズ・ベーシストがジャズっぽい指暴きを会得せんとするときに、彼の演奏をコピーするのはアリではないか。音も拾いやすいだろうし。
個々の奏者の聞き味を書いたが、そのグループ総体の味もいろいろ興味深い。かなり構成された部分も出しつつ、どんどん表情を変えていき、個のあるソロを巧みに散りばめる。それは、まさにたにテーマ→ソロ回し→テーマという構成を持つ様式から創意とともに離れるもので、まさに今様にして、ユーロ的であると思わせる。それはときにアブストラクト〜フリー・ジャズ的な側面を通る場合もあり、ぼくはうれしい。だが、一方ではもっと明快、かつキャッチーな行き方も4人は取る。レゲエ調の曲をやったり、2度目のアンコールの曲をやった時は、SOIL & “PIMP” SESSIONS (2005年7月29日、2007年5月6日、2009年6月12日、2011年1月30日、2011年6月23日、2012年3月3日。2012年9月9日)みたいだと思わせられたもの。その曲では、肉声も使った。その“左”と“右”の行き方こみでジャイルズ・ピーターソンが応援しても不思議はないし、ぼくも応援したいと思った。
▶過去の、ヨアンナ・ドゥダ
http://43142.diarynote.jp/201407101008118006/
http://43142.diarynote.jp/?day=20151126
▶過去の、SOIL & “PIMP” SESSIONS
http://43142.diarynote.jp/200508042335560000/
http://43142.diarynote.jp/200705181805330000/
http://43142.diarynote.jp/200906160733018341/
http://43142.diarynote.jp/201102091715522875/
http://43142.diarynote.jp/201107020946473690/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201209191229057579/
<今日の、想像>
少し前まで、この月曜が祭日であるのを認知していなかった。そして、木曜日も祭日。二つとも、なんの祭日かは、ぼくは知らない。それはまあいいとして、すると2日間休みをとると6日連休になる勤め人もいるか。消化していなかった夏休みをそこに用いて10 日ぐらいの休みにしちゃった人もいるかもなあ、なぞとも思った? 他人事であっても、遊びにまつわることを考えるのは少し楽しい。
電気アップライト・ベースのヴォイテク・マゾレフスキ(1976年生まれ)、トランペットとフリューゲル・ホーンのオスカー・トゥルク、テナー・サックスのマレク・パスピェシャルスキ、ピアノのヨアンナ・ドゥダ(2014年7月9日、2015年11月26日)、ドラムのクバ・ヤニツキがその構成員。リーダーのマゾレフスキは同国の今のジャズ界人気を支える最たる人物であるのだとか。面々は多少の崩しの、スーツ姿で登場。それ、ジャズの流儀には敬意を払いつつ古いジャズのノリには染まらないぞという、面々の意思を感じさせるか。
演奏が始まると、特に菅の二人は相当達者であるのはすぐに了解。古いトランペットを持つトゥルクのソロがすぐにフィーチャーされるが、その包容力のあるなめらかな音色にもっていかれる。テナー・サックスとの噛み合いも雄弁だし、それぞれあっち側をなぞる演奏もできる。かなりジャズ的偏差値が高いと思わされた。3度目の来日となるドゥダは黒い感覚を持たない奏者であるので、時々もどかしさを覚える部分もあり、定石から逃れんとする演奏が書き譜的に聞こえたりもするのだが、ちらりとみせたセシル・テイラー的指さばきはいい感じ。
ドラムは静かな1曲目の途中から、トニー・ウィリアムズ的爆裂プッシュのし具合を見せ、それだけでぼくの気をひく。彼もいろんなジャズ・ドラムの回路は知っていそうで、ドラム・ソロの際はサム・ピアノの演奏とタム演奏+ハイ・ハット演奏重ねるものから始まった。
そして、リーダーの演奏には、最初戸惑う。ちゃんとした縦ベースを使っていないので、音が少しチープ。これだと、電気フレットレス・ベースでもOKなんじゃないかと思ってしまった。そう感じさせる理由の一つは彼のフレイジングがなにげにロック的であると思わせるからか。ジャズ的な曖昧さをあまり介さず、彼は分かりやすいフレイズを骨太に繰り出して行く。非ジャズ・ベーシストがジャズっぽい指暴きを会得せんとするときに、彼の演奏をコピーするのはアリではないか。音も拾いやすいだろうし。
個々の奏者の聞き味を書いたが、そのグループ総体の味もいろいろ興味深い。かなり構成された部分も出しつつ、どんどん表情を変えていき、個のあるソロを巧みに散りばめる。それは、まさにたにテーマ→ソロ回し→テーマという構成を持つ様式から創意とともに離れるもので、まさに今様にして、ユーロ的であると思わせる。それはときにアブストラクト〜フリー・ジャズ的な側面を通る場合もあり、ぼくはうれしい。だが、一方ではもっと明快、かつキャッチーな行き方も4人は取る。レゲエ調の曲をやったり、2度目のアンコールの曲をやった時は、SOIL & “PIMP” SESSIONS (2005年7月29日、2007年5月6日、2009年6月12日、2011年1月30日、2011年6月23日、2012年3月3日。2012年9月9日)みたいだと思わせられたもの。その曲では、肉声も使った。その“左”と“右”の行き方こみでジャイルズ・ピーターソンが応援しても不思議はないし、ぼくも応援したいと思った。
▶過去の、ヨアンナ・ドゥダ
http://43142.diarynote.jp/201407101008118006/
http://43142.diarynote.jp/?day=20151126
▶過去の、SOIL & “PIMP” SESSIONS
http://43142.diarynote.jp/200508042335560000/
http://43142.diarynote.jp/200705181805330000/
http://43142.diarynote.jp/200906160733018341/
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http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201209191229057579/
<今日の、想像>
少し前まで、この月曜が祭日であるのを認知していなかった。そして、木曜日も祭日。二つとも、なんの祭日かは、ぼくは知らない。それはまあいいとして、すると2日間休みをとると6日連休になる勤め人もいるか。消化していなかった夏休みをそこに用いて10 日ぐらいの休みにしちゃった人もいるかもなあ、なぞとも思った? 他人事であっても、遊びにまつわることを考えるのは少し楽しい。