ジョイス・モレーノ&イヴァン・リンス
2016年8月28日 音楽 お得な、聞きどころいっぱいの、ココロにもあふれていた公演だったと思う。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
まず、イヴァン・リンス(2002年5月1日、2009年3月17日、2010年3月9日、2012年4月12日)が先発でパフォーマンス。旧知のウルグアイ人ギタリストのレオナルド・アムエドを伴ってのものだが、彼がかなり腕がたつジャズ系奏者であるのはすぐに了解。リンスも彼を間奏でちゃんとフィーチャーする。コードの押さえやソロを追っていて、ワクワクしたナ。てなわけで、このキーボード+ギターという単位がかなりいい感じ、妙味あり。どうしてこういう編成で今回のショウをやったかは分からぬが(ジョイス編成との兼ね合いもあったのか?)、これはあり。そして、端々から、いい感じのくつろいだパーソナリティが見えてくるのもマル。←3.11後に、彼が気持ちをこめて日本語で歌う「上を向いて歩こう」をネットに載せたことをふと思い出した。それはともかく、リンスさん、やはり力あるな。そういえば、ジョージ・ベンソンに1980年に取り上げられた「ディノラ・ディノラ」も披露。ビッグ・Q(2013年8月1日)をはじめ、むかし彼が米国辣腕ジャズ奏者のアイドルであったのも必然だったな。
35分パフォーマンスした後、ジョイス(2004年7月15日、2005年7月13日、2007年7月24日、2008年9月7日、2009年9月29日、2010年7月29日、2011年8月3日、2012年8月15日、2013年7月30日、2014年7月15日、2015年8月3日)のカルテットも呼び込まれる。2曲一緒にパフォーマンスした。一緒に書いた曲とジョビン曲をやったのかな。
その後は、ジョイスの巻。ドラムのトゥッチ・モレーノ、ベース(アコースティック・ギター型のベースを弾く。そのラインに時に耳奪われたな)のロドルフォ・ストロエーテル、ピアノのエリオ・アルヴェスというワーキング・バンドを従え、悠々、清々しく歌唱し演奏。乱暴に言ってしまえば、ブラジル音楽とジャズ回路のうるわしき交錯の大成功例と言うしかない内容。彼女たち、「ミンガス、マイルズ&コルトレーン」というジャズ巨人憧憬曲もやったな。で、最後にリンスとアムエドが出てきてもう1曲、ジョビンの「想い溢れて」を披露。これも、ビッグ・Qやローランド・カークから渡辺貞夫(2002年12月14日、2003年5月6日、2004年12月17日、2005年12月18日、2006年8月8日、2006年9月3日、2006年10月4日、2007年12月16日、2008年12月14日、2009年7月22日、2009年9月3日、2011年7月4日、2012年6月29日、2012年12月15日、2013年4月1日、2013年7月27日、2013年9月29日、2014年7月8日、2014年10月5日、2014年12月14日、2015年12月12日、2016年7月3日。一時はライヴにおける定番曲であった)まで、山ほどのジャズ・マンが取り上げている曲。ボサノヴァ/ブラジル音楽がなかったらジャズは一部では本当に味気ないものになっていたのは疑いがない。最終曲に触れながらそんなことも思ったし、米国ジャズがなかったらボサノヴァは今聞くことができる形にはならなかったろう。音楽の相互影響の幸せな関係をぼくは噛み締めた。
▶︎過去の、イヴァン・リンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-5.htm
http://43142.diarynote.jp/200903191857117123/
http://43142.diarynote.jp/201003101342028780/
http://43142.diarynote.jp/201204150908588685/
▶︎過去の、クインシー・ジョーンズ
http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/
▶過去の、ジョイス・モレーノ
http://43142.diarynote.jp/200407151608250000/
http://43142.diarynote.jp/200507161357340000/
http://43142.diarynote.jp/200708051737070000/
http://43142.diarynote.jp/200809081534510000/
http://43142.diarynote.jp/200910021138591223/
http://43142.diarynote.jp/201008111723131487/
http://43142.diarynote.jp/201108101628235325/
http://43142.diarynote.jp/201208201259398163/
http://43142.diarynote.jp/201308021400578638/
http://43142.diarynote.jp/201407161154441780/
http://43142.diarynote.jp/201508091203108498/
▶過去の、渡辺貞夫
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-5.htm
http://43142.diarynote.jp/20041221210502000
http://43142.diarynote.jp/200512231955480000/
http://43142.diarynote.jp/200608091255180000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000/
http://43142.diarynote.jp/200610080946310000/
http://43142.diarynote.jp/200712171350530000/
http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/200907310048137248/
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
http://43142.diarynote.jp/201107111008176019/
http://43142.diarynote.jp/201207031353196616/
http://43142.diarynote.jp/201212171647134119/
http://43142.diarynote.jp/201304031026406106/
http://43142.diarynote.jp/201307291053021427/
http://43142.diarynote.jp/201310050701201281/
http://43142.diarynote.jp/201407091243129270/
http://43142.diarynote.jp/201410061850124929/
http://43142.diarynote.jp/201412281017371613/
http://43142.diarynote.jp/201512151504068292/
http://43142.diarynote.jp/201607100827363436/
<今日の、追記>
終演後、会場で先輩からトゥッチ・モレーノはかつてロック派だったと聞かされてびっくり。今は、ジャズ・マナーぶりぶりで叩いているのになあ。ピアニストのアルヴェスも基本ジャズ奏者然として演奏する御仁だが、ジョイスとやる時はそれほど個性がにじみ出ない。彼のヴィニシウス・カントゥアリア公演(2015年9月10日)でのサポートの際の、絹の手触りを持つ指さばきは蜃気楼だったのか? 相手の音楽性に合わせてのことなのだろうけど。
ところで、9月中旬までいろいろな用事が山ほどで、おそらくこのブログ原稿は半月放置されるのではないかと推測され。。。。。。
▶︎過去の、ヴィニシウス・カントゥアリア
http://43142.diarynote.jp/201509231110566930/
<さらに、追記>
今の米国ポップ・ミュージックの重要人物であるフランク・オーシャンの好きな50曲というリストが発表されていて(http://genius.com/a/frank-ocean-lists-his-favorite-songs-in-boys-don-t-cry-magazine)、そこにジョイス・モレーノの「Jardim Dos Deuses」が入っている。それ、彼女が1976年にパリでナナ・バスコンセロスとモウリシオ・マエストロと3人で録ったもので、米国ファーラウトが数年前に蔵出しリリースした『Visions of Dawm』に入っていた曲。また、そのリストには少し前に亡くなった(8月17日の欄外で触れている)ジャズ・ヴァイブラフォン奏者のボビー・ハッチャーソンの「Prints Tie」もあり。それは彼の1971年ブルーノート盤『サンフランシスコ』に入っていたアブストラクト電化曲(ハンコックの『セクスタント』収録曲と横並びにできるかも)だった。
まず、イヴァン・リンス(2002年5月1日、2009年3月17日、2010年3月9日、2012年4月12日)が先発でパフォーマンス。旧知のウルグアイ人ギタリストのレオナルド・アムエドを伴ってのものだが、彼がかなり腕がたつジャズ系奏者であるのはすぐに了解。リンスも彼を間奏でちゃんとフィーチャーする。コードの押さえやソロを追っていて、ワクワクしたナ。てなわけで、このキーボード+ギターという単位がかなりいい感じ、妙味あり。どうしてこういう編成で今回のショウをやったかは分からぬが(ジョイス編成との兼ね合いもあったのか?)、これはあり。そして、端々から、いい感じのくつろいだパーソナリティが見えてくるのもマル。←3.11後に、彼が気持ちをこめて日本語で歌う「上を向いて歩こう」をネットに載せたことをふと思い出した。それはともかく、リンスさん、やはり力あるな。そういえば、ジョージ・ベンソンに1980年に取り上げられた「ディノラ・ディノラ」も披露。ビッグ・Q(2013年8月1日)をはじめ、むかし彼が米国辣腕ジャズ奏者のアイドルであったのも必然だったな。
35分パフォーマンスした後、ジョイス(2004年7月15日、2005年7月13日、2007年7月24日、2008年9月7日、2009年9月29日、2010年7月29日、2011年8月3日、2012年8月15日、2013年7月30日、2014年7月15日、2015年8月3日)のカルテットも呼び込まれる。2曲一緒にパフォーマンスした。一緒に書いた曲とジョビン曲をやったのかな。
その後は、ジョイスの巻。ドラムのトゥッチ・モレーノ、ベース(アコースティック・ギター型のベースを弾く。そのラインに時に耳奪われたな)のロドルフォ・ストロエーテル、ピアノのエリオ・アルヴェスというワーキング・バンドを従え、悠々、清々しく歌唱し演奏。乱暴に言ってしまえば、ブラジル音楽とジャズ回路のうるわしき交錯の大成功例と言うしかない内容。彼女たち、「ミンガス、マイルズ&コルトレーン」というジャズ巨人憧憬曲もやったな。で、最後にリンスとアムエドが出てきてもう1曲、ジョビンの「想い溢れて」を披露。これも、ビッグ・Qやローランド・カークから渡辺貞夫(2002年12月14日、2003年5月6日、2004年12月17日、2005年12月18日、2006年8月8日、2006年9月3日、2006年10月4日、2007年12月16日、2008年12月14日、2009年7月22日、2009年9月3日、2011年7月4日、2012年6月29日、2012年12月15日、2013年4月1日、2013年7月27日、2013年9月29日、2014年7月8日、2014年10月5日、2014年12月14日、2015年12月12日、2016年7月3日。一時はライヴにおける定番曲であった)まで、山ほどのジャズ・マンが取り上げている曲。ボサノヴァ/ブラジル音楽がなかったらジャズは一部では本当に味気ないものになっていたのは疑いがない。最終曲に触れながらそんなことも思ったし、米国ジャズがなかったらボサノヴァは今聞くことができる形にはならなかったろう。音楽の相互影響の幸せな関係をぼくは噛み締めた。
▶︎過去の、イヴァン・リンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-5.htm
http://43142.diarynote.jp/200903191857117123/
http://43142.diarynote.jp/201003101342028780/
http://43142.diarynote.jp/201204150908588685/
▶︎過去の、クインシー・ジョーンズ
http://43142.diarynote.jp/201308091149599475/
▶過去の、ジョイス・モレーノ
http://43142.diarynote.jp/200407151608250000/
http://43142.diarynote.jp/200507161357340000/
http://43142.diarynote.jp/200708051737070000/
http://43142.diarynote.jp/200809081534510000/
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http://43142.diarynote.jp/201308021400578638/
http://43142.diarynote.jp/201407161154441780/
http://43142.diarynote.jp/201508091203108498/
▶過去の、渡辺貞夫
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-12.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-5.htm
http://43142.diarynote.jp/20041221210502000
http://43142.diarynote.jp/200512231955480000/
http://43142.diarynote.jp/200608091255180000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000/
http://43142.diarynote.jp/200610080946310000/
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http://43142.diarynote.jp/200812281440093394/
http://43142.diarynote.jp/200907310048137248/
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http://43142.diarynote.jp/201512151504068292/
http://43142.diarynote.jp/201607100827363436/
<今日の、追記>
終演後、会場で先輩からトゥッチ・モレーノはかつてロック派だったと聞かされてびっくり。今は、ジャズ・マナーぶりぶりで叩いているのになあ。ピアニストのアルヴェスも基本ジャズ奏者然として演奏する御仁だが、ジョイスとやる時はそれほど個性がにじみ出ない。彼のヴィニシウス・カントゥアリア公演(2015年9月10日)でのサポートの際の、絹の手触りを持つ指さばきは蜃気楼だったのか? 相手の音楽性に合わせてのことなのだろうけど。
ところで、9月中旬までいろいろな用事が山ほどで、おそらくこのブログ原稿は半月放置されるのではないかと推測され。。。。。。
▶︎過去の、ヴィニシウス・カントゥアリア
http://43142.diarynote.jp/201509231110566930/
<さらに、追記>
今の米国ポップ・ミュージックの重要人物であるフランク・オーシャンの好きな50曲というリストが発表されていて(http://genius.com/a/frank-ocean-lists-his-favorite-songs-in-boys-don-t-cry-magazine)、そこにジョイス・モレーノの「Jardim Dos Deuses」が入っている。それ、彼女が1976年にパリでナナ・バスコンセロスとモウリシオ・マエストロと3人で録ったもので、米国ファーラウトが数年前に蔵出しリリースした『Visions of Dawm』に入っていた曲。また、そのリストには少し前に亡くなった(8月17日の欄外で触れている)ジャズ・ヴァイブラフォン奏者のボビー・ハッチャーソンの「Prints Tie」もあり。それは彼の1971年ブルーノート盤『サンフランシスコ』に入っていたアブストラクト電化曲(ハンコックの『セクスタント』収録曲と横並びにできるかも)だった。