代官山・晴れたら空に豆まいてで5日連続で持たれる、リオ在住変調シンガー/ギタリスト(1999年12月18日、2002年9月9日、2004年11月21日、2011年6月8日、2014年10月26日)公演の中の1枠。この日は、バッファロー・ドーター(2002年1月13日、2003年11月8日、2006年6月22日、2015年7月30日)とのギグ。

 実は、バッファロー・ドーターのバンド表現を母体にリンゼイが思いつきで無調ギターを重ねるということをやるのかと思っていたら、もっと密な関係を持つ内容だった。リンゼイが歌う曲に絶妙な距離感で寄り添ったり、バッファロー側の曲に一歩踏み込んで両者で表現を作り上げたり。これは、1発でやってみましたではなく、事前の準備ややりとりがちゃんとあったと思わせるがっちり噛み合い表現だ。そして、それを支えたのは、お互いの表現に対するリスペクトと音楽愛ではなかったか。実はシュガー吉永がケガをしていたとかでギターを手にしなかったという話もあり、完全にリンゼイの演奏が前に出たものであったのもプラスな印象を導いたのかもしれない。

 それにしても、ちゃんとしたバッファローのバンド音を重なるリンゼイのギターは雄弁にかっ飛ぶ。ここにきて進歩してんじゃん、とも思わされた。この晩の場内は畳敷き。出演者は普段は客席となるフロアの中央部に位置し、それを観客が囲む。満場で、パフォーマンスの様はほぼ見えなかった。

▶過去の、バッファロー・ドーター
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200606270001320000/
http://43142.diarynote.jp/201508051544452721/
▶過去の、アート・リンゼイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://43142.diarynote.jp/200411231722390000/
http://43142.diarynote.jp/201106141341111340/
http://43142.diarynote.jp/201410301512336095/
http://43142.diarynote.jp/201506111719463390/

<今日の、とほほ>
 この日のライヴは静寂はそれほどないのでOKだが、ライヴや映画を見ていて、不用意に咳が出てしまって、ありゃりゃとなることが昔からある。そして、オレは絶対にクラシックの公演には行けないなという思いを新たにもする。知人と飲んでいて咳が出ると、<労咳>なのと言ったりもするが、今この単語は30代以下の人達にはほぼ通じなくなっている。それを聞くと、皆たぶん<老害>とぼくが言ったと思っているのではないか。