地下鉄有楽町線駅から東京国際フォーラム敷地に渡ると、なかなかの賑わい。例により、出店もいろいろ出ている。無料ステージからは上手なスネアのロール音が聞こえてきたが、サイモン・フィリップスがドラム・ワークショップをしていたようだ。主会場はフォーラムのホールAの<ザ・ホール>と中庭の野外ステージの<ザ・プラザ>とコットンクラブの<ザ・クラブ>。その3会場をいろいろ移動する。以下、見た順に書き留める。
◎ジャガ・ジャジスト<ザ・ホール>
前にフジ・ロックにも出演している、ノルウェーの大所帯バンド。今回は、9人編成にてパフォーマンス。構成員がけっこう楽器の持ち替えをしており、視覚面があるのとないのとでは大分感興が異なるのではないか、と再認識。今様ジャズというよりは、変拍子多用の、ポスト・ロック・オーケストラという言い方がしたくなると思った。それ、管楽器奏者の数が少なく、管ソロがフィーチャーされる頻度が減ったからか。実際、ヴァイブラフォンも用いる(多いときで、二人)その曲調はトータス(2001年11月7日、2005年1月7日、2011年11月21日、2014年5月7日)的なのを管楽器も入れてバシっと披露するという感じ。2年前の同祭出演時は<ザ・プラザ>出演であったためか、この大きなホールで出来る事を本人たちがとてもうれしがっている様が伝わってくるのも良かった。
▶過去の、トータス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140507
◎ミシェル・カミロ&上原ひろみ<ザ・ホール>
ドミニカ出身ピアニスト(2002年10月3日、2010年3月25日、2010年10月26日、2011年11月10日、2012年5月11日)と日本出身ピアニスト(2004年11月25日、2005年7月31日、2006年9月3日、2009年9月4日、2010年12月3日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年12月9日)の、デュオのパフォーマンス。いろいろに噛み合い、丁々発止。ときに、指20本分(まあ、正確には、最高で15、6本というところか)の音が重なりあうというのは過剰(やはり、音がブツかります)と感じる場合もなくはなかったが。1曲ぐらい洒落で、それぞれ右手と左手を分けて、弾き合うみたいのを聞きたかった? しかし、場内映像はお互いの表情だけでなく、鍵盤を上から捉える映像も出てくるわけで、それは興味深さを増させる。それから、アコースティック楽器2台の出し物ながら、なかなか出音が大きかった。演奏終了後、ちょい耳が死んだ感じを得た。
▶過去の、カミロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-10.htm
http://43142.diarynote.jp/201003271334102896/
http://43142.diarynote.jp/201010301012548114/
http://43142.diarynote.jp/201111141214381161/
http://43142.diarynote.jp/201205131715485366/
▶過去の、上原
http://43142.diarynote.jp/200411292356580000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/?day=20101203
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/?day=20121209
◎ヨーナス・ハーヴィスト・トリオ<ザ・プラザ>
フィンランドから飛んで来た、ピアノ・トリオ。なるほど、ぱっと聞いての所感はなかなか。北欧ぽさと現代ぽさを併せ持つジャズ・ピアノ表現を、彼らは聞かせる。こういうのにふと触れると、東京ジャズは無料ステージ目的に来ると吉と思ったりもするよな。
◎ICPオーケストラ<ザ・クラブ>
オランダ拠点の高名&長寿フリー・ジャズ・オーケストラ。そのコ・ファウンダーであるドラマーのハン・ベニンクは4年前のこのフェスに単独出演した(2010年9月5日)が、今度はちゃんとグループで来るとはまったくもってめでたい。リーダー/ピアノのミシャ・メンゲルベルグはいないが、チェロのトリスタン・ホンジンガーをはじめとする9人編成集団の演奏はウィットと高尚さがもうテンコもりで重なりあう。多くは5分ぐらいの尺に狼藉を収め、それにはポップという感想もぼくは持った。オリジナルとともに、UKで活動した南ア出身バンドあるアサガイにいたアルト・サックス奏者のドゥ・ドゥ・プクワナ、セロニアス・モンク、デューク・エリントン(2曲も。でも、うち1曲はテーマ部を演奏せず。ぎゃはは)の曲も多大な創意とともにカヴァー。ある曲でのテナー・サックスの箍が綺麗に外れたソロにはびっくり、爆笑。あんた、バカだ、最高だ。みんな腕が立ち、馬鹿をやる意義や歓びを理解しつつ、和気あいあいと突っ走る。MCは縦ベーシストがやっていたが、おとなしくしていたホンジンガーは最後のほうのフィーチャーされるパートでは楽器をおいて、前に出て来て妙ちくりんに踊る。とかなんとか、もう、素晴らしい。95点っ! ドイツ人というと真っ当で遊び心に欠けるという印象も持つが、彼らはそのパブリック・イメージを玉砕する力を山ほど持つとも思った。
▶過去の、ハン・ベニンク
http://43142.diarynote.jp/201009171511588216/
◎ベイビーフェイス<ザ・ホール>
アーティストとして以上に作曲家/プロデューサーとしての名声が高いだろうケネス“童顔”エドモンズ(2001年10月25日)の実演はまずバンド音(鍵盤、ギター、ベース、ドラム)がいいのにびっくり。プリセット音も使っていたようだが、その後に出て来たチャカ・カーンのバンド音と比べてあまりにまとまりよく聞こえて、PC音をこちらが感じる以上に用いていたのかなとも思っちゃう。それぐらい、バランスのいいサウンドだった。途中には、アコースティック・セットもあり。そして、さらに彼が所属したディールからボーイズⅡメン(2008年5月16日)までメドレーで10曲ほど披露。そして、最後は、彼がプロデュースしたエリック・クラプトン(2006年11月20日)の「チェンジ・ザ・ワールド」(原曲は、カントリー歌手のワイノナ・ジャッド)。左利きのベイビーフェイスは一部ではアコースティック・ギターを持って歌うが、その際は右利き用ギターを逆さに使用。それ、昔からですね。また、同じく左利きのベース奏者のメインの楽器はやはり右利き用のものを逆さにして用いていた。
▶過去の、ベイビーフェイス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
▶ボイーズⅡメン
http://43142.diarynote.jp/200805181146550000
▶過去の、クラプトン
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
◎チャカ・カーン<ザ・ホール>
3人の女性コーラス(うち、一人は売れっ子セッション歌手のオードリー・ウィーラー)を含む8人編成のバンドにて、パフォーマンス。前回、一新されたバンドとも異なるメンツであったかな。「フィール・フォー・ユー」で始まったショウは、もう人気曲を網羅(不満は「ワンス・ユー・ゲット・スターテッド」を聞けなかったことぐらい)。場内ヴィジョンに映るアップのチャカ(2003年10月10日、2008年6月5日、2012年1月10日)はけっこう若く見える。イエ〜イ。1曲、スタンダードの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」もやったが、それにはチャカらしさが横溢。かつてジャズ作『エコーズ・オブ・アン・エラ』(エレクトラ、1982年。ドラマーは明日じじい枠に出演するレニー・ホワイト)を出したとき“気のふれた、サラ・ヴォーン”とかいった外国評があったと記憶するが、“気のふれた”感じはある意味増しているのではないのか。やっぱ、姉御すげえ、イってると、ぼくはそれを聞いて痛感することしきり……。
▶過去の、カーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200806121525370000/
http://43142.diarynote.jp/201201131546344144/
<今日の、気持ち>
正午少し前、最寄り駅で電車に乗ろうとすると、車内はけっこうな混み具合。その多くはこの夏最後の行楽を楽しまん、てな風情をおおいに感じさせたか。ぼくも、この日は(家をでる際、天気が良かったためもあり)、最後の夏キブンという感じでビーサンを履いて出かけたんだけど、ね。
◎ジャガ・ジャジスト<ザ・ホール>
前にフジ・ロックにも出演している、ノルウェーの大所帯バンド。今回は、9人編成にてパフォーマンス。構成員がけっこう楽器の持ち替えをしており、視覚面があるのとないのとでは大分感興が異なるのではないか、と再認識。今様ジャズというよりは、変拍子多用の、ポスト・ロック・オーケストラという言い方がしたくなると思った。それ、管楽器奏者の数が少なく、管ソロがフィーチャーされる頻度が減ったからか。実際、ヴァイブラフォンも用いる(多いときで、二人)その曲調はトータス(2001年11月7日、2005年1月7日、2011年11月21日、2014年5月7日)的なのを管楽器も入れてバシっと披露するという感じ。2年前の同祭出演時は<ザ・プラザ>出演であったためか、この大きなホールで出来る事を本人たちがとてもうれしがっている様が伝わってくるのも良かった。
▶過去の、トータス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/LIVE-2001-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200501170151560000/
http://43142.diarynote.jp/201111251250189885/
http://43142.diarynote.jp/?day=20140507
◎ミシェル・カミロ&上原ひろみ<ザ・ホール>
ドミニカ出身ピアニスト(2002年10月3日、2010年3月25日、2010年10月26日、2011年11月10日、2012年5月11日)と日本出身ピアニスト(2004年11月25日、2005年7月31日、2006年9月3日、2009年9月4日、2010年12月3日、2011年9月9日、2011年12月11日、2012年12月9日)の、デュオのパフォーマンス。いろいろに噛み合い、丁々発止。ときに、指20本分(まあ、正確には、最高で15、6本というところか)の音が重なりあうというのは過剰(やはり、音がブツかります)と感じる場合もなくはなかったが。1曲ぐらい洒落で、それぞれ右手と左手を分けて、弾き合うみたいのを聞きたかった? しかし、場内映像はお互いの表情だけでなく、鍵盤を上から捉える映像も出てくるわけで、それは興味深さを増させる。それから、アコースティック楽器2台の出し物ながら、なかなか出音が大きかった。演奏終了後、ちょい耳が死んだ感じを得た。
▶過去の、カミロ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-10.htm
http://43142.diarynote.jp/201003271334102896/
http://43142.diarynote.jp/201010301012548114/
http://43142.diarynote.jp/201111141214381161/
http://43142.diarynote.jp/201205131715485366/
▶過去の、上原
http://43142.diarynote.jp/200411292356580000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050731
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000/
http://43142.diarynote.jp/200909120647256771/
http://43142.diarynote.jp/?day=20101203
http://43142.diarynote.jp/201109151818437240/
http://43142.diarynote.jp/201112191449196187/
http://43142.diarynote.jp/?day=20121209
◎ヨーナス・ハーヴィスト・トリオ<ザ・プラザ>
フィンランドから飛んで来た、ピアノ・トリオ。なるほど、ぱっと聞いての所感はなかなか。北欧ぽさと現代ぽさを併せ持つジャズ・ピアノ表現を、彼らは聞かせる。こういうのにふと触れると、東京ジャズは無料ステージ目的に来ると吉と思ったりもするよな。
◎ICPオーケストラ<ザ・クラブ>
オランダ拠点の高名&長寿フリー・ジャズ・オーケストラ。そのコ・ファウンダーであるドラマーのハン・ベニンクは4年前のこのフェスに単独出演した(2010年9月5日)が、今度はちゃんとグループで来るとはまったくもってめでたい。リーダー/ピアノのミシャ・メンゲルベルグはいないが、チェロのトリスタン・ホンジンガーをはじめとする9人編成集団の演奏はウィットと高尚さがもうテンコもりで重なりあう。多くは5分ぐらいの尺に狼藉を収め、それにはポップという感想もぼくは持った。オリジナルとともに、UKで活動した南ア出身バンドあるアサガイにいたアルト・サックス奏者のドゥ・ドゥ・プクワナ、セロニアス・モンク、デューク・エリントン(2曲も。でも、うち1曲はテーマ部を演奏せず。ぎゃはは)の曲も多大な創意とともにカヴァー。ある曲でのテナー・サックスの箍が綺麗に外れたソロにはびっくり、爆笑。あんた、バカだ、最高だ。みんな腕が立ち、馬鹿をやる意義や歓びを理解しつつ、和気あいあいと突っ走る。MCは縦ベーシストがやっていたが、おとなしくしていたホンジンガーは最後のほうのフィーチャーされるパートでは楽器をおいて、前に出て来て妙ちくりんに踊る。とかなんとか、もう、素晴らしい。95点っ! ドイツ人というと真っ当で遊び心に欠けるという印象も持つが、彼らはそのパブリック・イメージを玉砕する力を山ほど持つとも思った。
▶過去の、ハン・ベニンク
http://43142.diarynote.jp/201009171511588216/
◎ベイビーフェイス<ザ・ホール>
アーティストとして以上に作曲家/プロデューサーとしての名声が高いだろうケネス“童顔”エドモンズ(2001年10月25日)の実演はまずバンド音(鍵盤、ギター、ベース、ドラム)がいいのにびっくり。プリセット音も使っていたようだが、その後に出て来たチャカ・カーンのバンド音と比べてあまりにまとまりよく聞こえて、PC音をこちらが感じる以上に用いていたのかなとも思っちゃう。それぐらい、バランスのいいサウンドだった。途中には、アコースティック・セットもあり。そして、さらに彼が所属したディールからボーイズⅡメン(2008年5月16日)までメドレーで10曲ほど披露。そして、最後は、彼がプロデュースしたエリック・クラプトン(2006年11月20日)の「チェンジ・ザ・ワールド」(原曲は、カントリー歌手のワイノナ・ジャッド)。左利きのベイビーフェイスは一部ではアコースティック・ギターを持って歌うが、その際は右利き用ギターを逆さに使用。それ、昔からですね。また、同じく左利きのベース奏者のメインの楽器はやはり右利き用のものを逆さにして用いていた。
▶過去の、ベイビーフェイス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
▶ボイーズⅡメン
http://43142.diarynote.jp/200805181146550000
▶過去の、クラプトン
http://43142.diarynote.jp/200611221236140000/
◎チャカ・カーン<ザ・ホール>
3人の女性コーラス(うち、一人は売れっ子セッション歌手のオードリー・ウィーラー)を含む8人編成のバンドにて、パフォーマンス。前回、一新されたバンドとも異なるメンツであったかな。「フィール・フォー・ユー」で始まったショウは、もう人気曲を網羅(不満は「ワンス・ユー・ゲット・スターテッド」を聞けなかったことぐらい)。場内ヴィジョンに映るアップのチャカ(2003年10月10日、2008年6月5日、2012年1月10日)はけっこう若く見える。イエ〜イ。1曲、スタンダードの「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」もやったが、それにはチャカらしさが横溢。かつてジャズ作『エコーズ・オブ・アン・エラ』(エレクトラ、1982年。ドラマーは明日じじい枠に出演するレニー・ホワイト)を出したとき“気のふれた、サラ・ヴォーン”とかいった外国評があったと記憶するが、“気のふれた”感じはある意味増しているのではないのか。やっぱ、姉御すげえ、イってると、ぼくはそれを聞いて痛感することしきり……。
▶過去の、カーン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200806121525370000/
http://43142.diarynote.jp/201201131546344144/
<今日の、気持ち>
正午少し前、最寄り駅で電車に乗ろうとすると、車内はけっこうな混み具合。その多くはこの夏最後の行楽を楽しまん、てな風情をおおいに感じさせたか。ぼくも、この日は(家をでる際、天気が良かったためもあり)、最後の夏キブンという感じでビーサンを履いて出かけたんだけど、ね。