豪州メルボルンの管奏者もいる、10年強のキャリアを持つ賑やかしロック・バンド。かつて、サマーソニックに来たことがあったかな。渋谷・デュオ。会場には外国人が結構いて、それはオーストラリ人なんだろう。なるほど、本国での人気の高さを知らされるな。

 曲によってリード・ヴォーカルを分け合うヴォーカル/打楽器とヴォーカル/トランペットの二人を中央に置き、さらにキーボード、DJ、ベース、ドラム、トロンボーン、トランペットがステージに立つ。曲によっては長々とソロ・パートを取ったりもし、彼らは演奏部に力を入れるが、みんな技量を持つ。ホーンがセクション音を出す時はトランペット2とトロンボーンという変則編成、イケメンのリード・ヴォーカルを取らないトランペット奏者はかなり達者と見受けた。

 ラテン要素をはじめ、中近東風とかレゲエ要素とか、いろんな語彙を自在に取り入れる。が、そうであっても、ミクスチャー・ロックとか、(演奏パートが長くても)ジャム・バンドとか、そういう語彙をそんなに思い出させないのは彼らのポイントであり、ある意味、定石外れと感じさせるところ。なんか彼ら、いくら広がりを持とうと、妙な親しみ易さや下世話さ、ポップネスを持ち続けている。それは、どこか痒いベタさにつながるところもあるものの。実は、その新作を聞いて、ぼくは同国先達の80年代上半期に世界的な成功を収めたメン・アット・ワークを思い出したんだよなー。