LUCKY TAPES、WONK

2017年3月16日 音楽
 二つの日本の担い手たちを呼ぶ、スプリット公演。40分ぐらいのショウを楽器転換の休憩を挟み、それぞれやる。洋楽愛好を下敷きにするという以外、彼らの共通項は見当たらないような気もするが、どういう経緯でブッキングされたのかな。一つはJ・ポップの聞き手にしっかりと両手を広げているが、もう一つは別に普通の邦楽ファンに分かってもらわなくていいもんというツっぱりを、ぼくは感じる。六本木・ビルボードライブ、ファースト・ショウ。

 先発は、湘南ぽいという形容もあるかもしれないLUCKY TAPES。コア・メンバーに加え、3人の管やサブ女性ヴォーカルやパーカッションなどが加わり、大世帯でお洒落で円満なシティ・ポップを聞かせる。このバンドの場合、曲作りの質の高さがおおいに印象に残る。その手の職人的ソング・ライターが書いたようなこなれた曲をポンポン送り出す。リード・ヴォーカルをはじめ、実演能力は高いとは言えないし、こういう類の表現の場合、熟達スタジオ・ミュージシャンを起用した方がばっちり決まるとは思う。だが、同年代の担い手とともに和気藹々とやるゆえの今っぽい快適性は出ているような。同年代の受け手にも、その方が気安いだろう。最後の曲のホーン・セクションの音はシカゴ(2010年2月19日)の「サタディ・イン・ザ・パーク」に被る。それ意識的か偶然かはわからぬが、あの天下の名曲と偶然重なっても不思議はないと思わせる洒落たポップ曲をおうおうにして出しているとぼくは感じてしまうわけで、それは本当に彼らの大きな武器だと思う。

▶︎過去の、シカゴ
http://43142.diarynote.jp/201002211122268480/
 
 “日本のハイエイタス・カイヨーテ(2015年9月27日、2016年5月26日)”などと形容する人がぼくの知り合いのなかにいるWONK(2017年2月15日)は、今回しっとり目で迫ったという感想を持った。グルーヴィなひしゃげを持つビート曲を鋭意やるというよりは、じっくりとメンバー間の意思を重ねているという感想を持つ。1曲目は、ドラマーはブラシを使っていた。それから、やはり彼らはカヴァーが素晴らしい。マイケル・ジャクソンの「バタフライズ」やダリル・ホール&ジョン・オーツ(2011年2月28日)の「アイ・キャント・ゴー・フォーザット」とかを大胆解釈のもと届けてくれたが、それら最初の方は歌詞を追いかけなくと、絶対にカヴァーだとはわからないよな。そして、原曲を知っていると、シンガーのKento NAGATSUKAの力量のすごさがよく分かる。拍手。

▶︎過去の、WONK
http://43142.diarynote.jp/201702201427067352/
▶過去の、ハイエイタス・カイヨーテ
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
http://43142.diarynote.jp/201606061404591475/
▶︎過去の、ダリル・ホール&ジョン・オーツ
http://43142.diarynote.jp/200503240456350000/
http://43142.diarynote.jp/201103031015296753/

<今日の、認知>
 ビルボードライブ東京が入っているミッドタウンの建物内1Fに、イスラム教徒のための礼拝スペースが新設されていた。それは女性用と案内されており、すると別のところには男性用もあるかな。

○ここのところの、R.I.P.
▶︎デイヴ・ヴァレンティン(1952年4月29日 ~ 2017年3月8日)
http://43142.diarynote.jp/?day=20040405
▶︎ジェイムス・コットン(1935年7月1日〜2017年3月16日)
http://43142.diarynote.jp/200408100058160000/