“トルビュート・トゥ・プリンス”という副題がつけられた公演で、プリンス(2002年11月19日)の晩年のバンドでベースを弾いたアンドリュー・ゴーチをミュージカル・ディレクターにおく。プリンスに関わる前には普通にセッション・プレイヤーをしていて、彼はパティ・ラベルやケブ・モー(2007年9月19日)作とかで弾いていたりする。ソロ作も出していて、そこではマーカス・ミラー(1999年11月12日、2001年 6月14日、2003年8月19日、2005年8月21日、2007年12月13日、2009年9月15日、2010年9月3日、2013年9月3日、2015年2月21日、2016年9月17日、2017年1月7日)が好きなのかなというブチブチ演奏を聞かせていたりするんだけど、今回のショウは堅実演奏で、全体をまとめることに留意していた。六本木・ビルボードライブ、セカンド・ショウ。

 彼がプリンスに支えた時代の同僚と知り合いに声をかけた人たちの混合か。専任シンガー2、ギター、キーボード(晩期プリンス・バンドにいた、カサンドラ・オニール〜2006年8月10日)、ドラム、そしてアルト・サックス2、バリトン・サックス、トランペット、トロンボーン。近年プリンスはブラス担当者をずらり並べて肉感的なライヴをしていたが、そのホーン・プレイヤーを擁したもの。終盤、彼らは後ろ横から前に出て、振り付けとともに吹いたりもしたが、それもマルだったな。

 プリンス曲のカヴァー・バンドを軽い気持ちで楽しめればという気持ちで会場入りしたのだが、とってもとってもとっても良かった。次から次へとけっこうメドレーみたいな感じで、黄金のオールタイム選曲による曲は送り出されていく(全部で20曲ぐらいやった?)のだが、なんの疑問もなく接することができた。いや、本当にプリンス曲は素晴らしい。それに尽きる。高揚し、胸踊る。面々、一切譜面は置いておらず、するとけっこう現在このパッケージでショウを持っているのか? いや、見事なバンドだったと思う。

 問題はヴォーカルなのだが、それも問題なかった。男女のシンガーに加え、女性キーボード奏者とギタリストも曲によりリード・ヴォーカルを取るのだが。男性シンガーは身体がデカく、それだけで違和感を感じるところもあるのだが、イヤではない。僕が一番プリンスの歌に近いと思えたのは、ギタリストのそれだった。そのギターのリック・マルセルはクリス・ウォーカー(2003年3月13日、2009年6月15日、2014年11月19日)と付き合いを持っていたりするんだよな。

 最後の曲は、「1999」。スライ・ストーン(2008年8月31日、2008年9月2日、2010年1月20日)の「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」のヴォーカル作法(バンド・メンバーが歌い継いでいく)をうまく応用したビート・ポップだが、その曲の確かな再現に触れながら、JB(2000年8月5日)とかスライとか先達の確固とした様式や癖を見事に消化/解釈した末に個性と魅力ありまくりのブツを作ることができる、あんな才能は今後出てこないのではないか、と思えてきてしまった。そしたら、ぼくは不覚にも涙腺が緩んでしまった。。。。

▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
▶︎過去の、ケブ・モー
http://43142.diarynote.jp/200709201052530000/
▶︎過去のマーカス・ミラー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm 
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200712161023010000/
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201502231815384234/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
▶︎過去の、カサンドラ・オニール
http://43142.diarynote.jp/?day=20060810
▶過去の、クリス・ウォーカー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200906160735045241/
http://43142.diarynote.jp/?day=20141119
▶過去の、スライ・ストーン
http://43142.diarynote.jp/200809011923060000/
http://43142.diarynote.jp/200809071428140000/
http://43142.diarynote.jp/201001211346277187/
http://43142.diarynote.jp/201505201630381899/ 映画
▶過去の、JB
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm サマーソニック初日
http://43142.diarynote.jp/201503041619591535/ 映画
http://43142.diarynote.jp/?day=20160626 映画

<今日の、ライヴの前>
 知人たちがお堀端でやっているお花見に遅れて向かったら、寒すぎるということで、室内に移動していた。でも、みんな楽しそう。結局、理由つけて、大勢で飲みたいだけじゃん。その後、六本木に向かう前に、銀座(住所はそうだが、駅は新橋の方が近い)に今日オープンしたジャズ喫茶に連れて行かれる。CAFÉ and BAR RIVERSIDE JAZZというお店で、店名に冠したリヴァーサイド・レーベルのレコードは全てあったりするのかな。ちゃんとしたオーディオにて、アナログ・レコードを回す店。ターンテーブルやレコード群が内部ではなく、客席に向かい超オープンに置かれているのはいいかも。