若手ジャズ・ピアニストの桑原あい(2013年9月8日)の実演を、赤坂・サントリーホールのブルーローズで見る。クラシック用途の会場でやるのは、クラシック側の弦楽器奏者たちとやるノーPA公演であるからだろう。桑原にくわえ、須原杏(ヴァイオリン)、島内晶子(ヴィオラ)、林田順平(チェロ)、森田悠介(エレクトリック・ベース。彼のみ、プラグド)という面々。森田は、桑原のワーキング・トリオの一角をずっと担っている人物だ。彼女は昨年も同様の設定で、この会場でライヴをしているよう。
自作(オープナーはけっこう現代音楽っぽいものだった)や、レナード・バーンスタイン、ビル・エヴァンス、ラヴェルらの曲を取り上げ、瀟洒に開く。森田と林田の男性陣とだけで演奏する曲もあれば、ヴァイオンリンとヴィオラとチェロの3人がサポートする曲もあり、そこらへんは臨機応変。ピアノと弦音の絡みもいろんな重なり方を楽しんで聞き手に提示するといった感じ。弦音のアレンジは作曲家をしている桑原の二人の姉がやっているそう。なるほど、そこには姉妹愛と書くと薄っぺらいものになってしまうが、血の通った人間関係の利点が横たわるものとなっていた。
▶︎過去の、桑原あい
http://43142.diarynote.jp/?day=20130908
1時間ちょい見て、渋谷に移動する。大通りに出たらちょうどタクシーが来て、次の会場に行くには便利なメトロ溜池山王駅はそれなりに距離があるので、思わず手を上げてしまう。この時期、夜にタクシーに乗るとかなりの確率で運転手さんは忘年会の話を振ってくる。師走だなあ。
渋谷・O-Eastでは、御年62歳のマイケル・ギラ率いる、NYアンダーグラウンド・ロックの雄という言い方もあるだろうスワンズ(2015年1月27日)を見る。ギターとヴォーカルのギラに加え、今のライン・アップはギター、ベース、キーボード、スティール・ギター(彼と逆側のサイドで聞いていたのだが、音は聞こえなかった)、ドラム(タムの位置に手叩き用のバスドラをセットしていた)という編成。結構、皆んなそれなりに齢を重ねていて、いい味あり。今回のツアーで現行メンバーでやるのは打ち止めと発表されている。
会場入りした途端、生理的に屈強と言いたくなる音の波で場内が満ちていると感ずる。とともに、立派なオヤジたちが生理的にとぐろを巻きまくる様に、キャハハハとなる。ロックが酔狂で吹っきれ、我が道を行く音楽行為であり続けるための儀式を彼らは悠々と遂行。なんて書き方も、その音と振る舞いからはしたくなる。
コロンブスの卵的な部分もいろいろあるが、結構やっていることは単純とも言えるか。変拍子ではない重量感のあるリフを重ね、ノイズや悪意ある奥行きをどんどん増幅させていく……。楽器音の絡みや決めの取り方は、ギラならでは流儀が溢れる。あまりジャジーなところはないが、マイルス・デイヴィスのワイト島の「コール・イット・エニシング」みたいなベースのリフの曲もあったな。
超然。マイケル・ギラのアクションは、相当に大時代的。でも、その所作は素晴らしく澄んでいる。インスト部の方が長いが、それと対峙し、ときにそれを乗り越える感覚を持つギラのヴォーカルは朗々。時になぜか、お経みたいとぼくは思った。それは、世俗の諸々から解き放たれているからでもある。
一番年齢が若そうなキーボード奏者は大昔のマイケル・ベインホーンのシルエットに似ていた。そういえば、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(2002年7月28日、2002年11月2日、2007年6月5日)やマリリン・マンソン(2001年3月11日、2005年2月6日)の制作でも知られるベインホーンとマテリアルというユニットを組んでいたビル・ラズウェル(2004年9月5日、2005年7月30日、2005年8 月20日、2005年8月21日、2006年1月21日、2006年11月26日、2007年8月3日、2011年3月7日)は、スワンズの1989年ユニ/MCA盤『The Burning World』をプロデュースしたことがあった。そこで、ラズウェルはスティーヴ・ウィンウッド(2003年7月27日)/ブラインド・フェイスの「キャント・ファインド・マイ・ウェイ・ホーム」のカヴァーをさせていたよなあ。
最後の、皆んな前に並んでの挨拶の風情はとても良かった。やる方も見る方もとても満足という公演ではなかったか。しかし、僕は100分ぐらいスワンズの実演を見たはず。一体、彼らは何分演奏したのだ?
▶︎過去の、スワンズ
http://43142.diarynote.jp/201501281100378819/
▶過去の、ビル・ラズウェル
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050730
http://43142.diarynote.jp/200508230544440000/
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20060121
http://43142.diarynote.jp/200611271213510000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20070803
http://43142.diarynote.jp/201103101345364557/
▶過去の、スティーヴ・ウィンウッド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm フジ・ロック
▶︎過去の、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm フジ・ロック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200706061354020000/
▶︎過去の、マリリン・マンソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200502101615560000/
<今日の、会場>
最初に行ったサントリーホールは、本当に久しぶりに行く。記憶が曖昧で、そんな難しい道程ではないものの少し戸惑いを覚えつつ会場に着く。このホテルの宴会場を想起させる内観を持つハコはブルーローズではなくまだ小ホールと呼ばれていた時代、1997年に来て以来となる。その際は菊地雅章(1999年11月3日(2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日、2015年7月8日、2016年6月11日)のテザート・ムーンの公演で、その演奏は『プレイズ・ジミ・ヘンドリックス+』(ポリドール)としてリリースされた。渋谷会場の方は終了後に外に出ると、向かいにあるライヴ・ハウスから出た客でその辺りがとても混雑。誰のライヴ〜邦楽であったのは間違いないだろう〜だったのだろうか。
▶過去の、菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20041103
http://43142.diarynote.jp/201207031322126509/
http://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
http://43142.diarynote.jp/201210271744294415/
http://43142.diarynote.jp/201507091044561526/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160611
自作(オープナーはけっこう現代音楽っぽいものだった)や、レナード・バーンスタイン、ビル・エヴァンス、ラヴェルらの曲を取り上げ、瀟洒に開く。森田と林田の男性陣とだけで演奏する曲もあれば、ヴァイオンリンとヴィオラとチェロの3人がサポートする曲もあり、そこらへんは臨機応変。ピアノと弦音の絡みもいろんな重なり方を楽しんで聞き手に提示するといった感じ。弦音のアレンジは作曲家をしている桑原の二人の姉がやっているそう。なるほど、そこには姉妹愛と書くと薄っぺらいものになってしまうが、血の通った人間関係の利点が横たわるものとなっていた。
▶︎過去の、桑原あい
http://43142.diarynote.jp/?day=20130908
1時間ちょい見て、渋谷に移動する。大通りに出たらちょうどタクシーが来て、次の会場に行くには便利なメトロ溜池山王駅はそれなりに距離があるので、思わず手を上げてしまう。この時期、夜にタクシーに乗るとかなりの確率で運転手さんは忘年会の話を振ってくる。師走だなあ。
渋谷・O-Eastでは、御年62歳のマイケル・ギラ率いる、NYアンダーグラウンド・ロックの雄という言い方もあるだろうスワンズ(2015年1月27日)を見る。ギターとヴォーカルのギラに加え、今のライン・アップはギター、ベース、キーボード、スティール・ギター(彼と逆側のサイドで聞いていたのだが、音は聞こえなかった)、ドラム(タムの位置に手叩き用のバスドラをセットしていた)という編成。結構、皆んなそれなりに齢を重ねていて、いい味あり。今回のツアーで現行メンバーでやるのは打ち止めと発表されている。
会場入りした途端、生理的に屈強と言いたくなる音の波で場内が満ちていると感ずる。とともに、立派なオヤジたちが生理的にとぐろを巻きまくる様に、キャハハハとなる。ロックが酔狂で吹っきれ、我が道を行く音楽行為であり続けるための儀式を彼らは悠々と遂行。なんて書き方も、その音と振る舞いからはしたくなる。
コロンブスの卵的な部分もいろいろあるが、結構やっていることは単純とも言えるか。変拍子ではない重量感のあるリフを重ね、ノイズや悪意ある奥行きをどんどん増幅させていく……。楽器音の絡みや決めの取り方は、ギラならでは流儀が溢れる。あまりジャジーなところはないが、マイルス・デイヴィスのワイト島の「コール・イット・エニシング」みたいなベースのリフの曲もあったな。
超然。マイケル・ギラのアクションは、相当に大時代的。でも、その所作は素晴らしく澄んでいる。インスト部の方が長いが、それと対峙し、ときにそれを乗り越える感覚を持つギラのヴォーカルは朗々。時になぜか、お経みたいとぼくは思った。それは、世俗の諸々から解き放たれているからでもある。
一番年齢が若そうなキーボード奏者は大昔のマイケル・ベインホーンのシルエットに似ていた。そういえば、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(2002年7月28日、2002年11月2日、2007年6月5日)やマリリン・マンソン(2001年3月11日、2005年2月6日)の制作でも知られるベインホーンとマテリアルというユニットを組んでいたビル・ラズウェル(2004年9月5日、2005年7月30日、2005年8 月20日、2005年8月21日、2006年1月21日、2006年11月26日、2007年8月3日、2011年3月7日)は、スワンズの1989年ユニ/MCA盤『The Burning World』をプロデュースしたことがあった。そこで、ラズウェルはスティーヴ・ウィンウッド(2003年7月27日)/ブラインド・フェイスの「キャント・ファインド・マイ・ウェイ・ホーム」のカヴァーをさせていたよなあ。
最後の、皆んな前に並んでの挨拶の風情はとても良かった。やる方も見る方もとても満足という公演ではなかったか。しかし、僕は100分ぐらいスワンズの実演を見たはず。一体、彼らは何分演奏したのだ?
▶︎過去の、スワンズ
http://43142.diarynote.jp/201501281100378819/
▶過去の、ビル・ラズウェル
http://43142.diarynote.jp/200409050916440000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20050730
http://43142.diarynote.jp/200508230544440000/
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▶過去の、スティーヴ・ウィンウッド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm フジ・ロック
▶︎過去の、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm フジ・ロック
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200706061354020000/
▶︎過去の、マリリン・マンソン
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200502101615560000/
<今日の、会場>
最初に行ったサントリーホールは、本当に久しぶりに行く。記憶が曖昧で、そんな難しい道程ではないものの少し戸惑いを覚えつつ会場に着く。このホテルの宴会場を想起させる内観を持つハコはブルーローズではなくまだ小ホールと呼ばれていた時代、1997年に来て以来となる。その際は菊地雅章(1999年11月3日(2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日、2015年7月8日、2016年6月11日)のテザート・ムーンの公演で、その演奏は『プレイズ・ジミ・ヘンドリックス+』(ポリドール)としてリリースされた。渋谷会場の方は終了後に外に出ると、向かいにあるライヴ・ハウスから出た客でその辺りがとても混雑。誰のライヴ〜邦楽であったのは間違いないだろう〜だったのだろうか。
▶過去の、菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20041103
http://43142.diarynote.jp/201207031322126509/
http://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
http://43142.diarynote.jp/201210271744294415/
http://43142.diarynote.jp/201507091044561526/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160611