カマシ・ワシントン。スティーヴ・ガッド
2016年12月6日 音楽 テナー・サックス奏者のカマシ・ワシントン(2014年5月28日、2015年10月31日)のグループ公演は、六本木・ビルボードライブ東京にて。ファースト・ショウを見る。カマシ・ワシントン 、ヴォーカルのパトリス・ピットマン・キン、 キーボードのブランドン・コールマン 、トロンボーンのライアン・ポーター、カマシの父親であるソプラノ・サックスとフルートのリッキー・ワシントン、ダブル・ベースのマイルズ・モスリー、ドラムのロナルド・ブルーナー・ジュニア(2009年9月15日、2014年9月10日、2015年9月30日、2016年5月20日)とトニー・オースティンという顔ぶれ。
まず、ほう思ったのは、2015年ブルーノート東京公演のときと全く同じ8人でショウを持ったこと。けっこうおうように自己表現を持つ感じもあるのだが、ことメインとなる事に関してはじっくりと表現を育みたいということであるのだろうか? 1970年代アフロ・ジャズを下敷きにする活劇的なエモ・ジャズという路線は踏襲しつつ、よりストロングに仁王立ち。それを支えるのは、闊達なツイン・ドラムとコントラバスを持ちつつも多彩な奏法や音色を駆使する(足元には、エレクトリック・ベース奏者のようにイフェクターをいろいろ並べていた)べース音の存在。主と従の役割がはっきりしたドラムの噛み合いはJB(2000年8月5日)流れとと指摘したい自分もいるが、はてどうだろう。また、後者のアルコ音を聞いて、僕はアーサー・ブライスの名作『イリュージョン』期のチェロ奏者であるアブドゥル・ワダドの演奏を思い出したりした。彼の息子はネオ・ソウル系才人のラヒーム・デヴォーン(2007年6月17日)ですね。
そのリズム陣に比べると、フロントに立つお父さんとトロンボーン奏者は少し弱いと感じるか。また、カマシ・ワシントンはサックス音にイフェクトをかける時があったが、それは陳腐に感じた。ロボ声があるならサックスのそれもあっていいぢゃんと思わせるような効果のかけ方ではないんだよなー。
構成員は全員、アフリカ系。白人奏者をごんごん自分のバンドに入れるクリスチャン・スコット(2008年7月23日、2008年9月10日、2009年1月31日、2009年9月15日、2010年9月3日、2011年12月17日、2015年10月8日、2016年11月1日)と違い、そこにはこだわっているように思える。そして、あまり活躍する部分のない女性シンガーをずっとステージ上にいさせるのもまたこだわりか。彼女、場が持たなそうなところ、よくぞずっとステージにいたなあ。また、父親がいることもあり、そのバンドのあり方はアレステッド・ディヴェロップメント(2000年4月27日、2000年8月5日、2001年2月3日、 2002年4月17日、2013年4月19日)みたいなところもあると言いたくなっちゃう? 強引だが、ワシントンは過去の積み重ねを受けたリヴィング・ミュージックを作ろうとしているように、ぼくには思えた。最後にやったヴォーカル曲は例えに出すものがちょっとない、なんかユニヴァーサルな感じもある曲でおもしろい。
▶︎過去の、カマシ・ワシントン
http://43142.diarynote.jp/?day=20140528
http://43142.diarynote.jp/201511040742444324/
▶過去の、ロナルド・ブルーナーJr.
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201409111424501752/
http://43142.diarynote.jp/201510021221454336/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160520
▶︎過去の、ラヒーム・デヴォーン
http://43142.diarynote.jp/200706181217540000/
▶過去の、JB
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm サマーソニック初日
▶過去の、ザ・ローリング・ストーンズ/ミック・ジャガー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
▶︎過去の、映画「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」
http://43142.diarynote.jp/201503041619591535/
▶過去の、クリスチャン・スコット
http://43142.diarynote.jp/200807241546500000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20080910
http://43142.diarynote.jp/200902030206339619/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100903
http://43142.diarynote.jp/?day=20100903
http://43142.diarynote.jp/201112201159168538/
http://43142.diarynote.jp/201510091112494150/
http://43142.diarynote.jp/201611030803017474/
▶過去の、アレステッド・ディヴェロップメント/スピーチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-4.htm
http://43142.diarynote.jp/201304211111189539/
その後は、南青山・ブルーノート東京で、人気ドラマーのスティーヴ・ガッド(2004年1月27日、2010年12月1日、2012年11月26日、2013年9 月3日、2004年1月27日、2010年12月1日、2012年11月26日、2013年9 月3日、2016年2月19日)のリーダー・バンドを見る。ロック系セッション・ギタリストの代表格であるブルース・マンの様な手弾き多用のマイケル・ランドウ(2004年4月21日、2012年11月12日)、キーボードやピアノのケヴィン・ヘイズ、西海岸スタジオ界の電気べース大家のジミー・ジョンソン、大昔はフランク・ザッパのバンドにいたウォルト・フォウラー(トランペット、フリューゲルホーン)という面々。少し前に出たライヴ盤とは鍵盤奏者だけが違う顔ぶれによるもので、もともとはシンガー・ソングライターのジェイムス・テイラーのサポート・バンド派生なんだっけっか。
ぼくはフュージョン愛好家ではないということは別としても、カマシ・ワシントンの後だと柔く、オールド・スクールに聞こえるところもあるかと思って接したら、これが全然そんなことはなかったのに少し驚く。やっぱりガッド、すげえ。今に通用する生きたビートを細い腕(今回、本当にそう思いました)から叩き出す様には頷く。きっちり自分の身体のなかの軸に精緻なタイム感をもち、そこから揺れるパルスやアクセントを彼は存分に繰り出している! 他のバンド員も腕が立つし、そのコンビネーションも抜群。もうシャキっとしているのにグルーヴィで、冒頭2曲なんてほんとうにドキドキしちゃった。
なんか、二つの公演をはしごして、今日はドラマーの美味しい1日だったのだなあと思った。
▶過去の、スティーヴ・ガッド
http://43142.diarynote.jp/200402051855170000/
http://43142.diarynote.jp/201012051903113851/
http://43142.diarynote.jp/201212101904379741/
http://43142.diarynote.jp/201312171510083393/
http://43142.diarynote.jp/201410220711345595/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160219
▶︎過去の、マイケル・ランドウ
http://43142.diarynote.jp/200404212355490000/
http://43142.diarynote.jp/201211170928285333/
<今日の、営業>
ブルーノート終演後、ガッドさんほか5人の面々がずらりと並び、延々と熱心にサイン会をやっておった。聞けば、ケヴィン・ヘイズは2月にコットンクラブで自分のトリオ公演をやるそう。スティープル・チェイスやブルーノート、アクトなどにいろんなリーダー作を残すヘイズは秀英ジャズ・ピアニストという感じの御仁だが、サニーサイド発の近作2作品は来年の来日リズム隊と同じ顔ぶれで録っている。ちなみに2015 年作は美味しい音色の電気ピアノを弾くアルバムで、当人も何曲かで歌ったりしている。そして、2016年作はいろんな行き方を見せるアコースティック・ピアノ・トリオ作だ。来日は後者の路線で行くと推測できるが……。でも、ちょいエレピ弾いたり、歌ったりしないかなあ。
まず、ほう思ったのは、2015年ブルーノート東京公演のときと全く同じ8人でショウを持ったこと。けっこうおうように自己表現を持つ感じもあるのだが、ことメインとなる事に関してはじっくりと表現を育みたいということであるのだろうか? 1970年代アフロ・ジャズを下敷きにする活劇的なエモ・ジャズという路線は踏襲しつつ、よりストロングに仁王立ち。それを支えるのは、闊達なツイン・ドラムとコントラバスを持ちつつも多彩な奏法や音色を駆使する(足元には、エレクトリック・ベース奏者のようにイフェクターをいろいろ並べていた)べース音の存在。主と従の役割がはっきりしたドラムの噛み合いはJB(2000年8月5日)流れとと指摘したい自分もいるが、はてどうだろう。また、後者のアルコ音を聞いて、僕はアーサー・ブライスの名作『イリュージョン』期のチェロ奏者であるアブドゥル・ワダドの演奏を思い出したりした。彼の息子はネオ・ソウル系才人のラヒーム・デヴォーン(2007年6月17日)ですね。
そのリズム陣に比べると、フロントに立つお父さんとトロンボーン奏者は少し弱いと感じるか。また、カマシ・ワシントンはサックス音にイフェクトをかける時があったが、それは陳腐に感じた。ロボ声があるならサックスのそれもあっていいぢゃんと思わせるような効果のかけ方ではないんだよなー。
構成員は全員、アフリカ系。白人奏者をごんごん自分のバンドに入れるクリスチャン・スコット(2008年7月23日、2008年9月10日、2009年1月31日、2009年9月15日、2010年9月3日、2011年12月17日、2015年10月8日、2016年11月1日)と違い、そこにはこだわっているように思える。そして、あまり活躍する部分のない女性シンガーをずっとステージ上にいさせるのもまたこだわりか。彼女、場が持たなそうなところ、よくぞずっとステージにいたなあ。また、父親がいることもあり、そのバンドのあり方はアレステッド・ディヴェロップメント(2000年4月27日、2000年8月5日、2001年2月3日、 2002年4月17日、2013年4月19日)みたいなところもあると言いたくなっちゃう? 強引だが、ワシントンは過去の積み重ねを受けたリヴィング・ミュージックを作ろうとしているように、ぼくには思えた。最後にやったヴォーカル曲は例えに出すものがちょっとない、なんかユニヴァーサルな感じもある曲でおもしろい。
▶︎過去の、カマシ・ワシントン
http://43142.diarynote.jp/?day=20140528
http://43142.diarynote.jp/201511040742444324/
▶過去の、ロナルド・ブルーナーJr.
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
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▶︎過去の、ラヒーム・デヴォーン
http://43142.diarynote.jp/200706181217540000/
▶過去の、JB
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm サマーソニック初日
▶過去の、ザ・ローリング・ストーンズ/ミック・ジャガー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
▶︎過去の、映画「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」
http://43142.diarynote.jp/201503041619591535/
▶過去の、クリスチャン・スコット
http://43142.diarynote.jp/200807241546500000/
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http://43142.diarynote.jp/200902030206339619/
http://43142.diarynote.jp/?day=20100903
http://43142.diarynote.jp/?day=20100903
http://43142.diarynote.jp/201112201159168538/
http://43142.diarynote.jp/201510091112494150/
http://43142.diarynote.jp/201611030803017474/
▶過去の、アレステッド・ディヴェロップメント/スピーチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-2.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-4.htm
http://43142.diarynote.jp/201304211111189539/
その後は、南青山・ブルーノート東京で、人気ドラマーのスティーヴ・ガッド(2004年1月27日、2010年12月1日、2012年11月26日、2013年9 月3日、2004年1月27日、2010年12月1日、2012年11月26日、2013年9 月3日、2016年2月19日)のリーダー・バンドを見る。ロック系セッション・ギタリストの代表格であるブルース・マンの様な手弾き多用のマイケル・ランドウ(2004年4月21日、2012年11月12日)、キーボードやピアノのケヴィン・ヘイズ、西海岸スタジオ界の電気べース大家のジミー・ジョンソン、大昔はフランク・ザッパのバンドにいたウォルト・フォウラー(トランペット、フリューゲルホーン)という面々。少し前に出たライヴ盤とは鍵盤奏者だけが違う顔ぶれによるもので、もともとはシンガー・ソングライターのジェイムス・テイラーのサポート・バンド派生なんだっけっか。
ぼくはフュージョン愛好家ではないということは別としても、カマシ・ワシントンの後だと柔く、オールド・スクールに聞こえるところもあるかと思って接したら、これが全然そんなことはなかったのに少し驚く。やっぱりガッド、すげえ。今に通用する生きたビートを細い腕(今回、本当にそう思いました)から叩き出す様には頷く。きっちり自分の身体のなかの軸に精緻なタイム感をもち、そこから揺れるパルスやアクセントを彼は存分に繰り出している! 他のバンド員も腕が立つし、そのコンビネーションも抜群。もうシャキっとしているのにグルーヴィで、冒頭2曲なんてほんとうにドキドキしちゃった。
なんか、二つの公演をはしごして、今日はドラマーの美味しい1日だったのだなあと思った。
▶過去の、スティーヴ・ガッド
http://43142.diarynote.jp/200402051855170000/
http://43142.diarynote.jp/201012051903113851/
http://43142.diarynote.jp/201212101904379741/
http://43142.diarynote.jp/201312171510083393/
http://43142.diarynote.jp/201410220711345595/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160219
▶︎過去の、マイケル・ランドウ
http://43142.diarynote.jp/200404212355490000/
http://43142.diarynote.jp/201211170928285333/
<今日の、営業>
ブルーノート終演後、ガッドさんほか5人の面々がずらりと並び、延々と熱心にサイン会をやっておった。聞けば、ケヴィン・ヘイズは2月にコットンクラブで自分のトリオ公演をやるそう。スティープル・チェイスやブルーノート、アクトなどにいろんなリーダー作を残すヘイズは秀英ジャズ・ピアニストという感じの御仁だが、サニーサイド発の近作2作品は来年の来日リズム隊と同じ顔ぶれで録っている。ちなみに2015 年作は美味しい音色の電気ピアノを弾くアルバムで、当人も何曲かで歌ったりしている。そして、2016年作はいろんな行き方を見せるアコースティック・ピアノ・トリオ作だ。来日は後者の路線で行くと推測できるが……。でも、ちょいエレピ弾いたり、歌ったりしないかなあ。