コントラバス・クラリネットというとっても珍しい大型クラリネットを演奏する在日英国人であるヒュー・ロイドが作曲した、“The Jazz Meditation Suite”という13曲からなる組曲を披露するライヴ。インド人のシュリー・ラマナ・マハルシ(1879〜1950年)が残したヒンズー教の思想に基づく言葉の中から11の句を選び、メロディを付けたという(オープナーとクローザーはインストゥメンタル)。

 ヒュー・ロイドが参画するnouon(2015年4月17日)のメンバーであるケヴィン・マキュー(エレクトリック・ピアノ)、山田あずさ(ヴァイブラフォン)、山本淳平(ドラム)の3人に加え、新井薫(ヴォーカル、ハープ)とアンディ・ビーヴァン(フルート、ソプラノ・サックス)が入る。神宮前・Tokyo Salon。

 <リアリティはいつもリアルでなくてはならない>とか綴られる歌詞は英語。それを歌う新井(歌詞を覚えていた感じあり)と全面的に叩く山本(楽譜と首っ引き。少し、気の毒だった)は大変だったのではないか。スペースに留意したサウンドを求めるためだろう、他の奏者たちは休んでいるパートもけっこうあったのだが、2人はフル回転。曲はけっこう難解な旋律取りをするもの、どこかインド的断片(?)を感じさせるもの、所謂スピリチュアル・ジャズ的なものまでいろいろ。中にはソプラノ・サックスが効果的に使われることもあり、スティング(2000年10月16日)のそれを想起させる曲もあった。ま、含蓄がいろいろと活かされているのは間違いありませんね。インストゥメンタル部にも力が入れられ、即興で有機的に流れて行く部分ももちろんあり、緩急自在。サード・ストリーム的な位置にある、オリジナリティある大人の表現を聞くことができた。

 それから演奏参加者は、東京に住む、外国人が3人。わざわざ日本に居住する外国人音楽家の控え目さの奥に持つ強さ、意欲というものも、なんとなく感じたかな。

▶過去の、uouon
http://43142.diarynote.jp/201504181000432127/
▶過去の、スティング
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-10.htm

<今日の、絶望>
 あ”—。こんな時代が来ちゃうとは。。