ジョン・スコフィールド ” コンボ 66” 。スガダイロー×伊東篤宏
2019年5月30日 音楽 ジョン・スコフィールド(1999年5月11日、2001年1月11日、2002年1月24日、2004年3月11日、2006年3月1日、2007年5月10日、2008年10月8日、2009年9月5日、2012年10月10日、2013年10月21日、2015年5月26日、2018年9月2日)の一番新しい(のかな? 少なくても、レコーディング・プロジェクトとしてはそう)バンドが、コンボ 66だ。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。満場。
昨年の東京ジャズ出演時と同じく、ダブル・ベースのヴィセンテ・アーチャー(2007年10月3日、2009年4月13日、2010年7月24日、2012年6月29日、2013年2月2日、2013年6月4日、2016年12月20日、2018年1月3日、2018年9月2日、2019年1月12日 )、ピアノとオルガンのジェラルド・クレイトン(2007年9月10日、2008年9月16日、2009年6月7日、2009年9月3日、2011年10月6日、2017年1月18日、2017年6月7日、2018年9月2日)、ドラムのビル・スチュワート(2012年10月10日、2016年6月4日、2018年9月2日)がつく。
そして、かような4人が悠々と音を出し合う様に触れつつ、コンボ 66はスコフィールドが、もう一度ちゃんとジャズをやろうとするプロジェクトであるのだと頷く。ただし、そこは客演ではなく自身のプロジェクトゆえ、今の勢いや立ちを持つ4ビート・ジャズ・コンボをちゃんと組む。その意図は、そのサイド・マン選びでも明解に伝わる。
ショウは十全に、上に書いた意図を開く。最後のほうはファンクが入ったりもするが基本アコースティックなジャズを、今を生きる奏者である矜恃とともに提示。随所に、スコらしいひねりや諧謔にも満ちる。そういえば、彼はピッキング・ミュートによる奇音使いの人であるのだ(もとろん、パートによってであるが)とも再認識。クレイトンは昨年より、オルガンを弾く時間が増えた。カントリー歌手のウィノナ・ジャッドの名前を出したゆったり曲のオルガン音の舞い具合はどこかガース・ハドソン(2013年8月2日)のそれを想起させたな。また、スコフォールドは終盤に一人で訥々演奏も披露した。今度、一度ぐらい完全ソロの、行き当たりばったり爪引き演奏公演というのはどうか。マックスでも50分ぐらいの尺で、ミュージック・フィーを低めで。ぜひ、聞いてみたい。
▶過去の、ジョン・スコフィールド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live2.htm 5.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm 1.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-1.htm 1.24
http://43142.diarynote.jp/200403111821250000/
http://43142.diarynote.jp/200603011148430000/
http://43142.diarynote.jp/200705181809270000/
http://43142.diarynote.jp/200810111558046727/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090905
http://43142.diarynote.jp/201210111837516874/
http://43142.diarynote.jp/201310210730403296/
http://43142.diarynote.jp/201505271549266046/
https://43142.diarynote.jp/201809071509481583/
▶過去の、ヴィセンテ・アーチャー
http://43142.diarynote.jp/200710121727100000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090413
http://43142.diarynote.jp/?day=20100724
http://43142.diarynote.jp/201207031353196616/
http://43142.diarynote.jp/201302041827243806/
http://43142.diarynote.jp/201306060730086224/
http://43142.diarynote.jp/201612211059578863/
https://43142.diarynote.jp/201801042046591963/
https://43142.diarynote.jp/201809071509481583/
https://43142.diarynote.jp/201901141233456475/
▶過去の、ジェラルド・クレイトン
http://43142.diarynote.jp/200709171108570000/
http://43142.diarynote.jp/200809171409066704/
http://43142.diarynote.jp/200906091637138003/
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
http://43142.diarynote.jp/201110091258307349/
http://43142.diarynote.jp/?day=20170118
http://43142.diarynote.jp/201706081034584863/
https://43142.diarynote.jp/201809071509481583/
▶過去の、ビル・スチュワート
http://43142.diarynote.jp/201210111837516874/
http://43142.diarynote.jp/201606121224129353/
https://43142.diarynote.jp/201809071509481583/
▶過去の、ガース・ハドソン
http://43142.diarynote.jp/201308110826574632/
その後は、代官山・晴れたら空に豆まいて で、ピアニストのスガダイロー(2009年1月8日、2009年7月3日、2013年2月19日、2016年2月28日、2016年7月16日、2017年4月11日、2017年7月8日)と、自作装置オプトロンを操る伊東篤宏(2007年4月21日、2009年5月31日)の双頭公演を見る。
会場入りをすると、伊東篤宏がソロでパフォーマンス中。プリセット音と右手や足で操作する電気音を拮抗させ、またそれと連動し、手にした蛍光管がいろいろと扇情的に点滅する。蛍光灯(見た目はまさにそう)の光ってあんなに明るいっけか、移動中や演奏中に割れたりしないのかとか、ふと思ったりも。音としては、悪意あるノイジーなインダストリアル・サウンドといった感じです。
その後は、スガダイローがソロで40分ほど、切れ目なしに演奏したが、ほうと頷いた。右手が同一のシークエンスを弾きながらどんどん流れていく、ミニマル・ミュージック・ビヨンド的なそれはとっても興味深い。音の濃淡や色合いや表情が変わっていく様に触れながら、これはとってもスガらしい作法に溢れていると思わずにはいられず。彼は、このところこのパターンのソロ演奏をやっているらしい。その後すぐに伊藤がステージに上がり共同演奏をしかかったが、スガが少し休ませてくれと要求。そりゃ、あの弾き方だと、腕や指には負担がかかるはずと納得。
一緒の演奏は、フリーフォーム。なすがままに。それは伊藤のオプトロンの低くない即興性を伝えるものでもあった。
▶過去の、スガダイロー
http://43142.diarynote.jp/200901091437341082/
http://43142.diarynote.jp/200907131158382767/
http://43142.diarynote.jp/201302201720351212/
http://43142.diarynote.jp/201603011023174338/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160716
http://43142.diarynote.jp/201704131639031673/
https://43142.diarynote.jp/201707101243147840/
▶︎過去の、伊東篤宏
https://43142.diarynote.jp/200704251227010000/
https://43142.diarynote.jp/200906071503193270/
<6月の、ダイロー>
スガは、トリオとしては5年ぶりとなるアルバム『2019:a Flying Duke』(Velvetsun)を6月19 日にリリース。エリントンやモンクやハービー・ニコルズ曲から自作曲までをトリオで開く。とっても真面目で、らしい不埒さも抱えつつ、“ジャズという大河”にある表現を今のスガの立ち位置から再提出しようとしていると指摘できるか。過去のジャズ・ピアノ表現を自分なりに総括する意思を持ち、“音の発信”(曖昧な言い方ですまぬ)という行為に自覚的な内容であると感じた。クローザーのソロ演奏主体のオリジナルはかなりな美曲なり。彼はそれに合わせて東日本中心のツアーにでて、そのファイナルは7月9日に渋谷・WWWで持つ。
昨年の東京ジャズ出演時と同じく、ダブル・ベースのヴィセンテ・アーチャー(2007年10月3日、2009年4月13日、2010年7月24日、2012年6月29日、2013年2月2日、2013年6月4日、2016年12月20日、2018年1月3日、2018年9月2日、2019年1月12日 )、ピアノとオルガンのジェラルド・クレイトン(2007年9月10日、2008年9月16日、2009年6月7日、2009年9月3日、2011年10月6日、2017年1月18日、2017年6月7日、2018年9月2日)、ドラムのビル・スチュワート(2012年10月10日、2016年6月4日、2018年9月2日)がつく。
そして、かような4人が悠々と音を出し合う様に触れつつ、コンボ 66はスコフィールドが、もう一度ちゃんとジャズをやろうとするプロジェクトであるのだと頷く。ただし、そこは客演ではなく自身のプロジェクトゆえ、今の勢いや立ちを持つ4ビート・ジャズ・コンボをちゃんと組む。その意図は、そのサイド・マン選びでも明解に伝わる。
ショウは十全に、上に書いた意図を開く。最後のほうはファンクが入ったりもするが基本アコースティックなジャズを、今を生きる奏者である矜恃とともに提示。随所に、スコらしいひねりや諧謔にも満ちる。そういえば、彼はピッキング・ミュートによる奇音使いの人であるのだ(もとろん、パートによってであるが)とも再認識。クレイトンは昨年より、オルガンを弾く時間が増えた。カントリー歌手のウィノナ・ジャッドの名前を出したゆったり曲のオルガン音の舞い具合はどこかガース・ハドソン(2013年8月2日)のそれを想起させたな。また、スコフォールドは終盤に一人で訥々演奏も披露した。今度、一度ぐらい完全ソロの、行き当たりばったり爪引き演奏公演というのはどうか。マックスでも50分ぐらいの尺で、ミュージック・フィーを低めで。ぜひ、聞いてみたい。
▶過去の、ジョン・スコフィールド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live2.htm 5.11
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-1.htm 1.11
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http://43142.diarynote.jp/200403111821250000/
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▶過去の、ヴィセンテ・アーチャー
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▶過去の、ジェラルド・クレイトン
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▶過去の、ビル・スチュワート
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▶過去の、ガース・ハドソン
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その後は、代官山・晴れたら空に豆まいて で、ピアニストのスガダイロー(2009年1月8日、2009年7月3日、2013年2月19日、2016年2月28日、2016年7月16日、2017年4月11日、2017年7月8日)と、自作装置オプトロンを操る伊東篤宏(2007年4月21日、2009年5月31日)の双頭公演を見る。
会場入りをすると、伊東篤宏がソロでパフォーマンス中。プリセット音と右手や足で操作する電気音を拮抗させ、またそれと連動し、手にした蛍光管がいろいろと扇情的に点滅する。蛍光灯(見た目はまさにそう)の光ってあんなに明るいっけか、移動中や演奏中に割れたりしないのかとか、ふと思ったりも。音としては、悪意あるノイジーなインダストリアル・サウンドといった感じです。
その後は、スガダイローがソロで40分ほど、切れ目なしに演奏したが、ほうと頷いた。右手が同一のシークエンスを弾きながらどんどん流れていく、ミニマル・ミュージック・ビヨンド的なそれはとっても興味深い。音の濃淡や色合いや表情が変わっていく様に触れながら、これはとってもスガらしい作法に溢れていると思わずにはいられず。彼は、このところこのパターンのソロ演奏をやっているらしい。その後すぐに伊藤がステージに上がり共同演奏をしかかったが、スガが少し休ませてくれと要求。そりゃ、あの弾き方だと、腕や指には負担がかかるはずと納得。
一緒の演奏は、フリーフォーム。なすがままに。それは伊藤のオプトロンの低くない即興性を伝えるものでもあった。
▶過去の、スガダイロー
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▶︎過去の、伊東篤宏
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<6月の、ダイロー>
スガは、トリオとしては5年ぶりとなるアルバム『2019:a Flying Duke』(Velvetsun)を6月19 日にリリース。エリントンやモンクやハービー・ニコルズ曲から自作曲までをトリオで開く。とっても真面目で、らしい不埒さも抱えつつ、“ジャズという大河”にある表現を今のスガの立ち位置から再提出しようとしていると指摘できるか。過去のジャズ・ピアノ表現を自分なりに総括する意思を持ち、“音の発信”(曖昧な言い方ですまぬ)という行為に自覚的な内容であると感じた。クローザーのソロ演奏主体のオリジナルはかなりな美曲なり。彼はそれに合わせて東日本中心のツアーにでて、そのファイナルは7月9日に渋谷・WWWで持つ。