ジャズに関わるプロのミュージシャンの持ち楽器の比率はいかに? ピアノやサックス系奏者が多いのかなあ。で、ベースやドラムも、少なくてもトランペット奏者より多いのは疑いがない。ながら、そうした状況にある今でも、トランペットはジャズにおいての花形楽器というキブンが残っている(ような気が、ぼくはする)のはどうしてか。……それは、ジャズ成立時、ルイ・アームストロングに代表されるようにニューオーリンズ・ジャズ界隈において音が派手で明瞭な音の輪郭を持つトランペットが花形楽器であったことが、大きくモノを言っているのか。また、マイルス・デイヴィスに代表されるように、ジャズの節目節目でトランぺッターが印象的/牽引役的な役割をつとめたことも、ジャズ界においてトランペットがデカい位置をしめていることに繋がっていると思う。
ウィントン・マルサリス(2000年3月9日)やテレンス・ブランチャード(2009年3月26日、他)ら今のジャズ界の先頭に立つトランぺッター同様に、ペイトン(73年生まれ)もまたニューオーリンズ出身のプレイヤーだ。ウィントンの父であるエリス(ピアノ)にいろいろと教えを受け、10代後半から第一線で活動しだし、94年以降はポリグラム/ユニヴァーサル系列からリーダー作をリリースするようになっている。そして、一番新しい08年作『Into The Blue』はノンサッチ発。ノンサッチという事だけで、彼に興味を持つ非ジャズ・リスナーもいそうだが、同レーベル発のアラン・トゥーサン(2009年5月29日、他)の『ザ・ブライト・ミシシッピ』(09年、ジョー・ヘンリー制作)にも彼は参加し、もっともそのサウンドの表情作りに貢献している。そういえば、この7月5日にはカナダのモントリオール・ジャズ祭で、彼はトゥーサンとの連名による出し物を披露したはずだ。
丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。ピアノと電気ピアノのロウレンス・フィールズ(2009年6月15日)、ベースのヴィセンテ・アーチャー(2007年10月3日、2009年4月13日)、ドラムのマーカス・ギルモア(2007年11月21日)、打楽器のダニエル・サドウニック(2002年1月9日、2004年2月13日)、NYでそれぞれ居場所を持つ奏者たちを従えてのワン・ホーンによるパフォーマンス。多くは新作にも参加していてもいて、これがペイトンの現在のワーキング・バンドと考えてもいいだろうが、いやはや、また前線にいる米国人ジャズ・マンの底力を痛感させられちゃったな。
鍵盤は最後のほう以外は覚醒感を持つ(ゆえに、弾きすぎない)電気ピアノ一本やり、ながらベースは全編ウッド使用のもと、ドラマーと打楽器奏者がからむビートは通常のジャズ・ビートからもラテン・ビートからも離れる傾向にあり……。そして、それらが有機的に重なった先に、確実にオルタナティヴな平地を見たリアル・ジャズを浮上させていたよなあ。って、まずそういうことを書くと、その総合的なサウンド設定の妙だけにココロを奪われたようだが、ペイトンのトランペット演奏にも大きく頷く。もう細心の音色コントロールのもと(全てトランペットを用いつつ、ブライトな音からフリューゲルホーンを用いるようなくぐもった音までを完璧に出す)クリシェに陥らないソロを紡いでいく様には脱帽。キーボードやベースのソロも確かな視点アリ。いや、個性を持つサウンド設定といいソロがちゃんと綱弾きしていた実演ゆえに(そして、その妙味はCDでもちゃんと出されていない?)、ばくは感激しちゃったんだと思う。そして、アンコールはニューオーリンズ・ジャズ調の曲でペイトンはけっこう歌う。あんまし上手くはなかったけど、それも嬉し。今年のジャズ公演、ベスト5に間違いなく入るはず。
会場入りする前に、少し飲食したら、なぜかお酒が異常にまわってしまい一杯いっぱい。それゆえ、お酒でなく、ペリエを注文。車じゃないのに、こういう場で非アルコールを頼むのは初めてのことか。それは猛暑&睡眠不足のせい? パフォーマンスの良さもあってすぐに復活したものの、あー、夏真っ盛りのこれからが思いやられる。
ウィントン・マルサリス(2000年3月9日)やテレンス・ブランチャード(2009年3月26日、他)ら今のジャズ界の先頭に立つトランぺッター同様に、ペイトン(73年生まれ)もまたニューオーリンズ出身のプレイヤーだ。ウィントンの父であるエリス(ピアノ)にいろいろと教えを受け、10代後半から第一線で活動しだし、94年以降はポリグラム/ユニヴァーサル系列からリーダー作をリリースするようになっている。そして、一番新しい08年作『Into The Blue』はノンサッチ発。ノンサッチという事だけで、彼に興味を持つ非ジャズ・リスナーもいそうだが、同レーベル発のアラン・トゥーサン(2009年5月29日、他)の『ザ・ブライト・ミシシッピ』(09年、ジョー・ヘンリー制作)にも彼は参加し、もっともそのサウンドの表情作りに貢献している。そういえば、この7月5日にはカナダのモントリオール・ジャズ祭で、彼はトゥーサンとの連名による出し物を披露したはずだ。
丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。ピアノと電気ピアノのロウレンス・フィールズ(2009年6月15日)、ベースのヴィセンテ・アーチャー(2007年10月3日、2009年4月13日)、ドラムのマーカス・ギルモア(2007年11月21日)、打楽器のダニエル・サドウニック(2002年1月9日、2004年2月13日)、NYでそれぞれ居場所を持つ奏者たちを従えてのワン・ホーンによるパフォーマンス。多くは新作にも参加していてもいて、これがペイトンの現在のワーキング・バンドと考えてもいいだろうが、いやはや、また前線にいる米国人ジャズ・マンの底力を痛感させられちゃったな。
鍵盤は最後のほう以外は覚醒感を持つ(ゆえに、弾きすぎない)電気ピアノ一本やり、ながらベースは全編ウッド使用のもと、ドラマーと打楽器奏者がからむビートは通常のジャズ・ビートからもラテン・ビートからも離れる傾向にあり……。そして、それらが有機的に重なった先に、確実にオルタナティヴな平地を見たリアル・ジャズを浮上させていたよなあ。って、まずそういうことを書くと、その総合的なサウンド設定の妙だけにココロを奪われたようだが、ペイトンのトランペット演奏にも大きく頷く。もう細心の音色コントロールのもと(全てトランペットを用いつつ、ブライトな音からフリューゲルホーンを用いるようなくぐもった音までを完璧に出す)クリシェに陥らないソロを紡いでいく様には脱帽。キーボードやベースのソロも確かな視点アリ。いや、個性を持つサウンド設定といいソロがちゃんと綱弾きしていた実演ゆえに(そして、その妙味はCDでもちゃんと出されていない?)、ばくは感激しちゃったんだと思う。そして、アンコールはニューオーリンズ・ジャズ調の曲でペイトンはけっこう歌う。あんまし上手くはなかったけど、それも嬉し。今年のジャズ公演、ベスト5に間違いなく入るはず。
会場入りする前に、少し飲食したら、なぜかお酒が異常にまわってしまい一杯いっぱい。それゆえ、お酒でなく、ペリエを注文。車じゃないのに、こういう場で非アルコールを頼むのは初めてのことか。それは猛暑&睡眠不足のせい? パフォーマンスの良さもあってすぐに復活したものの、あー、夏真っ盛りのこれからが思いやられる。