コリーヌ・ベイリー・レイ。メイシオ・パーカー・ビッグ・バンド
2018年6月8日 音楽 まず六本木・ビルボードライブ東京に行き、UKシンガーのコリーヌ・ベイリー・レイ(2011年3月8日)のファースト・ショウを見る。エレクトリック・ギターとコーラスのジョン・マッカラムとキーボードとコーラスのステファン・ブラウンを従える。二人とも、白人。イケ面紳士然としたブラウンは右手で電気ピアノ、左手でシンセサイザーにてベース・ラインを弾く。また、1曲ではエレクトリック・ベースも手にした。彼がレイのパートナーというのは、本当?
ようはドラムレスの、簡素な設定でパフォーマンスをする。どうやら、こういう設定でライヴをするのは今回が初めてのこととなるらしい。ステージに登場した彼女は相変わらずスリムでかわいらしい。もともと喉力で勝負する人ではないので、最初のほうはサウンドの簡素さもあり少し寂しいと感じる部分があったが、徐々に声も輝きを増し、この素が出やすい設定もありだろうと感じてくる。
彼女は曲によってはギター、そして1曲ではカシシを振りながら歌う。なんにせよ、彼女を包むスレていない“いい人”光線が心地よく、きっといまだに彼女は育ったリーズで暮らしているんだろうなとも思わせる。そして、かつてのリンダ・ルイスがそうであったように、ソウルもロックも同地平に抱えた英国的な風通しの良さ〜それはキラキラした感覚を持つ〜がその個体の奥から顕れるわけで、にっこりしてしまうではないか。
▶︎過去の、コリーヌ・ベイリー・レイ
http://43142.diarynote.jp/?day=20110308
そして、南青山・ブルーノート東京に移動。アルト・サックス奏者/シンガー(1999年8月6~8日、1999年10月28日、2001年4月17日、2002年11月19日、2005年9月6日、2007年9月13日、2009年1月21日、2010年2月16日、2010年9月3日、2013年2月2日、2015年7月27日、2016年7月18日)のメイシオ・パーカーの特別仕立て公演を見る。
ザJBズ→P-ファンクという流れを経て、1980年代後期からピンで活動を始めた(それら関連者の中で、彼は一番安定した活動を続けているのではないか。そのことと、マネイジメントを英国の会社がやっていることと関係はアリか?)。また、プリンス(2002年11月19日)も事あるごとに、彼をツアーのフィーチャード・プレイヤーとして重用していましたね。
ビッグ・バンドを擁する公演。穏健そうな中年白人のスティーヴ・シグムンドを指揮者におき、サックス・セクションの本田雅人、近藤和彦、小池修、庵原良司。トランペット・セクションの佐久間勲、奥村晶、佐々木史郎、二井田ひとみ。トロンボーン・セクションの村田陽一、中川英二郎、半田信英、朝里勝久。電気ギターの今泉洋、キーボードの小倉泰治(ピアノ)、電気ベースの川村竜(ベース)、ドラムの岩瀬立飛(ドラムス)という、日本人奏者たちがつく。管楽器奏者たちはブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラの面々が主となるもの。他の公演では、そのリーダーのエリック・ミヤシロ(2010年5月11日、2011年3月10日、2011年3月28日、2011年4月21日、2011年8月6日 、2014年9月7日、2015年9月27日、2016年1月7日、2017年7月28日、2017年11月8日、2018年5月16日)が入る日もある。
メイシオ・パーカーの新作『It’s About Love』(Jazzline)は独ケルンのWHDビッグ・バンドを従えた新旧のソウル・カヴァー集だが、今回はレイ・チャールズ曲に特化したショウをしますというもの。指揮のスティーヴ・シグムンドは晩年のレイ・チャールズの大所帯バンドに入っていたトロンボーン奏者で、スコアは彼が用意したのだろうか。
ステージに出てきたパーカーは、レイ・チャールズを気取ったキンキラの正装で、彼と同じように濃いサングラスをかける。仕草もどこか彼のそれを踏襲しているとことはあったか。そして、彼はビッグ・バンド音に乗って歌い倒す。ここ15年ほどはアルト・サックス奏者として以上に歌うことに力を入れてきている彼だが、確かサックスのソロをとったのは2曲だけだった。彼は一度だけサングラスを外して歌ったが、それはレイ・チャールズ絡み外の曲だったのではないか。
終盤、ザ・レイレッツ(チャールズのコーラス隊は昔からそういう名称だった)と名乗る3人のおばちゃんコーラス隊(エレイン・ウッダード、カトリーナ・ハーパー、カレン・イヴァンス。チャールズと絡んだ人はいないはず)も加わった。どうせなら、視覚的効果もあるし、もっと早く登場してもいいはずだが、自分が目立ちたかったのか。メイシオ・パーカーの音楽体験原点にある大人(たいじん)とのつながりを求めた公演、当人の感慨をはじめ、いろんな歓びが会場には渦巻いていた。で↓
▶過去の、メイシオ・パーカー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/octber1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200509130313320000/
http://43142.diarynote.jp/200709171112310000/
http://43142.diarynote.jp/200901221504141906/
http://43142.diarynote.jp/201002171552164447/
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201302041827243806/
http://43142.diarynote.jp/201508050852067247/
http://43142.diarynote.jp/201607191314481207/
▶過去の、プリンス
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
▶過去のエリック・ミヤシロ/ブルーノート東京・オールスターズ・ジャズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/?day=20100511
http://43142.diarynote.jp/?day=20110310
http://43142.diarynote.jp/201104041100266528/
http://43142.diarynote.jp/?day=20110421
http://43142.diarynote.jp/201108101632022013/ ノー・ネーム・ホー^セズ
http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/ ノー・ネーム・ホーセズ
http://43142.diarynote.jp/201501131019359012/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
http://43142.diarynote.jp/201601090750252990/
http://43142.diarynote.jp/201708081429085086/ B.B.STATION
http://43142.diarynote.jp/201711091333526195/ マシュー・ハーバートツ・ビッグ・バンド
http://43142.diarynote.jp/201712061006171627/
http://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
▶過去の、レイ・チャールズの映画
http://43142.diarynote.jp/200411170827380000/
<今日の、メイシオ公演>
混んでいた。あら、ステージすぐ前の席に知り合いチームがいる。うち、一人は著書多数の某有名ジャズ喫茶店主。途中から、立ち上がりイエ〜イな感じで踊っている。終了後、ノリノリでしたねと声をかけると、オレの青春なんだよっ。青春、バンザイ! そして、残っていたワインを飲みなよと、お酒に目のないぼくにすすめてくれる。優しいまーくん、これまたバンザイ!
「ホワット・アイ・セイ」の掛け合いに触れながら、大阪を舞台にしたリドリー・スコットの米国映画『ブラック・レイン』で、高倉健演じる松本刑事が酒場で同曲を歌うシーンを思い出した。その映画の主題歌は、グレッグ・オールマンが歌っていた。オールマンは1973年ソロ作『レイド・バック』(「キャプリコーン、」を大ヒットさせたご褒美(?)で菅セクションや3人の女性シンガーを擁する大きな設定でツアーに出た(その模様は、2枚組『ザ・グレッグ・オールマン・ツアー』として翌年商品化される)が、それはレイ・チャールズを気取りたかったからと言われる。みんな大偉人レイさんに対する業のようなものは深いです。
ようはドラムレスの、簡素な設定でパフォーマンスをする。どうやら、こういう設定でライヴをするのは今回が初めてのこととなるらしい。ステージに登場した彼女は相変わらずスリムでかわいらしい。もともと喉力で勝負する人ではないので、最初のほうはサウンドの簡素さもあり少し寂しいと感じる部分があったが、徐々に声も輝きを増し、この素が出やすい設定もありだろうと感じてくる。
彼女は曲によってはギター、そして1曲ではカシシを振りながら歌う。なんにせよ、彼女を包むスレていない“いい人”光線が心地よく、きっといまだに彼女は育ったリーズで暮らしているんだろうなとも思わせる。そして、かつてのリンダ・ルイスがそうであったように、ソウルもロックも同地平に抱えた英国的な風通しの良さ〜それはキラキラした感覚を持つ〜がその個体の奥から顕れるわけで、にっこりしてしまうではないか。
▶︎過去の、コリーヌ・ベイリー・レイ
http://43142.diarynote.jp/?day=20110308
そして、南青山・ブルーノート東京に移動。アルト・サックス奏者/シンガー(1999年8月6~8日、1999年10月28日、2001年4月17日、2002年11月19日、2005年9月6日、2007年9月13日、2009年1月21日、2010年2月16日、2010年9月3日、2013年2月2日、2015年7月27日、2016年7月18日)のメイシオ・パーカーの特別仕立て公演を見る。
ザJBズ→P-ファンクという流れを経て、1980年代後期からピンで活動を始めた(それら関連者の中で、彼は一番安定した活動を続けているのではないか。そのことと、マネイジメントを英国の会社がやっていることと関係はアリか?)。また、プリンス(2002年11月19日)も事あるごとに、彼をツアーのフィーチャード・プレイヤーとして重用していましたね。
ビッグ・バンドを擁する公演。穏健そうな中年白人のスティーヴ・シグムンドを指揮者におき、サックス・セクションの本田雅人、近藤和彦、小池修、庵原良司。トランペット・セクションの佐久間勲、奥村晶、佐々木史郎、二井田ひとみ。トロンボーン・セクションの村田陽一、中川英二郎、半田信英、朝里勝久。電気ギターの今泉洋、キーボードの小倉泰治(ピアノ)、電気ベースの川村竜(ベース)、ドラムの岩瀬立飛(ドラムス)という、日本人奏者たちがつく。管楽器奏者たちはブルーノート東京オールスター・ジャズ・オーケストラの面々が主となるもの。他の公演では、そのリーダーのエリック・ミヤシロ(2010年5月11日、2011年3月10日、2011年3月28日、2011年4月21日、2011年8月6日 、2014年9月7日、2015年9月27日、2016年1月7日、2017年7月28日、2017年11月8日、2018年5月16日)が入る日もある。
メイシオ・パーカーの新作『It’s About Love』(Jazzline)は独ケルンのWHDビッグ・バンドを従えた新旧のソウル・カヴァー集だが、今回はレイ・チャールズ曲に特化したショウをしますというもの。指揮のスティーヴ・シグムンドは晩年のレイ・チャールズの大所帯バンドに入っていたトロンボーン奏者で、スコアは彼が用意したのだろうか。
ステージに出てきたパーカーは、レイ・チャールズを気取ったキンキラの正装で、彼と同じように濃いサングラスをかける。仕草もどこか彼のそれを踏襲しているとことはあったか。そして、彼はビッグ・バンド音に乗って歌い倒す。ここ15年ほどはアルト・サックス奏者として以上に歌うことに力を入れてきている彼だが、確かサックスのソロをとったのは2曲だけだった。彼は一度だけサングラスを外して歌ったが、それはレイ・チャールズ絡み外の曲だったのではないか。
終盤、ザ・レイレッツ(チャールズのコーラス隊は昔からそういう名称だった)と名乗る3人のおばちゃんコーラス隊(エレイン・ウッダード、カトリーナ・ハーパー、カレン・イヴァンス。チャールズと絡んだ人はいないはず)も加わった。どうせなら、視覚的効果もあるし、もっと早く登場してもいいはずだが、自分が目立ちたかったのか。メイシオ・パーカーの音楽体験原点にある大人(たいじん)とのつながりを求めた公演、当人の感慨をはじめ、いろんな歓びが会場には渦巻いていた。で↓
▶過去の、メイシオ・パーカー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/augustlive.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/octber1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-4.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-11.htm
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▶過去の、プリンス
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▶過去のエリック・ミヤシロ/ブルーノート東京・オールスターズ・ジャズ・オーケストラ
http://43142.diarynote.jp/?day=20100511
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http://43142.diarynote.jp/201409100930206205/ ノー・ネーム・ホーセズ
http://43142.diarynote.jp/201501131019359012/
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
http://43142.diarynote.jp/201601090750252990/
http://43142.diarynote.jp/201708081429085086/ B.B.STATION
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http://43142.diarynote.jp/201712061006171627/
http://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
▶過去の、レイ・チャールズの映画
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<今日の、メイシオ公演>
混んでいた。あら、ステージすぐ前の席に知り合いチームがいる。うち、一人は著書多数の某有名ジャズ喫茶店主。途中から、立ち上がりイエ〜イな感じで踊っている。終了後、ノリノリでしたねと声をかけると、オレの青春なんだよっ。青春、バンザイ! そして、残っていたワインを飲みなよと、お酒に目のないぼくにすすめてくれる。優しいまーくん、これまたバンザイ!
「ホワット・アイ・セイ」の掛け合いに触れながら、大阪を舞台にしたリドリー・スコットの米国映画『ブラック・レイン』で、高倉健演じる松本刑事が酒場で同曲を歌うシーンを思い出した。その映画の主題歌は、グレッグ・オールマンが歌っていた。オールマンは1973年ソロ作『レイド・バック』(「キャプリコーン、」を大ヒットさせたご褒美(?)で菅セクションや3人の女性シンガーを擁する大きな設定でツアーに出た(その模様は、2枚組『ザ・グレッグ・オールマン・ツアー』として翌年商品化される)が、それはレイ・チャールズを気取りたかったからと言われる。みんな大偉人レイさんに対する業のようなものは深いです。